JP2010513912A - 作用領域の磁性材料の検出及び/又は特定を行う装置並びに方法、構造物の検査における装置の使用 - Google Patents
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Abstract
作用領域内の磁性粒子に影響を及ぼし、及び/又は該磁性粒子を検出する装置、並びにディスク形状のコイルの製造方法が開示されている。当該装置は、選択用磁場を発生させる選択手段であって、前記選択用磁場は、該磁場強度空間内において、磁場強度の小さな第1サブ領域及び磁場強度の大きな第2サブ領域が前記作用領域内に生成されるようなパターンを有する、選択手段、駆動用磁場の手段によって前記作用領域内における前記第1領域及び第2領域の位置を変化させる駆動手段、並びに、信号を取得する受信手段であって、該信号は前記作用領域内の磁化に依存し、該磁化は前記第1サブ領域及び第2サブ領域の位置の変化による影響を受ける、受信手段を有する。前記選択用磁場は少なくとも約100Hzの周波数で変化する時間変化磁場成分を少なくとも有する。
Description
本発明は、作用領域の磁性材料の検出及び/又は特定を行う装置に関する。さらに本発明は作用領域の磁性材料の検出及び/又は特定を行う方法、並びに構造物の検査における当該装置の使用に関する。
この種類の装置及び方法は特許文献1から既知である。特許文献1に記載された方法の場合では、最初に、磁場強度の空間分布を有する磁場が、相対的に磁場強度の小さな第1サブ領域及び相対的に磁場強度の大きな第2サブ領域が前記検査領域内に生成されるような生成される。その後その検査領域内の領域空間内の位置は移動し、それによりその検査領域内での磁化が局所的に変化する。その磁化は前記サブ領域空間内での移動による影響を受けるその検査領域内の磁化に依存する信号が記録される。またその検査領域内での磁性粒子の空間分布に関する情報が前記信号から得られ、それにより前記検査領域内での像を生成することができる。当該装置及び方法は、非破壊的であって損傷を生じさせることなく、かつ高空間分解能で、任意の検査対象物-たとえば人体-を検査するのに用いることができる、という利点を有する。任意の検査対象物は表面付近であっても該表面から離れたところであっても上述したように検査可能である。
特許文献3から、磁性粒子に影響を及ぼす装置が知られている。その装置では、作用領域へのアクセスの改善が可能となる。
この種類の既知の装置は、たとえば硬い鋼鉄の棒-橋などの構造物に用いられるような-を設置できないという欠点を示す。その理由は、係る鋼棒の反磁場係数は、(準)静的選択磁場中で-つまり選択用磁場の磁場強度の絶対値が約1Tよりもはるかに小さな状態で、鋼鉄を飽和状態にさせないためである。この絶対強度の磁場を印加することで、係る装置は非常に大きなものとなり、かつ高価なものとなる。
従って本発明の目的は、「背景技術」で述べた種類の装置及び方法を供することである。その種類の装置及び方法では、軟磁性金属材料-たとえば比較的大きな直径を有する鉄の棒を含む-の検出及び/又は設置が可能となる。
上記目的は、作用領域の磁性材料の検出及び/又は特定を行う装置によって実現される。当該装置は、選択用磁場を発生させる選択手段であって、前記選択用磁場は、該磁場強度空間内において、磁場強度の小さな第1サブ領域及び磁場強度の大きな第2サブ領域が前記作用領域内に生成されるようなパターンを有する、選択手段、駆動用磁場の手段によって前記作用領域内における前記第1領域及び第2領域の位置を変化させる駆動手段、並びに、信号を取得する受信手段であって、該信号は前記作用領域内の磁化に依存し、該磁化は前記第1サブ領域及び第2サブ領域の位置の変化による影響を受ける、受信手段を有する。前記選択用磁場は少なくとも約100Hzの周波数で変化する時間変化磁場成分を少なくとも有する。
本発明による装置の利点は、特許文献1で開示された種類の同様の検出方法を用いる-つまり磁性材料(全体)を飽和させることのできる静磁場に相当する磁場強度を有する磁場を発生させることなく、磁性材料を飽和させる効果を用いる-ことによって、たとえば強磁性型の磁性材料を検査することが可能となることである。これにより、本発明の装置は顕著に単純化され、かつはるかに費用対効果の良い解決法が供される。
本発明の好適実施例によると、選択用磁場は、選択用磁場の時間変化成分に加えて、時間的に一定の磁場成分をさらに有する。それにより磁性材料の検出をさらに改善することが可能である。この実施例によると、選択用磁場の時間変化成分に対して、非常に異なる時間的に一定の成分を加えることが可能である。そのような時間的に一定の磁場成分は、勾配型の磁場成分を有して良いが、勾配を有している必要はない。たとえば均一な磁場成分も可能である。それにより、(古典的な機構で高調波を生成する)小さな粒子による信号の検査又は抑制をするため、たとえばある特定領域での透磁率を改善することが可能である。
本発明によると、当該装置は片面装置として供されていることが非常に好ましい。それにより、たとえば自動車道路や列車の橋のような構造物のような、作用領域へ入り込むには大きすぎる対象物の磁性材料の検出及び/又は特定が有利に可能となる。片面装置によって、構造物の部品を当該装置へ接近させること、及びその構造物の部品表面下の磁性材料を特定することが可能となる。
選択手段及び駆動手段及び受信手段は抵抗コイル-特に室温コイル-として供されることが非常に好ましい。これにより、本発明の装置で用いられる様々な周波数を容易かつ自由自在に設定及び変化させることが可能となる。特に本発明の好適実施例によると、少なくとも選択用磁場は、コア材料として適切な軟磁性材料を備えたコイルによって生成されることが可能である。これにより、十分に強い磁場を発生させるために必要な電力が減少する。適切な軟磁性材料には、鉄粉又はセンダスト(鉄粉コアと同様の粉体コア型製品)のような粉体材料から作られる軟磁性フェライト又は磁性コアが含まれる。駆動手段用にコイル中にコア材料を用いることも原則として可能である。
本発明はさらに、作用領域の磁性材料の検出及び/又は特定を行う方法に関する。当該方法は、磁場強度空間内においてパターンを有する選択用磁場を発生させる工程であって、磁場強度の小さな第1サブ領域及び磁場強度の大きな第2サブ領域が作用領域内に形成される、工程、駆動用磁場によって前記作用領域内の2つのサブ領域の空間での位置を変化させることで、磁性粒子の磁化を局所的に変化させる、工程、並びに、信号を取得する工程であって、該信号は前記作用領域内の磁化に依存し、該磁化は前記第1及び第2サブ領域の空間内での位置変化によって影響を受ける、工程、を有する。前記選択用磁場は少なくとも約100Hzの周波数で変化する時間変化磁場成分を少なくとも有する。
これは、比較的小さな磁場を用いても、(全体を)飽和させるのに比較的大きな静磁場を必要とする磁性材料を検出することが可能になるという利点を有する。
本発明の方法及び装置両方の好適実施例によると、選択用磁場の時間変化する磁場成分は少なくとも10kHzの周波数で変化し、少なくとも25kHzの周波数で変化することが好ましい。それにより選択用磁場の周波数は、検出される磁性材料に適合されて良い。
本発明の方法及び装置両方の好適実施例によると、選択用磁場の時間変化磁場成分と選択磁場の磁場強度は、検出される磁性材料が少なくとも部分的に飽和するように選ばれる。それによりたとえば、磁性材料の相当部分が(選択手段の周波数を低くすることによって、又は選択用磁場の振幅を大きくすることによって)飽和するように、又は材料のわずかな部分を飽和させるように、本発明の装置を自由自在に用いることが可能となる。
本発明の方法及び装置両方の好適実施例によると、駆動用磁場は、選択用磁場の時間変化磁場成分の周波数の少なくとも約5倍〜約100倍の周波数で変化する時間変化磁場である。駆動用磁場の周波数は、選択用磁場の時間変化磁場成分の周波数の約10倍に相当することが好ましい。それにより、作用領域の第1サブ領域がその作用領域の少なくとも一部で移動するときの磁性材料の像の生成は-少なくとも選択用磁場の時間変化成分が正又は負の値をとる半波長の間では-選択用磁場の時間変化成分によって妨害されない。
磁性材料の外側層の少なくとも一部を飽和させるため、選択用磁場の磁場強度が500mT未満、好適には50mT未満で、非常に好適には5mT未満に選ばれるように、選択用磁場の時間変化磁場成分の周波数は選ばれる。それにより比較的小さな磁場によって磁性材料を検出及び特定することが可能である。
本発明はさらに構造物の検査における本発明の使用に関する。前記構造物は絶縁材料内部の磁性材料として鉄の棒を有する。さらに本発明は、土壌検査-特に土壌での磁性材料の探索及び/又は分類-における本発明の装置の使用に関する。さらに本発明は、人体及び/又は動物の体の検査-磁性材料の対象物-特に弾丸、弾丸の破片等-の探索及び/又は特定-における本発明の装置の使用に関する。
本発明のこれら及び他の特性、特徴、及び利点は、添付図面と共に以降の詳細な説明を参照することで明らかとなる。説明は例示のためだけに与えられるものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。以降の参照図は添付の図面を示す。
特定の図を参照しながら、具体的実施例について、本発明を説明する。しかし本発明は参照された具体的実施例によっては限定されず、「特許請求の範囲」に記載された請求項によってのみ限定される。示された図は単なる概略に過ぎず、非限定的である。図においては、例示目的のため、大きさが誇張され、かつ正しいスケールで描かれていない構成要素がある。
さらに、明細書及び特許請求の範囲に記載されている第1、第2、第3等の語は、同様の構成要素を区別するために用いられており、必ずしも生起順序又は時系列順序を表すものではない。よって用いられているそれらの語は適切な状況下では同義であり、本明細書で説明されている本発明は、説明すなわち例示されている順序以外の順序での動作が可能であることに留意すべきである。
しかも、明細書及び特許請求の範囲に記載されている上部、下部、上、下等の語は、説明目的で使用されており、必ずしも相対的位置を表すものではない。よって用いられているそれらの語は適切な状況下では同義であり、本明細書で説明されている本発明は、説明すなわち例示されている順序以外の順序での動作が可能であることに留意すべきである。
図1では、本発明による装置によって検査される任意の対象物-たとえば鋼鉄製補強剤を有するコンクリート部分-が図示されている。図1の参照番号350は、患者テーブルに載せられた対象物-この場合ヒト又は動物の患者-を表す。装置10の内部又は該装置10の穴に対象物350を設置することによって、磁性材料100(図示されていない)は、本発明の装置10の作用領域300内部に設けられる。
本発明の実施例の一例として、選択手段210を形成する複数のコイルを有する装置10が図2に図示されている。前記選択手段210の範囲は作用領域300を画定する。その作用領域300は検査領域300とも呼ばれる。たとえば選択手段210は、対象物350の上と下に備えられる。たとえば、選択手段210は第1対のコイル210’,210’’を有する。各対は2つの同じように構築された巻線210’及び210’’を有する。その巻線210’及び210’’は患者350の上と下で同軸となるように配置され、その巻線210’及び210’’には等しい電流が-特に互いに反対方向に-流れる。以降では、第1コイル対210’及び210’’は共に選択手段210と呼ばれる。この場合では交流電流が用いられることが好ましい。選択手段210は(正又は負の値をとる半波長の間に)選択用磁場211を発生させる。選択用磁場とは一般的に、図2において磁場線によって表される磁場勾配である。選択用磁場は、選択手段210のコイル対の(たとえば垂直)軸方向にほぼ一定の勾配を有し、かつこの軸上のある一点でゼロの値に到達する。この磁場の存在しない点(図2では個別的に図示されていない)から開始して、磁場の存在しない点からの距離が増大することで、選択用磁場211の磁場強度は全空間方向において増大する。磁場が存在しない点の周りを取り囲む破線によって表された第1サブ領域301では、磁場強度があまりに小さいので、その第1サブ領域内に存在する粒子100の磁化は部分的に飽和しない。その一方で、第2サブ領域内(第1サブ領域の外側)に存在する磁性粒子100の磁化は飽和状態となる。磁場の存在しない点すなわち作用領域300の第1サブ領域301は空間的にコヒーレントな領域であることが好ましい。の第1サブ領域301はまた点状の領域であるか、さもなければ線又は平坦領域であって良い。第2サブ領域302(つまり第1サブ領域301の外側である作用領域300の残りの領域)では、磁場強度は、磁性粒子100の少なくとも一部を飽和状態に保持するのに十分な強さである。2つのサブ領域301と302の位置を作用領域300内で変化させることによって、作用領域300内での(全体の)磁化が変化する。作用領域300での磁化、又は磁化によって誘起される物理パラメータを測定することによって、作用領域内の磁性材料の空間分布に関する情報を得ることができる。
更なる磁場-以降では駆動用磁場221と呼ぶ-が、作用領域300内で選択用磁場210(すなわち勾配を有する磁場210)上に重ね合わせられるとき、第1サブ領域301は、第2サブ領域302に対して、この駆動用磁場221の方向に移動する。駆動磁場221の強度が増大することで、この移動量も増大する。重ね合わせられた駆動用磁場221が時間変化するとき、第1サブ領域301の位置もそれに従って時間的にも空間的にも変化する。駆動用磁場221が変化する周波数帯ではなく(それよりも高い周波数にシフトした)別な周波数帯において、第1サブ領域301に設けられた磁性粒子100からの信号を検出又は受信することは有利である。このようなことは可能である。その理由は、磁化特性が非線形である結果、作用領域300内で磁化の変化が生じるために駆動用磁場221の周波数の高周波成分が発生するためである。
本発明による装置10は、図1において概略的にしか図示されていなかった受信手段230をさらに有する。その受信手段230は通常、作用領域300内の磁性粒子100の磁化パターンによって誘起される信号を検出することの可能なコイルを有する。しかしこの種類のコイルは、磁気共振装置の分野では既知である。この装置では、信号対雑音比を可能な限り高くするため、たとえば高周波(RF)コイル対が作用領域300の周辺に設けられる。従って係るコイルを構築することで、さらにコイルを精緻化する必要がなくなる。
磁性粒子を検出する当該装置及び方法は特許文献2から既知である。
本発明によると、磁性粒子100はたとえば強磁性材料である。磁性材料100は、飽和効果が見える場合には、比較的大きな静磁場を必要とする。そのような大きな静磁場は、特許文献2から既知である装置が用いられる場合には、非常に大きくて高価な装置10を必要とする。本発明によると、選択用磁場は(準)静的ではなく時間変化するか、又は少なくとも時間変化成分を含む。それにより磁性材料100の外側(周辺)部分での選択用磁場によって誘起される磁束を閉じこめることが可能となる。これは、十分な周波数を有する時間変化磁場が伝導性材料と相互作用する場合に重要となる表皮効果に起因する。磁性材料100の外側だけが磁化されるように、時間変化する選択用磁場を印加することによって、磁化した磁性粒子100の飽和効果は、選択用磁場211の比較的小さな磁場強度(振幅)によって検出可能となる。たとえば直径が少なくとも数mmの鉄の棒は、約2テスラの外部磁場(強度)で飽和磁化を有する。従って(棒の軸に対して垂直な方向での反磁化係数が0.5であるため)磁化曲線の非線形性が1テスラ周辺で観測される。よってこれらの大きな磁場強度でのみ、相当な高周波の発生が期待できる。少なくとも100Hz-好適にはそれよりも大きな周波数-の時間変化する選択用磁場成分を有する本発明の装置によって、2.5mT(その場合での選択用磁場の必要な周波数は25kHz周辺である)で相当の高調波を発生させることが可能となる。そのような選択用磁場211の周波数では、磁性材料100の外側部分だけが、選択用磁場211の存在によって飽和され、又は影響を受ける。駆動用磁場221は選択用磁場211よりもさらに大きな周波数を有する必要がある。本発明によると、駆動用磁場221の周波数は、選択用磁場の周波数の少なくとも5倍で、好適には10倍である。従って駆動用磁場211による磁束変化は、(駆動用磁場221の周波数での表皮深さがさらに小さくなるため)磁性材料100の周辺でしか磁性材料100へ入り込まない。この例は図3に図示されている。受信手段230が敏感であると考えられる磁場変化は、約50kHzから数百MHzの周波数範囲であることが好ましい。
図3は本発明の装置10と共に用いられる種類の磁性材料100の一例を図示している。磁性材料100はたとえば内側材料部分101を有する鋼鉄製の棒を有する。磁性材料100の一例としての鋼鉄製の棒100の周辺へ向かって、その材料はさらに2つの領域102,103を有する。これらの領域のうちの第2領域103は、駆動用磁場221が相互作用する磁性材料100の領域として可視化されて良い。第1領域102及び第2領域103は、選択用磁場211が相互作用する磁性材料100の領域として可視化されて良い。磁性材料100は、内側部分から他の領域102,103へ向かって均一であることが好ましい。駆動用磁場221によって第2領域103内で磁性粒子を検出及び特定することによって、本発明の方法が利用できるように磁性材料100の全体(つまり磁性材料100の第2領域全体)を拡張したものを可視化することが可能である。鉄の棒の場合では、たとえば鉄の棒の直径を決定することが可能である。
第1サブ領域301の大きさは、一方で選択用磁場211の勾配強度に依存し、他方で飽和に必要な磁場の磁場強度に依存する。2.5mTの磁場強度での磁性粒子100の十分な飽和、及び合計で250mT/mになる選択用磁場211の磁場強度の(所与の空間方向での)勾配にとっては、10mmの間隔を有するように2つの対象物を離すことが可能である。歪み効果のため、十分な空間分解能を有する磁性粒子100の可視化は、複雑な数学的計算によらなければできない。高調波が、たとえば100μTの(特に高周波での)選択用磁場の小さな(最大)磁場強度によって生成される場合、2つの間隔をあけて設けられた磁性粒子100である対象物を離すには、わずか10mT/mでも十分であると考えられる。磁性粒子100の大きさ(すなわち直径)は、得られる信号の信号強度に依存する。これは、たとえば構造物内部の鋼鉄製の棒の(補正されていない)直径を決定するのに十分である。
図4a及び4bは磁化特性を図示している。つまり、粒子100(図4a及び4bには図示されていない)の懸濁物中において、その粒子100の位置での磁場強度Hの関数として、その粒子100の磁化変化が図示されている。磁化Mは、磁場強度が-Hc未満も大きい領域及び磁場強度が-Hc未満の領域ではもはや変化しないことが分かる。このことは、飽和磁化に到達していることを意味する。磁化Mは-Hcから-Hcの間の値では飽和しない。
図4aは、粒子100の位置での正弦磁場H(t)の効果を図示している。ここでは、その結果として生じる正弦磁場H(t)(つまり「粒子100によって見える」)の絶対値は、粒子100を磁気的に飽和させるのに必要な磁場強度よりも小さい。つまりさらに磁場が活性になることはない。この条件での(複数の)粒子100の磁化は、磁場H(t)の周波数の周期でその飽和値を反転させる。その結果生じる磁化の時間変化は、図4aの右側縦軸のM(t)で表される。磁化もまた周期的に変化し、かつ係る粒子の磁化は周期的に反転することが分かる。
曲線の中心での線の破線部は、正弦磁場H(t)の磁場強度の関数としての磁化M(t)の近似的な平均変化を表す。この中心線からのズレとして、磁場Hが-Hcから+Hcに増大するときには磁化はわずかに右側へ延びて、磁場Hが+Hcから-Hcに減少するときには磁化はわずかに左側へ延びる。この既知の効果はヒステリシス効果と呼ばれる。この効果は、熱を発生する機構の基礎をなすものである。曲線経路間に形成され、かつ形状とサイズが材料に依存するヒステリシス表面は、磁化が変化する際の熱の発生の指標となる。
図4bは、上に静磁場H1が重ね合わせられる正弦磁場H(t)の効果を図示している。磁化が飽和状態にあるため、その磁化は正弦磁場H(t)による影響を実質的に受けない。磁化M(t)はこの領域では時間的に一定のままである。その結果磁場H(t)は磁化の状態に変化を生じさせない。
図5は、特許文献3から既知である、所謂本発明に係る片面装置10を図示している。係る装置10は第1面を有し、さらに複数のコイル4,5を有する。その複数のコイル4,5は、選択用磁場211(図5には図示されていない)を発生させるのに用いられ、駆動用磁場210(図5には図示されていない)を発生させるのに用いられ、かつ受信手段230を構成するのに用いられる。当該装置によって、作用領域300へのアクセスの改善が可能となる。
Claims (15)
- 作用領域の磁性材料の検出及び/又は特定を行う装置であって、
当該装置は:
選択用磁場を発生させる選択手段であって、前記選択用磁場は、該磁場強度空間内において、磁場強度の小さな第1サブ領域及び磁場強度の大きな第2サブ領域が前記作用領域内に生成されるようなパターンを有する、選択手段;
駆動用磁場の手段によって前記作用領域内における前記第1領域及び第2領域の位置を変化させる駆動手段;並びに、
信号を取得する受信手段であって、該信号は前記作用領域内の磁化に依存し、該磁化は前記第1サブ領域及び第2サブ領域の位置の変化による影響を受ける、受信手段;
を有し、
前記選択用磁場は少なくとも約100Hzの周波数で変化する時間変化磁場成分を少なくとも有する、
装置。 - 前記選択用磁場の時間変化する磁場成分は少なくとも10kHzの周波数で変化し、少なくとも25kHzの周波数で変化することが好ましい、請求項1に記載の装置。
- 前記選択用磁場の時間変化磁場成分と前記選択磁場の磁場強度は、検出される前記磁性材料が少なくとも部分的に飽和するように選ばれる、請求項1に記載の装置。
- 前記駆動用磁場は、前記選択用磁場の時間変化磁場成分の周波数の少なくとも約5倍〜約100倍の周波数で変化する時間変化磁場である、請求項1に記載の装置。
- 前記選択用磁場は、該選択用磁場の時間変化成分に加えて、時間的に一定の磁場成分をさらに有する、請求項1に記載の装置。
- 片面装置として供されている、請求項1に記載の装置。
- 前記選択手段及び前記駆動手段及び前記受信手段が、軟磁性コア材料を有するコイルとして供される、請求項1に記載の装置。
- 作用領域の磁性材料の検出及び/又は特定を行う方法であって、
当該方法は:
磁場強度空間内においてパターンを有する選択用磁場を発生させる工程であって、磁場強度の小さな第1サブ領域及び磁場強度の大きな第2サブ領域が作用領域内に形成される、工程;
駆動用磁場によって前記作用領域内の2つのサブ領域の空間での位置を変化させることで、磁性粒子の磁化を局所的に変化させる、工程;並びに、
信号を取得する工程であって、該信号は前記作用領域内の磁化に依存し、該磁化は前記第1及び第2サブ領域の空間内での位置変化によって影響を受ける、工程;
を有し、
前記選択用磁場は少なくとも約100Hzの周波数で変化する時間変化磁場成分を少なくとも有する、
方法。 - 前記選択用磁場の時間変化する磁場成分は少なくとも10kHzの周波数で変化し、少なくとも25kHzの周波数で変化することが好ましい、請求項8に記載の方法。
- 前記選択用磁場の時間変化磁場成分と前記選択磁場の磁場強度は、検出される前記磁性材料が少なくとも部分的に飽和するように選ばれる、請求項8に記載の装置。
- 前記駆動用磁場は、前記選択用磁場の時間変化磁場成分の周波数の少なくとも約5倍〜約100倍の周波数で変化する時間変化磁場である、請求項8に記載の装置。
- 前記磁性材料が、強磁性材料、及び/又はフェリ磁性材料、及び/又は反強磁性材料、及び/又は反フェリ磁性材料を有する、請求項8に記載の装置。
- 前記磁性材料の外側層の少なくとも一部を飽和させるため、前記選択用磁場の磁場強度が500mT未満、好適には50mT未満で、非常に好適には5mT未満に選ばれるように、前記選択用磁場の時間変化磁場成分の周波数が選ばれる、請求項8に記載の装置。
- 前記磁性材料が絶縁材料内部に鉄の棒を有する、請求項8に記載の装置。
- 土壌検査、人体及び/若しくは動物の体の検査、並びに/又は磁性材料としての金属製の軟磁性材料を有する構造物の検査における請求項1に記載の装置の使用。
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