JP2010500950A5 - - Google Patents

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【書類名】明細書
【発明の名称】 横すべり防止装置及びその実施方法
【技術分野】
【0001】
本発明は、“ASR”で表されるAnti Slip RegulationまたはAnti Schlupf Regelung、即ち、自動車の駆動輪の横すべり防止システムに係り、より詳しくは、駆動車輪の改善された横すべり防止装置およびその実施方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ASRシステムは、あらゆるタイプの地面上における自動車の走行時の走行性を改善することを目的としている。
このASRを用いると、車輪の走行力はあらゆる種類の車両走行状況において制御できる。
特に、泥道、草地の道、轍のある道、ぬかるみ道、砂地道、雪または凍結した道の上を前進または後進する車の種々の走行状態に対し、また、各種傾斜角度の坂道や横傾斜地を走行する車両に対して制御できる。
このシステムにより物理的な限界内で走行力の改善が得られる。
特に、車輪の地面との接地力、車両が走行する地面の凸凹、さらには車両と地面のクリアランスなどの物理的な条件範囲内で走行性能の改善が計られる。
【0003】
このASRシステムは、2輪駆動(4×2)または4輪駆動(4×4)の全ての車両に適用できる。
そして、アンチロック車輪、または英語で“アンチロックブレーキングシステム(Anti lock Braking System)”である“ABS”によりESP(Electronic Stability Program“ or ”Elektronisches Stabilitat Programm)と称される動的安定制御との関連が著しく増加し、これが車両の横揺れ速度制御(yaw velocity control )を可能とする。
【0004】
これら全てのシステムは、乗客の安全性と車両の走行性を大きく向上させるものであり、横すべり防止装置は、特に、運転未熟者にも、熟練運転者にも貴重な助けとなるものである。
【0005】
図1は、従来技術によるASRシステム10のブロック図である。
図1のASRシステムは、駆動車輪10に作用するブレーキ装置16、制御信号Cfを与えるトルクレギュレーター12、トルクレギュレーター12に制御開始情報Inを伝える制御装置20、及びトルクレギュレーター12に、車両の運転変数の偏差情報Dvを送る検知器18、を含む。
【0006】
制御装置20は、車両速度Vv、接地力Rc、エンジントルクCmなどその時の車両の種々の情報を受け、トルクレギュレーター12に制御開始情報Inを送る。
トルクレギュレーター12は、通常、車両の変数の偏差に比例する制御情報をブレーキ装置16に送る比例レギュレーター、および制御装置20の開始情報を受ける制御インテグレーターより構成されている。
比例レギュレーターおよび制御インテグレーターは、車両の駆動車輪10それぞれについて、処理アルゴリズムを行うソフトウェアで具体化される。
車両は、さらに、制御装置20に情報を送る情報収集センサー(図1に示していない)を有している。
【0008】
従来のこの種のASRシステムは、全輪駆動車両(4×4)に実際に装備されているが、欠点があり、満足のいくものではない。この不満足な点を強調するため、以後自動車が地面を走行する「ケース」と称する種々の状況を考慮して検討を行う。
そして、以後、車両が停止(速度がゼロ)の状態から始動(速度がゼロでない)の状態への移行を“発進”と定義する。
【0009】
車両は、2種類の主な地面を走行することができる。
− 1つは、例えば、砂、砂利、雪、氷などの弱い接地力の地面、
− 1つは、湿ったまたは乾いたアスファルトの路面のように強い接地力の地面、である。
【0010】
以下、AとBの2つの主要ケースについて考える。
Aは、弱いまたは強い接地力の車両走行地面についての第1のケースであり、車両は、
均一または不均一な、弱い、中位および強い接地力の平地で発進する、
弱い、中位および強い接地力で、坂および/または横傾斜で発進する、
均一または不均一の弱い、中位および強い接地力において、坂および/または横傾斜から車輪が向きを変えて発進する。
【0011】
ケースAの第1タイプの制御について、従来のASRシステムでは、エンジンとブレーキを即座に制御して、接地力や、地面の坂および/または横傾斜に関係なく、車両の2輪駆動(4×2)または4輪駆動(4×4)の車輪を固定設定に戻すことができた。
【0012】
車両に及ぼす影響は、運転者により次のように感じられる。
− 弱い接地力では、駆動力が出ず、車両のコントロールが難しい。
− 強い接地力では、発進速度を損なう顕著なエンジンの停止がある。
【0013】
ケースBの第2タイプは、車両が走行する弱い接地力の地面上において、均一または不均一で弱い、中位の接地力の坂および/または横傾斜になった地面を車両が走行する場合である。
ケースBの第2のタイプの制御について、従来のASRシステムでは、2車輪(4×2)または4車輪(4×2)に伝えられるトルクを弱く固定された設定近傍に制御するが、これは、例えば、深い雪が検知されたときに弱い固定値を大きくし、その検知の強さを確実にしている。
【0014】
運転者が感じる車両に及ぼす影響は、次の通りである。
即ち、弱い接地力のため、パワーが出ず、車両の運転者にとって欲求不満の感覚がある。
また、 ぬかるみでは、その湿潤の程度によるが、タイヤの溝が泥でいっぱいになり、接地力を出すことができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、どのようなタイプの地面においても連続的な強力パワーを通じて車両をよりよくコントロールでき、特に経験の少ない人が、どのような地面でも、容易に車両の安全運転ができる横すべり防止装置、およびその実施方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するため、また、従来のシステムの問題点を解消する目的で、本発明は、以下の車両、特にモーターカーの駆動車輪の横滑り防止装置を提案するものであり、以下を含む。
即ち、駆動車両のブレーキ装置、決められた制御設定に対して、制御値との偏差である制御偏差(ΔV)の関数として、ブレーキ装置に制御信号(Cf)を送るトルクレギュレーター、制御開始情報(In)をトルクレギュレーターに送る制御装置、駆動車輪の接地力と駆動車輪速度、地面の坂および/または横傾斜など、あらゆる地面での車両発進のパラメーターに基づく制御開始情報(In)を送る手段、及び、運転者が一つ又は複数の車両の制御要素についてとる行動の情報に基づいて制御開始情報(In)を送る手段、を含み、トルクレギュレーターは、車両が駆動力を得るために、車両が始動フェーズにあるとき、ブレーキをかける第1の車輪(回転数の低い車輪)と、地面に対する接地力を強めるため車両の牽引には関与するがブレーキのかかっていない少なくとも1つの別の車輪、を選択する手段を有することを特徴とする。
【0017】
第1の実施形態では、ブレーキのかかった第1の駆動車輪と、ブレーキがかかっていない他の駆動車輪は、それぞれ同じ車軸の自由端に装着されている。
別の実施形態では、ブレーキのかかった第1の駆動車輪と、ブレーキがかかっていない他の駆動車輪は、操舵車輪であり、トルクレギュレーターは、車両の発進パラメーターと、車両の一つまたは複数の制御要素に基づく運転者の行動情報を関数にして、可能な最良加速(最適加速)を決定する手段を有している。
【0018】
また、本発明は、上記の装置を実施する方法に関するものであり、次の段階からなることを特徴とする。
即ち、トルクレギュレーターにより、車輪速度の制御設定との制御偏差の関数としてトルクディストリビューターの制御信号を送る段階、制御装置により、接地力と車輪速度、地面の坂および/または横傾斜などの地面上の走行パラメーターに基づいて制御開始の情報を送る段階、である。
そして、制御開始の情報を送る段階は、特に、運転者の意思を示す車両制御要素に関する運転者の行動情報に基づいて行われる
【0019】
本発明の第1の実施形態による方法は少なくとも次のフェーズ0、フェーズ1、及びフェーズ3を含む。
フェーズ0は、駆動車輪の接地力および駆動車輪の速度、地面の坂および/または横傾斜、および運転者の意思、を解析/評価するフェーズであり、
フェーズ1は、駆動力を確保するためにブレーキをかける遅い回転の第1の駆動車輪と、障害物を取り除き、接地力を低下させ、地面にくい込むために車輪の回転速度を活用して接地力と走行パワーを確保するブレーキをかけない少なくとも1つの車両を牽引する他の駆動車輪を選択する車両の始動(発進)するフェーズであり、
フェーズ3は、最適の加速を得るために車輪がスリップしている初期には高い値である速度制御設定値が低下し、運転者が車両に期待する目標加速値を決定し、この加速値近傍で制御する走行フェーズである。
【0020】
滑り(または滑り比)は、車両の速度に対する車輪の滑り比として理解される。
第1の実施形態において、対象の駆動車輪は同軸に取り付けられた操向車輪であり、坂および/または横傾斜がなく、これら車輪が直進方向を向いているか、またはステアリング角αが予め定められた値αbより小さい(α≦αb)とき、最も低い速度の車輪は、最も回転数の低い車輪(RIO)であると考えられる。
別の実施形態では、対象の駆動車輪は同軸に取り付けられた操向車輪であり、坂および/または横傾斜がなく、これら車輪がある曲がり角(α>αb)を越えて曲がるように設定され、アンダーステアを避けるために外側車輪(Wext)が回転数の低い車輪として選ばれ、外側車輪は車両の理論回転点から最も離れた車輪である。
【0021】
さらに、別の実施の形態では、対象の駆動車輪は同軸に取り付けられた操向車輪であり、坂および/または横傾斜がある場合、車両の長さ方向X軸に沿う長さ方向X軸の加速をAXとし、X軸に垂直なY軸方向の加速AYとしてAXとAYはプラスまたはマイナスの値をとることができる。この方法では、積AX*AYの符号の計算をして、回転数の低い車輪を決定する。
積AX*AYがプラスであるとき、右側車輪Wriが、回転数の低い車輪として選ばれ(Wslow=Wri),積AX*AYがマイナスであるとき、左側車輪Wleが、回転数の低い車輪として選ばれ(Wslow=Wle)、車輪が交換されるのは、積(AX*AY)の符号が反対になるとき、及び 車輪の安定性の規準が満たされないとき、だけである。
そして、回転数の低い車輪と回転数の高い車輪の間には逆転が生じる。
【0022】
本発明による牽引制御装置は、従来技術の横すべり防止装置と較べて、新しい可能性を備えており、以下のように構成されている。
即ち、4つのフェーズ、すなわちフェーズ0、フェーズ1、フェーズ2およびフェーズ3の4つのフェーズによる車両のケースを管理する特別の制御法則を実施する。ここで、フェーズ2は、移行段階のフェーズである。
運転者の意思を考慮して滑りの程度を管理する特別の制御法則を実施する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】従来技術によるASRシステムのブロック図である。
【図2】本発明による横すべり防止方法における種々のフェーズのブロック図である。
【図3】本発明による装置を実施する方法におけるフェーズのフローチャートである。
【図4】運転者が操作したステアリング操作角の関数として、車両速度に対応した右車輪および左車輪の速度変更時間を示す図である。
【図5】坂および/または横勾配の場合における本発明の方法による回転数の低い車輪を選択する表である。
【図6】車輪が変わるときの、車両速度に対応した車輪の速度変化の推移の例を示す図である。
【図7】本発明の方法におけるフェーズ3の種々の段階を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、2輪駆動車両(4x2)の例について説明するが、本発明は、2輪駆動車両(4x2)に限定されるものではなく、4輪駆動車両(4x4)にも応用できるものである。
図2は、3つのフェーズ、すなわちフェーズ0、フェーズ1、フェーズ2と、本発明による方法の新しい可能性であるフェーズ3、およびそれぞれのフェーズ間の相互関連を示すフローチャートである。
フェーズ0は、車輪の速度および接地力、坂および/または横傾斜した地面、および運転者の意思を分析/評価するフェーズである。
フェーズ1は、車の始動(または発進)フェーズである。このフェーズは、接地力を最大限活用し、この車輪でトルクを地面に伝える駆動力を得るために(滑りがなく可能な最も回転数の低い車輪の速度が選択される。すなわち、回転数の低い車輪の速度が車両の速度となる。)他の車輪にブレーキをかけることなくこの車輪にだけブレーキをかける必要のある車輪の選択を行う。
【0025】
フェーズ1の主目的は、回転数の高い車輪のタイヤの泥を取り除き、タイヤに接地力を回復させること、この車輪の回転速度を利用して、地面を掘り、接地力を回復させること、 回転数の低い車輪の接地力によりトルクを伝えることである。
フェーズ2は、フェーズ1とフェーズ3の間の移行フェーズである。
フェーズ3は、走行のフェーズであり、最適の加速とするために、当初の車輪の滑りの間、高かった設定速度を下げ、設定加速度になると、運転者が望む目的の加速値を決定し、この点の近傍で速度を制御する。
運転者が加速すると、設定速度は、より良い加速を得るために速くなる。
運転者が、ASRモードにある状態でアクセルペダルを緩めると、設定速度は、新たに最も良い加速を得るために遅くなる。
2つの車輪が同じ接地力で始動して、運転者が望む加速を得る理想的な場合に、本発明では、フェーズ0から車両走行のフェーズ3まで直接進んでいく。
【0026】
以下、フェーズについて、種々のケースに対応して説明する。
図3に、種々のフェーズでのフローチャートを示す。
フェーズ0は、自動車の走行状況の分析/評価段階50、次いで地面の坂および/または横傾斜の有無を決定する段階52を含む。
公知の方法である車の縦方向、横方向の加速および横揺れを検知する加速度計、その他坂の検知器が、車が走行する地面の坂および/または横傾斜の状況を決定するために使用される。
同様に公知の方法の通り、車輪と関連する車輪速度センサーで、最も遅い速度の車輪を決めることができる。
【0027】
フェーズ1で、回転数の低い車輪を決定する方法は、坂および/または横傾斜の《有》または《無》によって変わる。
そこで、2つのケースAとBに分ける。
ケースAの場合、結果が《無》(坂および/または横傾斜が無い)の場合、回転数の低い車輪を決定する(段階54)第1のケースとなる。
このケースで、決定方法54は、車輪のステアリング角α(段階56)を1と2の2つの条件で決定する段階を有する。
1の条件では、車輪が直進方向を向いているか、またはステアリング角αが設定値αbより小さいとき(α≦αb)、分析/評価のフェーズ0(段階50)で決められた最も回転数の低い(または最も遅い)車輪W10は、2つの理由からフェーズ1で最も回転数の低い車輪W10(W slow=W10)(58)と考えられる。この車輪は、地面にトルクを伝えることができる。
回転数の高い車輪は、既に土を掘った可能性が大きく、それ故、地面を掘って出来た障害物を乗り越えるために車輪に追加のトルクを与える必要がある。
【0028】
2の条件では、車輪が予め定めたステアリング角αを超えて向きを変えたとき(α>αb)、外側車輪Wext(Wslow=Wext)(60)は 、自動車がそれ以上アンダーステアの発生を避けるため、回転数の低い車輪として選ばれる。
外側車輪は、車両の理論回転点から最も離れた車輪であると考えられる。
図4には、運転者が操作した操向ハンドルの角度(ステアリング角)Aswに対する、右車輪の速度Vrw、左車輪の速度Vlwおよび車両速度Vvの経時変化を示している。
ハンドルが左に切られる(αbの上限Shを超える)と、右車輪の速度Vrwは、遅い左車輪の速度Vlwよりより速くなる(T0−T1期間)。次いで、ハンドルが左から右に切られる(最低がαbの下限Sbより低い)と、左車輪の速度Vlwは、2つの車輪が同じ速度となる過渡期(T1−T2)を経て、右車輪の速度Vrwより速くなる(T2−T3)。この過渡期(T1−T2)の間、自動車の速度は一時的に下がる。
【0029】
坂および/または横傾斜がある状況で、回転数の低い車輪の選択に対応するケースBの場合、段階52の結果が《有》(図3参照)の場合、符号62で積AX*AYを計算し、回転数の低い車輪を決定する。
図5に示す通り、AXは、車両の長さ方向の軸Xに沿った長さ方向の加速を表し、AYは、軸Xに垂直な軸Y方向の加速を表す。AX、AYは、各々正または負の値をとり得る。
積AX*AYがプラスであるとき、右側車輪Wriは回転数の低い車輪(Wslow=Wri)として選ばれ(段階64)、積AX*AYがマイナスであるとき、左側車輪Wleが回転数の低い車輪(Wslow=Wle)として選ばれる(段階66)。
【0030】
図5は、坂および/または横傾斜がある場合に、本発明による方法で、遅い車両を選択する表を示している。
地面上を走行する時に、坂AXと横傾斜AYの符号が変わることがある。符号の変更は、遅い車両を選択することになり、この選択は、優先権により決められる。
優先権の強化の順に、車輪が変るのは以下のときだけである。
即ち、掛け算(AX*AY)の符号が反対になる場合、車輪の安定性規準が満されていない場合である。
車輪の安定性規準は、時間Tの間次のように推定される。
a)回転数の低い車輪の速度=回転数の高い車輪の速度であると、地面は堅く、それ故回転数の低い車輪選択の逆転が許される。
b)回転数の低い車輪の速度<回転数の高い車輪の速度であると、土は柔らかく、それ故車輪選択の逆転が許されない。
c)車両速度=0、T1=Tミリ秒で、回転数の低い車輪が安定であると、選択した車輪の変更がある。
【0031】
車輪の安定性規準はまた、次のように決定できる。
d)回転数の低い車輪の速度が、坂によって変わる時間だけ回転数の高い車輪の速度と同じである場合、地面はトルク伝達を可能とし、回転数の低い車輪の選択は逆転される。
e)回転数の低い車輪の速度と回転数の高い車輪の速度の2つが、坂によって変わる時間だけ設定速度であると、地面は駆動力を発揮せず、選択された車輪の変更がある。
f)車両の速度が、設定値より秒単位で長い時間0に等しいと、選択された車輪の変更が必要である。
【0032】
図6は、選択された車輪が変るとき、車両の速度と同じように車輪の速度変化が起こる時間の例を示している(フェーズ1)。
最初の時刻Tc0とそれに引き続く時刻Tdの間では、右車輪の速度Vrwが増加し、左車輪の速度Vlwは変わらずに右車輪の速度より低く、車速度はゼロである。
図6は、Tc1の時刻に、車輪が変わり、インジケーターChwがclからc2に変化し、次いでc1に戻ることを示している。
右車輪の速度Vrwは下がり、左車輪の速度Vlwは上昇する。
車両速度Vvは、上昇を始める。
次のTc2の時刻に、両方の車輪の速度が同じになり、車輪が再度変更される。
これは、再度clからc2になり、次いでclに戻るインジケーターChwで示される。
車両速度Vvは、運転者が望む値に向けて上昇し続ける。
【0033】
図7は、本発明による方法のフェーズ3における種々の段階を示すブロック図である。
段階100では、希望する加速を定義することにより運転者の意思100を考慮する。
そして、この段階では、運転者は加速102、速度維持104、または減速106を行う。
段階108で、設定値を増加させる112かまたは設定値を下降させる114ことにより最適な加速に達するよう速度設定を変更させる。
可能な最適加速は、運転者の意思と車両の状態との間の妥協点となる最適な加速を意味する。
段階110では、設定が下降114か、増加112かによって車両の加速反応を測定する。その反応は、加速Ag1またはAg2、定速AclまたはAc2、または減速Ab1またはAb2で 示される。
【0034】
段階120では、車両の加速反応の測定値は、運転者の意思に合うものとなる。
段階122で車両の加速反応の測定値が、運転者の意思に合わない場合、設定112、114の値を変えて、希望する加速反応を得る。
種々のケースにおいて、本発明による装置を装備した車両により得られる結果は、発進時には、弱い接地力で駆動力が連続的に発揮され(フェーズ1)、車両は、坂および/または横傾斜で、操向輪の操向角(回転角)の関数としてどの駆動車輪にブレーキをかけるか選択することで制御可能になっている。強い接地力では、エンジンの停止はない。
走行中は、弱い接地力でも、顕著な駆動力と操縦性が得られ、欲求不満を感ずることはない。ぬかるみでは、駆動力が連続的に発揮される。
【0035】
本発明は、主に、駆動車輪のブレーキの装置(ブレーキ力ディストリビューター)について記載したが、他のタイプの装置、特に、車両の駆動車輪のトルクディストリビューション制御用の差動型装置にも同様に応用できる。
【符号の説明】
【0036】
10 駆動車輪
12 トルクレギュレーター
16 ブレーキ装置
18 検知器
20 制御装置
Ag1、Ag2 加速
Acl、Ac2 定速
Ab1、Ab2 減速
Asw 操向ハンドルの角度(ステアリング角)
AX 長さ方向X軸の加速
AY X軸に垂直なY軸方向の加速
Chw インジケーター
Cf 制御信号
Cm エンジントルク
In 制御開始情報
Rc 接地力
Sh 限界値
Vlw 左車輪の速度
Vrw 右車輪の速度
Vv 車両速度
Wext 外側車輪
W10 最も回転数の低い車輪
Wle 左側車輪
Wri 右側車輪
Wslow 回転数の低い車輪
α ステアリング角
ΔV 制御偏差、 運転変数の偏差情報

Claims (11)

  1. 車両、特にモーター車の駆動車輪(10)の横滑り防止装置であって、
    − 駆動車輪(10)のブレーキ装置(16)
    制御設定値との制御偏差情報の関数として、ブレーキ装置(16)に制御信号(Cf)を送るトルクレギュレーター(12)、 、
    − 制御開始情報(In)をトルクレギュレーター(12)に送る制御装置(20)、
    − 駆動車輪の接地力と駆動車輪速度、地面の坂および/または横傾斜など、あらゆる状況の地面での走行パラメーターに基づいて制御開始情報(In)を送る手段、
    車両を制御するために運転者がとる一つ又は複数の行動に関する情報に基づいて制御開始情報(In)を送る手段、 、
    からなる、車両、特に自動車の駆動車輪の横滑り防止装置であり、
    トルクレギュレータ(12)は、
    車両が始動フェーズにあるとき、駆動力を確保するためにブレーキをかける第1の駆動車輪を選択し、
    他方、車両を駆動する少なくとも他の1つの駆動車輪は地面に対する接地力を上げるためにブレーキをかけないようにする手段を有することを特徴とする横すべり防止装置
  2. ブレーキのかかった第1の駆動車輪と、ブレーキがかかっていない他の駆動車輪は、それぞれ同じ車軸の自由端に位置していることを特徴とする請求項1に記載の横すべり防止装置。
  3. ブレーキのかかった第1の駆動車輪と、ブレーキがかかっていない他の駆動車輪は、操舵輪であることを特徴とする請求項1または2に記載の横すべり防止装置。
  4. 前記トルクレギュレーター(12)は、車両の走行パラメーターと、車両を制御するために運転者がとる一つ又は複数の行動に関する情報の関数として、可能な最良の加速を決定する手段を有することを特徴とする請求項1に記載の横すべり防止装置
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の横すべり防止装置の実施方法であって、
    トルクレギュレーター(12)が車輪速度の制御設定値との制御偏差情報の関数として、トルクディストリビューターに制御信号を送る段階、
    制御装置(20)が駆動車輪の接地力と駆動車輪速度、地面の坂および/または横傾斜などの地面での走行制御パラメーターに基づく制御開始情報、及び運転者の車両制御要素に関する行動情報に基づいて制御開始情報を送る段階、
    からなることを特徴とする横すべり防止装置の実施方法。
  6. − 車輪の接地力および速度、地面の坂および/または横傾斜、および運転者の意思を解析/評価するフェーズ(フェーズ0)
    駆動力を確保するためにブレーキをかける駆動車輪、すなわち回転数を落とされた車輪を選び、
    車両の牽引に関与する少なくとも一つの他の駆動車輪には、車輪の接地力を少なくする障害物を減らし、車輪の回転速度を活用して地面へくい込み地面への接地力を増大させるためにブレーキをかけない始動フェーズ(フェーズ1)、
    最も良い加速にするため車輪がスリップする最初は高かった速度制御設定値を下げ、
    運転者が車両に期待する目標加速度を決定し、この加速点近傍で制御を実施する、ことからなる走行フェーズ(フェーズ3)
    を含むことを特徴とする請求項5に記載の横すべり防止装置の実施方法。
  7. 坂および/または横傾斜がなく、車輪が直進方向を向いているか、または現時点の値より緩い曲がり角度をとる場合、最低速度の車輪は始動フェーズ(W10)(58)で最低速の車輪とされることを特徴とする請求項5または6の何れかに記載の横すべり防止装置の実施方法。
  8. 坂および/または横傾斜がなく、これら車輪が、少なくともあるステアリング角(α)だけ向きを変えたとき、外側車輪(Wext)(60)が更なるアンダーステア(タイヤの横滑りで車が外側にふくらんでいることを言う)を避けるため回転数の低い車輪として選ばれ、外側車輪が車両の回転の理論点から最も離れた車輪であることを特徴とする請求項5または6に記載の横すべり防止装置の実施方法。
  9. 坂および/または横傾斜がある場合、車両の長さ方向X軸の加速をAXとし、X軸に垂直なY軸方向の加速AYとして、AXとAYはプラスまたはマイナスの何れの値もとることができ、積AX*AYの符号の計算をして、回転数の低い車輪を決定する段階を有する方法であり、
    − 積AX*AYがプラスであるとき、右側車輪(Wri)が、回転数の低い車輪(Wslow)として選ばれ、
    − 積AX*AYがマイナスであるとき、左側車輪(Wle)が、回転数の低い車輪(Wslow)として選ばれ、
    車輪の交換が可能なのは、
    − 積(AX*AY)の符号が反対になるか、
    − 車輪の安定性の規準が満たされないとき、
    だけであることを特徴とする請求項5または6に記載の横すべり防止装置の実施方法。
  10. 車輪の安定性規準が、時間Tの間
    a)回転数の低い車輪の速度=回転数の高い車輪である場合、地面は固いため、回転数を落とされた車輪の選択の逆転が許され、
    b)回転数を落とされた車輪の速度<回転数が高い車輪の速度である場合、地面が柔らかいため車
    輪選択の逆転が許されず、
    c)車両速度=0、T1=Tミリ秒で、回転数を落とされた車輪が安定である場合、選択した車輪の変更がある、
    と推定されることを特徴とする請求項9に記載の横すべり防止装置の実施方法。
  11. 車輪の安定性規準が、
    d)回転数を落とされた車輪の速度が、坂の傾斜によって変動する所定の時間、高速回転車輪の速度と同じ場合、地面にはトルク伝達が可能となって低速回転車輪の選択が逆転され、
    e)低速回転車輪と高速回転車輪の双方が、坂の傾斜によって変動する所定の時間、設定速度の状態にあるとき、地面は牽引力を生じないため選択された車輪の変更があり、
    f)車両の速度が、予め定められた秒表示の時間より長い時間の間0に等しい場合、選択された車輪の変更が必要となる、
    と決定されることを特徴とする請求項9に記載の横すべり防止装置の実施方法。
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