JP2010520862A - 不斉ビスシランならびに製造方法およびそれらの使用 - Google Patents

不斉ビスシランならびに製造方法およびそれらの使用 Download PDF

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Abstract

Si−R−SiB
[式中、A、B、およびRは本明細書に規定された通りである]の不斉ビスシラン化合物、ならびにこのビスシラン化合物を製造するための方法および金属酸化物粒子の層またはフィルムを形成するためのそれらの使用に関し、その層またはフィルムは、適した基材に付着する。この材料および方法を使用して、例えば、光活性デバイスを製造することができる。

Description

先行出願された米国出願の利益の主張
本出願は、2007年2月28日に出願された米国仮特許出願第60/904,126号の利益を主張する。本出願の内容、および本出願に記載された刊行物、特許、および特許文献の全開示内容は参照により本明細書に援用される。
本開示は一般に、適した基材に凝集層またはフィルムが付着する、粒子の凝集層またはフィルムを形成するための化合物、組成物、および方法に関する。
一般的には、権利請求された発明は、示差的な反応性を有する特定の不斉ビスシラン化合物、ならびにこのビスシランを製造するための方法および金属酸化物粒子の凝集層またはフィルムを形成するためのそれらの使用に関し、その層またはフィルムは、場合により、適した基材に付着することができる。この材料および方法を例えば、光活性デバイスを製造するために使用することができる。
本開示の実施形態において二反応性シランを用いて太陽電池デバイスを作製するためのより低温のプロセスの例示的なフローチャートを示す。 本開示の実施形態において二反応性シランを用いて形成された粒子フィルムを導入する光活性デバイスの断面図を示す。 本開示の実施形態において二反応性シランを用いて形成された粒子フィルムを導入する光活性デバイスの平面図を示す。 本開示の実施形態において作製された太陽電池の実際および比較電流電圧(I−V)曲線を示す。 本開示の実施形態において作製された太陽電池の実際および比較出力曲線を示す。 本開示の実施形態において作製された太陽電池のさらに別の実際および比較電流電圧(I−V)曲線を示す。 本開示の実施形態において作製された太陽電池のさらに別の実際および比較出力曲線を示す。
図面がある場合は図面を参照して様々な本開示の実施形態が詳細に説明される。様々な実施形態への言及は本発明の範囲を限定せず、これに添付された特許請求の範囲によってのみ限定される。さらに、本明細書に示されたいずれの例も、限定されるものではなく、権利請求された発明の多くの可能な実施形態のいくつかを示すにすぎない。
実施形態において本開示は、粒子が互いに付着および粒子層が上に集成される基材に付着する、高表面積粒子層およびその層を有するデバイスを形成するための化合物、組成物、および方法を提供する。
実施形態において本開示は一般式
Si−R−SiB
の化合物を提供し、式中、Rが、脂肪族および芳香族部分など、特定のヒドロカルビル基から選択される二価スペーサー基であり、
Aが、求核試薬と反応することができる一価基であり、
Bが、同じく求核試薬と反応することができるがA基と比べて異なった速度である一価基である。求核試薬に対してAおよびBの相対的な反応速度は、B基を超えるA基の選択的なまたは段階的な反応(すなわち、A>Bの反応性)または逆(すなわち、A<Bの反応性)を可能にするのに十分に異なっている。「求核試薬」および同様な用語は、炭素、酸素、窒素、硫黄などの電子ドナーまたはルイス塩基、および同様な求核試薬を指し、金属酸化物表面結合基または表面会合基(surface associated groups)、例えば、ヒドロキシル(−OH)、チオール(−SH)、アミン(−NH−)、またはそれらの相当するイオンの形、および同様な表面基などがある。「金属酸化物表面」および同様な用語は、例えば、ビスシランなどの別の試薬または分子、ビスシランと金属酸化物粒子との第1の反応生成物などのコンジュゲート、染料、水、酸素、または同様な分子または実体によって接触可能である金属酸化物粒子の任意の部分を指す。シリカ材料および関連金属酸化物材料のさらに別の定義、説明、および方法については例えば、R.K.Iler、The Chemistry of Silica,Wiley−Interscience、1979年を参照のこと。
実施形態において本開示は、式(I)の化合物
(RO)Si−R−SiX (I)
[式中、Rが、
飽和または不飽和−(C−C20)アルキレン−、
(C−C)アルキル置換飽和または不飽和−(C−C20)アルキレン−、
−Ar−、(C−C)アルキル置換−Ar−、
−(CH−Ar−(CH−、(C−C)アルキル置換−(CH−Ar−(CH−、
−Ar−Ar−、(C−C)アルキル置換−Ar−Ar−、
−(CH−Ar−Ar−(CH−、(C−C)アルキル置換−(CH−Ar−Ar−(CH−、
−(CH−Ar−(CH−Ar−(CH−、(C−C)アルキル置換−(CH−Ar−(CH−Ar−(CH−、
−Ar−O−Ar−、(C−C)アルキル置換−Ar−O−Ar−、
−(CH−Ar−O−Ar−(CH−、(C−C)アルキル置換−(CH−Ar−O−Ar−(CH−、
Het、(C−C)アルキル置換−Het−、
−(CH−Het−、(C−C)アルキル置換−(CH−Het−、
−(CH−Het−(CH−、(C−C)アルキル置換−(CH−Het−(CH−、
−Ar−(CH−、(C−C)アルキル置換−Ar−(CH−、
Ar’−CH=、または(C−C)アルキル置換Ar’−CH=から選択される二価ヒドロカルビルスペーサー基であり、
が一価基であり、各々独立して分岐または非分岐の、飽和または不飽和−(C−C)アルキル、−Arまたは(C−C)アルキル置換−Arであり、
Xがハロである]を提供し、式(I)の化合物は、(CHCH−O)Si−CH−CH−SiCl以外である。
実施形態においてRは、式−NR−のアミンまたは式−NR−R−NR−のジアミン(式中、Rは上に規定された通りであり、RはH、または飽和または不飽和−(C−C)アルキルであってもよい)などの非ヒドロカルビル二価スペーサー基であってもよい。
実施形態においてRは、前述の不斉ビスシラン官能基を含有するように改質された染料化合物などの二価スペーサー基であってもよい。
実施形態において本開示は、適した基材に付着する金属含有粒子の層またはフィルムを作製するための組成物および方法において使用するための(CHCH−O)Si−CH−CH−SiClなどの式(I)の上の化合物を提供する。この材料および方法を用いて、デバイス、例えば、光活性または感光性デバイスを製造することができる。
実施形態において、ハロまたはハライドには、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨード、アルキル、アルコキシ等があり、直鎖および分岐鎖基の両方を含めるが、「プロピル」などの個々の基への言及は、直鎖基だけを包含し、「イソプロピル」などの分岐鎖の異性体は明確に言及される。
「アルキル」には、直鎖アルキル、分岐鎖アルキル、およびシクロアルキルなどがある。
「置換アルキル」または「場合により置換されたアルキル」は、ヒドロキシル(−OH)、ハロゲン、アミノ(−NH)、ニトロ(−NO)、アルキル、アシル(−C(=O)R)、アルキルスルホニル(−S(=O)R)またはアルコキシ(−OR)から選択される1〜4個の任意の置換基を有する、直鎖アルキル、分岐鎖アルキル、およびシクロアルキルなど、アルキル置換基を指す。例えば、アルコキシ置換アルキルは、式−CH−CH−O−CHの2−メトキシ置換エチル、式−CH(NR)−CHの1−ジアルキルアミノ置換エチル、および同様な置換アルキル置換基であってもよい。
「アリール」には、少なくとも1つの環が芳香族である約9〜20個の環原子を有する一価または二価フェニル基またはオルト縮合二環式炭素環基を含める。アリール(Ar)には、1〜5個の置換基、例えば、アルキル、アルコキシ、ハロ、および同様な置換基を有するフェニル基など、置換アリールを含めることができる。実施形態においてArまたはアリールには、不斉ビスシラン官能基を含有するように改質されうる芳香族染料化合物を含めることができる。
「Het」には、オキシ、チオ、スルフィニル、スルホニル、および窒素からなる群から選択される1、2、3、または4個のヘテロ原子を有する四(4)、五(5)、六(6)、または七(7)員環飽和または不飽和複素環があり、その環は場合により、ベンゼン環に縮合される。また、Hetには「ヘテロアリール」があり、それは、炭素と非ペルオキシドオキシ、チオ、およびN(X)(式中、Xは、存在しないか、あるいはH、O、(C1−4)アルキル、フェニル、またはベンジルである〕からなる群から各々選択される1、2、3、または4個のヘテロ原子とからなる5個または6個の環原子を含有する単環式芳香環の環炭素を介して結合した基、ならびにそれから誘導される約8〜10個の環原子を含有するオルト縮合した二環式の複素環基、特にベンズ誘導体(benz−derivative)、あるいはプロピレン、トリメチレン、もしくはテトラメチレンジ基をそれに縮合させることによって誘導される基を包含する。実施形態においてHetには、不斉ビスシラン官能基を含有するように改質されうるヘテロ芳香族または複素環染料化合物が挙げられる。1つの適した染料は、例えば、シス−(NCS)ビス(4,4’−ジカルボキシ−2,2’ビピリジン)−ルテニウム(II)(Sommelingら、2000年を参照のこと)である。
様々な炭化水素含有部分の炭素原子含有量は、その部分の炭素原子の少ない側および多い側の数を示す接頭部によって示され、すなわち、接頭部Ci−jは、整数「i」〜整数「j」個の炭素原子(iとjを含む)の部分を示す。このように、例えば、(C−C)アルキルまたはC1−7アルキルは、1〜7個の炭素原子(1と7を含む)のアルキルを指し、(C−C)アルキルまたはC1−4アルキルは、1〜4個の炭素原子(1と4を含む)のアルキルを指す。
本開示の化合物は一般に、当業者に公知であるIUPAC命名法の略語によって命名され、用いられてもよい(例えば、フェニルについては「Ph」、メチルについては「Me」、エチルについては「Et」、時間については「h」、グラムについては「g」または「gm」、ミリリットルについては「mL」、および室温については「rt」)。
「含む(include)」または同様な用語は、含めることを意味するが限定されるものではない。
本開示の実施形態を説明する時に使用された、例えば、組成物中の成分の量、濃度、体積、プロセス温度、プロセス時間、収量、流量、圧力、および同様な値、およびそれらの範囲を修飾する「約」は、例えば、化合物、組成物、濃縮物または使用調合物を製造するために用いられた典型的な測定および取扱い手順によって、これらの手順の不注意による誤差によって、方法を実施するために用いられた出発材料または成分の製造、供給元、または純度の違いによって、および同様な問題によって起こりうる数量の変動を指す。また、用語「約」は、例えば特定の初期濃度または混合物を有する調合物の老化のために異なる量、および特定の初期濃度または混合物を有する調合物の混合または処理のために異なる量を包含する。用語「約」によって修飾されるか否かにかかわらず、本明細書に添付された特許請求の範囲には、これらの量への等価物が含まれる。
実施形態において「から実質的になる(consisting essentially of)」は、例えば、単一化合物、化合物の混合物、または組成物を指し、本開示の金属酸化物粒子フィルムまたは層、および物品またはデバイスを製造するための化合物または組成物の使用方法を指し、特許請求項の範囲に記載された成分または工程、ならびに特定の基材、特定の二反応性またはビスシラン、特定の金属酸化物または混合金属酸化物、または同様な構造物、材料、または選択される工程変数など、本開示の化合物、組成物、物品、および使用方法の基本的および新規な性質に本質的に影響を与えない他の成分または工程を含めることができる。開示の成分または工程の基本特性に本質的に影響を与える場合があるかまたは本開示に望ましくない特性を与える場合がある事柄には、例えば、ビスシランの示差的な反応性の減少または喪失、シラン改質金属酸化物フィルムまたは層の表面積の減少、適した基材へのシラン改質金属酸化物フィルムまたは層の付着力の減少、および同様な特性などがある。実施形態において、本開示の化合物、組成物、物品またはデバイス、または方法は好ましくは、このような望ましくない特性を除くかまたは回避する。このように、権利請求された発明は好適には、本明細書に規定されたような式(I)の化合物、本明細書に規定されたような、式(I)の化合物と金属酸化物粒子とを含有する反応生成物の組成物、前述の組成物と、基材と、任意の光増感剤材料または同様な材料とを含有する光電池デバイス、または本明細書に規定されたような光電池デバイスの製造方法を含む(comprise)、それらからなる(consist of)、またはそれらから実質的になってもよい(consist essentially of)。
本明細書に使用された不定冠詞「a」または「an」およびその相応する定冠詞「the」は、特に記載しない限り、少なくとも1つ、もしくは1つまたは複数を意味する。
基、置換基、および範囲のために下に記載された特定のおよび好ましい値は説明目的のためであるにすぎず、それらは、他の規定された値または基および置換基のための規定された範囲内の他の値を除外しない。本開示の化合物には、式(I)の化合物および本明細書に記載された値、具体的な値、より具体的な値、および好ましい値のいずれかの組合せを有する同様な化合物がある。
具体的には、C1−4アルキルはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、t−ブチルであってもよく、C1−7アルキルはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、3−ペンチル、ヘキシル、またはヘプチルであってもよく、(C3−12)シクロアルキルはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、式
Figure 2010520862
のような二環式、または多環式置換基であってもよい。
1−7アルコキシはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソ−ブトキシ、sec−ブトキシ、ペントキシ、3−ペントキシ、ヘキシルオキシ、1−メチルヘキシルオキシ、またはヘプチルオキシであってもよく、−C(=O)アルキルまたは(C2−7)アルカノイルはアセチル、プロパノイル、ブタノイル、ペンタノイル、4−メチルペンタノイル、ヘキサノイル、またはヘプタノイルであってもよく、アリール(Ar)はフェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、フルオレニル、テトラヒドロナフチル、またはインダニルであってもよく、Hetはピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、またはヘテロアリールであってもよく、ヘテロアリールはフリル、イミダゾリル、トリアゾリル、トリアジニル、オキサゾイル、イソオキサゾイル、チアゾリル、イソチアゾイル、ピラゾリル、ピロリル、ピラジニル、テトラゾリル、ピリジル、(またはそのN−オキシド)、チエニル、ピリミジニル(またはそのN−オキシド)、インドリル、イソキノリル(またはそのN−オキシド)またはキノリル(またはそのN−オキシド)であってもよい。
具体的には、−(CH−はkが1〜約20の整数であるとき−(C1−20アルキレン)−であってもよく、メチレニル、エチレニル、プロピレニル、ブチレニル、ペンチレニル、3−ペンチレニル、ヘキシレニル、へプチレニル、オクチレニル、ノニレニル、デシレニル、および同様な同族体であってもよい。
具体的には、−(CH−はkが1〜約7、または1〜約5の整数であるとき−(C1−7アルキレン)−であってもよく、メチレニル、エチレニル、プロピレニル、ブチレニル、ペンチレニル、3−ペンチレニル、ヘキシレニル、またはへプチレニルであってもよい。
具体的には、−(CH−はkが1〜約4の整数であるとき−(C1−4アルキレン)−であってもよく、メチレニル、エチレニル、プロピレニル、またはブチレニルであってもよい。
Hetの特定値には、1、2、3、または4個のヘテロ原子、例えば、非ペルオキシドオキシ、チオ、スルフィニル、スルホニル、および窒素を含有する五(5)、六(6)、または七(7)員環飽和または不飽和環、ならびにそれから誘導される約8〜12個の環原子を含有するオルト縮合二環式の複素環基、特にベンズ誘導体、あるいはプロピレン、トリメチレン、テトラメチレンまたは別の単環式Hetジラジカルをそれに縮合させることによって誘導される基などがある。
式(I)の特定化合物は、Rが例えば、−Ar−、または(C−C)アルキル置換−Ar−であってもよく、ここでArが例えば、オルト−、メタ−、またはパラ置換−C−であってもよい。
式(I)の別の特定化合物は、Rが例えば、−CH−Ar−CH−、または(C−C)アルキル置換−CH−Ar−CH−であってもよく、ここでArが例えば、オルト−、メタ−、またはパラ置換−C−であってもよい。
式(I)の別の特定化合物は、Rが例えば、−Ar−CH−、または(C−C)アルキル置換−Ar−CH−であってもよく、ここでArが例えば、−C−CH−などのオルト−、メタ−、またはパラ置換−C−、または−C(R)−CH−などの(C−C)アルキル置換−Ar−CH−、または場合によりアルキル置換−C−CH(R)−であってもよく、ここでRが(C−C)アルキルまたは置換(C−C)アルキルであってもよい。
式(I)の別の特定化合物は、Rが例えば、Ar’−CH=、または(C−C)アルキル置換Ar’−CH=(各Ar’が、ヒドロカルビル主鎖に結合したアリール置換基である)、例えばC−CH=、C(R)−CH=、またはC−C(R)=であってもよく、ここでRが(C−C)アルキルまたは置換(C−C)アルキルであってもよい。
式(I)の別の特定化合物は、Rが飽和または不飽和−(C−C)アルキレン−、−Ar−、または(C−C)アルキル置換−Ar−であってもよく、Rが飽和または不飽和−(C−C)アルキルであってもよく、Xがハロであってもよい。
式(I)の別の特定化合物は、Rが飽和または不飽和−(C−C)アルキレン−、−C−、または(C−C)アルキル置換−C−であってもよく、Rが飽和または不飽和−(C−C)アルキルであってもよく、Xがクロロであってもよい。
式(I)の別の特定化合物は、Rがプロピル−CH−CH−CH−または−C−であってもよく、Rが−CHであってもよく、Xがクロロであってもよい。
式(I)の別の特定化合物は、Rがウンデシル−(CH−)11−であってもよく、Rが−Me、Et、Pr、Bu、i−Bu、s−Bu、またはt−Buであってもよく、Xがクロロおよびブロモであってもよい。
式(I)の特定化合物は、式
(CHO)Si−CH−CH−CH−SiCl
のトリクロロ(3−(トリメトキシシリル)プロピル)シランである。
式(I)の別の特定化合物は、式
(CHO)Si−(CH11−SiCl
のトリクロロ(11−(トリメトキシシリル)ウンデシル)シランである。
式(I)の別の特定化合物は、式
(CHO)Si−C−SiCl
のトリクロロ(4−(トリメトキシシリル)フェニル)シランである。
式(I)の別の特定化合物は、式
(CHO)Si−CH−C−CH−SiBr
のトリブロモ(4−((トリメトキシシリル)メチル)ベンジル)シランである。
式(I)の別の特定化合物は、式
(t−BuO)Si−CH−C−CH−SiCl
のトリ−t−ブトキシ(4−((トリクロロシリル)メチル)ベンジル)シランである。
式(I)の別の特定化合物は、式
(t−BuO)Si−(4,4’−置換−2,2’Bipy)−SiCl
のビス(4,4’−シラン置換−2,2’ビピリジン)のRを含有する。
本開示の別の特定化合物は、1つまたは複数のモノまたはビス(シラン置換−2,2’ビピリジン)配位子と、場合により、Ru(II)などの配位金属、例えば以下の式の光活性染料シス−(NCS)ビス(4,4’−ジカルボキシ−2,2’ビピリジン)−ルテニウム(II)およびそれらの同様な置換などとを組み込む。
Figure 2010520862
Figure 2010520862
式(I)の上に記載された特定化合物、および本開示の同様な化合物には、それらの塩を含めることができる。
「(C−C)アルキル置換」は、「(C−C)アルキル置換基がヒドロカルビル部分Rのアルキル、芳香族、またはヘテロ芳香族部分に結合していること、(C−C)アルキル置換基が、炭化水素部分のアルキル、芳香族、またはヘテロ芳香族部分に結合した置換基に結合していること、または両方を指す。このように、(C−C)アルキル置換−CH−C−CH−は例えば、1つまたは複数の(C−C)アルキル置換基が−C−に結合している−CH−C−CH−、1つまたは複数の(C−C)アルキル置換基が−CH−置換基のどちらかまたは両方に結合している−CH−C−CH−、または両方であってもよく、例えば−CH−(3−Et−C)−CH−、−CH(Et)−C−CH(Et)−、−CH(Et)−(3−Et−C)−CH(Et)−、および同様な置換基および置換パターンが挙げられる。
「1,4−置換」、「パラ置換」または同様な接頭語は、炭化水素核の芳香族またはヘテロ芳香族部分上の鎖間またはスペーサー主鎖置換基の置換パターンを指す。このように、例えば、「1,4−置換−CH−CH−C−CH−CH−」または単に「1,4−(−CH−CH−C−CH−CH−)」は、ジエチレニルフェニル炭化水素部分のパラ置換された形を指す。
本開示の不斉ビスシラン化合物に関連して、「炭化水素」、「ヒドロカルビル」および同様な用語は二価−R−部分を指し、例えば、アルキル炭化水素、芳香族またはアリール炭化水素、アルキル置換アリール炭化水素、アルコキシ置換アリール炭化水素、ヘテロアルキル炭化水素、ヘテロ芳香族またはヘテロアリール炭化水素、アルキ(alky)置換ヘテロアリール炭化水素、アルコキシ置換ヘテロアリール炭化水素、および同様な炭化水素部分などが挙げられ、本明細書に説明された通りである。実施形態において、不斉ビスシラン化合物の炭化水素は、絶縁性、半導性、または導電性ポリマーまたはコポリマーなどの有機ポリマー、ガラスなどの無機ポリマー、オルガノ置換ポリシロキサンなどの有機−無機ハイブリッドポリマー、またはそれらの組合せなど、存在する場合、基材中に含有された、それらの炭化水素と同じか、類似しているか、または少なくとも化学的にまたは物理的に親和性であるように選択されうる。
式(I)の上に記載された化合物などの本開示のビスシラン化合物は、本明細書において、例えば下のスキームにおいて、それに類似した手順によって、または、言及された刊行物または特許の部分的または関連手順を含めて、多くの異なった手順によって、記載および説明されたように調製されうる。スキームにおいて用いられた変数の全ては、下にまたは本明細書のどこかに規定された通りである。
二価炭化水素スペーサー単位は一般に、高表面積を有する特有の部位、細孔、キャビティ、または同様な表面構造を有する表面結合シロキサンを有する得られた金属酸化物組成物を提供することができる。得られた複合物粒子総体の寸法および化学的特性およびそれらの表面性質は、事前に(a priori)設計されるかまたは例えば、可能なまたは望ましい表面構造の幾何学、表面エネルギー、および同様な機能的性質の分子モデリングによって事後に(post hoc)容易に変更されうる。
本明細書に記載されたように、様々な出発材料または中間体から本開示の化合物、オリゴマー、コポリマー、または同様な生成物を調合または改良するために適した他の条件が公知である。例えば、FeiserおよびFeiser、「Reagents for Organic Synthesis」、第1巻、以下参照、1967年;March,J.「Advanced Organic Chemistry」、John Wiley & Sons、第4版、1992年;House,H.O.、「Modem Synthetic Reactions」、第2版、W.A.Benjamin、New York、1972年;およびLarock,R.C.、「Comprehensive Organic Transformations」、第2版、1999年、Wiley−VCH Publishers、New York(その全体を参照により本明細書に援用する)を参照のこと。
本明細書に記載された合成方法において使用された出発材料は市販されており、科学文献に報告されているか、または当該技術分野において公知の手順を用いて容易に入手可能な出発材料から調製されうる。上に記載されたまたは他の合成手順の全てまたは一部を行なう間に場合により保護基を用いることが望ましい場合がある。このような保護基およびそれらの導入および除去方法は当該技術分野で公知である。Greene,T.W.、Wutz,P.G.M.「Protecting Groups In Organic Synthesis」、第2版、1991年、New York、John Wiley & Sons,Inc.を参照のこと。
本開示の二反応性ビスシラン化合物、ビスシラン金属酸化物組成物、またはビスシラン金属酸化物と基材の組合せ、およびデバイスは、例えば、オルガノシリコーンコーティング、化成処理(conversion coating)、不動態化コーティング(passivating coating)、例えばガスまたは液体クロマトグラフィーにおいて使用されるようなコンディショニングコーティング(conditioning coating)、カップリング剤(例えば、Pludemann、Silane Coupling Agents(1982年)を参照のこと)、表面改質剤の他、物品またはデバイス、および同様な用途などのシリコーンエラストマーまたは同様なゴム用途において有用である。
本開示の材料および方法の1つの用途は、太陽電池または同様なデバイスの製造である。報告されたプロセス(O’Regan,B.;Graetzel,M.、Nature、1991年、353、737−740)において、TiO粒子層を導体改質ガラス基材上に形成し、引き続いて高温の擬似焼結プロセスにおいて処理して多孔性TiO粒子層を形成した。しかしながら、チタニアは、焼結するために必要とされる温度よりも低い温度において、例えば、アナターゼからルチルに相を変化させるので、粒子の完全性を失わずに容易に焼結されず、このような相転移は、粒子フィルムの表面積の顕著なおよび有害な低減をもたらすことがある。報告されたプロセスは高温(例えば、>300℃、例えば450℃以上)を使用する。このおよび他の高温焼結プロセスは、高温において代替材料が不安定であるために、多くの有機基材など、潜在的に魅力的な代替粒状および基材材料に使用するのは難しく、相応しくない。
実施形態において本開示は、反応生成物と反応してそれを支持する基材であって、ガラス、ポリマー、セラミック、セラマー、複合物、および同様な材料、またはそれらの組合せの少なくとも1つを含む基材と、任意の光増感剤材料とを含む光電池デバイスを提供する。光増感剤材料は例えば、光増感剤、染料、顔料、またはそれらの組合せであってもよい。実施形態において1つの適した染料は、例えば、シス−(NCS)ビス(4,4’−ジカルボキシ−2,2’ビピリジン)−ルテニウム(II)(Sommelingらを参照のこと、2000年)である。実施形態において、染料または同様な光活性分子は、本明細書において説明されたように、不斉ビスシランの構造に組み込まれてもよい。
実施形態において本開示は、式(I)の化合物を金属酸化物粒子と接触させる工程と、得られた懸濁液を基材上にコートしてフィルムを基材上に形成する工程と、得られた被覆された基材を加熱して基材−フィルム複合物を形成する工程とを含む、上に記載された光電池デバイスの製造方法を提供する。実施形態において、デバイス加工のための作製方法もまた、式(I)の化合物と金属酸化物粒子との反応生成物を含む組成物によって実施することができる。作製方法は、反応生成物と反応してそれを支持する基材をさらに含むことができ、基材は、例えば、ガラス、ポリマー、セラミック、セラマー、複合物、および同様な材料、またはそれらの組合せの少なくとも1つを含むことができる。実施形態において、得られた被覆された基材を加熱して基材−フィルム複合物を形成する工程は、例えば、約100℃以下の温度、例えば約20℃〜約100℃、約30℃〜約100℃、約40℃〜約100℃、および約50℃〜約100℃において実施されてもよい。本方法は、場合により、得られた基材−フィルム複合物を光増感剤と接触させる工程と、光増感剤を有する得られた複合物と、ガラスまたは同様な基材上に支持された金属フィルム、例えば、白金または同様な金属を有するような第2の導電性基材とを集成する工程とを含むことができる。可撓性基材上の染料感応太陽電池の例として、2000年5月1〜5日、第16回欧州太陽電池太陽エネルギー会議と展示会(16th European Photovoltaic Solar Energy Conference and Exhibition)Glasgow、Scotlandにおいて提供されたSommelingら、「Flexible dye−sensitized nanocrystalline TiO solar cells」、ECN−RX−−00−020;2000年5月、5ページを参照のこと。ゾル−ゲルフィルムをベースとした太陽電池の他の例については、M.Graetzel、「Solar Cells Based on Sol−Gel Films」第14章、第III巻:Applications of Sol−Gel Technology;S.Sakka編、Kluwer Academic Publishers、Boston、2004年を参照のこと。
実施形態において本開示は、反応生成物と反応してそれを支持する基材を含むエレクトロクロミックデバイスを提供し、基材が、ガラス、ポリマー、セラミック、セラマー、複合物、または同様な材料の少なくとも1つ、およびそれらの組合せ、および任意のエレクトロクロミック材料を含む。エレクトロクロミック材料は例えば、染料、顔料、または同様な材料、およびそれらの組合せであってもよく、その材料は、1つまたは複数の電子によって還元および/または酸化時にその光吸収性質を変化させる。
実施形態において本開示は、式(I)の化合物を、反応性表面を有する金属酸化物粒子と接触させる工程と、得られた懸濁液を基材上にコートしてフィルムを基材上に形成する工程と、得られた被覆された基材を加熱して基材−フィルム複合物を形成する工程とを含む、光触媒デバイスを提供する。基材は場合により、増感剤と、反応体ストリームを表面に誘導するデバイスとを含有してもよい。増感剤は光を吸収することができる染料であってもよく、電子を触媒に注入することによって反応性材料を活性化させてもよく、それによって、染料だけで可能である光活性化に比べて反応速度を高めてもよい。また、基材は導電性であってもよく、電圧をフィルムに印加して反応性をさらに強化してもよい。デバイスは、反応体を反応性表面に誘導し、反応性表面から生成物を除去しなければならない。
実施形態において本開示は、式(I)の化合物を金属酸化物粒子と接触させる工程と、得られた懸濁液を基材上にコートしてフィルムを基材上に形成する工程と、得られた被覆された基材を加熱して基材−フィルム複合物を形成する工程とを含む、光電子化学デバイスの製造方法を提供する。本方法は場合により、得られた基材−フィルム複合物を光増感剤と接触させ、吸収される光スペクトルを強化する工程を含むことができる。デバイスは、電極としての得られた複合物を対電極および電解液と組み合わせて集成して、複合物の基材によって誘導された光電気出力との化学反応を促進する能力を達成する工程をさらに含む。
実施形態において本開示は比較的高価でなく、加工し易く、より軽量、取扱いおよび加工がより簡単で、よりエネルギー効率的に製造でき、場合により可撓性、および同様な態様を有する本開示の導電性粒子フィルムから製造されたデバイスを提供する。
実施形態において、本開示は、中心有機部分および異なった反応性を有する2個のシラン基を有する不斉オルガノビスシラン化合物を提供する。シラン基の各々が求核性官能価を示す粒子および表面と反応することができ、その結果、共有結合が形成される。実施形態において、反応性シラン基は、求核試薬に対して示差的な反応性を有し、その結果、粒子表面および基材表面へのシランの求核性カップリング反応に対して、一方の基は他方の基と比べてかなり遅い反応動力性能を有する。この示差的な反応性は、他方の基において著しい反応なしに一方のシラン反応基と粒子が急速に反応することを可能にする。次に、第2のより反応性でないシラン基は、別の近い粒子または近い基材表面と反応して粒子を一緒に結合し、粒子を基材に保持することができる。
実施形態において、本開示は、二反応性シラン化合物を用いて粒子の隣接接触を強化する粒子の薄い層またはフィルムを形成する方法を提供する。得られた層は、より低温において作製されてもよく、ポリマーなどの高温において典型的に不安定である基材上の粒子フィルムまたは粒子層の形成を可能にすることができる。
実施形態において、本開示は、(従来の金属酸化物粒子の付着のために典型的に用いられる温度に対して)より低い温度において、二反応性シラン化合物または同様な化合物と組み合わせて製造された、例えば、シリカ、ケイ酸塩、ホウケイ酸塩、リンケイ酸塩、窒化ケイ素、オキシ窒化ケイ素、硫化亜鉛、酸化タンタル、チタニア、チタン酸塩、アルミナ、アルミン酸塩、スズ、酸化スズ、タングステン、鉄、および同様な酸化物または混合酸化物、またはそれらの組合せの半導体金属酸化物粒子の薄い層を備える光電池デバイスを提供し、そのデバイスは、その粒子の隣接接触によって、強化された光効率をもたらすことができる。開示されたプロセスは、比較的低温においておよびより低コストの基材上で行なわれてもよい。開示されたプロセスは、本開示の二反応性シランを用いずに高温または低温のどちらかで製造されるそれらのコストおよびデバイスよりも著しいコストおよびデバイス性能の改良を提供することができる。
理論によって限定されることを望まないが、以下の態様は、材料の選択および得られたデバイスの強靭性において重要な問題であると考えられる。染料のLUMOは、金属酸化物または混合金属酸化物粒子フィルムの伝導帯のレベルであるかそれを超えるべきである。電解液のレドックス電位は、染料のHOMOレベルであるかそれを超えるべきである。染料のHOMOは、金属酸化物または混合金属酸化物フィルムの価電子帯を超えるべきである。対電極は、電子をレドックス電解液に注入することができるべきである。FTOなどの導電性基材は、電子を金属酸化物または混合金属酸化物フィルムから受容することができるべきである。
実施形態において、本開示の二反応性シラン化合物は、隣接する粒子が互いに比較的十分に近接して保持されている粒状層およびフィルムを製造することができる。隣接する粒子の十分なおよび制御された近接は、フィルム中のほぼ結晶接触を可能にする。粒状層またはフィルムをゆるやかな加熱、例えば約100℃においてまたはそれより低い温度において容易に作製することができ、粒子を隣接した粒子に十分に結合させ、基材を様々なデバイスの加工において有用にすることができる。本開示の材料の使用およびプロセスは、約500℃に近いチタニア粒子の使用など、高温への加熱、すなわち、例えば、約150℃超〜約300℃のコストおよび過酷度を回避する。実施形態において、本開示の二反応性シランを用いて、十分な粒子間凝集を有する金属酸化物粒子の層またはフィルムを形成することができ、例えば、約100℃を超える温度に加熱することなくデバイス加工のための十分な付着力を有する基材を形成することができる。処理温度のこの低減によって、ポリマーなどのより低コストの基材の使用を可能にする。これらのより低温において大部分の有機材料は、非常に安定したままであり、他方、500℃においては存在するとしてもほとんどの有機材料は安定していない。この低減されたプロセス温度によって、フィルム形成段階においてデバイス中に様々な有機材料を配合すること、基材のために様々な有機材料を使用すること、または両方を可能にする。本開示の二反応性シランおよびフィルム形成プロセスは、高い処理温度を解消し、エネルギーコストを低減する。
また、粒子を十分に近接して一緒に結合しうることは、不連続な粒子の性質から連続フィルムの性質への移行を可能にすることができる。実施形態において、開示された方法に従って処理されたナノ結晶性チタニアフィルムは、広いバンドギャップ半導体として機能することができる。実施形態において、染料装飾チタニアフィルムなど、染料感応太陽電池として公知の構成物は、有機染料増感剤から注入された電子を受容することができ、電子を透明な導電性酸化物表面(例えば、フッ素化酸化スズ(FTO))に伝導することができ、そこから電気的エネルギーを取り入れることができる。理論によって限定されないが、チタニア粒子または同様な粒子は、外側粒子上に発生された電子が、近接した粒子に移動させられて電子が透明な導電性酸化物層に達するように、隣接したまたは近接したチタニア粒子と十分な接触を有するべきである。当該技術分野においてこれは典型的に、約450℃においてナノ結晶性チタニアコーティングを部分的に焼結することによって行なわれている。スラリーからのチタニアナノ粒子のフィルムの形成または堆積の間、本開示の二反応性シラン化合物を粒子間接着剤として用いることによって、ナノ結晶性フィルムを高温焼結なしに容易に作製することができる。得られたナノ結晶性フィルムは、従来のプロセスによって得られた高温焼結層の性能に近づき、超える場合もある光電池性能を有することができる。粒子間の結晶学的接触を形成せずに良い電気導電率が達成されうることは驚くべき結果であったが、これらのナノ結晶性フィルムにおいての隣接接触は、付着されていないフィルムと比べてかなり異なっている場合があることを示唆する。実施形態において、本開示のステッチされた粒子フィルムの光電池効率は、焼結粒子フィルムについて約2.0に比べて約1.5からなど、同等であることが見出された。
下のスキーム1は、特定式トリメトキシシリルプロピルトリクロロシラン1を有する式(I)の二反応性シラン化合物への合成経路を示し、それは、チタニア粒子(灰色の球は縮尺通りではない)または同様な金属酸化物粒子との選択的な反応であり、次いで、基材上に架橋ハイブリッドチタニア粒状フィルムまたは粒子層を形成する。粒状フィルムまたは層は、粒子の1つまたは複数の経路または層、例えば連結された粒子の単一層または多層を含んでもよい。実施形態において、トリメトキシシリルプロピルトリクロロシラン1は不活性溶剤中で懸濁されたチタニア粒子と反応し、トリクロロシリル部分の反応によって共有結合を形成する。このように反応させられるとき、付加された未反応トリメトキシシリル基を有するチタニア粒子のこの懸濁液は、ガラス、フッ素化酸化スズ、ポリマー、および同様な基材またはそれらの組合せなど、求核性部位を有する基材表面上に薄いフィルムとして堆積されてもよい。また、トリメトキシシリル部分は、チタニア粒子および基材表面と反応するが、さらにゆっくりと反応する。基材上の粒子の薄い層を適度の温度に加熱することによって反応を加速してもよく、例えば、約100℃など、約200℃未満が約1時間未満で反応を完了するのに十分である。トリメトキシシリル基の反応は、粒子を基材に架橋または結合、および連結させ、その結果、有機材料が不安定である場合があるような高温において粒子を焼結する必要なしにフィルムの完全性が保たれる。
Figure 2010520862
下のスキーム2は、p−トリメトキシシリルフェニルトリクロロシラン2の特定式を有する本開示のフィルムの形成のための別の例示的な二反応性シランの合成を示す。
Figure 2010520862
これらのおよび他の合成が本願に記載され、実施例においてさらに例示される。
非対称二官能性シランおよび粒子の結合方法
式(RO)Si−R−SiXの本開示の不斉二官能性または二反応性シランは、第1の中間生成物および第2の生成物をもたらすために段階的に金属酸化物粒子(P)の表面とシランを選択的に反応させる示差的な反応性を有する。第1の中間生成物においてシランの2個の官能基−SiXのより多くの反応基が、金属酸化物粒子の表面と部分的にまたは完全に反応して、二官能性シランの1つの末端が粒子表面に結合した、例えば、式(RO)Si−R−SiX−O−Pの金属酸化物粒子を形成する。後続のゆるやかな加熱は第2の生成物をもたらし、ここで式(RO)Si−の表面結合シラン官能基の未反応の第2の末端が、1つまたは複数の隣接した同様に官能化された金属酸化物粒子(P’)の表面と反応して式P’−O−(RO)−Si−R−SiX−O−P(式中、mおよびnは1〜2でありうる)の1つまたは複数の結合または架橋生成物を製造する。
実施形態において、代替プロセスは、シランの2個の官能基の1個が例えば、式(RO)Si−R−SiX−O−Pの金属酸化物粒子の表面に結合した上に記載された第1の生成物または中間生成物を新鮮なまたは未反応金属酸化物粒子(P)と接触させて、例えば、式P−O−(RO)−Si−R−SiX−O−Pの1つまたは複数の結合または架橋生成物を製造する工程を含む。
上の第1のまたは代替の第2のプロセスのどちらかにおいて、粒子総体の成果は、例えば、−O−Si−R−Si−O−の式のビスシランスペーサーで架橋される金属酸化物粒子を有する。不斉二官能性シラン反応体の、金属酸化物粒子の表面上の有効反応性官能基に対する相対的な比に応じて、得られた粒子総体は、−O−(RO)−Si−R−SiX−O−(式中、mおよびnが1〜2でありうる)などの未反応シラン官能基をさらに有してもよく、それは例えば、ガラス、ポリマー、セラミック、セラマー、複合物、および同様な材料、またはそれらの組合せなどの適した基材とさらに反応して、架橋粒子総体を基材に結合または連結することができる。実施形態において、未反応シラン基を有する粒子総体を、添加された第2の異なった金属酸化物粒子、例えばケイ酸塩、および同様な金属酸化物粒子または混合金属酸化物粒子、例えばホウケイ酸塩、および同様な混合金属酸化物粒子と反応させることができる。
実施形態において、シランの第2の官能基と、隣接したまたは添加された金属酸化物粒子との反応を基材の存在下で行い、粒子の架橋および総体の形成を同時に達成し、架橋粒子総体を式≡Si−R−Si≡のビスシラン単位を有する基材に結合することができる。
実施態様において、反応体の相対的な比率は、フィルム厚さ、多孔度、密度、表面積、感光性および同様な性質など、製品フィルムに望ましい性質に応じて変化されうる。染料感応光電池などの用途は、増感剤を無機フィルム表面に結合することができ、実施形態において増感剤をできる限り大きな表面積の上に分散させて高い吸収係数、および低い再結合率(recombination rates)を達成する。実施形態において、より多い二反応性シラン結合剤を添加するとき、粒子の密着結合は増加すると考えられるが、粒子の有効表面積を犠牲にすることになる。1または2などの各々の二反応性シランASi−R−SiBは6つもの表面部位を占めることができるが、幾何学的な不整合の作用が生じる可能性があるために、シランは、例えば、4つの表面部位を占める可能性のほうが高く、高表面積金属酸化物粒子上のわずか2つの表面部位しか占めない場合がある。チタニア表面上の各1平方ナノメートル(nm)当たり約5個の表面ヒドロキシルがあり、その結果、3グラムのチタニアが約1.5×1020の表面ヒドロキシル(Ti−OH)を有する。二反応性接着剤が4個のヒドロキシルを消費すると仮定される場合、7.4マイクロリットルのトリメトキシシリルプロピルトリクロロシラン1(30マイクロモル)が有効表面部位の約10%を占める。最適な性能または性質は、より大きいまたはより小さい有効範囲を有する様々な用途において達成されうる。
核ヒドロカルビル基(R)または同様な基が異なった基によって置き換えまたは置換される他の同様な二反応性シランを同様な方法によって調製することができる。トリエトキシシリル−エチルトリクロロシラン、その調製、金属コロイドで触媒されたヒドロシリル化機構を説明する時のその使用が報告されている(Lewis,L.N.、J.Am.Chem.Soc.、1990年、112、5998−6004)。本開示の実施形態において分子の中央により長い炭素鎖を有する二反応性シランの合成が使用可能であり、また、開示されたカップリングおよびデバイス形成プロセスは、これらの化合物によって機能することが予想される。しかしながら、鎖が非常に長くなり十分に柔軟である場合、粒子の架橋効率は、緩慢に反応するトリアルコキシ基と、トリハロシリル基が反応させられる同じ粒子との反応(粒子間反応)の可能性が増すために、低減される場合がある。また、より大きな有機基の過剰バルクが粒子の表面の空間を占有する場合があり、このように接近を妨げ、製造されたフィルムの後続の反応の効率を低減する。式ASi−SiBまたはASi−CR−SiB(式中、各Rが例えば独立してHまたはアルキルである)の二反応性シラン基の間で、置換されたまたは置換されていない単一炭素を有するかまたは架橋炭素原子を有さない示差的に反応性の官能性材料を製造することも可能であるはずである。また、ジアルコキシジクロロシラン、(RO)SiClなど、式ASiB(Rが皆無または単一結合である場合)の単核二反応性シランを用いて開示されたプロセスが機能することも可能である場合がある。しかしながら、このタイプの二反応性シランは、分子の到達範囲が限られているために不十分なフィルムの形成につながる場合があり、従って隣接した粒子または表面上に反応基を正確に整列する必要がある場合がある。本開示の多炭素二反応性シラン化合物は、特定の鎖の柔軟性を有することができ、粒子の反応部位とのわずかな不整列を受け入れることができる。二反応性シランの不斉基は、トリクロロおよびトリアルコキシシランである必要はない。代わりにそれらは、単に、求核試薬との示差的な反応性を有し、粒子および基材の求核性基と共有結合を形成しうる必要がある場合がある。実施形態において、塩素、アルコキシ基の1つまたは2つ、または両方が、アルキルまたはアリールなど、反応基ではない他の基で置換されてもよい。得られた化合物は、同様な二反応性において機能することが予想される。しかしながら、6個未満の反応基を有する化合物は、それほど効率的でない粒子架橋剤および基材カップリング剤であることが予想される。
実施形態において、不斉二反応基は、両方ともがシリル基である必要はなく、あるいは全くシリル基である必要はない。本明細書において説明されたように段階的に求核試薬と共有結合を選択的に形成することができる任意の2個の示差的に反応性の官能基は、同様に有用であると予想される。それらの合成が実際的である場合、他の官能基を使用してもよく、例えば、式ASn−R−SnBの二反応性スズ酸塩、式A−(C=O)−R−(C=O)−Bの混合ビス−酸ハライド(式中、AはBより反応性が高いかまたは低い(しかし、同じではない))、および同様な示差的に反応性の官能基および混合二反応性化合物、例えばASn−R−SiBを使用してもよい。これらの材料の有効性は、基の反応性の間の差異の程度、構造が粒子の必要条件に対応する程度に左右される場合がある。
図を参照すると、図1は、本開示の二反応性シラン結合材料および粒状金属酸化物を用いて例えば、太陽電池および同様なデバイスを作製するためのより低温プロセスのフローチャートを示す。酸化チタン粒子など、高表面積粒子を有するフィルムを作製し、例えば、プロピルシラン1またはフェニルシラン2のどちらかと結合した。1つの例において、酸化チタン粒子表面の約10%はTi−O−Si結合で覆われ、近接した粒子間の接着剤結合を形成する。
本発明のプロセス経路および比較プロセス(O’Regan、同上)は、フィルム中の粒子が導電結合状態にされた点で異なった。比較プロセスは、隣接した粒子間に結晶ネックを形成するための高温焼結工程を有する従来のプロセスを使用した。このような高温は、ポリマーなど、より低い熱安定性を有する基材の使用を妨げる。また、本開示の本発明のプロセス経路は、もっとより低温(すなわち、約100℃以下の低い温度)を用いて第2のより反応性でないシリル官能基を隣接した粒子と反応させる。
このように、例えば図1に要約されたように、TiOナノ粒子または同様な粒子などの高表面積金属酸化物粒子を作製または提供し(100)、式(I)の二反応性シランのより反応性の部分(例えば、A基)と制御可能に反応させた(110)。粒状フィルムを含む得られたフィルムを、フッ素化酸化スズ(FTO)またはインジウムスズ酸化物(ITO)など、導電性コーティングをその上に有するガラスまたは有機ポリマーなど、好適に導電性の基材上に堆積させ(120)、「より低い」導電性の基材を形成した。次に、基材堆積粒状フィルムを例えば約50〜約100℃に加熱して、粒子結合ビスシランの残留した未反応のまたはより反応性でないB基を反応させ(130)、粒子フィルムを基材と結合した。着色剤、例えば適した染料などの光活性剤を用いて、例えば数分〜24時間、得られた粒子フィルムおよび基材を処理した(135)。次に白金、または同様な物質などの金属フィルムをガラスまたは有機ポリマーなどの第2の導電性基材上に堆積させ(140)、「上側」導電性基材を形成した。公知のプロセス(O’Regan、同上)を改良して、本開示の材料およびプロセスを用いて太陽電池を様々なフィルムから構成した。堆積された金属フィルムを有する第1の導電性基材と、光活性剤を担持する堆積されたステッチド粒子フィルム−導電性基材を有する第2の導電性基材とを組み合わせることによって電池を集成し、電池に電解液を充填した(150)。電池を作製する代替方法において、集成された電池内の粒子フィルム表面上に光活性染料を固着させるために、一定時間、光活性剤の溶液で処理し、次に電池を空にし、次に電池に電解液を充填した(150)。最後に、電池を封止し、電気的性質を測定した(160)。あるいは、粒子フィルムを基材と組み合わせるかまたは電池に集成する前または後に粒子フィルムを染色することができる。
比較プロセス(図示せず)(O’Regan、同上)において、以下のようにより高温の焼結によって電池を作製した。TiOナノ粒子または同様な粒子などの高表面積金属酸化物粒子を、式(I)の二反応性シランを用いずに作製または提供した。高表面積粒子の粒状フィルムをFTOコーテッドガラス上に溶液堆積した。次に、基材堆積粒状フィルムを例えば約450℃から加熱して粒状フィルムを焼結し、粒子フィルムを基材と結合した。次に、光活性染料を粒子フィルム表面上に固着させた。その後、白金、または同様な物質などの金属フィルムをFTOコーテッドガラス上に堆積した。FTOコーテッドガラス上に堆積された得られた金属フィルムを染料固着粒子フィルムと組み合わせることによって電池を集成した。電池に電解液を充填し、電池を封止し、電気的性質を測定した。
図2Aは断面図を示し、図2Bは、本開示の二反応性シランを用いて形成された粒子フィルムを組み込む、説明のための構造部材を有する光活性デバイス(200)のその平面図を示す。このように、第1の基材(205)の上に透明な導電性酸化物(TCO)コーティング(210)があり、「下側」導電性基材を形成する。実施形態において、TCOは、適した透明性および導電性の性質を有する、FTO、ITO、および同様な材料、またはそれらの組合せであってもよい。白金などの金属コーティング(220)が、中間導電層(212)を有する第2の基材(208)を覆い、「上側」導電性基材を形成する。実施形態において、金属コーティング(220)を十分な導電性にするために層が十分に厚い場合、中間導電層(212)は不必要であり、任意である。厚さの結果として、金属コーティング(220)が不透明にされる場合がある。また、金属コーティング(220)は反射性であってもよい。実施形態において、第1の基材(205)と第2の基材(208)とは同じ材料であるかまたは異なった材料であってもよい。これらの被覆された基材の間に本開示の染色多孔性チタニアフィルム(215)が導電性コーティング(210)および電解液(225)と接触して置かれる。また、電解液(225)は金属コーティング(220)と接触している。図2Bに示された(図2Aに見られない)シーラント材料または部材(235)と共に、被覆された第1(205)および第2(208)基材の間に置かれたシールガスケット(230)が作動電池を提供する。
図3は、本開示の太陽電池の比較および実際電流電圧(I−V)曲線を示す。ビスシランを有さない低温側で処理された比較または参照用の低表面積の焼結されないDegussa P25が曲線(300)として示される。ビスシランを有さない比較用の低表面積の焼結Degussa P25が曲線(310)として示される。ビスシランを有さない比較用の高表面積焼結Solaronix TiOが曲線(320)として示される。フェニル化合物2二反応性シラン結合材料を用いて調製された低温において処理された実際の低表面積の焼結されないDegussa P25が曲線(330)として示され、プロピル化合物1二反応性シラン結合材料については曲線(340)として示される。
図4は、本開示の太陽電池の実際および比較出力曲線を示す。ビスシランを有さない低温側で処理された比較または参照用の低表面積の焼結されないDegussa P25が曲線(400)として示される。ビスシランを有さない比較用の低表面積の焼結Degussa P25が曲線(430)として示される。ビスシランを有さない比較用の高表面積焼結Solaronix TiOが曲線(440)として示される。フェニル化合物2二反応性シラン結合材料を用いて調製された低温において処理された実際の低表面積の焼結されないDegussa P25が曲線(410)として示され、プロピル化合物1二反応性シラン結合材料については曲線(420)として示される。
図5は、本開示の太陽電池のさらに別の比較および実際電流電圧(I−V)曲線を示す。ビスシランを有さない低温側で処理された比較または参照用の低表面積の焼結されないDegussa P25が曲線(500)として示される。ガラス上にプロピル化合物1二反応性シラン結合材料を用いて調製された低温において処理された実際の低表面積の焼結されないDegussa P25が曲線(510)として示される。ウンデシル化合物3二反応性シラン結合材料を用いて調製された低温において処理された実際の低表面積の焼結されないDegussa P25が曲線(520)として示される。ビスシランを有さない比較用の低表面積の焼結Degussa P25が曲線(530)として示される。プラスチック上にプロピル架橋(R)を有する低温側で処理された実際の焼結されないDegussa P25が曲線(540)として示される。
図6は、本開示の太陽電池のさらに別の実際および比較出力曲線を示す。ビスシランを有さない低温側で処理された比較または参照用の低表面積の焼結されないDegussa P25が曲線(600)として示される。ビスシランを有さない比較用の低表面積の焼結Degussa P25が曲線(610)として示される。プラスチック上にプロピル架橋(R)を有する低温側で処理された実際の焼結されないDegussa P25が曲線(620)として示される。ガラス上にプロピル化合物1二反応性シラン結合材料を用いて調製された低温において処理された実際の低表面積の焼結されないDegussa P25が曲線(630)として示される。ウンデシル化合物3二反応性シラン結合材料を用いて調製された低温において処理された実際の低表面積の焼結されないDegussa P25が曲線(640)として示される。
以下の実施例は、上述の開示を使用する方法をより完全に記載すること、ならびに本開示の様々な態様を実施するために予想される最良の形態を示すことに役立つ。これらの実施例は、この開示の真の範囲を決して限定するものではなく、むしろ説明目的のために示されることが理解される。
実施例1
二反応性シラン1の調製
トリメトキシシリルプロピルトリクロロシラン、1を以下のように調製した。主ネックが、合わせた還流冷却器を有し、他のネックが隔膜を有する、2首丸底フラスコに窒素をポンプで充填した。ジエチルエーテル(10mL)中のアリルトリメトキシシラン(5mL、29.7mmol)の溶液を添加し、その後に、トリクロロシラン(6mL、59.4mmol)を添加した。窒素の正圧下で攪拌する間、隔膜を急速に除去し、クロロ白金酸(2mg、4.88マイクロモル)を添加し、隔膜を取り替えた。次に、混合物を20℃において16時間攪拌した。次に、ジエチルエーテルおよび残りのトリクロロシランを減圧下で蒸発によって除去した。残留した液体生成物を減圧下、0.26mm Hgにおいてbp32℃、蒸留によって精製して、無色の液体を得た。Hおよび13C NMR分析はトリクロロシラン1の構造を裏づけ、その予想されたスペクトルと一致している。
Figure 2010520862
δ(CDCl,300MHz)0.96(2H,t,J8.0,b),1.24(2H,t,J7.8,d)1.62−1.85(2H,m,c),3.60(9H,s,a);δ(CDCl,75MHz)15.8(1C,b),17.5(1C,c),22.1(1C,d),51.4(3C,a)。
実施例2
二反応性シラン2の調製
p−トリメトキシシリルフェニルトリクロロシラン2を以下のように調製した。マグネシウム削り屑(turning)(1g、41.1mmol)を乾燥テトラヒドロフラン(40mL)中で攪拌し、単一ヨウ素結晶を添加した。ブロモフェニルトリメトキシシラン(10g、36.1mmol)を添加し、懸濁液を3時間、50℃において攪拌した。懸濁液を20℃に冷却し、滴下漏斗中に濾過した。次に、溶液をヘキサン(80mL)中の四塩化ケイ素(12.3g、72.4mmol)の急速に攪拌された溶液に滴下した。添加が終了すると、懸濁液を16時間20℃において攪拌した。溶剤および過剰な四塩化ケイ素を減圧下で除去し、真空下で蒸留によって生成物を精製し、無色の液体を得た。この材料は空気中で不安定であり、製造したまま使用された。この材料を1として用いるかまたは1と組み合わせて用いてチタニアのフィルムを製造することができる。Hおよび13C NMR分析はトリクロロシラン2の構造を裏づけ、その予想されたスペクトルと一致している。
Figure 2010520862
δ(CDCl,300MHz)3.62(9H,s,a),7.30−7.72(4H,m,c,d);δ(CDCl,75MHz)128.1(2C,c),130.6(1C,b),132.6(2C,i),134.7(2C,d),136.3(1C,e)。
実施例3
二反応性シランC11の調製
11−トリメトキシシリルウンデセニルトリクロロシラン3を以下のように調製した。主ネックが窒素ラインへの接続を有し、他のネックが隔膜を有する、2首丸底フラスコに窒素をポンプで充填した。10−ウンデセニルトリメトキシシラン(2.74g、10.0mmol)を乾燥ジエチルエーテル(20ML)と共に添加し、攪拌した。次に、トリクロロシラン(2.00g、14.8mmol)を添加した。窒素の正圧下で攪拌する間、隔膜を急速に除去し、クロロ白金酸(1mg、2.4マイクロモル)を添加し、隔膜を取り替えた。次に、混合物を室温において48時間攪拌した。クロロ白金酸触媒を濾過によって除去し、ジエチルエーテルおよび残りのトリクロロシランを減圧下で蒸発によって除去した。残留した液体生成物、無色の液体は、さらに精製せずに使用するために(NMR分析によって)十分に高純度であるとみなされた。Hおよび13C NMR分析はトリクロロシラン3の構造を裏づけ、その予想されたスペクトルと一致している。
Figure 2010520862
δ(CDCl,300MHz)0.86(2H,t,J8.1,b),1.05−1.70(20H,m,c−l),3.61(9H,s,a);δ(CDCl,75MHz)14.4(1C,b),19.3,22.6,24.3,29.1,29.4,29.5,29.7,31.7,32.1,32.6,(10C,b−l),51.2(3C,a)。
実施例4
混合チタニア−アルミナ粒子フィルムの形成−プラスチック基材
実施例1のシラン1をN−メチルピロリジノン(NMP)中のチタニア粒子の懸濁液と反応させた。このように、例えば、Degussa P25チタニア粒子(50g、50m/gの表面積)にアルミナ粗粒子(50mg、平均粒径48マイクロメートル)を配合し、十分に混合して粒子を均一に分散させた。比較的大きなアルミナ粒子は、電極を有効に分離し、集成された電池の短絡を避けるために適した絶縁体またはスペーサーとして選択された。この混合物の2gの試料を、セチルテトラメチルアンモニウムブロミド(CTAB)(284mg)も含有するNMP(7.62mL)中で懸濁し、20分間超音波処理した。次に、NMP(0.5mL)中のトリメトキシシリルプロピルトリクロロシラン1(4.9microL)を添加し、混合物を2分間激しく振とうした。次に、懸濁液のアリコートをインジウムスズ酸化物(ITO)被覆プラスチック(Mylar(登録商標))基材上に置き、薄い(約75マイクロメートル)フィルムに広げた。次にこのフィルムを、1時間約100℃まで設定されたホットプレート上で下から加熱し、その後、温度を約70℃まで低下させた。フィルムが形成され、基材に結合された。結合フィルムは、必要に応じて、太陽電池デバイスを製造するなどのために例えば、感光性染料でさらに官能化されてもよい。
実施例5
粒子フィルムの形成−ガラス基材
実施例1のシラン1をアセトニトリル中のチタニア粒子の懸濁液と反応させた。このように、例えば、アセトニトリル(2mL)中のトリメトキシシリルプロピルトリクロロシラン1(7.4microL)をアセトニトリル(15mL)中のDegussa P25チタニア粒子(3g、50m/gの表面積)に添加した。アセトニトリルの付加的なアリコート(3mL)を急速に添加し、懸濁液を1分間激しく振とうした。懸濁液をさらに5分間適度に振とうして粒子の分散を促進した。次に、懸濁液のアリコートをフッ素化酸化スズ(FTO)コーテッドガラス基材上に置き、薄い(約50マイクロメートル)フィルムに広げた。次にこのフィルムを、1時間約100℃まで設定されたホットプレート上で下から加熱し、その後、温度を約70℃まで低下させた。フィルムが形成され、基材に結合された。結合フィルムは、必要に応じて、太陽電池デバイスを製造するなどのために例えば、感光性染料でさらに官能化されてもよい。
実施例6
11シラン粒子フィルムの形成
実施例3のC11シランをN−メチルピロリジノン(NMP)中のチタニア粒子の懸濁液と反応させた。このように、例えば、NMP(7.4g)中のDegussa P25チタニア粒子(2g;50m/gの表面積)の懸濁液を20分間超音波処理した。次に、NMP(1mL)中のトリメトキシシリルウンデシルトリクロロシラン3(6.9microL)を添加し、混合物を2分間激しく振とうした。次に、懸濁液のアリコートをフッ素化酸化スズ(FTO)コーテッドガラス基材上に置き、薄い(約40マイクロメートル)フィルムに広げた。次にこのフィルムを、1時間約100℃まで設定されたホットプレート上で下から加熱し、その後、温度を約70℃まで低下させた。フィルムが形成され、基材に結合された。結合フィルムは、必要に応じて、太陽電池デバイスを製造するなどのために例えば、感光性染料でさらに官能化されてもよい。
実施例7
染料改質フィルムの形成および太陽電池デバイスの加工
実施例4〜6において流延された各フィルムを70℃まで冷却した後、得られたビスシラン結合チタニアまたは混合チタニア−アルミナ粒子フィルムを、エタノール(100mL)中に溶解された20mgのRu535染料の溶液中に浸漬し、一晩浸漬させた。粒子フィルムは染料を吸収した。エタノールですすいだ後、フィルムは暗赤色であった。フィルムを約30秒間乾燥窒素ストリーム中で乾燥させ、次に、ソーダ石灰ガラス上のフッ素ドープト酸化スズ(FTO)上に堆積された白金フィルムからなる対電極−電極接合体(counter−electrode assembly)にシールした。約20〜100マイクロメートルの間隙が2つの電極の間に残され、その中にKI/Iを含有する電解液を添加した。次に間隙をエポキシでシールした。
実施例8
太陽電池デバイスの評価
図3は、例えば、上に記載されたような実際および比較材料で製造された太陽電池の性能の電流電圧(I−V)曲線を示す。
紫外線−可視光線で照射されるとき、電池は電力を発生した。電池は、様々な負荷にわたって電流および電圧を測定して図3に示されたような電流電圧(I−V)曲線を提供することによって特性決定された。光から電気的エネルギーへの変換を最大にするために、各電圧においてできる限り多い電流を電池が生成することが望ましい。
図4は、上に記載されたような5個の電池から測定されたI−V(電力)曲線を示す。これらの電池のうち2個は、本発明の経路によって作製された。3個の電池は、比較または参照用の電池であり、粒子を結合するために二反応性シランカップリング化合物を使用せず、これらの電池のうち2個は、上に記載された比較手続の焼結プロセスを使用し、これらの電池の1個は本発明の経路に類似の低温プロセスを使用したが、一切の二反応性シランカップリング化合物を使用しなかった。このように、太陽電池の3個の本発明ではない実施例のうちの2個は、近接した粒子結合を達成するために高温焼結によって作製された。3個目の本発明ではない電池を高表面積チタニアスラリー(Solaronixから商業的に入手された)から作製し、30分間450℃に焼結し、そのI−V結果をプロットした(50)。
最適化された分散体は、フィルムに可視光線の散乱がほとんどない均一なコーティングを提供することができる。第2の比較電池は、水中のバインダーとしてポリエチレングリコールでスラリーにされたDegussa P25チタニア粉末を用いて製造された。このフィルムの視覚的な品質は、P25粉末と二反応性シランカップリング材料を用いて得られたフィルムと類似している。また、フィルムは、30分間450℃において焼結され、そのI−Vの結果をプロットした。第3の比較電池は、アセトニトリル/メタノール溶剤中のDegussa P25を用いて製造された。フィルムを2つの本発明の電池と全く同じ方法で製造および熱処理したが二反応性シランカップリング剤を一切使用せず、すなわち、100℃の熱処理だけを行い、高温焼結を行なわず、その平坦線I−Vおよび出力結果を(300)および(400)としてプロットした。このフィルムの視覚的な品質は、P25粉末と二反応性シランカップリング材料を用いて得られたフィルムと似ている。実施形態において、フィルム厚さの均一性がより良くなると、より良い光吸収および電池性能につながる場合があることが予想される。
図3および4のI−Vおよび出力曲線は、いくつかの驚くべき結果を示す。2つの本発明の電池は、曲線(330)および(340)としてプロットされ、約12ミリアンペアの最大電流および約0.65Vの最大電圧を有する非常に類似した挙動を示す。フェニル架橋(330)カップリング剤を用いて作製されたフィルムは、プロピル架橋(340)材料より大きな電流を動かすが、これは電池間の変動の範囲内でありうる。本発明の結果は、(320)としてプロットされた高表面積焼結Solaronixフィルムについて得られたフィルムに類似している。焼結Solaronix材料(440)は、焼結されない二反応性プロピルシラン1結合材料(420)に比べてより高い電圧および中間電流を示すが焼結されない二反応性フェニルシラン2結合材料(410)よりも低い電圧および中間電流を示す。しかしながら、フェニル架橋シラン結合電池(410)の出力は、かなり高レベル側でピークに達した。
ビスシランを含有しないP25チタニアの焼結されたタイプは、ビスシラン結合電池よりも、開放電圧、短絡回路光電流、および出力のより低い値を生じる。同じチタニア材料を用いて製造された電池のこの直接比較は、ビスシラン結合プロセスおよびビスシラン材料は従来の処理で得られた性能の利点に近い性能の利点を示すことを強調する。重要なことには、一切の二反応性シラン結合材料を用いずに製造された非焼結P25電池は、実質的に光活性を示さない(300)。この観察は、低温処理フィルムが隣接結合チタニア粒子のフィルム中に光電子を流れさせることができる方法の驚くべき結果をさらに裏付ける。電子がチタニア層に注入されるとき、それは半導体のフェルミ準位を伝導帯に有効にシフトする。電池の自然バイアスは、電子を半導体層からチタニアフィルムの下にある透明な導電性酸化物層に移動しようとする。高エネルギー電子は、電解液に戻る前に作用することができ、増感剤を低減する。非接触チタニア粒子など、回路に高い抵抗がある場合、電子流が止められ、例えば、接着剤を用いない焼結されないP25試料曲線(300)に見られるように、電流は流れない。粒子同士を結合すると考えられるTi−O−Si−R−Si−O−Ti化学は最初の原理に基づいて特に導電性であるとは思われないが、しかし、金属粒子に適切に結合した少量の存在が実質的な電流フローを可能にする。理論によって限定されないが、粒子の隣接接触は、電流がこれらのビスシラン架橋中を流れることを可能にするか、または低抵抗率電子流を促進する緊密な粒子間整列を形成するかのどちらかである。
これらの結果は、微細金属酸化物粉末を使用する開示された低温プロセスの実施例を示し、ここでビスシラン化合物を用いて作製されたフィルムおよび電池は電池の高温焼結された型よりもかなりより良好に機能する。光電池製品の重要な商業上のパラメータは、デバイスが単位コスト当たり供給することができる出力である。本開示の低温プロセスによって作製された光電池デバイスは、より低コストの代替基材、例えば、ポリマー、低温ガラス、セラマー、ゾル−ゲル、および同様な材料の選択の余地を残したまま、かなりの出力の発生をもたらすようである。
実施例9
エレクトロクロミックデバイスの加工および評価
三酸化タングステン粒子の形成
約10nm〜40nmの直径の三酸化タングステン粒子をフレーム溶射熱分解によって調製した。引き続いて、これらの粒子をステッチング材料および本開示の方法と共に用いて、下に記載したように、多孔性粒状フィルムを形成した。
粒子フィルムの形成−ガラス基材
実施例1のシラン1をN−メチルピロリジノン(NMP)中の酸化タングステン粒子の懸濁液と反応させた。このように、例えば、NMP(約10mL)中の酸化タングステン粒子(6g)の懸濁液を20分間超音波処理した。次に、NMP(1mL)中のトリメトキシシリルプロピルトリクロロシラン1(14.7microL)を添加し、混合物を2分間激しく振とうした。次に、懸濁液のアリコートをフッ素化酸化スズ(FTO)コーテッドガラス基材上に置き、薄い(約75マイクロメートル)フィルムに広げた。次にこのフィルムを、1時間約100℃まで設定されたホットプレート上で下から加熱し、その後、温度を室温まで低下させた。フィルムが形成され、基材に結合された。結合フィルムは、変色を強化するために必要に応じて、例えば、エレクトロクロミック染料でさらに官能化されてもよい。
エレクトロクロミックデバイスの加工
上に作製されたFTOコーテッドガラス基材上の酸化タングステン粒子フィルムを、ソーダ石灰ガラス上のフッ素ドープト酸化スズ(FTO)からなる対電極−電極接合体にシールした。約20〜100マイクロメートルの間隙が2つの電極の間に残され、その中にアセトニトリル中の約1Mリチウムトリフレートを含有する電解液を添加した。次に間隙をエポキシでシールした。
エレクトロクロミックデバイスの評価
上に構成された酸化タングステン粒子フィルム電池を可変電圧DC電源に接続した。約1.5Vの電位をデバイスの両端に印加した。基色からの変色、弱いブルーグレーの色味から強い暗いブルーグレーへの変色が約1分間後に観察された。さらに数分の間にさらに暗くなった。印加ポテンシャルを除いた時に著しい変化が安定していた。ポテンシャルバイアスの逆転時に暗い色が消失し、デバイスの元の弱いブルーグレーの色味に戻った。このプロセスを数回繰り返し、サイクル間の応答または性能の再現性の差ははっきりと認められなかった(写真記録は示されない)。理論によって限定されないが、デバイスにわたる電子の代替経路の存在のために、すなわち、酸化タングステン以外を介した場合は、性能は非常に低いと考えられる。代替デバイス設計は、この性能問題を克服することができる。
様々な特定の実施形態および技術を参照して本開示は説明された。しかしながら、本開示の趣旨および範囲内にある限り、多くの変形および改良が可能であることは理解されるはずである。

Claims (10)

  1. 式(I)の化合物
    (RO)Si−R−SiX (I)
    [式中、Rが、
    飽和または不飽和−(C−C20)アルキレン−、
    (C−C)アルキル置換飽和または不飽和−(C−C20)アルキレン−、
    −Ar−、(C−C)アルキル置換−Ar−、
    −(CH−Ar−(CH−、(C−C)アルキル置換−(CH−Ar−(CH−、
    −Ar−Ar−、(C−C)アルキル置換−Ar−Ar−、
    −(CH−Ar−Ar−(CH−、(C−C)アルキル置換−(CH−Ar−Ar−(CH−、
    −(CH−Ar−(CH−Ar−(CH−、
    (C−C)アルキル置換−(CH−Ar−(CH−Ar−(CH−、
    −Ar−O−Ar−、(C−C)アルキル置換−Ar−O−Ar−、
    −(CH−Ar−O−Ar−(CH−、(C−C)アルキル置換−(CH−Ar−O−Ar−(CH−、
    Het、(C−C)アルキル置換−Het−、
    −(CH−Het−、(C−C)アルキル置換−(CH−Het−、
    −(CH−Het−(CH−、(C−C)アルキル置換−(CH−Het−(CH−、
    −Ar−(CH−、(C−C)アルキル置換−Ar−(CH−、
    Ar’−CH=、(C−C)アルキル置換Ar’−CH=、
    式−NR−のアミン、または式−NR−R−NR−のジアミン(各Rが独立してH、または飽和または不飽和−(C−C)アルキルである)から選択される二価スペーサー基であり、
    Arがアリールであり、
    Hetがヘテロアリールであり、
    kが1〜20であり、
    が一価基であり、各々独立して分岐または非分岐の、飽和または不飽和−(C−C)アルキル、−Arまたは(C−C)アルキル置換−Arであり、
    Xがハロである]と、
    金属酸化物粒子との反応生成物を含み、前記反応生成物が、式≡Si−R−Si≡のビスシランスペーサーによって互いに結合された金属酸化物粒子の網目組織を含むことを特徴とする、組成物。
  2. 式(I)の化合物が(CHO)Si−CH−CH−CH−SiClまたは(CHO)Si−C−SiClであり前記金属酸化物粒子が、シリカ、チタニア、アルミナ、タングステン、鉄、またはそれらの混合物の少なくとも1つを含むことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記反応生成物と反応してそれを支持する基材をさらに含み、前記基材がガラス、ポリマー、セラミック、セラマー、複合物、またはそれらの組合せの少なくとも1つを含むことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  4. 染料をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  5. 前記反応生成物が、粒子に結合した≡Si−R−Si(OR)基を有する金属酸化物粒子を含む第1の形成された生成物と、式≡Si−R−Si≡のビスシランスペーサーによって結合された金属酸化物粒子の相互接続網目組織を含む後続の第2の反応生成物とを含むことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  6. 請求項1に記載の組成物と、
    光増感剤材料とを含むことを特徴とするデバイス。
  7. 前記光増感剤材料が染料、顔料、またはそれらの組合せを含むことを特徴とする、請求項6に記載のデバイス。
  8. 金属酸化物粒子を、式(I)の化合物
    (RO)Si−R−SiX (I)
    [式中、Rが、飽和または不飽和−(C−C20)アルキレン−、
    (C−C)アルキル置換飽和または不飽和−(C−C20)アルキレン−、
    −Ar−、(C−C)アルキル置換−Ar−、
    −(CH−Ar−(CH−、(C−C)アルキル置換−(CH−Ar−(CH−、
    −Ar−Ar−、(C−C)アルキル置換−Ar−Ar−、
    −(CH−Ar−Ar−(CH−、(C−C)アルキル置換−(CH−Ar−Ar−(CH−、
    −(CH−Ar−(CH−Ar−(CH−、(C−C)アルキル置換−(CH−Ar−(CH−Ar−(CH−、
    −Ar−O−Ar−、(C−C)アルキル置換−Ar−O−Ar−、
    −(CH−Ar−O−Ar−(CH−、(C−C)アルキル置換−(CH−Ar−O−Ar−(CH−、
    Het、(C−C)アルキル置換−Het−、
    −(CH−Het−、(C−C)アルキル置換−(CH−Het−、
    −(CH−Het−(CH−、(C−C)アルキル置換−(CH−Het−(CH−、
    −Ar−(CH−、(C−C)アルキル置換−Ar−(CH−、
    Ar’−CH=、(C−C)アルキル置換Ar’−CH=、
    式−NR−のアミン、または式−NR−R−NR−のジアミン(各Rが独立してH、または飽和または不飽和−(C−C)アルキルである)から選択される二価スペーサー基であり、
    Arがアリールであり、
    Hetがヘテロアリールであり、
    kが1〜20であり、
    が一価基であり、各々独立して分岐または非分岐の、飽和または不飽和−(C−C)アルキル、−Arまたは(C−C)アルキル置換−Arであり、
    Xがハロである]と接触させる工程と、
    得られた懸濁液を基材上にコートして粒子フィルムを前記基材上に形成する工程と、
    前記基材上の得られたフィルムを加熱して基材−フィルム複合物を有するデバイスを形成する工程と、
    を含むことを特徴とする、デバイスを製造する方法。
  9. 得られた基材−フィルム複合物を光増感剤と接触させる工程と、
    得られた光増感剤処理された基材−フィルム複合物を対電極と集成する工程とをさらに含むことを特徴とする、請求項8に記載の方法。
  10. 加熱が約30℃〜約100℃において行なわれ、前記対電極が、基材上の金属フィルム、基材上のFTOフィルム、基材上のITOフィルム、基材上の有機導体、またはそれらの組合せの少なくとも1つを含むことを特徴とする、請求項8に記載の方法。
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