JP2010510200A - ブドウ球菌感染症の治療のためのクロトリマゾール - Google Patents
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Abstract
メチシリン耐性ブドウ球菌種が原因又は一因となる感染症の治療のためのクロトリマゾール、即ち1−[(2−クロロフェニル)ジフェニルメチル]−1H−イミダゾール(C22H17ClN2)、及びその誘導体を開示する。また、メチシリン耐性ブドウ球菌種が原因又は一因となる感染症をわずらう患者を治療する方法であって、クロトリマゾール及びその誘導体を有効量投与するステップを備える方法を開示する。
【選択図】なし
【選択図】なし
Description
本発明は、多剤耐性の細菌種が原因又は一因となる感染症の治療のための薬剤及び方法を提供する。
薬剤耐性の微生物、特に細菌は、その感染率が上昇し続けており、その効果的な抑制方法がますます限られてきていることから、問題が一層深刻化している。過去50年ほどにわたる抗生物質の大量使用に加え、抗生物質のむやみな処方や患者による治療計画不履行により、抗生物質の効き目に打ち勝つ方法を獲得ないし習得した微生物が選び抜かれることとなった。薬剤耐性生物の伝染及び抑制は、医療において最も重大な問題の一つになってきている。
特に留意すべきは、例えばメチシリン(methicillin、meticillin)等の抗生物質に対して様々なレベルの耐性を習得ないし獲得したブドウ球菌株である。これらの菌株は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)として一般に知られている。更に、例えば表皮ブドウ球菌等のコアグラーゼ陰性ブドウ球菌も、重要な院内病原体として出現した。医療器具関連感染症からの表皮ブドウ球菌分離株の約80%が、メチシリン耐性(MRSE)であるだけでなく、多耐性でもある。表皮ブドウ球菌が複数の抗生物質に対して耐性があり、不活性表面にバイオフィルムを形成する能力を有することから、これらの生物が原因となる感染症を治療しようとする試みに悪影響が生じる。ブドウ球菌種によるメチシリン耐性の習得は、現在利用可能な全てのβ−ラクタム抗生物質の使用を妨げるだけでなく、通常、複数の薬剤クラスに対する耐性を伴う。
若齢、高齢及び免疫無防備状態の人や患者は、メチシリン耐性ブドウ球菌株による感染症に罹患する危険性が最も高い傾向にある。したがって、メチシリンブドウ球菌等の薬剤耐性微生物が原因又は一因となる持続性の感染症は、抗生物質の頻用により薬剤耐性微生物の生存に特に適した環境が創出された病院及び/又は診療所において罹患することが多い。更に、市中感染型MRSA(cMRSA)も、例えば公共のジムやスポーツセンター等の公共ないし社交の場において伝染しており、問題が深刻化していると現在認識されている。
MRSA及びMRSEは、遺伝子型でも表現型でも他のブドウ球菌とは区別され、別個のクローン系統を形成する傾向にある。これらの菌株が病原性決定因子や耐性決定因子を担う大型可動性遺伝因子を獲得した結果として、複数の薬剤に通常耐性のあるブドウ球菌が発生する。耐性は、特異的、即ち、特定の薬剤又は薬剤のクラスに特有である場合もあれば、必ずしも関連性のない種々の薬剤に耐性があるというように非特異的な場合もある。メチシリン耐性ブドウ球菌は、mecA遺伝子を内包するブドウ球菌と定義することができる。この遺伝子が発現すると、現在利用可能な全てのβ−ラクタム抗生物質に対して耐性を授与するPBP2aが産出される。当該遺伝子又はタンパク質産物の有無は、それぞれ、ポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)又はラテックス凝集法により検出することができる。mecA遺伝子及びその調節因子は、多くの場合他の耐性遺伝子や病原性遺伝子を担う大型のDNAエレメント(SCCmec)上に存在する。メチシリン耐性ブドウ球菌種が原因となる感染症の管理は、上記遺伝子型及び表現型の違いを反映しており、ブドウ球菌の他の菌株とは異なる病院インフラや患者隔離設備や感染抑制対策に、より大きな投資を要する。
従来、グリコペプチド抗生物質であるバンコマイシンが、MRSA感染症の治療のために用いられている。しかし、とりわけ経口吸収が少ないという点で不都合である。また、バンコマイシンは、抗ブドウ球菌性のペニシリンと比べると、その薬効に関して劣っていることも知られている。したがって、現在、例えばMRSA及びMRSE等のメチシリン耐性細菌が一因又は原因となる感染症に対する治療の選択肢は限られており、上記の如き生物を阻止し若しくは死滅させる新規な化合物を至急に見出す必要がある。
非特許文献1において、リーらは、ミコナゾールのMRSAに対する最小発育阻止濃度が0.78μg/mlであると推定されると報告した。しかし、上記ミコナゾールの対MRSA活性は、親油性α−トコフェロール(ビタミンE)によって完全に抑制されてしまっていた。
本発明の目的は、メチシリン耐性ブドウ球菌が原因又は一因となる感染症のための新規且つ効果的な治療剤/治療法を提供することにある。
リーほか、「ジャーナル オブ マイクロバイオロジー アンド バイオテクノロジー(J.Microbiol.Biotechnol.)」、1999年、第9号、p.572〜575
第1の態様において、本発明は、メチシリン耐性ブドウ球菌種が原因又は一因となる感染症の治療のための、クロトリマゾール又はその誘導体を提供する。
本発明は、例えば黄色ブドウ球菌及び/又は表皮ブドウ球菌等の、ブドウ球菌のうちメチシリン耐性菌株が原因又は一因となる感染症を治療するためのクロトリマゾールを包含する。このような菌株は、一般に、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)又はメチシリン耐性表皮ブドウ球菌(MRSE)として知られうる。MRSA及びMRSEは、メチシリンに耐性があるものとして定義することができる一方で、他の種類の抗生物質−−特に、例えばフルクロキサシリンやオキサシリン等のβ−ラクタム科に属するもの−−にも耐性があってもよい。なお、本発明が包含するブドウ球菌株は、本明細書に不記載の他の抗生物質に対して耐性を有していてもよい。
本発明の驚くべき態様によれば、治療上効果のある数多くの市販のイミダゾールのうち、クロトリマゾールのみが、メチシリン耐性ブドウ球菌種が原因又は一因となる感染症の治療において効き目があることが分かった。表2に示すように、我々は、例えばケトコナゾール等の、ミコナゾールに構造上より密接に関連している他のイミダゾールが、ブドウ球菌種の発育を阻止しなかったことを見出した。
更に、本発明は、クロトリマゾール及びクロトリマゾールの誘導体の各種塩及び治療効果のある付加塩−−特に、硝酸クロトリマゾール(C22H17ClN2・HNO3)−−を使用することをも包含する。
本明細書に記載した化合物の対応する溶媒和物を調製、精製、及び/又は取り扱うのが便利であったり望ましかったりする場合がある。当該溶媒和物は、ここに記載した用途ないし方法のいずれにおいても使用することができる。本明細書において、「溶媒和物」との文言は、例えば化合物又は当該化合物の塩等の溶質と、溶媒との複合体を意味するものとして使用される。溶媒が水の場合、その溶媒和物は、水和物−−例えば、基体一分子あたりの水分子の数に応じて、一水和物、二水和物、三水和物等−−と呼ぶことができる。
更に、第2の態様において、本発明は、メチシリン耐性ブドウ球菌種が原因又は一因となる感染症をわずらう対象を治療する方法であって、クロトリマゾール又はその誘導体を含む化合物を有効量投与するステップを備える方法を提供する。
更に、本発明は、メチシリン耐性ブドウ球菌種が原因又は一因となる感染症を治療する方法であって、クロトリマゾール又は硝酸クロトリマゾールを有効量投与するステップを備える方法を包含する。
有利なことに、クロトリマゾール及び/又はその誘導体を含む化合物は、経口的に、又は感染部位に対して局所的に投与することもできるし、静脈内投与も可能である。したがって、クロトリマゾール及び/又はその誘導体を含む化合物は、アルギナート又はポリラクチド−コ−グリコリドのナノ粒子等の高分子ナノ粒子として、あるいは製薬学的に許容される担体又は賦形剤を含む滅菌された医薬組成物として調剤することができる。そのような担体又は賦形剤は、当業者にはよく知られており、例えば、水、生理食塩水、ホスフェート緩衝生理食塩水、デキストロース、グリセリン、エタノール、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清アルブミン等の血清タンパク質、ホスフェート等の緩衝物質、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、植物性飽和脂肪酸の部分グリセリド混合物、乳酸、硫酸プロタミン等の水溶性塩ないし電解質、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、スルホブチルエーテル7−β−シクロデキストリン及びヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン等のシクロデキストリン、セルロース系物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、蝋、ポリエチレン−ポリプロピレン−ブロックポリマー、ポリエチレングリコール及び羊毛脂等、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。
クロトリマゾールは、経口投与後にヒトによく吸収され、また、主として不活性代謝産物として排出される。クロトリマゾールを1.5〜3gの投与量で経口投与したとき、半減期は3時間程度であった。クロトリマゾールによる多耐性ブドウ球菌感染症の治療のためには、1日1回又は2回の経口投与が適している場合がある。投与した量の1%未満が、6時間後に活性薬剤として尿中で検出された。
多耐性ブドウ球菌の治療のためには、例えばクロトリマゾールを10mg/ml(1%)含有するクロトリマゾール局所溶液が適しているだろう。無傷の皮膚及び急性炎症を起こした皮膚にクロトリマゾール1%のクリーム及び1%の溶液を塗布してから6時間後、クロトリマゾール濃度は、角質層では100μg/cm3、網状層では0.5〜1μg/cm3、皮下組織では0.1μg/cm3とバラツキがあった。多剤耐性ブドウ球菌感染症の治療のためには、朝夕の1日2回、クロトリマゾール局所溶液を皮膚の患部及び周辺部位に十分量、優しくマッサージすることが推奨される。
クロトリマゾール又はその誘導体を含む化合物は、他の治療剤と組み合わせて投与することができる。例えば、クロトリマゾール及び/又はその誘導体を含む化合物は、抗生物質耐性が生じる可能性を低減するために、例えば、バンコマイシン等の他の抗生物質、又は抗カビ性若しくは抗ウイルス性の薬剤若しくは化合物と組み合わせて投与してもよい。上記に加えて、あるいは上記に代えて、クロトリマゾール及び/又はその誘導体は、化学療法剤、免疫促進性の化合物又は薬剤、オリゴヌクレオチド、サイトカイン、ホルモン等と組み合わせて投与してもよい。
クロトリマゾール及び/又はその誘導体又は上記レジメンを任意に組み合わせたものを含む化合物は、例えば何らかの経皮的送達手段により経皮投与することが可能な場合がある。当該手段は、例えば経口薬や静注薬と比べて長期にわたる治療を可能とし得るため、特に抗生物質化合物の投与に関しては便利である。
経皮的送達手段の例としては、例えば、患者の皮膚を通じて化合物ないし物質を放出するのに適したパッチ、外傷用医薬材料、包帯、絆創膏等が挙げられる。当業者であれば、化合物や物質の経皮的な送達に使用し得る材料や技術を熟知しているであろう。経皮的送達手段の例は、英国特許第2185187号、米国特許第3249109号、米国特許第3598122号、米国特許第4144317号、米国特許第4262003号及び米国特許第4307717号に提供されている。
一例として、クロトリマゾール及び/又はその誘導体は、経皮的送達システムでの使用に適するように、例えば非水系の高分子担体等の何らかのマトリックスないし基質と組み合わせてもよい。クロトリマゾール(及び/又はその誘導体)とマトリックスないし基質との混合物は、患者の体の特定領域に一時的に取り付けることのできるパッチ、包帯、絆創膏等を製造するために、織布、ニット、不織布や、比較的目の粗いメッシュの布を用いることにより、更に強化することができる。これにより、経皮的送達手段は、患者の皮膚と接触している間、必要に応じて感染部位に対して直接的に、あるいは皮膚を通じて、化合物又は物質を放出する。
有利なことに、本明細書に記載した薬剤及び/又は方法は、メチシリン耐性ブドウ球菌種−−特に、例えばMRSA又はMRSE−−に対して無防備な、あるいはその発症や罹患の「危険にさらされている」人や患者を収容したり、宿らせたり、看護したり、その他の方法で収める施設において特に適用され得る。上記薬剤及び方法は、病院、診療所、託児施設及び/又は学校において特に有用となり得る。より一般的には、高齢、若齢又は免疫無防備状態の人や患者は、本明細書に記載した薬剤及び方法により特に利益を受け得る。更に、本発明の方法及び薬剤は、病院−−例えば集中治療設備−−において長期滞在している者にとって特に有用となり得る。
上記に加えて、あるいは上記に代えて、本明細書に記載した薬剤及び方法は、細菌−−特にメチシリン耐性ブドウ球菌種−−の伝染が起こりやすい、コミュニティーセンター、スポーツ施設、店舗、飲食店、カフェや、その他の場所において有用となり得る。
更なる実施形態において、本明細書に記載した方法及び薬剤は、メチシリン耐性ブドウ球菌種が原因又は一因となる感染症の発症を防ぐ手段として予防的に用いてもよい。予防的に使用される薬剤及び/又は方法は、メチシリン耐性ブドウ球菌種が原因又は一因となる感染症を発症する危険性のあるあらゆる人に対して投与ないし適用されうる。例えば、介護施設、診療所、スポーツセンター、コミュニティーセンター、店舗、飲食店、カフェ、託児施設及び/又は学校で働く人は、予防的な処置を必要とする場合がある。
本願が提供する化合物は、例えばMRSA又はMRSE等のメチシリン耐性ブドウ球菌種による汚染を軽減及び/又は除去するために、例えば表面の上で使用するための殺菌用又は洗浄用の助剤として用いることもできる。一例として、例えばクロトリマゾール等のクロトリマゾール又はその誘導体は、メチシリン耐性ブドウ球菌種の汚染が疑われる任意の表面に塗布するために調製可能である。例えば、本発明の化合物は、殺菌剤又は洗浄剤として使用する前に、適当な賦形剤又は溶液に加えたり、当該液中で希釈したりすることができる。賦形剤の例は上述した通りである。このような殺菌液又は洗浄液は、例えば、家具や床、あるいは、特殊な病院器具及び/又は手術器具等を含む器具の除染のために用いることができる。
特に、本発明は、メチシリン耐性ブドウ球菌種に対する抗菌剤の製造においてクロトリマゾール又はその誘導体を使用することに関する。
更なる実施形態において、本明細書に記載した化合物は、体の一部−−特に、手等−−に付着したメチシリン耐性ブドウ球菌種による汚染を除去及び/又は軽減するために用いることができる。クロトリマゾール及び/又はその誘導体は、例えば手等の体の一部に塗布可能な水溶液又は非水溶液として希釈すること(水性、非水系、又は有機系溶媒に溶解すること)ができる。このような溶液は、メチシリン耐性ブドウ球菌種の罹患率及び伝染率が高いことの多い、例えば病院、介護施設及び/又は託児施設等において特に適用され得る。
==方法==
実施例の実験において、クロトリマゾールをメタノールに溶解させた。使用可能な他の溶媒としては、ヒマシ油、ピリジン、DMSO及び0.9%の生理食塩水が挙げられる。静脈内投与のために、薬剤を、ポリエトキシル化したヒマシ油、又は、スルホブチルエーテル7−β−シクロデキストリン若しくはヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン等のシクロデキストリン、及び乳酸において可溶化することができる。以下に簡単に説明するBSAC(英国抗菌薬化学療法学会、British Society for Antimicrobial Chemotherapy)のガイドラインに従って、様々な臨床細菌生物及び対照細菌生物の最小発育阻止濃度(MIC)を測定した。
実施例の実験において、クロトリマゾールをメタノールに溶解させた。使用可能な他の溶媒としては、ヒマシ油、ピリジン、DMSO及び0.9%の生理食塩水が挙げられる。静脈内投与のために、薬剤を、ポリエトキシル化したヒマシ油、又は、スルホブチルエーテル7−β−シクロデキストリン若しくはヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン等のシクロデキストリン、及び乳酸において可溶化することができる。以下に簡単に説明するBSAC(英国抗菌薬化学療法学会、British Society for Antimicrobial Chemotherapy)のガイドラインに従って、様々な臨床細菌生物及び対照細菌生物の最小発育阻止濃度(MIC)を測定した。
<寒天プレート及び液体培地の調製>
以下の式に従って各薬剤の原液を調製した。
1000/P×V×C=W
以下の式に従って各薬剤の原液を調製した。
1000/P×V×C=W
ここで、
Pは、mgあたりの活性化合物のμgであり(μg/mg)、
Vは、必要な容量(mL)であり、
Cは、溶液の最終濃度(mg/L)であり、
Wは、容量V(mL)に溶解させる薬剤の重量(mg)である。
Pは、mgあたりの活性化合物のμgであり(μg/mg)、
Vは、必要な容量(mL)であり、
Cは、溶液の最終濃度(mg/L)であり、
Wは、容量V(mL)に溶解させる薬剤の重量(mg)である。
原液は、1000mg/L及び100mg/Lの濃度で調製した。(溶解寒天20mLを加えた後に)以下の最終濃度となるように、各原液を適当量、それぞれ別のペトリ皿に加えた:128、64、32、16、8、4、2、1、0.5、0.25、0.12、0.06、0.03、0.015mg/L。
各ペトリ皿に、冷ました溶解アイソ−センシテスト(IST)寒天(Oxoid社)を所定量(20mL)加え、撹拌により混合した。
乾燥後、各プレートを4℃で保存し、遮光した。プレートは、調製したその日に使用した。
<接種材料の調製>
試験生物を、IST液体培地5mL中で一晩発育させた。0.9%の生理食塩水中、グラム陰性生物については1:500、グラム陽性生物については1:100の希釈液を使用し、しかるべき寒天プレートに多点接種器を用いて接種した。
試験生物を、IST液体培地5mL中で一晩発育させた。0.9%の生理食塩水中、グラム陰性生物については1:500、グラム陽性生物については1:100の希釈液を使用し、しかるべき寒天プレートに多点接種器を用いて接種した。
<培養>
各プレートを37℃で18〜20時間、空気中で培養した。
各プレートを37℃で18〜20時間、空気中で培養した。
<結果の説明>
MIC(最小発育阻止濃度)とは、視認できる細菌の発育が起こらない抗生物質の最小量である。極小さな単一のコロニーや、かすかな濁りは、「発育」としてカウントしなかった。
MIC(最小発育阻止濃度)とは、視認できる細菌の発育が起こらない抗生物質の最小量である。極小さな単一のコロニーや、かすかな濁りは、「発育」としてカウントしなかった。
==結果==
クロトリマゾールは、表皮ブドウ球菌及び種々の臨床MRSA株に対して良好な活性を示した(表1)が、グラム陰性生物に対しては大した活性を示さなかった。関連する他のイミダゾールは、試験に供した菌株のいずれの発育も阻止しなかった(表2)。
クロトリマゾールは、表皮ブドウ球菌及び種々の臨床MRSA株に対して良好な活性を示した(表1)が、グラム陰性生物に対しては大した活性を示さなかった。関連する他のイミダゾールは、試験に供した菌株のいずれの発育も阻止しなかった(表2)。
Claims (28)
- クロトリマゾール、即ち1−[(2−クロロフェニル)ジフェニルメチル]−1H−イミダゾール(C22H17ClN2)、及びその誘導体であって、メチシリン耐性ブドウ球菌種が原因又は一因となる感染症の治療のためのクロトリマゾール。
- 前記メチシリン耐性ブドウ球菌種は、MRSA及びMRSEからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載のクロトリマゾール。
- 前記メチシリン耐性ブドウ球菌種は、MRSA及びMRSEのうち一つ以上であることを特徴とする、請求項3に記載のクロトリマゾール。
- 前記クロトリマゾール誘導体は、塩であることを特徴とする、請求項1に記載のクロトリマゾール。
- 前記塩は、硝酸塩であることを特徴とする、請求項4に記載のクロトリマゾール。
- 前記クロトリマゾールは、クロトリマゾール及び硝酸クロトリマゾールからなる群から選択されることを特徴とする、請求項4に記載のクロトリマゾール。
- 前記クロトリマゾールは、経皮投与に適していることを特徴とする、請求項1に記載のクロトリマゾール。
- 前記クロトリマゾールは、付加的な治療剤と組み合わせて投与するのに適していることを特徴とする、請求項1に記載のクロトリマゾール。
- 前記付加的な治療剤は、抗生剤、抗カビ剤、抗ウイルス剤、化学療法剤、免疫促進剤、オリゴヌクレオチド、サイトカインとホルモンのうち一つ以上から選択されることを特徴とする、請求項8に記載のクロトリマゾール。
- 前記方法は、クロトリマゾールを予防的に使用することを含むことを特徴とする、請求項1に記載のクロトリマゾール。
- メチシリン耐性ブドウ球菌種が原因又は一因となる感染症をわずらう患者を治療する方法であって、クロトリマゾール及びその誘導体を有効量投与するステップを備える方法。
- 前記メチシリン耐性ブドウ球菌種は、MRSA及びMRSEからなる群から選択されることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
- 前記メチシリン耐性ブドウ球菌種は、MRSA及びMRSEのうち一つ以上であることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
- 前記クロトリマゾール誘導体は、塩であることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
- 前記塩は、硝酸塩であることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
- 前記クロトリマゾールは、クロトリマゾール及び硝酸クロトリマゾールからなる群から選択されることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
- 前記クロトリマゾールは、経皮投与に適していることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
- 前記クロトリマゾールは、付加的な治療剤と組み合わせて投与するのに適していることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
- 前記付加的な治療剤は、抗生剤、抗カビ剤、抗ウイルス剤、化学療法剤、免疫促進剤、オリゴヌクレオチド、サイトカインとホルモンのうち一つ以上から選択されることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
- 前記方法は、クロトリマゾールを予防的に使用することを含むことを特徴とする、請求項11に記載の方法。
- メチシリン耐性ブドウ球菌種に対する抗菌剤の製造における、クロトリマゾール及びその誘導体の使用。
- 前記メチシリン耐性ブドウ球菌種は、MRSA及びMRSEからなる群から選択されることを特徴とする、請求項21に記載の使用。
- 前記メチシリン耐性ブドウ球菌種は、MRSA及びMRSEのうち一つ以上であることを特徴とする、請求項22に記載の使用。
- 前記イミダゾール誘導体は、塩であることを特徴とする、請求項21に記載の使用。
- 前記塩は、硝酸塩であることを特徴とする、請求項24に記載の使用。
- 前記イミダゾールは、クロトリマゾール及び硝酸クロトリマゾールからなる群から選択されることを特徴とする、請求項24に記載の使用。
- 前記抗菌剤は、殺菌剤又は洗浄剤であることを特徴とする、請求項21に記載の使用。
- 添付の実施例を参照して概ね上記にて説明したクロトリマゾール、方法又は使用。
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