JP2010513287A - 癌治療のための組成物及び方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本願は、癌治療のための組成物及び方法という発明の名称である、2006年12月14日に出願された米国仮出願第60/875,013(代理人書類番号TAUI−004−1)の優先権を主張している。本願の明細書で引用されたあらゆる特許、特許出願及び文献の内容は、引用により本願の明細書に援用されている。
本発明は、様々な形態の癌の治療のための薬学的組成物の調製のための、特に偶発性の薬学的性質を具備したインドロカルバゾールK252aに関する具体的な化合物の使用に関するものである。
et al., Mol. Cancer Ther. 4, 1303-1310 (2005); Takata et al., J. Invest. Dermatol. 125,
318-322 (2005)]。
この異常性を備えた大多数の腫瘍細胞に関して、前記のERK経路の阻害は有毒である。構造性的に受容体突然変異を活性化することは、腫瘍生物学におけるよく知られたテーマであり、大多数の前記の受容体は前記のERK経路に供給する。
前記の広く知られている例の一つは、由来する組織のスペクトルを越える癌のかなり大きな断片を説明する、前記のERK経路のシグナル伝達分子ras上流における突然変異である。チロシンキナーゼ受容体のERBファミリーにおける突然変異は乳癌において顕著である。しかしながら、ハーセプチン(Herceptin)耐性腫瘍の治療に使用される新薬であるTykerbは、二つのERB受容体サブタイプに対して二重の親和性を具備しているのもかかわらず、乳癌腫瘍セルラインの大パネルの約20%のみにおいて成長阻害活性を示す[Konecny et
al., Cancer Res. 66, 1630-1639 (2006)]。対照的に、試験された前記のセルラインのすべては、構造性のERK2活性のいくらかのレベルを具備していた。それゆえ、しかしながら、ERKのレベルにおける干渉は、時折今なお知られていない、発がん性の突然変異をもっている、無数の上流の受容体をターゲットとするよりも多い普遍的な治療原理に提供すべきである[e.g.,
Zuidervaart et al., Br. J. Cancer 92,
2032-2038 (2005)]。他のより特異的な干渉戦略に対する新規又は発生する耐性[e.g.,
Gee et al., Endocr. Relat. Cancer 12
Suppl.1, S99-S111 (2005)]は、また、ERK2のレベルにおいて問題がより少ないかもしれない。すなわち、哺乳動物種に亘るERK2の相同性はほとんど絶対的であり、前記の各々の遺伝子における突然変異を起こさせる活性がないか又は前記のタンパク質のあらゆる変性ための耐性がないかの何れか一方を示す。ERK活性による特異的な阻害の臨床的な有用性が、MEK1/2と称される、唯一知られている上流の活性化するERK類のキナーゼの阻害を伴う治療により、進行した悪性腫瘍に冒された患者で確認された[Lorusso
et al., J. Clin. Oncol. 23, 5281-5293 (2005)]。しかしながら、腫瘍細胞の形質転換におけるMAPキナーゼ経路の明白である真に中心的な役割によってさえ、MEK1/2、及びそれについてのERK2の非常に特異的な阻害剤の有効性の驚くべき限界が明らかになった。前記の阻害剤はrafにより形質転換された細胞に極めて有効である一方、前記の阻害剤は、発がん性rasによる突然変異を宿す腫瘍細胞における有効性を失うことが示された。ここにおいて、前記のMAPキナーゼ経路以外にもう一つの経路が十分な形質転換作用を提供するために利用されていることが明らかである。
これは、すべての知られた腫瘍の50%以上がrasによる発がん性突然変異を含むという事実の観点において特に重要である。それによって頻発する腫瘍における予期しない有効性又は耐性の発現のための十分な機会を与えるからである。
本願の多くの態様において、本発明は、成長に関連した経路の組み合わせの阻害剤である特定のインドロカルバゾール誘導体、前記の化合物を調製する方法、1つ以上の前記の化合物を含む薬学的組成物、1つ以上の前記の化合物を含む薬学的製剤を調製する方法、及び例えば癌のような1つ以上の増殖性の疾患の治療、予防、阻害又は改善の方法を提供する。
(1)式1、2、3又は4の化合物又はその薬学的に受容される塩の有効量を前記の被験体に投与するステップ、及び
(2)少なくとも一つの化学療法剤及び/又は放射線照射の少なくとも一つの有効量を、前記の被験体に投与するステップを含み、ステップ(1)及び(2)が同時又は連続して実施される、
治療を必要とする被験体における癌を治療する方法を提供する。
(a)式1、2、3又は4の化合物及びその薬学的に許容されるキャリヤーを各々の錠剤が含む薬学的組成物、
(b)前記の薬学的組成物を収める包装材料、及び
(c)その必要性がある被験体における癌の治療における前記の薬学的組成物の使用のための指示書を含むキットを提供する。
図2は、活性の低い公知の化合物6と比較した、化合物1の濃度の増加に伴うU373多形グリア芽腫セルライン(実施例5)の成長曲線を示す。
図3は、活性の低い公知の化合物6と比較した、化合物1の濃度の増加に伴うHT29の結腸癌セルライン(実施例4)の成長曲線を示す。
図4は、様々な濃度の化合物1と単回接触後(A)1時間、(B)3時間及び(C)6時間における、MDA−MB−231乳癌セルラインの成長に関する延長された効果を示す。
図5は、MDA−MB−231乳癌セルラインの成長に関する、既存の抗癌剤であるビンブラスチン(A)及びシスプラチン(B)の濃度の増加に伴う効果を示す。
図6は、二つのしばしば関与している多薬剤耐性タンパク質ABC−B1(糖蛋白質gp170)(A)及びABC−G2(乳癌耐性タンパク質BCRP)(B)による、化合物1の認識と化合物6の認識との比較を示す。gp170を高レベルに発現するKb−V1細胞におけるカルセイン−AMのMDRにより誘導される流出との競合、又は前記の化合物のそれぞれの有効な濃度範囲以内におけるMCF−7細胞におけるミトキサンドロン(mitoxandrone)の流出との競合に、測定は基づいていた。1又は6との競合による蛍光報告化合物(fluorescent reporter compound)の取り込みは、Mueller
et al., Cancer Chemother. Pharmacol. 59, 157-164 (2007)に開示されているようにFACSにより評価された。
図7a−hは、様々な癌からにNCIパネルのセルラインにおける化合物1の阻害活性を示す。種々の濃度の化合物1により処理された細胞の成長は、48時間の接触の後に未処理の対照(100%)と比較して示されている。マイナス成長値(negative growth values)は、細胞死を示す。化合物1の実際の濃度は、96ウエルプレートにおけるウエル結合であるため、名目上よりも約2倍低い。
図8は、ウエル結合による実際のプラズマの阻害剤濃度における前記の減少について修正されている、経口で投与された化合物1の達しうる、拘束されていないマウスのプラズマの濃度に関する、GI50(50%成長阻害濃度、網目のバー)及びNCI−60パネルにおける全細胞のTGI値(全成長阻害濃度、実線のバー)を表す。前記のセルラインの発がん性突然変異スペクトルは、最下段に示されている。
図9は、実施例8に記載されているHT29移植マウスモデルにおける30日に亘る、2.5mg/kgを1日2回経口投与された結果を示すグラフである。
図10は、実施例8における処理されたマウス(B)の腫瘍において検出される塊状の単球浸潤を示すが、ビークル対照マウス(A)では未処理である。
図11は、実施例6に記載した方法によりマウスのプラズマ及び脳で測定された、水に固体10mg/kgを懸濁したものを経口で単回投与した場合の化合物1の薬物動力学的挙動を示す。
定義
本明細書で使用されているように、特に断わらない限り、以下の用語は、以下の定義されたように使用される。
Symposium Series, 及び Edward B. Roche, ed., Bioreversible
Carriers in Drug Design, American Pharmaceutical Association and Pergamon
Press, 1987を参照。この両者は引用により本願明細書で援用されている。)。本発明は、式1、2、3又は4の化合物のプロドラッグを包含する。
本発明は、特許出願WO97/05140(全内容が引用により本明細書に援用されている。)の広い範囲のうちから具体的な4種の化合物1−4を提供する。前記の4種の化合物は、顕著な活性により区別され、且つ他の知られた化合物、特にWO97/05140に例示された不活性な誘導体に関して前記の提案された問題を解決し、そして著しく改善するという唯一無比のプロフィールを有することが判明した。
Sciences (1977) 66(1) 1-19; P. Gould, International J. of Pharmaceutics (1986)
33 201-217; Anderson et al, The Practice of Medicinal Chemistry (1996),
Academic Press, New York; in The Orange Book (Food & Drug Administration,
Washington, D.C. on their website); 及び P. Heinrich Stahl, Camille G. Wermuth (Eds.),
Handbook of Pharmaceutical Salts: Properties, Selection, and Use, (2002) Int'l.
Union of Pure and Applied Chemistry, pp.
330-331において論じられている。これらの文献の開示は、本明細書への引用により援用されている。
601-611 (2004)には、水からだけでなく酢酸エチルからの抗真菌剤フルコナゾールの溶媒和物の調製法が開示されている。溶媒和物、ヘミ溶媒和物及び水和物等の同様な調製法がE. C. van Tonder et al, AAPS Pharm Sci Tech., 5(1), article
12 (2004); and A. L. Bingham et al, Chem. Commun., 603-604 (2001)に開示されている。典型的な制限されないプロセスには、室温よりも高い温度で、望ましい量の望ましい溶媒(有機溶媒、水又はそれらの混合溶媒)に本発明の化合物を溶解するステップ及び、結晶を形成するのに十分な速度で前記の溶液を冷却し、ついで標準的な方法により単離されるステップが含まれる。例えば赤外線吸収スペクトルのような分析法により、溶媒和物(又は水和物)として結晶中に前記の溶媒(又は水)の存在が検出される。
本発明は、式1、2、3又は4の1つ以上の化合物(例えば、1つの化合物)の有効な量(例えば、治療学的に有効な量)を投与することにより、形質転換された細胞を含む、細胞の異常な成長を阻害又は治療する方法を提供する。細胞の異常な成長は、正常な制御メカニズムとは無関係である細胞の成長(例えば、接触による阻害の消失)を意味する。このことは、良性又は悪性の腫瘍細胞(腫瘍)の異常な成長を含むが、これに限定されるものではない。
本発明は、最初の発ガンメカニズムに関係なく、増殖性疾患、特に定着した癌、又は薬剤耐性の癌を阻害又は治療するための方法を提供する。
したがって、MAPキナーゼは、上流のシグナルタンパク質をコードする遺伝子における発がん性突然変異又はガン遺伝子の過剰発現の結果として活性化されてもよい。例えば、上流のシグナルタンパク質は、細胞表面受容体チロシンキナーゼ(RTK)であってもよく、MAPキナーゼの活性化は、チロシンキナーゼガン遺伝子(例えばneu、src、abl、lck、met及びfynである。)の突然変異又は過剰発現であってもよい。理論により結び付けられる希望なくして、最初の発ガンメカニズムに関係なく、式1、2、3又は4の化合物は、下流のエフェクター経路の選ばれた一組みを選択的に阻害する。それゆえ、そのことにより、それらの化合物が、目標とする薬物治療に耐性である癌を含む、広範囲の増殖性疾患を治療するために有用である。
式1、2、3又は4の化合物を、好ましくは固体の剤形として、より好ましくはカプセルとして経口投与することができ、治療上有効な一日当たりの総量を一日当たり1回乃至4回、又は1回乃至2回に分割した用量として投与することができるが、一般的には治療上有効な用量は一日当たり1回又は2回、好ましくは1日当たり2回、投与される。式1、2、3又は4の化合物の投薬量の例には、限定はしないが、1日当たり約50乃至500mgを1回、1日当たり約50 乃至約500 mg を2回、1日当たり約50mg乃至約200mgを2回、1日当たり約75 mg 乃至約125 mg を2回投与、あるいは一日当たり約100 mg を2回投与、がある。
Safe))賦系剤を含有する溶液の形で経口投与されてもよい。このような溶解補助剤はまた、静脈内輸注に向けて液体調合物中に用いられてもよい。
更に本発明は、増殖性疾患、特に癌(即ち腫瘍)を処置する方法も提供するものであり、有効量(例えば治療上有効量)の一種以上(例えば一種)のここに記載した式1、2、3、又は4の化合物を、このような処置を必要とする哺乳動物(例えばヒト)に、有効量の少なくとも一種の抗癌剤(即ち化学療法薬)及び/又は放射線と組み合わせて投与するステップを含む。
(a)式1、2、3、又は4の化合物のうちの一種又はそれ以上の(例えば一種)化合物;
(b)(1)タキサン、(2)プラチナ配位化合物、(3)抗体である上皮成長因子(EGF)阻害剤、(4)低分子であるEGF阻害剤、(5)抗体である血管内皮成長因子(VEGF)阻害剤、(6)低分子であるVEGFキナーゼ阻害剤、(7)MET阻害剤、(8)ABLキナーゼ阻害剤、(9)ALK阻害剤、(10)FLT-キナーゼ阻害剤、(11)MAPK/ERKキナーゼ (MEK)阻害剤、(12)RAFキナーゼ阻害剤、(13)ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、(14)エストロゲン受容体アンタゴニスト又は選択的エストロゲン受容体モジュレータ(SERM)、(15)抗腫瘍ヌクレオシド誘導体、(16)エポシロン、(17)トポイソメラーゼ阻害剤、(18)ビンカアルカロイド、(19)インテグリンの阻害剤である抗体、(20)インテグリンの阻害剤である低分子、(21)葉酸アンタゴニスト、(22)リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤、(23)アントラサイクリン、(24)生物薬;(25)サリドマイド(又は関連イミド)、(26)熱ショックタンパク質90阻害剤から成る群より選択される少なくとも二種の異なる抗新生物薬
とを投与するステップを含む。
(1)タキサン、例えばパクリタキセル(TAXOL)及び/又はドセタキセル(タキソテル);
(2)プラチナ配位化合物、例えばカルボプラチン、シスプラチン及びオキサリプラチン;
(3)抗体であるEGF阻害剤、例えばHER2抗体(例えばトラスツズマブ(ハーセプチン)、Genentech社)、セツキシマブ(エルビツクス、IMC-C225、ImClone Systems社)、EMD 72000 (Merck KGaA社)、抗-EFGRモノクローナル抗体ABX (Abgenix社)、TheraCIM-h-R3 (Center of Molecular Immunology)、モノクローナル抗体425 (Merck KGaA社)、モノクローナル抗体 ICR-62 (ICR社、サットン、英国); ハーザイム (Elan
Pharmaceutical Technologies and Ribozyme Pharmaceuticals社)、PKI 166 (Novartis社)、EKB 569 (Wyeth-Ayerst社)、GW 572016 (GlaxoSmithKline社)、Cl 1033 (Pfizer Global
Research and Development社)、トラスツズマブ-メイタンシノイド結合体 (Genentech社)、ミツモマブ(Imclone Systems and Merck KGaA社) 及び Melvax II (Imclone Systems and Merck KgaA社);
(4)低分子であるEGF阻害剤、例えばTykerb (GSK社)、タルセバ (OSI-774、OSI
Pharmaceuticals社)、及びイレッサ (ZD 1839、Astra Zeneca社);
(5)抗体である血管内皮成長因子(VEGF)阻害剤、例えばベバシズマブ (Genentech社)、及びIMC-1 C11 (ImClone Systems社)、DC 101 (ImClone Systems社製KDR VEGF 受容体 2);
(6)低分子であるVEGFキナーゼ阻害剤、例えばSU 5416 及び SU 6688 (両社ともSugen社製);
(7)エストロゲン受容体アンタゴニスト又は選択的エストロゲン受容体モジュレータ(SERM)、例えばタモキシフェン、イドキシフェン、ラロキシフェン、トランス-2,3-ジヒドロラロキシフェン、レボルメロキシフェン、ドロロキシフェン、MDL 103,323 及びアコルビフェン
(Schering 社);
(8)ABLキナーゼ阻害剤、例えばグリーベック(Novartis);
(9)FLT-キナーゼ阻害剤、例えばCEP-701 (Cephalon社);
(10)MEK阻害剤、例えばCI-1040 (Pfizer社)、AZD 6244 (Array Biopharma社);
(11)RAFキナーゼ阻害剤、例えばNevaxar/Sorafenib (Bayer/Onyx社);
(12)抗腫瘍ヌクレオシド誘導体、例えば5-フルオロウラシル、ゲムシタビン又はカペシタビン;
(13)エポシロン、例えばBMS-247550
(Bristol-Myers Squibb社)、及びEP0906 (Novartis Pharmaceuticals社);
(14)トポイソメラーゼ阻害剤、例えばトポテカン(Glaxo SmithKline社)、及びカンプトサール(Pharmacia社);
(15)ビンカアルカロイド、例えばナベルビン(Anvar
and Fabre社、フランス)、ビンクリスチン及びビンブラスチン;
(16)αVβ3インテグリンの阻害剤である抗体、例えば LM-609 (引用をもってその開示をここに援用することとするClinical Cancer Research, 第6版、 3056-3061ページ、2000年8月を参照されたい);及び
(17)熱ショックタンパク質HSP-90阻害剤、例えば17-アリルアミノ-17-デメトキシゲルダナマイシン(17-AAG)
である。
;(b)シスプラチンの場合は約 30 乃至約 100 mg/m ;(c)カルボプラチンの場合は約 2 乃至約8 のAUC;(d)抗体であるEGF阻害剤の場合は約 2 乃至約 4 mg/m2 ;(e)低分子であるEGF阻害剤の場合は
約 50 乃至約 500 mg/m2 ;(f)抗体であるVEGFキナーゼ阻害剤の場合は約 1 乃至約 10 mg/m2 ;(g)低分子であるVEGF阻害剤の場合は
約 50 乃至約 2400 mg/m2 ;(h)SERMの場合 約 1 乃至約 20 mg;(i)抗腫瘍ヌクレオシド5-フルオロウラシル、ゲムシタビン及びカペシタビンの場合
約 500 乃至約 1250 mg/m2 ;(j)抗腫瘍ヌクレオシドであるシタラビン (Ara-C) の場合、3乃至4週毎に7乃至10日間に渡って100-200 mg/m2/日、そして治療抵抗性白血病及びリンパ腫の場合は高用量、即ち4週間の間、4乃至8回の用量を12時間毎に1時間かけて1 乃至3 gm/m2
;(k)抗腫瘍ヌクレオシドのフルダラビン
(F-ara-A) の場合、3乃至4週間毎に0-25 mg/m2/日;(I)抗腫瘍ヌクレオシドのデシタビンの場合、最高で8サイクルにわたって6週毎に3日間、30 乃至 75 mg/m2
;(m)抗腫瘍ヌクレオシドのクロロデオキシアデノシン (CdA, 2-CdA) の場合、3乃至4週毎に最高7日間、0.05-0.1 mg/kg/日を連続輸注;(n)エポシロンの場合 約 1 乃至約 100 mg/m2 ;(o)トポイソメラーゼ阻害剤の場合、 約 1 乃至約 350 mg/m2
;(p)ビンカアルカロイドの場合、約 1 乃至約 50 mg/m2 ;(q)葉酸アンタゴニストのメトトレキセート (MTX)の場合、経口、IV又はIMにより 20-60 mg/m2 を3乃至4週毎であるが、中間用量計画は 80-250 mg/m2 を静脈内で3乃至4週毎に60分間にわたって、そして高用量計画はロイコボリンを静脈内で 250-1000 mg/m2 3乃至4週毎;(r)葉酸アンタゴニストのプレメトレックス(Alimta)の場合、3週毎に 300-600 mg/m2 (1日目に10分間、静脈内注射);(s)ヌクレオチド・レダクターゼ阻害剤のヒドロキシウレア(HU)の場合、 20-50
mg/kg/日(血球数減少に必要な場合);(t)プラチナ配位化合物のオキサリプラチン(エロキサチン)の場合、3乃至4週毎に 50-100
mg/m2 (好ましくは非小細胞肺癌、結腸直腸癌及び卵巣癌などの充実腫瘍に用いられる);(u)アントラサイクリン・ダウノルビシンの場合、10-50
mg/m2/日を3乃至4週毎に3乃至5日間、静脈内で;(v)アントラサイクリン・ドキソルビシン(アドリアマイシン)の場合、3乃至4週毎に1乃至4日間にわたって 50-100 mg/m2 を静脈内連続輸注、又は 10-40 mg/m2 を毎週静脈内;(w)アントラサイクリン・イダルビシンの場合、3乃至4週毎に10乃至20分間にわたってゆっくりとした静脈内輸注として 10-30 mg/m2 を毎日、1乃至3日間;(x)生物薬インターフェロン(イントロン-A、ロフェロン)の場合、1週間当り5 乃至2000万IUを3回;(y)生物薬PEG化インターフェロン(Peg-イントロン、Pegasys)の場合、 3 乃至 4 マイクログラム/kg/日を慢性皮下(再発又は活性消失まで);及び(z)生物薬リツキシマブ(リツキサン)(非ホジキンリンパ腫に用いられる抗体)の場合、6ヶ月間、4乃至8週間にわたって毎週200-400 mg/m2 を静脈内。
"Apoptotic signaling induced by immunomodulatory thalidomide analogs in
human multiple myeloma cells; therapeutic implications", Blood,
99(12):4525-30, Jun. 15, 2002を参照されたい。
約 60 乃至約 80 mg/m2 が好ましい。別の例では、パクリタキセル(例えばタキソールを約 150 乃至約 250 mg/m2
の量を3週間毎に一回、投与することができるが、約
175 乃至約 225 mg/m2
が好ましい。
(1)パクリタキセル (TAXOL) 及び/又はドセタキセル(タキソテル)などのタキサン;
(2)例えばカルボプラチン、シスプラチン及びオキサリプラチンなどのプラチナ配位化合物;
(3)抗体であるEGF阻害剤、例えばHER2抗体(例えばトラスツズマブ(ハーセプチン、Genentech社)、セツキシマブ(エルビツクス、IMC-C225、ImClone Systems社)、 EMD 72000 (Merck KGaA社)、抗EFGRモノクローナル抗体 ABX
(Abgenix社)、TheraCIM-h-R3 (Center of Molecular
Immunology)、モノクローナル抗体 425 (Merck
KGaA社)、モノクローナル抗体ICR-62 (ICR、Sutton社、英国);ハーザイム(Elan Pharmaceutical
Technologies社及びRibozyme
Pharmaceuticals社)、PKI 166 (Novartis社)、EKB 569 (Wyeth-Ayerst社)、GW 572016
(GlaxoSmithkline社)、CI 1033 (Pfizer Global Research and
Development社)、トラスツズマブ-メイタンシノイド結合体(Genentech, Inc社)、ミツモマブ(Imclone Systems 社及びMerck KGaA社) 及び Melvax II
(Imclone Systems 社及びMerck KgaA);
(4)低分子であるEGF阻害剤、例えばタルセバ (TM) (OSI-774、OSI Pharmaceuticals, Inc社)、及びイレッサ (ZD 1839、Astra Zeneca社);
(5)抗体である VEGF阻害剤、例えばベバシズマブ(Genentech, Inc社)及びIMC-1C11 (ImClone Systems社)、DC 101 (ImClone Systems 社製のKDR VEGF 受容体2);
(6)低分子であるVEGFキナーゼ阻害剤、例えばSU 5416 及びSU 6688(両者ともSugen, Inc社製);
(7)エストロゲン受容体アンタゴニスト又は選択的エストロゲン受容体モジュレータ(SERM)、例えばタモキシフェン、イドキシフェン、ラロキシフェン、トランス-2,3-ジヒドロラロキシフェン、レボルメロキシフェン、ドロロキシフェン、MDL 103,323、及びアコルビフェン(Schering
Corp社);
(8)グリーベック(Novartis社)などのABL キナーゼ阻害剤;
(9)CEP-701 (Cephalon社)などのFLT-キナーゼ阻害剤;
(10)CI-1040 (Pfizer社)、AZD 6244 (Array Biopharma社)などのMEK阻害剤;
(11)Nevaxar/Sorafenib
(Bayer/Onyx社)などのRAFキナーゼ阻害剤;
(12)抗腫瘍ヌクレオシド誘導体、例えば5-フルオロウラシル、 ゲムシタビン又はカペシタビン;
(13)BMS-247550
(Bristol-Myers Squibb社)、及びEP0906 (Novartis Pharmaceuticals社)などのエポシロン;
(14)トポテカン(Glaxo
SmithKline社)、及びカンプトサール (Pharmacia社)などのトポイソメラーゼ阻害剤;
(15) ナベルビン (Anvar社及びFabre社、フランス)、ビンクリスチン及びビンブラスチンなどのビンカアルカロイド;
(16)アルファV ベータ3 インテグリンの阻害剤である抗体、例えばLM-609(例えばその開示を引用をもってここに援用することとするClinical Cancer Research, Vol. 6, page 3056-3061, August 2000を参照されたい);及び
(17)熱ショックタンパク質HSP90阻害剤、例えば17-アリルアミノ-17-デメトキシゲルダナマイシン
(17-AAG)
である。
約 3 乃至約 5 mg/m2 (好ましくは約 4 mg/m2)の負荷用量、投与し、その後、処置サイクルの残りの間、一回のサイクル当り1週当り約 2 mg/m2 の維持用量を一回、投与する(通常、サイクルは1乃至4週間である)。ある実施態様では、処置される癌は乳癌である。
(1)一種又はそれ以上(例えば一種)の式1、2、3又は4の化合物と:
(2)タキサンと;
(3)(a)低分子であるEGF阻害剤;(b)抗体であるVEGF阻害剤;及び(c)低分子であるVEGFキナーゼ阻害剤:から成る群より選択される抗新生物薬
を投与するステップを含む。ある実施態様では、タキサンパクリタキセル又はドセタキセルを用いる。別の実施態様では、抗新生物薬をタルセバ、イレッサ、ベバシズマブ、SU5416 又はSU6688から成る群より選択する。処置の長さ、及び式1、2、3又は4の化合物及びタキサンの量及び投与は上の実施態様で解説した通りである。抗体であるVEGF阻害剤は一回のサイクル当り週一回、投与される。低分子であるEGF及びVEGFは通常、一回のサイクル当り毎日投与される。ある実施態様では、抗体であるVEGF阻害剤はタキサンと同じ日に投与されるが、別の実施態様ではタキサンに順次、投与される。低分子であるEGF阻害剤又は低分子であるVEGF阻害剤が、タキサンと同じ日に投与される場合、その投与は、ある実施態様では、タキサンに順次である。EGF又はVEGFキナーゼ阻害剤は一般に約 10 乃至約 500 mg/m2の量、投与される。
デキストロース)であるとよい。
化学療法薬(本発明の化合物と組み合わされる抗新生物薬/微小管影響性薬剤)として用いることのできるクラスの化合物には、限定はしないが:アルキル化剤、抗代謝産物、天然生成物及びそれらの誘導体、ホルモン及びステロイド(合成類似体を含む)、及び合成物質が含まれる、これらのクラス内の化合物の例を以下に挙げる。
PDR, Montvale, N.J. 07645-1742)に解説されている。
ここで用いられる場合、本発明の化合物と併用することのできる微小管影響性薬剤(例えばパクリタキセル、パクリタキセル誘導体又はパクリタキセル様化合物)とは、微小管の形成及び/又は作用に影響することにより、細胞内の有糸核分裂に干渉する、即ち、抗有糸分裂効果を有する、化合物である。このような薬剤は、例えば、微小管安定化性の薬剤であっても、あるいは微小管形成を損なう薬剤であってもよい。
609395)、コルヒチン (NSC 757)、コルヒチン誘導体(例えばNSC 33410)、ドラスタチン10 (NSC 376128)、メイタンシン (NSC 153858)、リゾキシン (NSC 332598)、パクリタキセル (タキソール、NSC 125973)、パクリタキセル誘導体(例えばタキソテル、NSC 608832、チオコルヒチン (NSC
361792)、トリチルシステイン (NSC 83265)、ビンブラスチンスルフェート (NSC 49842)、ビンクリスチンスルフェート (NSC 67574)、エポシロンA、エポシロン、及びジスコデルモリド(Service, (1996) Science, 274:2009を参照されたい)、エストラムスチン、ノコダゾール、MAP4等がある。このような薬剤の例は更に科学及び特許文献に解説されている。例えばBulinski (1997) J. Cell Sci. 110:3055-3064; Panda (1997) Proc. Natl.
Acad. Sci. USA 94:10560-10564; Muhlradt (1997) Cancer Res. 57:3344-3346;
Nicolaou (1997) Nature 387:268-272; Vasquez (1997) Mol. Biol. Cell. 8:973-985;
Panda (1996) J. Biol. Chem. 271:29807-29812を参照されたい。
卵巣及び乳腺腫瘍を含め、薬物不応性腫瘍に対する臨床試験のその効果のために興味が持たれてきた(Hawkins
(1992) Oncology, 6: 17-23, Horwitz (1992) Trends Pharmacol. Sci. 13: 134-146,
Rowinsky (1990) J. Natl. Canc. Inst. 82: 1247-1259)。
vitroでスクリーニングすることができる。例えば、化合物を培養WR21 細胞(株69-2 wap-ras
マウスから得られる)に対し、増殖の阻害について、 及び/又は for 細胞形態の変化について、特に微小管の緊密化について、スクリーニングする。次に、陽性の検査化合物のin vivo スクリーニングをWR21腫瘍細胞を持つヌード・マウスを用いて行うことができる。このスクリーニング法の詳細なプロトコルはPorter (1995) Lab. Anim. Sci., 45(2):145-150に解説されている。
及び/又は 分解の阻害についての検定を含む。微小管構築に関する検定法は、例えばGaskin et al. (1974) J.
Molec. Biol., 89: 737-758に解説されている。米国特許第5,569,720号もパクリタキセル様活性を持つ化合物についての in vitro 及びin vivo検定法を提供する。
有利なことに、本発明は消費者が疾患を処置するために使用するキットも提供する。本キットは、a)本発明の化合物(例えば式1、2、3、又は4の化合物)と薬学的に許容可能な担体、賦形剤又は希釈剤とを含む医薬組成物;及び選択的にb)特定の疾患を処置するために前記医薬組成物を用いる方法を解説した指示、を含む。
カプセルに適応する大きさ及び形状を有することもある。次に、錠剤又はカプセルを該凹部内に適宜配置し、比較的に硬い材料のシートを、凹部が形成された方向とは反対側の箔面で該プラスチック製箔に対して密封する。その結果、錠剤又はカプセルは所望の通り、プラスチック製箔とシートの間の凹部内に個々に密封されるか、あるいはまとめて密封される。好ましくは、シートの長さは、該凹部に手で圧力をかけることにより凹部の位置に開口が形成されて錠剤又はカプセルをブリスタ・パックから取り外せるようなものであるとよい。こうして錠剤又はカプセルを前記開口から取り出すことができる。
化合物1−4は、一般式5:
= H, Z = H,H) のキナーゼ阻害効力は置換基 R1
= CONHR6 (R6 = H 又は CH3、他の置換基 R6
は活性を著しく低下させるか、又は損なう)のときに少なくとも1のオーダーの大きさで向上することを示している。同様な効力及び選択性を1に比較して2−3にもたらすという、特にR1 = CONHCH3 又はCONH2のときのこのような決定的な影響は特許出願WO97/05140では認識されていなかった。更に、好適なR1 置換基と特異的アミノ基 -NHR4
(R4 = H) との組合せが、投薬の安全性及び便利性に関連する大変貴重な医薬上の特性を可能にしつつ、非常な抗増殖効果をもたらすという効果が実証されたことはなかった。
式1−4の化合物の抗腫瘍活性を複数の腫瘍細胞株で、開示WO97/05140の例示化合物の中で最も高いキナーゼ阻害効力を示す公知の化合物6に比較して評価した。癌分野で将来の革新に向けて特に関心が持たれているのは、形質転換後の状態が構成的な受容体活性化とは独立に維持されるような細胞株である。例えばエストロゲン受容体活性化は乳癌で頻繁にあり、タモキシフェン及び同様の化合物に基づく治療の効果はこの発癌性代謝に依存する。また、上皮成長因子(EGF)受容体(HER又はERB受容体)の変異は乳癌及びグリア芽腫ではよくある特徴であり、従ってイレッサ又はタイカーブのような各チロシンキナーゼドメイン阻害剤や、ハーセプチンのようなモノクローナル抗体の標的とされる。これらのアプローチすべてに共通する臨床上の経験は、患者の下位集団のみでの効験であり、この場合有意な当初の腫瘍応答は記録されるが、そのときでも応答者における生存時間の上での向上には限りがある。これらの限界はおそらくは樹立腫瘍における発癌機序の不均一性に関係するのであろう。当初の応答は、標的とされた分子機序が腫瘍においてたまたま優性であった場合にのみ、観察される。しかしながら、これが事実であったとしても、少数の腫瘍細胞集団で現れる発癌機序が最終的には治療下で選択されるようになり、元の腫瘍とは異なる分子機序又はその組合せを持つ再発性腫瘍が樹立し、より長期の生存見込みが制限される。このような状況が幅広いパネルの乳癌細胞株の調査で強調されており、ERB (EGF 受容体) の比較的に頻度の高い構成的活性化ですら、当該パネルの僅かに約 20%を成すだけであった [Konecny
et al., Cancer Res. 66, 1630-1639 (2006)].。合致して、ハーセプチンへの応答者率は余り変わらず、約 30%である。
1)エストロゲン及びEGF受容体の両者から独立であり、タイカーブに対して最も不応性の高い細胞株の一つである、高転移性及び浸潤性のMDA-MB-231 乳癌細胞株。加えて、それはraf-
やras-変異の両方を持つため、MAP-キナーゼ経路の特異的阻害に対して非感受性となっている;
2)主にPTEN (ホスファターゼ/テンシン・ホモログ、PI3K経路) 及びp53の腫瘍サプレッサ活性の消失により駆動されるEGF-受容体独立グリア芽細胞腫細胞株U373;
3)一般にマウス異種移植片モデルにおいて最も課題の多い腫瘍細胞の一つとみなされている結腸癌細胞株HT29。
(gp170) 及び ABC-B1 (BCRP)について取り込み濃度から、より明確に分離していることを示す。従って、腫瘍細胞集団でMDRタンパク質を発現させることによる、処置への耐性発生は、本発明の化合物では予測されない。この利点は、主に、本発明の化合物の効力の高さに負うものであり、従って臨床上の実用性にとって重要である。
Ther. 5, 2606-2612 (2006)]。有意な抗増殖活性が、肺、結腸、脳、皮膚、卵巣、腎臓、前立腺、及び乳癌を由来とするすべての細胞株で見られた(図7a−h)。全ての細胞株にわたって平均 50% の成長阻害 (GI50)
が、公証濃度32 nMにおいてであり、効力範囲は<10 nM 乃至 150 nMだった。化合物1は48時間という検査時間フレームにわたってプラスチック製ウェルに対して有意な吸収を示したため、これらの結果は効力を約 2の因数で過小評価するものである。総成長阻害(TGI)の平均濃度は従って 200
nMであり、即ち GI50の約10倍である。実際の経口用投薬形で、かつ、特別な調合物がなくとも達成することのできるin
vivoでの持続的遊離血漿中濃度の 約 200 nMでは、全ての細胞株は例外なく50%
を超えて阻害され、そして半分を超えるものが、全く成長しないか、あるいは致死させられたであろう(図8)。これらの結果は、発癌性形質転換の精確な機序、あるいは腫瘍の組織起源とは独立に、化合物1−4の幅広い抗腫瘍実用性を強調するものである。
式1の化合物の効験をマウス腫瘍異種移植片モデルでNMRI(nu/nu) 株のマウスを用いて確認した。例えば、ヒト腫瘍細胞株 MDA-MB-231、U373、及びHT29由来の細胞を複数のヌード・マウスで皮下的に予備インキュベートして最も精力的に成長する細胞集団を選抜した。2−3週間の間、充分な大きさに成長させた後に。最も適した腫瘍のうちの約 2 mm3 体積の一片を、移植された組織が高い程度血管化する区域であることが確認されている胸郭乳腺脂肪褥の領域に皮下移植した。腫瘍が約 3 mm の直径に達したとき、ほぼ等しい平均腫瘍サイズの処置群にマウスを振り分けてから、治療を開始した。式1の化合物の投与は、好ましくは連続暴露の間、一日当り経口強制栄養により行われ、用量は式1の化合物を1 乃至10 mg/kg、水中に、又は、ポリエチレングリコール(PEG)などの普通のアジュバントを含有する水性液体調合物に、好ましくは塩酸、リン酸、乳酸、マロン酸、クエン酸等を含む(しかしこれらに限らず)薬学的に適当な酸との塩の形にした固体懸濁液とした。他の適したアジュバントには、限定はしないが、様々な平均分子量のポリビニルピロリドン(ポビドン)がある。処置の経過中、動物の体重及び移植された腫瘍の大きさを1週間に3回、観察した。最大の効験を得るために毎日の処置計画を、処置の経過にわたる有意な体重消失がないことで定義される、適用可能な最大用量で選択した。これらの用量は、用いた各個々のマウス株について別々に最良に決定された。
(2001)]、従ってそれらを低投薬型で用いることができ、そして副作用の場合にも妥当に急速にクリアランスされることにより安全性を高めることができる。
μM という可溶性限界により提供される固有の安全性である。完全に近い抗増殖効験を得、そして経口で良好な生物学的利用能とするのに妥当な溶解速度を得るためにほぼ充分に高い一方で、標的組織でのキナーゼ特異性の分解を妨げるためにin vivo では絶対的な暴露限界を設定する。従って、約80%という中間の血漿中結合と共に、その効力/可溶性比は、式1−4の化合物の、予測され得なかった、しかし絶対的に中心的な特徴である。これらの化合物の、特に化合物1のこのような通常を超えた安全性特徴は、HT29異種移植研究で11匹の動物すべてにおいて連続処置から30日後の心臓、肺、腎臓、肝臓、十二指腸、及び結腸でいずれの臓器毒性も完全になかったことで実証されており、この場合、ほぼ最大の結晶濃度が処置経過中、維持されている。経口投与経路にもかかわらず抗癌剤には通常、大変感受性である十二指腸及び結腸組織の粘膜層で刺激の兆候が何らなかったことは、式1−4の化合物の、長期の処置計画における臨床実用性に向けた特別な物理的−化学的特性の重要性を実証するものである。
式1−4の化合物の調製
式1−4の化合物は、通常の前駆体として、引用をもってここに援用することとするWO97/05140に従って調製される化合物6から調製することができる。ラクタム1及び2は、高温でのそれぞれメチルアミン又は無水アンモニアによるエステル6のアミノ分解により得られる。溶媒としてはジオキサン又はテトラヒドロフランが適する。代替的には、メチルアミン又はアンモニアを加圧容器内で溶媒自体として用いることができる。具体的には、対応するエステルからのラクタム1及びイミド3の調製において、固形シアン化カリウムを有効性の高い触媒として用いることができ、メチルアミンを反応体及び溶媒としてアミノ分解を室温で起こさせると、副産物の形成が抑えられ、従って収率が向上し、精製が大きく容易となる。ピリジン、イミダゾール、4-ジメチル-アミノ-ピリジンなど、エステルのアミノ分解のための多くの他の触媒は遥かに低い収率しか出さず、より広範な精製を要してきた。また、化合物6の加水分解や、その後のメチルアミン及びカルボジイミドなどの縮合剤並びに関連薬剤とのアミド形成により、低い収率しか出せなかった。このように、本発明の別の局面は、NaCNではなくKCNの、化合物6を化合物1に無駄なく転化させる上での予期できなかった特異性である。
and Peter, Tetrahedron 52, 1235-1238 (1996)]を、塩化メチレン付加物としてWO97/05140に従って調製した(6では86%)。60.5 mg (0.112 mmole) の6及び15 mg のKCNの混合物を圧力フラスコ内に配置し、そこへ5mlのメチルアミンを-78°Cで縮合させた。この混合物を室温まで温めて溶解させ、遮光下で110時間、攪拌し、それまでにTLC (シリカゲル、塩化メチレン/メタノール 95:5)に従い、開始物質 (Rf = 0.28) を生成物1(Rf
= 0.25)に完全に転化させておいた。溶媒を蒸発させ、無色の固形残渣を1.5 x 20 cm シリカゲル・カラム上で塩化メチレン/メタノール96:4 を溶出剤としてクロマトグラフィした。溶媒の蒸発後、49 mg (81%)の99.5% (1H-NMR) を超える純度の1が得られた。
シグナルにより部分的に不明瞭);
5.01 (2H, dd, ラクタム-CH 2-NH-CO); 7.03 (1H, m, グリコシド -O-CH-N-); 7.27 (1H, t, arom.H); 7.38 (1H, t, arom.H); 7.49 (2H, m, arom.H); 7.85 (1H, d, arom.H); 8.07 (1H, d, arom.H); 8.23 (1H, d, arom.H); 8.32 (1H, m, CO-NH-CH3); 8.64 (1H, bs, ラクタム-NH-CO-); 9.22 (1H, d, arom.H). MS (ESI) m/e 466 [M+H]+
mg (0.103 mmole) の6(86%)の塩化メチレンとの溶媒和化合物を 5 ml ジオキサンに溶解させ、テフロン(登録商標)で内張りした坑底圧測定器内に配置した。5 ml の無水アンモニアをこの容器内に-78°Cで縮合させた。この混合物を坑底圧測定器内で攪拌しながら100°C まで、24時間、加熱した。アンモニアを室温でゆっくり蒸発させると、残った暗い黄色の溶液を真空下で蒸発させて乾燥させた。出来た黄色の固体を数mlの塩化メチレン/メタノール9:1中に再懸濁させた。溶解しなかった物質をろ過で取り除き、できた溶液を、いくらかより多い塩化メチレン/メタノール9:1を入れた短いシリカゲル・カラムを通してろ過した。ろ過物を真空下で蒸発させて27 mg の黄色の粗生成物を得、これを更にフラッシュ・クロマトグラフィで、塩化メチレン/メタノール95:5を溶出剤にした1.5 x 20 cm シリカゲル・カラムを通して精製した。 TLC (シリカゲル;塩化メチレン/メタノール 95:5, Rf = 0.21) により、純粋な生成物を含有する画分を蒸発させると、6.8 mg (14%) の98% を超える純度 (1H-NMR) の化合物2が得られた。
H2O シグナルにより部分的に不明瞭);
5.01 (2H, dd, ラクタム -CH 2-NH-CO); 7.03 (1H, dd, グリコシド-O-CH-N-); 7.27 (1H, t, arom.H); 7.37 (1H, t, arom.H); 7.48 (2H, m, arom.H); 7.63 (1H, bs, CO-NH 2); 7.79 (1H, bs, CO-NH 2); 7.86 (1H, d, arom.H); 8.07 (1H, d, arom.H); 8.23 (1H, d, arom.H); 8.64 (1H, bs, ラクタム -NH-CO-); 9.21 (1H, d, arom.H). MS (ESI) m/e 452 [M+H]+
実施例3: MDA-MB-231 ヒト乳癌細胞の長期成長阻害
ヒトエストロゲン受容体及びEGF受容体陰性MDA-MB-231 (HTB 26)乳癌細胞株(米国ロックビル、ATCCから入手)をL-グルタミン、2.2 g/l NaHCO3 及び5 % ウシ胎児血清を含有するマッコイの5A培地で培養した。細胞を75-cm2
培養フラスコに入れた37°Cの大気(95 % 空気 / 5 % 二酸化炭素)で飽和させた水中に維持し、0.05% トリプシン/0.02% EDTAを用いたトリプシン処理後に順に継代させた。
HT29 ヒト結腸癌細胞株(米国ロックビル、ATCCから入手)を上述の通り、培養した。式1の化合物による処置及び成長阻害の分析を実施例3と同じに行った。
EGF受容体独立U373ヒトグリア芽細胞腫細胞株(米国ロックビル、ATCCから入手)を上述の通り、培養した。式1の化合物による処置及び成長阻害の分析を実施例3と同じに行った。
血清試料及び脳ホモジネートから再抽出された化合物1について、内側標準として関連化合物2を用いて標準曲線を確立した。マウス又はヒト血液から調製された200μl 血清試料と、0.2g マウス脳組織を 0.3 ml 飽和NaCl溶液に容れたホモジネートとに、10nM, 30nM、100nM、300nM、1μM、3μM の範囲の濃度の化合物1を内部標準としてDMSO (最終DMSO は2%を超えず)に入れた500nM の化合物2と混合したものを加えた。血清及びホモジネート試料を100μlの濃度のアンモニアに混合し、200μl の飽和NaCl溶液を該血清試料に加えた。化合物2及び内部標準1をそれぞれ2mlのエチルアセテートで1分間、よくボルテックスすることにより2回、再抽出した。配合した有機抽出物を SpeedVacで蒸発させ、300μl の 40% 水/60% メタノール (0.1% ギ酸)中に取った。45℃の 3.5μM Zorbox 300SB-C8 2.1x150mm カラム上の逆相HPLCにより試料を分析した。溶出は75μl/分の流速で行われ、3分間、60:40 メタノール/水 (0.1% ギ酸)で定組成溶出させた後、36:64まで7分間、勾配にし、そして10:90 メタノール/水 (0.1% ギ酸)まで10分間、勾配にした。検出は、分析物1については親分子量を466とし、そして内部標準2については452として、それぞれ310 及び312 質量のフラグメントのMS/MSにより行われた。比は、線形回帰により確定された標準曲線として表にされた。分離した線形回帰適合を高い(0.1 - 3μM) 及び低い(10 - 300nM)範囲の1濃度について行った。
前もって10mM PBS に対して透析した200μl のヒト又はマウス血清試料を96ウェル・マイクロ平衡透析装置の5 kDa カットオフのメンブレンの一方の側上に配置した。10mM PBS (2% DMSO)中30nM、100nM、300nM、1μM 及び 3μMの濃度にした化合物1の200μl アリクォートの溶液を他方の側の上に配置した。血清試料のコントロール透析を10mM PBS (2% DMSO) に対して行って、該血清試料の低分子量蛍光性不純物をについて補正をするのみとした(ブランク・コントロール)。1のウェル及びメンブレン材料への非特異的結合についてコントロールとし、そして平衡終了のコントロールとするために、上記の濃度の1の10mM PBS (2% DMSO) 溶液も10mM PBS のみに対しても透析した。
充実腫瘍を樹立するために、100 μl の無血清培地 (RPMI) に懸濁させた3 x 106 腫瘍細胞を8−10週齢の5匹のオスの NMRI(nu/nu) マウスの胸郭乳腺脂肪褥の領域に皮下的に接種した。3−4週後に腫瘍担持マウスを頚部脱臼によりと殺し、一匹選択されたドナー・マウスの腫瘍を無菌条件下で切り出した。生命力ある腫瘍領域を2 mm3 の切片に切断し、トロカールtrocar (13 ga)で取り、同じストックのNMRI(nu/nu)に皮下移植した。移植された組織の腫瘍等級を慣例的な組織検査 (HE 染色)でチェックした。腫瘍成長及び体重は、腫瘍樹立中、毎週、登録された。皮下の腫瘍が約3 mm の直径に達したときに動物を無作為に、それぞれ10−12匹の動物から成る処置群及び賦形剤コントロール群に割り振り、一日に二度、2.5 mg/kg の化合物1を50mM (-)-乳酸の 50% ポリエチレングリコール400溶液の賦形剤に入れたものの経口強制栄養により投与するステップを含む治療計画を開始した。処置の経過中、体重の変化及び腫瘍成長を1週間に3回、記録した。成長曲線を標準偏差と共に表にし、有意差を図11の独立t検定を用いて判定した。非処置マウスでは、腫瘍の面積は9日後、約150%成長しており、他方、処置群では、平均腫瘍面積は約50%しか、成長していなかった (P = 0.012)。30日後、処置マウスの腫瘍サイズは、体重にいずれの有意な影響もないまま、70% 減少していた(P = 0.004)。
Claims (23)
- 前記活性化キナーゼ経路がERKである、請求項2に記載の方法。
- 前記癌が:乳癌、結腸癌、神経膠腫、黒色腫、前立腺癌、卵巣癌、腎臓癌、膀胱がん、頭部及び頚部の癌、骨の癌、上皮癌、すい臓癌、食道癌、胃癌、肺癌、骨髄性白血病、甲状腺小胞性腫瘍、脊髄異形成性症候群、非ホジキンリンパ腫、及び多発性骨髄腫から成る群より選択される、請求項5に記載の方法。
- 前記癌が:肺癌、結腸癌、脳の癌、黒色腫、卵巣癌、腎臓癌、前立腺癌及び乳癌から成る群より選択される、請求項5に記載の方法。
- 前記癌が乳癌、結腸癌、又は神経膠腫である、請求項5に記載の方法。
- 前記癌が、細胞表面受容体チロシンキナーゼ(RTK)又は他の上流シグナル伝達タンパク質をコードする遺伝子の発癌性変異の結果であるMAPタンパク質キナーゼの活性化に関連する、請求項8に記載の方法。
- 前記MAPタンパク質キナーゼが細胞外シグナル調節キナーゼ-2 (ERK-2) 及び/又は 細胞外シグナル調節キナーゼ-1
(ERK-1)であり、そして前記他の上流シグナル伝達タンパク質がRaf 又はRas タンパク質である、請求項9に記載の方法。 - 前記化学療法薬が抗新生物薬であり、そして前記新生物薬が:タキサン;プラチナ配位化合物;EGF)阻害剤;VEGF阻害剤;ALK阻害剤、ABLキナーゼ阻害剤;FLT-キナーゼ阻害剤、MEK阻害剤、Rafキナーゼ阻害剤;エストロゲン受容体アンタゴニスト又は選択的エストロゲン受容体モジュレータ;抗腫瘍ヌクレオシド誘導体;エポシロン;トポイソメラーゼ阻害剤;ビンカアルカロイド;α-インテグリンの阻害剤;葉酸アンタゴニスト;リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤;アントラサイクリン;17-アリルアミノ-17-デメトキシゲルダナマイシン;生物薬;及びサリドマイド又はその誘導体から成る群より選択される、請求項11に記載の方法。
- 前記EGF阻害剤及び前記VEGF阻害剤が抗体又は低分子である、請求項12に記載の方法。
- 少なくとも二種の抗新生物薬を投与するステップを含み、前記少なくとも二種の抗新生物薬がタキサン及びプラチナ配位化合物である、請求項12に記載の方法。
- 前記タキサンがパクリタキセルであり、そして前記プラチナ配位化合物がカルボプラチンであり;あるいは(b)前記タキサンがパクリタキセルであり、そして前記プラチナ配位化合物がシスプラチンであり;あるいは(c)前記タキサンがドセタキセルであり、そして前記プラチナ配位化合物がシスプラチンであり;あるいは(d)前記タキサンがドセタキセルであり、そして前記プラチナ配位化合物がカルボプラチンである、請求項14に記載の方法。
- 前記抗新生物薬が:ハーセプチン、セツキシマブ、タイカーブ、タルセバ、イレッサ、ベバシズマブ、IMC-1C11、SU5416、及びSU6688から成る群より選択される、請求項12に記載の方法。
- 前記処置が:トラスツズマブ、ラパチニブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、及びボルテゾミブから成る群より選択される化学療法薬の投与を含む、請求項17に記載の方法。
- 前記対象がヒトである、上記請求項のいずれかに記載の方法。
- 少なくとも一種の化学療法薬を更に含む、請求項20に記載の医薬組成物。
- (a)それぞれが式1、2、3又は4の化合物と薬学的に許容可能な担体とを含む錠剤を含む医薬組成物と、
(b)前記医薬組成物を封入した梱包材料と、
(c)癌の処置を要する対象のこのような処置における前記医薬組成物の使用のための指示と
を含むキット。
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