JP2010519456A - イオンスラスタ用エミッタ - Google Patents

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Abstract

導電性液体金属またはイオン液体を供給する内部タンク(160)と内部タンクと出口開口(171)との間を連通する円形スロット(170)を形成する第一回転部品(110)と第二回転部品(120)を有する電界放射式電気推進スラスタ即ちコロイドスラスタ用電界効果エミッタに関する。第一部品は、精密機械加工により作られかつ5°−8°の単一傾斜をもつ円錐部分を備えた研摩された外面(111)と内面(112)を有している。第二部品は、精密機械加工により作られかつ5°−8°の単一傾斜をもつ円錐部分を備えた内面(121)と外面(122)を有している。1−2μm厚のスロット(170)を形成するため金属スタッド(123−125)が外面(122)に真空蒸着され、外側部品(110)が内側部品(120)に結合手段(140)で維持され、シーリング調整スペーサー(130)が外側と内側部品間に設けられた。
【選択図】図1

Description

本発明は、イオンスラスタ用エミッタに関する。
より詳しくは、本発明は、液化金属または導電性イオン液体を供給する内部リザーバを形成する第一部分および第二部分と、内部リザーバを出口オリフィスに連結するスリットとを有する、電界放射式電気推進又はコロイドスラスタ用の電界効果エミッタに関する。
電界放射式電気推進(Field Emission Electric Propulsion:FEEP)スラスタは、1970年代から知られている。
これらのスラスタには、液体セシウム(融点は28.5℃)または液体インジウムが供給される。
より最近になって、新規な導電性液体をFEEPスラスタと同様の幾何学的形状を用いたコロイドスラスタに使用することが提案されている。
下記刊行物(非特許文献1)には、数例のイオンスラスタが説明されている。
これらのスラスタは広いダイナミックレンジに特徴を有し、かつLISA(Laser Interference Space Antenna:レーザー干渉空中アンテナ)ミッション、または一般的相対論の等価原理(the equivalence principle of general relativity)を試験すべく設計されたマイクロスコープ(MICROSCOPE)ミッションのようなドラッグおよび外乱の補償等の非常に正確な相対位置決めを必要とするミッション用に提案されている。
例えば下記特許文献1に開示されているように、リニア形電界効果エミッタを用いた宇宙応用のイオンスラスタの建造が提案されている。
図2−図4には、この種の既知のリニアエミッタの一例が示されている。
リニアエミッタ10は第一部分11および第二部分12を有し、これらの両部分11、12は重ね合わされ、これらの間にリザーバ16を形成(例えば下方部分12に形成)している。リザーバ16はリニアスリット17に連結されており、リニアスリット17は、該スリット17の全幅を横切って延びているリニアオリフィスを通って外部に開口している。
重ね合わされた部分11、12は、これらの両部分11、12に形成されたオリフィス18を通るM2ねじのような連結手段により連結されている。
厚さ1.5μmのスリット17は、例えばニッケルで作られたスペーサー19のマスクを通して第一部分11上に真空蒸着により形成される。U形スペーサー19は、1つのリアアームと、スリット17の両側に2つのサイドアームとを有している。マスクを通して第一部分11上に蒸着されたニッケルブロック15によりスリットの最小幅が維持される(図3)。
図4は、加速電極20と組合されたエミッタ10を示す断面図であり、加速電極20は−500から−5000Vの電位に昇圧されており、+5000から+10000Vの電位のパワフルな電界をエミッタ10の先端部に発生する。
液体(例えばセシウム)がダクト13を通してリザーバ16内に導入され、次にスリット17を通して排出される。
テイラーコーン内への静電力により、液体メニスカスが変形される。コーンの先端部での電界は、イオンを直接液体表面から抽出することを可能にする。エミッタの端部を丸めることによりエッジ効果が制限される。
液体で完全に濡らす作業が必要であり、この作業は、発熱抵抗器により得られる真空下での加熱(約200℃の温度までの加熱)を必要とする。
冷却後、セシウムまたは他の液体がエミッタ内に導入される。
しかしながら、真直で1μm内の平面度を有する70mmより長いスリット長を有し且つ0.05μm rmsより良好な表面仕上げを有する、図2−図4に示すようなフラットエミッタを作ることは非常に困難である。
リニアエミッタ技術は、1mNより小さい推力を発生させるのに困難性は全くないが、例えば約5mNから10mNのより大きい推力を発生させることはより困難である。
例えば低軌道の衛星のドラッグを補償し、または大きい速度増分(15km/sより大きい)を要する惑星ミッションを補償するには大きい推力を必要とする。
特許文献1及び2、および非特許文献2には、エッジ効果の問題を無くすように設計された円形エミッタが提案されている。
しかしながら、これまで、この形式のエミッタは製造上の困難性に遭遇し、満足できる作動はできていない。
米国特許第4328667号明細書(Valentian等) フランス国特許2510304号明細書
1984年5月第17回IEPC東京におけるC. BartoliおよびD. valentianの「電界放射式電気推進の開発状況(Field emission electric propulsion development status)」(IEPC International Electric Propulsion Conference) M. Andrenucci, G. Genuini, D. LauriniおよびC. Bartoliの「電界放射式電気推進用環状スリット源のイオン源の開発(Development of an annular slit source ion source for field emission electric propulsion)」(AIAA 85-2069、International Electric Propulsion Conference、Alexandria、Virginia)
本発明の目的は、上記問題を解決することにあり、より詳しくは、高い精度の構造を確保できる簡単かつ信頼性のある方法で、1mNより大きい推力、一般的には約5−10mNの推力でイオンスラスタを建造できるようにすることにある。
本発明の他の目的は、水平または垂直発射位置における地上、および微小重力(microgravity)における空間の両方で作動できるエミッタを提供することにある。
これらの目的は、回転対称でありかつ液体金属又は導電性イオン液体を供給する内部リザーバを形成する第一部分および第二部分と、内部リザーバを出口オリフィスに連結するスリットと、を有する電界放射式電気推進又はコロイドスラスタ用の電界効果エミッタにおいて、第一部分が外側部品を形成し、該外側部品が、研摩された外面と、5°と8°との間の一定の単一傾斜をもつ円錐形セクションを有する精密機械加工された内面とを備え、第二部分が内側部品を形成し、該内側部品が内面と、5°と8°との間の単一傾斜をもつ円錐形セクションを有する精密機械加工された外面とを備え、外側部品の内面および内側部品の外面が前記内部リザーバおよび前記スリットを形成し、前記スリットに1μmと2μmとの間の厚さを形成すべく、蒸着により内側部品の外面上に金属ブロックが形成され、外側部品は連結手段により内側部品に対して保持され、内部リザーバとスリットとの間で、外側部品の内面の円錐面と内側部品の外面の円錐面とにより形成された10μmと15μmとの間の厚さの毛管供給チャネルを更に有することを特徴とするエミッタにより達成される。
より詳しくは、本発明のエミッタは、スリットの出口オリフィスが円形オリフィスであり、円形オリフィスの半径が5mmと50mmとの間にあり、円形オリフィスが、外側部品および内側部品の縁部により形成された外側リップと内側リップとにより形成され、円形オリフィスの整合が、第一部分および第二部分の対称軸線に対して直角に横たわる両部分の支持面の間に挿入されるシーリングスペーサーにより調節可能であることに特徴を有する。
有利なことは、外側部品の内面の円錐面が3つの円錐形セグメントを有し、これらの全ての円錐形セグメントは同じ傾斜であるが、毛管供給チャネル、内部リザーバおよびスリットを形成するように、1つのセグメントから他のセグメントへの漸進的な円錐形遷移部を有していることである。
1つの特別な特徴は、外部流体源から内部リザーバに供給すべく、第二部分に形成されかつ内部リザーバに通じる1mmと2mmとの間の直径をもつ供給チャネルを更に有することである。
円形スリットをもつエミッタを作ることにより、エッジ効果(端部での大電流)に対して自動的に保護される。
円形スリットを有するエミッタに推奨できる特別構造は、自動調心を可能にしかつ単なる機械加工では得られない精度を達成するように調節する可能性を確保する幾何学的形状により、30mm−100mmの直径を横切って例えば1.5μmの円形スリットの正確な構造を可能にする。
本発明はまた、加速電極構造の近傍に取付けられ、該加速電極構造が、接地されたスクリーンにより包囲され、絶縁ブロックが、エミッタと加速電極構造との間並びに加速電極構造と接地されたスクリーンとの間に挿入されている構成のエミッタを、電界放射式電気推進又はコロイドスラスタに適用することに関する。
本発明による円形エミッタの一例の主部品を通る軸線方向半断面図である。 既知のリニアスリットエミッタの一例を示す側面図である。 図2に示したリニアスリットエミッタの下方部分に真空蒸着されたスペーサーの一例を示す平面図である。 図2に示したリニアスリットエミッタを組込んだイオンスラスタを通る断面図である。 本発明による真円エミッタを通る軸線方向半断面図である。 図5に示したエミッタを示す端面図である。 本発明による円形エミッタを組込んだイオンスラスタの一例を通る軸線方向半断面図である。
本発明の他の特徴および長所を、添付図面を参照して例示する本発明の或る特定実施形態に関連して以下に説明する。
図5および図6は、本発明による円形エミッタ100の一例の概略的構造を示し、図7は、このような円形エミッタ100が、どのようにイオンスラスタ内に組込まれるかを示すものである。
エミッタ100は、軸線Oの回りで回転対称でありかつベース190および突出部を備えた内側部品120を有し、突出部の外面122(図1)は外側部品110の内面112に関連して作用する。外側部品110も軸線Oの回りで回転対称であり、内側部品120に嵌合されかつナット140等の連結手段によりこの内側部品120に対して保持されている。
図1に関連して後述するように、内側部品120と外側部品110との間には内部リザーバおよび円形スリットが形成されているが、これらの両方とも図5−図7には示されていない。
図7は、円形エミッタ100が、どのようにして電界放射式スラスタまたはコロイドスラスタ等のイオンスラスタ内に組込まれるかを示している。
エミッタ100は、該エミッタ100を包囲する加速電極構造200に近接して取付けられる。
加速電極構造200は、接地されたスクリーン300により包囲される。エミッタ100と加速電極構造200との間には絶縁ブロック401、402が配置され、加速電極構造200と接地されたスクリーン300との間にも絶縁ブロックが配置される。内側部品120のベースプレート190には、エミッタ100のブロック401のような高電圧絶縁ブロックを通しかつセシウム等の液体を内部リザーバに供給するパイプ185(図5)を通すための孔400(図6)を有している。
接地されたスクリーン300は、外側部品110と内側部品120との間に形成された円形スリットのオリフィス171の外部に発生する外部プラズマと、帯電された電極200との間の相互作用を防止する。
地上で作動すると、外部プラズマは、エミッタ100の円形スリットの出力オリフィス171の近傍のスクリーンの外部に位置する中空カソード中性化器(hollow-cathode neutralizer)の作動から生じる。
加速電極200およびスクリーン300は、エミッタ100のスリットの円形出力オリフィス171と整合している環状開口201、301を有している(図7)。
内側部品120の近傍で、ベース190の下の液体供給パイプ185の近くには、エミッタ100を加熱するための発熱抵抗器195(図5および図7)を配置でき、外側部品110および内側部品120からなるエミッタ100は、次に冷却され、そしてエミッタ内の液体状態は適正に維持される。
特定の一実施形態では、ベース190および内側部品120により形成される肩部は、高さを低くでき、このベース190上には別体のプレート191を重ねることができる(図6の右側に示した変形例)。
加速電極200の電位は大きい負の電位(−1000Vから−5000V)であり、プラズマイオンを誘引する。加速電極200は、電離プラズマおよび中性化器により引起こされるイオンの流れが大きくなり過ぎないように、スクリーン300(より詳しくは、スクリーン300は、エミッタ内の加速電極200の中央部を包囲している)により充分に保護されている。
本発明による円形エミッタ100の特殊構造を、図5−図7の簡単化した組立図より詳細にエミッタを示す図1を参照して説明する。
内側部品120は、表面状態が厳格でない内面121と、精密に機械加工および研摩された外面122とを有し、外面は、5°と8°との間の一定の単一傾斜をもつ円錐部分を備えている。
外側部品110は研摩された外面111および内面112を有し、内面112は、精密な機械加工により形成され、5°と8°との間の一定の単一傾斜をもつイオン部分を備えている。
外側部品110の内面112および内側部品120の外面122は、環状の内部リザーバ160と、円形オリフィス171に通じる環状スリット170とを形成している。
スリット170の幅を決定すべく、内側部品120の外面122の一部には、例えばニッケルからなる金属ブロック123、124、125が、例えばカソードスパッタリングにより真空蒸着されている。ブロックの真空蒸着は、スリットを備えた円錐形マスクを用いて行うことができる。両円錐部品が一緒に嵌合されるとき、対向面上でのスタッドのスライディングは、16μmのギャップおよび10%(6°)の傾斜を得るのに例えば160μmに過ぎない。この僅かな摩擦移動は、ブロックが押し潰される危険を制限する。他の可能な実施形態では、ブロックは、1μmから2μmのツールリフトで直接的に機械加工できる。
図1に示すような実施形態で提案される幾何学的形状は、所望の流体インピーダンスに基づいて、1μmと2μmとの間(一般的には1.5μm)のスリット厚さを形成する。外側部品110および内側部品120の端部により形成されかつ円形出口オリフィス171を形成するリップ116、126は、5mmと50mmとの間に定めることができる出口オリフィス171の半径に対して1μm内に整合させることができる。
両リップ116、126の垂直整合は、外側部品110および内側部品120の対称軸線Oに対して直角をなす両部品110、120の支持面117、127間に挿入されるシーリングスペーサー130を仕上げ研摩することにより調節できる。
スペーサーはニッケルで作るのが好ましく、両部品110、120をシールして、外側部品110の底部から液体が漏洩することを防止する。
外側部品110および内側部品120は、ねじまたはロウ付等の機械的連結手段により一体に閉じられる。図1に示す例では、スペーサー130をグリップする両部品110、120間の機械的連結は、微細ピッチのナット140が好ましい。
一変形例として、この機械的連結は、フランジおよび一連のM3ねじを用いて行うことができる。これにより、いかなる非平行性も、連続回転とは異なる不連続回転により減衰される。
図1から理解されようが、外側部品110の内面112は3つの円錐形セグメント112A、112B、112Cを有する。これらの全てのセグメントは同じ傾斜であるが互いに整合しておらず、漸進的な円錐形遷移部により互いに連結されている。これにより、液体のメニスカスが、直径の突然的変化により妨げられることがない。内側部品120の外面122はその上部に単一円錐面を有する一方、セグメント112Aと関連して内部リザーバ160を形成し、ブロック123−125が配置された上部では、セグメント112Cと関連して環状スリット170を形成している。
中間セグメント112Bおよび外面122の対応傾斜は毛管供給チャネル161を形成している。この毛管供給チャネル161の直径は、内部リザーバ160とスリット170との間で、10μmと15μmとの間にあり、液体が、エミッタの位置にかかわらず、毛管作用により内部リザーバ160から細いスリット170まで上昇できるようになっている。毛管供給チャネル161は、あらゆる状態において細いスリット170への供給を促進しかつ例えば軸線が水平な状態での発射を可能にする。
円錐面112の下方セグメント112Aと円錐面122とにより形成される小体積160は、例えば、セグメント112Aの半径と円錐面112の半径との間の約1.5mmから2mmの平均差に一致し、かつ同時にエミッタのガス抜きを可能し、かつオリフィス171から噴射されるセシウム等の液体のためのエミッタ内のバッファリザーバを形成する。
内側部品120は、そのベース190の下面とオリフィス171との間の、例えば20mmと30mmとの間の高さHを有している。
内部リザーバ160には、外部パイプ185(図5)により、内側部品120のベース190の例えば1mmと2mmとの間の直径をもつ孔150を通して供給される。
外側部品110の仕上げ研摩された内面112の異なるセグメント112A、112B、112Cの傾斜は、互いに同一であるのが好ましい。これにより、機械加工および組立てが容易になる。機械加工上の制約により、傾斜は5°と8°との間の角度に決定される。
内側部品120は、外側部品110より非常に大きい剛性を有するように設計するのが好ましい。例えば図1からも理解されようが、内側部品120は補完部品110よりも大きい重量を有している。
内側部品120および外側部品110は、ニッケル超合金または硬化ステンレス鋼で作ることができる。
機械加工すべき表面112、122は、通常、硬質基板上に形成すべきである。したがって、部品110、120を作るのに非常に適した材料は、INCONEL718等のニッケル超合金またはニッケル層が化学めっきされた硬化ステンレス鋼である。
外側部品110の外面111および内面112、内側部品120の外面、または垂直(図1の形状による)に対して約30°の傾斜を有する外面を備えたリップ116、126を形成する端部品のような、部品110、120の研摩面は、金属ミラーの製造に使用される技術を用いて、精密機械でダイヤモンド工具により製造するのが好ましい。
これらの研摩領域、特に、スリット170を形成する表面および電界を受ける外面は、0.025μm rmsの平滑度に研摩されるのが好ましい。
スリット170に隣接する表面およびリップ116、126の表面の真直度は、非常に高くしなければならない。これに対し、外面111の表面欠陥は許容できる。なぜならば、この表面では、研摩の目的は微小凹凸からの局部的放電を防止することにあるからである。
部品110、120の表面のうちの厳格でない領域は、約0.2μmの表面仕上げにすることができる。
本発明によるエミッタ構造は、例えば好ましくは1μmと1.8μmとの間の細い幅をもつ円形スリット170を形成し、出口オリフィス171が15mmと50mmとの間の半径Rをもつスリット170の場合でもリップ116、126の整合は1μm以内である。
これは、エミッタの幾何学的形状は自動調心が可能でありかつ調節を行うこともできるため可能であり、したがって、もはや機械加工のみによって必要精度を達成する必要はない。
本発明はエミッタ100の構造を簡単化する。なぜならば、外側部品110を内側部品120に組付けることを目的とした場合、接触表面112に円錐形の傾斜を付す方が、膨張差(differential expansion)により組付けるより容易だからである。
エミッタ100を構成するのに使用される円錐形組立て方法は、この組付けを数回可能にする。かくして外側部品110を回転させることによりリップ116、126を整合させることができ、これにより基準面に対するリップ116、126の平行性の欠陥が矯正される。また、外側部品110の底部のスペーサー130を仕上げ研摩することにより、外側部品110と内側部品120との高さ差を補償できる。
エミッタ100は、スリット170および地上試験形態をなす図4のリニアエミッタのダクト13と同様な液体充填ダクトを通すことによりガス抜きできる。しかしながら、宇宙では、ガス抜きは、専用オリフィスを通して行うか、外側部品110と内側部品120との間のキャビティ160、161(該キャビティを通してスリット170に液体が供給される)内に組込まれたガス抜きゲッター材料を用いることにより行うことができる。用語「ゲッター(getter)」は、真空度を高めるため真空チューブ内に使用される一定範囲の反応性金属について使用されるものである。
100 エミッタ
110 外側部品
112A、112B、112C 円錐形セグメント
116 リップ
120 内側部品
123、124、125 金属ブロック
126 リップ
130 シーリングスペーサー
160 内部リザーバ
170 スリット
171 オリフィス

Claims (16)

  1. 回転対称でありかつ液体金属又は導電性イオン液体を供給する内部リザーバ(160)を形成する第一部分(110)および第二部分(120)と、前記内部リザーバ(160)を出口オリフィス(171)に連結するスリット(170)と、を有する電界放射式電気推進又はコロイドスラスタ用の電界効果エミッタにおいて、
    前記第一部分(110)が外側部品を形成し、該外側部品が、研摩された外面(111)と、5°と8°との間の一定の単一傾斜をもつ円錐形セクションを有する精密機械加工された内面(112)と、を備え、
    前記第二部分(120)が内側部品を形成し、該内側部品が、内面(121)と、5°と8°との間の単一傾斜をもつ円錐形セクションを有する精密機械加工された外面(122)と、を備え、
    前記外側部品(110)の内面(112)および前記内側部品(120)の外面(122)が前記内部リザーバ(160)および前記スリット(170)を形成し、
    前記スリット(170)に1μmと2μmとの間の厚さを形成するため、蒸着により前記内側部品(120)の前記外面(122)上に金属ブロック(123、124、125)が形成され、
    前記外側部品(110)は連結手段(140)により前記内側部品(120)に対して保持され、
    前記リザーバ(160)から毛管作用によりこのスリット(170)に供給するために、前記内部リザーバ(160)と前記スリット(170)との間に形成され、前記外側部品(110)の前記内面(112)の円錐面と前記内側部品(120)の前記外面(122)の円錐面とにより規定された10μmと15μmとの間の厚さの毛管供給チャネル(161)を更に有することを特徴とするエミッタ。
  2. 前記スリット(170)の前記出口オリフィス(171)は円形オリフィスであり、この円形オリフィスの半径は5mmと50mmとの間にあり、この円形オリフィスは、前記外側部品(110)および前記内側部品(120)の縁部により形成された外側リップ(116)と内側リップ(126)とにより規定され、前記円形オリフィスの整合は、前記第一部分(110)および前記第二部分(120)の対称軸線に対して直角に横たわる、前記一部分(110)および前記第二部分(120)の支持面(117、127)の間に挿入されたシーリングスペーサー(130)により調節可能であることを特徴とする請求項1記載のエミッタ。
  3. 前記外側部品(110)の前記内面(112)の前記円錐面は3つの円錐形セグメントを有し、これらの全ての円錐形セグメントは同じ傾斜であるが、前記毛管供給チャネル(161)、前記内部リザーバ(160)および前記スリット(170)を形成するように、1つのセグメントから他のセグメントへの漸進的な円錐形遷移部を有していることを特徴とする請求項1または2記載のエミッタ。
  4. 外部流体源から前記内部リザーバ(160)に供給すべく、前記第二部分(120)に形成されかつ前記内部リザーバ(160)に通じる1mmと2mmとの間の直径をもつ供給チャネル(150)を更に有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載のエミッタ。
  5. 前記機械的連結手段はナット(140)からなることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載のエミッタ。
  6. 前記機械的連結手段はねじからなることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載のエミッタ。
  7. 前記機械的連結手段はロウ付継手からなることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載のエミッタ。
  8. 前記第一部分(110)および前記第二部分(120)はニッケル超合金で作られていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項記載のエミッタ。
  9. 前記第一部分(110)および前記第二部分(120)は硬化ステンレス鋼で作られていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項記載のエミッタ。
  10. 前記第一部分(110)と前記第二部分(120)との間に形成されたキャビティ内に組込まれたガス抜きゲッター材料を更に有することを特徴とする請求項1から9のいずれか1項記載のエミッタ。
  11. 前記金属ブロック(123、124、125)はニッケルで作られていることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項記載のエミッタ。
  12. 前記金属ブロック(123、124、125)は直接的機械加工により作られることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項記載のエミッタ。
  13. 前記第二部分(120)は前記第一部分(110)より剛性が大きいことを特徴とする請求項1から12のいずれか1項記載のエミッタ。
  14. 前記シーリングスペーサー(130)はニッケルで作られていることを特徴とする請求項2記載のエミッタ。
  15. 前記第二部分(120)の近傍に配置された発熱抵抗器(195)を更に有することを特徴とする請求項1から14のいずれか1項記載のエミッタ。
  16. 電界放射式電気推進又はコロイドスラスタであって、
    請求項1から15のいずれか1項記載のエミッタを有し、該エミッタが加速電極構造(200)の近傍に取付けられ、該加速電極構造(200)は接地されたスクリーン(300)により包囲され、絶縁ブロック(401、402)が、前記エミッタ(100)と前記加速電極構造(200)との間、並びに前記加速電極構造(200)と前記接地されたスクリーン(300)との間に挿入されていることを特徴とする電界放射式電気推進又はコロイドスラスタ。
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