JP2010519504A - 検出量子効率の決定を支援する装置 - Google Patents

検出量子効率の決定を支援する装置 Download PDF

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Abstract

【課題】イオン化放射線イメージングシステム/検出器のMTFおよびDQEを決定するための装置を提供すること。
【解決手段】本発明の装置はイオン化放射線ビームに対して透明である並んだウィンドウを有するボックスを備える。このボックスが検出器の前に配置された場合、ビームはボックスを通過する。この装置はさらに入射するフリーエアKERMAを測定するKERMAモジュール;検出器からKERMAモジュールへビームの後方散乱を防ぐための後方散乱調節板;ビームのKERMAモジュールへの散乱を防ぎ、後方散乱調節板から後方散乱を減少させるための散乱調節板;少なくとも1つのエッジ画像の獲得を可能にする少なくとも1つのMTFモジュールを備える。
【選択図】図6

Description

本発明は一般に、イオン化放射線イメージングシステムに関し、より詳細には、X線イメージングシステムの検出量子効率(DQE)の決定を支援する装置に関する。
X線イメージングは主要な診断放射線医学であり、毎年、カナダだけでも二千万件を超える放射線手技が行われている。X線技術は過去100年以上もの間、開発されてきているが、診断に対するコスト、使用、および可能性は継続的に発展している。放射線の被ばくに付随する健康上のリスク、ならびに不確定で誤解を招くような診断のために、X線の医療用のイメージングシステムの設計およびメンテナンスにおける技術的長所は、高品質の画像および医療を達成するのに欠かせないものである。X線イメージングにおいて、画像の品質は、システムの性能と患者の放射線量との間のバランスである。残念なことに、全てのシステム(新しいものも古いものも)が、特定の放射線被ばくと調和した、可能な限りでの最も高品質な画質の利益を患者に提供するわけではない。このことは、放射線医療の診療に相当な影響を与え始めている低コストのデジタル技術の一部の登場に対して特に当てはまるものである。
最適ではない装置を使用すると、患者の健康に2つの影響を与える。1つはイオン化放射線の不必要な被ばくである。このリスクは、特定の状況下において規格化された放射線手技のための、最大許容被ばくレベルを実施することによって、カナダ、米国、および欧州の各地の多くの区域で管理されている。潜在的により大きなリスクは、最適ではない画質のために生じる、誤った、または誤解を招くような診断のものである。画像の信号対ノイズ比(SNR)は、X線被ばくレベルと、イメージング検出器上の放射線入射から可能な限りの最適な画像SNRを抽出するイメージングシステムの性能とに関連される。粗野な画像SNRは、小さな腫瘍など、低コントラストの病変の検出を妨げるゆえ、X線のイメージングシステムが、放射線の被ばくの許容可能なレベルと調和する、出来る限り最適な画像SNRを生成するよう設計およびメンテナンスされることが欠かせない。
医療施設は、通常、最良の診療および現状で利用可能である装置を用いて画質を監視する。これらは、空間分解能を決定するためのラインペア(line−pair)検査対象、「検出能」を決定するための低コントラスト検査対象、人体測定試験ファントムなどの測定を含む。これらが、少量の値での主要な測定であると同時に、それらは現在最も利用可能なものであり、それゆえ、広範に利用されているものである。さらに、それらは、イメージングシステムの「放射線量効率」に関して特定の情報を提供しない。粗野な放射線量効率を有するシステムは、高性能の画像を生成することができる場合もあるが、患者に届く放射線量の増加を必要とする場合もある。新たなデジタル技術の多くの場合、装置のユーザにとっては、これらの短所に気付くことはより一層困難となっている。賢い購入決定をし、装置の正しいメンテナンスを確実に行う責任はユーザにある一方で、熟練していないユーザに対しては、その装置の性能および放射線量効率を調べるために利用可能な器具が存在しない。
科学界は、一般に、変調伝達関数(MTF)および検出量子効率(DQE)の両方の使用を、システム性能の最も適切な測定手段として採用している。MTFは空間周波数の関数として表され、空間分解能を記載する。DQEもまた、空間周波数の関数として表され、システムの「放射線量効率」の測定手段であり、それゆえ、患者に対してリスクがある。高品質のイメージングシステムは、常に優れたMTFおよびDQEのパラメータを有する。理想的なシステムのDQEは、重要な全ての空間周波数に対して1(unity)であるが、ほとんどのシステムは0.1〜0.5であり、大抵はさらに低い。DQEは製造者ごとに異なり、システム設計、被ばくレベル、システム年齢、アフターサービスの具合によってさまざまである。DQEは放射線量に反比例するので、X線のパラメータを最適化することによって、多くの場合、画像SNRの質を妥協することなく、2〜10の因数で、患者への放射線量を低減することができる機会が存在する。
DQEの実際の重要性は、主要な供給元によって概して認められている。米国では、食品医薬品局(FDA)は、現在、新たな放射線装置に対する認可が発行される前に、MTFおよびDQEの必要書類の提出を要求する。しかしながら、FDAは、製造者の要求を立証するわけではなく、その装置の合格判定基準を保証するのはエンドユーザの責任である。DQEは、概して科学界にとってそのような重要な測定基準として考えられており、その基準は、例えば、米国医学物理学会の任務群番号16(Task Group #16)、国際電気標準会議の作業群33(Working Group 33)など、世界中の学会および産業界の両方における科学者および技術者によって発展されている。これらの基準は、異なるイメージングシステムおよびその製造者との間の比較、ならびにDQEの値の定量的解釈を可能にする、DQE測定基準における一貫性を確立しようとしている。
空間周波数の関数としてのDQEの一般式は、
DQE(u)=MTF(u)/XQNPS(u)/d (式1)
式中、uは空間周波数であり、サイクル/mmの単位でしばしば表され、
MTF(u)は測定されたMTFであり、
Xは、レントゲン(R)、またはグレイ(Gy)中の空気KERMA(媒体中に放出される運動エネルギ)における、測定された入射するフリーエアの被ばく(incident free−air exposure)であり、
は、入力された被ばくまたは空気KERMAをmm毎の、関連された数の入射X線量に関連付け、
NPS(u)は測定されたウィーナー(wiener)・ノイズ・パワースペクトル(NPS)であり、
dは、そのNPSを計算するために用いられるオープン・フィールド画像における、平均のダークサブトラクト(dark−subtracted)された画素値である。
DQEの測定は、これらのパラメータの各々を決定し、上述の式1を解くことによって、得られる。
しかしながら、DQEの広範な使用を制限する4つの深刻な技術的問題があるので、測定は、わずかな人数の専門家によってのみ、および、研究所または特別な検査環境においてのみ実行される。
1.第1の問題は、DQEの物理的過程(physics)において必要な専門家を獲得するために非専門家に要求される時間と労力である。これは、X線物理、フーリエ法、およびDQEの理論的基礎、ならびに測定技術における専門家になることを含む。
2.第2の問題は、DQEを計算するために必要とされる量を測定するための施設を創設および認可するために必要とされる時間および労力である。そのような施設が建設されるべき仕方を記載するのに役立つガイドラインが確立されている(IEC 62220−1)。測定が、誤ったDQE結果を生じ得る不十分な検討とならないように十分な配慮がなされる必要がある。これらは、X線散乱、粗野な設計の構成部品が測定において用いられること、およびX線の強度変動の不十分な監視を含む(これらに限定されるわけではない)。
3.第3の問題は、獲得された画像および測定されたデータからDQEを計算するために要求される必要なソフトウェアを開発することである。ソフトウェアは、DQEの特定の成分、例えば変調伝達関数(MTF)などを計算するために自由に利用可能であるが、有効かつ容易に利用可能で、DQEの計算を完了するソフトウェアは目下存在しない。
4.第4の問題は、各DQE測定施設は、精密性および他の施設との調和の確保が認められる必要があることである。この認可は、場所が他のX線装置を含んでいたりすると非常に困難であり、かつその施設を標準に比して較正するかまたは場所内での比較を可能にする一般的に認可された検査対象は存在しない。むしろ、認可は、特定のイメージングシステムを用いて得られた結果と、類似のイメージングシステムを用いて他所で得られた結果とを比較することによってのみ実行可能である。複数の条件の範囲の下での、または新たなイメージングシステムに対する包括的な認可は極端に困難である。
特許文献1(「X線検出器の検出量子効率における変化を監視する方法」)は、初期の標準に対するDQEにおける変化の決定を可能にする方法および装置を記載する。車輪上に取り付けられた作業テーブル表面を含む「携帯型」のDQE測定施設が記載される。DQEを測定するために必要とされる装置の一部は、可動テーブル上に含まれ、不使用時には邪魔にならないところに回転して動かすことができ、DQE専用施設の必要性を低減する。しかしながら、そのシステムは非常に扱いにくいままであり、車輪とともに実験台一式を備えている。さらに、熟練の物理学者でさえ、従来の手動での器具使用および技術を用いてDQEを測定することが要求される。さらには、特許文献1は、
R(u)=MTF(u)/NPS(u)/d (式2)
において、比R(u)と比例していることを注記する。
ここで、MTF(u)は、空間周波数uの関数として表されるシステムMTFであり、dは、均一のX線被ばくを用いて獲得された画像における平均画素値であり、NPS(u)は、その被ばくにおける、対応の画像ノイズ−パワースペクトルである。従って、他の全ての係数が不変のままである場合、MTF(u)またはNPS(u)/dのいずれかにおける測定された変化は、R(u)における変化、従って、DQEにおける変化を示し得る。しかしながら、特許文献1においては、X線検出器の実際のDQEの値の決定に対してなんら方法を教示していない。むしろ、方法は、同じユニット上で得られる初期の恣意的な基準値に対するDQEにおける経時的変化のみを監視することに制限される。R(u)の測定がDQE(u)の測定よりも、よりシンプルであり、DQEの測定施設を必要としない一方で、それは、X線イメージングシステムの性能特性を、論理的期待値、特定の産業基準、または、同じもしくは異なる製造元によって製作された他のX線イメージングシステムと比較するために用いられ得るX線検出器の実際のDQE値の決定を可能としない。
米国特許第6,521,886号明細書
本実施形態は、イオン化放射線イメージング検出器および/またはイオン化放射線を用いたイメージングシステムのMTF値および/またはDQE値を定量的に決定するシステム、装置、および方法を提供する。
MTFおよび/またはDQEの決定は、内蔵のユニット内に収容された計装測定と試験システムによって獲得された画像、および、その計装から達成された測定をアルゴリズムに組み込んでMTFおよび/またはDQEを決定するソフトウェアを介して達成される。ホストコンピュータは、内蔵ユニットとインターフェース接続可能である。内蔵設計は内部で較正され、イオン化放射線散乱など外部からの影響からの汚染を防ぐ特殊な設計特性を有しており、正確なMTFおよび/またはDQE測定を保証する。結果として、ユーザに、特殊なイオン化放射線またはDQE物理の専門知識を有することを要求せず、ユーザによるさらなる検証も必要とされない。
本明細書は、MTFおよびDQEのデータの測定および計算を自動化するために用いることができる装置を初めて利用可能にする。これらの実施形態に先立って、これを行うために如何なる場所においても利用可能である方法は存在しない。特に、以下。
1.本実施形態は、MTFおよび/またはDQEを決定するために必要とされるパラメータの測定のために、制御され、かつ容易に運搬できる環境を提供する。特に、制御された環境により、検出器システムを取り除くかまたは取り外す必要なく、検出器に入射するフリーエアイオン化放射線被ばくの真なる測定を可能にし、真なるフリーエア測定を達成するか、または、検出器からの距離の補正を用いてイオン化放射線ビームの他の部分において被ばく測定を行う。さらに、内部検出器は各被ばくを監視し、IEC62220−1によって推奨されるような被ばく変動を補うために利用可能である。
2.本実施形態は、内蔵で、内部較正され、各パラメータの正確な測定を保証する装置を提供する。全てのデータの獲得(試験されるシステム上で獲得された画像を除く)は装置の内部にあり、各測定は、周囲環境からの影響を受けることなくなされ、この装置は、注意深く構築され、較正され、検証されたDQE研究室または試験環境の必要性なく、直接のMTFおよび/またはDQEの測定を可能にする。
3.本実施形態は、イオン化放射線被ばくの測定に適合する自動化されたアルゴリズム、およびイメージングシステムによって獲得された対応の画像を用いた他の情報を含む。このアルゴリズムは、イメージングシステムによって測定された画像間の時間間隔を用いて、測定された被ばく間の時間間隔における標準誤差を最小化する統計学的アプローチを用いる。このアルゴリズムは、装置内の内部クロックの必要性、および/またはイメージングシステム内の内部クロックと同期化されるアルゴリズムの必要性を除去する。バックアップ方法として、画像に対する被ばくの手動のマッチングを可能にする手段もまた提供される。
4.本実施形態は、DQEを測定するために用いられる、例えばX線スペクトルなどのイオン化放射線スペクトルがIEC62220−1に記載された標準のスペクトルに適合することを保証するための機構および処理を提供する。この処理は、MTFおよび/またはDQEの自動化測定を支援し、本実施形態においては、迅速なMTFおよび/またはDQE測定のためのユーザに対する利便性として含まれる。
一実施形態の第1の広範な態様は、イオン化放射線イメージングシステムの変調伝達関数(MTF)および検出量子効率(DQE)のうちの少なくとも1つの決定を支援するための装置であって、前記イオン化放射線イメージングシステムが、イオン化放射線ソースから受け取られたイオン化放射線ビームを検出するためのイオン化放射線検出器を備える、装置を提供することを追求する。前記装置は、2つの略並んだウィンドウを有するボックスであって、前記2つの略並んだウィンドウは前記ボックス内における前記2つの略並んだウィンドウ間の空間を画定し、各ウィンドウは、イオン化放射線に対して略透明であり、前記イオン化放射線ビームと実質的に類似する面積領域であり、その結果、前記ボックスが前記検出器の前に配置される場合、前記イオン化放射線ビームは、前記空間を含んだ前記ボックスを実質的に通過して、前記検出器に入ることができる、ボックスとを備える。前記装置は、前記イオン化放射線ビームが前記空間を通過する場合に、前記イオン化放射線ビームの入射するフリーエアの被ばくおよび入射フリーエアKERMAのうちの少なくとも1つを測定するための、前記ボックス内に含まれる、KERMA(媒体中に放出される運動エネルギ)モジュールをさらに備える。前記装置は、前記KERMAモジュールが使用時の場合に、前記検出器から前記KERMAモジュールへの前記イオン化放射線ビームの後方散乱を防ぐための少なくとも1つの後方散乱調節板を備える。前記装置は、前記KERMAモジュールが使用時の場合に、前記KERMAモジュールへの前記ボックス内の前記イオン化放射線ビームの散乱を防ぎ、前記後方散乱調節板から発生し得る後方散乱を減少させるための少なくとも1つの調節板をさらに備える。前記装置は、前記イオン化放射線イメージングシステムによって少なくとも1つのエッジ画像の獲得を可能にするための、前記ボックスに含まれる、少なくとも1つのMTFモジュールをさらに備える。前記装置は、各々の前記KERMAモジュールであって、前記少なくとも1つの後方散乱調節板および前記少なくとも1つのMTFモジュールは前記空間の内および外を独立して移動可能であり、その結果、少なくとも1つのオープン画像、暗画像、および前記少なくとも1つのエッジ画像は、前記イオン化放射線ビームが前記ボックスを通過する場合に、前記イオン化放射線イメージングシステムによって独立して獲得されることができ、KERMAモジュール測定は、画像獲得とは独立して実行でき、その結果、前記画像および前記KERMAモジュール測定はDQEを決定するために処理可能である、各々の前記KERMAモジュールを備える。前記装置は、前記KERMAモジュールからデータを獲得し、各前記KERMAモジュール、前記少なくとも1つの後方散乱調節板、および前記少なくとも1つのMTFモジュールの、前記空間の内および外への移動を制御するためのインターフェースをさらに備える。
第1の広範な態様の一部の実施形態において、前記装置はさらに、前記イオン化放射線ビームを引き込み、前記入射イオン化放射線の被ばくおよびKERMAのうちの少なくとも1つに比例する信号を生成することを可能にする、少なくとも1つのモニタ・イオン化放射線検出器を前記ボックス内にさらに備え、前記インターフェースは、前記少なくとも1つのモニタ・イオン化放射線検出器からデータを獲得することを可能にする。
第1の広範な態様の一部の実施形態において、各前記ウィンドウは、前記ボックス内の開口を覆うイオン化放射線透明部材のシートを備える。
第1の広範な態様のさらなる実施形態において、前記KERMAモジュールは、イオン化放射線吸収部材のシート、および前記イオン化放射線吸収部材のシートを介する開口内に実質的に配置されたイオン化チャンバを備える。これらの実施形態の一部において、前記装置は、前記少なくとも1つの散乱調節板は、前記KERMAモジュールの前記イオン化放射線吸収部材のシートを備える。これらの実施形態の一部において、複数の散乱調節板をさらに備え、前記複数の散乱調節板は、前記少なくとも1つの散乱調節板、および前記ウィンドウの各々に隣接して配置されたイオン化放射線吸収部材のシートを備える。
第1の広範な態様のさらに別の実施形態において、前記装置はさらに、前記イオン化チャンバと通信する電位計および電流増幅器のうちの少なくとも1つをさらに備える。
第1の広範な態様の一部の実施形態において、前記少なくとも1つの後方散乱調節板が、前記KERMAモジュールが使用時の場合に、前記KERMAモジュールと前記ボックスの検出器を向いた側との間に配置されることを可能にし、その結果、前記KERMAモジュールを通過するイオン化放射線は前記後方散乱調節板によって略吸収される。これらの実施形態の一部において、前記少なくとも1つの後方散乱調節板は前記少なくとも1つのMTFモジュールを備える。
第1の広範な態様の他の実施形態において、前記装置は、前記ボックス内における温度を測定するために、前記インターフェースと通信する温度測定装置をさらに備え、その結果、DQEの測定が温度補正されることが可能となる。
第1の広範な態様のさらなる実施形態において、前記装置は、前記ボックス内における圧力を測定するために、前記インターフェースと通信する圧力測定装置をさらに備え、その結果、DQEの測定が圧力補正されることが可能となる。
第1の広範な態様のなおさらなる実施形態において、前記装置は、各前記KERMAモジュール、前記少なくとも1つの後方散乱調節板、および前記少なくとも1つのMTFモジュールを、前記空間の内および外へ移動させるための、少なくとも1つの運動制御ユニットをさらに備える。これらの実施形態の一部において、前記少なくとも1つの運動制御ユニットは、摺動可能な装置、枢動可能な装置、および回転可能な装置のうちの少なくとも1つを備える。他の実施形態において、前記少なくとも1つの運動制御ユニットは前記インターフェースと通信するモータを備え、前記モータは、各前記KERMAモジュール、前記少なくとも1つの後方散乱調節板、および前記少なくとも1つのMTFモジュールを、前記空間の内および外へ移動させる。さらなる実施形態において、前記インターフェースは、前記少なくとも1つの運動制御ユニットを手動で制御するための手動のインターフェースを備える。
第1の広範な態様の一部の実施形態において、前記装置は、前記イオン化放射線イメージングシステムによって、少なくとも1つの形状補正画像の獲得を可能にするための形状補正モジュールをさらに備え、前記少なくとも1つの形状補正画像は、画像の形状的歪みの補正において用いられる「デワーピング」のアルゴリズムを可能にする形状補正係数を決定し、前記形状補正モジュールは前記空間の内および外へ独立して移動可能であり、その結果、前記形状補正画像は、前記少なくとも1つのオープン画像、前記暗画像、前記少なくとも1つのエッジ画像、および前記KERMAモジュール測定とは独立して獲得可能である。
第1の広範な態様の他の実施形態において、前記少なくとも1つのMTFモジュールは、イオン化放射線を略吸収する領域およびイオン化放射線に対して略透明である領域を備え、各前記領域の交差が、x方向におけるエッジおよびy方向におけるエッジのうちの少なくとも1つを画定する。
第1の広範な態様のさらなる実施形態において、前記少なくとも1つのMTFモジュールは、前記少なくとも1つのエッジ画像の前記獲得の間、前記空間を移動することを可能とし、運動依存および時間依存のうちの少なくとも1つであるMTFの測定を可能にする。
第1の広範な態様のさらなる実施形態において、前記イオン化放射線は、X線およびガンマ放射線のうちの少なくとも1つを含む。
第1の広範な態様のなおさらなる実施形態において、前記イオン化放射線イメージングシステムは、コンピュータ断層撮影システム、X線透視システム、マンモグラフィー・イメージングシステム、歯科用イメージングシステム、獣医用イメージングシステム、および核医学イメージングシステムのうちの少なくとも1つを備える。
第1の広範な態様の一部の実施形態において、前記イオン化放射線検出器は、デジタル検出器、フラットパネル検出器、コンピューテッド・ラジオグラフィー(CR)検出器、フィルム検出器、蛍光体ベースの検出器、半導体ベースの検出器、画像増強ベースの検出器、X線検出器、およびガンマ放射線検出器のうちの少なくとも1つを備える。
一実施形態の第2の広範な態様は、イオン化放射線イメージングシステムの変調伝達関数(MTF)および検出量子効率(DQE)のうちの少なくとも1つを決定するためのシステムを提供することを追求する。前記システムは、第1の後半な態様の装置を備える。前記システムは、さらに、前記少なくとも1つのオープン画像、前記暗画像、前記少なくとも1つのエッジ画像、および前記KERMAモジュール測定を受信することを可能とする計算装置を備える。前記計算装置は、前記少なくとも1つのオープン画像、前記暗画像、前記少なくとも1つのエッジ画像、前記KERMAモジュール測定、およびDQE決定ソフトウェアを保存するためのメモリを備える。前記DQE決定ソフトウェアは、前記KERMAモジュール測定、および前記KERMAモジュールと前記画像平面との間の距離に基づいて、前記検出器の画像平面において、前記イオン化放射線ビームの入射するフリーエアの被ばくおよび入射フリーエアKERMAのうちの少なくとも1つを決定する工程を可能とする。前記DQE決定ソフトウェアは、前記少なくとも1つのオープン画像、前記暗画像、前記少なくとも1つのエッジ画像を処理することによって前記イメージングシステムのMTFを決定する工程をさらに可能とする。前記DQE決定ソフトウェアは、前記少なくとも1つのオープン画像および前記暗画像を処理することによって前記イメージングシステムのノイズパワースペクトル(NPS)を決定する工程をさらに可能とする。前記DQE決定ソフトウェアは、前記少なくとも1つのオープン画像および前記暗画像を処理することによって、前記少なくとも1つのオープン画像の平均画素値を決定する工程をさらに可能とする。前記DQE決定ソフトウェアは、ユニット領域および被ばく(Q)毎のイオン化放射線光子の数を決定する工程をさらに可能とする。前記DQE決定ソフトウェアは、前記検出器、前記MTF、前記NPS、前記平均画素値、および前記Qの画像平面における前記イオン化放射線ビームの前記入射するフリーエア被ばくおよび入射フリーエアKERMAのうちの少なくとも1つを処理することによって、前記画像システムのDQEを決定する工程をさらに可能とする。前記計算装置はさらに、前記DQE決定アプリケーションを処理するためのプロセッサを備える。
実施形態は、以下の図面を参照して記載される。
図1は、非限定的な実施形態に係る、X線イメージングシステムの検出量子効率(DQE)を決定するためのシステムを示す。 図2は、非限定的な実施形態に係る、X線イメージングシステムの検出量子効率(DQE)の決定を支援する装置の斜視図を示す。 図3は、非限定的な実施形態に係る、X線イメージングシステムの検出量子効率(DQE)の決定を支援する装置の内部の斜視図を示す。 図4は、非限定的な実施形態に係る、検査されるイメージングシステムの検出器の前部のX線ビームにおいて、X線イメージングシステムの検出量子効率(DQE)の決定を支援する装置を示す。 図5は、非限定的な実施形態に係る、X線イメージングシステムの検出量子効率(DQE)の決定を支援する装置において用いられるモジュールを示す。 図6は、非限定的な実施形態に係る、X線イメージングシステムの検出量子効率(DQE)の決定を支援する装置の断面略図を示す。 図7は、非限定的な実施形態に係る、X線イメージングシステムの検出量子効率(DQE)の決定を支援する装置のブロック図を示す。 図8は、非限定的な実施形態に係る、X線イメージングシステムの検出量子効率(DQE)の決定を支援する装置を制御するグラフィックユーザインターフェースを示す。 図9は、非限定的な実施形態に係る、X線イメージングシステムの検出量子効率(DQE)を決定するための方法を示す。 図10は、非限定的な実施形態に係る、所望のビーム硬度を達成するために、X線ビームに配置されたX線減衰器を示す。 図11aは、非限定的な実施形態に係る、X線イメージングシステムの検出量子効率(DQE)の決定を支援する装置を用いて生成されたレポートを示す。 図11bは、非限定的な実施形態に係る、X線イメージングシステムの検出量子効率(DQE)の決定を支援する装置を用いて生成されたレポートを示す。 図11cは、非限定的な実施形態に係る、X線イメージングシステムの検出量子効率(DQE)の決定を支援する装置を用いて生成されたレポートを示す。 図11dは、非限定的な実施形態に係る、X線イメージングシステムの検出量子効率(DQE)の決定を支援する装置を用いて生成されたレポートを示す。 図11eは、非限定的な実施形態に係る、X線イメージングシステムの検出量子効率(DQE)の決定を支援する装置を用いて生成されたレポートを示す。 図11fは、非限定的な実施形態に係る、X線イメージングシステムの検出量子効率(DQE)の決定を支援する装置を用いて生成されたレポートを示す。
本明細書に記載された実施形態はX線を用いたイメージングシステムを参照するが、本明細書に記載された装置および方法は、イオン化放射線を用いた任意のイメージングシステムに関してもよい。それゆえ、図1は、非限定的な実施形態に係るX線イメージングシステムの検出量子効率(DQE)を決定するためのシステム800を示す。X線イメージングシステムは一般にX線検出器801を備える。この検出器801は一般に、X線ソース802から受け取られたX線ビームを検出することができ、そのソース802はX線ビーム110を検出器801に放射でき、その結果、X線ビーム110は検出器801とソース802との間に配置された対象を通過する。それゆえ、その対象の画像が、画像生成装置803を介して検出器801において検出されたX線を処理することによって獲得されてよい。一般に検出器801、ソース802、および画像生成装置803は当業者には公知である。
システム800は、一般に、X線イメージングシステムの検出量子効率(DQE)の決定を支援する装置804および計算装置805を備える。この計算装置805は、任意の適切な有線または無線接続、および/またはローカルエリアネットワーク(LAN)などの適切な通信ネットワークを介して、装置804と通信する。一般に、装置804は、装置804との接続に類似する接続を介するか、または、任意の適切な媒体(CD−ROM、フラッシュドライブ、磁気媒体などを含む)を介した画像ファイルの転送によるかのいずれかで、画像生成装置803から画像を受信するようにさらに構成される。これらの実施形態において、画像ファイルは、画像生成装置803における適切な媒体に保存され、手動で計算装置805に転送される。
計算装置805は、X線イメージングシステムのDQEを決定するために、装置804および画像生成装置803から獲得された、画像ファイルを含むデータを処理することができる。図7を参照すると、計算装置805は、一般に、DQE決定ソフトウェア740を格納するメモリ730、ならびに、そのDQE決定ソフトウェア740、および、装置804および画像生成装置803から獲得されたデータを処理するためのプロセッサ720を備える。
装置804は、入射するフリーエアの被ばく(incident free−air exposure)および/または入射フリーエアKERMAを測定することができ、下記の方法において、DQEパラメータを決定することを支援する検出器801に到達するX線のパターンを修正する。
ここで図2および図3を参照すると、これらの図は、非限定的な実施形態に係る、X線イメージングシステムの検出量子効率(DQE)の決定を支援する装置804を示す。図2は、装置804の斜視図を示し、図3は装置804の内部にある構成部品の斜視図を示し、各々は非限定的な実施形態に係るものである。装置804は、概して2つの対向して並んだウィンドウ220aおよび220b(一般的には、ウィンドウ220、集合的には、複数のウィンドウ220)を有するボックス210を備え、ボックス220内にある空間を画定し、これらのウィンドウ210は、X線を略透過させ、検出器801において、X線ビーム110と実質的に類似する領域を有する。ボックス210のソース対向表面222に配置された1つのそのウィンドウ220aのみが図2に見えるように示されるが、他方の第2のウィンドウ220b(図3に示す)は、ボックス210の検出器対向表面224において、ソース対向表面222と略並行に配置されることが理解される。それゆえ、ボックス210は、図1に示すように、検出器110の前に配置される場合、X線ビーム(例えばX線ビーム110)は、ウィンドウ220aを介してボックス210を通過し得、かつ、ウィンドウ220bを介してボックス210から検出器801へと通過し得る。1つの非限定的な実施形態において、各ウィンドウ220は、各表面222および224における開口部を覆うカバー(例えば図6を参照)を備え、このカバーはX線を略透過させる材料からなる。非限定的な実施形態において、このカバーは炭素繊維からなるが、X線を透過させる任意の適切な材料は本実施形態の範囲内にある。さらに、このカバーは、X線を透過または半透過でき、および適切な構造的剛性を提供するのに適した厚さである。他の実施形態において、各ウィンドウ220は、カバーに類似する一枚の部材を備えてもよく、このカバーはボックス210(例えば、各表面222および224の内部側上において、各表面222および224における開口部を覆う)内にあり、所望の場合、各表面222および224に一体化されてもよい。
一部の実施形態において、ボックス210は任意のX線吸収部材を備えてもよい。他の実施形態において、ボックス210は、図6を参照して以下に記載される散乱調節板(scatter baffle)620などの適切なX線吸収部材のシートが敷かれてもよい。いずれにしても、並んだウィンドウ220とは別に、散乱したX線が、以下で記載されるイオン化チャンバ507に入射せず、ウィンドウ220bを通過する程度に、ボックス210にX線が作用する場合に、このX線は略吸収される。
ボックス210(すなわち装置804)がソース802と検出器801との間に配置されると、X線ビームは、並んだウィンドウ220を通過することによってボックス210を通過し得る。これはさらに図4に示され、図4は検出器801の前部の適当な位置に、装置804の良好の非限定的な試作品を示す。X線ビーム110は領域410によって表される。一部の実施形態において、ボックス210は、ボックス210が検出器801の前部に配置された場合に、ウィンドウ220aがX線ビーム110を可視化できるサイズおよび形状であり、他方で、他の実施形態において、ウィンドウ220aがX線ビーム110を可視化できる方法で、検出器801の前部において、ボックス210を搭載するために搭載装置(図示せず)が用いられてもよい。
図3を参照すると、装置804内部(すなわち、ボックス210内部)には、X線イメージングシステムの検出量子効率(DQE)の決定を支援することができる様々なモジュールがある。全てのモジュールが図3に示されるわけではなく、モジュールの詳細は以下で検討する。一般に、各モジュールは、ボックス210を通過するX線ビームの内または外に独立して移動可能であり、すなわち、並んだウィンドウ220間の空間の内および外に独立して移動可能なので、各モジュールは、ウィンドウ220aを介してボックス210に入るX線を引き込むことができ、各モジュールは、使用時には、並んだウィンドウ220と略並行となる。
例えば、非限定的な実施形態において、モジュール(例えば以下で記載するKERMAモジュール503)は、図3に示すように、運動制御ユニット320上に搭載されてもよい。この実施形態において、運動制御ユニット320は摺動可能な装置を備え、この装置は、対のレール325、およびモータ327(このモータはスクリュー装置326を回転させる)に取り付けられたスクリュー装置326を備える。レール325は、モジュールが並んだウィンドウ220間を摺動でき、モータ327が起動してスクリュー装置326を回転させたときに、並んだウィンドウ220間から外に出ることができる長さである。それゆえ、本実施形態において、並んだウィンドウ220間の空間に隣接する空間が存在し、モジュールがその不使用時(すなわち、ウィンドウ220aに入るX線ビームをモジュールが引き込まない場合)にはその空間に置かれ、ボックス210は、この空間を取り囲み、かつモジュールが不使用時には、この空間にそのモジュールを収容するよう、適切なサイズおよび形状をしている。
図3に示す実施形態は、最大4つの積み重ねられたモジュール(例えば図5に示すような)で構成され、各モジュールは、上述したような、レール325に類似する対のレール、ならびに関連のスクリュー装置およびモータに搭載される。しかしながら、他の実施形態もまた、4つ未満のモジュールを備えてもよく、その反対に、他の実施形態は、5つ以上のモジュールを備えてもよい。空間を考慮すると、モータおよび関連のスクリュー装置は2つずつサイドに割り振られる。モジュールは、一般に、独立して可動であり、互いに並行であり、その積み重ね内で、可動性を確保するように互いに空間を空けている。一部の実施形態において、特定のモジュールが、その積み重ね内で、ウィンドウ220aおよび220bの各々と、より接近しているか、またはより離れて配置されることが所望されてもよく、これを以下でさらに詳細に記載する。
別の非限定的な実施形態において、運動制御ユニット320は、並んだウィンドウ220間の空間をモジュールが出たり入ったりするための、枢動可能な装置(図示せず)を備えてもよい。例えば、各モジュールは、ヒンジを介して枢動可能な装置に取り付けられてもよく、その枢動可能な装置は(例えばモータを介して)起動されて、並んだウィンドウ220間の空間をモジュールが出たり入ったりして回転させてもよい。そのモジュールが使用時の場合、並んだウィンドウ220の間にあり、その並んだウィンドウ220と略並行である。しかしながら、不使用時には、そのモジュールは、並んだウィンドウ220と略直角であってもよく、ヒンジを介して並んだウィンドウ220間の空間から回転されている。これらの実施形態において、ボックス210は、並んだウィンドウ220間の空間をモジュールが出たり入ったりして回転できる適切なサイズおよび形状である。枢動可能な装置はさらに、モジュールと各ウィンドウ220との間の距離を制御できる。例えば、一部の実施形態において、使用時に、モジュールがウィンドウ220のうちの1つに対して非常に接近して存在することが所望されてもよい。それゆえ、ヒンジが所望のウィンドウ220の端部に接近して配置されてもよく、その結果、そのモジュールが適宜回転されると、所望のウィンドウ220に対して非常に接近して存在する。
なお、さらなる実施形態において、運動制御ユニット320は、並んだウィンドウ220間の空間をモジュールが出たり入ったりするための、例えば回転式コンベヤ(カルーセル)などの回転可能装置を備えてもよい。
なお、さらなる実施形態において、装置804は、並んだウィンドウ220間の空間にモジュールが独立して出たり入ったりするための、摺動可能装置、枢動可能装置、および回転可能装置の任意の適切な組み合わせを備えてもよく、一部のモジュールは、摺動可能であり、他のモジュールは枢動可能であり、さらなるモジュールは、並んだウィンドウ220間の空間をモジュールが出たり入ったりして回転可能である。さらに、別の実施形態において、並んだウィンドウ220間の空間をモジュールが出たり入ったりする装置はモータが取り付けられていなくてもよく、手動で操作されてもよく、例えば、インターフェース330が、並んだウィンドウ220間の空間をモジュールが出たり入ったりする装置を用いる手動のインターフェースを備える。
それゆえ、装置804は、さらに、KERMAモジュール(以下で記載する)からデータを獲得し、X線検出器(以下で記載する)を監視し、もしあれば、並んだウィンドウ220間の空間に対する各モジュールの動きを制御するインターフェース330(例えば、図3の部品330を参照、以下で図7を参照してさらに記載される)を備える。例えば、装置804は、このインターフェース330を介して計算装置805と通信してもよく、かつ、どのモジュールが並んだウィンドウ220間の空間に移動するか、どのモジュールが並んだウィンドウ220間の空間から取り除かれるかを示す信号を計算装置805から受信してもよい。インターフェース330は次いでこれらのモジュールの位置を制御するためにモータに信号を送信してもよい。
図5は、X線イメージングシステムの検出量子効率(DQE)の決定を支援する各モジュール501、502、503、および504の非限定的な実施形態を示し、これらのモジュールは装置804内に配置され(すなわち、ボックス210内に含まれる)、各モジュール501、502、503、および504は、上記したように、並んだウィンドウ220間の空間を独立して出たり入ったりできる。
モジュール501は、X線を透過しない領域505(例えば、領域505に入るX線は略吸収される)、およびX線を略透過する領域510を備える、x端MTFモジュールを備える。領域505と領域510との交差は、x方向に対してほぼ直角である(例えば、直角から1〜4度外れた)「x端」を概して画定する。領域505は、この領域505は、一般に、モジュールが、並んだウィンドウ220間で移動され、そしてX線が、並んだ領域を通過する場合(例えば図1および図4のように、装置804が使用時の場合)、検出器801が、以下で記載されるように、x方向のMTFの決定を支援するx端の画像を獲得できるように、X線を吸収する素材および厚さを備える。1つの非限定的な実施形態において、領域505は、適切な厚さのタングステンを含み、そのx端は、MTFの決定を支援するために適切な許容範囲に機械加工される。しかしながら、任意の適切なX線吸収材料が用いられてもよく、これには鉛を含むが、それに限定されない。
モジュール502は、y端MTFモジュールを備え、これはX線を透過しない領域506およびX線を略透過する領域511を含む。モジュール502は、上記のようにモジュール501と類似するが、モジュール502はモジュール501と略直交しており、領域506と領域511との交差は、y方向に対してほぼ直角である(例えば、直角から1〜4度外れた)「y端」を概して画定する。それゆえ、検出器801は、以下で記載するように、y方向のMTFの決定を支援するy端の画像を獲得し得る。
一部の実施形態において、装置804は、MTFの決定を支援する、x端およびy端の画像を獲得するために用いられ得るモジュール501と類似した1つのMTFモジュールを備え、このMTFモジュールは、「x端」位置(すなわち、モジュール501の方向と類似する)から「y端」位置(すなわち、モジュール502の方向と類似する)へ、中心軸を中心として回転可能である。
例えば、そのようなMTFモジュールは、四角/長方形の穴を有するX線吸収部材、または、X線透過部材上に取り付けられた四角/長方形のX線吸収部材を備えてもよい。
別の実施形態において、一定の方向において1つのMTFモジュールが存在してもよく、その結果、MTFは1つの方向において測定され得、このMTFは、ボックス210を90度回転させることによって得られた直交する方向に置かれ、その測定プロセスを繰り返す。
一部の実施形態において、MTFモジュールが使用時の場合、そのMTFモジュールはウィンドウ220b、従って検出器801と出来る限り接近して置かれ、当業者に公知であるように、限定的な焦点サイズのために、半暗の不鮮明状態(penumbral blur)の影響を最小限にすることが所望されてもよい。X線ソース802中のX線チューブからの焦点外れ(off−focal)の放射、およびビームを硬化させるX線経路内に配置されたアルミニウムまたは他の材料からの散乱もまた、半暗の不鮮明状態を増加させ得る。それゆえ、これらの実施形態において、MTFモジュールの位置は、上記のような回転可能装置を介して制御されることが所望され得る。
代替の実施形態において、少なくとも1つのMTFモジュールは、時間的なMTFおよび/または時空間的なMTF、あるいは動きおよび/または時間依存した他の種類のMTFの測定を得るために、MTF測定の間、並んだウィンドウ220間の空間を移動することが可能となってもよい。移動および/または時間依存したMTFのこの測定は、透視イメージングシステムのDQEを決定するために、蛍光透視法などの用途において有用であってもよい。そのような動きは、上述のように、摺動可能な装置、ならびに/または、枢動可能な装置および/または回転可能な装置と組み合わせた摺動可能な装置を介して達成されてもよい。
モジュール503は、一般に、例えば、ボックス210が、図1および図4に示されるように、ソース802と検出器810との間に配置された場合に、X線ビームの入射するフリーエアの被ばくまたは入射フリーエアKERMAのうちの少なくとも1つを測定するためのKERMAモジュールを備える。このモジュール503は、一般に、そこに開口部を有する適切なX線吸収部材(タングステンおよび鉛を含むがそれらに限定されない)のシート508、およびその開口部内に配置されるイオン化チャンバ507を備える。イオン化チャンバは当業者には公知であり、任意の適切なイオン化チャンバは本実施形態の範囲内である。一般に、イオン化チャンバ507は、図1および図4にあるように、例えばこの装置804の使用時に、チャンバを通過するX線ビームの入射するフリーエアの被ばくまたは入射フリーエアKERMAを一般的に示す信号を生じ、このモジュール503は並んだウィンドウ220間で移動される。例えば、イオン化チャンバ507は、一般に、電位計、および/または、バイアス電圧がイオン化チャンバ507に亘って印加された場合に、このイオン化チャンバ507によって生成される電流を増幅する電流増幅器と通信する。電位計は、装置804の内部または外部のいずれかにあってもよく、インターフェース330と通信し、その結果、データがモジュール503から獲得され得、X線ビーム入射するフリーエアの被ばくまたは入射フリーエアKERMAのうちの少なくとも1つが測定され得る。一部の実施形態において、この電位計は、増幅器およびアナログデジタル変換器を介してインターフェース330と通信する。
モジュール504は、一般的に、ボールベアリング(BB)モジュールを備える。すなわち、ボールベアリング509などの、玉型のX線減衰部材は、X線を透過する材料中で、グリッドパターンに置かれる。任意のX線減衰部材がボールベアリング509のために用いられてもよい(これは、ステンレススチール、鉛、およびタングステンを含むがそれらに限定されない)。それらは球体または他の形状であってもよい。モジュール504は、一般に、画像の形状的な歪みの補正において用いられる「デワーピング(de−warping)」のアルゴリズムを可能とする形状補正係数を決定し、検出器801における検出器要素の物理的大きさを決定するために用いられる。モジュール504の使用は以下で記載される。
図6をここで参照すると、図6はボックス210内で作動中のKERMAモジュール(モジュール503)を含む、装置804の断面略図を示す。X線ビームは線630で示される。図6は、一般に、図1および図4において示される状況を表し、ここで装置は、検出器801の前に配置され、例えばX線ビーム110などに対する被ばくによるなど、X線630に対して被ばくされており、KERMAモジュールは入射するフリーエアの被ばくおよび入射フリーエアKERMAのうちの少なくとも1つの測定を実行するために、並んだウィンドウ220間の空間へと動かされる。
図6から、装置804はまた、検出器801において、X線ビーム630が入射することを防ぎ、それゆえ、KERMAモジュールが使用時にそのKERMAモジュールへ、検出器801からのX線ビームの後方散乱を防ぐための少なくとも1つの後方散乱(backscatter)調節板610、ならびに、KERMAモジュールが使用時にそのKERMAモジュールへの、ボックス210内におけるX線ビームの散乱を防ぐための少なくとも1つの散乱調節板620を備える。
この少なくとも1つの散乱調節板610は、一般に、X線がイオン化チャンバ507を通過した後にこのX線ビームを十分に減衰するX線吸収部材(鉛およびタングステンを含むがそれらに限定されない)の層を備え、検出器801からKERMAモジュールへの、あらゆる直線の戻り路を防ぐ。これにより、KERMAの測定が検出器801からの後方散乱によって汚染されないことを保証する。また、少なくとも1つの後方散乱調節板610は、並んだウィンドウ220間の空間の内および外に独立して移動可能なので、この少なくとも1つの後方散乱調節板610は、KERMA測定の間、ウィンドウ220bとKERMAモジュールとの間に配置されるが、他の測定のために取り除かれてもよい。一部の実施形態において、少なくとも1つの後方散乱調節板610は、上述のモジュールとは異なる、異なる移動制御ユニットを有するモジュールを備えてもよい。しかしながら、他の実施形態において、少なくとも1つの後方散乱調節板は、モジュール501および/またはモジュール502を備えてもよく、領域508および/または領域505および/または領域506は、各々、KERMA測定の間、ウィンドウ220bとKERMAモジュールとの間に配置されて、ウィンドウ220aから検出器801へのあらゆる直線の路を防ぐ。これは、ボックス210内に配置された装置を減少させることが所望されてよい。上述のように、インターフェース330は、KERMAモジュールからデータを獲得し、各モジュールが上記の空間内および外への動きを制御することが可能である。後方散乱調節板のための異なるモジュールを含む実施形態において、インターフェース330はこの異なるモジュールの移動を制御することがさらに可能である。
一般に、少なくとも1つの後方散乱調節板610およびKERMAモジュールのイオン化チャンバ507は、後方散乱調節板610から発される放射線がイオン化チャンバ507に入らないようにするために、ボックス210内において出来る限り離される。一部の実施形態において、少なくとも1つの後方散乱調節板610とイオン化チャンバ507との距離は、およそ10cmであるが、後方散乱調節板610から発される放射線がイオン化チャンバ507に入らないようにするのに十分な他の距離であってもよい。
少なくとも1つの散乱調節板620は、一般に、モジュール503のシート508を備え(このシート508はイオン化チャンバ507を略囲む)、X線630がイオン化チャンバ597に散乱しないようにする。一部の実施形態において、この少なくとも1つの散乱調節板620は、さらに、上記のウィンドウ220の各々に隣接して配置される複数のシートにおいて、X線ビームを十分に減衰するX線吸収部材(鉛およびタングステンを含むがそれらに限定されない)のシートを備える。これらのさらなる散乱調節板620は、ボックス210内においてさらにX線を吸収する。これらのさらなる散乱調節板620は、さらに、任意の必要以上のX線がボックス210内において不必要な散乱を生じないようにする。
また、図6は、インターフェース330と通信する任意の少なくとも1つのモニタX線検出器650を備える装置804の非限定的な実施形態を示す。この少なくとも1つのモニタX線検出器650は、一般に、当業者に公知であるように、シリコンベースの検出器などの固体検出器を備える。少なくとも1つのモニタX線検出器650は、一般に、X線ビームを引き込み、X線ビームの入射するX線の被ばくおよびX線ビームのKERMAのうちの少なくとも1つに比例する信号を生成することが可能であり、インターフェース330は、少なくとも1つのモニタX線検出器650からデータを獲得することが可能である。この少なくとも1つのモニタX線検出器650は、X線ビームにおける変動を監視するために用いられてもよく、DQEの測定は、測定された変動に基づいて調整されてもよい。それゆえ、この少なくとも1つのモニタX線検出器650は、一般に、ウィンドウ220a内ではあるが、イオン化チャンバ507または検出器801上において作用するX線と干渉しない方法にて配置される。
一部の実施形態において、装置804は、ウィンドウ220aの周囲に配置された2つ以上のモニタX線検出器605を備え、その結果、ウィンドウ220aに入るX線ビームが検出され得、これらは、イオン化チャンバ507または検出器801上において作用するX線と干渉しない方法で取り付けられる。例えば、ボックス210が、図1および図4のように、検出器801の前に配置される場合で、ウィンドウ220がX線ビームとの位置合わせを略誤っており、その結果、X線ビームの僅かな部分のみがウィンドウ220aに入る場合、1つのX線検出器は第2のX線検出器よりも高い信号を生成する。それゆえ、信号における差異は、例えば、インターフェース330を介して監視され得、位置合わせ誤差を決定する。
別の実施形態において、第1のモニタX線検出器605は、ウィンドウ220aの端部に接近して配置され、他方で、第2のモニタX線検出器605は、第1のモニタX線検出器605と同一の平面において、X線ビームの経路に接近して配置され、その双方ともが、イオン化チャンバ507または検出器801上において作用するX線と干渉しない方法で取り付けられる。第1のモニタX線検出器605は、X線ビームの端部がウィンドウ220aの端部に接近しているかどうかを監視するために用いられてもよく、その結果、第2のモニタX線検出器605がX線によって覆われることが保証され、その結果、第2の検出器605によって、X線ビームの入射するX線の被ばくおよびKERMAのうちの少なくとも1つのしっかりとした測定を保証する。
また、図6は、ボックス210内の気温を測定するために、インターフェース330と通信する任意の温度測定装置660を備え、この結果、被ばくまたはKERMAの測定が温度的に補正され得る、装置804の非限定的な実施形態を示す。例えば、ボックス210内に電気および電子装置が存在するために、一部の実施形態においては、ボックス210内の温度は経時的に変化し得る。これは、例えば、イオン化チャンバ507における測定に影響を与え得る。しかしながら、その温度が知られている場合、イオン化チャンバ507における測定は、当業者に公知であるアルゴリズムを用いて補正され得る。それゆえ、一部の実施形態において、温度測定装置660はイオン化チャンバ507に隣接して配置されることが所望される。
また、図6は、ボックス210内の空気圧を測定するために、インターフェース330と通信する任意の圧力測定装置670を備え、この結果、被ばくまたはKERMAの測定が圧力的に補正され得る、装置804の非限定的な実施形態を示す。例えば、大気圧は、イオン化チャンバ507の性能に影響を与え得る。しかしながら、測定の時間における空気圧が知られている場合、イオン化チャンバ507における測定は、当業者に公知であるアルゴリズムを用いて補正され得る。それゆえ、一部の実施形態において、圧力測定装置670はイオン化チャンバ507に隣接して配置されることが所望される。
ここで図7を参照すると、図7は、非限定的な実施形態によれば、図1のシステム800内の装置804のブロック図を示す。インターフェース330は、イオン化チャンバ507(例えば、イオン化チャンバ507の電位計および/または電流増幅器)、少なくとも1つのモニタX線検出器650、もしあれば、運動制御ユニット320と通信する。また、インターフェース330は、温度測定装置660、およびもしあれば、圧力測定装置670と通信する。上述のように、インターフェース330は、計算装置805と通信可能であり、その結果、装置804からのデータがこの計算装置805に供給され得る。一部の実施形態において、インターフェース330は、さらに、このインターフェース330が通信するボックス210内の様々な装置からの信号を処理するための計算装置710を備える。しかしながら、一般的には、装置804の制御は、計算装置805にて保存されたDQE決定ソフトウェア740を介してもたらされる。さらに、このDQE決定ソフトウェア740は、装置804からデータを、画像生成装置803から画像を受信可能であり、次いで、X線イメージング装置のためにDQEを計算可能である。非限定的な実施形態において、しかしながら、DQE決定ソフトウェア740は、計算装置710において、装置804において、または画像生成装置803中に保存されてもよく、ならびに、計算装置805は必須ではない。
DQE決定ソフトウェア740のグラフィックユーザインターフェース(GUI)890の非限定的な実施形態が図8に示される。GUI890内において、ユーザは、ソース802と検出器801との間の距離(「Src−Img Dist」)、および、検出器801からボックス210上の較正マークまでの距離(「Pro−Img Dist」)を設定してもよい。DQE決定ソフトウェア740は、各モジュールが使用時に、装置804の各モジュールと、検出器801との間の距離を計算するように構成される。GUI890内において、ユーザは、また、プルダウンメニュー(「「RQA−5」)を介して測定を行うか、あるいは、X線ソース802(「kV」)のエネルギを入力および/または調節するために用いられる標準のX線スペクトル(IEC62220において記載されるような)を選択してもよい。RQA−5などの標準のスペクトルが用いられる場合、DQE決定ソフトウェア740は、さらに、ソース802の前に、適切な半価層(「hvl」)の厚さのアルミニウムを挿入するようにユーザを促すことによって、X線ビームの硬度を調節することにおいてユーザを支援することが可能である。これは、以下でさらに詳細に記載される。
図1のように、イメージングシステムのためにDQEを決定する方法900が、図9を参照してここで記載され、装置804は、DQEの決定を支援するために用いられる。さらに、以下の議論が装置804についてのさらなる理解を導く。しかしながら、方法900および装置804は可変であり、互いに関連して本明細書において検討されるように、正確に作動する必要はなく、そのような変化は本実施形態の範囲内であることは理解される。
式1から、MTF、X、Q、および(NPS/d)が知られている場合、DQEが決定され得ることが想起される。それゆえ、DQEソフトウェア740は、一般に、装置804から信号を、および画像生成装置803から画像を獲得することが可能であり、これらによって、DQEソフトウェア740はMTF、X、および(NPS/d)を決定することを可能にする。Qは、標準のX線スペクトルの表属性(tabulated property)から決定され得るか、または非標準のX線スペクトルおよび半価層の厚さの測定に基づいて計算され得るかのいずれかであってよい。それゆえ、方法900は、一般に、4つの事柄の各々を決定することに注意し、その結果、DQEが決定され得る。
ステップ901において、装置804は、図1における、例えば検出器801などの、イメージング検出器または試験されるシステムの入力表面の前において、X線ビームに置かれる。一部の実施形態において、装置804を入力表面に出来る限り接近して置くことが所望され得る。他の実施形態において、装置804を、別の場所、患者がいる場所など、例えば、X線ソースとイメージング検出器の入力表面との間などに置くことが所望され得る。X線ビームは、例えば、図4にあるように、X線システムの通常のコリメーション性能を用いて、ウィンドウ220aに曝すために、ソース802において調節され得る。装置804は、データ入力、制御、およびデータ転送のために、計算装置805に接続される。
一部の実施形態において、図10に示されるように、さらなるX線減衰器1010は、X線ビームにおいて、X線ソース802に出来る限り近くに配置されてもよく、ビームの半価層の厚さによって特徴付けられる所望のビーム硬度でX線ビームを生成する。IEC62220における代表的なスペクトルのために複数の標準が提案されている。この処理のさらなる記載を以下に提供する。
ステップ902において、情報は、GUI890を介してDQE決定ソフトウェア740、および計算装置805に関連付けられた入力装置に入る。この情報は、ソース802と検出器801との間の距離、検出器801と装置804(例えば、上述のようにボックス210上の較正マークなど)との間の距離、およびX線スペクトル記述(mAs、mA、標準のスペクトル表示またはkV、および追加のろ過材、ならびにその厚さ)を含んでもよい。
ステップ903において、DQE決定は、様々な制御信号を装置804に送信することによって開始される。
ステップ904において、Xを決定するためのデータは、少なくとも1つの後方散乱調節板610(あるいは、少なくとも1つのMTFモジュール501および/または502)、およびKERMAモジュール(すなわちモジュール503)を、図6におけるように、並んだウィンドウ220の間の空間へと移動させ、そしてイオン化チャンバ507をX線ビームに対して被ばくさせることによって測定される。これは、制御信号をインターフェース330に送信し、次に、様々なモータ(例えばモータ327)を制御して、適切なモジュールおよび/または調節板を配置場所へと移動させることによって達成され得る。次いで、信号は、X(入射するフリーエアの被ばくまたは入射フリーエアKERMA)を示すインターフェース330を介して、イオン化チャンバ507から受信される。このイオン化チャンバ507は、上述で検討したように、電位計によって測定された変化(または差動電流)において実現される、較正被ばくを得るために、X線ビームに対して被ばくされる。少なくとも1つの後方散乱調節板610を適切な位置に配置し、少なくとも1つの散乱調節板620と共に、装置804内のX線散乱は、略取り除かれ、従って、イオン化チャンバ507に入射する全て(または殆ど全て)のX線は直接X線ビームから来るものである。このようにして、本測定は、異なる検出器の設計、形状、および構成を含む周囲環境によって影響されることがない。
測定時におけるボックス内の温度および/または気圧は、温度測定装置660および/または圧力測定装置670が存在する場合、インターフェース330を介して、ステップ905において獲得されてもよい。
さらに、少なくとも1つのモニタX線検出器650を較正するための較正データはステップ905の間に獲得されてもよく、ここでこの少なくとも1つのモニタX線検出器605からの信号は較正被ばくの間に獲得される。それゆえ、イオン化チャンバ507および少なくとも1つのモニタX線検出器650から得られた信号を用いて、較正係数がこの少なくとも1つのモニタX線検出器650のために決定されてもよく、この少なくとも1つのモニタX線検出器650は、後の画像獲得の間に生じるXの変動を決定するために用いられてもよい。
ステップ905において、「暗画像(dark image)」が獲得され、暗画像とは、X線のためのはっきりとした経路が装置804を介して(すなわちX線が吸収される)存在しない場合の、検出器801の反応であり、以下で記載するように、DQEの決定において用いられる。これは、ユーザに、X線被ばくを実行させ、X線の検出器801への路をブロックするためにX線の経路にX線吸収部材を配置した後に画像を獲得させるように促すことによって達成され得る。あるいは、別個の暗画像の獲得のステップが実行されてもよく、これは、制御信号がインターフェース804に送信されて、少なくとも1つの後方散乱モジュール610(または少なくとも1つのMTFモジュール510および/または520)を、獲得される画像に先立って、並んだウィンドウ220の間の空間に移動させる。
ステップ906において、少なくとも1つの「オープン画像(open image)」が獲得され、オープン画像とは、X線のためのはっきりとした経路が装置804を介して(すなわちX線が吸収されない)存在する場合の、検出器801の反応であり、以下で記載するように、DQEの決定において用いられる。これは、制御信号をインターフェース330に送信し、この装置330に、並んだウィンドウ220(すなわちX線経路)の間の空間から全てのモジュールを取り除くように命令することによって達成され得る。一部の実施形態において、単一のオープン画像が十分である場合がある一方で、複数のオープン画像、例えば、約24枚の画像を獲得することが一般的に所望される。もしあれば、少なくとも1つのモニタX線検出器650からの信号もまた、各画像獲得の間に獲得される。
ステップ907において、MTFの画像/エッジ画像が、信号をインターフェース330に送信することによって獲得され、このインターフェース330は、少なくとも1つのMTFモジュール(例えば、モジュール501および/またはモジュール502)を並んだウィンドウ220(すなわちX線経路)の間の空間に移動させる。ユーザは、次いで、画像を獲得するよう促される。ステップ907は、所望のように追加のエッジモジュールを用いて繰り返される。もしあれば、少なくとも1つのモニタX線検出器650からの信号もまた、各画像獲得の間に獲得される。代替の実施形態において、時間的なMTFおよび/または時空間的なMTF、あるいは、動き依存および/または時間依存の他の種類のMTFの測定を得るために、並んだウィンドウ220の間の空間を介して少なくとも1つのMTFモジュールが移動する間に、エッジ画像が獲得可能である。移動依存および/または時間依存のMTFのこの測定は、X線透視法などの用途において有用であってもよく、X線透視法イメージングシステムにおいてDQEを決定するのにも有用であってもよい。
任意のステップ908において、画像デワーピングの画像が、信号をインターフェース330に送信することによって獲得され、このインターフェース330は、モジュール504(すなわちBBモジュール)を、並んだウィンドウ220(すなわちX線経路)の間の空間に移動させる。ユーザは、次いで、画像を獲得するように促される。同様の測定もまた、画素サイズの決定において用いられてもよい。
KERMAモジュール、少なくとも1つの後方散乱調節板、および少なくとも1つのMTFモジュールの各々は、ボックス210を通過するX線ビームの内および外を独立して移動可能なので、少なくとも1つのオープン画像、暗画像、および少なくとも1つのエッジ画像(すなわちMTF画像)は、X線イメージングシステムによって独立して獲得され得、KERMAモジュール測定は画像獲得とは独立して実行され得るので、その結果、画像およびKERMAモジュール測定は、以下で記載するように、DQEを決定するために処理されてもよい。
ステップ909において、獲得された画像は、必要であれば計算装置805に転送される(すなわち、計算装置805が画像生成装置803から獲得された画像をいまだに受信していない場合、獲得された画像は、CDROM、DVD、ネットワークインターフェースなどを介して転送される)。獲得された各画像からの被ばくデータもまた、転送され、獲得された各画像に適合される。この画像生成装置803は、暗電流のオフセット、粗野な画素、または画素ゲインの補正のために、獲得された画像を補正してもよく、そうでなければ、獲得された画像は処理されないか、または「生のまま(raw)」の画像であることが所望される。画像が非線形のアルゴリズムを用いて処理されている場合、平均的な画素値(d)が、DQEの決定に先立って、検出器に入射するエアー被ばくまたはKERMAと比例することを保証するために、画像を線形化することが所望されてもよい。
ステップ910において、検出器801において、特に、検出器801の画像平面において(すなわち、画像が検出器において一般に獲得される平面)、Xは計算される。イオン化チャンバ507におけるXが、ステップ905において獲得された、測定された値(charge)から決定され得ると、検出器801の画像平面の位置に対応する入射するエアーKERMAの値(および/または入射するフリーエア被ばく)は、イオン化チャンバ507から検出器801への距離が既知であり、当業者に公知であるので、逆二乗の法則を用いて計算され得る。さらに、検出器801におけるXは空気の温度および圧力、ならびに、X線ビームの半価層(HVL)を用いたエネルギ反応に対して補正され得る。
ステップ911において、NPS/dは、ステップ906において獲得されたオープン画像を用いて決定される。1つの非限定的な実施形態において、NPS/dは、以下の計算を用いて計算されてもよく、この式は、BellinghamのSPIE出版によって発行された、Physics and Phychophysics、1巻、医学画像ハンドブックにおける2章、「Applied linear−system theory」に教示されており、本明細書において、参照することにより援用される。
x方向における空間周波数uの関数として、画像ノイズのスペクトル分解を記述する正規化されたNPSは、
Figure 2010519504
によって与えられ、ここで、dは、NPSを決定するために用いられるオープン画像における平均的なダークサブトラクトされた画素値であり(すなわち、各オープン画像の平均画素値から、ステップ905で獲得された暗画像から決定された暗画素値を減算する)、aおよびaは、xおよびyの画素次元であり、NおよびNは、各々、xおよびy方向における各サブ画像における画素数であり、NPSを決定するために用いられる(一般に、各オープン画像は、サブ画像の数に分けられ、この計算に対しては、例えば16個のサブ画像に分けられる)。さらに、この計算は、離散フーリエ変換DFT{}を利用し、dijは、当業者には公知であるように、サブ画像のi番目の列およびj番目の行におけるダークサブトラクトされた画素値である。この式を用いて計算されたNPSは、画像データに存在する任意のノイズエイリアシングを含む。しかしながら、NPS/dを計算する他の方法は本実施形態の範囲内である。さらに、各画像は、較正係数、および画像獲得の間に獲得された少なくとも1つのX線検出器650からの信号に基づいて補正されてもよい。類似の式がy方向におけるNPSのために存在する。
ステップ912において、MTFはステップ907において獲得されたエッジ画像を用いて計算される。1つの非限定的な実施形態において、MTFは、E.Samei、M.Flynn、およびD.A.Reimannによる、Medical Physics11、287(1984年)によって教示されるような「傾斜したエッジ(slanted−edge)」を用いて計算され、これは当業者には公知である。この方法において、ステップ906において獲得された少なくとも1つのオープン画像、ステップ905において獲得された暗画像、およびステップ907において獲得されたエッジ画像が処理される。時間的なMTFもまた、並んだウィンドウ220の間の空間を移動するMTFモジュールの画像が獲得された実施形態における、ステップ912において計算されてもよい。
ステップ913において、Qは、必要であれば、表1などのように、標準化されたスペクトルの表から、Qを得ることによって決定されてもよい。
Figure 2010519504
表1:標準化されたスペクトルの性質
あるいは、Qは、当業者に公知であるように、非標準のX線スペクトルおよぶ半価層の厚さの測定の知識に基づいて決定されてもよい。
ステップ914において、ステップ910、911、912、および913において決定される、X、NPS/d、MTF、およびQの値は、式1を用いてDQEを決定するために用いられる。
方法900が、示された順序においてステップ902からステップ914までを参照して記載されているが、ステップ902からステップ914までのこの順序は変更されてもよいことは理解される。例えば、画像獲得のステップは、イオン化チャンバ507からのデータの獲得に先立って生じてもよい。さらに、決定のステップは画像およびデータ獲得のステップと並行して生じてもよい。
一部の実施形態において、イメージングシステムの形状の精度もまた、決定されてもよい。これは、BBモジュール(モジュール504)をX線ビームに移動させ、形状の補正(または「BB」)画像を獲得することによって達成される。この画像と、オープン画像および暗画像との組み合わせを用いて、画像平面におけるx方向およびy方向における各画素の中心間(center−to−center)の間隔が決定されてもよい。この処理は自動化されてもよく、画像におけるBBの検出および画素次元の計算は自動であり、オペレータの介入を必要としない。一部のイメージングシステムは、画像における形状的な歪み(画素の次元および位置は所望されない方法において画像を横断して変化する)を導入する。これらのシステムのために、BB画像は、画像の形状的な歪みを補正するために用いられる、当業者に公知の「デワーピング」のアルゴリズムを可能にする補正係数を決定するために用いられる。DQE決定ソフトウェア740はそのようなデワーピングのアルゴリズムを備えてもよい。
一部の実施形態において、DQE決定ソフトウェア740は、X線ソース802において発生器のkVを調整するために半自動の方法を実施することを可能にし得、ビームの半価層(HVL)の厚さが標準のスペクトルのために所望の、表にされた(tabulated)値に等しいことを保証する。DQE決定ソフトウェア740は、ユーザに、X線ソース802に近いX線ビームに、標準の厚さのアルミニウムを配置し、被ばくを獲得することを促す。装置804は、次いで、較正被ばくのために、ステップ904を参照して上記したように、フリーエア被ばくを測定するためにトリガされる。DQE決定ソフトウェア740は次いで、ユーザに、所望のHVLの厚さに等しい厚さを用いてX線ビームにさらなるアルミニウムを配置し、別の被ばくを獲得することを促す。装置804は次いで、第2の被ばくのためにフリーエア被ばくを測定するためにトリガされる。DQE決定ソフトウェア740は次いで、発生器のkV設定において、必要であれば、第2の被ばくが第1の被ばくの半分に等しいことを保証するためにどの程度の変化が必要とされるかを推定する。kV設定におけるさらなる変化が必要とされない場合、ビームHVLは所望のHVLと等しい。
装置804およびDQE決定ソフトウェア740の首尾良い原型が構築された。X線イメージングシステムの試験がこの原型を用いて実行され、DQEはこのイメージングシステムのために決定された。この原型を介して決定されたDQEは、類似のイメージングシステムのための公にされたDQEの5%以内であった。DQE決定ソフトウェア740の原型はさらに、測定のレポートを提供するように構成された。このレポートの非限定的な実施形態は図11aおよび図11fにおいて示される。図11aは獲得された暗画像および獲得されたオープン画像を示す。図11bは獲得されたオープン画像、獲得されたBB画像、および獲得されたエッジ画像を示す。図11cおよび図11dはMTFの決定についてのレポートを示す。図11eはNPSの決定についてのレポートを示す。図11fはDQEの決定についてのレポートを示す。
複数の実施形態がX線イメージングシステムにおけるX線検出器を参照して記載されているが、装置804は、適切なイオン化放射線の任意の種類の検出器を用いる任意の種類のイオン化放射線イメージングシステムのDQEの決定を支援するために用いられてもよいことは理解される。例えば、装置804は、放射性同位体からのガンマ放射線を用いる核医学イメージングシステムにおいて用いられてもよい。さらに、装置804は、デジタル検出器、フラットパネル検出器、コンピューテッド・ラジオグラフィー(CR)検出器、フィルム検出器、蛍光体ベース(phosphor−based)の検出器、半導体ベースの検出器、画像増強ベースのシステムを含む、コンピュータ断層撮影システム、X線透視システム、マンモグラフィーシステム、歯科用システム、獣医用システムなどにおいて用いられるDQE検出器の決定を支援するために用いられてもよい。他の種類の検出器も当業者にはなじみである。
最後に、装置804が、イオン化放射線イメージングシステムのDQEの決定を支援することを参照して記載されているが、一部の実施形態において、必ずしもDQEを決定することなしに、イオン化放射線イメージングシステムのMTFの決定を支援するために、装置804を用いることが所望されてもよい。それゆえ、装置804は、イオン化放射線イメージングシステムの変調伝達関数(MTF)および検出量子効率(DQE)のうちの少なくとも1つの決定を支援するために用いられてもよい。
当業者は、一部の実施形態において、DQE決定ソフトウェア740の機能性が、前もってプログラムされたハードウェアまたはファームウェア要素(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)、電気的消去・プログラム可能型読取専用メモリ(EEPROM)など)、あるいは他の関連の構成要素を用いて実施されてもよいことを理解する。他の実施形態において、DQE決定ソフトウェア740の機能性は、計算装置の作動のためのコンピュータ読取可能のプログラムコードを保存するコードメモリ(図には示さず)に対するアクセスを有する計算装置を用いて達成されてもよい。コンピュータ読取可能のプログラムコードは、固定され、有形で、かつこれらの構成要素(例えば着脱可能のディスケット、CD−ROM、ROM、固定ディスク、USBドライブなど)によって直接に読取可能な媒体に保存可能であるか、あるいは、コンピュータ読取可能なプログラムコードは、リモートで保存可能であるが、送信媒体を介して、ネットワーク(インターネットを含むがこれに限定されない)に接続されたモデムまたは他のインターフェース装置を介してこれらの構成要素に送信可能である。送信媒体は、非無線媒体(例えば光ケーブルまたはアナログ通信線)または無線媒体(例えばマイクロ波、赤外波、自由空間光または他の送信機構)、あるいはそれらの組み合わせのいずれかであってもよい。
さらに別の代替的な実施および実施形態を実施するために可能な変形が存在し、上述の実施および例は1つ以上の実施形態を例示するのみであることを当業者は理解する。それゆえ、その範囲は、本明細書に添付された特許請求の範囲によってのみ限定される。

Claims (22)

  1. イオン化放射線イメージングシステムの変調伝達関数(MTF)および検出量子効率(DQE)のうちの少なくとも1つの決定を支援するための装置であって、前記イオン化放射線イメージングシステムが、イオン化放射線ソースから受け取られたイオン化放射線ビームを検出するためのイオン化放射線検出器を備え、前記装置は、
    2つの略並んだウィンドウを有するボックスであって、前記2つの略並んだウィンドウは前記ボックス内における前記2つの略並んだウィンドウ間の空間を画定し、各ウィンドウは、イオン化放射線に対して略透明であり、前記イオン化放射線ビームと実質的に類似する面積領域であり、その結果、前記ボックスが前記検出器の前に配置される場合、前記イオン化放射線ビームは、前記空間を含んだ前記ボックスを実質的に通過して、前記検出器に入ることができる、ボックスと、
    前記イオン化放射線ビームが前記空間を通過する場合に、前記イオン化放射線ビームの入射するフリーエアの被ばくおよび入射フリーエアKERMAのうちの少なくとも1つを測定するための、前記ボックス内に含まれる、KERMA(媒体中に放出される運動エネルギ)モジュールと、
    前記KERMAモジュールが使用時の場合に、前記検出器から前記KERMAモジュールへの前記イオン化放射線ビームの後方散乱を防ぐための少なくとも1つの後方散乱調節板と、
    前記KERMAモジュールが使用時の場合に、前記KERMAモジュールへの前記ボックス内の前記イオン化放射線ビームの散乱を防ぎ、前記後方散乱調節板から発生し得る後方散乱を減少させるための少なくとも1つの調節板と、
    前記イオン化放射線イメージングシステムによって少なくとも1つのエッジ画像の獲得を可能にするための、前記ボックスに含まれる、少なくとも1つのMTFモジュールと、
    各々の前記KERMAモジュールであって、前記少なくとも1つの後方散乱調節板および前記少なくとも1つのMTFモジュールは前記空間の内および外を独立して移動可能であり、その結果、少なくとも1つのオープン画像、暗画像、および前記少なくとも1つのエッジ画像は、前記イオン化放射線ビームが前記ボックスを通過する場合に、前記イオン化放射線イメージングシステムによって独立して獲得されることができ、KERMAモジュール測定は、画像獲得とは独立して実行でき、その結果、前記画像および前記KERMAモジュール測定はDQEを決定するために処理可能である、各々の前記KERMAモジュールと、
    前記KERMAモジュールからデータを獲得し、各前記KERMAモジュール、前記少なくとも1つの後方散乱調節板、および前記少なくとも1つのMTFモジュールの、前記空間の内および外への移動を制御するためのインターフェースと
    を備える、装置。
  2. 前記イオン化放射線ビームを引き込み、前記入射イオン化放射線の被ばくおよびKERMAのうちの少なくとも1つに比例する信号を生成することを可能にする、少なくとも1つのモニタ・イオン化放射線検出器を前記ボックス内にさらに備え、前記インターフェースは、前記少なくとも1つのモニタ・イオン化放射線検出器からデータを獲得することを可能にする、請求項1に記載の装置。
  3. 各前記ウィンドウは、前記ボックス内の開口を覆うイオン化放射線透明部材のシートを備える、請求項1に記載の装置。
  4. 前記KERMAモジュールは、イオン化放射線吸収部材のシート、および前記イオン化放射線吸収部材のシートを介する開口内に実質的に配置されたイオン化チャンバを備える、請求項1に記載の装置。
  5. 前記少なくとも1つの散乱調節板は、前記KERMAモジュールの前記イオン化放射線吸収部材のシートを備える、請求項4に記載の装置。
  6. 複数の散乱調節板をさらに備え、前記複数の散乱調節板は、前記少なくとも1つの散乱調節板、および前記ウィンドウの各々に隣接して配置されたイオン化放射線吸収部材のシートを備える、請求項5に記載の装置。
  7. 前記イオン化チャンバと通信する電位計および電流増幅器のうちの少なくとも1つをさらに備える、請求項1に記載の装置。
  8. 前記少なくとも1つの後方散乱調節板が、前記KERMAモジュールが使用時の場合に、前記KERMAモジュールと前記ボックスの検出器を向いた側との間に配置されることを可能にし、その結果、前記KERMAモジュールを通過するイオン化放射線は前記後方散乱調節板によって略吸収される、請求項1に記載の装置。
  9. 前記少なくとも1つの後方散乱調節板は前記少なくとも1つのMTFモジュールを備える、請求項8に記載の装置。
  10. 前記ボックス内における温度を測定するために、前記インターフェースと通信する温度測定装置をさらに備え、その結果、DQEの測定が温度補正されることが可能となる、請求項1に記載の装置。
  11. 前記ボックス内における圧力を測定するために、前記インターフェースと通信する圧力測定装置をさらに備え、その結果、DQEの測定が圧力補正されることが可能となる、請求項1に記載の装置。
  12. 各前記KERMAモジュール、前記少なくとも1つの後方散乱調節板、および前記少なくとも1つのMTFモジュールを、前記空間の内および外へ移動させるための、少なくとも1つの運動制御ユニットをさらに備える、請求項1に記載の装置。
  13. 前記少なくとも1つの運動制御ユニットは、摺動可能な装置、枢動可能な装置、および回転可能な装置のうちの少なくとも1つを備える、請求項12に記載の装置。
  14. 前記少なくとも1つの運動制御ユニットは前記インターフェースと通信するモータを備え、前記モータは、各前記KERMAモジュール、前記少なくとも1つの後方散乱調節板、および前記少なくとも1つのMTFモジュールを、前記空間の内および外へ移動させる、請求項12に記載の装置。
  15. 前記インターフェースは、前記少なくとも1つの運動制御ユニットを手動で制御するための手動のインターフェースを備える、請求項12に記載の装置。
  16. 前記イオン化放射線イメージングシステムによって、少なくとも1つの形状補正画像の獲得を可能にするための形状補正モジュールをさらに備え、前記少なくとも1つの形状補正画像は、画像の形状的歪みの補正において用いられるデワーピングのアルゴリズムを可能にする形状補正係数を決定し、前記形状補正モジュールは前記空間の内および外へ独立して移動可能であり、その結果、前記形状補正画像は、前記少なくとも1つのオープン画像、前記暗画像、前記少なくとも1つのエッジ画像、および前記KERMAモジュール測定とは独立して獲得可能である、請求項1に記載の装置。
  17. 前記少なくとも1つのMTFモジュールは、イオン化放射線を略吸収する領域およびイオン化放射線に対して略透明である領域を備え、各前記領域の交差が、x方向におけるエッジおよびy方向におけるエッジのうちの少なくとも1つを画定する、請求項1に記載の装置。
  18. 前記少なくとも1つのMTFモジュールは、前記少なくとも1つのエッジ画像の前記獲得の間、前記空間を移動することを可能とし、運動依存および時間依存のうちの少なくとも1つであるMTFの測定を可能にする、請求項1に記載の装置。
  19. 前記イオン化放射線は、X線およびガンマ放射線のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の装置。
  20. 前記イオン化放射線イメージングシステムは、コンピュータ断層撮影システム、X線透視システム、マンモグラフィー・イメージングシステム、歯科用イメージングシステム、獣医用イメージングシステム、および核医学イメージングシステムのうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載の装置。
  21. 前記イオン化放射線検出器は、デジタル検出器、フラットパネル検出器、コンピューテッド・ラジオグラフィー(CR)検出器、フィルム検出器、蛍光体ベースの検出器、半導体ベースの検出器、画像増強ベースの検出器、X線検出器、およびガンマ放射線検出器のうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載の装置。
  22. イオン化放射線イメージングシステムの変調伝達関数(MTF)および検出量子効率(DQE)のうちの少なくとも1つを決定するためのシステムであって、
    請求項1の装置と、
    前記少なくとも1つのオープン画像、前記暗画像、前記少なくとも1つのエッジ画像、および前記KERMAモジュール測定を受信することを可能とする計算装置と
    を備えるシステムであって、
    前記計算装置は、
    前記少なくとも1つのオープン画像、前記暗画像、前記少なくとも1つのエッジ画像、前記KERMAモジュール測定、およびDQE決定ソフトウェアを保存するためのメモリであって、前記DQE決定ソフトウェアは、
    前記KERMAモジュール測定、および前記KERMAモジュールと前記画像平面との間の距離に基づいて、前記検出器の画像平面において、前記イオン化放射線ビームの入射するフリーエアの被ばくおよび入射フリーエアKERMAのうちの少なくとも1つを決定する工程と、
    前記少なくとも1つのオープン画像、前記暗画像、前記少なくとも1つのエッジ画像を処理することによって前記イメージングシステムのMTFを決定する工程と、
    前記少なくとも1つのオープン画像および前記暗画像を処理することによって前記イメージングシステムのノイズパワースペクトル(NPS)を決定する工程と、
    前記少なくとも1つのオープン画像および前記暗画像を処理することによって、前記少なくとも1つのオープン画像の平均画素値を決定する工程と、
    ユニット領域および被ばく(Q)毎のイオン化放射線光子の数を決定する工程と、
    前記検出器、前記MTF、前記NPS、前記平均画素値、および前記Qの画像平面における前記イオン化放射線ビームの前記入射するフリーエア被ばくおよび入射フリーエアKERMAのうちの少なくとも1つを処理することによって、前記画像システムのDQEを決定する工程と
    を可能とする、メモリと、
    前記DQE決定アプリケーションを処理するためのプロセッサと
    を備える、システム。
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