JP2010514703A - 流動床スプレー乾燥法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、流動床スプレー乾燥法、およびその結果得られる生成物に関する。
難溶性薬物(drug)がしばしば低バイオアベイラビリティまたは不規則な吸収を示し、その不規則性の程度が、用量レベル、患者の食事状態、および薬物の形態のような因子によって影響されることは、薬学分野で公知である。
本発明者らは、供給溶液(例えば溶媒中に溶解または懸濁した、例えば薬物およびマトリックス(例えば、ポリマー)物質)の流動床スプレー乾燥法(FSD)が、例えばさらなる後続工程のために、得られる生成物(例えば、組成物、例えば凝集生成物、例えば薬物または治療剤のアモルファス固体分散体のような固体分散体)の特性を改善し得ることを発見した。例えば、流動床スプレー乾燥法によって得られる組成物、例えば分散体は、例えば通常のスプレー乾燥法により製造される組成物と比較して、増大した粒子サイズおよび/または生成物密度、ならびに/または縮小した“微粒子”(10ミクロン未満の幾何学的中央径を有する粒子)を有し得る。結果として、これらの分散体は、縮小した径長を有し、それにより改善された流動性を生じ得る。そのような分散体は、例えば、後続処理工程なく、または最小限の後続処理工程で、例えば経口投与形態に直接圧縮され得る。
いくつかの態様において、供給溶液を窒素のようなガスを用いて乾燥させる。
いくつかの態様において、該生成物のタップ密度は、約0.23g/mlないし約0.25g/mlである。
いくつかの態様において、該生成物は、室温にて少なくとも2年間、物理的に安定である。
本発明の1個以上の態様の詳細を、添付の図面および下記に記載する。本発明の他の特徴、目的および利点は、明細書、図面および特許請求の範囲から明らかであり得る。
本発明者らは、流動床スプレー乾燥法(FSD)が、最少量の微粒子を含む自由流動性かつ良好な再分散性を有する生成物の製造、ならびに凝集または顆粒生成物の製造に有用であることを発見した。得られる生成物(例えば、興味のある化合物(例えば、薬物、例えば難溶性薬物、例えばVX−950))を含む組成物)は、変化した(例えば通常のスプレー乾燥法の生成物と比較して、例えば増大または低減した)バルクおよびタップ密度、および/または改善された溶解性(例えば、通常のスプレー乾燥法の生成物と比較して)を有し得る。ある例において、低密度であるが、より良好な流動特性を有する生成物が、微粒子の量を減少する結果として得られる。該生成物粒子(例えば、凝集塊)は、しばしば、常套のスプレー乾燥法により得られる粒子よりもサイズが大きい。改変した(例えば、増大した)密度および/または増大した粒子サイズの結果、FSDの生成物は、さらなる処理工程なく、または最小限の後続処理工程(例えば、粉砕、造粒、混和および/または混合工程)で、(例えば、経口投与形態に)直接圧縮され得る。
一般的に、流動床スプレー乾燥法は、スプレー乾燥および流動床乾燥技術を組み合わせる。得られる生成物は、統合した流動床またはベルトおよび第一乾燥工程で生じた湿粉末から凝集塊を形成し、それを次工程にて乾燥後処理および冷却し得る多工程方法の結果としての凝集生成物(例えば、凝集粉末または顆粒)であり得る。
液体供給溶液の製造(例えば、溶媒中に溶解または懸濁した、興味のある化合物、ならびに所望により、ポリマー(複数可)および/または界面活性剤(複数可)を含む);
該供給溶液を、例えばFSDモードで操作して、スプレー乾燥機の乾燥チャンバー中に送達して噴霧化し(例えば、圧力ノズル、ロータリーアトマイザーまたはディスク、二流体ノズルまたは他のアトマイザー法を用いて);
加熱空気または加熱ガス(例えば、窒素)を用いて乾燥チャンバー内の供給溶液を乾燥させて、生成物を得て{ここで、生成物のより大きな粒子を分け、例えば取り出し、微粒子を該乾燥チャンバーの頂部(例えば、自然対流により)およびサイクロンに空気流またはガス流により運ぶ。}、そして
乾燥チャンバー内(例えば、乾燥チャンバーの頂部に、または該チャンバーの中間に軸方向に)微粒子を再導入し、ここで、再導入される微粒子は、新しく形成した生成物と凝集し、凝集生成物を形成でき、該凝集生成物が十分大きければ、それは分離され得て、分離のために十分な大きさでなければ、該凝集生成物はチャンバーの頂部およびサイクロンに輸送されて、該チャンバーに再導入される工程、が含まれ得る。この方法を、落下するのに十分な大きさの凝集生成物が形成されるまで繰り返す。微粒子は、サイクロンから供給パイプにより乾燥チャンバー中に再導入され得る。
一般的に、VX−950の微粉化結晶性薬剤粉末をラットに経口投与後の絶対的バイオアベイラビリティが0.5%未満であることが発見されている。VX−950と常套の薬学的賦形剤の単純混合物は、哺乳動物に経口投与されて同様に低バイオアベイラビリティを示す。結晶形態のVX−950を含む組成物(すなわち、VX−950のかなりの部分が、結晶形態である)は一般的に、VX−950の十分な治療的有効性が提供される程度の薬物吸収が達成されない。本明細書に記載の組成物は、比較的改善されたバイオアベイラビリティを提供する。従って、いくつかの態様において、VX−950を含む供給溶液のFSD法を提供する。例えば、該方法は、結晶形VX−950のような、実質的に不純物不含有の生成物を製造するために使用され得る。いくつかの態様において、本発明には、例えば化合物、例えばVX−950の凝集分散体、または直接圧縮形態のVX−950を含む凝集固体分散体を含む医薬組成物が含まれる。本発明の組成物は、安定であり、投与が容易であり、投与によりVX−950の高バイオアベイラビリティを提供する。
FSDにより得られる生成物(例えば、興味のある化合物(例えば、薬物、例えば難溶性薬物、例えばVX−950)を含む組成物)を、直接圧縮することができる。例えば、FSDにより得られる凝集薬物分散体は、経口投与形態(例えば、錠剤)に直接圧縮され得る。直接圧縮の方法は、金型キャビティに保持される物質に(例えば、上部および下部パンチにより)圧力をかける方法である。圧縮方法において起こる事象は、(1)過渡的な再パッキング、(2)接点での変形、(3)断片化および/または変形、(4)接着、(5)固体の変形、(6)減圧、および(7)排出である。直接圧縮法は、流動性、圧縮性および希釈可能性のような粉末特性に影響される。
興味のある化合物(例えば、薬物、例えば難溶性薬物、例えばVX−950)および1個のポリマーまたは複数のポリマー(または、固体状態担体(複数可))を含む、固体分散体(例えば、アモルファス固体分散体)のようなFSDの生成物(例えば、粉末または顆粒のような凝集生成物)が、本明細書中で提供される。1個のポリマーまたは複数のポリマーは、アモルファス固体分散体系の一部として、興味のある化合物と共に用いられ得る。例えば、ポリマー(複数可)は、興味のある化合物(例えば、薬物)と共に供給溶液中に存在し得る(例えば、FSDにより乾燥され得る)。理論にとらわれることなく、ポリマーの存在は、ポリマーの不存在下で起こる結晶化の量または速度と比較して、興味のある化合物(例えば、薬物)の結晶化の量または速度を阻止、減少または遅延するのを補助し得る。例えば、ポリマーを用いるとき、結晶化の量は、ポリマーの不存在下での結晶化の量と比較して、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%減少し得る。例えば、1個のポリマーまたは複数のポリマーは、胃液および/または腸液のような水性媒体中での結晶化から薬物を保護し得る。例えば、HPMCは、胃液のような低pHでの結晶化(例えば、興味のある化合物(例えば、薬物、例えば難溶性薬物、例えばVX−950))の量を減少するのを補助し得る。HPMCは、胃液(例えば、絶食時または満腹時の胃液)、および人工胃液(“SGF”)(例えば、絶食時または満腹時SGF)中での保護を与え得る。別の例として、HPMCASは、腸液(例えば、絶食時または満腹時の腸液)および人工腸液(“SIF”)(例えば、絶食時または満腹時SIF)中、増大した物理的安定性および減少した結晶化(例えば、興味のある化合物(例えば薬物、例えば難溶性薬物、例えばVX−950))の量を提供し得る。結果として、バイオアベイラビリティ、溶解性、および興味のある化合物(例えば、薬物、例えば難溶性薬物、例えばVX−950)の吸収のうち1個以上が増強され得る。
6.組合せ中ポリマーまたは複数のポリマーは、化合物の物理的および/または化学的安定性を増大すべきである。
7.組合せ中ポリマーまたは複数のポリマーは、化合物の製造容易性を改善すべきである。
9.組合せ中ポリマーまたは複数のポリマーは、他の薬学的成分、例えば賦形剤と不利に相互作用すべきではない。
FSDの生成物(例えば、凝集生成物、例えば粉末または顆粒)、例えば興味のある化合物(例えば薬物、例えば難溶性薬物、例えばVX−950)、および所望により、ポリマーもしくは複数のポリマー(または、固体状態の担体(複数可))を含む固体分散体(例えば、アモルファス固体分散体)は、界面活性剤を含み得る。界面活性剤または界面活性剤混合物は、一般的に、固体分散体と水性媒体の間の界面張力を減少し得る。適当な界面活性剤または界面活性剤混合物はまた、固体分散体の興味のある化合物(例えば薬物、例えば難溶性薬物、例えばVX−950)の水溶性およびバイオアベイラビリティを増大し得る。本発明に関連する使用のための界面活性剤には、ソルビタン脂肪酸エステル(例えば、SPANS(登録商標))、ポリオキシエチレン・ソルビタン脂肪酸エステル(例えば、TWEENS(登録商標))、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(SDBS)、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム(Docusate)、ジオキシコール酸ナトリウム塩(DOSS)、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレート、ヘキサデシルトリメチル・アンモニウム・ブロマイド(HTAB)、N−ラウロイルサルコシンナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、Gelucire44/14、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、ビタミンEまたはトコール誘導体、例えばαトコフェロール(例えば、d−αトコフェロール、d1−αトコフェロール、コハク酸トコフェロールエステル)、およびトコフェリルエステル、例えば酢酸トコフェリルエステル、コハク酸トコフェリルエステル、例えばビタミンE d−αコハク酸トコフェリルポリエチレングリコール1000(TPGS;例えば、EastmanのビタミンE TPGS)、レシチン、MW677−692、グルタミン酸一ナトリウム一水和物、Labrasol、PEG 8 カプリル/カプリン酸グリセリド、トランスカトール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ソルトールHS−15、ポリエチレングリコール/ヒドロキシステアレート、タウロコール酸、プルロニックF68、プルロニックF108、およびプルロニックF127(または、何れかの他のポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン・コポリマー(PLURONICS(登録商標))、または飽和ポリグリコール化(glycolized)グリセリド(GELUCIRS(登録商標)))が含まれるが、これらに限定されない。本発明に関係して用いられ得る、かかる界面活性剤の特定の例は、Span 65、Span 25、Tween 20、Capryol 90、Pluronic F108、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ビタミンE TPGS、プルロニックおよびコポリマー、リン脂質、例えばPC(ホスファチジルコリン)(例えば、卵または大豆由来)、PI(ホスファチジルイノシトール)、PA(ホスファチジン酸)、PE(ホスファチジルエタノールアミン)、PG(ホスファチジルグリセロール)が含まれるが、これらに限定されない。該界面活性剤には、脂質または脂肪酸、例えばジパルミトイルホスホコリン(DPPC)または類似の脂質(DAPC、DSPC、DPPGなど)が含まれ得る。かかる脂質は、合成的に、例えばGenzyme or Avanti Polar Lipidsから入手可能である。SLS(例えば、SigmaまたはFischer)およびビタミンE TPGSが好ましい。
FSDは、1個以上の溶媒を含む供給溶液を乾燥するために実行され得る。例えば、興味のある化合物(例えば、薬物、例えば難溶性薬物、例えばVX−950)、および所望により、1個以上のポリマーのような他の成分、および/または界面活性剤が、溶媒(複数可)中に溶解または懸濁され、その結果供給溶液を得る。好ましい工程において、溶媒には、揮発性溶媒が含まれる。いくつかの態様において、溶媒には、揮発性溶媒の混合物が含まれる。他の態様において、溶媒には、揮発性および不揮発性溶媒が含まれる。好ましい溶媒には、興味のある化合物(例えば、薬物、例えば難溶性薬物、例えばVX−950)およびポリマー(複数可)(使用するとき)の両方を溶解し得るものが含まれる。さらに、該溶媒は、使用するとき、界面活性剤の溶解を補助し得る。適当な溶媒には、例えば揮発性および/または不揮発性溶媒が含まれる。
いくつかの態様において、該溶媒混合物は、氷酢酸と少なくとも1個の揮発性溶媒、例えばアセトンおよび/または塩化メチレン(例えば、塩化メチレンおよびアセトンの混合物)の組合せを含む。
いくつかの態様において、該溶媒混合物は、水と少なくとも1個の揮発性溶媒、例えばアセトンおよび/または塩化メチレン(例えば、塩化メチレンおよびアセトンの混合物)の組合せを含む。
興味のある化合物(例えば、薬物、例えば難溶性薬物、例えばVX−950)のFSDにより得られる生成物を含む医薬組成物はまた、本明細書で提供される。本発明のFSDの生成物(例えば、凝集生成物、例えば薬物、例えばVX−950)は、患者に投与するための医薬組成物に製造され得る。FSDの生成物(例えば、凝集固体分散体)は、医薬組成物とみなされ得るが、さらなる処理が投与の前に必要であり得る(例えば、固体分散体は、錠剤にさらに直接圧縮され得る)。全てのかかる医薬組成物、投与形態(例えば、直接圧縮投与形態)、および製剤は、本発明の範囲内に包含され得る。製剤は、公知の方法に従い、公知の成分を用いて製造され得る(Handbook of Pharmaceutical Excipientsを参照)。適当であるならば、経口製剤はしばしば、医薬投与に好ましい。
1日あたり、約0.01ないし約100mg/kg体重の、好ましくは1日あたり、約10ないし約100mg/kg体重の、VX−950の投与量レベルは、HCVにより仲介される疾患の予防および処置に有用である。いくつかの態様において、一人あたり(約70kgと計算されるヒトの平均サイズに基づき)、約0.4ないし約10g/日、例えば、約1ないし約4g/日、好ましくは約2ないし約3.5g/日である投与量レベルが包含される。典型的に、本発明の医薬組成物は、1日に約1ないし約5回、好ましくは1日あたり、約1ないし約3回投与され得るか、あるいは、連続的に注入され得る。いくつかの態様において、VX−950は、制御放出製剤を用いて投与される。いくつかの態様において、このことは、VX−950の比較的安定な血中レベルを提供するのを補助し得る。
本発明の方法はまた、免疫調節剤;抗ウイルス剤;HCVプロテアーゼの阻害剤;HCV生活環の他の標的の阻害剤;内部リボソーム侵入の阻害剤、広域的ウイルス阻害剤;別のシトクロムP−450阻害剤;または、それらの組合せ剤、から選択されるさらなる薬剤を含む別の成分の投与を含み得る。
実施例1
以下の実施例は、流動床スプレー乾燥法(FSD)を詳述し、2種の混合物、HPMCASポリマーおよび溶媒(プラセボ)の混合物、ならびにVX−950、HPMCAS、および溶媒(活性)の混合物の流動床スプレー乾燥の結果物を提供する。FSD法のパラメーターの変化により、得られる生成物の特性は、後続処理または使用のために最適化かつ調整され得る。
本明細書に記載の実施例は、一部において:
i)流動床スプレー乾燥モードで操作する市販のスプレー乾燥機(例えば、FSDモードで操作する1250kg/hrの能力を有する乾燥機)を用いて、VX−950分散体に行ったスプレー乾燥実験を説明すること。
ii)生成物密度、粒子サイズ分布、および残存溶媒に対する、選択した操作パラメーターの変更の効果を報告すること
を設計された。
増大した粒子サイズおよび/または生成物密度は、直接圧縮生成物を得るのに都合よい。より大きな粒子を得るため、ならびに例えば直接圧縮に適当な高密度の生成物を得るために流動床スプレー乾燥機用(FSDモード)に設定された、商業用スプレー乾燥機(例えば、1250kg/hrの能力を有するスプレー乾燥機)を用いた。直接圧縮物質を得るために、20−40μmの範囲から、それ以上のレベルの平均粒子サイズに増大し、生成物密度(例えば、バルク密度>0.2g/mlおよびタップ密度>0.4g/ml)を維持または増大することが望ましいことがある。さらなる基準は、乾燥後の残留溶媒のレベルを許容される制限内に減少し得ることである。
2種の供給溶液を、本実験中に製造した。高薬物製剤(high drug formula)についてのプラセボ供給溶液(プラセボ)、および各々の高薬物負荷製剤供給溶液(活性)である。表1は、各実験でスプレー乾燥された供給溶液をまとめる。
圧力ノズル噴霧化システムを備えるステンレススチール製の商業スケールのスプレー乾燥機(NIRO、サイズ4)を、試験に用いた。用いる噴霧化ノズルは、Spraying Systems(MFP (Maximum Free Passage) SK Series SPRAYDRY(登録商標) Nozzles Series variety, コア27を有するオリフィス52)からのものであった。
図1を参照して、スプレー乾燥ユニットを、密閉サイクルモード、すなわち乾燥ガスの再循環モードで操作した。該スプレー乾燥ユニットは、開始から終了操作の間に用いるための溶媒を含む供給タンク(T510)、ならびに乾燥されるべき物質を含む供給タンク(R240)を含む。スプレー乾燥法の開始のため、バルブV2を開き、スプレー乾燥されるべき物質を供給タンクR240からスプレー乾燥チャンバーDCにポンプHP−Pを介して供給した。該物質は、乾燥チャンバー中で部分的に乾燥され、その後、より軽い乾燥した粒子は、乾燥ガスを用いてサイクロンCに排出され、より重い粒子は、流動床FB1に落下した。該粒子は、FB1から最終的に第二流動床FB2およびFB3に循環され、完全に冷却および乾燥された。サイクロンCに排出された軽い粒子(微粒子)は、その後、サイクロンで分離され、微粒子返還FRにて乾燥チャンバーに戻された。サイクロンを通過する微粒子は全て、フィルターバッグFBで捕捉され、次いでガス再循環ユニットRUに至る。
用いる分析対照は、バルクおよびタップ密度(例えば、United States Pharmacopeia (USP)法<601>により測定される)、典型的な容積レーザー回折(例えば、Malvern Mastersizer、またはSympatec HELOS もしくは MYTOS)による粒子サイズ分布、ならびにガスクロマトグラフィー(GC)による有機溶媒(ジクロロメタン(DCM)、アセトンおよび酢酸エチル)であった。
スプレー乾燥試験:データおよび観察
7つのスプレー乾燥試験を行った(5個のプラセボおよび2個の活性物)。主な結果を、表3にまとめた。走査型電子顕微鏡(SEM)画像を用いた。スプレー乾燥機の頂部で導入される微粒子で製造された分散体およびスプレー乾燥機の中間に導入される微粒子で製造された分散体の画像を得た。スプレー乾燥機の頂部に微粒子を導入することにより、より凝集した生成物を得た。スプレー乾燥機の中間に微粒子を導入することにより、より凝集していない生成物を得た。画像を、30、100および300倍で得た。
本実施例は、流動床スプレー乾燥法により製造されるVX−950の分散体が、錠剤に直接圧縮された実験の結果を提供する。
錠剤特性は、APIの物理的−化学的および機械的特性、関係する賦形剤、ならびに方法パラメーターのような多くの因子により影響を受け得る。しっかりした製剤を達成するため、これらの効果は、製剤開発段階で評価される。これらの実験は、ビタミンE添加の異なる方法(スプレー凝集物、BASF Vit Eアセテート、賦形剤上で融解造粒した物、および分散体上で融解造粒した物)を含む流動床スプレー乾燥法によりスプレー乾燥される分散体の効果を評価した。打錠特性は、錠剤硬度、突出力および厚さにより特徴付けられた。
異なるタイプのVit Eの添加およびVit Eの異なる添加方法を評価した。Vit Eのタイプおよび分散体への添加方法を以下に記載する。
Claims (41)
- VX−950を含む液体供給溶液を製造し;
該供給溶液を、流動床スプレー乾燥モードで操作するスプレー乾燥機の乾燥チャンバー中に送達して噴霧化し;
加熱空気または加熱ガスを用いて乾燥チャンバー内の供給溶液を乾燥させて、生成物を得て(ここで、生成物のより大きな粒子を分離し、微粒子を該乾燥チャンバーの頂部およびサイクロンに空気流またはガス流により運ぶ。)、そして
乾燥チャンバー内に該微粒子を再導入し、ここで、再導入される微粒子は、新しく形成した生成物と凝集して凝集生成物を形成でき、該凝集生成物が十分大きければ、それは分離され得て、分離のために十分な大きさでなければ、該凝集生成物はチャンバーの頂部およびサイクロンに輸送されて、該チャンバーに再導入される工程
を含む、VX−950の流動床スプレー乾燥法。 - 第一流動化チャンバー中に凝集生成物を集める工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
- 該凝集生成物を第一流動化チャンバーから第二流動化チャンバーに放出する工程(ここで、乾燥後工程が行われる。)をさらに含む、請求項2記載の方法。
- 該凝集生成物を第二流動化チャンバーから第三流動化チャンバーに移す工程(ここで、凝集生成物が冷却される。)をさらに含む、請求項3記載の方法。
- 該微粒子を、供給溶液の液流を同軸的に取り巻くように(coaxially surrounding)乾燥チャンバー中に再導入する、請求項1記載の方法。
- 該微粒子を、乾燥チャンバーに接線方向(tangentially)に再導入する、請求項1記載の方法。
- 該供給溶液をガスを用いて乾燥させ、該ガスが窒素である、請求項1記載の方法。
- 該VX−950が、供給溶液中に溶解される固体の約10重量%ないし90重量%を含む、請求項1記載の方法。
- 該供給溶液が溶媒を含む、請求項1記載の方法。
- 該溶媒が塩化メチレンを含む、請求項9記載の方法。
- 該溶媒がアセトンを含む、請求項9記載の方法。
- 該溶媒が、塩化メチレンおよびアセトンを含む、請求項9記載の方法。
- 該溶媒が、アセトンを約0%ないし約30%、および塩化メチレンを約70%ないし約100%含む、請求項12記載の方法。
- 該溶媒が、アセトンを約0%ないし約40%、および塩化メチレンを約60%ないし約100%含む、請求項12記載の方法。
- 該溶媒が非揮発性溶媒を含む、請求項9記載の方法。
- 該供給溶液が界面活性剤を含む、請求項1記載の方法。
- 該界面活性剤が、ビタミンEまたはその誘導体を含む、請求項16記載の方法。
- 該界面活性剤が、約0.1%ないし約10%の量で存在する、請求項16記載の方法。
- 該供給溶液が複数のポリマーを含む、請求項1記載の方法。
- 該ポリマーが、供給溶液中に溶解される固体の約10%ないし90%を含む、請求項19記載の方法。
- 該複数のポリマーが、セルロースポリマーを含む、請求項19記載の方法。
- 該セルロースポリマーが、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)である、請求項21記載の方法。
- 該セルロースポリマーが、酢酸/コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAS)である、請求項21記載の方法。
- 該複数のポリマーが、2個のセルロースポリマーを含む、請求項19記載の方法。
- 2個のセルロースポリマーのうち1個が、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)である、請求項24記載の方法。
- 2個のセルロースポリマーのうち1個が、酢酸/コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAS)である、請求項24記載の方法。
- 該複数のポリマーが、HPMCおよびHPMCASを含む、請求項24記載の方法。
- 該供給溶液が界面活性剤または賦形剤を含む、請求項27記載の方法。
- 該界面活性剤が、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)またはビタミンEまたはその誘導体である、請求項28記載の方法。
- 該界面活性剤がSLSである、請求項28記載の方法。
- 該界面活性剤が、ビタミンEまたはその誘導体である、請求項28記載の方法。
- 該供給溶液が1個のポリマーを含む、請求項1記載の方法。
- 該ポリマーが、供給溶液中に溶解される固体の約10%ないし90%を含む、請求項33記載の方法。
- 該供給溶液が、界面活性剤または賦形剤をさらに含む、請求項34記載の方法。
- 該界面活性剤が、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)またはビタミンEまたはその誘導体である、請求項36記載の方法。
- 該界面活性剤がSLSである、請求項34記載の方法。
- 該界面活性剤が、ビタミンEまたはその誘導体である、請求項34記載の方法。
- 該界面活性剤が、約0.1%ないし約10%の量で存在する、請求項37記載の方法。
- 該ポリマーが、セルロースポリマーを含む、請求項32記載の方法。
- 該セルロースポリマーがヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)である、請求項39記載の方法。
- 該セルロースポリマーが、酢酸/コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAS)である、請求項39記載の方法。
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