JP2010509824A - 偏波ダイバーシティを有する電気的傾斜アンテナシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】偏波ダイバーシティを有する電気的傾斜アンテナシステム、すなわち、偏波ダイバーシティ及び電気的傾斜機能を有する位相配列アンテナシステムを提供する。
【解決手段】偏波ダイバーシティを有する電気的傾斜アンテナシステムは、二重偏波の傾斜調節可能アンテナを有する。アンテナは、独立して調節可能な電気的傾斜角に関連付けられた2つの直交する偏波の双極子を有する。傾斜角は、共同給送器の入力又は出力信号間の相対遅延によって実施され、これらの遅延は、アンテナ傾斜アセンブリによって導入される。異なるアンテナ偏波に関連付けられた2つの信号給送器は、アンテナ傾斜アセンブリを基地局フィルタアセンブリに接続し、基地局フィルタアセンブリは、基地局からの送信信号をそれぞれの給送器及びアンテナ傾斜アセンブリを通じて異なるアンテナ偏波へと経路指定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、偏波ダイバーシティを有する電気的傾斜アンテナシステム、すなわち、偏波ダイバーシティ及び電気的傾斜機能を有する位相配列アンテナシステムに関する。それは、遠距離通信、例えば、一般的に移動電話ネットワークと呼ばれるセルラー移動無線ネットワークに用いられるもののような多くのアンテナシステムに関連する。そのようなネットワークは、GSMのようなセルラー無線規格によって実施される第2世代(2G)移動電話ネットワーク、「ユニバーサル移動電話システム(UMTS)」のようなセルラー規格によって実施される第3世代(3G)移動電話ネットワークを含む。他のセルラー無線規格は、IS95及びWCMA2000を含む。
一般的に従来のセルラー無線ネットワークのオペレータは、1つ又はそれよりも多くのアンテナに各々接続した独自の基地局を用いる。そのようなネットワークでは、アンテナは、それぞれのアンテナ及び基地局に各々関連付けられたいくつかの重なり合うセルへと一般的に分割される望ましい受信可能エリアを定める上での主要因である。各セルは、そのセル内の移動無線機との無線通信を維持する位置固定の基地局を収容する。基地局は、例えば、格子又は網目構造で配列された固定陸線によって通信目的で互いに相互接続され、セル受信可能エリアのあらゆる位置にある移動無線機が、互いに通信することのみならず、セルラー移動無線ネットワークの外側の公衆電話ネットワークと通信することも可能にする。
セルラー無線ネットワークに用いられるアンテナシステムの通信性能を改善及び最適化するために、空間ダイバーシティ、偏波ダイバーシティ、及び可変電気的傾斜という3つの技術を用いることは公知である。第1のそのような技術、すなわち、空間ダイバーシティは、移動電話受話器を用いる遠隔地の加入者からのそれぞれの受信信号を各々引き起こす2つの離間したアンテナを用いる段階を伴い、それは、単一の受話器から2つの受信信号を利用可能にし、それによって通信の利点がもたらされる。
基地局によって受信された信号は、多経路環境を進んできたことにより急激な電力変動を受け、すなわち、移動電話受話器から送信された信号の複製物が、複数の経路又はルートを通過して受信基地局へと至り、受話器自体は、送信中に移動している。更に、複製物は、互いに相関が除去された状態になる。基地局によって受信される信号は、例えば、移動受話器から基地局へのアップリンクチャンネルに対して有意な性能利得をもたらす「最大比合成法(MRC)」を用いて合成することができる。
通信性能を改善するための第2の技術、すなわち、偏波ダイバーシティは、各組が他方の組のものに対して直交する最大信号送信又は受信感度の角度をもたらす2組のアンテナ素子を有するアンテナを用いて得ることができる。そのようなアンテナにより、単一の移動受話器から異なる多経路ルートを通じて受信される信号は、互いに少なくとも部分的に無相関であり、その結果、これらの信号は、受信信号品質を改善するように合成することができる。
通信性能を改善するための第3の技術、すなわち、可変電気的傾斜は、アンテナ素子の位相配列の性質から生じる。そのようなアンテナは、そのアンテナ素子の同位相励起、又はアレイ内の素子位置の線形関数としてアレイにわたって変化する励起に応答した主ビームを形成する。この関数の勾配を変更することにより、同位相励起に対応する主ビーム方向に対する主ビームの傾き又は角度が変化する。それは、セルラー移動無線ネットワークのオペレータが、水平に対して主ビーム角を変更し、それによって次にアンテナが提供する地上受信可能エリアを調節することを可能にし、更に、異なるセルに関連付けられたメッセージ間の干渉を低減することが可能になり、ここでセルは、アンテナが通信を行う領域であり、アンテナ毎に1つよりも多くのセルが存在する場合がある。
セルラー無線ネットワークのオペレータは、トラフィック容量に対して高まる要求に直面しているが、新しいサイトの配備又は既存のサイトへのアンテナの追加を制限する計画又は区画化制限を受けている。その結果、個々のユーザ(オペレータ(欧州)、又はキャリア(米国))による偏波ダイバーシティ及びそれぞれの電気的傾斜角の調節に対する機能を互いに独立に保持しながら、例えば、オペレータがアンテナを共有することにより、アンテナを追加することなしにアンテナトラフィック容量を増大することが望ましい。
国際特許出願番号WO2004/102739 国際特許出願番号WO02/082581 米国特許第4、211、894号 米国特許第5、229、729号
本発明の目的は、2人のオペレータに対して独立した電気的傾斜の角度が利用可能な状態で、アンテナサイトにおいて偏波ダイバーシティを提供することである。
本発明は、a)電気的傾斜調節可能な偏波を有する二重偏波アンテナと、b)関連のアンテナ偏波の電気的傾斜が複数の中間信号の相対遅延に応答して調節可能であるように準備するように各々配置された、各アンテナ偏波と中間信号が相対遅延を受けるように準備する遅延手段との間で中間信号を中継するためのそれぞれの共同給送手段と、c)各アンテナ偏波に関連付けられたそれぞれの信号給送器と、d)各アンテナ偏波が一方のそれぞれの局の信号と他方のそれぞれの局の偏波ダイバーシティ信号とに関連付けられるようにアンテナシステムが配置され、かつ各々がアンテナ偏波及び信号給送器を通じて信号を受信及び送信することの少なくとも一方のための2つの局とを含むアンテナシステムを提供する。
本発明は、各オペレータが他方のオペレータとは独立したそれぞれの電気的傾斜角を有するそれぞれの局(例えば、基地局)に関連付けられた2人のオペレータが、単一のアンテナを共有し、かつ偏波ダイバーシティを有する受信及び/又は送信信号を取得する機能をもたらすという利点を提供する。2つよりも多くの局と、偏波毎に2つ又はそれよりも多くの中間信号に関連付けられた位相差に応答して傾斜するアンテナとの使用を可能にする本発明の実施形態を以下に説明する。更に、2つの局は、隣接作動周波数を有することができる。
信号を送信するのに少なくとも一方の局が用いられる場合には、遅延手段は、少なくとも1つの局の送信信号を互いの間に相対遅延を有する2つの中間信号へと処理するための手段を含むことができる。局が少なくとも信号を受信するためのものである場合には、遅延手段は、各共同給送器からのそれぞれの複数の中間信号を処理して、異なる局に関連付けられたアンテナビームの電気的傾斜の独立した調節に向けて信号対の間に独立に可変の相対遅延をもたらすための手段を含むことができる。
遅延手段は、信号給送器を通じて局へと中継するために相対遅延信号対を合成するための混成器を組み込むことができる。それは、低減した周波数で相対遅延信号をフィルタリングするように配置された周波数変換手段を組み込むことができる。周波数変換手段は、周波数変換のためのローカル発振器手段とすることができ、低減した周波数での相対遅延信号のフィルタリングを可能にし、かつローカル発振器の信号位相シフトによって信号遅延を実施するように配置することができる。
局は、アンテナから遠隔に位置させることができ、遅延手段は、アンテナと共同設置されたアンテナ傾斜アセンブリに組み込まれ、信号給送器は、アンテナ傾斜アセンブリを局に関連付けられた局回路に接続する。局回路は、信号給送器を通じて受信した信号を局の間で分割して、一方のそれぞれのアンテナ偏波に関連付けられた受信信号と、他方のそれぞれのアンテナ偏波に関連付けられた偏波ダイバーシティ信号とを各局に供給するように配置することができる。
別の態様では、本発明は、偏波ダイバーシティをもたらす電気的傾斜調節可能偏波を有する二重偏波アンテナと、各アンテナ偏波に関連付けられ、そのアンテナ偏波の電気的傾斜が複数の中間信号の相対遅延に応答して調節可能であるように準備するそれぞれの共同給送手段とを有するアンテナシステムを作動させる方法を提供し、本方法は、a)各アンテナ偏波の間で中間信号を中継し、中間信号が相対遅延を受けるように準備する段階、b)各アンテナ偏波に関連付けられたそれぞれの信号給送器を準備する段階、及びc)各アンテナ偏波が一方のそれぞれの局の信号と他方のそれぞれの局の偏波ダイバーシティ信号とに関連付けられたアンテナ偏波と、信号給送器とを通じて、各々が信号を受信及び送信することの少なくとも一方のための2つの局を用いる段階を含む。
上述のように、本発明は、各オペレータがそれぞれの独立した電気的傾斜角を有する異なる局に関連付けられた2人のオペレータが、単一のアンテナを共有し、かつ偏波ダイバーシティを有する受信及び/又は送信信号を取得する機能をもたらすという利点を提供する。更に、2つの局は、隣接作動周波数を有することができる。
少なくとも一方の局が、信号を送信するために設けられる場合には、少なくとも一方の局の送信信号を互いの間に相対遅延を有する2つの中間信号へと処理することにより、中間信号が、相対遅延を受けるようにすることができる。局が少なくとも信号を受信するために設けられる場合には、各共同給送器からのそれぞれの複数の中間信号を処理し、異なる局に関連付けられたアンテナビームの電気的傾斜の独立した調節のために信号対の間に独立に可変の相対遅延をもたらすことにより、中間信号が相対遅延を受けるようにすることができる。
中間信号は、信号給送器を通じて局に中継するために相対遅延信号対を合成するための混成器を用いて相対遅延を受けるようにすることができる。そのような相対遅延は、周波数変換手段を用い、低減した周波数において相対遅延信号をフィルタリングすることによって実施することができる。周波数変換手段は、周波数変換のためのローカル発振器手段とすることができ、低減した周波数における相対遅延信号のフィルタリングを可能にし、ローカル発振器の信号位相シフトによって信号遅延を実施するように配置することができる。
局は、アンテナから遠隔に位置させることができ、中間信号は、アンテナと共同設置されたアンテナ傾斜アセンブリ内で相対遅延を受けるようにされ、信号給送器は、アンテナ傾斜アセンブリを局に関連付けられた局回路に接続する。局回路は、信号給送器を通じて受信した信号を局の間で分割し、一方のそれぞれのアンテナ偏波に関連付けられた受信信号と他方のそれぞれのアンテナ偏波に関連付けられた偏波ダイバーシティ信号とを各局に供給することができる。
本発明をより完全に理解することを可能にするために、これより添付図面を参照して本発明の実施形態を単なる例として以下に説明する。
偏波ダイバーシティを有する通信のための従来技術のアンテナシステムの図である。 偏波ダイバーシティを有する通信のための本発明のアンテナシステムの図である。 図2のアンテナシステム内での使用のためのアンテナ傾斜アセンブリの半分の回路図である。 図3の回路の作動の信号周波数を示すグラフである。 アンテナビーム及び図2のアンテナシステムに対する基地局の追加を示す図である。 図3の半アンテナ傾斜アセンブリに対する代替形態の回路図である。 図6の回路の作動の信号周波数を示すグラフである。 図3及び図6の半分アンテナ傾斜アセンブリに対する更に別の代替形態の回路図である。 3つの信号の間の位相差に応答してアンテナビームの電気的傾斜を制御するための回路図である。 アンテナビームの電気的傾斜を制御するための位相差を有する3つの信号をもたらすアンテナ傾斜アセンブリの半分の回路図である。 図10の回路に対する代替形態を示す図である。 隣接周波数帯域におけるフィルタ特性を示す図である。 4つの基地局に対する本発明の実施を示す図である。 アンテナビームの電気的傾斜を制御するための位相差を有する3つの信号をもたらす図13の回路の改訂版を示す図である。
本明細書では、(米国での名称とは異なり)、「搬送波」は、遠距離通信目的で変調が加えられる搬送波周波数、すなわち、無線周波数の信号であり、「チャンネル」は、周波数チャンネルであり、搬送波と事実上同義である。1人のオペレータ又は2人又はそれよりも多いオペレータのいずれもが、1つ又はそれよりも多くの搬送波を用いることができ、オペレータは、移動電話通信サービスを提供する基地局のユーザである。複数の搬送波を必ずしも同じセルラー無線システムに割り当てる必要はない。対を成す送信信号及び受信信号をそれぞれTX及びRXに同様の接尾番号を付けて、例えば、TX1とRX1、又はTX2とRX2と示している。ここでの接尾番号1又は2は、第1又は第2の送信又は受信搬送波周波数、及び第1又は第2のオペレータ又は基地局との関係を示している。偏波ダイバーシティ送信及び受信信号を接尾記号Dで、例えば、TXD、RXD、TX1D、RX1D等と示している。アップリンクは、移動電話受話器から基地局へと通過する信号を意味し、ダウンリンクは、その逆の方向に通過する信号を意味する。
図1を参照すると、参照番号10は、2人のオペレータの間で共有される二重偏波位相配列アンテナ14を有するアンテナアセンブリ12によって偏波ダイバーシティがもたらされる従来技術のアンテナシステムを一般的に示している。アンテナ14は、互いに直交する偏波を有する交差双極子16及び18の形態にあるアンテナ素子の垂直アレイを含む単一のアンテナであり、すなわち、双極子16及び18は、それぞれ垂直線に対して+45度及び−45度にある上向きに右に傾く偏波(本明細書では正(+)の偏波)、及び上向きに左に傾く偏波(本明細書では負(−)の偏波)を有する。正の偏波双極子16は、正の偏波共同給送器20(+)に接続され、負の偏波双極子18は、負の偏波共同給送器20(−)に接続される。共同給送器20(+)及び20(−)は、2つの入力/出力ポートA(+)、B(+)、及びA(−)、B(−)を有する。共同給送器20(+)及び20(−)の各々は、国際特許出願番号WO2004/102739に説明されている種類のものであり、そのような共同給送器は、そのポートで2つの入力信号を処理し、これらの信号を位相配列アンテナのアンテナ素子に対する駆動信号へと変換し、これら2つの入力信号をベクトルA及びBで表し、これらのベクトルは、等しい振幅を有するが、互いの間に位相差を有し、この位相差を変更することにより、アンテナの電気的傾斜角が変化する。
厳密に説明すると、信号は、アンテナ機器内で、すなわち、アンテナからの送信の前又はアンテナによる受信の後に任意の偏波を有するが、信号及び関連の装置要素は、後に送信される時又は前に受信された時のアンテナにおける偏波に関連付けられるので、これらの信号及び関連の装置を偏波でラベル付けすることは適便である。
システム10は、それぞれの第1のポートP1、P2及びそれぞれの第2のポートPD1及びPD2を各々有する2つの基地局BS1及びBS2を有し、各場合に、第1のポートは、送信及び受信信号TX1、RX1、又はTX2、RX2に対するものであり、第2のポートは、偏波ダイバーシティ受信信号RX1D又はRX2Dだけに対するものであり、すなわち、システム10内には偏波ダイバーシティ送信信号が存在しない。基地局の第1及び第2のポートP1、P2、PD1、PD2は全て、基地局フィルタアセンブリ22に接続される。5つの給送器が、基地局フィルタアセンブリ22をアンテナアセンブリ12に接続し、これらの給送器は、第1、第2、第3、及び第4の通信信号給送器F1〜F4、並びに1本の較正信号給送器Fcである。
基地局フィルタアセンブリ22は、共同給送器20(+)及び20(−)への信号入力の間の位相差を制御し、次に、共同給送器20(+)及び20(−)は、アンテナの電気的傾斜を制御する。
第1から第4の通信信号給送器F1、F2、F3、又はF4の各々は、それぞれのフィルタ/増幅器回路C1、C2、C3、又はC4、それに続くそれぞれの第1、第2、第3、又は第4の混成器回路H1、H2、H3、又はH4を通じてそれぞれの共同給送器ポートA(+)、B(+)、A(−)、B(−)に接続される。フィルタ/増幅器回路C1は、第1の信号給送器F1から第1の混成器回路H1への送信信号経路内に1つの帯域通過フィルタTc1を有し、またこの回路は、受信帯域通過フィルタRc1a、低ノイズ増幅器LNA、及び別の受信帯域通過フィルタRc1bの連続配列から成る第1の信号給送器F1から第1の混成器回路H1への受信信号経路を形成する。フィルタ/増幅器回路C2、C3、及びC4は、フィルタ/増幅器回路C1と同様の構造のものであり、それぞれ信号給送器F2、F3、又はF4と第2、第3、又は第4の混成器回路H2、H3、又はH4との間に同様の送受信信号経路を形成する。
4つの混成器回路H1〜H4は、較正信号給送器Fcに接続した分割器/合成器SCに接続され、適合負荷Lmで終端処理された第4の端子を有する。これらは作動の較正モードにおいてのみ用いられ、このモードでは、較正信号が、基地局フィルタアセンブリ22から較正信号給送器Fcを通じて給送され、SCにおいて分割される。得られる分割信号は、それぞれ混成器回路H1〜H4を通じて共同給送器ポートA(+)、B(+)、A(−)、及びB(−)に給送される。較正信号に応答してアンテナ14において受信される信号はモニタされ、受信回路内で信号位相を調節し、例えば、給送器F1〜F4の不均等な長さを全てが同じ電気的長さを有するようにこれらの給送器の各々に対してケーブル長を追加又は除去することによって補償するのに用いられる。
従来技術のアンテナシステム10の送信モードにおける作動では、基地局フィルタアセンブリ22は、第1の基地局の第1のポートP1からの送信(TX1)信号を給送器F1及びF2それぞれへの入力に向けて2つの信号(TX(+)A、TX(+)B)、すなわち、+45又は正の双極偏波に関連付けられた2つの信号に分割し、基地局フィルタアセンブリ22は、これら2つの信号の間に位相差を挿入して制御し、これらの信号は、それぞれ通信信号給送器F1及びF2、フィルタ/増幅器回路C1及びC2、並びに混成器回路H1及びH2を通じて正の偏波共同給送器20(+)のポートA(+)及びB(+)へと通過する。その結果、正の偏波ポートA(+)及びB(+)は、互いの間に位相差を有する入力信号であり、国際特許出願番号WO2004/102739に説明されているように、正の偏波共同給送器20(+)に関連付けられたアンテナビームの電気的傾斜角を制御する入力信号をそれぞれ受け取る。
同様に、基地局フィルタアセンブリ22は、第2の基地局の第1のポートP2からの送信(TX2)信号を給送器F3及びF4それぞれへの入力に向けて2つの信号、すなわち、−45又は負の双極偏波に関連付けられた2つの信号に分割し、基地局フィルタアセンブリ22は、これら2つの信号の間に位相差を挿入して制御し、これらの信号は、それぞれ通信信号給送器F3及びF4、フィルタ/増幅器回路C3及びC4、並びに混成器回路H3及びH4を通じて負の偏波共同給送器20(−)のポートA(−)及びB(−)へと通過する。その結果、負の偏波ポートA(−)及びB(−)は、互いの間に位相差を有する入力信号であり、負の偏波共同給送器20(−)に関連付けられたアンテナビームの電気的傾斜角を制御する入力信号をそれぞれ受け取る。
従来技術のアンテナシステム10は、受信モードにおいて同様の方式ではあるが、逆方向に作動し、すなわち、アンテナ14によって受信された信号は、2つの共同給送器20(+)及び20(−)によって位相処理され、これらの共同給送器は、これらの信号をポートA(+)及びB(+)における出力に向けて正の偏波信号対、並びにポートA(−)及びB(−)における出力に向けて負の偏波信号対へと変換する。共同給送器ポートA(+)、B(+)、A(−)、及びB(−)から出力される処理済み受信信号は、それぞれ混成器回路H1〜H4及びフィルタ/増幅器回路C1〜C4を通じて通信信号給送器F1〜F4へと給送される。基地局フィルタアセンブリ22は、第1及び第2の通信信号給送器F1及びF2上の受信信号の間に位相差を挿入して制御し、次にこれらの受信信号を合成し、得られる合成物を受信信号RX1として第1の基地局の第1のポートP1に給送する。また基地局フィルタアセンブリ22は、第3及び第4の通信信号給送器F3及びF4上の受信信号の間に別の位相差を挿入して制御し、次にこれらの信号を合成し、得られる合成信号を受信信号RX2として第2の基地局の第1のポートP2に給送する。
更に、基地局フィルタアセンブリ22は、基地局とアンテナ偏波の間の交差接続によって偏波ダイバーシティ受信信号RX1D及びRX2Dをもたらし、すなわち、第1の基地局の第2のポートP1Dは、第3及び第4の通信信号給送器F3及びF4上の受信信号から導出される合成信号の入力を有し、第2の基地局の第2のポートP2Dは、第1及び第2の通信信号給送器F1及びF2上の受信信号から導出される合成信号の入力を有する。各基地局BS1又はBS2は、自らの受信周波数RX1又はRX2を他方の基地局のものから区別するために受信フィルタ(示していない)を有する。
従来技術のアンテナシステム10は、受信(送信ではない)モードにおいて偏波ダイバーシティをもたらし、各基地局BS1又はBS2は、各々が、それぞれのアンテナビーム偏波の傾斜を制御するそれぞれの共同給送器20(+)又は20(−)に入力されるそれぞれの信号対に関連付けられるので、独自の独立して制御可能な電気的傾斜角を有する。
従来技術の偏波ダイバーシティアンテナシステム10は、いくつかの欠点を有する。
(a)2つの基地局が独立して制御可能な電気的傾斜角を有するのに必要な給送器の数は、2つの付加的な給送器を設けるか、又は2つの既存の給送器を4つの新しい給送器で置換するかのいずれかにより、アンテナ毎に2つ(すなわち、これらの基地局が同じ角度を有する場合)から4つに増加する。
(b)各付加的な給送器は、アンテナに送信信号を搬送するのに低い損失を有するべきであり、従って、比較的大きいサイズ及びコストを有する。
(c)全ての給送器は、位相整合すべきであり、好ましくは、給送器は、周波数依存傾斜誤差を回避するために同じ電気的長さを有する。
(d)給送器は長く、一般的に30m又はそれよりも長いから、位相整合は、再使用される以前に設けられた給送器に対するものを含み、設置時に位相遅延の測定及び調節を必要とする。
(e)付加的な給送器は、アンテナ支持マストアセンブリの再整備を必要とし、既存の給送器を用いるべきでない場合は撤去を必要とする。
(f)国際特許出願番号WO2004/102739によるシステムでは、電気的傾斜角の調節範囲は限定される。
図2は、図1を参照して説明したアンテナ14と同等の二重偏波位相配列アンテナ32を有するアンテナアセンブリ31を有する本発明のアンテナシステム30を示している。アンテナ32は、共同給送器の入力信号位相差によって設定される電気的傾斜角を有する種類のものである。アンテナ32は、互いに直交する偏波を有する交差双極子34及び36の形態にあるアンテナ素子の垂直アレイを含む単一のアンテナであり、すなわち、双極子34及び36は、それぞれ垂直線に対して+45度及び−45度にある上向きに右に傾く偏波(本明細書では正の(+)偏波)、及び上向きに左に傾く偏波(本明細書では負の(−)偏波)を有する。正の偏波双極子34は、正の偏波共同給送器38(+)に接続され、負の偏波双極子36は、負の(−)偏波共同給送器38(−)に接続される。共同給送器38(+)及び38(−)は、2つの入力/出力ポートA(+)、B(+)、及びA(−)、B(−)を有する。共同給送器38(+)及び38(−)の各々は、国際特許出願番号WO2004/102739に説明されている種類のものであり、これらの共同給送器は、そのポートA(+)、B(+)、及びA(−)、B(−)で2つの入力信号を処理し、これらの信号をアンテナ素子34又は36への駆動信号へと変換し、入力信号間の位相差は、これらの要素に関連付けられたアンテナ偏波(+)又は(−)の電気的傾斜角を制御する。
アンテナシステム30は、第1及び第2の基地局BS21及びBS22を有する。第1の基地局BS21は、2つのポートP21及びP21Dを有し、一方のポートP21は、第1の送信及び受信(TX1/RX1)信号に対するものであり、他方のポートP21Dは、偏波ダイバーシティの第1の受信(RX1D)信号だけに対するものである。同様に第2の基地局BS22は、それぞれ第2の送信及び受信(TX2/RX2)信号、並びに偏波ダイバーシティの第2の受信(RX2D)信号に対する2つのポートP22及びP22Dを有する。
この実施形態及び後の実施形態の説明において、フィルタに関連して「狭帯域」及び「広帯域」という表現を用いることとし、「狭帯域」は、送信フィルタの場合は、いくつかの送信周波数のうちの1つのみ(例えば、TX1)、又は受信フィルタの場合は、いくつかの受信周波数のうちの1つのみ(例えば、RX1)を通過させるのに十分に幅狭な通過帯域を意味し、「広帯域」は、送信(TX)フィルタの場合は、少なくとも1つよりも多く又は全ての送信周波数、受信(RX)フィルタの場合は、少なくとも1つよりも多く又は全ての受信周波数を通過させるのに十分に幅広の通過帯域を意味する。
第1の送信(TX1)信号は、第1の基地局BS21からポートP21を通じて、基地局BS21及びBS22と共同設置された(例えば、アンテナマストの基部に)基地局フィルタアセンブリ50へと通過する。この信号は、TX1/RX1/RX12フィルタユニット53x内で狭帯域(TX1)送信帯域通過フィルタ52xによってフィルタリングされ、次に第1の給送器F21に出力され、第1の給送器F21は、この信号を図3を参照してより詳細に説明することになるアンテナ傾斜アセンブリ54に転送する。このアンテナ傾斜アセンブリ54において、信号は、互いの間に可変の(すなわち、オペレータが制御可能な)相対遅延又は位相シフトを有する2つの信号に分割され、これら2つの信号はフィルタリングされて、正の偏波共同給送器38(+)の2つの入力/出力ポートA(+)及びB(+)に給送され、正の偏波共同給送器38(+)は、これらの信号を正の偏波アンテナ素子34への駆動信号へと変換する。
同様に、第2の送信(TX2)信号は、第2の基地局BS22からポートP22を通じて基地局フィルタアセンブリ50へと通過する。この信号は、TX2/RX2/RX12フィルタユニット53y内の狭帯域(TX2)送信帯域通過フィルタ52yによってフィルタリングされ、次に第2の給送器F22へと出力され、給送器F22は、この信号をアンテナ傾斜アセンブリ54へと転送する。このアンテナ傾斜アセンブリ54において、信号は、可変の相対遅延を有する2つの信号に分割され、これら2つの信号はフィルタリングされて、負の偏波共同給送器38(+)の2つの入力/出力ポートA(−)及びB(−)に給送され、負の偏波共同給送器38(−)は、これらの信号を負の偏波アンテナ素子36への駆動信号へと変換する。
アンテナシステム30は、受信モードにおいて同様ではあるが、逆に作動し、すなわち、アンテナ32によって受信された信号は、共同給送器38(+)及び38(−)によって位相処理され、これらの共同給送器は、これらの信号をポートA(+)及びB(+)における出力のための正の偏波受信信号対、並びにポートA(−)及びB(−)における出力のための負の偏波受信信号対へと変換する。共同給送器ポートA(+)及びB(+)から出力される正の偏波受信信号対は、位相及び長さが整合されたジャンパケーブルを用いてアンテナ傾斜アセンブリ54の左手側部54aへと給送され、傾斜アセンブリ側部54aは、これらの受信信号に対して分割及び相対遅延作動を実施する。これらの作動は、受信信号及び受信偏波ダイバーシティ信号に対して可変電気的傾斜角を定め、この後これらの信号は給送器F21へと合成されて、基地局フィルタアセンブリ50へと通過する。同様に、ここでも位相及び長さが整合されたジャンパケーブルを用いて、共同給送器ポートA(−)及びB(−)から出力される負の偏波受信信号対は、分割及び相対遅延作動に向けてアンテナ傾斜アセンブリ54の右手側部54bへと給送され、ここでもまた、これらの作動は、受信信号及び受信偏波ダイバーシティ信号に対して可変電気的傾斜角を定め、この後これらの信号は給送器F22へと合成されて、基地局フィルタアセンブリ50へと通過する。
基地局フィルタアセンブリ50では、第1の給送器F21からの合成受信信号が、広帯域受信フィルタ70xによってフィルタリングされ、分割器72xによって分割される。分割器72xは、偏波ダイバーシティ目的で2つの受信信号をもたらし、これらの信号は、低ノイズ増幅器(LNA)74x及び76xによって増幅され、それぞれ第1の基地局の送信/受信(TX1/RX1)ポートP21及び第2の基地局の偏波ダイバーシティ受信(RX2D)ポートP22Dへと通過する前に、異なる通過帯域(周波数RX1及びRX2)を有する狭帯域通過フィルタ78x及び80xによってフィルタリングされる。
同様に、第2の給送器F22からの合成受信信号は、広帯域受信機フィルタ70yによってフィルタリングされ、分割器72yを用いて分割される。それによって偏波ダイバーシティ目的で2つの分割信号が生じ、分割器72yからの出力の後に、分割信号は、次にLNA74y及び76yによって増幅され、それぞれ第2の基地局送信/受信(TX2/RX2)ポートP22及び第1の基地局偏波ダイバーシティ受信(RX1D)ポートP21Dへと通過する前に、異なる通過帯域(周波数RX1及びRX2)を有する狭帯域通過フィルタ78y及び80yによってフィルタリングされる。
後により詳細に説明するように、送信及び受信信号に印加された遅延を変更するというアンテナ傾斜アセンブリ54の作動は、各偏波のアンテナビームの電気的傾斜角を独立して変化させるという効果を有する。しかし、この実施形態における遅延は、単一の基地局に関連付けられた全ての信号が同じ電気的傾斜角を有することをもたらすように結合される、すなわち、第1の基地局BS21に関連付けられた信号TX1、RX1、及びRX1Dが同じ電気的傾斜角を有し、第2の基地局BS22に関連付けられた信号TX2、RX2、及びRX2Dが同じ電気的傾斜角を有する。しかし、2つの基地局BS21及びBS22に関連付けられた電気的傾斜角は、アンテナ傾斜アセンブリ54内で如何に遅延が設定されるかということに依存して異なるものとすることができる。
各基地局の信号に特定のフィルタリングは、第1の基地局に向けて第1の受信信号RX1と第1の受信ダイバーシティ信号RX1Dとを分離し、第2の基地局に向けて第2の受信信号RX2と第2の受信ダイバーシティ信号RX2Dとを分離する基地局フィルタアセンブリ50によってもたらす。送信信号TX1及びTX2は、直交する別々のアンテナ偏波で放射され、その結果これらの信号に対するTX1フィルタとTX2フィルタとは同等とすることができる(任意的に)。また、異なる基地局の送信信号TX1及びTX2に対する別々のアンテナ偏波の使用は、望ましくない相互変調周波数積を引き起こすことなしにこれらの信号の搬送波周波数を隣接させることができることも意味し、これは、隣接周波数信号が、例示している回路内ではなく空中で合成されるからである。
本発明のアンテナシステム30はいくつかの利点を有する。
(a)二重偏波アンテナに対して2つのみの給送器しか必要とされず、給送器は、位相又は電気的長さ整合する必要がない。
(b)アンテナ傾斜アセンブリ54を共同給送器38(+)及び38(−)に接続するジャンパリード線は短く、設置時又は作動中の較正を必要とせずに位相又は長さ整合することができ、またこれらのジャンパリード線は、基地局BS21及びBS22とアンテナアセンブリの間の全体損失における判断要因ではないので、物理的にその直径を小さくすることができる。
(c)広い傾斜範囲を設けるために、アンテナ傾斜アセンブリ54と共同給送器38(+)及び38(−)との間を通過する信号の個数を増加させることができる。
(d)全体的な視覚的影響を弱めるために、アンテナ傾斜アセンブリ54は、アンテナアセンブリ31内に部分的に組み込むか、又は完全に組み込むかのいずれかとすることができる。
(e)隣接周波数の割り当てを有するRF搬送波の合成は、別々のアンテナ又は50%の電力損失を招く3dB結合器の使用いずれも必要とすることなく実施される。
図3は、アンテナシステム30内での使用のためのアンテナ傾斜アセンブリ54の半分54aを示しており、すなわち、システム30は、各給送器/共同給送器の組合せF21/38(+)又はF22/38(−)に対して1つづつ、図示の半アセンブリ54aの2つの具体的実施(必ず同様の構造のもの)を必要とし、これらは、組合せでアンテナ傾斜アセンブリ54を形成する。最初に半アセンブリ54a、第1の給送器F21、及び正の偏波共同給送器38(+)の送信モードの作動に関して以下に説明する。
第1の給送器F21は、半アセンブリ54aに送信信号を供給し、送信信号は、送信/受信複式フィルタ100によってフィルタリングされ、次に、分割器102によって2つの信号に分割される。2つの分割送信信号は、等しい最大値を有するそれぞれの送信モード遅延器DTa及びDTbによって遅延される。矢印を繋ぐ点線104によって示しているように、遅延器DTa及びDTbは可変であり、一緒に変化するように連動(結合)し、更に、点線104上にあり、−1と印している増幅器記号(三角形)106は、左手の遅延器DTaによって実施される遅延変化が、右手の遅延器DTbによって実施される遅延変化とマグニチュードにおいて等しく、反対の向きにあり、すなわち、可逆的に右手の遅延器DTbが低減又は増大する時に左手の遅延器DTaは増大又は低減することを示している。従って、2つの分割送信信号は、遅延器DTa及びDTbによって絶対量的及び同じく互いに相対的の両方で遅延され、相対遅延は、連動するこれらの遅延器によって可変である。要素102〜106、DTa及びDTbは、第1の基地局の送信周波数TX1における送信傾斜モジュールTTM1を形成する。
DTa及びDTbにおける遅延の後に、送信信号は、送信/受信複式フィルタ108及び110によってフィルタリングされ、次に、正の偏波を有するように配置された双極アンテナ素子34の各々のための駆動信号への変換に向けて正の偏波共同給送器38(+)の2つのポートA(+)及びB(+)にそれぞれ給送される。その結果、これら2つのポートA(+)及びB(+)は、同じ周波数TX1、及び互いの間に可変相対遅延を有するそれぞれの送信信号を受け取り、連動する送信モード遅延器DTa及びDTbを変更することでこの相対遅延を変化させることにより、双極子34及び周波数TX1に関連付けられた正の偏波送信モードのアンテナビームの電気的傾斜角が変化する。
他方の半アセンブリ54bは、第2の給送器F22上の第2の基地局周波数TX2の送信信号をフィルタリングされ、相対遅延された2つの送信信号へと変換し、これら2つの送信信号は、負の偏波共同給送器ポートA(−)及びB(−)へとそれぞれ給送され、負の偏波双極アンテナ素子36への駆動信号をもたらす。これらのTX2送信信号の間の相対遅延を変化させることにより、双極子36及び第2の基地局BS22の周波数TX2に関連付けられた負の偏波送信モードのアンテナビームの電気的傾斜角が変化する。
2つの半アセンブリ54a及び54bは、両方ともに送信モード遅延器DTa及びDTbを有し、各半アセンブリ54a又は54bの送信モード遅延器は、他方の半アセンブリ54b又は54aの同様の遅延器とは独立して可変であり、その結果、双極子34及び36、並びに第1及び第2の基地局BS21及びBS22にそれぞれ関連付けられた正及び負の偏波アンテナビームの電気的傾斜角は、互いに独立して可変である。
半アセンブリ54aは、受信モードでは以下の通りに作動する。正の偏波双極アンテナ素子34によって自由空間から受信した信号は、正の偏波共同給送器38(+)によって2つの受信信号へと変換され、これらの受信信号は2つのポートA(+)及びB(+)に出現し、この後これらの受信信号は、送信/受信複式フィルタ108及び110によってフィルタリングされ、LNA112及び114によって増幅され、第1及び第2の受信信号分割器116及び118によって2つの信号へとそれぞれ分割される。
半アセンブリ54aは、第1の受信周波数(RX1)及び第2の偏波ダイバーシティ受信周波数(RX2D)に対してそれぞれの傾斜角を設定するために2対の受信モード遅延器を有し、すなわち、第1の対は第1及び第2の受信モード遅延器DRa及びDRbから成り、第2の対は、第3及び第4の受信モード遅延器DRc及びDRdから成る。本発明のこの実施形態は、受信(RX)信号に対して2つの独立して調節可能な電気的傾斜角をもたらし、これらの電気的傾斜角に対して、2つの受信信号の周波数RX1及びRX2における4つの受信モード遅延器DRa〜DRdによってそれぞれの差動遅延が別々に挿入される。
第1及び第2の受信信号分割器116及び118からの出力信号は、これらの分割器の各々が、受信モード遅延器対の各々内にある1つの遅延器に信号を供給するように交差接続される。従って、第1の受信信号分割器116からの2つの分割信号は、それぞれ第1及び第3の受信モード遅延器DRa及びDRcによって遅延され、第2の受信信号分割器118からのものは、それぞれ第2及び第4の受信モード遅延器DRb及びDRdによって遅延される。その結果、第1の受信モード遅延器対DRa及びDRbは、共同給送器の異なるポート、すなわち、正の偏波共同給送器ポートA(+)及びB(+)それぞれに関連付けられた2つの信号を受け取り、第2の受信モード遅延器対DRc及びDRdも同様にこれらの信号を受け取る。
第1の受信信号分割器116からの2つの分割信号は、それぞれ第1及び第3の受信モード遅延器DRa及びDRcによって遅延され、第2の受信信号分割器118からのものは、それぞれ第2及び第4の受信モード遅延器DRb及びDRdによって遅延される。矢印を繋ぐ点線120によって示しているように、第1及び第2の受信モード遅延器DRa及びDRbは可変であり、一緒に変化するように連動し、更に、点線120上にあり、−1と印している増幅器記号122は、第1の受信モード遅延器DRaによって実施される遅延変化が、第2の受信モード遅延器DRbによって実施される遅延変化に等しく、反対の向きにあり、すなわち、可逆的に第2の受信モード遅延器DRbが低減又は増大する時に第1の受信モード遅延器DRaは増大又は低減することを示している。従って、第1の受信モード遅延器対DRa及びDRb、並びに共同給送器の異なるポートA(+)及びB(+)に関連付けられた2つの分割信号は、これらの遅延器によって絶対量的及び互いに相対的の両方で遅延され、相対遅延は、連動するこれらの遅延器によって可変であり、第1の受信周波数(RX1)及び第1の基地局BS21に関連付けられた正の偏波アンテナビームの電気的傾斜角を制御する。位相配列アンテナを電気的に傾斜するために、共通の点から共同給送器の異なるポートA(+)及びB(+)までの信号経路は経路長において異なり、その結果、所定の傾斜角のための位相差をもたらすのに1つのみの遅延器しか必要とされない。実際にはそのような遅延を1つの経路内で1つの遅延器を用い、第2の経路内で別の遅延器を用いることによって実施することが適便である。
同様に、点線124及び中に−1と印された増幅器記号126は、第3の受信モード遅延器DRcが、第4の受信モード遅延器DRdによって実施されるものと等しく、反対の向きにある遅延変化をもたらすことを示している。従って、第2の受信モード遅延器対DRc及びDRd、並びに共同給送器の同様の偏波を有する異なるポートA(+)及びB(+)に関連付けられた2つの分割信号は、これらの遅延器によって絶対量的及び互いに可変相対的の両方で遅延される。相対遅延は、連動するこれらの遅延器によって可変であり、偏波ダイバーシティで第2の受信周波数(RX2D)、並びに第2の基地局BS22に関連付けられた正の偏波アンテナビームの電気的傾斜角を制御する。
第1の受信モード遅延器対DRa及びDRbによって遅延された2つの信号は、第1の信号合成器128によって互いに合成され、第2の受信モード遅延器対DRc及びDRdによって遅延されたものは、第2の信号合成器132によって互いに合成される。第1及び第2の信号合成器128及び132から出力される合成信号は、第1及び第2の直交混成結合器(混成器)H1及びH2の最上部入力H1a、H2aにそれぞれ給送される。第1の混成器H1は、適合負荷MLで終端処理された最下部入力H1b、並びに各々が第1の受信周波数RX1を中心とする通過帯域を有するそれぞれの帯域通過フィルタHF1及びHF2に接続した2つの出力H1c及びH1dを有する。第2の混成器H2は、帯域通過フィルタHF1及びHF2それぞれから、フィルタリングされた信号を受け取るように接続した側部入力H2c及びH2dを有する。更に、第2の混成器H2は、受信信号フィルタリングを実施する送信/受信複式フィルタ100に接続した最下部出力H2bを有し、フィルタ100から、共同給送器の同様の正の偏波を有する異なるポートA(+)及びB(+)に関連付けられた信号が第1の給送器F21へと通過する。混成器H1及びH2の作動に対しては、後により詳細に説明することとする。要素116〜132、DRa〜DRd、H1、H2、HF1、及びHF2は、第1の基地局の受信周波数RX1、及び第2の基地局の受信ダイバーシティ信号周波数RX2Dに対する受信傾斜モジュールRTM1を形成する。
他方の半アセンブリ54bは、負の偏波信号に対して同様に作動し、すなわち、負の偏波双極アンテナ素子36によって自由空間から受信される信号は、負の偏波共同給送器38(−)により、それぞれポートA(−)及びB(−)に出現する2つの受信信号へと変換される。これらの受信信号は、半アセンブリ54bにより、負の偏波共同給送器A(−)及びB(−)に関連付けられた、遅延、合成、及びフィルタリング済み信号へと変換されることになり、そのような信号は、第2の給送器F22へと通過する。正の偏波アンテナビーム及び半アセンブリ54aに関連して前に説明されているように、半アセンブリ54b内の連動する受信モード遅延器対DRa、DRb、及びDRc、DRdの調節は、負の偏波アンテナビームの電気的傾斜角の制御を独立して生じ、これらのビームは、第2の受信周波数(RX2)及び第2の基地局BS22に関連付けられたビーム、並びに偏波ダイバーシティで第1の受信周波数(RX1D)及び第1の基地局BS21に関連付けられた別のビームを含む。半アセンブリ54bに向けて図3を適切に修正するには、上部にあるA(+)及びB(+)をA(−)及びB(−)に、「TX1傾斜設定」、「RX1傾斜設定」、及び「RX2D傾斜設定」という表現を「TX2傾斜設定」、「RX2傾斜設定」、及び「RX1D傾斜設定」という表現にそれぞれ置き換えなければならない。
ここで、半アセンブリ54a内の混成器H1及びH2の作動をより詳細に説明することとし、これらの混成器及びこれらに関連付けられた帯域通過フィルタHF1及びHF2は、第1及び第2の信号合成器128及び132から出力される信号を異なる電気的傾斜角を引き起こす性質を維持するように周波数選択方式で合成するのに用いられる。混成器H1及びH2の各々の隣接ポート対を間に介在する数字0及び90で印しており、これらの数字は、信号がそのような対にあるポート間を通過する際に受ける位相シフトを間に介在する数字0を有するポート対の間で受けるもの比較して度で示している。
第1の受信モード遅延器対DRa及びDRbによって遅延された信号は、第1の信号合成器128によって合成され、得られる合成信号は、第1の混成器H1の最上部入力H1aに印加され、第1の混成器H1は、この合成信号をそれぞれ−90度位相シフト及び0位相シフトを伴って出力H1c及びH1dに出現する2つの出力信号に分割する。これら2つの出力信号は、等しい帯域幅及び時間遅延を印加する帯域通過フィルタHF1及びHF2によってフィルタリングされ、それぞれ第2の混成器の側部入力H2c及びH2dへと印加される。入力H2cにある信号は、入力H2aへと通過する際に−90度位相シフトを受け、更に出力H2bへと通過する際に0位相シフトを受け、入力H2dにある信号は、入力H2aへと通過する際に0位相シフトを受け、出力H2bへと通過する際に−90度位相シフトを受ける。従って、これらの信号は180度位相がずれ、入力H2aでは互いに相殺(減算)されるが、出力H2bでは互いに加算される。
第2の受信モード遅延器対DRc及びDRdによって遅延された信号は、第2の信号合成器132によって合成され、この合成信号は、第2の混成器H2の最上部入力H2aに印加され、第2の混成器H2は、この合成信号をそれぞれ−90度位相シフト及び0位相シフトを伴って入力H2c及びH2dに出現する2つの出力信号に分割する。これら2つの出力信号は、帯域通過フィルタHF1及びHF2の通過帯域の外側にあり、その結果これらの出力信号は、それぞれ入力H2c及びH2dへと反射して戻され、第1の混成器H1からのHF1及びHF2でフィルタリングされた信号に対して前に説明されているようにH2aでは互いに相殺されるが、出力H2bでは互いに加算され、HF1及びHF2でフィルタリングされた信号に加算される。その結果、第2の混成器H2は、DRa〜DRdにおいて遅延された信号の合成器として機能し、すなわち、して合成された信号は、フィルタリング及び第1の給送器F21への接続に向けて第2の混成器の出力H2bからTX/RX複式フィルタ100へと通過する。
図4は、混成器H1及びH2、並びにフィルタHF1及びHF2を含む図3の回路に関する振幅対周波数のグラフである。フィルタHF1及びHF2は、第2の混成器の入力H2c及びH2dに範囲f3〜f4にある周波数のみを通過させる狭通過帯域を形成するが、それと同時に周波数f1〜f2及びf5〜f6は、第2の混成器の入力H2aへと通過することができる。全体的な帯域幅f1〜f6は、混成器H1及びH2の周波数特性によって判断され、一方でf2〜f3及びf4〜f5は保護帯域として機能し、保護帯域は、フィルタのロールオフ、すなわち、実際に獲得可能なフィルタの非無限の阻止帯域減衰特性を有する未使用周波数間隔である。
フィルタHF1及びHF2の中心周波数及び帯域幅は、第1の基地局BS21の周波数RX1を有する受信信号を通過させるように選択される。次に第2の基地局BS22の受信信号周波数RX2は、混成器の全体的な帯域幅f1〜f6内で、保護帯域及びフィルタの通過帯域f2〜f5を互いに除いたどこかに位置させることができる、すなわち、RX2はf1〜f2内又はf5〜f6内のものとすることができる。
帯域通過フィルタHF1及びHF2は、帯域阻止フィルタによって置換することができ、この場合、今度は第1の混成器H1が広帯域入力を受け取り、第2の混成器H2が狭帯域入力を受け取る。帯域通過フィルタ又は帯域阻止フィルタの選択は、特定の帯域中心周波数に対するフィルタの相対サイズ及びコストへの考慮を含む。
図5は、一般的に図2及び図3を参照して説明した形態のものであるアンテナシステム150を示しており、これまでに説明したものと同等の部分には同様の参照記号を付与している。アンテナシステム150は、アンテナアセンブリ31及び2つの基地局BS1及びBS2の付近(例えば、アンテナアセンブリ31が装着されたアンテナマスト(示していない)の基部)に位置した基地局フィルタアセンブリ50を組み込んでいる。またアンテナシステム150は、例示しているようにアンテナマストの先端のアンテナアセンブリ31の付近か、又はアンテナアセンブリ31自体内のいずれかに装着されたアンテナ傾斜アセンブリ54を組み込んでいる。
アンテナアセンブリ31は、それぞれ正及び負の偏波共同給送器38(+)及び38(−)を通じてアンテナ傾斜アセンブリ54に接続した垂直配列の直交双極子34及び36を有する二重偏波アンテナ32を組み込んでいる。二重偏波されたアンテナ32は、互いに直交して偏波された2つのアンテナビーム、すなわち、2つのアンテナ偏波の各々に対するそれぞれのビームを発生させる。各アンテナビームは、それらに関連付けられた共同給送器38(+)又は38(−)への2つ又はそれよりも多くの入力信号の間の単一の位相差又は複数の位相差によって制御されるそれぞれの電気的傾斜角を有する。2つの共同給送器入力信号の間の位相差によって制御される電気的傾斜角を有するアンテナは、2004年11月25日の国際特許出願番号WO2004/102739から公知である。3つ又はそれよりも多い、すなわち、点線152で示しているように、図2のものと比較して1つ又はそれよりも多い共同給送器入力信号が追加された共同給送器入力信号の間の位相差により、広い傾斜範囲にわたってアンテナの電気的傾斜角を制御することができることを示すことができる。
アンテナ32の双極子34は、一点鎖線で示しているそれぞれの中心154c及び156cを有する正の偏波の上側ビーム及び下側ビーム154及び156を生成する。上側ビーム154は、第1の基地局BS21における送信信号TX1及び受信信号RX1を搬送する。下側ビーム156は、第2の基地局BS22における偏波ダイバーシティ信号RX2Dを搬送する。同様にアンテナ32の双極子36は、中心164c及び166cを有する負の偏波の上側ビーム及び下側ビーム164及び166を生成する。下側ビーム164は、第2の基地局BS22における送信信号TX2及び受信信号RX2を搬送する。上側ビーム166は、第1の基地局における偏波ダイバーシティ信号RX1Dを搬送する。
図3を参照して説明したように、送信信号TX1及びTX2、受信信号RX1及びRX2、並びに受信偏波ダイバーシティ信号RX1D及びRX2Dの傾斜角は全て、図5の54xによって互いに示している傾斜角設定制御によって独立して調節可能である。それによってアンテナシステム150は、2つのアンテナ偏波に対して独立して調節可能な傾斜を形成することができる。実際には、基地局は、そのビームが同様の傾斜角を有することを必要とする場合があり、従って、図5に例示しているように、第1の基地局BS21に関連付けられた送信及び受信信号TX1、RX1及び偏波ダイバーシティ信号RX1Dを供給するビーム156及び166は、図3に例示している傾斜設定制御を用いて同じ電気的傾斜角を有するように調節され、同様に、第2の基地局BS22に関連付けられた偏波ダイバーシティ信号RX2D、並びに送信及び受信信号TX2、RX2を供給するビーム154及び164に対しても同じ電気的傾斜角が整えられる。
図2及び図5の特徴は、第1及び第2の基地局BS21及びBS22からの送信信号TX1及びTX2が、異なる回路要素を通過し、異なるアンテナ双極子(すなわち、異なるアンテナ偏波)から放射されるということである。その結果、これらの高電力送信信号は、アンテナシステム30又は150の送信搬送波の回路内では合成されず、その代わりに、これらの信号は、アンテナ32からの放射の後に自由空間内で合成(空中合成)され、望ましくない相互変調積(IMP)を発生させず、IMP発生を回避するための送信信号合成に用いられる3dB結合器のような構成要素内での電力損失を招かない。
アンテナシステム150は、点線で示している第Nの基地局BS[N]で示しているように、付加的な基地局を任意的に組み込むことができる。追加のフィルタが必要である。付加的な基地局が、隣接送信信号周波数を有する2つの基地局を含む場合には、そうでなければ3dB電力損失をもたらす混成合成器を組み込む必要に起因して発生することになる合成損失を低減するために、これらの付加的な基地局は、好ましくは、異なるアンテナ偏波に接続される。ここでの隣接周波数は、従来のフィルタを用いては十分に分離することができないものである。信号合成は、国際特許出願番号WO02/082581及び米国特許第4、211、894号及び第5、229、729号に開示されている。
図6は、アンテナシステム30又は150内での使用のためのアンテナ傾斜アセンブリ54の半分54aの代替形態154aを示している。154aは、第1及び第2の信号合成器128及び132の後、送信/受信複式フィルタ100至るまでの送信/受信複式フィルタ100を除く全ての要素が省略され、鎖線で示している合成器回路160によって置換されていることを除き、図3を参照して説明したものに等しい。これまでに説明したものと同等の部分には同様の参照記号を付与している。
合成器回路160は、第1及び第2の信号合成器128及び132から出力される合成信号を受け取り、これらの信号は、それぞれのローカル発振器Flo1及びFlo2からの信号と混合することによる下方周波数変換に向けて、それぞれのRF混合器M1及びM2へと給送される。その結果、受信信号RX1はM1において混合され、偏波ダイバーシティ信号RX2DはM2において混合され、2つの混合器M1及びM2によって生成される差分周波数信号が、同じ周波数におけるものになるように、混合は、若干異なる周波数におけるものである。それによって圧電電気結晶技術を用いて実施された帯域通過フィルタによるフィルタリングに対して十分に低い同じ周波数を有する混合器出力信号がもたらされる。混合器出力信号は、各々が通過帯域中心周波数F1を有するそれぞれの帯域通過フィルタFpe1及びFpe2によってフィルタリングされ、次に、それぞれの更に別のRF混合器M3及びM4内で、前と同じローカル発振器を用いた混合によってこれらの信号の以前のRF周波数へと上方周波数変換が行われ、これらの更に別の混合器M3及びM4は、信号合成器162によって合成される出力信号をもたらし、これらの出力信号の合成物は、半アセンブリ54aにおけるものと同様にフィルタリング及び第1の給送器F21への出力に向けて送信/受信複式フィルタ100へと給送される。従って、この給送器は、関係するTX及びRX信号を搬送する。図6における要素116〜162は、受信チャンネル傾斜モジュールRTM6を形成する。帯域通過フィルタFpe1及びFpe2は、空洞帯域通過フィルタであるフィルタHF1及びHF2よりも物理的に小さく、軽量である。
ここで更に図7を参照すると、合成器回路160の作動をグラフで例示している。上側のグラフ170では、受信信号RX1及び受信偏波ダイバーシティ信号RX2Dは、矢印で指示する点線で例示している帯域幅を有し、送信/受信複式フィルタ100は、これらの両方を網羅する通過帯域(実線)PBを有する。点線GAからGDは、フィルタの周波数特性を示している。中央のグラフ172に示しているように、下方周波数変換は、これらの受信信号の両方を範囲50MHz〜400MHz内にある帯域通過フィルタFpe1及びFpe2の周波数F1へと変換する。F1は、これらのフィルタの通過帯域内に折り返す望ましくない周波数を回避するのには十分に高く、従来の結晶フィルタ、セラミック、又は受動的技術を用いて実施するのには十分に低い。フィルタFpe1及びFpe2は、矢印GLとGMの間に示しているGL(又はF1)を中心とする帯域幅を有し、単一の受信信号、すなわち、RX1又はRX2Dの帯域幅を通過させるのには十分に幅広である。グラフ174は、受信信号RX1及び受信偏波ダイバーシティ信号RX2Dの元のRF周波数を復元する上方周波数変換を示している。
図8は、アンテナシステム30又は150内での使用のためのアンテナ傾斜アセンブリ54の半分54aの更に別の代替形態254aを示している。これまでに説明したものと同等の部分には同様の参照記号を付与している。半アセンブリ254aは、従来の実施形態と比較すると、共同給送器接続の一方のみ(B(+)へのもの)が遅延器に関連付けられ、他方(A(+))は関連付けられない点で異なる。これは、電気的傾斜角を変更するためには、共同給送器接続A(+)及びB(+)へと、又はこれらから通過する信号の間で可変遅延(又は同等の位相シフト)が存在すべきであるが、遅延器は、これらの接続の一方のみ(すなわち、両方ではなく)に続けて実施し、依然として接続A(+)及びB(+)へと、又はこれらから通過する信号の間で可変相対遅延をもたらすことができるからである。
半アセンブリ254aは、送信信号に対する回路要素及び処理に関して、また、LNA112及び114の出力に至るまでの受信信号に対する回路要素及び処理に関して図3を参照して説明したものに等しく、その後の回路及び処理は、これまでに説明したものと比較して異なる。LNA112及び114から出力される信号は、それぞれ信号合成器200及びチャンネル傾斜コントローラ202への入力として通過する。信号合成器200は、傾斜コントローラ202からの出力信号を第2の入力として受け取り、その2つの入力信号を加算して、半アセンブリ54aにおけるものと同様に、フィルタリング及び第1の給送器F21への出力に向けて送信/受信複式フィルタ100への入力のための合成受信信号をもたらす。
LNA114から出力される信号及び受信チャンネル傾斜コントローラ202へと入力される信号は、分割器204によって2つの信号に分割される。これらの分割信号は、共通基準発振器ORの制御下でLO信号を発生させるそれぞれのローカル発振器(LO)周波数シンセサイザFlo11及びFlo12からの信号と混合することによる下方周波数変換に向けて、それぞれのRF混合器M11及びM12に給送される。その結果、受信信号RX1はM11において混合され、偏波ダイバーシティ信号RX2DはM12において混合され、2つの混合器M11及びM12によって生成される差分周波数信号(すなわち、混合器出力信号)が、同じ周波数におけるものになるように、混合は、若干異なる周波数におけるものである。混合器出力信号は、各々通過帯域中心周波数F11を有するそれぞれの帯域通過フィルタFpe11及びFpe12によってフィルタリングされ、次にそれぞれの更に別のRF混合器M13及びM14内で、ここでもまた、同じLO信号と混合することにより、これらの信号の前のRF周波数へと上方周波数変換される。
混合器M13によって用いられるLO信号は、第1の可変遅延器DRX1によって基準発振器信号に対して遅延(又は位相シフト)され、混合器M14によって用いられるLO信号は、第2の可変遅延器DRX2によって基準発振器信号に対して遅延される。更に、別の混合器M13及びM14は上方周波数変換出力信号をもたらし、これらの信号は信号合成器206によって合成され、信号合成器206によって発生するこれらの出力信号の合成物は、傾斜コントローラ202からの出力信号をもたらし、この出力信号は、上述のように信号合成器200によってLNA112から出力される信号と合成され、フィルタリング及び第1の給送器F21への出力に向けて送信/受信複式フィルタ100へと給送される。
第1及び第2の可変遅延器DRX1及びDRX2の作動(203a及び203bにおいて凡例「RX1傾斜設定」及び「RX2D傾斜設定」によって示している)は、LNA112及び共同給送器接続A(+)を通じて導出されるRX1及びRX2信号と比較して、共同給送器接続B(+)、LNA114、及び受信チャンネル傾斜コントローラ202を通じて導出されるRX1及びRX2信号に対して独立した可変遅延を印加する。前に解説したように、共同給送器38(+)の2つのポートA(+)、B(+)に関連付けられた信号の間の位相差又は相対時間遅延は、その共同給送器に接続したアンテナ素子(双極子34)に関連付けられたアンテナ偏波の電気的傾斜角を制御する。その結果、第1及び第2の可変遅延器DRX1及びDRX2の作動は、受信信号RX1及びRX2Dに関連付けられた電気的傾斜角を独立して制御する。
半アセンブリ254aは、周波数合成構成要素及び時間遅延配置要素を一方の出力が他方に対して制御される位相オフセットを有する2つの出力を有する直接デジタルシンセサイザ(DDS)によって置換することによって修正することができる。
上述のように、本発明は、2つ又はそれよりも多くの信号の相対遅延に応答して電気的傾斜角の制御をもたらす共同給送器と共に用いることができる。ここで図9を参照すると、3つの信号を用い、そのうちの2つが第3のものに対して可変遅延される電気的傾斜角制御に向けて配置されたアンテナシステム300を示している。システム300は、そこを通過する信号が受ける位相シフトを均等化するために位相補填構成要素(示していない)を組み込んでいる。
システム300は、電気的傾斜コントローラ362及び共同給送器364を組込み、共同給送器364は、11個のアンテナ素子を有する位相配列アンテナ366に接続され、これらの要素は、中心アンテナ素子Ec、5個の上側アンテナ素子E1U〜E5U、及び下側アンテナ素子E1L〜E5Lである。
ベクトルVとして表している入力信号は、傾斜コントローラ362の入力368に印加され、ここで電圧分割比c1とc2をもたらす第1の分割器S1によって異なる振幅の2つの信号ベクトルc1.Vとc2.Vに分割される。ここで信号ベクトルc2.Vを傾斜ベクトルCで表し、信号ベクトルc2.Vは、コントローラ出力362cに出現する。
信号ベクトルc1.Vは、第2の分割器S2によって更に分割され、第1及び第2の信号ベクトルc1.d1.V及びc1.d2.Vをもたらし、第1の信号ベクトルc1.d1.Vは、第1の可変遅延器T1によって遅延されて、ここで傾斜ベクトルAで表す信号ベクトルをもたらし、この信号ベクトルは、コントローラ出力362aに出現し、同様に第2の信号ベクトルc1.d2.Vは、第2の可変遅延器T2によって遅延されて、ここで傾斜ベクトルBで表し、コントローラ出力362bに出現する信号ベクトルをもたらす。本発明のこの実施形態が、2つの可変遅延器T1及びT2、並びに3つの傾斜ベクトルのみを用いることはこの実施形態の特徴であり、後の実施形態は、これらの各々をより多く用いる。
その結果、傾斜コントローラ362は、3つのアンテナ傾斜制御信号をもたらし、これらの信号は、傾斜ベクトルA=c1.d1.V[T1]、B=c1.d2.V[T2]、及びC=c2.Vを表し、ここで[T1]、[T2]は、それぞれ可変遅延器T1、T2を示している。遅延器T1及びT2は、点線370によって表しているように連動し、点線370は、T2がTから0へと低減する時にT1が0からTへと増大し、その逆も同様であることを示す−1の増幅器記号372を含み、ここでTは、連動する可変遅延器T1及びT2の両方における遅延の所定の最大値である。遅延制御374の作動は、連動する可変遅延器T1及びT2の両方を組合せで変更し、マグニチュードが等しく、一方が増大で他方が低減である符号が反対の量だけこれらの遅延器のそれぞれの遅延を変更し、これらの可変遅延変化に応答して、アンテナアレイ366の電気的傾斜角も変化する。
電圧分割比e1とe2を有する第3の分割器S3は、傾斜ベクトルCを信号e1.Cとe2.C、又は同等的にc1.e1.Vとc2.e1.Vに分割し、信号e1.CをCc(C中心)で表し、この信号は、駆動信号として中心アンテナ素子Ecへと給送される(アンテナ素子駆動信号は、アンテナ素子から自由空間内へのその信号の放射をもたらす)。信号e2.Cは、電圧分割比f1とf2を有する第4の分割器S4によって更に分割され、それによってCu(C上側)で表す信号c2.e2.f1.V、及び同様にCl(C下側)で表す信号c2.e2.f2.Vが生成される。
ベクトルA及びCuは、共同給送器364の上側部分に接続したアンテナE1U〜E5Lに駆動信号を供給するのに用いられる。電圧分割比a1、a2及びg1、g2を有する第5及び第6の分割器S5及びS6は、それぞれ、傾斜ベクトルAを信号a1.Aと信号a2.Aに分割し、傾斜ベクトルCuを信号g1.Cuと信号g2.Cuに分割する。
同様に、ベクトルB及びClは、共同給送器364の下側部分に接続したアンテナ素子E1L〜E5Lへと駆動信号を供給するのに用いられる。電圧分割比b1、b2及びHa、Hbを有する第7及び第8の分割器S7及びS8は、それぞれ、傾斜ベクトルBを信号b1.Bと信号b2.Bに分割し、傾斜ベクトルClを信号h1.Clと信号h2.Clに分割する。
電圧分割比i1とi2を有する第9の分割器S9は、第5の分割器S5からの信号a2.Aを信号i1.a2.Aとi2.a2.Aに分割し、そのうちの信号i1.a2.Aは、第3の上側アンテナ素子E3Uに接続され、それに駆動信号を供給する。電圧分割比j1とj2を有する第10の分割器S10は、第7の分割器S7からの信号b2.Bを信号j1.b2.Bとj2.b2.Bに分割し、そのうちの信号j1.b2.Bは、第3の下側アンテナ素子E3Lに接続され、それに駆動信号を供給する。
共同給送器364は、各々が、1及び3で表している2つの入力端子、並びに2及び4で表している2つの出力端子を有する180度混成器(和と差の混成器)である、6個のベクトル合成デバイスHa〜Hfを含む。信号は、各入力から両方の出力へと通過し、一方の入力−出力対の間を通過する信号と他方の対を通過する信号とを比較して、これらの信号の間で180度の相対位相変化が出現し、各混成器上の文字πの位置によって示しているように、この相対位相変化は、混成器Ha及びHbでは入力1と出力4との間で発生し、混成器Hc〜Hfでは入力3と出力4との間で発生する。混成器Ha〜Hfの各々は、これらの混成器の入力信号のベクトル和及びベクトル差である出力信号を生成する。
第1の混成器Haは、第5の分割器S5から入力信号a1.Aを、更に第6の分割器S6からg2.Cuを受け取り、これらの信号を加算及び減算して、これらの差を第3の混成器Hcへの入力とし、更に、これらの和を第5の混成器Heへの入力として供給する。同様に、第2の混成器Hbは、第7の分割器S7から入力信号b1.Bを、更に第8の分割器S8からh2.Clを受け取り、これらの信号の差を第4の混成器Hdへの入力とし、更に、これらの和を第6の混成器Hfへの入力として供給する。
第3の混成器Hcは、第1の混成器Haからのものに加えて第9の分割器S9から別の入力信号i2.a2.Aを受け取り、第4及び第5の上側アンテナ素子E4U及びE5Uそれぞれへの駆動信号としての出力に向けて和信号及び差信号を生成する。
第5の混成器Heは、第1の混成器Haからのものに加えて第6の分割器S6から別の入力信号g1.Cuを受け取り、第1及び第2の上側アンテナ素子E1U及びE2Uそれぞれへの駆動信号としての出力に向けて和信号及び差信号を生成する。
第4の混成器Hdは、第2の混成器Hbからのものに加えて第7の分割器S7から別の入力信号j2.b2.Bを受け取り、第4及び第5の下側アンテナ素子E4L及びE5Lそれぞれへの駆動信号としての出力に向けて和信号及び差信号を生成する。
第6の混成器Hfは、第2の混成器Hbからのものに加えて第8の分割器S8から別の入力信号h1.Clを受け取り、第1及び第2の下側アンテナ素子E1L及びE2Lそれぞれへの駆動信号としての出力に向けて和信号及び差信号を生成する。
第1、第3、及び第5の混成器Ha、Hc、及びHeは、ベクトル合成処理を実施して、アンテナ素子E1U、E2U、E4U、及びE5Uへの信号を発生させ、第2、第4、及び第6の混成器Hb、Hd、及びHfは、アンテナ素子E1L、E2L、E4L、及びE5Lに対して同様のものを実施する。アンテナ素子Ec、E3U、及びE3Lへの信号は、混成器なしで分割器によって発生する。
電気的傾斜コントローラ362内に付加的な分割及び可変遅延が組み込まれ、共同給送器364内に付加的な信号分割及び合成が組み込まれる場合には、電気的傾斜角の制御に向けて4つ又はそれよりも多くの傾斜ベクトルA、B、C、…などを用いることができ、これらの傾斜ベクトルのうちの1つを除く全てが、他の傾斜ベクトルに対して可変遅延される。
図10は、共同給送器38(+)又は38(−)毎に図9の信号ベクトルA、B、及びCに等しい3つの信号を用いるように配置された時の図5のアンテナ傾斜アセンブリ54の半分を実施するのに適する半アセンブリ454aを示している。半アセンブリ454aは、図3を参照して説明したものに、第3の共同給送器ポートC(+)を追加したものに等しく、これまでに説明したものと同等の部分には同様の参照記号を付与しており、差の態様に説明を集中することにする。
送信/受信複式フィルタ100を出て行く送信信号は、分割器102、並びに連動する遅延器データ及びDTbを含む送信チャンネル傾斜制御回路に達する前に分割器402によって分割される。分割器402は、送信信号の一部分を分割して外し、この部分は、付加的な送信/受信複式フィルタ404によってフィルタリングされ、第3の共同給送器ポートC(+)へと通過する。送信信号のこの部分は、半アセンブリ454a内のいかなる遅延ユニットも経由せずに通過するが、分割器102によって生成される送信信号の他の部分は、DTa及びDTbにおいてこの部分に対して可変遅延される。その結果、共同給送器ポートA(+)、B(+)、及びC(+)は、送信信号のそれぞれの一部分を受信し、図9に例示している共同給送器364を組み込むアンテナシステムにおいて送信モード電気的傾斜角を制御するのに必要とされる通りに、これらの一部分のうちの2つが第3のものに対して可変遅延される。
受信信号は、正の偏波双極子34から第3の共同給送器ポートC(+)を通じて戻り、付加的なLNA406へと通過する前に404でフィルタリングされる。406での増幅の後に、この受信信号は、付加的な信号合成器408によって第2の混成器H2からの出力信号と合成される。408において合成された得られる受信信号は、フィルタリング及び続く第1の給送器F21への転送に向けて送信/受信複式フィルタ100へと通過する。得られるこの受信信号は、半アセンブリ454a内のいかなる遅延ユニットも経由せずに通過した、第3の共同給送器ポートC(+)からの一方の寄与を含む。またこの受信信号は、DRa、DRb、及びDRc、DRdにおいて、第3の共同給送器ポートC(+)からのものに対して可変遅延される、第1及び第2の共同給送器ポートA(+)及びB(+)からの寄与を含む。その結果、第1の給送器F21は、全ての3つの共同給送器ポートA(+)、B(+)、及びC(+)からの寄与を含む合成受信信号を受け取り、図9に例示している共同給送器364を組み込むアンテナシステムにおける受信モード電気的傾斜角を制御するのに必要とされる通りに、そのうちの2つが第3のものに対して可変遅延される。
図11は、共同給送器38(+)又は38(−)毎に3つの信号を用いるように配置された時の図5のアンテナ傾斜アセンブリ54の半分を実施するのに適する別の半アセンブリ554aを示している。半アセンブリ554aは、図10を生成するように図3が修正されたのと同じ手法で図6を修正したものと同等であり、これまでに説明したものと同等の部分には同様の参照記号を付与している。点線の四角囲み500は、受信チャンネル傾斜モジュールRTM6を形成する図6の要素116〜162を表している。半アセンブリ554aは、図10を参照して説明したものと同じ手法で3つの共同給送器ポートA(+)、B(+)、及びC(+)に対応する。
これまでに説明した本発明の例は、従来のフィルタリングによって分離可能な送信周波数、又は互いに直交して偏波された異なる双極子(例えば、双極子34と36)から放射される送信周波数での使用に適している。これは、送信周波数が非隣接のものであり、フィルタによって分離されて同じ双極子から放射すべきものであることを示唆しており、ここで「非隣接」は、隣接する送信周波数帯域の間に間隙が存在することを意味する。
図12は、「隣接」及び「非隣接」という表現の意味を周波数及び周波数帯域に関連して例示しており、「非隣接」は、従来のフィルタによって十分に分離することができる送信周波数又は周波数帯域を示し、「隣接」は、そうすることができないものを示す上に用いられる。
5つの隣接周波数帯域600、602、604、606、及び608をこれらの範囲を定める隣接垂直鎖線のそれぞれの対によって示している。これは、英国で割り当てられた「第3世代周波数分割二重(3G FDD)」周波数帯域に対応する。5つの作動周波数に対する合計スペクトル割り当ては、基地局からのFDD送信における帯域2110.3MHz〜2169.7MHz、及び移動無線からの送信における帯域1920.3MHz〜1979.7MHzから成る。これらの帯域内の作動周波数を分離する従来のフィルタは、それぞれ通過帯域610〜618を必要とすることになる。ここで明瞭化のために、通過帯域612及び616を鎖線で示しており、これらの通過帯域は、通過帯域610、614、及び618に対して若干下方に変位している。この図面は、フィルタが完全ではなく、すなわち、正確に位置せず、非常に鮮明なカットオン及びカットオフのない通過帯域を有することができないことを示している。610及び612のような隣接する通過帯域の対は、フィルタ特性の有限勾配によって重度に重複し、それによって重畳領域内での高い信号損失及び低い信号間分離という2つの有害な効果が引き起こされる。高い信号損失及び低い分離に対する理由は、合成信号を搬送する給送器の使用に関連付けられる。信号を効率的に合成するためには、各フィルタの通過帯域610〜618にわたる電気インピーダンスを同じ公称値、例えば、50オームに維持すべきである。図9に示しているように通過帯域が重なり合う時には、この公称インピーダンスを維持することができず、(a)給送器に結合する信号における損失及び信号波面の歪曲、(b)隣接するフィルタ内、及び従って他の基地局及びそれらの送信機内に結合する各信号の一部分がもたらされる。送信機の出力段階は非線形であり、異なる周波数を有する信号の出力段階への結合の結果として、この段階による相互変調積(IMP)がもたらされる。IMPは、制御されない疑似放射になり、これが十分に大きい場合には、この種の通信を監督する規制当局によって許可されたレベルを超える場合がある。
ここで図13を参照すると、本発明の別のアンテナシステム700は、4つの基地局、すなわち、隣接周波数で作動する第1、第2、第3、及び第4の基地局BS71、BS72、BS73、及びBS74を組み込んでいる。基地局BS71〜BS74は、図12の610、612、614、及び616に示している互いに対して位置したそれぞれの送信周波数帯域を有し、これらの基地局の受信周波数帯域も同様に近い。その結果、第2の基地局の作動周波数は、第1及び第3の基地局BS71及びBS73のものと近く、第3の基地局の作動周波数は、第2及び第4の基地局BS72及びBS74のものと近いが、第1及び第3の基地局BS71及びBS73は、互いに近くない作動周波数を有し、このことは、第2及び第4の基地局BS72及びBS74にも当て嵌まる。これは、奇数が振られた又は第1及び第3の基地局BS71及びBS73を図13の第1の給送器F71に関連付けられた左手対としてグループ分けし、偶数が振られた又は第2及び第4の基地局BS72及びBS74を第2の給送器F72に関連付けられた右手対としてグループ分けすることによっても示している。
基地局BS71〜BS74は、二重偏波位相配列アンテナ704を有するアンテナアセンブリ702を共有する。アンテナ704は、これまでに説明されているように、共同給送器の入力信号位相差によって設定される電気的傾斜角を有し、垂直線に対してそれぞれ+45度と−45度とで互いに直交し、上向きに右に傾き(正の(+)偏波)、上向きに左に傾く(負の(−)偏波)互いに直交する偏波を有する交差双極子D1及びD2の形態にあるアンテナ素子の垂直アレイを含む単一のアンテナである。正の偏波双極子D1は、正の偏波共同給送器D1(+)に接続され、負の偏波双極子D2は、負の偏波共同給送器D2(−)に接続される。共同給送器D1(+)及びD2(−)は、2つの入力/出力ポートA(+)、B(+)、及びA(−)、B(−)を有する。共同給送器D1(+)及びD2(−)の各々は、2つの入力信号をアンテナ素子D1又はD2への駆動信号へと変換し、これらの入力信号の間の位相差が、これらの要素に関連付けられたアンテナ偏波(+)又は(−)の電気的傾斜角を制御する前に説明した種類のものである。
4つの基地局BS71〜BS74の各々は、2つのポートを有し、その一方は、接尾記号Dが振られた偏波ダイバーシティポートであり、すなわち、第1、第2、第3、及び第4の基地局BS71、BS72、BS73、及びBS74の各々は、それぞれ2つのポートP71及びP71D、P72及びP72D、P73及びP73D、並びにP74及びP74Dを有し、これらのうちで接尾記号「D」が振られたポートは、偏波ダイバーシティ受信信号に対するものである。基地局BS71〜BS74は、第1及び第2の給送器F71及びF72で接続した基地局フィルタアセンブリ706及びアンテナ傾斜アセンブリ708を通じてアンテナ704に送信信号を供給し、かつそこから受信信号を受け取る。
第1及び第3の基地局BS71及びBS73からの送信信号は、送信信号経路と受信信号経路とを分離するそれぞれの送信/受信複式フィルタDF1及びDF3への入力としてアンテナ傾斜アセンブリ708へと通過する。DF1及びDF3におけるフィルタリングの後に、これらの信号は、組合せ送信/受信複式フィルタCBF1内のそれぞれの送信帯域通過フィルタTX1及びTX3に入力され、組合せ送信/受信複式フィルタCBF1は、これらの信号を組み合わせて、基地局フィルタアセンブリ706への経路指定のために第1の給送器F71に乗せる。基地局フィルタアセンブリ706内で合成された信号TX1/TX3は、送信/受信複式フィルタDF(+)に入力され、送信/受信複式フィルタDF(+)は、送信信号経路と受信信号経路とを分離し、正の偏波共同給送器D1(+)に関連付けられる。DF(+)でのフィルタリングの後に、合成信号TX1/TX3は、S(+)で2つの信号に分割され、これらの信号は、各々を図3でTTM1と示し、半アセンブリ54aを参照して説明したそれぞれの送信傾斜モジュールTM1及びTM3へと給送される。各送信傾斜モジュールTM1又はTM3は、それぞれ正の偏波共同給送器ポートA(+)及びB(+)に関連付けられた組合せ送信/受信複式フィルタCFA(+)及びCFB(+)に給送される2つの可変相対遅延された信号をもたらす。複式フィルタCFA(+)及びCFB(+)の各々は、送信信号周波数TX1及びTX3に対する別々の帯域通過フィルタを有し、各々、これらの周波数を有する送信信号をそれぞれ正の偏波共同給送器ポートA(+)及びB(+)への入力に向けて合成する。周波数TX1を有し、互いに対して相対遅延された第1の基地局送信信号は、それぞれの正の偏波共同給送器ポートA(+)及びB(+)に入力され、同様にこれらの給送器ポートは、周波数TX3を有する相対遅延された形態の第3の基地局送信信号の入力も受け取る。更に、周波数TX1を有する送信信号の間の相対遅延は、周波数TX3を有する送信信号の間のものとは独立して制御可能であり、これは、これらの遅延が、送信傾斜モジュールTM1及びTM3によって別々に制御されるからである。その結果、傾斜モジュールTM1及びTM3は、正の偏波双極子D1から放射される第1及び第3の基地局BS71及びBS73の送信信号の電気的傾斜角の独立した制御をもたらす。
正の偏波双極子D1によって自由空間から受信される信号は、正の偏波共同給送器D1(+)によって2つの受信信号へと処理され、これら2つの信号は、ポートA(+)及びB(+)から出て、そこからフィルタリングに向けて組合せ送信/受信複式フィルタCFA(+)及びCFB(+)それぞれへと通過する。CFA(+)及びCFB(+)におけるフィルタリングの後に、受信信号は、図3ではRTM1と示し、半アセンブリ54aを参照して説明した受信傾斜モジュールRM13へと通過する。上述のように、受信傾斜モジュールRM13は、第1の基地局受信信号RX1及び第2の基地局偏波ダイバーシティ受信信号RX2Dに対する独立した可変遅延(従って、独立して調節可能な傾斜角)をもたらす。しかし、これらの遅延は、第3及び第4の基地局BS73及びBS74によって共有され、すなわち、受信傾斜モジュールRM13は、第1の基地局受信信号RX1のものに等しい第3の基地局受信信号RX3に対する可変遅延及び傾斜角をもたらし、第2の基地局偏波ダイバーシティ受信信号RX2Dのものに等しい第4の基地局偏波ダイバーシティ受信信号RX4Dに対する可変遅延及び傾斜角をもたらす。
受信傾斜モジュールRM13は、適切な遅延を組み込んだ送信/受信複式フィルタDF(+)においてフィルタリングされる合成受信信号出力をもたらし、このフィルタは、第1の給送器F71において送信信号経路と受信信号経路を結合し、その後、合成受信信号は、送信/受信複式フィルタCBF1によって送信信号から分離され、720において増幅され、722において4つの信号に分割される。4つの分割信号のうちの2つは、複式フィルタDF1及びDF3においてフィルタリングされ、それぞれ第1及び第3の基地局BS71及びBS73の送信/受信ポートP71及びP73へと給送される。4つの分割信号のうちの他方の2つは、第2及び第4の基地局BS72及びBS74の偏波ダイバーシティ受信ポートP72D及びP74Dへと給送される。
その結果、図13の左手側にある装置要素は:
第1及び第3の基地局BS71及びBS73における送信信号TX1及びTX3、
第1の基地局BS71における受信信号RX1(第3の基地局BS73のものであるRX3と共有される)、及び
第2の基地局における偏波ダイバーシティ受信信号RX2D(第4の基地局BS74のものであるRX4Dと共有される)、
に対して独立して制御可能な電気的傾斜角をもたらす。
図13は、双極子D1及びD2の中点を通って延びる線での反射に関して対称であり、図13の右手側は、上述の左手側と同等に作動し、これに対しては説明しないことにする。対称性により、図13の右手側部の装置要素は:
第2及び第4の基地局BS72及びBS74における送信信号TX2及びTX2、
第2の基地局BS72における受信信号RX2(第4の基地局BS74のものであるRX4と共有される)、及び
第1の基地局における偏波ダイバーシティ受信信号RX1D(第3の基地局BS73のものであるRX3Dと共有される)、
に対して独立して制御可能な電気的傾斜角をもたらす。
従って、アンテナシステム700は、送信モードにおいて、隣接周波数を有する4つの異なる基地局に対して独立して制御可能な電気的傾斜角をもたらし、受信モードにおいて、基地局対の間に、独立して制御可能な電気的傾斜角の共有をもたらす。隣接周波数を有する4つの基地局は、第1及び第3の基地局BS71及びBS73、並びに第2及び第4の基地局BS72及びBS74という不隣接周波数を有する2対の基地局へと実際に分離される。第1及び第3の基地局BS71及びBS73によって送信又は受信される信号は、正の偏波共同給送器D1(+)に関連付けられ、第2及び第4の基地局BS72及びBS74によって送信又は受信される信号は、負の偏波共同給送器D2(−)に関連付けられる。その結果、隣接周波数を有する信号はアンテナシステム回路内では合成されず、直交双極子D1とD2の間の分離によって互いに分離され、これは、第1及び第2の基地局BS71及びBS72、又は第2及び第3の基地局BS72及びBS73、又は第3及び第4の基地局BS73及びBS74に関連付けられた信号に当て嵌まる。
必要とされる場合には、独立して制御可能な電気的傾斜角を図13に対する簡単な修正によって4つ全ての受信信号周波数に対して与えることができ、傾斜モジュールRM13及びRM24は、合計で4つのそのようなモジュールを4つの送信モジュールが存在するのと同じ手法で設けるように複製することができる。複式フィルタCFA(+)、CFB(+)、CFA(−)、及びCFB(−)の受信信号出力は、4つの受信モジュールへの入力をもたらすように2つに分割され、信号合成器は、給送器F71及びF72に渡す前に複式フィルタDF(+)及びDF(−)におけるフィルタリングに向けて、受信モジュール出力対を合成する。付加的な低ノイズ増幅器を挿入することができる(本発明の従来の実施形態と比較されたい)。
高電力を搬送し、アンテナマストを上って長距離にわたって延びる給送器F71及びF72を位相整合する必要がないことに注意されたい。位相整合は、アンテナ傾斜アセンブリ708を共同給送器D1(+)及びD2(−)に接続するジャンパリード線の間で必要とされるが、これらのジャンパリード線は短く、温度ドリフト等に起因する不正確さはそれ程顕著ではないので、この位相整合が困難をもたらすことはない。
ここで図14を参照すると、図13を参照して説明したシステム700を図10に示している修正C(+)、C(−)、402、404、及び408を実施するように適合させて、電気的傾斜角の3信号制御に適するようにした本発明の別のアンテナシステム800を示している。これらの修正は、正の偏波共同給送器CF(+)に関連付けられたアンテナ傾斜アセンブリATA(+)に対して行われ、同様の構造の更に別のアンテナ傾斜アセンブリATA(−)は、負の偏波共同給送器CF(−)に関連付けられる。アンテナシステム800は、実質的に図10及び図13を参照して説明した通りの構成要素を有して作動し、これに対してはより詳しく説明しないことにする。
図2〜図14を参照して説明した本発明の実施形態は、2つ又は4つの基地局が、送信及び受信信号に対して独立して調節可能な電気的傾斜角を保持しながら、偏波毎に2つ又は3つのアンテナ共同給送器信号の間の位相差に応答して傾斜する単一の位相配列アンテナを共有することができることを示している。傾斜角制御の範囲は、追加の共同給送器信号、すなわち、2つではなく3つの使用によって拡張される。
32 二重偏波傾斜調節可能アンテナ
34、36 双極子
50 基地局フィルタアセンブリ
54 アンテナ傾斜アセンブリ
BS21、BS22 基地局
F21、F22 信号給送器

Claims (18)

  1. a)電気的傾斜調節可能な偏波を有する二重偏波アンテナ、
    b)関連のアンテナ偏波の電気的傾斜が複数の中間信号の相対遅延に応答して調節可能であるように準備するように各々配置された、各アンテナ偏波と中間信号が相対遅延を受けるように準備する遅延手段との間で中間信号を中継するためのそれぞれの共同給送手段、
    c)各アンテナ偏波に関連付けられたそれぞれの信号給送器、及び
    d)各アンテナ偏波が、一方のそれぞれの局の信号と他方のそれぞれの局の偏波ダイバーシティ信号とに関連付けられるようにアンテナシステムが配置され、かつ各々が該アンテナ偏波及び信号給送器を通じて信号を受信及び送信することの少なくとも一方のための2つの局、
    を含むことを特徴とするアンテナシステム。
  2. 前記2つの局は、隣接作動周波数を有することを特徴とする請求項1に記載のアンテナシステム。
  3. 少なくとも一方の局は、少なくとも信号を送信するためのものであり、前記遅延手段は、該少なくとも一方の局の送信信号を互いの間に相対遅延を有する2つの中間信号へと処理するための手段を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のアンテナシステム。
  4. 前記局は、少なくとも信号を受信するためのものであり、前記遅延手段は、各共同給送器からのそれぞれの複数の中間信号を処理して、異なる局に関連付けられたアンテナビームの電気的傾斜の独立した調節のために信号対の間に独立に可変の相対遅延をもたらすための手段を含むことを特徴とする請求項1、請求項2、又は請求項3に記載のアンテナシステム。
  5. 前記遅延手段は、前記信号給送器を通じて前記局へと中継するために相対遅延信号対を合成するための混成器を組み込むことを特徴とする請求項4に記載のアンテナシステム。
  6. 前記遅延手段は、低減した周波数で相対遅延信号をフィルタリングするように配置された周波数変換手段を組み込むことを特徴とする請求項4に記載のアンテナシステム。
  7. 前記遅延手段は、低減した周波数での相対遅延信号のフィルタリングを可能にしてローカル発振器の信号位相シフトによって信号遅延を実施するように配置された周波数変換のためのローカル発振器手段を組み込むことを特徴とする請求項4に記載のアンテナシステム。
  8. 前記局は、前記アンテナから遠隔に位置し、前記遅延手段は、該アンテナと共同設置されたアンテナ傾斜アセンブリに組み込まれ、前記信号給送器は、該アンテナ傾斜アセンブリを該局に関連付けられた局回路に接続することを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、又は請求項4に記載のアンテナシステム。
  9. 前記局回路は、前記信号給送器を通じて受信した信号を前記局の間で分割して、一方のそれぞれのアンテナ偏波に関連付けられた受信信号と他方のそれぞれのアンテナ偏波に関連付けられた偏波ダイバーシティ信号とを各局に供給するように配置されることを特徴とする請求項8に記載のアンテナシステム。
  10. 偏波ダイバーシティをもたらす電気的傾斜調節可能偏波を有する二重偏波アンテナと、各アンテナ偏波に関連付けられ、そのアンテナ偏波の電気的傾斜が複数の中間信号の相対遅延に応答して調節可能であるように準備するそれぞれの共同給送手段とを有するアンテナシステムを作動させる方法であって、
    a)各アンテナ偏波の間で中間信号を中継し、中間信号が相対遅延を受けるように準備する段階、
    b)各アンテナ偏波に関連付けられたそれぞれの信号給送器を準備する段階、及び
    c)各アンテナ偏波が一方のそれぞれの局の信号と他方のそれぞれの局の偏波ダイバーシティ信号とに関連付けられたアンテナ偏波と信号給送器とを通じて各々が信号を受信及び送信することの少なくとも一方のための2つの局を用いる段階、
    を含むことを特徴とする方法。
  11. 前記2つの局は、隣接作動周波数を有することを特徴とする請求項10に記載の方法。
  12. 信号を送信するように少なくとも一方の局を準備する段階を含み、
    前記中間信号は、前記少なくとも一方の局の送信信号を互いの間に相対遅延を有する2つの中間信号へと処理することによって相対遅延を受けるようにされる、
    ことを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の方法。
  13. 少なくとも信号を受信するように前記局を準備する段階を含み、
    前記中間信号は、各共同給送器からのそれぞれの複数の中間信号を処理して、異なる局に関連付けられたアンテナビームの電気的傾斜の独立した調節のために信号対の間に独立に可変の相対遅延をもたらすことにより、相対遅延を受けるようにされる、
    ことを特徴とする請求項10、請求項11、又は請求項12に記載の方法。
  14. 前記中間信号は、前記信号給送器を通じて前記局に中継するために相対遅延信号対を合成するための混成器を用いて相対遅延を受けるようにされることを特徴とする請求項13に記載の方法。
  15. 前記中間信号は、低減した周波数での相対遅延信号の周波数変換及びフィルタリングによって相対遅延を受けるようにされることを特徴とする請求項13に記載の方法。
  16. 信号遅延が、ローカル発振器の信号位相シフトによって実施されることを特徴とする請求項15に記載の方法。
  17. 前記局は、前記アンテナから遠隔に位置し、前記中間信号は、該アンテナと共同設置されたアンテナ傾斜アセンブリにおいて相対遅延を受けるようにされ、前記信号給送器は、該アンテナ傾斜アセンブリを該局に関連付けられた局回路に接続することを特徴とする請求項10、請求項11、請求項12、又は請求項13に記載の方法。
  18. 前記局回路を用いて、前記信号給送器を通じて受信した信号を前記局の間で分割し、一方のそれぞれのアンテナ偏波に関連付けられた受信信号と他方のそれぞれのアンテナ偏波に関連付けられた偏波ダイバーシティ信号とを各局に供給する段階を含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
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