JP2010501249A - 補助バルーン付きカテーテル - Google Patents

Abstract

バルーン付きカテーテル（１０）は、主要膨張バルーン（２０）と、主要膨張バルーンの片側に位置する補助膨張バルーン（３０）とを含んでなることができる。補助バルーンは、第１の部分および第２の部分を含んでなり、第１の部分のほうが主要バルーンの近くに位置している。第２の部分の大きさは第１の部分より大きく、第２の部分の一部は第１の部分の外側に向かって伸び、第１の部分から張り出す。いくつかの実施形態では、膨張した状態の補助バルーンの断面形状はキノコ形からなる。

Description

いくつかの実施形態では、本発明は、埋め込み式医療用デバイス、該デバイスの製造および使用方法に関する。いくつかの実施形態は、そのようなデバイスの送達に利用される、あらゆる種類のカテーテルシステムのような送達システムに関するものである。いくつかの実施形態は前記送達システムの製造および調製に関する。

関連技術の説明
脈管構造内では、狭窄が脈管分岐部に生じることは珍しくない。分岐部とは、脈管構造または身体の他の部分の領域であって、第１の（または元の）脈管が２つ以上の分枝脈管へと分岐している場所である。１または複数の狭窄性病変がそのような分岐部で生じる場合、該病変は一方の脈管（つまり分枝脈管もしくは元の脈管のいずれか）だけに影響することもあれば、２つの脈管、または３つの脈管すべてに影響することもある。しかしながら、ステントを適用したい部位が隣り合って並んでいるか、または動脈もしくは静脈中の分岐部、例えば哺乳類の大動脈から総腸骨動脈への分岐部などを横切って伸びている場合の使用については、多くの先行技術のステントは完全に満足できるものではない。

脈管分岐部への設置が意図されたステントは、従来の送達用カテーテルより多くの部品を含む専用の送達システムを必要とする場合が多い。送達システムの補助的部分により、ステントの一部を側枝脈管内で拡張することには成功しているが、理想的な拡張配置形態を達成するために、分岐部でステントを拡張するのに特に好適なデバイスが依然として必要とされている。

上記に参照かつ／または記述した技術は、本明細書中で言及したいかなる特許、出版物またはその他の情報も本発明に関して「先行技術」であると承認することを意図したものではない。さらに、本節は、調査済みであること、または米国特許法施行規則第１．５６条（ａ）項に規定されているような関連情報が他に全く存在しないことを意味するものと解釈すべきではない。

本願のいかなる箇所で言及された米国特許および特許出願ならびにその他あらゆる出版刊行物も全て、参照によってその全体が本願に組み込まれる。
本発明の範囲を限定することなく、本発明の特許請求の範囲に記載の実施形態のうちのいくつかについて以下に概要を説明する。概説される本発明の実施形態のさらなる詳細または本発明の別の実施形態のうち少なくともいずれかについては、以降の発明の詳細な説明において見出すことができる。

明細書中の技術的開示に関する簡潔な要約書も、米国特許法施行規則第１．７２条に従う目的のためにのみ提供される。要約書は、特許請求の範囲の解釈のための使用を意図されたものではない。

脈管分岐部への設置が意図されたステントは、従来の送達用カテーテルより多くの部品を含む専用の送達システムを必要とする場合が多い。送達システムの補助的部分により、ステントの一部を側枝脈管内で拡張することには成功しているが、理想的な拡張配置形態を達成するために、分岐部でステントを拡張するのに特に好適なデバイスが依然として必要とされている。

少なくとも１つの実施形態では、本発明は、内部にカテーテルルーメンを有するカテーテルシャフトと、主要バルーンと、内部に分枝ルーメンを有する側枝シャフトと、補助バルーンとを含んでなるバルーン付きカテーテルに関する。補助バルーンは、分枝ルーメンと流体連通している内部体積を有する膨張可能な本体部分を含んでなる。膨張可能な本体部分は、第１の部分および第２の部分を含んでなり、第１の部分は第２の部分よりも主要バルーンの近くに位置している。第１の部分の形状は略管状である。第２の部分は第１の部分より大きな断面積を有する。

少なくとも１つの他の実施形態では、本発明は、内部にカテーテルルーメンを有するカテーテルシャフトと、主要バルーンと、内部に分枝ルーメンを有する側枝シャフトと、補助バルーンとを含んでなるバルーン付きカテーテルに関する。補助バルーンは、分枝ルーメンと流体連通している内部体積を有する膨張可能な本体部分を含んでなる。膨張可能な本体部分は、第１の部分および第２の部分を含んでなり、第１の部分は第２の部分よりも主要バルーンの近くに位置している。第１の部分を横切って計測される第１の最大距離は、第２の部分を横切って計測される第２の最大距離よりも小さい。第１の最大距離は、補助バルーンの高さの下方半分の位置で計測され、第２の最大距離は、補助バルーンの高さの上方半分の位置で計測される。

少なくとも１つの他の実施形態では、本発明は、内部にカテーテルルーメンを有するカテーテルシャフトと、主要バルーンと、内部に分枝ルーメンを有する側枝シャフトと、補助バルーンとを含んでなるバルーン付きカテーテルに関する。補助バルーンは、分枝ルーメンと流体連通している内部体積を有する膨張可能な本体部分を含んでなる。膨張可能な本体部分は、第１の部分および第２の部分を含んでなり、第１の部分は第２の部分よりも主要バルーンの近くに位置している。第２の部分は第１の部分より大きな断面積を有し、補助バルーンの形状は非球形である。

少なくとも１つの他の実施形態では、本発明は、主要バルーンと、補助バルーンと、ステントとを備えたバルーン付きカテーテルを提供することからなる方法に関する。補助バルーンは主要バルーンの横に位置している。補助バルーンは、第１の部分および第２の部分を含んでなり、膨張した状態の第２の部分は第１の部分より大きな断面積を有する。第１の部分は第２の部分よりも主要バルーンの近くに位置している。ステントは外側に向かって拡張可能な側枝花弁構造を含んでなる。該ステントはバルーン付きカテーテルの周囲に正しく配置され、同時に補助バルーンは花弁構造の下に配置される。本方法はさらに、側枝脈管を有する脈管分岐部の設置部位にステントを送達すること、ステントを拡張するために主要バルーンを膨張させること、ならびに側枝脈管内へ花弁構造を広げるために補助バルーンを膨張させることを含む。

本発明を特徴づける上記およびその他の実施形態は、本明細書に添付されかつ本明細書の一部を形成する特許請求の範囲において詳細に示されている。しかしながら、本発明、本発明の利点および本発明の使用によって得られる目的について一層理解するために、本発明の実施形態について例証および説明がなされている、本明細書のさらなる一部を形成する図面およびこれに伴う記述事項を参照することができる。

本発明の詳細な説明について、図面を具体的に参照しながら後述する。

成形された補助バルーンを有するカテーテルの実施形態を示す図。 ステントを拡張しているカテーテルの実施形態を示す図。 補助バルーンの実施形態、ならびに補助バルーンによって拡張されているステント要素の断面図。 第１の膨張圧における第１の膨張形態と、第２の膨張圧における第２の膨張形態とを呈する補助バルーンの実施形態を示す図。 補助バルーンの別の実施形態の断面図。 補助バルーンの別の実施形態の断面図。 補助バルーンの別の実施形態の断面図。

発明の詳細な説明
本発明は多数の様々な形式で具体化することができるが、ここでは本発明の特定の実施形態について詳細に説明する。この説明は本発明の原理を例証するものであって、例証した特定の実施形態に本発明を限定するように意図されたものではない。

本開示を目的として、図中の同様の参照数字は別途指定のないかぎり同様の特徴を指すものとする。
図１は、成形された補助バルーン３０を有するバルーン付きカテーテル１０の実施形態を示す。カテーテル１０は、内部にルーメン１８が通って伸びている長尺状シャフト１６を含んでなる。シャフト１６は、基端側部分１２と、チップ１５を備えた先端側部分１４とを有する。いくつかの実施形態では、チップ１５はシャフト１６の他の部分よりも軟質であるかまたは可撓性が高いかのうち少なくともいずれかであってよい。

主要膨張バルーン３０は、シャフト１６の先端側部分１４に近接して位置している。主要バルーン２０の内部体積は、シャフト１６の内部ルーメン１８と流体連通しており、よって主要バルーン３０を膨張および収縮させることが可能となっている。

補助バルーン３０は、内部ルーメン２８を有する補助シャフト２６に取り付けられている。補助バルーン３０の内部体積は内部ルーメン２８と流体連通している。補助シャフト２６の基端は基端側接続部位２２でカテーテルシャフト１６に接続し、補助シャフト２６の先端は先端側接続部位２４でカテーテルシャフト１６に接続する。基端側接続部位２２は主要バルーン２０の基端側に位置し、先端側接続部位２４は主要バルーン２０の先端側に位置する。

いくつかの実施形態では、補助シャフト２６の内部ルーメン２８は、カテーテルシャフト１６の内部ルーメン１８と流体連通している。したがって、いくつかの実施形態では、補助バルーン３０は主要バルーン３０と同時に、膨張または収縮のうち少なくともいずれかを行うように配置構成される。いくつかの実施形態では、２つのルーメン１８および２８の間が基端側接続部位２２で接続され、補助シャフト２６は、先端側接続部位２４で、または補助バルーン３０より先端側の補助シャフト２６の長さに沿った任意の場所で、密閉されている。

いくつかの他の実施形態では、補助バルーン３０は主要バルーン２０とは独立に膨張可能かつ収縮可能であるように配置構成される。そのような実施形態では、カテーテルシャフト１６に、補助シャフトルーメン２８と流体連通する第２の内部ルーメンが設けられる。カテーテルシャフト１６の第２の内部ルーメンは、基端側接続部位２２からシャフト１６の基端１２まで伸びることができる。多重ルーメン付きカテーテルのいくつかの例については、米国特許出願公開番号第ＵＳ２００３／０１６３０８２号において論じられており、該特許文献の全開示内容は参照により本願に組込まれる。

補助バルーン３０は第１の部分３２および第２の部分３４を備えている。いくつかの実
施形態では、第２の部分３４は第１の部分３２の上に積み重ねられて、第２の部分３４が第１の部分３２よりもカテーテルシャフト１６および主要バルーン２０から離れて、例えばカテーテルシャフト１６の径方向に計測して遠くに、位置するようになっている。第２の部分３４は一般に、少なくとも長さ（一次元）について、またいくつかの実施形態では少なくとも面積（二次元）について、第１の部分３２よりも大きい。いくつかの実施形態では、第２の部分３４の内部体積は、第１の部分３２の内部体積より大きい。いくつかの実施形態では、補助バルーン３０は立体的な「キノコ」形を含んでなる。

図２は、ステント４８を拡張しているバルーン付きカテーテル１０の実施形態を示す。ステント４８は、円筒状の本体フレーム構造部分２１と、外側に向かって展開可能な複数の側枝花弁構造２３とを含んでなる。主要バルーン２０が膨張するとともに、円筒状の本体フレーム構造部分２１の直径が拡大する。補助バルーン３０が膨張するとともに、側枝花弁構造２３はさらに外側に向かって展開する。

図３は、補助バルーン３０の実施形態の断面図を示す。バルーン３０の第１側面４０および第２側面４２は、補助バルーンの中心軸１１をはさんで対称である。いくつかの実施形態では、例えば補助バルーン３０が円形の断面形状からなる場合、第１側面４０および第２側面４２は直径方向に向かい合う領域からなる。中心軸１１に関して得られる第２の部分３４の直径は、第１の部分３２の直径より大きい。向かい合っている第１側面４０および第２側面４２の間で測定される、第２の部分３４を横切る距離は、同様に第１の部分３２を横切る距離よりも大きい。

第２の部分３４は、中央軸１１に関して径方向に外側に向かって伸びる、外方向伸長部分４４を含んでいる。外方向伸長部分４４は、第１の部分３２より張り出す外方向への傾斜を形成する。

いくつかの実施形態では、第１の部分３２は中心軸１１とほぼ平行に伸びる側壁部分３３を備えている。いくつかの実施形態では、第１の部分３２の形状は略管状である。いくつかの実施形態では、第１の部分３２の形状は略円筒形である。

いくつかの実施形態では、第１の部分３２を横切って計測される第１の最大距離ｄ_１は、第２の部分３４を横切って計測される第２の最大距離ｄ_２より小さい。第１の最大距離ｄ_１および第２の最大距離ｄ_２は、互いに平行に計測されてもよい。第１の最大距離ｄ_１および第２の最大距離ｄ_２は、中心軸１１に対して直角に計測されてもよい。

補助バルーン３０は、カテーテルシャフト１６の径方向に計測可能な高さｈを規定する。いくつかの実施形態では、高さｈは補助シャフト２６の中心軸から補助バルーン３０の最上部にかけて計測されてもよい。いくつかの実施形態では、高さｈは、第１の部分３２の底部から第２の部分３４の最上部にかけて計測されてもよい。いくつかの実施形態では、第１の部分３２が高さｈのほぼ下方半分を規定し、第２の部分３４が高さｈのほぼ上方半分を規定することができる。

いくつかの実施形態では、第１の最大距離ｄ_１は高さｈの下方半分に位置し、第２の最大距離ｄ_２は高さｈの上方半分に位置する。他のいくつかの実施形態では、第２の最大距離ｄ_２は、高さｈの上方１／４または高さｈの上方１／８に位置することができる。第２の最大距離ｄ_２は一般に、第１の最大距離ｄ_１よりも主要バルーン２０から遠くに位置する。

補助バルーン３０は、分岐部において側枝脈管へとステントの一部分を拡張または展開するために使用することができる。ステントには専用の側枝構造を備えるものがあり、該
構造においては複数の「花弁」が補助バルーン３０によって外側方向に展開することができる。側枝花弁構造を備えたステントのいくつかの例は、米国特許公開公報第ＵＳ２００３／０１６３０８２号および同第ＵＳ２００５／００６００２７号、ならびに米国特許出願第１１／１３８２０２号、同第１１／１３８１９６号および同第１１／１３８０２２号に開示されている（これらの全開示内容は参照により全体が本願に組み込まれる）。

図３は、円筒状の本体フレーム構造部分２１と、外側に向かって拡張可能な側枝花弁部分２３とを含むステントの一部分を示している。花弁２３はそれぞれ接続部２７で本体フレーム構造２１に接続されている。花弁２３を外側方向に展開する前は、非拡張状態の花弁２３ａはそれぞれフレーム構造部分２１と一列に並んだ状態にありカテーテルシャフト１６とほぼ平行な方向に位置することができる。補助バルーン３０は、非拡張状態の花弁２３ａの下では収縮し折りたたまれた状態となることになる。

補助バルーン３０の膨張およびその結果生じる花弁２３の展開設置の際に、各々の花弁２３は一般に、少なくとも１つの枢着部３１に関して、あるいはいくつかの実施形態では回動軸に関して、枢動する。いくつかの実施形態では、接続部２７は降伏するので枢着部３１は接続部２７を含んでなる。

回動角２５は、非拡張状態の花弁２３ａの配置状態と展開した花弁２３の配置状態との間で枢着部／枢軸３１の周囲で計測される角度からなる。補助バルーン３０の形状から、回動角が９０度より大きくなることが可能となっている。補助バルーン３０の様々な実施形態は、任意の適切な回動角２６、例えば９０度〜１５０度またはそれ以上の範囲の回動角を提供するように構成される。いくつかの実施形態では、補助バルーン３０は、１００度、１１０度、１２０度、１３０度、１４０度などの回動角を提供するように成形可能である。

ステントは、側枝構造をはさんで互いに向かい合って位置する第１の花弁２３および第２の花弁２９を備えることができる。第１の花弁２３の回動点／回動軸３１と第２の花弁２９の回動点／回動軸３１ａとの間の距離を計測することができる。補助バルーン３０のいくつかの実施形態では、向かい合っている第１側面４０および第２側面４２の間で第１の部分３２を横切る距離は、向かい合っている花弁２３および２９の回転点３１、３１ａの間の距離よりも小さい。向かい合っている第１側面４０と第２側面４２との間で計測される第２の部分３４を横切る距離は、向かい合っている花弁２３および２９の回転点３１、３１ａの間の距離よりも大きい。

補助バルーン３０は任意の適切な方法を使用して作製することができる。いくつかの実施形態では、バルーン３０は射出成型される。いくつかの実施形態では、バルーン３０は予備成形物から吹き込み成型される。いくつかの実施形態では、予備成形物は、補助シャフト２６および補助バルーン３０の両方を形成するチューブからなる。いくつかの実施形態では、バルーン３０は、相反する電荷を帯びた粒子層の間の静電的相互作用を用いる多層堆積製法、例えば米国特許出願第１１／０８５７８０号、同第１０／８４９７４２号および同第１１／０８５７８０号（これらの全開示内容は参照により全体が本願に組み込まれる）に記載されているような製法を使用して形成される。

いくつかの実施形態では、所望の壁構造を達成するために補助バルーン３０に対してさらなる作業が実施される。例えば、所望の強度または可撓性を得るために、バルーン３０の壁のある部分から材料が取り除かれる場合がある。いくつかの実施形態では、所定のパターンで折りたたまれやすいようにバルーン３０の壁に折り線が形成される場合がある。そのような作業には、掘削、切り欠き加工、打抜き加工、砥粒加工、液体ジェット加工、コンピュータ数値制御（ＣＮＣ）機械加工、レーザアブレーション、化学分解などが挙げ
られる。

本発明によるバルーンは、記述したように成型可能な任意の適切なバルーン材料から形成することができる。適切な種類の材料には、限定するものではないが、ポリオレフィン、ポリアミド（例えばナイロンまたはアラミド）、ポリエステルおよびコポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリイミド、ポリカーボネートなどが挙げられる。同様にコポリマーも使用に適している。

適切なポリエステルの例には、限定するものではないが、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）、ポリブチレンテレフタレート（ＰＢＴ）、ポリエチレンナフタレート（ＰＥＮ）などが挙げられる。

米国デラウェア州ウィルミントン所在のデュポン（DuPont）から入手可能なポリエステル・エステル・エラストマーであるＨＹＴＲＥＬ（Ｒ）、ならびに米国インディアナ州エヴァンズヴィル所在のＤＳＭエンジニアリング・プラスチック・アメリカ（DSM Engineering Plastics - Americas）から入手可能なＡＲＮＩＴＥＬ（Ｒ）ポリエステル・エステ
ルおよびポリエーテル・エステルも本発明において使用されうる。これらのポリマーは所望のバルーン特性に応じて様々な等級のものを利用可能である。

フランス国パリ所在のアルケマ（Arkema）からＰＥＢＡＸ（Ｒ）の商標名で入手可能なポリ（エーテル‐ブロック‐アミド）ブロックコポリマーのようなＰＥＢＡブロックコポリマーも、本発明において使用できる。ＰＥＢＡＸ（Ｒ）は様々な等級のものが利用可能であり、例えば６３３３、７０３３および７２３３はいずれも所望のバルーン特性に応じて使用できる。適切なポリアミドには、限定するものではないが、ナイロン６、ナイロン１０、ナイロン１１およびナイロン１２が挙げられる。

ポリウレタンは、米国ミシガン州ミッドランド所在のダウ・ケミカル社（Dow Chemical
Co.）からＩＳＯＰＬＡＳＴ（Ｒ）およびＰＥＬＬＥＴＨＡＮＥ（Ｒ）の商標名で市販されている。

上記およびその他の適切なバルーン材料は、米国特許第４９０６２４４号、同第５５５６３８３号、同第５７９２４１５号、同第５９４８３４５号、同第６０８６５５６号および同第６２７０５２２号に記載されており、これらの特許文献の全容は参照により本願に組込まれる。本発明は、本明細書中で使用されうるポリマー材料によって限定されない。

液晶ポリマーのような強化材も本明細書中で使用される場合がある。液晶ポリマーは、米国特許第６２４２０６３号、同第６２８４３３３号および同第６５９６２１９号（これらの全容は参照により本願に組込まれる）に、バルーンにおける使用に関して記載されている。

上記に列挙したものは単に例証する目的だけを意図したものであり、本発明の範囲を限定することは意図されていない。バルーン材料の選択については当業者によく知られている。

いくつかの実施形態では、第２の部分３４は第１の部分３２とは異なる材料から作製される。
いくつかの実施形態では、補助バルーン３０の第２の部分３４は、第１の圧力における第１の膨張形状と、より高い第２の圧力における第２の膨張形状とを呈し、一方第１の部分は第１および第２のいずれの圧力においてもほぼ同じ形状を呈する。いくつかの実施形態では、第２の部分３４のコンプライアンスが第１の部分３２のコンプライアンスとは異
なり、したがって、補助バルーン３０は段階的なコンプライアンスを備えたバルーンを含んでなる。

図４は、異なる圧力において異なる形状を呈することができる補助バルーン３０の実施形態の断面図を示している。バルーン３０が第１の圧力まで膨張するとき、第２の部分３４は第１の膨張形態５０を呈し、このとき第２の部分３４の側壁３３は、第２の部分３２の側壁３３とほぼ平行である。第２の部分３４は通常、第１の部分３２の延長部分を含んでなり、第２の部分３４の直径は、第１の部分３２の直径とほぼ等しい。

バルーン３０がより高い圧力まで膨張するとき、第１の部分３２の形状はほぼ同じままであるが、第２の部分３４の形状は変化する。第２の部分３４は第２の膨張形態５２を呈し、このとき第２の部分３４は、第１の部分３２から張り出した外方向伸長部分４４を含む。

異なる圧力においては異なる形状を呈することができるバルーン３０は、任意の適切な方法によって製造可能である。いくつかの実施形態では、バルーン３０は、加熱および高圧下で第２の膨張形態５２に成形され、内圧を下げることにより収縮され、次いで中圧下で第１の膨張形態５０に成形されてもよい。いくつかの実施形態はさらに、ワング（Wang）の米国特許第６３５２５５１号（この文献の開示内容は参照により全体が本願に組込まれる）に開示された方法によって製造されてもよい。他のいくつかの実施形態は、第１の部分３２または第２の部分３４のいずれかを選択的に処理すること、例えば、部分３２および３４のいずれかを所望通りに選択的に増強または弱化することにより製造されてもよい。いくつかの実施形態では、第１の部分３２に対して架橋を引き起こす作業が実施され、その結果として降伏および伸び歪に対する抵抗性のより高い第１の部分３２が得られる。いくつかの実施形態では、第１の部分３２は、例えば第１の部分３２の周囲にチューブのような保護膜を配置することにより強化される。バルーン３０の一部がさらに、ノディン（Noddin）の米国特許出願第１１／２６５３８８号（この文献の開示内容は参照により全体が本願に組込まれる）に開示された方法によって強化されてもよい。

いくつかの実施形態では、主要バルーン２０および補助バルーン３０は、バルーン２０および３０が所定の様々な圧力において所定の様々な形状を呈する協調的に調整されたコンプライアンス曲線を有する。例えば、いくつかの実施形態では、主要バルーン２０は第１の圧力において完全な拡張形態に達し、補助バルーン３０はより高い第２の圧力において完全な拡張形態に達する。いくつかの実施形態では、主要バルーン２０は第１の圧力において完全な拡張形態に達し、補助バルーン３０はより高い第２の圧力において第１の拡張形状５０に達する。さらに膨張すると、補助バルーン３０はさらに高い第３の圧力において第２の拡張形状５２へと拡張することになる。

図５は、補助バルーン３０の別の実施形態の断面図を示す。この実施形態では、中心軸１１は補助シャフト２６に垂直ではない角度３５をなして位置づけられている。垂直ではない様々な実施形態における角度３５は、任意の適切な角度、例えば２０度未満から９０度をわずかに下回る角度までの範囲である。第１の部分３２の側壁３３の長さは、第１側面４０において、第２側面４２の第１の部分３２の対向する側壁の長さよりも長い。注目すべきことは、垂直ではない様々な実施形態は、任意の適切な向きに、例えば、カテーテルの先端に近づく側に傾斜をなして、カテーテルの先端から遠ざかる側に傾斜をなして、またはカテーテルの軸とは異なる方向に傾斜をなして、例えばカテーテルに関して周方向に傾斜をなして、位置付けることができる。

垂直ではない角度３５は、主枝脈管と側枝脈管との間の角度が９０度未満である脈管分岐部に良く適している。望ましいように、角度３５を、主枝脈管と側枝脈管との間の角度
と一致するように選択すればよい。

さらに、垂直ではない角度３５は、ステントの花弁２３の回動角２５が大きい場合（図３を参照）にも適している。いくつかの実施形態は、花弁２３を１７０度以上の回動角２５に展開させるのに適している。

図６は、補助バルーン３０の別の実施形態の断面図を示す。この実施形態では、第１の部分３２および第２の部分３４の中心軸１１は、補助シャフト２６に対して垂直ではない角度３５をなして位置づけられている。バルーン３０は、第１の部分３２の中心軸１１に対し角度３７をなして伸びる中心軸１１を有する基部３６を含んでなる。基部３６の中心軸１１は補助シャフト２６に対し垂直に伸びる。

図７は、補助バルーン３０の別の実施形態の断面図を示す。この実施形態では、第２の部分３４は非対称の形状からなる。第２の部分３４の第１側面４０は、第１の部分３２の側壁３３とほぼ平行に伸びる、第１の部分３２の側壁３３の延長部分を含んでなる。第２の部分３４の第２側面４２は、第１の部分３２から張り出す外方向伸長部分４４を含んでなる。

いくつかの実施形態では、第１および第２の部分３２、３４は、第１の膨張圧において管状のほぼ対称的な形状を呈し、第２の部分３４はさらに、より高い第２の圧力において外方向伸長部分４４を有する非対称の形状へと拡張することになる。

上記の開示は、実例であるが網羅的なものではないように意図されている。この説明から、当業者には多くの変形物および代替物が示唆されるであろう。個々の図面において示し、上記に説明した様々な要素は、所望どおりに組み合わせることもできるし、組み合わせのために改変することもできる。これらの代替物および変形物はすべて、特許請求の範囲の範囲内に含まれるべく意図されており、特許請求の範囲において用語「含む、含んでなる」は、「含むがこれに限定されるものではない」ことを意味する。

さらに、従属クレームにおいて提示される特定の特徴は、本発明の範囲内で別の組み合わせかたで互いに組み合わせることが可能であり、従って本発明は、従属クレームの特徴の任意の他の可能な組み合わせを有する他の実施形態をも明確に対象とするものとして認識されるべきである。例えば、クレームの公開にあたって、複数従属形式がその管轄域において容認された形式である場合、後続するあらゆる従属クレームは、先行する全てのクレームに従属する複数従属形式に書き換えられ、そのような従属クレームにおいて引用されたすべての先行内容を有するようにすべきである（例えば、クレーム１に直接従属するクレームはそれぞれ、先行するすべてのクレームに従属するものとして書き換えられるべきである）。複数従属クレーム形式が制限される管轄域では、後続する従属クレームを、そのような従属クレーム中に記載された特定のクレーム以外の先行内容を有する先行クレームに従属させる、各々が単数従属するクレーム形式にもそれぞれ書き換えるべきである。

ここで本発明の説明を終える。当業者であれば、本明細書に記載された特定の実施形態についての別の等価物（いずれの等価物も本明細書に添付の特許請求の範囲に包含されるように意図される）を認識することができよう。

このＰＣＴ出願は、２００６年８月２３日出願の米国特許出願第１１／５０８，６９２号の優先権を主張し、前記米国出願の全内容は参照により本願に組込まれる。

Claims (15)

1. バルーン付きカテーテルであって、
   内部にカテーテルルーメンを有するカテーテルシャフトと、
   主要バルーンと、
   内部に分枝ルーメンを有する側枝シャフトと、
   補助バルーンと
   を含んでなり、補助バルーンは、分枝ルーメンと流体連通している内部体積を有する膨張可能な本体部分を含んでなり、膨張可能な本体部分は、第１の部分および第２の部分を含んでなり、第１の部分の形状は略管状であり、第２の部分は第１の部分より大きな断面積を有し、第１の部分は第２の部分よりも主要バルーンの近くに位置していることを特徴とする、バルーン付きカテーテル。
2. 補助バルーンの中心軸は主要バルーンの中心軸に対して垂直ではない角度をなして位置づけられている、請求項１に記載のバルーン付きカテーテル。
3. 第２の部分は、第１の部分より張り出す外方向伸長部分を含んでなる、請求項１に記載のバルーン付きカテーテル。
4. 補助バルーンの断面形状はキノコ形からなる、請求項１に記載のバルーン付きカテーテル。
5. 第２の部分の側壁の断面はＣ字形状からなる、請求項１に記載のバルーン付きカテーテル。
6. 第２の部分は、補助バルーンの中心軸をはさんで非対称な形状を含んでなる、請求項１に記載のバルーン付きカテーテル。
7. 補助バルーンは段階的なコンプライアンスを備えたバルーンを含んでなる、請求項１に記載のバルーン付きカテーテル。
8. 補助バルーンは第１の膨張圧においてほぼ円筒形からなる、請求項１に記載のバルーン付きカテーテル。
9. 補助バルーンは、より高い第２の膨張圧において円筒形ではない形状からなる、請求項８に記載のバルーン付きカテーテル。
10. 第２の部分は、より高い第２の膨張圧において、第１の部分より張り出す外方向伸長部分を有する形状を呈する、請求項９に記載のバルーン付きカテーテル。
11. 第２の部分の内部体積は第１の部分の内部体積よりも大きい、請求項１に記載のバルーン付きカテーテル。
12. 補助バルーンは、ステントの側枝花弁構造を側枝脈管内へと展開するために構築および配置構成され、花弁構造は補助バルーンが膨張すると少なくとも１００度枢動することを特徴とする、請求項１に記載のバルーン付きカテーテル。
13. 内部カテーテルルーメンは内部分枝ルーメンと流体連通している、請求項１に記載のバルーン付きカテーテル。
14. カテーテルシャフトは、内部分枝ルーメンと流体連通している第２の内部ルーメンをさらに含んでなる、請求項１に記載のバルーン付きカテーテル。
15. バルーン付きカテーテルであって、
    内部にカテーテルルーメンを有するカテーテルシャフトと、
    主要膨張バルーンと、
    内部に分枝ルーメンを有する側枝シャフトと、
    補助膨張バルーンと
    を含んでなり、補助膨張バルーンは、分枝ルーメンと流体連通している内部体積を有する膨張可能な本体部分を含んでなり、膨張可能な本体部分は、第１の部分および第２の部分を含んでなり、第１の部分は第２の部分よりも主要膨張バルーンの近くに位置し、第１の部分を横切って計測される第１の最大距離は、第２の部分を横切って計測される第２の最大距離よりも小さく、
    膨張可能な本体部分は下方半分および上方半分を含む高さを規定し、第１の最大距離は高さの下方半分の位置で計測され、第２の最大距離は高さの上方半分の位置で計測されることを特徴とする、バルーン付きカテーテル。

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