JP2010509304A - アリル系ポリスルファン - Google Patents

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Abstract

9〜22の硫黄鎖長を有するジアリル系ポリスルフィド(ポリスルファン)を提供する。3〜22の硫黄鎖長を有するビス(2−メチル−2−プロペニル)ポリスルフィドも提供する。3〜20の硫黄鎖長を有する2−置換ビス(2−プロペニル)ポリスルフィドも提供する。3〜20の硫黄鎖長を有する2−シクロアルケン−1−イルポリスルフィド、2−シクロヘキセン−1−イルポリスルフィド、および2−シクロペンテン−1−イルポリスルフィドも提供する。ジアリル系ポリスルフィドおよびそれらの2−置換類似体およびアリルメチルポリスルフィドの硫黄鎖長を延長する方法であって、このような化合物を、元素硫黄と接触させるステップおよび加熱するステップによる、あるいは溶融硫黄と混合するステップによる方法も提供する。

Description

本発明は、新規なジアリル系ポリスルファンおよびそれらの置換類似体、そのような化合物の製造方法、ならびにポリスルファンの硫黄鎖長を延長する方法に関する。
ジアリルポリスルフィド(ポリスルファン:DASn、式中、n≧2)およびそれらの誘導体は、たとえば、ニンニク油(ニンニクの蒸留油)中に天然に見つけられており、農薬としてなど多数の技術分野において用途が見い出されている。ジアリルポリスルフィドの生物活性は硫黄鎖長とともに変化することが知られており、鎖長の長い分子は高い活性を示すことが多い(1)。天然のジアリルポリスルフィドのファミリーの中では、8個を超える硫黄原子を有する分子は知られていない。しかし、それらには大きな可能性が見い出され、公知のジアリルポリスルフィドよりも向上した性質または別の性質を示すと予想される。
ジアリルポリスルフィドの有望な用途の指標として、他の公開文献および特許出願を参照しながら応用分野の一部の例の概略を以下に示す。
DAS2およびDAS3(ジアリルジスルフィドおよびジアリルトリスルフィド)は、松の線虫を防除するための殺線虫剤として使用することができ、有益な生物数の減少、分解および抵抗性の増加を介した耐性の発達、ならびに潜在的な昆虫侵入および人間と家畜とに対する毒性の誘発の発生を促進する毒物学的な生態系のかく乱を介した耐性の発達などの環境に対する副作用がなく(2);DAS2〜DAS7(ジアリルジスルフィドからジアリルヘプタスルフィド)は、殺虫剤、殺ダニ剤、殺ウイルス剤、殺真菌剤、および植物成長調整剤として使用することができ(3、4);ジアリルポリスルフィドは、不飽和化合物の安定剤および重合防止剤としてならびに酸化防止剤成分として使用することができ(5);これらは葉面散布用農薬として、および他の農業用途(6〜8)、ならびに殺ダニ剤として(9)使用することができ;DAS2〜DAS4(ジアリルジスルフィドからジアリルテトラスルフィド)は、マツノザイセンチュウ(Bursaphelenchus xylophilus)の幼虫を防除することによるマツ材線虫病の防止に使用することができ(10);これらは、発芽を促進する植物休眠抑制剤として使用することができ(11);ジアリルポリスルフィドは、屈折率が増加した光学材料として、自動車変速機用の極圧添加剤および潤滑油化合物として、ならびにリチウム電池の保護電解質として使用することができ(12);これらは、アミン非含有の腐食防止剤として使用することができ(13);シクロデキストリン包接化合物の形態で、これらは治療薬として使用することができ(14);DAS3〜DAS7は、殺真菌剤および脂質過酸化防止剤(15)として使用することができ;ジアリルポリスルフィドは、食品保存料および褐変防止剤(16)として使用することができる。
ジアリルトリスルフィドおよびテトラスルフィドの抗生物質、抗菌剤、抗血栓剤、駆虫薬、アポトーシス誘導物質および抗腫瘍剤、抗血管形成剤として、ならびにカドミウムおよび他の有毒金属によって生じる毒性から保護する化合物としての使用に関する科学文献における報告も存在する。適用範囲が広く、より長い鎖長のジアリルポリスルフィドが多数の技術分野において有用であることが分かる。
ジアリルトリスルフィド、テトラスルフィド、およびペンタスルフィドの製造方法は公知である(17〜24)。
したがって、本発明は、第1の態様において式:
Figure 2010509304
(上式中、nは3〜22であり;
は、
水素;
メチル;
フェニル;
カルボエトキシ;
カルボメトキシ;
カルボキシ;
ヒドロキシメチル;
トリメチルシリルメチル;
短鎖アルキル;
クロロ;および
フルオロを含む群より選択され;
但し、nが3〜8の場合、Rは水素ではない)
の化合物を提供する。
特に、本発明は、nが4以上、または5以上、または6以上、または7以上、または8以上、または9以上、または10以上、または11以上、または12以上、または13以上、または14以上、または15以上、または16以上、または17以上、または18以上であり、nが21以下、20以下、または19以下であるこのような化合物を提供する。たとえば、nは4〜22、または5〜22、または6〜22など;あるいは4〜21、または5〜21、または6〜21、または7〜21など;あるいは4〜20、または5〜20、または6〜20、または7〜20などである。
また特に、nが3〜9、または3〜10、またはさらには3〜11である場合、Rが水素でないことが好ましい。
この群の中で、上記短鎖アルキル基は好ましくは、2、3、または4個の炭素原子を有するアルキル基を含む。
第2の態様においては、本発明は式:
Figure 2010509304
(上式中、nは9〜22である)
の化合物を提供する。特に、本発明は、nが10以上、または11以上、または12以上、または13以上、または14以上、または15以上、または16以上、または17以上、または18以上であり、nが21以下、20以下、または19以下であるこのような化合物を提供する。たとえば、nは4〜22、または5〜22、または6〜22など;あるいは4〜21、または5〜21、または6〜21、または7〜21など;あるいは4〜20、または5〜20、または6〜20、または7〜20などである。
第3の態様においては、本発明はまた式:
Figure 2010509304
(上式中、nは3〜22である)
の化合物も提供する。特に、本発明は、nが4以上、または5以上、または6以上、または7以上、または8以上、または9以上、または10以上、または11以上、または12以上、または13以上、または14以上、または15以上、または16以上、または17以上、または18以上であり、nが21以下、20以下、または19以下であるこのような化合物を提供する。たとえば、nは4〜22、または5〜22、または6〜22など;あるいは4〜21、または5〜21、または6〜21、または7〜21など;あるいは4〜20、または5〜20、または6〜20、または7〜20などである。
第4の態様においては、本発明はまた、
ビス(2−プロペニル)ポリスルフィド;および
2−置換ビス(2−プロペニル)ポリスルフィド
を含む群より選択されるジアリル系ポリスルフィドの硫黄鎖長を延長する方法であって;
上記ジアリル系ポリスルフィドを元素硫黄と混合するステップと、50℃を超える温度に混合物を加熱するステップとを含む方法も提供する。反応速度および収率は温度が上昇するとともに増加し、これが顕著であるため、特に好ましくは、混合物は60℃を超える、または70℃を超える、または80℃を超える、または最も好ましくは90℃を超える温度に加熱される。特に好ましい実施形態においては、上記混合物は、元素硫黄の融点(115〜120℃)またはその周辺、あるいはそれを超える温度に加熱される。特に好ましい実施形態においては、この方法は、元素硫黄とのこのような反応によって、ジアリルジスルフィドの硫黄鎖長を延長して、3〜8個の間の硫黄原子を含有するジアリルポリスルフィドを生成するステップを含む。
第5の態様においては、本発明はまた、
ビス(2−プロペニル)ポリスルフィド;および
2−置換ビス(2−プロペニル)ポリスルフィド
を含む群より選択されるジアリル系ポリスルフィドの硫黄鎖長を延長する方法であって;
上記ジアリル系ポリスルフィドを溶融硫黄と混合するステップを含む上記方法も提供する。
上記第4および第5の態様においては、上記ジアリル系ポリスルフィドが、ジアリルジスルフィド、すなわちビス(2−プロペニル)ジスルフィドを含むことが好ましい。
本発明の第4および第5の態様においては、このように生成された上記ジアリル系ポリスルフィドが、22個未満の硫黄原子を有するポリスルフィドを含むことが特に好ましい。
第6の態様においては、本発明はまた式:
Figure 2010509304
(上式中、Rは、
フェニル;
カルボエトキシ;
カルボメトキシ;
カルボキシ;
ヒドロキシメチル;
短鎖アルキル;
トリメチルシリルメチル;
クロロ;および
フルオロを含む群より選択され;
nは3〜20である)
化合物も提供する。
この群の中で、上記短鎖アルキル基は好ましくは、2、3、または4個の炭素原子を有するアルキル基を含む。
第7の態様においては、本発明はまた式:
Figure 2010509304
(上式中、nは3〜20である)
の化合物も提供する。
好ましい実施形態においては、nは3〜18である。
本発明はまた式:
Figure 2010509304
(上式中、nは3〜20である)
の化合物も提供する。
好ましい実施形態においては、nは3〜18である。
第8の態様においては、本発明はまた、アリルメチルポリスルフィド(MeSCHCH=CH)の硫黄鎖長を延長する方法であって、上記アリルメチルポリスルフィドを元素硫黄と混合するステップと、50℃を超える温度にその混合物を加熱するステップとを含む方法も提供する。反応速度および収率は温度が上昇するとともに増加し、これが顕著であるため、特に好ましくは、混合物は60℃を超える、または70℃を超える、または80℃を超える、または最も好ましくは90℃を超える温度に加熱される。特に好ましい実施形態においては、上記混合物は、元素硫黄の融点またはその周辺、あるいはそれを超える温度に加熱される。
第9の態様においては、本発明は、アリルメチルポリスルフィド(MeSCHCH=CH)の硫黄鎖長を延長する方法であって、上記アリルメチルポリスルフィドを溶融硫黄と混合するステップを含む方法も提供する。
第4、第5、第8、または第9の態様に記載されるいずれの方法においても、追加の溶媒が実質的に存在せずに反応が進行することが特に好ましい。
また、第4、第5、第8、または第9の態様に記載されるいずれの方法においても、そのように生成された個別のポリスルファンは、分取高速液体クロマトグラフィー(HPLC)などの分離方法によって得ることができるが、低級ポリスルフィド混合物、および高級ポリスルフィド混合物への分離は、メタノールまたはエタノールを使用した抽出によって行うことができる。高級ポリスルファン(たとえばほぼSを超えるS鎖長を有する)はアルコール、特にメタノールに対して不溶性である。あるいは、このように生成された硫黄鎖長同族体の混合物は、必要に応じて組み合わせて使用することもできる。
また、第4、第5、第8、または第9の態様に記載されるいずれの方法においても、異種類の同族出発物質(たとえばジアリルジスルフィドなど)を使用することができるし、ニンニク(Allium sativum)からの天然抽出物または蒸留物などの既存の混合物を使用することもできる。
本発明の重要で一意的な特徴としては、非常に短い加熱時間を必要とする高い反応速度、優れた収率、溶媒の回避、高級ポリスルフィドの臭気がないこと、および最大20個の鎖硫黄原子を含有するポリスルフィド、たとえばAll(式中のnは1〜20の各整数である)の形成が挙げられる。本発明のジアリル系高級ポリスルフィドは新規材料であり、従来は知られておらず(親ジアリル系の場合、Allを超える)、これらは非極性であり、クロロホルムおよび関連する溶媒に対して可溶性であるが、アルコールに対しては不溶性であり、低級ジアリル系ポリスルフィドとは対照的である。
添付の図面が参照され、それらの図面のあらゆる適切な組み合わせによって示される、実質的に本明細書において説明される化合物および方法も、本発明の範囲内に含まれる。
出発物質のNMRスペクトルを示す図である。 図1の1時間サンプルを示す図である。 反応生成物のエタノール不溶性画分を示すALL(n=8〜20)の混合物を示す図である。 出発物質のNMRスペクトルを示す図である。 図1の0.5時間サンプルを示す図である。 実施例9〜11の結果を示し、生成されたポリスルフィドのスペクトルに対する反応温度の影響を示す図である。
溶融温度の115〜120℃で液化させた硫黄に、激しく撹拌しながらジアリルスルフィドを加える。ジアリルジスルフィド対硫黄(Sとして)の比率は、1:0.25〜1:2の範囲とすることができるが、これらの指定の値よりも小さいおよび大きい比率を使用することもできる。ジスルフィド:硫黄の比が減少すると(たとえばS>ジスルフィド)120℃における反応速度が速くなる。実質的な反応は5分で起こり、2時間後には実質的に完了する。115℃においては、ジアリルジスルフィドと液体硫黄との反応はより遅くなる。120℃を超える温度においては、反応がより速くなるが分解が起こり、反応混合物が顕著に黒ずむことからこのことが分かる。
硫黄上にアリル系基が存在しないジベンジルジスルフィドなどの飽和ジスルフィドを使用する場合には、反応が実質的に遅くなり、異なる機構によって反応が生じていると考えられる。ジアリルスルフィドも液体硫黄と反応するが、ジアリルジスルフィドよりも実質的に遅い速度であり、そのためこの場合も異なる機構を伴っていると思われる。硫黄との反応は、ビス(2−メチアリル)ジスルフィドなどの置換ジアリル系ジスルフィドでも起こるが、ビス−シンナミルジスルフィド、たとえば、(PhCH=CHCHS)では反応が起こらず、この場合、要求されるチオスルホキシド中間体、たとえばCH=CHCH(Ph)S(S)CHCH=CHPhの中で共役が破壊される。ビス(2−フェニル−2−プロペニル)、ビス(2−カルボエトキシ−2−プロペニル)、ビス(2−カルボメトキシ−2−プロペニル)、ビス(2−カルボキシ−2−プロペニル)、ビス(2−ヒドロキシメチル−2−プロペニル)、ビス(2−クロロ−2−プロペニル)、ビス(2−フルオロ−2−プロペニル)、またはビス(2−トリメチルシリルメチル)ジスルフィドのあらゆる2−置換ジアリル系ジスルフィドではこの反応が起こるはずである。反応が起こるはずである他のジアリル系ジスルフィドは、2−シクロアルケン−1−イルジスルフィド、たとえば、2−シクロヘキセン−1−イル、および2−シクロペンテン−1−イルジスルフィドであり、これらは1,3−二置換ジアリル系ジスルフィドと見なすことができる。上記の場合のそれぞれにおいて、出発物質は上述のジスルフィドであり、Sの量は0.25〜2当量の範囲であり、反応条件は115℃〜120℃で最長3時間加熱することを含む。上記は最適条件を含んでいるが、Sの比率、ならびに加熱温度および加熱時間の範囲は、上記よりも広くなってもよい。
反応は、ジアリル系ジスルフィド、たとえばAll−SS−Allが、チオスルホキシド異性体、たとえばAll−Sとなる異性化を伴うと考えられている(25)。チオスルホキシド基は極性基であり、末端硫黄が負電荷を有し(25、26)、この負に帯電した硫黄は、シクロオクタ硫黄Sを攻撃して開環させ、それによってイオン種、たとえばAll−S−Sが得られ、これが負に帯電した硫黄を介して(恐らくS2’過程によって)出発ジアリル系ジスルフィドを攻撃して、末端チオアリル化生成物、たとえば、All−S−SAllが得られ、次にこれは、求核試薬の攻撃を介して、正のチオスルホニウム硫黄に結合した2つのアリル系基の中の1つを失って、AllS−S−SAll型の生成物が得られると考えられる。次にこの生成物は、小分子Sとして種々の数の硫黄原子を失うことができる。全体の過程は、飽和ジスルフィドとシクロオクタ硫黄との反応である、より高温でのみ起こり、シクロオクタ硫黄のフリーラジカル開環によって・S・などのジラジカルが得られ、ジスルフィドのフリーラジカル開裂によってRS・などのラジカルが得られることを伴うと考えられている反応とは明らかに全く異なる(27)。飽和ジスルフィドを伴う反応のより高い温度およびフリーラジカルの性質のために、不安定で反応性である高級ポリスルフィドの形成が制限され、本発明者らの研究において、その存在は逆相HPLC分析および質量分析によって確認される。さらに、ジアリルスルフィドAllSには、Sの開環を促進する極性S−S結合が存在しない。したがって、AllSの求核性スルフィド硫黄によるSへの攻撃がはるかに少ないため、より激しくより高温の条件も必要となる(28)。0.625:1のモル比の液体SおよびAllSを120℃で2時間加熱しても、全く反応が観察されなかった。
1:1のモル比におけるジアリルジスルフィドおよび元素硫黄(Sとして)。
硫黄華(S、0.640g、2.50mmol)が入れられた10mLの丸底フラスコを、あらかじめ120℃に加熱した油浴中に入れた。すべての硫黄が溶融して透明麦わら色液体になってから、ジアリルジスルフィド(0.365g、2.50mmol)をすべて一度に、マグネチックスターラーで撹拌した液体に加えた。3分以内に、最初濁っていた2層液体混合物は、1つの液体層のみを有する透明均一溶液になった。種々の時点、たとえば5分、30分、1時間、1.5時間、および2時間において、分析のために反応混合物から少量のサンプルを抜き取った。抜き取ったサンプルをCDCl中に溶解させることで、NMRおよび逆相HPLC分析の両方を同じサンプルに対して行うことができた。所望であれば、残りの材料は直接使用することもでき、メタノール可溶性またはエタノール可溶性の画分を抽出によってアルコール不溶性残留物から分離することもでき、次にこれをさらに使用するためにクロロホルム中に溶解させることができた。CHCl中に溶解させたサンプルのC18 HPLC(85:15のMeOH:HO)による分析から、(CH=CHCH(n=2〜20)に対応する均等の間隔で配置された一連のピークが、添付のHPLCトレースに示される未反応Sとともに示された。各HPLCピークのダイオードアレイUVスペクトルは、混合物の構成要素が「ファミリー」の関係にあることを支持している。本発明者らの測定は、鎖中の硫黄原子の数と保持時間から計算される容量因子(capacity factor)の自然対数との間に直線関係が存在するジアルキルポリスルファンのファミリーのHPLCによる研究と一致している(29)。出発物質のNMRスペクトルを(図1)1時間サンプル(図2)と比較すると、n≧5のAllに特徴的なδ3.62および3.60におけるCH−Sプロトンに関する二重項の存在が明確に示されている。
ジアリル系ポリスルフィドのNMR分析を使用すると、CHプロトンの累進的な反遮蔽のために、モノスルフィド、ジスルフィド、トリスルフィド、テトラスルフィド、およびペンタスルフィド以上のポリスルフィドをまとめたものの相対量を定量することができる(30)。HPLC分析は以下の通りであった。
Figure 2010509304
経時により生成された各同族体のパーセント値を示す500MHzにおけるH NMR分析からのデータ(内部標準と比較)を以下に示す。
Figure 2010509304
2:1のモル濃度の混合物中のジアリルジスルフィドおよび元素硫黄(Sとして)。
硫黄華(S、1.28g、5mmol)が入れられた10mLの丸底フラスコを、あらかじめ120℃に加熱した油浴中に入れた。すべての硫黄が溶融して透明麦わら色液体になってから、ジアリルジスルフィド(1.48g、10.1mmol)をすべて一度に、マグネチックスターラーで撹拌した液体に加えた。3分以内に、最初濁っていた2層液体混合物は、1つの液体層のみを有する透明均一溶液になった。120℃で1時間撹拌を続けた。少量をH NMRにより分析すると、δ3.09/3.07(8%のAllS)、δ3.33/3.31(9%のAll)、δ3.50/3.48(12%のAll)、δ3.58/3.56(16%のAll)、δ3.62/3.60(54%のAll)(n≧5)においてCH−Sプロトンの二重項が示された。
反応生成物の0.1081gの部分をエタノール(5×1mL)で洗浄し、エタノール抽出物が無色になるまで洗浄を続けた。残留物から微量の溶媒を除去すると、0.0291g(収率27%)の無臭粘着性黄色液体が得られ、これをNMRおよびHPLCによって、反応生成物のエタノール不溶性画分を示すAll(n=8〜20)の混合物(図3参照)として特性決定した)。したがって、H NMRスペクトルより、δ3.62および3.60においてCH−Sプロトンの二重項が示され、これはn≧5のAllに特徴的なものである。HPLC分析は以下の概略的な組成を示している(系統的に変動するUV吸光係数の補正を行っていないため、検出器の高級ポリスルフィドに対する感度が増加し;そのため以下の結果では高級ポリスルフィドの量が誇張されている):All(tr)、All(1%)、All(2%)、All(4%)、All(8%)、All(11%)、All10(13%)、All11(13%)、All12(11%)、All13(9%)、All14(7%)、All15(6%)、All16(4%)、All17(3%)、All18(3%)、All19(2%)、All20(1%)、All21(tr)、All22(tr);元素硫黄はAllのピークとAllのピークとの間のピークとして現れる。
元の0.1081gの反応生成物の中で、0.0291gがエタノール不溶性であり、0.0703gがエタノール可溶性であった。エタノール可溶性画分およびエタノール不溶性画分との合計0.0994gと元の反応生成物0.1081gとの間の差は、後処理およびエタノールの蒸発で失われた揮発性化合物(ジアリルスルフィドなど)を表している。回収率は92.0%であった。濃縮エタノール抽出物は、All(n=1〜9)に対応しており、HPLC分析から以下の概略的組成を示した(系統的に変動するUV吸光係数の補正を行っていないため、検出器の高級ポリスルフィドに対する感度が増加し;そのため以下の結果では高級ポリスルフィドの量が誇張されている):All(2.3%)、All(8.6%)、All(17.3%)、All(28.5%)、All(23.7%)、All(11.9%)、All(5.3%)、All(2.3%)。H NMRによるエタノール可溶性画分の分析により、6.8%のDAS2、15.0%のDAS3、20.2%のDAS4、および58.0%のn≧5のDASnが示された。エタノール不溶性画分の分析では、3.62/3.60において二重項が示され、これはn≧5のDASnが唯一存在する化合物であることを示している。
上記のエタノールによる抽出と類似の方法で、粗生成物の0.1063gの部分をメタノール(5×1mL)で抽出し、メタノール抽出物が無色になるまで抽出を続けた。メタノール抽出物とメタノール抽出の残留物の両方について、ロータリーエバポレーターを使用してメタノールを除去し、0.0603(G)のメタノール可溶性画分および0.0404g(38%)の無臭粘着性黄色液体残留物とを得た。全体の回収率は94.7%であった。H NMRによるメタノール可溶性画分の分析によって、8.7%のDAS2、20.1%のDAS3、38.0%のDAS4、および33.2%のn≧5のDASnが示された。メタノール不溶性画分の分析では、3.62/3.60において二重項が示され、これはn≧5のDASnが唯一存在する化合物であることを示している。
エタノール可溶性抽出物に関するHPLC分析は以下の通りであった。
Figure 2010509304
エタノール不溶性抽出物に関するHPLC分析は以下の通りであった。
Figure 2010509304
メタノール可溶性抽出物に関するHPLC分析は以下の通りであった。
Figure 2010509304
メタノール不溶性抽出物に関するHPLC分析は以下の通りであった。
Figure 2010509304
内部標準を有する1:1のモル比のジアリルジスルフィドおよび元素硫黄(Sとして)
硫黄華(S、0.640g、2.50mmol)が入れられた10mLの丸底フラスコを、あらかじめ120℃に加熱した油浴中に入れた。すべての硫黄が溶融して透明麦わら色液体になってから、4,4’−ジ−tert−ブチルビフェニル(0.0361g、0.136mmol)のジアリルジスルフィド(0.365g、2.50mmol)中の溶液をすべて一度に、マグネチックスターラーで撹拌した液体に加えた。4,4’−ジ−tert−ブチルビフェニルは、単独で分析目的の内部標準としての機能を果たす。3分以内に、最初濁っていた2層液体混合物は、1つの液体層のみを有する透明均一溶液になった。種々の時点、たとえば5分、30分、1時間、1.5時間、および2時間において、分析のために反応混合物から少量のサンプルを抜き取った。抜き取ったサンプルをCDCl中に溶解させることで、NMRおよび逆相HPLC分析の両方を同じサンプルに対して行うことができた。所望であれば、残りの材料は直接使用することもでき、メタノール可溶性またはエタノール可溶性の画分を抽出によってアルコール不溶性残留物から分離することもでき、次にこれをさらに使用するためにクロロホルム中に溶解させることができた。
経時により生成された各同族体のパーセント値を示す500MHzにおけるH NMR分析からの典型的なデータ(内部標準と比較)を以下に示す。
Figure 2010509304
2時間の加熱終了時、内部標準の全面積に対するポリスルフィド画分の全面積は、元の値の68%まで連続的に減少しており、これは揮発性材料が部分的に失われたことを示している。
30分のアリコートのHPLC分析は以下の通りであった。
Figure 2010509304
1:0.25のモル比のジアリルジスルフィドおよび元素硫黄(Sとして)。
硫黄華(S、0.25g、0.977mmol)が入れられた10mLの丸底フラスコを、あらかじめ120℃に加熱した油浴中に入れた。すべての硫黄が溶融して透明麦わら色液体になってから、ジアリルジスルフィド(0.57g、3.90mmol)をすべて一度に、マグネチックスターラーで撹拌した液体に加えた。3分以内に、最初濁っていた2層液体混合物は、1つの液体層のみを有する透明均一溶液になった。種々の時点、たとえば0分、30分、1時間、2時間、および3時間において、分析のために反応混合物から少量のサンプルを抜き取った。抜き取ったサンプルをCDCl中に溶解させることで、NMRおよび逆相HPLC分析の両方を同じサンプルに対して行うことができた。種々の時点(上記の通り)におけるH NMR分析を以下に示す。
Figure 2010509304
3つの時間のアリコートのHPLC分析は以下の通りであった。
Figure 2010509304
1:0.6のモル比ジアリルスルフィドと元素硫黄(Sとして)
上記条件下で、1:0.6のモル比のジアリルスルフィド(沸点139〜140℃)とSとしての元素硫黄との混合物は、2時間後に2層のままであり、反応は全く示されなかった。反応条件は沸点よりはるかに低かったため、ジアリルジスルフィドに使用される条件下では、ジアリルスルフィドの硫黄は、S環を開くための反応性が不十分であると判断される。
内部標準を有する1:1.1のモル比のビス−(2−メチアリル)ジスルフィドおよび元素硫黄(Sとして)。
硫黄華(S、0.640g、2.50mmol)が入れられた10mLの丸底フラスコを、あらかじめ120℃に加熱した油浴中に入れた。すべての硫黄が溶融して透明麦わら色液体になってから、4,4’−ジ−tert−ブチルビフェニル(0.0308g、0.116mmol)のビス−(2−メチアリル)ジスルフィド(0.415g、2.38mmol)の溶液をすべて一度に、マグネチックスターラーで撹拌した液体に加えた。3分以内に、最初濁っていた2層液体混合物は、1つの液体層のみを有する透明均一溶液になった。種々の時点、たとえば5分、10分、20分、30分、45分、1時間、1.5時間、および2時間において、分析のために反応混合物から少量のサンプルを抜き取った。抜き取ったサンプルをCDCl中に溶解させることで、NMRおよび逆相HPLC分析の両方を同じサンプルに対して行うことができた。所望であれば、残りの材料は直接使用することもでき、メタノール可溶性またはエタノール可溶性の画分を抽出によってアルコール不溶性残留物から分離することもでき、次にこれをさらに使用するためにクロロホルム中に溶解させることができた。出発ジスルフィドは、そのH NMRスペクトルでδ3.2638において2つのCHSSプロトンの一重項を示した。硫黄とともに加熱した後には、δ3.007(モノスルフィド)、3.431(トリスルフィド)、3.502(テトラスルフィド)、および3.537(ペンタスルフィド以上)においても一重項が見られた。30分間加熱した後のHPLC分析(表を参照)では、均等な間隔で配置した20個を超えるピークが示され、これは、ジアリルジスルフィドから形成されたものと類似のビス(2−メチル−2−プロペニル)ポリスルフィドのファミリーを示している。
より高級な同族体への反応の進行を示すH NMR分析のデータを以下に示す。
Figure 2010509304
* S=ビス(2−メチアリル)スルフィド;
=ビス(2−メチアリル)ジスルフィド;
=ビス(2−メチアリル)トリスルフィド;など。
30分のサンプルのHPLC分析のデータを以下に示す。
Figure 2010509304
1:1.1のモル比のニンニク油および元素硫黄(Sとして)
硫黄華(S、0.6414g、2.505mmol)が入れられた10mLの丸底フラスコを、あらかじめ120℃に加熱した油浴中に入れた。すべての硫黄が溶融して透明麦わら色液体になってから、市販のニンニク油(0.4191g、ジアリルトリスルフィドを基準として2.35mmol)をすべて一度に、マグネチックスターラーで撹拌した液体(ニンニク油は約80%のジアリルポリスルフィドと20%のアリルメチルポリスルフィドとの混合物である)に加えた。3分以内に、最初濁っていた2層液体混合物は、1つの液体層のみを有する透明均一溶液になった。30分後に反応混合物から少量のサンプルを抜き取り、NMRおよび逆相HPLCの両方により分析するためにCDCl中に溶解させた。以下に示すHPLC分析では、n=7〜19のDASと類似の保持時間を有する化合物などの多数のポリスルフィドの形成が示されている。
Figure 2010509304
CHSプロトンのNMR分光分析では、ジアリルポリスルフィドおよびアリルメチルポリスルフィドMeSCHCH=CHのファミリーの形成を示しており、生成物の65%がn≧5であり、元のニンニク油が11%であるのと対照的である。CHSプロトンのNMR分析では、n≧5のCHを有するメチルアリルポリスルフィドのファミリーが62%形成されたことを示しており、元のニンニク油の場合の16%と対照的である。
Figure 2010509304
* S=アリルスルフィド;
=アリルジスルフィド;
=アリルトリスルフィド;など。
出発物質のNMRスペクトル(図4)を0.5時間のサンプル(図5)と比較すると、n≧5のAllに特徴的なδ3.62および3.60におけるCH−Sプロトンの二重項の大きさの増加、およびそれに対応して、より短いS−鎖長ポリスルフィドの二重項の大きさの減少が明らかである。
120℃における1:1のモル比の2−シクロヘキセン−1−イルジスルフィドおよび元素硫黄(Sとして)
硫黄華(S、0.256g、1.00mmol)が入れられた10mLの丸底フラスコを、あらかじめ120℃に加熱した油浴中に入れた。すべての硫黄が溶融して透明麦わら色液体になってから、2−シクロヘキセン−1−イルジスルフィド(0.226g、1.00mmol)をすべて一度に、マグネチックスターラーで撹拌した液体に加えた。3分以内に、最初濁っていた2層液体混合物は、1つの液体層のみを有する透明均一溶液になった。種々の時点、たとえば5分、30分、1時間、および2時間において、分析のために反応混合物から少量のサンプルを抜き取った。抜き取ったサンプルをCDCl中に溶解させることで、NMRおよび逆相HPLC分析の両方を同じサンプルに対して行うことができた。以下の表にまとめたHPLC分析は、2−シクロヘキセン−1−イルポリスルフィドから鎖中に18個の硫黄原子を有するポリスルフィドまでのピークの進行を示している。そのH NMRスペクトルにおいて、2−シクロヘキセン−1−イルジスルフィドは、δ3.48〜3.51において多重項を示しており、アリル系CH−Sプロトンに帰属することができる。加熱すると、出発物質には存在しない新しい幅広のピークがδ3.88に現れる。このピークは2−シクロヘキセン−1−イルポリスルフィドのアリル系CH−Sプロトンであると考えられる。複数のNMRスペクトルの積分による、ポリスルフィド形成の時間経過を以下に示す。
Figure 2010509304
1時間のサンプルのHPLC分析のデータを以下に示す。
Figure 2010509304

HPLC分析は(シクロヘキセン−1−イル)18ピークの後で終了したが、実施例2および3から類推すれば、より高級な同族体も推測される。
130℃における1:0.2のモル比のジアリルジスルフィドおよび元素硫黄(Sとして)
ジアリルジスルフィド(20g;0.14モル)を粉末硫黄(8g、0.03モル)と混合し、130℃で10分間加熱した後冷却した。得られた混合物に対してエタノール抽出を行い、それによってより短い鎖長のポリスルフィドを可溶化させた。エタノール抽出物をHPLCによって分析すると、以下の結果が得られた。
Figure 2010509304
110℃における1:0.2のモル比のジアリルジスルフィドおよび元素硫黄(Sとして)
ジアリルジスルフィド(20g;0.14モル)を粉末硫黄(8g、0.03モル)と混合し、110℃で10分間加熱した後、冷却した。得られた混合物に対してエタノール抽出を行い、それによってより短い鎖長のポリスルフィドを可溶化させた。エタノール抽出物をHPLCによって分析すると、以下の結果が得られた。
Figure 2010509304
145℃における1:0.4のモル比のジアリルジスルフィドおよび元素硫黄(Sとして)
ジアリルジスルフィド(20g;0.14モル)を粉末硫黄(12g;0.05モル)と混合し、145℃で5分間加熱した後、冷却した。得られた混合物に対してエタノール抽出を行い、それによってより短い鎖長のポリスルフィドを可溶化させた。エタノール抽出物をHPLCによって分析すると、以下の結果が得られた。
Figure 2010509304
図6に実施例9〜11の結果を示しており、生成されたポリスルフィドのスペクトルに対する反応温度の影響を示している。反応温度が110℃から145℃まで変化すると、生成されたジアリルポリスルフィドのスペクトルが、より長い鎖長に移動することが分かる。したがって、鎖長のスペクトルを制御するために温度を使用することができる。より低温の実施例10においては、かなりの量の未反応DAS2が残留した。
110℃、続いて140℃における1:0.4のモル比のジアリルジスルフィドおよび元素硫黄(Sとして)
ジアリルジスルフィド(20g;0.14モル)を粉末硫黄(16g、0.06モル)と混合し、110℃に加熱し、その温度で15分間維持した。次に反応混合物を、硫黄の沈殿が現れるまで冷却し、続いて140℃まで再加熱し、その温度で5分間維持し、続いて冷却した。得られた混合物に対してエタノール抽出を行い、それによってより短い鎖長のポリスルフィドを可溶化させた。エタノール抽出物をHPLCによって分析すると、以下の結果が得られた。
Figure 2010509304
この実施例では、非常にわずかの未反応DAS2が残留し(ピーク面積基準で5%未満)、高級ポリスルフィド(DAS4〜DAS7)が全ピーク面積の約80%を構成することがわかり、実施例10における約64%の高級ポリスルフィドとは対照的である。さらに、実施例12におけるDAS4濃度は、反応条件の結果として実施例10で得られたものより約1.5倍高かった。
したがって、このような2つの温度条件の反応を使用することによって、すなわち、出発試薬(元素硫黄、およびジアリルポリスルフィド、たとえばDAS2、またはその2−置換類似体)を混合し;硫黄の三重点を超えるまで加熱し、その温度で混合物を維持し;硫黄沈殿物が観察されるまで温度を低下させ;硫黄三重点を超えるまで混合物を再加熱させることによって、顕著な利点を得ることができる。
用語
DAS ジアリルスルフィド
DAS2 ジアリルジスルフィド
DAS3 ジアリルトリスルフィド
DAS4 ジアリルテトラスルフィド
DAS5 ジアリルペンタスルフィド
DAS6 ジアリルヘキサスルフィド
DAS7 ジアリルヘプタスルフィド
DASn ジアリルS
参考文献
Figure 2010509304
Figure 2010509304
Figure 2010509304
Figure 2010509304
Figure 2010509304

Claims (14)

  1. Figure 2010509304
    (上式中、nは3〜22であり;Rは、
    水素;
    メチル;
    フェニル;
    カルボエトキシ;
    カルボメトキシ;
    カルボキシ;
    ヒドロキシメチル;
    トリメチルシリルメチル;
    単鎖アルキル;
    クロロ;および
    フルオロを含む群より選択され;
    但しnが3〜8の場合、Rは水素ではない)
    の化合物。
  2. Figure 2010509304
    (上式中、nは9〜22である)
    である、請求項1に記載の化合物。
  3. Figure 2010509304
    (上式中、nは3〜22である)
    である、請求項1に記載の化合物。
  4. ビス(2−プロペニル)ポリスルフィド;および
    2−置換ビス(2−プロペニル)ポリスルフィド
    を含む群より選択されるジアリル系ポリスルフィドの硫黄鎖長を延長する方法であって;
    前記ジアリル系ポリスルフィドを元素硫黄と混合するステップと、50℃を超える温度に混合物を加熱するステップとを含む、方法。
  5. 元素硫黄の融点以上の温度に前記混合物が加熱される、請求項4に記載の方法。
  6. 前記ジアリル系ポリスルフィドがジアリルポリスルフィドを含む、請求項4または5のいずれかに記載の方法。
  7. ビス(2−プロペニル)ポリスルフィド;および
    2−置換ビス(2−プロペニル)ポリスルフィド
    を含む群より選択されるジアリル系ポリスルフィドの硫黄鎖長を延長する方法であって;
    前記ジアリル系ポリスルフィドを溶融硫黄と混合するステップを含む、方法。
  8. 前記ジアリル系ポリスルフィドが、22個未満の硫黄原子を有するポリスルフィドを含む、請求項3から5のいずれか一項に記載の方法。
  9. Figure 2010509304
    (上式中、Rは、
    フェニル;
    カルボエトキシ;
    カルボメトキシ;
    カルボキシ;
    ヒドロキシメチル;
    トリメチルシリルメチル;
    短鎖アルキル;
    クロロ;および
    フルオロを含む群より選択され;
    nは3〜20である)
    である請求項1に記載の化合物。
  10. Figure 2010509304
    (上式中、nは3〜18である)
    の化合物。
  11. Figure 2010509304
    (上式中、nは3〜18である)
    の化合物。
  12. アリルメチルポリスルフィド(MeSCHCH=CH)の硫黄鎖長を延長する方法であって、前記アリルメチルポリスルフィドを元素硫黄と混合するステップと、50℃を超える温度に混合物を加熱するステップとを含む、方法。
  13. 元素硫黄の融点以上の温度に前記混合物が加熱される、請求項12に記載の方法。
  14. アリルメチルポリスルフィド(MeSCHCH=CH)の硫黄鎖長を延長する方法であって、前記アリルメチルポリスルフィドを溶融硫黄と混合するステップを含む、方法。
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