JP2010508094A - 歯科インプラント - Google Patents

Abstract

【解決手段】 本発明は歯科分野に関し、特に、歯槽骨への２段階移植に使用される歯科インプラントに関する。本発明はインプラントへの骨成長及び軟組織成長を促す状態を作り出すことを可能にし、この状態はインプラント内部の多孔質構造への最適な骨組織の成長及び表面多孔質の３次元構造内の歯槽骨領域への軟組織の成長によって得られる。本発明の円柱状インプラントはそのベースがチタン製であり多孔質構造を具備する空洞と、医薬製剤を注入するための管（チャンネル）とを有し、前記ベースは外側がネジ状らせん構造をしており、このネジ状らせん構造は多孔質構造と共に、前記らせん構造内部に配置された３個の縦補強リブにより定設されており、前記多孔質構造の孔のサイズは１５０〜３００マイクロメーターの範囲である。
【選択図】 図１

Description

本発明は歯科補綴分野に関し、特に、歯槽への２段階移植のための歯科インプラントに関する。

骨組織内方成長のための生体適合性多孔質金属領域を持つ骨接触表面を有するインプラント（ＷＯ ９７２１３９３ Ａ１）が周知である。しかしながら、インプラント構造がインプラントへの骨組織内方成長を促進させるであろう特別なマクロ形状の要件を有さない円柱状を呈しているので、骨融合効率は専ら金属表面領域の微細構造特性によってのみ促進される。上記インプラントは、本発明のインプラントに関する従来技術の実施例としてみなされる。本発明によるインプラントと従来技術実施例のインプラント双方の共通要件は、ネジ状表面を持つ円柱形状及び、骨及び軟組織内方成長のための領域が存在することである。

歯肉接触領域に生物活性珪酸ガラスのコーティングを有するインプラント（ＤＥ １９８１６８６５ Ａ１，１９９９）が周知である。歯肉上皮細胞がインプラントの前記コーティングと融合するため、歯肉上皮細胞によりインプラントを顎の中へ確実に固定することが開示されている。しかしながら、この場合、インプラント構造は組織の内方成長を助けるのみであって、内方成長を推進させず可能性のある移植領域への感染の侵入も防がない。本発明によるインプラント及び従来技術実施例の双方の共通要件は骨及び軟組織内方成長のためのコーティングの使用及びインプラントの円柱形状である。

ネジ状表面を持つ、外科手術中の生物活性組成物を導入するための空洞を有する円柱状インプラント（ＷＯ ９７２２３０８ Ａ１）が周知である。

上記のようなインプラントの特徴により移植領域への薬剤投与が可能となるが、前記管は直通するものではないので持続的な術後の薬剤投与が問題となる。

本発明の目的は骨組織及び歯槽にインプラントを確実に固定することが可能な構造を有する歯科インプラントを提供することであり、この固定は術中及び術後の薬剤投与の結果、多孔質のインプラント内部領域と骨組織をより完全に融合させ、且つ、表面多孔質の３次元ポリマーのインプラント領域へ軟組織を内方成長させることによりに可能となるものである。

上記の目的は次の手段によって得られる。

本発明はチタン製ベースを有する円柱状歯科インプラントであって、多孔質構造のための空洞と、薬剤投与のための管とを有するものであり、前記インプラントのベースは外側がネジ状らせん構造になっており、このネジ状らせん構造内部に配置された３個の縦補強リブにより固定されている。

孔のサイズ１５０〜３００μｍを有する多孔質構造は、ネジ状らせん構造内部に配置されている。

前記縦補強リブの遠位端には軸方向ボアを有する確実に固定された円柱状ヘッドが設けられ、前記ヘッドの下部には外側ネジ状らせん構造の形状及びピッチに相似する形状及びピッチのネジが形成されており、前記ヘッドの上部には、ポリテトラフルオロエチレン（ｐｏｌｙｔｅｔｒａｆｌｕｏｒｅｔｈｙｌｅｎｅ：ＰＴＦＥ）で形成された表面多孔質の３次元ポリマー構造である外側リング状ヘッドが設けられている。

円柱状ヘッド上部に歯の本体を作成するためのコーン形状ピンが配置され、このコーン形状ピンには、管を通る縦通材を有する脚部（ステム）が設けられており、前記管は前記軸方向ボア内に固定され、術中及び術後に薬剤を投与するのに使用される。

歯系組織移植に要求される基本的な要件は使用材料の生体適合性及び歯槽内へのインプラントの確実な固定であり、この固定は、構成要件（例えば、ネジ山、ネジ溝、陥凹、及び複雑な形状などの使用）及び使用材料の種類（例えば、生体適合性チタン合金、チタン粉など）の両方によって、及びそれらの組み合わせによって得られる。また、軟（歯肉）組織との確実な接触、及び移植に伴う手術動作中或いは治癒回復期間のいずれかの期間の薬剤投与についても同様に重要である。

本発明に従ったインプラント構造により、歯科インプラントに課せられた上述した必要条件を満たすことが可能となり、さらに改善された歯科インプラントを提供するものである。

図１は、本発明に従った歯科インプラントの全体図である。 図２は、多孔質構造領域の横断面図である。

本発明に従った歯科インプラントは、ベース１であって、このベースはネジ状らせん構造をしており、このネジ状らせん構造はその内部に配置された縦補強リブ２により固定されている前記ベース１と、多孔質構造３と、前記縦補強リブ２の遠位端に固定され且つ前記らせん構造１の形状及びピッチに相似する形状及びピッチのネジが形成された円柱状ヘッド４とを有するものである。前記インプラントの軸方向ボアは、術中及び術後に薬剤を投与するのに使用される。外側リング状ヘッド７はＰＴＦＥで形成された表面多孔質の３次元ポリマー構造の形状である。縦管９を具備し且つ前記円柱状ヘッド４の上部に配置されたコーン状ピン８は、歯の本体１０を骨１１の上に形成する役割を果たす。

インプラントの適用は次の方法で実施される。

ベース内部に配置された内部多孔質構造を有するインプラントベース１を予め形成された骨１１の穴の中にねじ込む。歯槽の上端がＰＴＦＥで形成された外側リング状ヘッド７の位置に来るまでベース１をねじ込む。

次に、前記コーン状ピン８の前記縦管９を通して薬剤を投与することにより、術中及び術後の双方において感染合併症が発生することを防げる。

骨組織は、前記ネジ状らせん構造１のコイル間のボアを通じて多孔質構造３の中へ組み込まれる。前記多孔質構造３の孔サイズは１５０〜３００μｍの範囲であり、骨組織内方成長に不可欠な全ての成分の供給を促進する生理液の効率の良い再利用を提供する。ＰＴＦＥで形成された外側リング状ヘッド７は軟組織の内方成長を促進させ、且つ蓋然的な移植領域への感染侵入を防ぐ。インプラントの移植が完了した後、前記コーン状ピン８上に歯の本体１０が作成される。

従って、本出願の発明の技術的達成成果は、術中及び術後の合併症の可能性を減らすことにより、インプラントへの骨及び軟組織の内方成長を促し、良好な内方成長を促進する環境を提供することにより、全体としてインプラントの確実な固定を得るものである。

Claims (3)

1. チタン製ベースを有する円柱状歯科インプラントであって、
   多孔質構造を具備する空洞と、
   薬剤投与のための管と
   を有し、
   前記インプラントのベースは外側がネジ状らせん構造をしており、このネジ状らせん構造はその内部に配置された３個の縦補強リブにより固定されており、
   前記多孔質構造は前記ネジ状らせん構造内部に配置され、この孔のサイズは１５０〜３００μｍの範囲である
   歯科インプラント。
2. 請求項１記載の歯科インプラントにおいて、
   前記縦補強リブの遠位端には、強固に固定された、軸方向ボアを有する円柱状ヘッドが設けられ、このヘッドの下部には、前記外側ネジ状らせん構造の形状及びピッチに相似する形状及びピッチのネジが形成されており、前記ヘッドの上部にはポリテトラフルオロエチレンで形成された表面多孔質の３次元ポリマー構造状である外側リング状ヘッドが設けられているものである。
3. 請求項２記載の歯科インプラントにおいて、
   円柱状ヘッドの上部には歯の本体を作成するためのコーン形状ピンが配置され、このコーン形状ピンには、前記管を通る縦通材を有する脚部（ステム）が設けられており、前記管は前記軸方向ボア内に固定され、術中及び術後に薬剤を投与するのに使用されるものである。

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