JP2010523574A - オレフィンオキシド生成物流れの分離と統合されたヒドロ酸化法 - Google Patents

オレフィンオキシド生成物流れの分離と統合されたヒドロ酸化法 Download PDF

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Abstract

オレフィンオキシド生成物(好ましくはプロピレンオキシド)、水、未転化オレフィン、酸素および水素を含む気体のヒドロ酸化流出物流れを形成するような反応条件下で、水素および触媒の存在下で、オレフィン(好ましくはプロピレン)を酸素で気相ヒドロ酸化する工程と、流出物流れからオレフィンオキシド生成物を分離し回収する工程とが統合された方法。その分離は、ヒドロ酸化流出物流れを、液体の還流精留剤を用いる第1の蒸留塔に供給し、未転化オレフィン、酸素および水素を含む第1の塔頂流れ、ならびに水およびオレフィンオキシドを含む第1の塔底流れを得る工程を含み、第1の塔頂流れはヒドロ酸化反応器に再循環され、第1の塔底流れから、さらなる分離によって、精製されたオレフィンオキシド生成物を回収する。
【選択図】なし

Description

本発明は、オレフィンを水素の存在下に酸素でヒドロ酸化し、オレフィンオキシド、水、未転化オレフィン、酸素および水素を含む流出物流れを形成し、続いて流出物流れを分離し、そこからオレフィンオキシド生成物を得る統合方法に関する。
プロピレンオキシドのようなオレフィンオキシドは、アルコールをアルコキシ化してポリエーテルポリオールを形成するために用いられ、ポリエーテルポリオールはポリウレタンおよび合成エラストマーの製造に広範囲な有用性を見いだす。オレフィンオキシドは、また、プロピレングリコールのようなアルキレングリコールおよびイソプロパノールアミンのようなアルカノールアミンの製造における重要な中間体でもあり、アルキレングリコールおよびアルカノールアミンは溶媒および界面活性剤として有用である。
ここ数年間に、いくつかの特許が、3個以上の炭素原子(C3+)を有するオレフィンを水素の存在下に酸素で直接ヒドロ酸化し、対応するオレフィンオキシドを形成する、気相および液相プロセスを開示している。そのようなプロセスのための触媒は、チタン含有担体(たとえばチタニアまたは多孔性チタノシリケート)に担持した、金、銀、貴金属(たとえばパラジウムおよび白金)またはそれらの混合物、および所望により1種以上の助触媒(たとえばアルカリ、アルカリ土類および希土類元素)を含むことが開示されている。そのようなヒドロ酸化プロセスを開示した代表的な特許としては、欧州特許出願公開第0709360号明細書、国際公開第98/00413号、国際公開第98/00414号、国際公開第98/00415号、米国特許第6,255,499号明細書、国際公開第03/062196号、国際公開第96/02323号、国際公開第97/25143号および国際公開第97/47386号が挙げられる。
気相ヒドロ酸化プロセスでは、ヒドロ酸化反応器から得られるそしてオレフィンオキシド、水、未転化オレフィン、酸素、および水素を含む気体の流出物流れは、典型的には、急冷塔、または液体の吸収剤または固体の吸着剤を含有する塔に供給され、そこでオレフィンオキシドが流出物流れから選択的に取り出される。前述の分離法を開示する代表的な技術としては、米国特許第4,990,632号明細書、米国特許第5,532,384号明細書および米国特許出願公開第2003/0031624号明細書が挙げられる。
欧州特許出願公開第0709360号明細書 国際公開第98/00413号 国際公開第98/00414号 国際公開第98/00415号 米国特許第6,255,499号明細書 国際公開第03/062196号 国際公開第96/02323号 国際公開第97/25143号 国際公開第97/47386号 米国特許第4990632号明細書 米国特許第5532384号明細書 米国特許出願公開第2003/0031624号明細書
液体の吸収剤が用いられるときは、その結果得られた、吸収剤に溶解したオレフィンオキシドを含有する液体の流れは、典型的には、粗オレフィンオキシド生成物を回収するために、ストリッパー塔に供給される。この方法においては、典型的には、大量の吸収剤が必要とされ、オレフィンオキシドは相当に希釈され、そして、その結果、吸収剤およびストリッパー塔は、通常、大量の液体を処理するように設計される。また、ストリッパー塔は、吸収剤からオレフィンオキシドを分離するためのエネルギー必要量を満たすために大量のエネルギー入力を必要とする場合がある。吸収塔とストリッパー塔の間に、ストリッパー塔におけるオレフィンオキシド・吸収剤の混合物の加熱と吸収塔への再循環のための吸収剤の冷却の間に、受け入れがたいほど大きな温度サイクルが生じる場合がある。さらに、ストリッパー塔は、通常、かさばる吸収剤から粗オレフィンオキシド生成物を分離し、それによって、精製されたオレフィンオキシドの回収のために第三の蒸留を必要とする。
固体吸着剤法が用いられる場合は、別の工程で塔から吸着されたオレフィンオキシドを脱着しなければならないので、その方法は連続的であるというよりはむしろ周期的である。さらに、ある点で、吸着剤は、オレフィンオキシドで飽和するので、再生する必要がある。固体吸着剤法は、吸着サイクルと脱着サイクルが交互に運転される2つ以上の吸着塔を使用することによって促進することができるが、そのような多塔方法は設備投資および運転費用を増加させる。
液体吸収剤法も固体吸着剤法も、商業化に完全に満足できるものではない。上記のことを考慮すると、その技術は、気相ヒドロ酸化プロセスに改良された生成物分離方法にを統合することによって利益を得るであろう。有益には、そのようなプロセスは、断続的というよりはむしろ連続的に操作されるべきであり、オレフィンオキシド生成物の受け入れがたい希釈を避けるべきであり、エネルギー需要を下げかつ温度サイクルを減らすべきであり、そして可能な範囲で設備投資および運転費用を減らすべきである。
本発明は、オレフィンオキシド生成物を回収するために流出物流れを分離する方法と組み合わせた、オレフィンオキシド生成物を含むヒドロ酸化流出物流れを形成するためにオレフィンをヒドロ酸化する統合された方法を提供する。本発明の方法は、次の工程を含む。
(a)ヒドロ酸化反応器中で、気相で、オレフィンオキシド、水、未転化オレフィン、酸素および水素を含む気相ヒドロ酸化流出物流れを得るのに十分な反応条件下で、ヒドロ酸化触媒の存在下で、水素の存在下で、反応物オレフィンを酸素と接触させる工程、
(b)塔の上3分の1(1/3)の部分において精留剤の液体還流を提供する、第1の蒸留塔の中に気相ヒドロ酸化流出物流れを供給する工程、
(c)第1の蒸留塔から、未転化オレフィン、酸素および水素を含む第1の塔頂流れ、ならびに水およびオレフィンオキシドを含む第1の塔底流れを取り出す工程、および
(d)水およびオレフィンオキシドを含む流れから本質的にオレフィンオキシド生成物からなる流れを得るために、水およびオレフィンオキシドを含む流れを仕上げ系列(finishing train)に供給する工程。
前記の発明は、オレフィンオキシド、水、未転化オレフィンを含む未転化反応物、酸素および水素を含む流出物流れを生成するための、水素の存在下における酸素でのオレフィンの気相ヒドロ酸化を、オレフィンオキシド生成物を得るための、ヒドロ酸化流出物流れの改善された分離と組み合わせた、統合方法を提供する。好都合に、その方法の工程はすべて、最適の生産性のために、連続的に運転することができる。さらに、本発明の分離工程は、有益に、液体吸収剤でオレフィンオキシドを受け入れがたいほどに希釈することを回避し、液体吸収剤の回収を回避し、そして液体吸収剤の使用に関連するいかなる温度サイクルをも回避する。さらに、本発明の分離工程は、従来技術の液体吸収剤分離方法および固体吸着剤分離方法と比較して、より低いエネルギー入力ならびに低減された設備投資および運転費用を要求する。
図1は、オレフィンオキシド、水、未転化オレフィン、酸素および水素を含む気体の流出物流れを形成するために、水素およびヒドロ酸化触媒の存在下でオレフィンを酸素と反応させる気相ヒドロ酸化工程、水およびオレフィンオキシド生成物を含む塔底流れを回収する蒸留工程、ならびに精製されたオレフィンオキシド生成物を回収するための仕上げ工程を含む本発明の第1の好ましい実施態様を示す。
図2は、オレフィンオキシド、水、未転化オレフィン、酸素および水素を含む気体の流出物流れを形成するために、水素およびヒドロ酸化触媒の存在下でオレフィンを酸素と反応させる気相ヒドロ酸化工程、水、オレフィンオキシド生成物およびアルカン精留剤を含む塔底流れを回収する蒸留工程、アルカン精留剤から水およびオレフィンオキシドを分離するストリッパー工程、ならびに精製されたオレフィンオキシド生成物を回収する仕上げ工程を含む本発明の第2の好ましい実施態様を示す。
上に要約したように、本発明は、オレフィンオキシドを含むヒドロ酸化流出物流れを形成するためのオレフィンのヒドロ酸化工程と、ヒドロ酸化流出物流れからオレフィンオキシドを分離する改善された工程とを組み合わせた統合方法を提供する。本発明の方法は、次の工程を含む。
(a)ヒドロ酸化反応器中で、気相で、オレフィンオキシド、水、未転化オレフィン、酸素および水素を含む気相ヒドロ酸化流出物流れを得るのに十分な反応条件下で、ヒドロ酸化触媒の存在下で、水素の存在下で、反応物オレフィンを酸素と接触させる工程、
(b)塔の上3分の1(1/3)の部分において精留剤の液体還流を提供する、第1の蒸留塔の中に気相ヒドロ酸化流出物流れを供給する工程、
(c)第1の蒸留塔から未転化オレフィン、酸素および水素を含む第1の塔頂流れ、ならびに水およびオレフィンオキシドを含む第1の塔底流れを取り出す工程、および
(d)水およびオレフィンオキシドを含む流れからオレフィンオキシド生成物を含む流れを得るために、水およびオレフィンオキシドを含む流れを仕上げ系列に供給する工程。
本発明の好ましい実施態様においては、オレフィンはプロピレンであり、そしてオレフィンオキシドはプロピレンオキシドである。
本発明の別の好ましい実施態様においては、精留剤は、オレフィンの標準沸点以上でかつオレフィンオキシドの標準沸点未満の標準沸点を有する脂肪族炭化水素を含む。好ましくは、精留剤は、ヒドロ酸化方法に用いられるのと同じオレフィンであり、好ましくはプロピレンである。あるいは、精留剤は、C4−8アルカンであり、好ましくはブタンまたはイソブタンである。
本発明の別の好ましい実施態様においては、ヒドロ酸化触媒は、チタン含有担体に担持した金、銀、貴金属(たとえばパラジウムまたは白金)、希土類ランタニドまたはそれらの混合物からなる。より好ましい実施態様においては、チタン含有担体は多孔性チタノシリケートからなる。
別の好ましい実施態様においては、チタン含有担体に担持した金、銀、貴金属、希土類ランタニドまたはそれらの混合物からなるヒドロ酸化触媒は、さらに、アルカリ、アルカリ土類、希土類ランタニド、アクチニド元素およびそれらの混合物からなる群から選択された助触媒を含む。特に、希土類ランタニドは、触媒中の他の成分の具体的な形態に依存して、触媒金属として機能する場合もあるし、助触媒として機能する場合もある。具体的には、触媒が金、銀および/または他の貴金属を含むときは、希土類ランタニドは一般に助触媒の役割をすると考えられる。金、銀および/または他の貴金属が存在しないときは、希土類ランタニドは主要な触媒金属として機能すると一般に考えられる。
第1の好ましい実施態様においては、本発明の方法は、次の工程を含む。
(a)ヒドロ酸化反応器中で、気相で、オレフィンオキシド、水、未転化オレフィン、酸素および水素を含む気相ヒドロ酸化流出物流れを得るのに十分な反応条件下で、ヒドロ酸化触媒の存在下で、水素の存在下で、反応物オレフィンを酸素と接触させる工程、
(b)塔の上3分の1(1/3)の部分においてオレフィンの液体還流を提供する第1の蒸留塔の下3分の1(1/3)の部分に気相ヒドロ酸化流出物流れを供給する工程、
(c)第1の蒸留塔から、未転化オレフィン、酸素および水素を含む第1の塔頂流れ、ならびに水およびオレフィンオキシドを含む第1の塔底流れを取り出す工程、
(d)第1の塔頂流れを凝縮器に供給し、そしてそこから、酸素、水素および未転化オレフィンの一部を含む気体の流れ、ならびに未転化オレフィンの残りを含む液体の流れを引き出す工程、
(e)凝縮器から得られた酸素、水素および未転化オレフィンの一部を含む気体の流れをヒドロ酸化反応器に再循環する工程、
(f)凝縮器から得られた未転化オレフィンの残りを含む液体の流れを、液体還流を提供するために蒸留塔の上1/3部分に再循環する工程、
(g)第1の蒸留塔からの塔底流れからオレフィンオキシドを含む第2の塔頂流れを得るために、第1の蒸留塔からの塔底流れの少なくとも一部を仕上げ系列に供給する工程。
前記の第1の好ましい実施態様に関して、所望により、オレフィン液体還流を補いまたは増加させるために、追加の反応物オレフィンを、第1の蒸留塔、好ましくは第1の蒸留塔の中央1/3部分に供給してもよい。さらなる選択肢として、オレフィンオキシドおよび水を含む第1の塔底流れの一部を、リボイラーに供給してもよく、リボイラーから、第1の塔底流れの中に存在するすべての未転化オレフィンが分離され、第1の蒸留塔に再循環される。
図1を参照ながら、より具体的に説明すると、後述するオレフィン、酸素および水素を含む気体の反応物供給原料流れ(1)は、ヒドロ酸化触媒を含むヒドロ酸化反応器(2)に供給される。ヒドロ酸化反応器(2)から出てくるのは、オレフィンオキシド、水、未転化オレフィン、酸素および水素を含む気体の流出物流れ(3)であり、それは第1の蒸留塔(4)に供給される。第1の蒸留塔には、供給原料流れ流入ライン(5)経由で、追加の反応物オレフィンも供給される。第1の蒸留塔(4)から出てくるのは、未転化オレフィン、酸素および水素を含む第1の塔頂流れ(6)であり、それは未転化オレフィンの少なくとも一部を凝縮させるために凝縮器(7)に供給される。未転化オレフィンの凝縮した部分を含む凝縮器(7)から得られた流出物流れ(8)は、第1の蒸留塔の上1/3部分においてオレフィン液体還流を提供するために、第1の蒸留塔(4)に再循環される。本発明のこの実施態様においては、精留剤は、ヒドロ酸化方法に用いられるのと同一のオレフィンである。未凝縮の未転化オレフィン、酸素および水素の残りを含む凝縮器(7)から得られた流出物流れ(9)は、圧縮機(10)に供給され、圧縮機(10)から得られる圧縮供給原料流れ(11)がヒドロ酸化反応器(2)に再循環するために反応物供給原料流れ(1)に供給される。
第1の蒸留塔(4)からは、水およびオレフィンオキシド生成物を含む第1の塔底流れ(12)も得られ、その一部は供給原料ライン(13)経由でリボイラー(14)に供給してもよく、リボイラー(14)からは第1の塔底流れの中に存在する場合がある任意のオレフィンを含む流出物流れ(15)が得られ、その流出物流れ(15)は第1の蒸留塔(4)に再循環される。第1の塔底流れ(12)の残りは仕上げ系列に供給され、仕上げ系列は1つ以上の蒸留塔、たとえば(16)であってもよく、そこからは水を含む第2の塔底流れ(17)が得られる。その水は典型的には捨てられる。第2の蒸留塔(16)からは、プロピレンオキシド生成物を含む流れ(18)も得られる。未転化オレフィン、酸素および/または水素などの残存気体を含む流出物流れ(19)が、仕上げ塔(16)の塔頂から得られる場合もある。塔頂流れ(19)のすべてまたは一部は、第1の蒸留塔(4)に再循環するために、ライン(20)経由で圧縮機(21)に供給され、そして圧縮機(21)から流出物ライン(22)経由で供給原料流れ(5)に供給されることができる。再循環されない塔頂流れ(19)の残りは、典型的には、放出される。
第2の好ましい実施態様において、本発明の方法は、次の工程を含む。
(a)ヒドロ酸化反応器中で、気相で、オレフィンオキシド、水、未転化オレフィン、酸素および水素を含む気体のヒドロ酸化流出物流れを得るのに十分な反応条件下で、ヒドロ酸化触媒の存在下で、水素の存在下で、反応物オレフィンを酸素と接触させる工程、
(b)塔の上1/3部分においてアルカンの液体還流を提供する第1の蒸留塔に気相ヒドロ酸化流出物流れを供給する工程、
(c)第1の蒸留塔から、未転化オレフィン、酸素、水素およびアルカンの一部を含む第1の塔頂流れ、ならびに水、オレフィンオキシドおよびアルカンの残りを含む第1の塔底流れを取り出す工程、
(d)第1の塔頂流れを凝縮器に供給し、そしてそこから、未転化オレフィン、酸素、水素、および凝縮器に供給されたアルカンの一部を含む気体の流れ、ならびに凝縮器に供給されたアルカンの残りを含む液体の流れを得る工程、
(e)凝縮器から得られた気体の流れをヒドロ酸化反応器に再循環する工程、
(f)凝縮器から得られた液体の流れを第1の蒸留塔の上1/3部分に再循環する工程、
(g)第1の蒸留塔からの水、オレフィンオキシドおよびアルカンの残りを含む第1の塔底流れをストリッパー塔に供給し、アルカンを含む第2の塔頂流れならびに水およびオレフィンオキシドを含む第2の塔底流れを得る工程、
(h)アルカンを含む第2の塔頂流れをヒドロ酸化反応器および/または第1の蒸留塔に再循環する工程、および
(i)水およびオレフィンオキシドを含む第2の塔底流れを仕上げ系列に供給し、そこからオレフィンオキシド生成物を含む第3の塔頂流れを得る工程。
前記の第2の好ましい実施態様に関して、所望により、さらに、オレフィンを補充するために、第1の蒸留塔に、好ましくは第1の蒸留塔の中央1/3部分に、反応物オレフィンを供給することができ、そして、さらに、液体還流を補充するために、第1の蒸留塔に、好ましくは第1の蒸留塔の上部および/または中央1/3部分に、アルカンを供給することができる。さらなる選択肢として、オレフィンオキシド、水およびアルカンを含む第1の塔底流れの一部を、リボイラーに供給してもよく、そこから、アルカン、および第1の塔底流れの中に存在する任意の未転化オレフィンを分離し、第1の蒸留塔に再循環してもよい。
前記の好ましい実施態様を示す図2を参照すると、オレフィン、酸素および水素を含む気体の反応物供給原料流れ(1)は、ヒドロ酸化触媒を含むヒドロ酸化反応器(2)に供給される。ヒドロ酸化反応器(2)から出てくるのは、オレフィンオキシド、水、未転化オレフィン、酸素および水素を含む気体の流出物流れ(3)であり、それは第1の蒸留塔(4)に供給される。所望により、追加の反応物オレフィンを、供給原料ライン(5)経由で第1の蒸留塔に供給してもよい。また、第1の蒸留塔には、供給原料ライン(23)経由で、脂肪族炭化水素精留剤(この場合はアルカン)も供給される。第1の蒸留塔(4)から出てくる第1の塔頂流れ(6)は、未転化オレフィン、酸素、水素およびアルカンの一部を含み、その流れ(6)は凝縮器(7)に供給され、凝縮器に供給されたアルカンの一部が凝縮する。主として液体のアルカンを含む凝縮器(7)から得られた液体の流れ(8)は、塔の上1/3部分において液体の還流を提供するために第1の蒸留塔(4)に再循環される。未転化オレフィン、酸素、水素およびアルカンを含む凝縮器(7)から得られた気体の流出物流れ(9)は、圧縮機(10)に供給され、そこから圧縮された流れ(11)が得られ、ヒドロ酸化反応器(2)に再循環するために、流れ(1)に供給される。
第1の蒸留塔(4)からは、水、オレフィンオキシド生成物およびアルカンの残りを含む第1の塔底流れ(12)も得られる。第1の塔底流れ(12)はストリッパー塔(24)に供給され、そこからアルカンを含む第2の塔頂流れ(25)ならびに水およびオレフィンオキシドを含む第2の塔底流れ(26)が得られ、第2の塔頂流れ(25)は、流れ(9)におよび/または流れ(23)に再循環される。流れ(26)は仕上げ系列(16)に供給され、そこから水の流れ(17)および精製されたプロピレンオキシド生成物(18)が得られる。任意の未転化オレフィン、酸素および/または水素などの残存気体を含む流出物流れ(19)が、仕上げ塔(16)の塔頂から得られる場合がある。塔頂流れ(19)のすべてまたは一部は、第1の蒸留塔(4)に再循環するために、ライン(20)経由で圧縮機(21)に供給し、そして圧縮機(21)から流出物ライン(22)経由で供給原料流れ(5)に供給することができる。再循環されない塔頂流れ(19)の残りは、典型的には、放出される。また、第1の塔底流れの一部を供給原料ライン(13)経由でリボイラー(14)に持っていくことも可能であり、そこから第1の塔底流れの中に存在する任意の残存アルカンおよびオレフィンを含む流出物流れ(15)が得られ、その流出物流れ(15)は第1の蒸留反応器(4)に再循環される。
2〜約5個の炭素原子を有するいかなるモノオレフィンも本発明の方法に適している。オレフィンは炭素および水素原子のみを含むものでもよいし、あるいは、オレフィンは、炭素原子のいずれが、不活性な置換基で置換されていてもよい。ここで用いるときは、用語「不活性な」とは、本発明の方法において実質的に反応しない置換基をいう。適した不活性な置換基としては、限定するものではないが、ハロゲン化物、エーテル、エステル、アルコールおよび芳香族基が挙げられ、好ましくはクロロ、C1−3エーテル、C1−3エステルおよびC1−3アルコール基である。本発明の方法に適したオレフィンの例としては、限定するものではないが、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソブチレン(2−メチルプロペン)、1−ペンテン、2−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、ならびにアリルアルコール、アリルエーテル、アリルエチルエーテル、酪酸アリル、酢酸アリルおよび塩化アリルが挙げられる。好ましくは、オレフィンはプロピレンである。
先行技術には、オレフィン、酸素、水素およびヒドロ酸化反応に適した任意の省略可能な希釈剤のモル比、ならびに適した反応器、および温度、圧力および空間速度などの工程条件が十分に記載されている。国際公開第98/00413号、国際公開第98/00414号、国際公開第98/00415号、米国特許第6,255,499号明細書、国際公開第03/062196号(引用によってここに組み入れられる。)を参照することができる。記載を十分にするために、適したヒドロ酸化工程条件を、以下にまとめて示す。
典型的には、オレフィンの量は、オレフィン、酸素、水素、および省略可能な希釈剤(希釈剤については後述する。)の合計モルを基準として、約1モル%超、好ましくは約5モル%超、より好ましくは約10モル%超である。典型的には、オレフィンの量は、オレフィン、酸素、水素および省略可能な希釈剤の合計モルを基準として、約99未満、好ましくは約80未満、より好ましくは約60未満である。
いかなる酸素源も、ヒドロ酸化工程に受け入れ可能であり、空気または実質的に純粋な分子酸素が挙げられる。分子酸素が好ましい。用いられる酸素の量は、先行技術に記載されているような広い範囲にわたって変わることができる。好ましくは、酸素の量は、オレフィン、酸素、水素および省略可能な希釈剤の合計モルを基準として、約0.01モル%超、より好ましくは約1モル%超、最も好ましくは約5モル%超である。好ましくは、酸素の量は、オレフィン、酸素、水素および省略可能な希釈剤の合計モルのを基準として、約30モル%未満、より好ましくは約25モル%未満、最も好ましくは約20モル%未満である。約20モル%を超えると、酸素の濃度は、オレフィン/水素/酸素混合物の引火範囲内に入る場合がある。
いかなる水素源も、ヒドロ酸化工程に供給することができ、たとえば、炭化水素およびアルコールの脱水素から得られる分子水素、またはオレフィン酸化反応器においてその場で発生した、たとえばプロパンまたはイソブタンのようなアルカンまたはイソブタノールのようなアルコールを脱水素化することによって発生した水素が挙げられている。空気中の水素の痕跡量は無視できるほどわずかなので、本発明の工程に必要な量の水素を提供することができない。追加の水素源が工程に供給されるか、または工程においてその場で発生させなければならない。水素の適した量は、典型的には、オレフィン、酸素、水素および省略可能な希釈剤の合計モルを基準として、約0.01モル%超、好ましくは約0.1モル%超、より好ましくは約3モル%超である。水素の適した量は、典型的には、オレフィン、酸素、水素および省略可能な希釈剤の合計モルを基準として、約50モル%未満、好ましくは約30モル%未満、より好ましくは約20モル%未満である。
所望により、ヒドロ酸化工程において気体の希釈剤を用いることが望ましい場合があり、それは、有益なことに、反応の発熱を取り除きそして放散する手段を提供する。さらに、希釈剤は、反応物が非可燃性の拡大された濃度域を提供する。適した気体の希釈剤としては、限定するものではないが、ヘリウム、窒素、アルゴン、メタン、二酸化炭素、水蒸気およびそれらの混合物が挙げられる。希釈剤の量は、典型的には、オレフィン、酸素、水素および希釈剤の合計モルを基準として、約0モル%超、好ましくは約0.1モル%超、より好ましくは約15モル%超である。希釈剤の量は、典型的には、オレフィン、酸素、水素および希釈剤の合計モルを基準として、約90モル%未満、好ましくは約80モル%未満、より好ましくは約70モル%未満である。
本発明のヒドロ酸化工程で用いられる触媒は、たとえば欧州特許出願公開第0709360号明細書、国際公開第98/00413号、国際公開第98/00414号、国際公開第98/00415号、米国特許第6,255,499号明細書、国際公開第03/062196号、国際公開第96/02323号、国際公開第97/25143号、および国際公開第97/47386号(引用によってここに組み入れられる。)に記載されているように、当技術分野においてよく知られている。好ましくは、ヒドロ酸化触媒は、チタン含有担体に担持された、金、銀、1種以上の貴金属、1種以上の希土類ランタニドまたはそれらの混合物を含む。貴金属としては、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウムおよび白金が挙げられ、好ましくはパラジウムおよび/または白金である。希土類ランタニドとしては、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、ツリウム、イッテルビウムおよびルテチウム、好ましくは、ランタン、エルビウム、ルテチウム、またはそれらの混合物が挙げられる。最も好ましい触媒金属は、金を単独で含むか、または金と銀の両方を含み、一方の場合も、所望により、1種以上の貴金属またはランタニド希土類を含む。先行技術に開示されているように、触媒金属(すなわち金、銀、貴金属および/またはランタニド)の合計担持量は、典型的には、触媒の全質量を基準として、約0.001質量%(10ppm)超、約20質量%未満である。
チタン含有担体は、ヒドロ酸化方法において働くことが知られているいかなるそのような担体をも含むことができ、たとえばチタニア、チタニア・シリカ、チタノシリケート、シリカまたはアルミナの上に分散したチタン、助触媒金属のケイ酸塩(そこで助触媒金属は以下に定義される)の上に分散したチタン、助触媒金属のチタン酸塩、ならびに前記担体の混合物含むことができる。より好ましい実施態様においては、チタン含有担体は、多孔性チタノシリケート、最も好ましくはMFI結晶構造の微孔性結晶チタノシリケートを含む。
所望により、ヒドロ酸化触媒は、さらに、アルカリ、アルカリ土類、希土類ランタニド、アクチニドおよびそれらの混合物からなる群から選択された1種以上の助触媒を含む。好ましくは、助触媒は、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、エルビウム、ルテチウムおよびそれらの混合物からなる群から選択される。先行技術に開示されているように、助触媒の合計担持量は、典型的には、触媒の全質量を基準として、約0.001質量%(10ppm)超、約20質量%未満である。
ヒドロ酸化工程は、発熱を伴う気相工程を扱うことができるいかなる従来の設計の反応器でも行うことができる。好ましい反応器設計としては、固定床、シェル・アンド・チューブ、流動床および移動床反応器、ならびに並列に連結され、交互に用いられる多数の触媒床から構成されたスイング反応器が挙げられる。
ヒドロ酸化工程のための工程条件は、不燃性および可燃性の領域にわたってかなり変わることができる。オレフィン、水素および酸素ならびに省略可能な希釈剤の不燃性混合物と可燃性混合物を区別する条件を認識することは有益である。従って、要望される操作温度および圧力で反応物組成の可燃範囲および不燃範囲を示す組成図を構築するか調べることができる。上に示したより好ましい反応物混合物は、その工程が以下に示すより好ましい温度および圧力で運転されるときは、可燃範囲の外側に位置すると考えられる。しかしながら、当業者によって設計されるように、可燃範囲内の運転は可能である。
通常、ヒドロ酸化工程は、約140℃よりも高い、好ましくは約160℃よりも高い温度で行われる。通常、ヒドロ酸化工程は、約300℃未満、好ましくは約280℃未満の温度で行われる。通常、圧力は、約大気圧〜約500psia(3,448kPa)、好ましくは約100psia(690kPa)〜約300psia(2,069kPa)の範囲である。オレフィンのガス毎時空間速度(GHSV)は、広い範囲にわたって変わることができるが、典型的には、1時間あたり(h−1)触媒1mLあたりオレフィン約10mLより大きく、好ましくは約100h−1より大きく、より好ましくは約1,000h−1より大きい。典型的には、オレフィンのGHSVは、約50,000h−1未満、好ましくは約35,000h−1未満、より好ましくは約20,000h−1未満である。オレフィン、酸素、水素および省略可能な希釈剤を含む供給原料流れの総ガス毎時空間速度(GHSV)もまた、広い範囲にわたって変わることができるが、典型的には、1時間あたり(h−1)触媒1mLあたり気体約10mLより大きく、好ましくは約100h−1より大きく、より好ましくは約1,000h−1より大きい。典型的には、オレフィン、酸素、水素および省略可能な希釈剤を含む供給原料流れのGHSVは、約50,000h−1未満、好ましくは約35,000h−1未満、より好ましくは約20,000h−1未満である。酸素、水素および希釈剤成分のガス毎時空間速度は、所望の相対モル比を考慮に入れてオレフィンの空間速度から決定することができる。
ヒドロ酸化反応器を出る気体の流出物流れは、オレフィンオキシド、水(水はオレフィンのヒドロ酸化の副生成物、オレフィンの燃焼の副生成物および水素の燃焼の副生成物である。)、未転化反応物オレフィン、酸素、水素、用いたときは省略可能な希釈剤、ならびに酸化副生成物(たとえばプロピオンアルデヒド、一酸化炭素および二酸化炭素)を含む。典型的には、ヒドロ酸化反応器を出る流出物流れ中のオレフィンオキシドの濃度は、比較的希薄であり、流出物流れの全体積を基準として、約0.05体積%超、約10体積%未満の範囲にある。典型的には、ヒドロ酸化反応器からの流出物流れ中の水(水蒸気)の濃度は、流出物流れの全体積を基準として、約0.1体積%超、約15体積%未満である。典型的には、ヒドロ酸化反応器からの流出物流れ中の未転化オレフィンの濃度は、流出物流れの全体積を基準として、約1体積%超、約80体積%未満である。典型的には、流出物流れ中の酸素の濃度は、流出物流れの全体積を基準として、約0.5体積%超、約20体積%未満である。典型的には、水素の濃度は、流出物流れの全体積を基準として、約0.1体積%超、約20体積%未満である。典型的には、希釈剤は、流出物流れの全体積を基準として、0体積%以上、約70体積%未満の範囲の濃度で用いられる。
ヒドロ酸化反応器からの気体の流出物は、第1の蒸留塔の、塔に沿って塔の底から塔の中央の点までの任意の点に、好ましくは塔の底から、底から上へ約1/3の高さまでの間に、供給される。適した蒸留塔としては棚段式または充填塔が挙げられるが、充填塔が好ましい。充填物の種類に制限は無く、適した例としては、ここに記載した化学薬品および工程条件に適合し得る金属またはセラミック製の構造化されたまたはダンプ充填物が挙げられる。熟練したプロセスエンジニアは、用いられる特定の蒸気および液体の成分、ならびに要望される蒸気および液体の処理量に適応する第1の蒸留塔を設計することができるであろう。典型的には、第1の蒸留塔の理論段数は、約6〜約50、好ましくは約6〜約20の範囲にある。ヒドロ酸化反応器流出物流れが供給される第1の蒸留塔の塔底の温度は、典型的には、約35℃よりも高く、好ましくは約45℃よりも高いが、約125℃より低く、好ましくは約100℃より低い。塔底圧力は、典型的には、約50psia(345kPa)より高く、好ましくは約150psia(1,034kPa)より高く、そして典型的には、約500psia(3,446kPa)より低く、好ましくは約350psia(2,412kPa)より低い。塔頂の温度は、運転圧での還流成分の凝縮温度によって決定される。第1の蒸留塔の塔頂から出る第1の塔頂流れの圧力は、望ましくは、ヒドロ酸化反応器への気体の再循環の圧縮要求を最小限にするために、ヒドロ酸化反応器内の圧力と同様である。したがって、第1の塔頂流れは、典型的には約50psia(345kPa)より高い、好ましくは約150psia(1,034kPa)より高いが、典型的には約500psia(3,446kPa)より低い、好ましくは約350psia(2,412kPa)より低い圧力で、蒸留塔を出る。
第1の蒸留塔の上1/3部分は精留剤の液体還流を含むために必要とされる。ここで用いるときは、用語「精留剤」とは蒸留中に混合物中の成分の分離を容易にする化合物をいう。この場合は、オレフィンオキシドは気体のヒドロ酸化流出物流れ中で比較的希薄であり、そして精留剤はそこからのオレフィンオキシドの分離を容易にする。好ましくは、精留剤は、オレフィンの標準沸点以上、オレフィンオキシドの標準沸点未満の標準沸点を有する脂肪族炭化水素である。単語「脂肪族炭化水素」とは、炭素と水素原子のみを含む有機化合物をいい、この場合は好ましくは、アルカン(すなわち4個の原子と共有結合した各炭素原子をその中に有する炭化水素、すなわち飽和)またはアルケン(すなわち少なくとも1個の炭素=炭素不飽和二重結合を含む炭化水素)である。用語「標準沸点」とは、ここでは、1気圧(101kPa)の圧力において、ある化合物の液相がその蒸気相と平衡状態にある温度と定義される。適した脂肪族炭化水素精留剤の例としては、限定するものではないが、ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタンおよびオクタンのようなC4−8アルカン、ならびにプロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテンおよびオクテンのようなC3−8アルケンが挙げられ、前記アルカンおよびアルケンの異性体のすべての形が含まれる。
アルケンが精留剤として用いられる場合は、もし任意の他のアルケンがヒドロ酸化反応器を通って再循環されるとヒドロ酸化工程において反応し、それによって全工程を不必要に複雑にするので、それは明白に、ヒドロ酸化方法のオレフィン反応物(たとえば好ましい方法においてはプロピレン)と同じオレフィンを選択することが好ましい。アルカンが精留剤に選ばれる場合は、それはヒドロ酸化方法に関して実質的に不活性であるべきである。ヒドロ酸化反応条件下で、アルカンは典型的には不活性である。特に、ヒドロ酸化反応物オレフィンの標準沸点より高い標準沸点を有するアルカンは、オレフィン自体と比較して、凝縮に際してより少ないエネルギー(冷凍/冷却液)を要求するであろう。たとえば、オレフィンがプロピレンである好ましい方法においては、ブタンは単に水の冷却液で凝縮することができ、一方、プロピレンは冷凍手段を必要とする。結果的に、それは、エネルギーを考慮すると、精留剤としてアルカン(たとえばブタン)を用いることが好ましいかもしれない。
第1の蒸留塔の上1/3部分における液体還流を提供するいかなる従来の設計手段も、適切に用いられる。好ましい実施態様は、生じた液相精留剤を第1の蒸留塔の上1/3部分に送るための導管と共に、蒸留塔の外部の塔頂凝縮器を含む。一般に、凝縮器は、精留剤を凝縮するのに十分な温度で運転され、したがって、温度は、用いられる特定の精留剤および運転圧におけるそれの液化温度に依存する。圧力は、望ましくは、運転条件がヒドロ酸化反応器中の圧力に許すのに近い圧力に維持され、典型的には、約50psia(345kPa)より高く、約500psia(3,446kPa)より低い。
ヒドロ酸化流出物流れからのオレフィンオキシドの分離を容易にするのに十分な液体還流が得られる限り、いかなる量の精留剤を第1の蒸留塔に供給してもよい。精留剤の量は、有利には、オレフィンオキシドの本質的にすべてを、すなわち約95モル%超を、好ましくは約99モル%超を第1の蒸留塔の塔底へ分離するのに十分な量である。当業者は、用いられる特定の蒸留のパラメーターを考慮することによって、第1の蒸留塔に供給すべき精留剤の適した量を決定する方法を知っている。この分離を達成するために、約0.1/1より大きく、約10/1より小さい還流比が有利に用いられる。還流比は、塔からの前進流に対する塔中の液体還流の質量比と定義される。好ましくは、還流比は、約0.1/1より大きく、約5/1より小さく、より好ましくは約1/1より小さい。液体還流は、凝縮器から得られる液体の流れ、または蒸留塔への別個の供給原料において供給される補給流れを介して、供給することができる。凝縮器を出る、未転化オレフィン、酸素、水素、省略可能な希釈剤およびもしあるならばアルカン精留剤を含む気体の流れが可燃性混合物を含まないことを保証するための安全措置を取るべきである。熟練したプロセスエンジニアは、前に示したように、どのような混合物が可燃範囲および不燃範囲内に入るかを決定する方法を知っているであろう。
水、オレフィンオキシドおよび所望により残存未転化オレフィンおよび/またはアルカンのような精留剤を含む第1の塔底流れは、第1の蒸留塔の塔底を出る。典型的には、この第1の塔底流れは、約50モル%超、約90モル%未満の水、約10モル%超、約50モル%未満のオレフィンオキシド、約0モル%超、約1モル%未満の未転化オレフィン、および約0モル%超、約20モル%未満の他の精留剤、たとえばアルカンを含む。所望により、第1の塔底流れの一部は従来の設計のリボイラーに送ってもよい。リボイラーに送られる第1の塔底流れの割合は、第1の塔底流れの全質量を基準として、0〜約30質量%の範囲であることができる。用いる場合は、リボイラーは、第1の蒸留塔へ再循環するために、第1の塔底流れの中に存在しているかもしれないすべての未転化オレフィン反応物および/または精留剤を回収するのに十分な温度および圧力で運転される。
反応物オレフィンそれ自体が、液体還流精留剤として用いられる場合は、水およびオレフィンオキシドを含む第1の塔底流れは、その全部または一部が、水からオレフィンオキシドを要望される程度の製品純度に分離することができる1つ以上の蒸留塔の仕上げ系列に供給される。適した設計としては、前に述べたのと同様の、棚段式蒸留塔および充填塔が挙げられ、好ましくは充填塔である。第1の仕上げ塔は、典型的には、約10〜約50段の理論段を含み、好ましくは、約−30℃よりも高く約140℃よりも低い温度で、約8psia(55kPa)〜約60psia(413kPa)の範囲の圧力で運転される。水を含む第2の塔底流れは、第1の仕上げ塔から得られ、水の流れは典型的には捨てられる。実質的にオレフィンオキシド、好ましくはプロピレンオキシドからなる第2の塔頂流れは、第1の仕上げ塔から得られる。オレフィンオキシド生成物は、典型的には、オレフィンオキシド流れの全質量を基準として、約60質量%より高い、好ましくは約75質量%より高い、より好ましくは約90質量%より高い純度を有する。オレフィンオキシド生成物は、要望に応じて、販売に適しているかまたはさらに精製される。
オレフィン自体以外の精留剤(たとえばアルカン)が用いられる場合は、水、オレフィンオキシドおよび精留剤を含む第1の塔底流れは、その全部または一部が、ストリッパー塔に供給され、そこから精留剤を含む第2の塔頂流れが得られ、それは第1の蒸留塔および/またはヒドロ酸化反応器に再循環される。水およびプロピレンオキシドを含む第2の塔底流れが、ストリッパー塔から得られる。ストリッパー塔は、水およびオレフィンオキシドから精留剤を取り除くのに十分ないかなる温度および圧力でも運転される。第1の塔底流れが水、プロピレンオキシドおよびブタンを含む好ましい実施態様においては、ストリッパーは、典型的には、約−30℃よりも高く約140℃よりも低い温度で、約8psia(55kPa)よりも高く約362psia(2500kPa)よりも低い圧力で運転される。その後、水を含む第2の塔底流れ、およびストリッパー塔から得られたオレフィンオキシドは、ここに前に記載したような仕上げ系列に供給される。この設計においては、水を含む第3の塔底流れ、および実質的にオレフィンオキシド(好ましくはプロピレンオキシド)からなる第3の塔頂流れが、仕上げ系列から得られる。
次の実施例はここに記載した本発明を例証するために提供されるが、これらの実施例はいかなる方法によっても本発明を限定すると解釈すべきではない。ここの記載に基づいて、当業者は、特許請求の範囲内に入る様々な実施態様を作るために本発明のパラメーターを変えることができるであろう。
実施例1
図1および表1を参照して、微孔性チタノシリケート担体の上に担持した金を含む触媒(61,800kg)を、米国特許第6,255,499号明細書の記載に従って調製し、その後、固定床連続流れ反応器(体積137m)に装填する(図1、単位装置2)。その触媒が、プロピレンオキシドおよび副生成物の水を形成するために、水素の存在下における酸素によるプロピレンのヒドロ酸化に用いられる。水素の流れ(窒素中10体積%)が開始される。反応器は、120℃/時間の速度で室温から250℃に加熱され、250℃で1時間維持され、その後、100℃に冷却される。その後、反応器に窒素が供給され、160℃に加熱され、1時間保たれる。その後、温度は140℃に下げられ、その後、プロピレン、酸素および水素を含む供給原料が導入される(図1および入力流れ1)。運転中ずっと、工程温度は160℃に維持され、工程圧力は289〜302psia(1992〜2082kPa)に維持される。プロピレンオキシドへの選択率は、転化したプロピレンのモルを基準として、95.8モル%である。流出物流れ中の水/プロピレンオキシドのモル比は4.2/1である。
ヒドロ酸化反応器(2)からの気体の流出物流れ(3)は、図1に示されるように、25段の理論段を含む第1の蒸留塔(4)に供給されることによって、処理される。外部凝縮器(7)において未転化プロピレンおよび補給プロピレンを凝縮させることによって、液体のプロピレンが得られる。気体の流出物流れからのプロピレンオキシドの精留を容易にするために、その液体のプロピレンは、流れ(8)で、液体還流として第1の蒸留塔の上1/3部分に供給される。表1を参照すると、蒸留塔の還流比は、液体の流れ(8)の流量を気体の流れ(9)の流量で割った値、すなわち305.9/812.3=0.38/1として与えられる。蒸留塔は、塔頂が温度38℃、圧力1965kPaで、塔底が温度104℃、圧力1983kPaで運転される。液体の流れ(12)が第1の蒸留塔(4)の塔底から回収され、仕上げ系列(塔16)に供給され、水流れ(17)、精製されたプロピレンオキシド流れ(18)、および主として未転化プロピレンを含む流れに分離され、未転化プロピレンはこの実施例においてはライン20経由で蒸留塔へ再循環される。(ライン19はガス抜き流れであり、この実施例においては効果的に物質収支ゼロである。) 仕上げ塔(16)は15段の理論段を含み、塔底117℃、塔頂34℃の温度で、塔底188kPa、塔頂172kPaの圧力で運転される。表1は、図1を参照して、本方法発明の上記の実施例について入りと出の流れの成分の質量分率および工程条件を示す。
表1に示されたデータは、アメリカ合衆国マサチューセッツ州ケンブリッジのアスペンテクノロジー社(AspenTechnology, Inc.)から入手可能なAspen(著作権)ソフトウェア・プロセス・シミュレーション・プログラム、具体的にはシミュレーターAspen Plus(2004.1バージョン)によって得られる。そのプログラムは、非ランダム2液(NRTL)および水蒸気の表からの参考方法を用いて、RK−Aspenからの物性セットを用いる。シミュレーションに使用される状態方程式のモデルで使用される特定の混合物の物性および活量係数を決定するために文献データが使用される。
Figure 2010523574
前記のプロセス工程のための統合方法は、ヒドロ酸化工程から、毎時200百万英国熱量単位(MM Btu/h)の値の水蒸気を生成し、外部凝縮器のために25℃で283MM Btu/hの冷却を必要とする。
仕上げ塔から塔頂流れ(18)として回収されたプロピレンオキシドは、塔頂流れ(18)の全質量を基準として、98.7質量%の純度を有する。追加の精製で、回収されたプロピレンオキシドは、99質量%の純度に精製することができる。
実施例2
図2および表2を参照して、液体のプロピレンの還流に代えて、n−ブタンを外部凝縮器(7)に供給し、第1の蒸留塔(4)に液体のブタン還流(8)を生じさせ、そしてストリッパー塔(24)を第1の蒸留塔(4)と仕上げ系列(16)の間に配置した以外は、実施例1を繰り返す。ヒドロ酸化工程におけるプロピレンオキシドへの選択率は、転化したプロピレンのモルを基準として、96.9モル%である。ヒドロ酸化流出物流れ中の水/プロピレンオキシドのモル比は4.3/1である。第1のヒドロ酸化流出物流れ(3)は、ブタン精留剤を使用する第1の蒸留塔(4)に供給される。第1の蒸留塔(4)から得られたプロピレン、酸素、水素、ブタンおよび種々の不活性な希釈剤を含む第1の塔頂流れ(6)は、凝縮器(7)に供給され、液体のブタンの流れ(8)と、未転化プロピレン、酸素、水素およびブタンを含む気体の流れ(9)とに分けられ、液体のブタンの流れ(8)は精留剤として使用するために蒸留塔に再循環され、気体の流れ(9)はヒドロ酸化反応器に再循環される。表2を参照すると、蒸留塔の還流比は、液体の流れ(8)の流量を気体の流れ(9)の流量で割った値、すなわち313.3/495.3=0.63/1と計算される。蒸留塔は、塔頂が温度59.5℃、圧力1689kPaで、塔底が温度87.5℃、圧力1707kPaで運転される。第1の蒸留塔(4)から得られた水、プロピレンオキシドおよびブタンを含む第1の塔底流れ(12)は、ストリッパー塔(24)に供給され、そこから主として未転化プロピレンおよびブタンを含む塔頂流れ(25)ならびに水およびプロピレンオキシドを含む塔底流れ(26)が得られ、塔頂流れ(25)はヒドロ酸化反応器(2)に再循環され、塔底流れ(26)は、精製されたプロピレンオキシド(18)を得るために、仕上げ系列(16)に供給される。ストリッパー塔(24)は、プロピレンおよびブタンを含む第2の塔頂流れ(25)ならびに水およびプロピレンオキシドを含む第2の塔底流れ(26)を回収するために、85.7℃、248psia(1,707kPa)で運転され、第2の塔頂流れ(25)はヒドロ酸化工程に再循環される。図2を参照して、表2に、入りと出の流れのための成分の質量分率および工程条件を示す。
Figure 2010523574
ヒドロ酸化反応によって生成した水蒸気はすべて、熱交換器(このプロセスのプロピレンオキシド回収塔のリボイラー)で消費される。外部ブタン凝縮器のために35℃で500MM Btu/hの冷却が必要である。
ストリッパー塔からの塔底流れ(26)は、実施例1と同様に運転される仕上げ系列(16)に供給され、さらに精製され、塔底流れ(17)の水、塔頂流れ(18)のプロピレンオキシドおよび塔頂流れ(20)のn−ブタンが回収される。
塔頂流れ(18)からのプロピレンオキシドは、90質量%超の純度を有する。

Claims (20)

  1. オレフィンオキシドを含むヒドロ酸化流出物流れを形成するオレフィンのヒドロ酸化およびヒドロ酸化流出物流れからのオレフィンオキシドの分離の統合方法であって、該方法が
    (a)ヒドロ酸化反応器中で、気相で、オレフィンオキシド、水、未転化オレフィン、酸素および水素を含む気相ヒドロ酸化流出物流れを得るのに十分な反応条件下で、ヒドロ酸化触媒の存在下で、水素の存在下で、反応物オレフィンを酸素と接触させる工程、
    (b)塔の上1/3部分において精留剤の液体還流を提供する、第1の蒸留塔の中に気相ヒドロ酸化流出物流れを供給する工程、
    (c)第1の蒸留塔から、未転化オレフィン、酸素および水素を含む第1の塔頂流れ、ならびに水およびオレフィンオキシドを含む第1の塔底流れを取り出す工程、および
    (d)水およびオレフィンオキシドを含む第1の塔底流れからオレフィンオキシド生成物を含む流れを得るために、水およびオレフィンオキシドを含む第1の塔底流れを仕上げ系列に供給する工程
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 精留剤がオレフィンの標準沸点以上でかつオレフィンオキシドの標準沸点未満の標準沸点を有する脂肪族炭化水素であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 精留剤がC4−8アルカンであるか、またはヒドロ酸化工程のオレフィンと同一であることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4. オレフィンがプロピレンであり、そしてオレフィンオキシドがプロピレンオキシドであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 精留剤がプロピレンまたはブタンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. ヒドロ酸化触媒が、チタン含有担体の上に担持された金、銀、1種またはそれ以上の貴金属、1種またはそれ以上の希土類ランタニドまたはそれらの混合物を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. チタン含有担体が多孔性チタノシリケートを含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
  8. 触媒が、さらに、アルカリ、アルカリ土類、希土類ランタニドおよびアクチニド元素ならびにそれらの混合物からなる群から選択された1種またはそれ以上の助触媒を含むことを特徴とする請求項6または7に記載の方法。
  9. ヒドロ酸化反応器からの流出物流れが、0.05体積%超、10体積%未満のオレフィンオキシド、0.1体積%超、15体積%未満の水、1体積%超、80体積%未満の未転化オレフィン、0.5体積%超、20体積%未満の酸素、0.1体積%超、20体積%未満の水素、および0体積%以上、70体積%未満の希釈剤を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 第1の蒸留塔が6〜50段の理論段を含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 第1の蒸留塔は約0.1/1〜約10/1の還流比で運転されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  12. 第1の蒸留塔が、35℃よりも高く125℃よりも低い塔底温度でかつ50psia(345kPa)よりも高く500psia(3,446kPa)よりも低い圧力で運転されることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 仕上げ系列が、10〜50段の理論段を含む少なくとも1つの蒸留塔を含むことを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 仕上げ系列が−30℃よりも高く140℃よりも低い温度でかつ8psia(55kPa)よりも高く60psia(413kPa)よりも低い圧力で運転される蒸留塔を含むことを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. (a)ヒドロ酸化反応器中で、気相で、オレフィンオキシド、水、未転化オレフィン、酸素および水素を含む気相ヒドロ酸化流出物流れを得るのに十分な反応条件下で、ヒドロ酸化触媒の存在下で、水素の存在下で、反応物オレフィンを酸素と接触させる工程、
    (b)塔の上1/3部分においてオレフィンの液相還流を提供する第1の蒸留塔の中に気相ヒドロ酸化流出物流れを供給する工程、
    (c)第1の蒸留塔から、未転化オレフィン、酸素および水素を含む第1の塔頂流れ、ならびに水およびオレフィンオキシドを含む第1の塔底流れを取り出す工程、
    (d)第1の塔頂流れを凝縮器に供給し、そしてそこから、酸素、水素および未転化オレフィンの一部を含む気体の流れ、ならびに凝縮器に供給される未転化オレフィンの残りを含む液体の流れを引き出す工程、
    (e)凝縮器からの、酸素、水素および未転化オレフィンの一部を含む気体の流れをヒドロ酸化反応器に再循環する工程、
    (f)凝縮器からの未転化オレフィンの残りを含む液体の流れを、液体還流に提供するために蒸留塔の上1/3部分に再循環する工程、
    (g)第1の蒸留塔からの塔底流れからオレフィンオキシドを含む第2の塔頂流れを得るために、第1の蒸留塔から得られた水およびオレフィンオキシドを含む塔底流れの少なくとも一部を仕上げ系列に供給する工程
    を含む請求項1〜14のいずれか1項に記載の統合方法。
  16. ヒドロ酸化工程のオレフィン反応物と同一のオレフィンが、精留剤を提供するために第1の蒸留塔の中央1/3部分に供給されることを特徴とする請求項15に記載の方法。
  17. オレフィンオキシドおよび水を含む第1の塔底流れの一部がリボイラーに供給され、リボイラーにおいて、第1の塔底流れ中に存在するすべての未転化オレフィンが分離され、第1の蒸留塔に再循環されることを特徴とする請求項15または16に記載の方法。
  18. (a)ヒドロ酸化反応器中で、気相で、オレフィンオキシド、水、未転化オレフィン、酸素および水素を含む気体のヒドロ酸化流出物流れを得るのに十分な反応条件下で、ヒドロ酸化触媒の存在下で、水素の存在下で、反応物オレフィンを酸素と接触させる工程、
    (b)塔の上1/3部分においてアルカンの液体還流を提供する第1の蒸留塔に気相ヒドロ酸化流出物流れを供給する工程、
    (c)第1の蒸留塔から、未転化オレフィン、酸素、水素およびアルカンの一部を含む第1の塔頂流れ、ならびに水、オレフィンオキシドおよびアルカンの残りを含む第1の塔底流れを取り出す工程、
    (d)第1の塔頂流れを凝縮器に供給し、そしてそこから、未転化オレフィン、酸素、水素、および凝縮器に供給されたアルカンの一部を含む気体の流れ、ならびに凝縮器に供給されたアルカンの残りを含む液体の流れを得る工程、
    (e)凝縮器から得られた気体の流れをヒドロ酸化反応器に再循環する工程、
    (f)凝縮器から得られた液体の流れを第1の蒸留塔の上1/3部分に再循環する工程、
    (g)第1の蒸留塔からの水、オレフィンオキシドおよびアルカンの残りを含む第1の塔底流れをストリッパー塔に供給し、アルカンを含む第2の塔頂流れならびに水およびオレフィンオキシドを含む第2の塔底流れを得る工程、
    (h)アルカンを含む第2の塔頂流れをヒドロ酸化反応器および/または第1の蒸留塔に再循環する工程、および
    (i)水およびオレフィンオキシドを含む第2の塔底流れを仕上げ系列に供給し、そこからオレフィンオキシドを含む第3の塔頂流れを得る工程
    を含む請求項1〜14のいずれか1項に記載の統合方法。
  19. 追加の反応物オレフィンを提供するために、反応物オレフィンが第1の蒸留塔の中央1/3部分に供給され、そして塔中の液体還流を提供するために、アルカンが第1の蒸留塔の中央または上1/3部分に供給されることを特徴とする請求項18に記載の方法。
  20. オレフィンオキシド、水およびアルカンの一部を含む第1の塔底流れの一部がリボイラーに供給され、リボイラーにおいて、第1の塔底流れ中に存在するすべての未転化オレフィンおよびアルカンが分離され、その後、第1の蒸留塔に再循環されることを特徴とする請求項18または19に記載の方法。
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