JP2010525839A - 医療用の超音波周波数共鳴双極子 - Google Patents

医療用の超音波周波数共鳴双極子 Download PDF

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Abstract

医療用の超音波共鳴双極子またはプローブ(3)が記載されている。超音波共鳴双極子またはプローブ(3)は、ハンドセットに接続するように設計された舌部(30、31、32)、上記舌部に接続された環状素子(33)、および、上記舌部に接続された環状素子(33)上に設けられた器具(5)を備える。ハンドセットは、振動の縦軸(X−X)が舌部の軸と同軸になるように、超音波周波数にて振動する超音波振動子を備える。器具(5)は、振動軸(Y−Y)が振動子の振動軸(X−X)に対して傾斜されるように、環状素子上に設けられている。環状素子(33)は、連続しておらず、開口部(34)を備える。

Description

発明の詳細な説明
〔技術分野〕
本発明は、医療用、特に外科手術用および口腔外科用の共鳴双極子または超音波プローブ(sonotrode)に関する。
〔背景技術〕
骨組織の切断、骨の穿孔(インプラントの挿入)、および、プラーク除去に用いられる超音波ハンドセットまたはハンドピースは、外科分野および歯列矯正分野では周知である。そのような超音波ハンドセットは、出願人を同じくする特許文献EP0 914 809、および、US6.695.847に記載されている。
図1および図1Aは、全体を通して符号100で示された従来技術に係る超音波ハンドセットを示す。ハンドセット100は、
1)機械的振動発生素子1
2)振動増幅素子2
3)振動振幅素子2に同軸上に接続されたプローブ103
を備える。機械的振幅発生素子1は、圧電型の超音波振動子を備えており、この振動子は、圧電セラミックに印加された電界を22〜30kHzの範囲内にある超音波周波数の機械的振動に変換する。振動増幅素子2は、ブースタまたはホーンとして一般的に知られており、直線形状、先細形状、指数形状、または、ステップ形状を有し得るものであり、振動振幅を増幅させるために振動子1に同軸上に接続されている。プローブ103は、(その形状に応じて)それ自体が処置器具として機能する。例えば、骨の穿孔(インプラント部位の準備)、骨の切断、および、プラークの除去のために挿入するためのものとして機能する。
図1および図1Aに示すように、(圧電型または磁歪型の)円筒形の超音波振動子1により、振動子/増幅器アセンブリの縦軸X−Xに沿った実質的には二方向の運動が可能になる。すなわち、上記形態では、一般的に、プローブ/器具103は、最小の横振動をしながら振動子1の縦軸X−Xに沿って二方向の運動を受ける。
基本的に、プローブの端部が受ける振動は、一般的な軸方向成分(プローブ103にその処置機能を与える、矢印Fに沿った往復運動)、ならびに、振動子の縦軸X−Xに対して垂直である、ごく僅かな最小成分を有する。
インプラント部位の生成などのいくつかのタイプの外科手術において、工具の振動軸が、振動子の振動軸に対して特定の角度(好適には約105°)にて傾斜することが望ましい。
米国特許第4.426.341には、振動子の振動軸に対して工具の振動軸を傾斜させるために、連続環状素子からなるプローブを用いることが記載されている。このようなプローブにより、器具の二方向の超音波振動が可能になり、プローブにおける環状素子の4ノードの屈曲モードを使用することにより、器具が圧電振動子の軸に対して90°にて傾斜する。さらに、環状素子の異なる屈曲調和を励起させるとともに、環状素子の6ノードの屈曲モードを用いることによって、二方向の振動軸が120°の角度傾斜する。
しかし、そのようなタイプのプローブは、口腔などのアクセスが困難な部位における正確な処置などの外科処置には不適である。
口腔内に挿入することができる大きさ、すなわち、20mm未満の外径の環状素子を用いる場合、当該環状素子は、振動子の縦振動モード、この場合、約27kHzの周波数、よりも約3kHz大きい周波数の屈曲振動モードで振動を始める。この場合、器具のハンマリング動作はあまり効率的ではなく、外科処置には不適である。実際、最大効率を目的として2つの振動モード(振動子の縦振動およびプローブの屈曲振動)間を連結させるために、各励起モードの共振周波数を一致させる必要がある。
結果として、プローブの屈曲モードの周波数を、振動子の縦方向モードの周波数(27kHz)に収束させる(低減させる)ためには、プローブの適切な幾何学的寸法を決定する必要がある。実際は、プローブの内径および/または外径を、規定の最適値を20mm上回るような大きさにする必要がある。これらの大きさの制約は、手術におけるプローブの使用要件と対立する。手術では、装置の大きさを制限するという要件と、材料の疲労限界内にて手術を行うという要件とを組み合わせる必要があり、プローブにおける環状素子の外径および厚さは、これらの要件によって決まる。
さらに、振動子の軸に対して105°傾けられた軸を備えるように、環状素子上に器具が配置された場合、器具の打診効率は著しく制限される。実際、US5.426.341に記載されたプローブは、器具が、振動子の軸に対して90°(4ノードの屈曲モード)または120°(6ノードの屈曲モード)に傾けられた軸を備えるように配置されるとき、最大効率を得ることが証明されている。これらの器具の位置は、外科手術には不適である。
〔発明の概要〕
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、超音波プローブ、すなわち、ハンドセットの超音波振動子における超音波振動軸に対する既定の角度によって、当該超音波プローブに適用される器具の超音波振動軸の傾斜を可能にするように適合された超音波プローブを提供することによって従来技術の欠点を克服することにある。
本発明の他の目的は、器具の高い振動効率を確保するとともに、アクセス困難な部位の出術に使用できるように、制限された大きさを有するプローブを提供することにある。
添付の独立請求項1に記載された特徴を備えた発明に従って、これらの目的が達成される。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の好適な実施形態は、従属請求項から明らかである。
本発明に係るプローブは、ハンドセットに接続されるように設計された舌部と、上記舌部に接続された環状素子と、上記環状素子上に配置されるとともに、振動子の振動軸に対して傾斜された振動軸を有する器具とを備える。上記ハンドセットは、舌部の軸と振動の縦軸とが同軸になるような超音波周波数にて振動する超音波振動子を備える。環状素子は、不連続であり、開口部を有する。
上記開口部を設けることにより、口腔内に挿入するのに適した小型のプローブの場合、プローブに接続された器具が行う二方向の運動の振動数が、プローブが接続された圧電型超音波振動子にて生成された振動数とぴったり合致する。したがって、器具の打診効果の最大効率が達成される。
特に、上記開口部は、環状素子の4ノード屈曲振動を生成するように、環状素子上の適した位置に配置されている。ここで、振動子の振動軸に対して約105°の角度に対応する、2つのノード間の中間地点において、最大振幅が得られる。その結果、器具の振動軸が、振動子の振動軸に対して80°〜140°の間の角度、好適には105°の角度に傾斜するように、環状素子上に器具を配置することができる。このようにして、外科手術を行う最適の位置に器具が配置されるとき、器具の打診効果の最大効率が得られる。
上記の理由から、本発明に係るプローブは、医学分野、骨および歯のインプラント分野における使用に特に適している。この分野では、準備された骨組織(インプラント部位)に例えばUS7.008.226に記載されたような新型のインプラント(スクリュー/ポストなど)を挿入するために、上記プローブを備えたハンドセットを用いることができる。上記特許文献は、参照することによって本願に組み込まれている。
本発明に係るプローブに特定の切断器具(それ自体周知であるので、図示せず)を設けることにより、(結果生じる打診運動のおかげで)骨組織(インプラント部位)に準備用の穴を開けることができ、骨インプラント学上用いられるスクリュー、ポストなどを挿入するためのスムージングおよび仕上げといった最終動作を行うことができる。
本発明のさらなる特徴は、下記の詳細な説明によってより明らかとなるだろう。詳細な説明は、単なる例示であり、添付の図面に示された実施形態に限定するものではない。
図1および図1Aは、従来技術に係る超音波ハンドセットの斜視図および側面図をそれぞれ示す。
図2および図2Aは、本発明に係るプローブを備えた超音波ハンドセットの斜視図および側面図をそれぞれ示す。
図3および図3Aは、打診器具を省略した、本発明に係るプローブを示す斜視図および側面図である。
図4および図4Aは、図3および図3Aのプローブの変形例をそれぞれ示す斜視図および側面図である。
図5は、ハンマー形状の器具が取り付けられた図4のプローブを示す斜視図である。
図6A、図6B、および図6Cは、3種類のハンマーを示す斜視図である。
図7および図7Aは、図6Bのハンマーが加えられた、図3および図3Aのプローブをそれぞれ示す斜視図および側面図である。
図8および図8Aは、図6Bのハンマーが加えられた、図4および図4Aのプローブをそれぞれ示す斜視図および側面図である。
図9および図9Aは、プローブの斜視図および側面図をそれぞれ示す。
図10は、図8および図8Aのプローブに設けられた超音波ハンドセットに実施される有限要素解析のスキームを示す。
〔発明を実施するための形態〕
図面を用いながら、本発明に係るプローブを説明する。
図2および図2Aは、超音波振動子1とブースタ2とを備えた超音波ハンドセットを示す。超音波振動子1は、対称軸X−Xに沿って超音波周波数(24〜29kHz、好適には、27.0kHz)にて振動し、ブースタ2は、振動の振幅を増幅するために振動子1に同軸上に接続されている。全体を通して符号3で示された本発明に係るプローブは、ブースタ2に接続されている。プローブ3は、好適にはプローブ3と一体化して製造された器具5を備える。しかし、取り外し可能になるように、器具5を個別の素子としてプローブにおける特別な連結具に取り付けてもよい。器具5は、好適には、ハンマーとして知られる打診素子からなる。当該打診素子は、手術部位に対してハンマー打診を行うように適合されている。
図3および図3Aを参照すると、プローブ3は、2つの部材30、31によって構成された舌部を備えており、部材30、31は、互いに同軸であるとともに、振動子1およびブースタ2アセンブリの軸X−X(図2、図2A)と同軸になる配置をとるように構成されている。舌部における第一部材30は、正方形の断面を有しており(しかし、他の形態では、例えば円形の断面であってもよい)、圧電型振動子のブースタ2(図2、図2A)に接続されるように設計されている。このため、舌部における第一部材30は、ブースタ2の雄ねじにねじ留めされるように適合された雌ねじを有しており、プローブ3全体を振動子におけるブースタに固定することができる。
舌部の第二部材31は、長方形の断面を有しており(しかし、他の形態では、例えば円形の断面であってもよい)、その表面は、第一部材30の断面よりも小さい。舌部の第二部材31は、第一部材30に直接接続されている。舌部における第二部材31は、その先端において先細の遷移素子32によって、開口した環状素子33に接続されている。環状素子33は、好適には長方形である、剛性の断面を有する。
環状素子33は、
4mm〜16mmの範囲内、好適には、8mm〜12mmの範囲内の内径(B)、
6mm〜20mmの範囲内、好適には、10mm〜16mmの範囲内の外径(C)、
2mm〜8mmの範囲内、好適には、3mm〜6mmの範囲内の厚さ(D)を有する。
環状素子33は、平面α上にあり、平面αに対して直角な平面βを基準として対称に延びており、振動子の軸(X−X)を含んでいる。環状素子33の上部には、振動子の対称軸X−Xの延長に対応する開口部34(間隙、割れ目)が設けられている。開口部34は、環状素子において舌部における接続具32とは正反対の位置に配置されている。
開口部34の幅は、外向きに増大している。したがって、環状素子の内径において、開口部34の幅(F)は0.3mm〜2.5mmの範囲内、好適には、0.6mm〜1.8mmの範囲内であり、一方で、環状素子の外径において、開口部34の幅(E)は0.5mm〜3mmの範囲内、好適には、0.8mm〜2mmの範囲内である。
図3、図3Aに図示されたプローブ3の実施形態では、環状素子33の外径は、一定に保たれている。
図4および図4Aには、プローブ3の変形例が示されており、好適には長方形の断面を有する平らな面35は、環状素子33の外面上に圧延することによって形成される。平らな面35に対して垂直な直線Pは、振動子の対称軸X−Xに対して、80°〜140°の範囲内、好適には105°の角度γを形成する。平らな面35は、環状素子の中心からの距離(Z)が3mm〜10mmの範囲内、好適には、5mm〜8mmの範囲内である。
図5は、環状素子の平らな面35に配置されたハンマー5を示す。ハンマー5の軸Y−Yは、平らな面35に対して直角である。
図6A、図6B、図6Cに示したように、ハンマー5は異なる幾何学構造をとり得る。異なる幾何学構造は、ハンマー5において得られる振幅に関するとともに、リング33に取り付けられたハンマー5の接続具の領域に生じる材料の疲労ストレスの限界に関する。円形または正方形の断面を有する、ハンマー5の異なる幾何学構造を図示しているが、ハンマー5は他のタイプの断面を有していてもよい。さらに、同図においては、一つの部材として環状素子33と一体化されたハンマー5が図示されているけれども、ハンマーの代わりに、超音波ハンドセットに用いるための周知の器具5を収容するのに適した接続具を環状素子33上に設けることも可能である。
図6Aは、円筒形構造50のハンマー5を示す。
図6Bは、異なる断面を有する円筒形の同軸部材50、51からなる構造を有するハンマー5を示す。より大きい直径の部材50は、手術部位に対してハンマリングを行うように設計された打診部材である。より小さい直径の部材51は、環状素子33に取り付けるための部材である。
図6Cは、円筒形の打診部材50と、平行六面体の接続部材51´とによって構成されたハンマー5を示す。接続部材51´は、円筒形の打診部材50の直径よりも小さい側面を有する正方形断面である。
図6Bおよび図6Cの形態により、高い振幅が得られ、ハンマーとリングとの間の接続付け根における機械的応力を、プローブ材料の疲労限界内に含むことができる。
円筒形の打診部材50の直径は、1.0mm〜5.0mmの範囲内、好適には3mmである。一方、接続部材51、51´は、0.5mm〜2.5mmの範囲内、好適には1.5mmの直径または側面の長さを有する。いずれかの構造を有するハンマー5は、1.5mm〜7.0mmの範囲内、好適には3mmの全長を有する。
図7および図7Aを参照すると、環状素子33が一定の外径を有する場合、ハンマー5は、環状素子33の外面上に配置されるため、その対称の縦軸Y−Yが80°〜140°の範囲内、好適には95°および115°、さらに好適には、105°の角度θを形成する。
図8および図8Aを参照すると、環状素子33が平らな部分35を有する場合、平らな部分35上にハンマー5が垂直に配置される。本形態では、ハンマー5は、平らな面35におけるより長い面Lに対して非対称に配置されており、平らな面35におけるより短い面Mに対して対称に配置されている(しかし、ハンマー5を備えた構造を上記平らな面35の両側面に対して対称に配置することが可能である)。明らかに、このような場合でも、ハンマー5は、平らな面35に対して垂直な軸Yを有しており、振動子の対称軸X−Xに対して80°〜140°の範囲内、好適には、95°〜115°の範囲内、より好適には、105°の角度θにて傾斜している。
このようにして、ハンマー5は、その(上述の)幾何学構造、および、(上述の)プローブ構造のタイプが何であるかに関わらず、ハンマー5が配置されたインプラントのヘッドに、二方向/交互のハンマー超音波振動を伝達し、自身の対称の縦軸Y−Yに沿って動作する。ハンマリング効果により、US7.008.226に記載されたような新型のインプラント(スクリュー/ポストなど)をインプラント部位に挿入することができる。
環状素子33内に間隙34を設けたことから、本発明に係るプローブ3は、軸(X−X)に沿った二方向の振動から、同じ周波数で振幅が大きい二方向の振動に変移させる(変換する)ことができ、基準軸(X−X)に対して約105°の角度θ傾斜された軸(Y−Y)の範囲に沿って動作することができる。
上述の幾何学構造を用いて二方向の回転軸への傾斜についての動作原理を理解するために、振動システム全体を2つのサブシステムに分割する必要がある。第一サブシステムは、圧電型振動子1、ブースタ2、および、プローブにおける舌部30、31、32によって構成されており、第二サブシステムは、開口部34を備える環状素子33によって構成されている。
最初に、交流電流を振動子1における圧電型セラミックに印加する。圧電型セラミックにおいて、逆圧電効果によって、交流電流が機械的振動に変換される。したがって、振動子−ブースタ−舌部のサブシステムにおいて、縦方向の定常波が生成される。プローブの舌部30、31、32は、励起された縦方向モードが、好適には約27kHzにて軸X−Xに沿って生じるような寸法に形成されている。
図9および図10は、第一サブシステム(振動子−ブースタ−舌部)Aの縦(軸)方向モードを示す最終製品モデルである。
開口部34およびハンマー5を備えた環状素子33からなる第二サブシステムは、好適には約27kHzの周波数での屈曲振動モードを有するような寸法に形成されており、さらに、口腔内に挿入するなどの手術部位での使用を可能にする形状を有する。上記用途に所望の屈曲モードの調波(harmonic)は、4ノードであり、当該調波は、図9および図10における最終製品モデルB1およびB2に示されており、図9は、一定の外径を有する環状素子を示しており、図10は、平らな面を有する環状素子をそれぞれ示す。
縦(軸)モードは、環状素子に接続された舌部の先端において、振幅(波腹)の最大点を有する。開口部を備えた環状素子の屈曲振動モードにおいては、同点が波腹を形成する。したがって、プローブにおける環状素子の屈曲振動が、振動子−ブースタ−舌部サブシステムの縦振動によって作動する。
十分な振幅を有する、2つの群の振動モードを組み合わせることによって得られる振動(すなわち、振動子の軸X−Xに対して傾斜された振動)により、骨の中にインプラントを挿入することができる。すなわち、この2つのモードとは、(振動子の対称の縦軸X−Xに沿った)環状素子の縦モード、および、開口部を備えるとともに隆起またはハンマーを内蔵した環状素子の屈曲モードである。システム全体の複合振動モード(縦モードおよび屈曲モード)は、環状素子が一定の外径を有する図9、および、環状素子が平らな面を有する図10にそれぞれ示された最終素子モデルCによって表されている。
2つの群のモードを正しく組み合わせ、動作に必要な複合振動を生じさせるためには、(同時)励起モードのタイプが、同じ共振周波数に波長を合わせるように振動システムを形成しなければならない。続いて、開口部を備えるとともに隆起またはハンマーを内蔵する環状素子において励起された、屈曲振動は、ハンマーの軸Y−Yに沿った、約27kHzの二方向の振動に変換される。
したがって、ハンマーに作用する圧縮および拡張振動サイクルが、ハンマリング効果を生成する。インプラントのヘッドに印加されるこのハンマリング効果によって、上記インプラントを骨組織(インプラント部位)に挿入することができ、同時に、生体吸収性プラスチックを融解することができる。上記使用に関して、口腔などの手術部位に容易にアクセスするために、プローブ3の大きさは限られている。
最終製品の分析から明らかなように、ハンマー5の基部、すなわち、リング接続点における機械的ストレス値を材料の疲労限界内に収めながら、ハンマー5に高い振幅変動を与える必要があるときには、リング33の外径が一定である形態を用いる。一方、外面上に形平らな面35を備えたリング33の形態によって、ハンマー5の完全な線形振動および完全な縦振動が得られ、その結果、インプラントとの接触点における振動が均一になる。本形態においてハンマーに与えられる振幅は、平らな面がない形態を用いた時よりも少ない。
本発明の最終目的は、ハンマー5の軸Y−Yに沿って、振動子の軸X−Xに対して傾斜して作用する「大きい」振幅の交互の運動を得ることにある。振幅の観点から、プローブにおける振動子−ブースタ−舌部のサブシステムの縦振動数を、舌部に対して反対側にある開口部34を備える環状素子33の屈曲振動数と一致させることによって、ハンマー5の所望の運動およびその最大効率が達成された。
実質的に円形で、開口された環状素子33が図面に示されているが、環状素子という用語は、楕円形の素子、または、円形素子以外の同様の形状を備えた素子をも含むことは明らかである。
本発明の実施形態に対して、当業者が想定し得る範囲内で、添付の請求項に記載された本発明の範囲を逸脱することなく、多数の詳細の変更および修正が可能である。
従来技術に係る超音波ハンドセットの斜視図および側面図をそれぞれ示す。 本発明に係るプローブを備えた超音波ハンドセットの斜視図および側面図をそれぞれ示す。 打診器具を省略した、本発明に係るプローブを示す斜視図および側面図である。 図3および図3Aのプローブの変形例をそれぞれ示す斜視図および側面図である。 ハンマー形状の器具が取り付けられた図4のプローブを示す斜視図である。 3種類のハンマーを示す斜視図である。 図6Bのハンマーが加えられた、図3および図3Aのプローブをそれぞれ示す斜視図および側面図である。 図6Bのハンマーが加えられた、図4および図4Aのプローブをそれぞれ示す斜視図および側面図である。 プローブの斜視図および側面図をそれぞれ示す。 図8および図8Aのプローブに設けられた超音波ハンドセットに実施される有限要素解析のスキームを示す。

Claims (19)

  1. 医療用の超音波共鳴双極子(3)であって、
    ハンドセットに接続するように設計された舌部(30、31、32)と、当該ハンドセットが振動縦軸(X−X)が上記舌部の軸と同軸になるように超音波周波数にて振動する超音波振動子(1)を備えており、
    上記舌部に接続された環状素子(33)と、
    振動軸(Y−Y)が上記振動子の振動軸(X−X)に対して傾斜されるように上記環状素子(33)上に配置された器具(5)と、を備えており、
    上記環状素子(33)が、開口している、または、連続しておらず、上記プローブの上記環状素子における舌部への接続具と半径方向反対の位置に、上記振動子の上記軸(X−X)の延長に沿って配置された開口部(34)を有することを特徴とする、双極子(3)。
  2. 上記器具(5)の振動軸(Y−Y)が、上記振動子の振動軸(X−X)に対して80°〜140°の範囲内の角度(θ)傾斜されていることを特徴とする請求項1に記載の双極子(3)。
  3. 上記器具(5)の振動軸(Y−Y)が、上記振動子の振動軸(X−X)に対して95°〜115°の範囲内の角度(θ)、好適には約105°傾斜されていることを特徴とする請求項2に記載の双極子(3)。
  4. 上記環状素子(33)が、20mm未満の外径(C)を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の双極子(3)。
  5. 上記環状素子(33)が、10mm〜16mmの範囲内の外径(C)を有することを特徴とする請求項4に記載の双極子(3)。
  6. 上記環状素子(33)が、2mm〜8mmの範囲内、好適には、3mm〜6mmの範囲内の厚さ(D)を備える剛性の断面を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の双極子(3)。
  7. 上記環状素子における上記開口部(34)が、外方向に増大する幅を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の双極子(3)。
  8. 上記環状素子(33)の内径において、上記開口部(34)が0.3mm〜2.5mmの範囲内、好適には、0.6mm〜1.8mmの範囲内の幅(F)を有しており、
    上記環状素子の外径において、上記開口部(34)が0.5mm〜3mmの範囲内、好適には、0.8mm〜2mmの範囲内の幅(E)を有することを特徴とする請求項7に記載の双極子(3)。
  9. 上記器具(5)を上に配置する平らな面(35)が、上記環状素子の上記外面上に設けられていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の双極子(3)。
  10. 上記器具(5)の振動軸(Y−Y)が、上記平らな面(35)に対して直角であることを特徴とする請求項9に記載の双極子(3)。
  11. 上記器具(5)が、実質的に円筒形の打診部分(50)を有するハンマーであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の双極子(3)。
  12. ハンマーにおける上記円筒形の打診部分(50)が、1.0mm〜5.0mmの範囲内、好適には、3mmの直径を有することを特徴とする請求項11に記載の双極子(3)。
  13. 上記ハンマー(5)が、1.5mm〜7.0mmの範囲内、好適には3mmの全長を有することを特徴とする請求項11または12に記載の双極子(3)。
  14. 上記ハンマー(5)が、上記打診部分(50)の直径よりも小さい直径または側面を有する、円筒形または平行六面体の接続部(51、51´)を備えることを特徴とする請求項11〜13のいずれか一項に記載の双極子(3)。
  15. 上記器具(5)が、上記環状素子(33)と単一の部材にて構成されていることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載の双極子(3)。
  16. 上記器具(5)が、上記環状素子(33)の接続具に取り外し可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載の双極子(3)。
  17. 上記プローブの上記舌部が、正方形の断面を有する第一部(30)、上記第一部の断面よりも小さい面を有する、長方形断面を有する第二部(31)、および、上記環状素子(33)に接続された先細遷移部(32)を備えることを特徴とする請求項1〜16のいずれか一項に記載の双極子(3)。
  18. 上記器具(5)が、その縦軸(X−X)に沿って上記ハンドセットの振動子(1)と同じ振動周波数にて、軸(Y−Y)に沿って振動することを特徴とする請求項1〜17のいずれか一項に記載の双極子(3)。
  19. 上記ハンドセットの振動子(1)が、24kHz〜30kHzの範囲内、好適には27kHzの周波数にて、縦軸(X−X)に沿って振動することを特徴とする請求項1〜18のいずれか一項に記載の双極子(3)。
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