JP2010523978A - プリオンelisa - Google Patents
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Abstract
Description
本開示は、試料中の病原性プリオンタンパク質を検出するためのアッセイに関する。
ヒトでは、プリオン病、別名「伝染性海綿状脳症」(TSE)には、クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)、ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー症候群(GSS)、致死性家族性不眠症およびクールー病が含まれる(例えば、Isselbacherら編(1994年)、Harrison’s Principles of Internal Medicine、New York:McGraw−Hill, Inc.;Medoriら(1992年)N. Engl. J. Med.326巻:444〜9頁を参照)。動物では、TSEには、ヒツジスクレーピー、ウシ海綿状脳症(BSE)、伝染性のミンク脳症、ならびに捕えられたミュールジカおよびヘラジカの慢性消耗病が含まれる(Gajdusek、(1990年)、Subacute Spongiform Encephalopathies:Transmissible Cerebral Amyloidoses Caused by Unconventional Viruses、掲載書Virology、Fields編、New York:Raven Press, Ltd.(2289〜2324頁))。伝染性海綿状脳症は、同じ特質を特徴とする:霊長類、齧歯動物およびトランスジェニックマウスを含む研究用動物に実験的に接種した場合に、疾患を媒介するプリオンタンパク質の異常な(βに富み、プロテイナーゼK耐性の)立体構造の存在。
本発明は、以前に報告された、PrPCのレベルが異常に高いためにこのわずかな割合の試料で発生するバックグラウンドシグナルを減少させる検出方法の改良方法を提供する。本発明者らは、本明細書でさらに記載のように、部位特異的プロテアーゼで複合体を処理する工程を追加することが、病原性プリオンタンパク質からのシグナルにあまり影響を及ぼすことなく、単純な洗浄によって不完全に除去され得る非病原性プリオンタンパク質によるバックグラウンドシグナルレベルを減少させることを見出した。
(a)前記試料を病原性プリオン特異的試薬と、存在する場合には、前記試薬の前記病原性プリオンへの結合を可能にする条件下で接触させて、第1の複合体を形成する工程、
(b)前記非病原性プリオンが部位特異的プロテアーゼによって実質的に消化される条件下で、前記第1の複合体を前記プロテアーゼと接触させる工程、
(c)前記部位特異的プロテアーゼによるさらなる切断を妨害する工程、
(d)前記第1の複合体を任意の未結合の試料および切断された非病原性プリオンから分離する工程、
(e)前記病原性プリオンを前記第1の複合体から解離させることにより、解離した病原性プリオンを得る工程、
(f)前記病原性プリオンと第1の抗プリオン抗体の結合を可能にする条件下で、前記解離された病原性プリオンを第1の抗プリオン抗体と接触させて第2の複合体を形成する工程、および
(g)前記第2の複合体を、任意選択で標識された第2の抗プリオン抗体と接触させることにより、前記第2の複合体の形成を検出する工程
を含み、
前記第1の抗プリオン抗体は、前記プリオンタンパク質中の第1のエピトープを認識し、前記第2の抗プリオン抗体は前記プリオンタンパク質中の第2のエピトープを認識し、前記第1のエピトープと前記第2のエピトープは、同一ではなく、部位特異的プロテアーゼの少なくとも1つの切断部位によって分離され、前記部位特異的プロテアーゼの前記少なくとも1つの切断部位は、前記プリオンタンパク質のプロテイナーゼK耐性コア領域に位置する、方法を提供する。
本発明の実施は、他に規定がない限り、当技術分野内の化学、生化学、分子生物学、免疫学、および薬理学の通常の方法を用いる。そのような技術は、文献で十分に説明されている。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第18版(Easton、Pennsylvania: Mack Publishing Company、1990年);Methods In Enzymology(S. ColowickおよびN. Kaplan編、Academic Press, Inc.);およびHandbook of Experimental Immunology、I〜IV巻(D.M. WeirおよびC.C. Blackwell編、1986年、Blackwell Scientific Publications);Sambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual(第2版、1989年);Handbook of Surface and Colloidal Chemistry(Birdi, K.S.編、CRC Press、1977年);Short Protocols in Molecular Biology、第4版(Ausubelら編、1999年、John Wiley & Sons);Molecular Biology Techniques: An Intensive Laboratory Course(Reamら編、1998年、Academic Press);PCR(Introduction to Biotechniques Series)、第2版(Newton & Graham編、1997年、Springer Verlag);PetersおよびDalrymple、Fields Virology(第2版)、Fieldsら(編)、B.N. Raven Press、New York、NYを参照されたい。
以下の選んだ用語は、本明細書に用いられる文脈において考察される。用語の複数形および単数形の両方が、考察される形に関わらず、含まれる。
病原性プリオンタンパク質と優先的に相互作用する試薬(ペプチドおよびペプトイド)の発見は、何桁も多いPrPCを含む生体試料におけるPrPSCの検出を可能にした。米国特許出願公開第2005/0118645号および第2006/0035242号;国際公開第06/076687号参照。記載された方法は、試料を前処理するためのプロテイナーゼKの使用を必要としない。これらの刊行物に記載されているように、1つのそのような検出アッセイは、病原性プリオン特異的試薬でコーティングされた磁気ビーズを使用すること、ならびに試薬含有ビーズと病原性型の結合を可能にする条件下で、PrPCおよびPrPSCを含有する疑いのある試料とビーズを接触させて、複合体を形成することを含む。PrPSCを捕捉および洗浄した後、典型的には、高pHまたは低pHへの曝露による変性によって、PrPSCをビーズから解離させ、中和し、単純なELISAにより、または好ましくは、サンドイッチELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)により検出する。このプロトコールは、プリオン疾患で死亡したことが知られているヒト由来の10%脳ホモジネートの100万倍希釈で添加(spike)されたヒト血漿試料においてPrPSCを検出する。
(a)存在する場合には前記病原性プリオンと病原性プリオン特異的試薬の結合を可能にする条件下で、前記試料を前記試薬と接触させて第1の複合体を形成する工程、
(b)前記非病原性プリオンが部位特異的プロテアーゼによって実質的に消化される条件下で、前記第1の複合体を前記プロテアーゼと接触させる工程、
(c)前記部位特異的プロテアーゼによるさらなる切断を妨害する工程、
(d)前記第1の複合体を、任意の未結合の試料および消化された非病原性プリオンから分離する工程、
(e)前記病原性プリオンを前記第1の複合体から解離させることにより、解離した病原性プリオンを得る工程、
(f)前記病原性プリオンと第1の抗プリオン抗体の結合を可能にする条件下で、前記解離した病原性プリオンを前記第1の抗プリオン抗体と接触させて第2の複合体を形成する工程、および
(g)前記第2の複合体を、任意選択で標識された第2の抗プリオン抗体と接触させることにより、前記第2の複合体の形成を検出する工程
を含み、
前記第1の抗プリオン抗体は、前記プリオンタンパク質中の第1のエピトープを認識し、前記第2の抗プリオン抗体は、前記プリオンタンパク質中の第2のエピトープを認識し、前記第1のエピトープと前記第2のエピトープは、同一ではなく、前記部位特異的プロテアーゼの少なくとも1つの切断部位によって分離され、前記部位特異的プロテアーゼにに対する前記少なくとも1つの切断部位は、前記プリオンタンパク質のプロテイナーゼK耐性コア領域内に位置する、方法を提供する。
本明細書に記載のアッセイは、病原性プリオン型と優先的に相互作用する試薬を利用する。特に好ましい実施形態では、病原性プリオン特異的試薬は、米国特許出願公開第2005/0118645号および第2006/0035242号;ならびにPCT/US2006/035226(WO2007/030804)に記載されているような、ペプチド試薬またはペプトイド試薬である。本発明の方法に関連して用いる好ましいPSRには、上記の参照出願に記載されたもの、特に、配列番号12〜132、特に、2004年8月13日に出願されたUS10/917,646(その開示は、参照により本明細書に組み込まれている)の配列番号66、67、68、72、81、96、97、98、107、108、119、120、121、122、123、124、125、126、127、14、35、36、37、40、50、51、77、89、100、101、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、128、129、130、131、132、56、57、65、82、または84を含む、またはそれらに由来するペプチド試薬、および2006年9月8日に出願された米国特許出願第11/518,091号(その開示は、参照により本明細書に組み込まれている)の配列番号230、237、238、239、もしくは240、または化合物I、II、III、IV、V、VI、VII、VIII、IX、X、XIa、XIb、XIIa、XIIb、もしくはXIIIを含む、またはそれらに由来するペプトイド試薬が挙げられる。
本発明において有用である部位特異的プロテアーゼは、特定の別々のアミノ酸残基のペプチド結合を切断するプロテアーゼである。一般的に、部位特異的プロテアーゼは、1つの型または少数の特定のアミノ酸残基でタンパク質を切断し、したがって、プリオンタンパク質の切断における予測性を可能にする。そのような部位特異的プロテアーゼの例は以下である:Arg残基またはLys残基のカルボキシル側で切断する部位特異的プロテアーゼであるトリプシン、およびAsp残基またはGlu残基のカルボキシル側で切断するStaphyloccocus aureas由来の部位特異的プロテアーゼであるSV−8。トリプシンおよびSV−8のどちらも様々な供給業者(例えば、Pierce Rockford、IL)から市販されている。他のそのような部位特異的プロテアーゼは、本明細書の記載に基づいて当業者によって容易に選択することができる。加えて、本発明において有用であるためには、プリオンタンパク質における、ELISAに用いられる2つの抗体によって認識されるエピトープ間の領域に部位特異的プロテアーゼの少なくとも1つの切断部位がある必要があり、かつその少なくとも1つのプロテアーゼ切断配列は、PK耐性コア領域(プリオンタンパク質のおよそアミノ酸90〜231位)内にある。この部位は、プリオンタンパク質がPrPC型であるときのみ部位特異的プロテアーゼによって切断され、プリオンタンパク質がPrPSC型であるときは切断されない。さらに、その2つのエピトープ間の領域にPrPSCアイソフォームにおける切断に利用可能な潜在的切断部位がない。好ましくは、そのエピトープの少なくとも1つは、プリオンタンパク質のPK耐性コア領域内にある。好ましくは、他方のエピトープは、プリオンタンパク質のオクタリピート領域内にある。好ましくは、部位特異的プロテアーゼは、プリオンタンパク質のオクタリピート領域内の部位で切断しない。オクタリピート領域のコア反復配列は、GQPHGG(G/S)(−/G)W(配列番号11)であり、それは、異なる種由来のプリオンにおいてわずかに異なり得る(オクタリピート配列を示す10個の異なるプリオンタンパク質の配列についての図3および図4参照)。図2は、オクタリピート領域、例示的なエピトープ部位、および例示的な部位特異的プロテアーゼ切断部位を示すPrPC型およびPrPSC型の概略図を示す。部位特異的プロテアーゼは、ELISAに用いられる抗プリオン抗体により認識されるエピトープ間の少なくとも1つの部位でPrPC型を切断する。したがって、PrPC型はELISAで検出されない。しかし、PrPSC型は、その2つのエピトープ間の領域で部位特異的プロテアーゼによって切断されず、なぜなら、このアイソフォームの立体構造が、その部位をプロテアーゼ切断に利用できないようにさせているからである。したがって、PrPSCはELISAにおいて検出可能である。
上記のように、病原性プリオン特異的試薬と病原性プリオンの特異的相互作用により形成される複合体はまた、特に試料が自然に高レベルのPrPCを含む場合、非特異的に結合したPrPCを含む可能性がある。プロテイナーゼKは、他の設定では、PrPC型を消化し、より耐性の高いPrPSC型をそのままにしておくために用いられている。しかし、PK処理が病原性型の感染力を低減するという事実により示されているように、高濃度のプロテイナーゼKおよび/または長時間の曝露時間が用いられる場合には、PrPSCはタンパク分解に対して完全に耐性であるわけではない。McKinleyら、Cell、35巻、57〜62頁、1983参照。さらに、PrPSCのいくつかの配座異性体は、プロテイナーゼKに感受性がより高いことが示されており、そのような処理が検出の感度を低減する可能性がある(Safarら、(1998年)Nature Med.、4巻、1157頁)。
非病原性プリオンを除去するためのプロテアーゼ処理および洗浄段階後、病原性プリオンタンパク質を、国際公開第2006/076687号パンフレットに記載されているように、病原性プリオン特異的試薬から解離させ、そのパンフレット内および下に記載された、いくつかのELISA形式で検出する。病原性プリオンは、典型的には、病原性プリオン特異的試薬からの解離過程で変性されるが、必ずしもそうとは限らない。高親和性抗プリオン抗体の大部分は、PrPの変性型を結合し、変性PrPに結合する多くの抗プリオン抗体が知られており、かつ市販されているため、ELISAを行う前の捕捉されたPrPSCの変性は好ましい。
病原性プリオン特異的試薬、部位特異的プロテアーゼ、プロテアーゼ阻害剤、変性剤、抗プリオン抗体などを含めた上記のアッセイ試薬は、上記のように検出アッセイを行うために、適切な使用説明書および他の必要な試薬と共にキットにして提供することができる。病原性プリオン特異的試薬を固体支持体上で用いる場合、キットは、追加として、または代わりとして、1つまたは複数の固体支持体上のそのような試薬を含んでもよい。キットはさらに、上記のように、適切な陽性および陰性対照を含んでもよい。キットはまた、用いられる特定の検出アッセイに依存して、適切な標識ならびに他のパックされた試薬および材料(すなわち、洗浄緩衝液など)も含むことができる。
PrPCを含むヒト血漿試料のプロテアーゼ処理
トリプシンが、PrPCを十分に消化して我々のELISAでPrPCが検出されなくなるか否かを調べるために、10ng/mL PrPCを含むヒト血漿(10μL)を、表1に示すように様々な濃度(逓増)のトリプシンで処理した。1〜2mM フェニルメチルスルフォニルフルオライド(PMSF)(プロテアーゼインヒビター)を添加して、トリプシン消化を停止させ、捕捉抗体として3F4(Signet社から入手)を用い、かつ光検出用の化学発光基質を用いるアルカリホスファターゼ(AP)に結合したPOM2抗体(上記のPolymenidouらを参照)で検出するサンドイッチELISAによってPrPCの存在について試料を検査した。測定単位は、相対発光量(RLU)とした。予想通り、トリプシンがPrPCを消化し、PrPCを検出できなかった。予想通り、トリプシンがPrPCを消化し、PrPCを検出できなかった。トリプシン濃度が400μg/mL以上で、PrPCのシグナルがバックグラウンドレベルに低下し、PrPCが完全に消化されたことを示唆している。
PrPCおよびPrPScを含むヒト血漿試料のプロテアーゼ処理
次の一連の実験の目的は、WO2007/030804に記載されているようにPSRで被覆された磁気ビーズを用いるPrPSCのプルダウンアッセイにおいてPrPC汚染を除去するトリプシンの効果を調べることであった。磁気ビーズは、ペプトイド試薬で被覆し、10nL/mL 10%vCJD脳ホモジネートを添加した、または添加していない様々な血漿調製物と共にインキュベートした。10%vCJD脳ホモジネートを、最終濃度10nL/mLの様々な正常(すなわち、非vCJD)ヒト血漿200μLに添加した。この実験では、2群の血漿を試験した。第1の群(N91835およびプール7〜11)は、バックグラウンドが低く(0.8〜2.9相対発光量(RLU))、PrPCのレベルが低いことを示しており、第2の群は、PrPCのレベルが高く、バックグラウンドシグナル(15〜114RLU)が著しく高い。これらのバックグラウンドシグナルは、以前の実験で決定されており、磁気ビーズに非特異的に付着したPrPCのレベルを反映している。10nL/mL 10%vCJD脳ホモジネートを添加すると、PrPCに加えてPrPSCも検出されるため、RLUが増大した。37℃で1時間混合してから、磁気ビーズを磁石で収集して洗浄した。磁気ビーズを、37℃で1時間、50μg/mL トリプシンで処理し、1mM PMSFを室温で10分かけて添加して、タンパク分解を停止させた。磁気ビーズを再度洗浄してから、複合体中のPrPSCを、PCT/US06/001437およびWO2007/030804に開示されているようにNaOHで変性させた。PrPのレベルを、実施例1に記載したようにELISAで測定した。この結果を表2に示す。
PrPCおよびPrPSCを含むヒト脳ホモジネートのプロテアーゼ処理
トリプシン消化がPrPSCからの信号を著しく低減するか否かを確認するために、様々なCJD試料に対するトリプシンの影響を検査した。3人の散発性CJD患者からの脳ホモジネート(赤色、緑色、および黄色に標識)、2人のvCJD患者からの脳ホモジネート(白色および青色)、および正常コントロールを、英国の国立生物学的製剤研究所(NIBSC)から入手した。この6種の脳ホモジネートを、最終濃度10nL/mLで正常ヒト血漿(NHP プール11、すなわちPrPCのバックグラウンドレベルが低いことを既に示した血漿)200μLに添加し、WO2007/030804に開示されているようにペプトイド試薬で被覆した磁気ビーズを添加した。37℃で1時間混合してから、磁気ビーズを洗浄し、37℃で1時間、トリプシン(50μg/mL)と共にインキュベートした。1mM PMSFを室温で10分かけて添加して、トリプシン消化を停止させた。磁気ビーズを再度洗浄してから変性させ、実施例1および2に記載したように捕捉用の3F4と検出用のPOM2を用いるサンドイッチELISAで検出を行った。
PrPCおよびPrPScを含むヒツジ血漿試料のプロテアーゼ処理
ヒツジPrP(図3および図4に示している配列番号:5)中のPrPSCの検出に対するプロテアーゼ処理による消化の影響を検査した。
PrPCを除去するPK処理
近年の研究報告は、プロテイナーゼKでの緩やかな処理により、PrPScのすべてまたは一部のオクタリピートエピトープを維持したまま、PrPCを効果的に除去することができ、これにより検出が向上することを示唆している(米国特許第7,097,997号を参照)。部位特異的プロテアーゼの使用とPK処理の効果を比較するために、以下の実験を行った。
ヒツジPrPSCの検出におけるトリプシン濃度の影響
ELISAプレート(Microlite 2+)を、4℃で一晩、0.1M NaH2PO4.H2Oに溶解したPOM19(3.3μg/mL、pH6)150μLで被覆し、37℃で1時間、TBSTに溶解した0.02%カゼインでブロックした。
Claims (15)
- 病原性プリオンおよび非病原性プリオンを含有する疑いのある試料中の病原性プリオンの存在を検出するための方法であって、該方法は、
(a)存在する場合には病原性プリオン特異的試薬と該病原性プリオンとの結合を可能にする条件下で、該試料を該試薬と接触させて、第1の複合体を形成する工程、
(b)該非病原性プリオンが部位特異的プロテアーゼによって実質的に消化される条件下で、該第1の複合体を該プロテアーゼと接触させる工程、
(c)プロテアーゼ阻害剤を添加して、該部位特異的プロテアーゼによるさらなる切断を妨害する工程、
(d)該第1の複合体を、任意の未結合の試料および切断された非病原性プリオンから分離する工程、
(e)該病原性プリオンを該第1の複合体から解離させることにより、解離した病原性プリオンを得る工程、
(f)該病原性プリオンと第1の抗プリオン抗体との結合を可能にする条件下で、該解離した病原性プリオンを該第1の抗プリオン抗体と接触させて第2の複合体を形成する工程、および
(g)該第2の複合体を、任意選択で標識された第2の抗プリオン抗体と接触させることにより、該第2の複合体の形成を検出する工程
を含み、
該第1の抗プリオン抗体は、該プリオンタンパク質中の第1のエピトープを認識し、該第2の抗プリオン抗体は、該プリオンタンパク質中の第2のエピトープを認識し、該第1のエピトープと該第2のエピトープは、同一ではなく、該部位特異的プロテアーゼの少なくとも1つの切断部位によって分離され、該部位特異的プロテアーゼに対する該少なくとも1つの切断部位は、該プリオンタンパク質のプロテイナーゼK耐性コア領域に位置する、方法。 - 前記部位特異的プロテアーゼがトリプシンまたはSV8を含む、請求項1に記載の方法。
- 前記病原性プリオン特異的試薬が固体支持体に結合される、請求項1または2に記載の方法。
- 前記固体支持体が磁気ビーズである、請求項3に記載の方法。
- 前記第1の抗プリオン抗体が固体支持体に結合される、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
- 前記第1の抗プリオン抗体がマイクロタイタープレートに結合される、請求項5に記載の方法。
- 前記解離する工程が、前記第1の複合体を高pHまたは低pHに曝露することによって実施される、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
- 前記解離する工程の後に前記高pHまたは前記低pHを中和する工程をさらに含む、請求項7に記載の方法。
- 前記解離した病原性プリオンがさらに変性される、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
- 前記第1の抗体または前記第2の抗体が前記プリオンタンパク質のオクタリピート領域のエピトープを認識する、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
- 前記オクタリピート領域のエピトープを認識する抗体がPOM2およびSAF−32からなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
- 前記第1および第2の抗体の一方が前記プリオンタンパク質のオクタリピート領域のエピトープを認識し、他方の抗体が該プリオンタンパク質のプロテイナーゼ耐性コア領域のエピトープを認識する、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
- 前記プロテイナーゼK耐性コア領域のエピトープを認識する抗体が、3F4、POM17およびPOM19からなる群から選択される、請求項12に記載の方法。
- 前記プロテアーゼ阻害剤がフッ化フェニルメチルスルホニルである、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
- 非病原性プリオンタンパク質も含む試料中の病原性プリオンタンパク質を検出するための方法において、該非病原性プリオンタンパク質が実質的に消化される条件下で該試料を部位特異的プロテアーゼで処理する工程を含む改良方法。
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