JP2010517706A - スクリュー圧縮機を有する変圧チャンバ - Google Patents

スクリュー圧縮機を有する変圧チャンバ Download PDF

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Abstract

変圧チャンバが、高圧あるいは低圧での操作のために提供される。当該変圧チャンバは、患者を取り囲むのに充分な容積を有する略気密のエンクロージャと、エンクロージャへのアクセスを提供するために適合するシール自在開口部と、シール自在開口部を密封するために適合する閉鎖メカニズムと、エンクロージャに流動的に連結される可逆圧縮機と、流出口流量調整装置と、を有する。また、前記変圧チャンバを使用し、処置を必要とする被検者を処置するための方法が、提供される。

Description

関連出願についてのクロスリファレンス
本願は、完全に引用して本願明細書に組み込まれている2007年2月12日に出願された整理番号第60/889479号の仮出願の利益を請求する。
技術分野
本発明は、圧力チャンバに関する。より詳細には、本発明は、可逆圧縮機を有する変圧チャンバに関する。
背景
高圧酸素療法(HBOT)は、多くの医療の状態の処置のために成功裏に使用されている。HBOTは、特に、特定の非治癒性創傷、一酸化炭素中毒、減圧病、多様な嫌気性菌による重症の感染症、重症の貧血、および、ガス塞栓の処置に有益であることが示されている。
他方、持久力の必要なアスリートおよび高地の登山者は、低圧チャンバをしばしば用いて、赤血球および酵素の数の増加を含んでいる高度に対する身体の自然適応を、刺激している。赤血球は、酸素を生体組織へ運ぶため、アスリートは、筋肉に対して配送される酸素が増加することによる恩恵を受け、また、登山者は、より高い高度において検出される減少した酸素量を、よりよく利用することによって、高山病を避けることが可能である。加えて、低圧療法の使用は、特に、喘息および慢性気管支炎、肝臓および膵臓疾患、炎症性疾患、および、睡眠障害などのような疾患において、有益である場合がある。
一般的な多人数用高圧チャンバにおいて、医療グレードの圧縮機は、最高125psi(重量ポンド毎平方インチ)の圧力で、一次空気を供給する。その後、この空気は、一連の空気タンクにおいて高圧に維持される前において、アフタークーラ、オイル分離器、空気乾燥機およびある種の濾過パッケージ等の一連の調整装置を通過する。適当な動作を維持するために、空気タンクは、チャンバが必要とする空気量の少なくとも2回分を保持する容量を、一般的に有する。
タンクからの圧縮空気は、別の空気乾燥機を通過し、空気の冷却プロセスの間に捕集される可能性がある凝縮が除去されると同時に、タンクに潜在性のものをセット(setting latent)し、次に、水分離器を通過し、空気乾燥機によって生成された凝縮が除去され、その後、何がしかの微粒子濾過システムを通過する。最後のステップにおいて、空気圧は、調整用フローバルブ(regulator flow valve)を使用し、チャンバによって必要な操作圧まで低下するように調整される。チャンバが一旦加圧されると、追加のフレッシュな空気は、チャンバに供給されない。したがって、医療ガイドラインの範囲内で空気品質を維持し、かつ、患者をいくぶん快適に保つために、チャンバの内部空気は、二酸化炭素のために洗浄され、かつ、ある形態の内部空気調和ユニットを経由して循環させる必要がある。
保持タンクからチャンバに圧縮空気を伝達するために、多段の設備と、多数の減圧(reduction)弁、制御弁およびレリーフ弁と、を必要とすることに加え、上記のプロセスもまた、患者に大きな不快感が生じさせる。チャンバがその操作圧に到達する間に、チャンバの内部での空気の再加圧によって、断熱的(adiabatic)な熱が発生する。反対に、チャンバの減圧の間に、空気は急速に冷却される。温度におけるこれらの激しい変化は、チャンバの占有者にとって極めて不快である。
一般的な高圧チャンバを低圧チャンバとして動作させる場合、真空ポンプのような設備の異なるセットが、必要である。
したがって、改良された変圧チャンバの必要性が、技術的に存在する。
要約
一の様相において、変圧チャンバが提供される。当該変圧チャンバは、患者を取り囲むのに充分な容積を有する略気密のエンクロージャと、エンクロージャへのアクセスを提供するために適合するシール自在開口部と、シール自在開口部を密封するために適合する閉鎖メカニズムと、エンクロージャの流入口に流動的(fluidly)に連結される可逆圧縮機と、エンクロージャの流出口に流動的に連結される流出口流量調整装置と、を有する。
可逆圧縮機は、好ましくはスクリュー圧縮機である。可逆圧縮機は、エンクロージャを約1気圧と約6気圧との間の圧力まで加圧する能力、あるいは、エンクロージャを約0.1気圧まで減圧する性能を有する。したがって、エンクロージャは、高圧あるいは低圧に耐えるように適合されている。
別の様相において、処置を必要とする被検者を処置するための方法が、提供される。当該方法は、前記の変圧チャンバの内部に被検者を配置すること、被検者に対する所期の効果に基づき変圧チャンバの圧力を調整すること、および、フレッシュ空気の供給によってチャンバを換気する一方、ターゲット圧力を維持すること、を有する。
変圧チャンバの圧力を、少なくとも1.5気圧に調整することにより、創傷治癒を向上させる効果、損傷した生体組織に対する酸素配送を増加させる効果、損傷した生体組織を維持する効果、感染対策を向上させる効果、有害物質の除去あるいは有害物質の効果を軽減する効果、放射線治療によって引き起こされる損傷を除去あるいは削減する効果、血液循環を改善する効果、熱傷を治癒する効果を達成することが可能である。
あるいは、変圧チャンバの圧力を、少なくとも約0.1気圧未満まで減少させることにより、健康維持レベルを向上させ、エネルギを増強し、肺および循環機能を改善することが可能である。
さらに別の様相において、チャンバを加圧するための方法が提供される。当該方法は、チャンバを加圧すること、および、チャンバの圧力を維持する一方、フレッシュ空気の供給によってチャンバを連続的に換気すること、を有する。前記の第2のステップは、ポンプによって空気をチャンバに連続的に供給し、チャンバから大気へ空気を連続的に排出し、連続的にチャンバの圧力をモニタしかつ入力あるいは出力を調整してチャンバの圧力を維持することによって、達成することが可能である。
本発明に係る変圧チャンバの一実施形態の側面図であるである。 二重ロック入口およびエアロックを有する変圧チャンバの一実施形態を示している断面図である。 本発明に係る実施形態のフローチャートである。
図面の簡単な説明
図1は、変圧チャンバの一実施形態の側面図である。
図2は、二重ロック入口およびエアロックを有する変圧チャンバの一実施形態を示している。
図3は、実施形態のフローチャートを提示している。
詳細な説明
変圧チャンバ10が、図1に示される。前記チャンバは、患者を取り囲むのに充分な容積を有する略気密のエンクロージャ12と、エンクロージャへのアクセスを提供するために適合するシール自在開口部14と、シール自在開口部を密封するために適合する閉鎖メカニズム16と、エンクロージャ12の流入口に流動的に連結される可逆圧縮機18aと、エンクロージャ12の流出口に流動的に連結される流出口流量調整装置(outlet flow modulator)18bと、を有する。
エンクロージャ12は、好ましくは、垂直に配向(vertically−oriented)された略円柱状構造である。エンクロージャは、米国機械学会(American Society of Mechanical Engineers)によって設定された圧力容器のためのガイドラインに従って、組み立てなければならない。これらのガイドラインに関する順守は、エンクロージャ12が高圧あるいは低圧の環境に耐えることができることを、確実にする。好ましくは、エンクロージャは、鋼あるいはアルミニウムから構成される。
エンクロージャ12は、患者を取り囲むように適合される。エンクロージャは、単一の患者のために設計することが可能であるが、好ましい実施形態において、同時に数人の患者の治療を許容するのに充分な容積を有することも可能である。実施形態によっては、エンクロージャはまた、処置を受けている患者を観察あるいは補助することができる医療職員のための部屋を有することが可能である。患者はエンクロージャの内部で長期間過ごす必要がある場合があるので、エンクロージャ内に椅子を配置し、患者の快適さを向上させることは、望ましいだろう。さらに、より重態すなわち寝たきりの患者を収容するために、エンクロージャに、医療ベッドあるいは担架を含ませることも可能である。実施形態によっては、運動設備をエンクロージャの内部に配置することも可能である。
図1を参照し、エンクロージャ12は、エンクロージャ12の壁部に沿って配置される少なくとも一つの窓13を、さらに有することが可能である。実施形態によっては、窓はまた、エンクロージャの屋根部に配置することが可能である。重要であることは、エンクロージャが低圧の状態下にある場合にフレッシュ空気がエンクロージャに流入すること、あるいは、高圧の状態下で操作される場合にエンクロージャから漏出することを、窓が許容しないことである。圧力容器のための窓は、例えば、引用して本願明細書に組み込まれている米国特許第6639745号あるいは第4986636号によって示されるように、周知である。
エンクロージャ12へのアクセスは、シール自在開口部14を介して、得ることが可能である。好ましくは、シール自在開口部は、エンクロージャ12への容易なアクセスを許容するように。設計される。したがって、好ましくは、シール自在開口部を十分大きくすることにより、過剰に屈むことなく、ユーザが立って入ることを可能とする。また、必要に応じ、医療職員が担架上の患者をチャンバに運び入れることを可能とするように、好ましくは、十分に幅が広い。
シール自在開口部14は、長年にわたって開発されてきた様々なタイプの閉鎖メカニズム16によって、閉鎖することが可能である。適当な閉鎖メカニズムは、例えば、完全に引用して本願明細書に組み込まれている米国特許第5433334号、第5327904号および第6352078号に、記載されている。加えて、完全に引用して本願明細書に組み込まれている米国特許第7100604号は、二つの目的に使える圧力チャンバのために特にデザインされるラッチシステムおよび方法を教示する。
実施形態によって、チャンバは、二重ロック入口を含むことが可能である。二重ロック入口は、チャンバが大気圧以外の圧力下にある状態で、チャンバの内外における容易なアクセスを可能にする。図2を参照し、変圧チャンバ20は、メインエンクロージャ22と出入口エンクロージャ24とを有する。ユーザが、メインエンクロージャ22に一旦入ると、内側閉鎖メカニズム26を使用して閉鎖される。メインエンクロージャは、その後、可逆圧縮機21を使用して所望の圧力に到達させることが可能である。例えば、ユーザの一部が依然として処置を受けている状態で、残りのユーザが離れることを必要とする場合、出入口エンクロージャ24は、外側閉鎖メカニズム28を閉じることによって密封され、そして、出入口エンクロージャ24は、メインエンクロージャ22と同じ圧力にさせられる。そして、内側閉鎖メカニズム26が開放されることにより、患者は、メインエンクロージャ22から出入口エンクロージャ24へ移動することが可能である。その後、内側閉鎖メカニズム26は、閉鎖され、出入口エンクロージャ24の圧力は、大気圧にさせられる。次に、外側閉鎖メカニズム28は、開放され、ユーザが、出入口エンクロージャ24を後にすることを許容する。処置の間に、ユーザがメインエンクロージャ22に入ることを可能にするためには、本プロセスを逆にする必要がある。メインエンクロージャ22が満杯の場合、メインの出入口エンクロージャを使用し、患者を収容することが可能である。
実施形態によって、二重ロック入口に加えてまたはその代わりに、変圧チャンバはまた、エアロックを含むことが可能である。図2に示されるエアロック29は、チャンバが大気圧以外の圧力に維持される場合において、チャンバの圧力を変えることなく、チャンバの内外を小物体が通過することを可能とする。エアロック29は、二重ロック入口と同じ原理に基づいて作動する。エアロックの容積は、出入口エンクロージャの容積より非常に小さいので、エアロックを使用し、食品、水、薬剤、医療機器等の小物体を、作動中のチャンバの内外を通過させることは、より経済的である。
火事あるいは爆発の危険度を減少させるために、チャンバは、好ましくは、純酸素の代わりに空気によって加圧することが可能である。実施形態によっては、ユーザに、純酸素を供給しかつチャンバから流出した気体を除去する個別の酸素マスクを与えることが可能である。適当な酸素マスクは、口および鼻を単純にカバーすることができるもの、あるいは、首の周囲にシールを有するフレキシブルな透明ヘルメットの一種とすることも可能である。したがって、チャンバはまた、チャンバの内側あるいは外側に用意される酸素タンク等の純酸素源を含むことを必要とする可能性がある。
好ましくは、チャンバはまた、ユーザの安全性および快適さを確実にする機能を含んでいる。前記機能は、知られており、照明装置、温度制御装置、湿度制御装置、圧力リリーフ弁、消火システム、インターコム、および、これらの組み合わせを含むことが可能であるが、これらに限定されるものではない。
図1をもう一度参照し、放射線チャンバ10はまた、ホースあるいは管19aを経由してエンクロージャ12に流動的に連結される可逆圧縮機18aと、ホースあるいは管19bによってエンクロージャに連結される空気流量調整装置18bと、を含んでいる。特定の用途のために所望されるように、適当な圧縮機は、エンクロージャを1気圧と6気圧との間の圧力まで加圧し、あるいは、エンクロージャを約0.1気圧まで減圧する性能を有する。好ましくは、一秒未満において完全に開閉することが可能である高速調整弁が、使用される。流量調整装置は、周知技術であり、例えば、完全に引用して本願明細書に組み込まれているフィッシャーコントロールズインターナショナル(Fisher Controls International)社の制御バルブハンドブック(Control Valve Handbook)第4版(2005)に記載されている。流出口調整装置弁の適当な一例は、ミシガン州(MI)ミルフォード(Milford)所在のラディウス(Radius)、LLSによって製造される電気空気式位置決め装置(パーツ# RX−1000シリーズ;R−AD−012)である。当業者は、圧縮機および流出口流量調整装置を選択し、組み合わせることで、チャンバ内においてターゲット圧力を達成かつ維持することが可能であると同時に、チャンバを、フレッシュ空気の供給によって連続的に換気することを許容する圧縮機および流出口流量調整装置を選択することが、確実に可能である。
好ましい実施形態において、可逆圧縮機は、スクリュー圧縮機を有する。スクリュー圧縮機は、セメント、小麦粉、塩および粉ミルク等の乾燥したバルク材を移送し、また、化学工場およびリファイナリ(refinery)で見出される非活性で腐食性かつ爆発性である無数の気体を搬送、昇圧(boost)あるいは圧縮するために、一般的に使用される。しかし、出願人は、圧力チャンバのためにスクリュー圧縮機を使用することが、結果的に多くの利点をもたらすことを、思いがけなく発見した。これらの利点は、付加的な設備を必要することなく、低圧および高圧の両方の状態下においてチャンバの動作を可能にすること、高PSIに空気を加圧し、それを貯蔵し、そして、多段の調整装置を使用し、人間の使用に適しているようにする代わりに、ユーザが、1つの連続的なアクションで、チャンバのための空気を加圧および使用することを可能にすること、必要とされる設備の数量を削減すること、患者の不快感を解消させること、フレッシュ空気の循環を可能にすること、を含んでいるが、これらに限定されるものではない。
通常、スクリュー圧縮機は、その設計の高圧限界に到達するまで、いかなる制限に対しても、その流れ曲線を維持する一定の大容量の空気を供給することが可能である。一実施形態において、高速調整弁の使用により、一定流量でチャンバの周囲空気を供給しかつチャンバを通過して流れるその排気能力を制限することによる最終結果は、極めて制御可能かつ持続可能な速度(rate)での加圧である。あるいは、排気能力を一定値に維持し、スクリュー圧縮機からの空気の流量を変化させることによって加圧することが可能である。ターゲット圧力値が一旦達成されると、プログラム可能な工業用自動制御装置を使用することによって、それは、可能である。
好ましくは、処置の全圧力曲線の間、空気を一定流量(CFM)で供給しているスクリュー圧縮機によって、システムコンピュータは、ターゲット圧力をプラスマイナス0.01PSIで連続的に制御すると同時に、フレッシュ空気を供給することによりチャンバを連続的に換気することが可能であるだろう。換言すれば、システムが加圧された定常状態に到達する場合に、圧縮機および流出口流量調整装置を調整することによって、それを維持することが可能であり、チャンバへ流入するフレッシュ空気の量、質量は、チャンバから流出およびシステム外に排出される空気の量と等しい。用語「フレッシュ空気」は、圧縮機によって供給されかつチャンバを加圧するために以前に使用されていない空気を、意味する。
したがって、一実施形態において、チャンバ内の圧力の維持は、ポンプによって空気をチャンバに連続的に送り込み、チャンバから大気へ空気を連続的に排出し、そして、チャンバ内の圧力を連続的にモニタし、入力量あるいは出力量を調整し、チャンバ内の圧力を維持することによって達成される。
スクリュー圧縮機はまた、真空ポンプとして使用することが可能である。スクリューの回転を単に逆転させることによって、高圧チャンバを、低圧のチャンバに変更することが可能である。
スクリュー圧縮機が、空気を殺菌する最高340°Fの温度の乾燥したオイルフリーの空気を供給し、その後、断熱的な圧縮熱を快適な55〜85°Fに低下させる高効率熱交換器を供給することで、空気を、流量が制御された冷水源を使用して冷却することが可能である。前記プロセスにより生成される凝縮は、容易に捕集しかつ除去することが可能である。ミスト濾過は、好ましくは、1/10ミクロン以上の特定の物質の99.9%を除去する。いつも空気が高圧チャンバに到達する前に、その温度を事前に調整することによって、占有者は、チャンバの内部温度の不快な上昇あるいは降下を、決して感知しない。
既知のスクリュー圧縮機であれば、使用することが可能である。適当な一例は、ペンシルヴェニア州(PA)コーツヴィル(Coatesville)所在のエアゼンユーエスエー(Aerzen USA)によって製造および販売されているエアゼンスクリュー圧縮機ユニット「DELTA SCREW VM/VML」を含んでいるが、これに限定されるものではない。これらの圧縮機は、空気および中性ガスのドライかつクリーンな圧縮のために、特に設計される。これらは、8500立方フィート毎分(cfm)(14400m/h)かつ30psig(ゲージpsi)まで、あるいは、5600cfm(9500のm/h)かつ最大51psigの空気および不活性ガスのオイルフリー圧縮のために使用することが可能である。これらの機械はまた、85%の連続減圧あるいは25.5”Hg(水銀柱インチ)にまで低下させる非常に高効率の乾式(dry)スクリュー真空ポンプとして、使用することが可能である。
図3は、スクリュー圧縮機システム30を有する変圧チャンバのためのプロセスフローチャートの非限定の実施形態を提示している。オイルフリー空気は、放出弁32を含むことが可能である圧縮機31から、340°Fかつ30psiで、吐出されることが可能である。高温は、空気を殺菌し、いかなる生物学的あるいは微生物的な生命を即座に破壊する。空気は、それから、限定されない熱交換器33を通過し、空気温度を約65°Fまで低下させることが可能である。反対に、プロセスの減圧サイクルの間に、供給空気を予熱し、チャンバの内部温度を、快適な70〜72°Fに維持することが可能である。空気の温度は、冷水供給装置35の流量を制御する調節弁34によって、制御することが可能である。このように温度を制御することが可能であるのは、空気がチャンバ内で1回のみ圧縮され、そして、流れを一定に制御することにより、その圧力に維持されるためである。これに反して、一般的なチャンバにおいては、空気がチャンバの内部で再圧縮されるので、チャンバ内の空気の温度を制御することができない。
次に、供給空気は、プレフィルタ36を通過し、急速冷却プロセスによって生成される凝縮を除去し、そして、ミスト分離器37を通過し、サブミクロンの粒子を除去しかつ残留水分を減少させる。本応用のためには、1/10ミクロン以上の大きさの粒子を99.98%の割合で除去し、かつ、0.5ppmまで残留水分を削減させることが可能であるミスト分離器を使用することが望ましい。状況に応じて、空気流の圧縮あるいは濾過プロセスにおいて生成される音を、70dB未満までに減少させることが可能である音響減衰器、サイレンサ、38を通過させることが可能である。その後、空気は、後述される一連の制御装置39を通過し、圧力計41および逆止弁42を経由し、チャンバ40に導入される。チャンバの後において、空気は、システムから排出される前に、空気速度ヒューズ(air velocity fuse)43、遮断弁44、一連の二次制御装置45、サイレンサ46、流出口フロー調整弁47、および、別のサイレンサ48を通過する。チャンバ内の圧力は、圧縮機31と組み合わされて、調整弁47によって達成されかつ制御することが可能である。好ましくは、高速調整弁を使用することで、一秒未満において完全に開閉することが可能である。チャンバは、緊急開放弁49を含むことも可能である。
空気の流量および物理的な性質は、2セットの制御装置39および45によって制御することが可能である。一次制御装置セット39は、温度センサ39aおよび圧力センサ39bを有する。二次制御装置セット45は、温度センサ45aおよび圧力センサ45bを有する。加えて、排気空気はまた、酸素パーセントおよび二酸化炭素のための空気品質システム51を使用し、サンプリングすることが可能である。これらのデータは、空気流量を調整して、目標の圧力、温度等を達成することが可能である制御ユニット(図示せず)に供給される。どのようなタイプの制御装置も、本願明細書において記載されている方法のために使用することが可能である。好ましくは、例えば、比例−積分(PI)あるいは比例−積分−微分制御装置(PID制御装置)等のフィードバック制御装置が、利用される。好ましくは、プロセッサからの連続的な更新が、空気流れの正確な制御を可能にする5msの速度で、実行される。
別の態様において、処置を必要とする被検者を処置するための方法が提供される。前記方法は、前記の変圧チャンバの内部に被検者を配置すること、被検者に対する所期の効果に基づき、変圧チャンバの圧力を調整すること、および、チャンバを換気する一方、ターゲット圧力を維持すること、を有する。用語「処置」は、被検者の体の健康を増進させる処置も意味する。それは、既存の疾患あるいは外傷の処置および外傷あるいは疾患の予防を含んでいる。また、それは、持久力の必要なアスリートあるいは登山者等の健常者が、チャンバを使用し、それらの状態をさらに増進させることを含んでいる。
変圧チャンバの圧力は、被検者に対する所期の効果に基づいてセットすることが可能である。前記圧力は、本願明細書において、ターゲット圧力として参照される。可変チャンバの圧力は、最大で6気圧、好ましくは、約1.5気圧と3気圧との間、より好ましくは、約2.0〜2.4気圧であり、これは、創傷治癒を向上させ、損傷した生体組織に対する酸素配送を増加させ、損傷した生体組織を維持し、感染対策を向上させ、有害物質の除去あるいは有害物質の効果を軽減し、放射線治療によって引き起こされる損傷を除去あるいは削減し、血液循環を改善し、殆ど絞首状態による、殆ど溺死状態による、シアン化物あるいは一酸化炭素中毒による脳損傷を改善し、熱傷を治癒し、あるいは、それの組み合わせのためである。現在のところメディケア(Medicare)のための13の承認された適応(indication)が存在し、また、僅かに参照し、卒中(stroke)、自閉症、多発性硬化症、痴呆およびライム病を含んでいる65〜70の適応が、世界的に処置されている。あるいは、変圧チャンバの圧力を、0.1気圧まで、好ましくは0.2気圧まで減少させることにより、例えば、健康維持を向上させ、エネルギを増強し、肺および循環機能を改善することが可能であり、患者の低酸素状態を発生させる能力を必要するなんらかの医療処置での使用を含んでいる。
別の実施形態においては、変圧チャンバを、化学療法と組み合わせて使用することが可能である。研究が示していることは、化学療法の前、最中あるいは後において患者を、高圧酸素を用いて処置することは、化学療法処置の効果の増加あるいは処置後における回復期間の短縮などの多くの利点を提供することができることである。したがって、化学療法の前、最中あるいは後において患者を処置するため方法が、提供される。前記方法は、前記の変圧チャンバの内部に患者を配置すること、変圧チャンバの圧力を増加させること、および、チャンバを換気する一方、ターゲット圧力を維持すること、を有する。
本願明細書において引用された全ての刊行物、特許公報および非特許公報の両方は、本発明が関する当業者の技術のレベルを表示している。これらの刊行物の全ては、あたかも、各々の独立した刊行物が、引用して組み込まれたとして、具体的かつ個別的に示されるのと同一の程度に、引用して本願明細書に完全に組み込まれている。
本発明は、特定の実施形態に関して説明してきたが、これらの実施形態は、本発明の原理および応用の単なる実例にすぎないことが、理解されるだろう。したがって、以下の特許請求の範囲によって規定されるように、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、例示の実施形態に対し、多数の修正をなし、また、別のアレンジを工夫することが可能であることが、理解されるだろう。

Claims (20)

  1. 患者を受け入れるために適合されかつ流入口および流出口を有する略気密のエンクロージャ、
    前記エンクロージャへのアクセスを提供するために適合されるシール自在開口部、
    前記シール自在開口部を密封するために適合される閉鎖メカニズム、
    前記エンクロージャの前記流入口に流動的に連結される可逆圧縮機、および、
    前記エンクロージャの前記流出口に流動的に連結される流出口流量調整装置、
    を有することを特徴とする変圧チャンバ。
  2. 前記可逆圧縮機および前記流出口流量調整装置は、組み合わされることによって、前記エンクロージャのターゲット圧力を維持する一方、フレッシュ空気の供給によって前記チャンバを連続的に換気する
    ことを特徴とする請求項1に記載の変圧チャンバ。
  3. 前記可逆圧縮機は、スクリュー圧縮機であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の変圧チャンバ。
  4. 前記エンクロージャは、高圧あるいは低圧に耐えるように適合されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の変圧チャンバ。
  5. 前記可逆圧縮機は、前記エンクロージャを約1気圧と約6気圧との間の圧力まで加圧する能力を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の変圧チャンバ。
  6. 前記可逆圧縮機は、前記エンクロージャを約0.1気圧まで減圧する性能を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の変圧チャンバ。
  7. シール自在開口部は、シール自在なドアを有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の変圧チャンバ。
  8. 前記エンクロージャの入口のためのエアロックをさらに有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の変圧チャンバ。
  9. 処置を必要とする被検者を処置するための方法であって、
    患者を受け入れるために適合されかつ流入口および流出口を有する略気密のエンクロージャ、前記エンクロージャへのアクセスを提供するために適合されるシール自在開口部、前記シール自在開口部を密封するために適合される閉鎖メカニズム、前記エンクロージャの前記流入口に流動的に連結される可逆圧縮機、および、前記エンクロージャの前記流出口に流動的に連結される流出口流量調整装置、を有する変圧チャンバの内部に、前記被検者を配置すること、
    前記被検者に対する所期の効果に基づき、前記変圧チャンバの圧力をターゲット圧力に調整すること、および、
    フレッシュ空気の供給によって前記チャンバを連続的に換気する一方、前記エンクロージャのターゲット圧力を維持すること、
    を有することを特徴とする方法。
  10. 前記可逆圧縮機は、スクリュー圧縮機であることを特徴とする請求項9に記載の方法。
  11. フレッシュ空気の供給によって前記チャンバを連続的に換気する一方、前記エンクロージャのターゲット圧力を維持することは、
    前記チャンバへ流入する空気の質量が、前記チャンバから流出する空気の質量に等しくなるように、前記可逆圧縮機および前記流出口流量調整装置を、調整することを有する
    ことを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の方法。
  12. 前記被検者に対する所期の効果に基づき、前記変圧チャンバの圧力を調整するステップは、
    前記変圧チャンバの圧力を、少なくとも1.5気圧まで増加させることを有する
    ことを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記被検者に対する所期の効果に基づき、前記変圧チャンバの圧力を調整するステップは、
    前記変圧チャンバの圧力を、少なくとも0.5気圧未満まで減少させることを有する
    ことを特徴とする請求項9〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記所期の効果は、健康維持の向上、エネルギの増強、肺および循環機能の改善からなるグループから選択されることを特徴とする請求項9〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 化学療法の前、最中あるいは後において患者を処置するため方法であって、
    患者を受け入れるために適合されかつ流入口および流出口を有する略気密のエンクロージャ、前記エンクロージャへのアクセスを提供するために適合されるシール自在開口部、前記シール自在開口部を密封するために適合される閉鎖メカニズム、前記エンクロージャの前記流入口に流動的に連結される可逆圧縮機、および、前記エンクロージャの前記流出口に流動的に連結される流出口流量調整装置、を有する変圧チャンバの内部に、前記患者を配置すること、
    前記変圧チャンバの圧力を増加させること、および、
    フレッシュ空気の供給によって前記チャンバを連続的に換気する一方、前記エンクロージャのターゲット圧力を維持すること、
    を有することを特徴とする方法。
  16. 前記圧力は、約1.5気圧と約3気圧との間まで増加させられることを特徴とする請求項15に記載の方法。
  17. 前記被検者は、増加させられた圧力に、一度に30分間さらされることを特徴とする請求項15又は請求項16に記載の方法。
  18. 前記可逆圧縮機は、スクリュー圧縮機であることを特徴とする請求項15〜17のいずれか1項に記載の方法。
  19. チャンバを加圧するための方法であって、
    a)チャンバを加圧すること、および、
    b)前記チャンバの圧力を維持する一方、フレッシュ空気の供給によって前記チャンバを連続的に換気すること、
    を有することを特徴とする方法。
  20. 前記ステップb)は、
    ポンプによって空気を前記チャンバに連続的に供給すること、
    前記チャンバから大気へ、空気を連続的に排出すること、および、
    連続的に前記チャンバの圧力をモニタしかつ入力あるいは出力を調整し、前記チャンバの圧力を維持すること、
    を有することを特徴とする請求項19に記載の方法。
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