以下、本発明による情報処理装置について、実施の形態を用いて説明する。なお、以下の実施の形態において、同じ符号を付した構成要素及びステップは同一または相当するものであり、再度の説明を省略することがある。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1による情報処理装置1について、図面を参照しながら説明する。本実施の形態による情報処理装置1は、従属請求項の引用形式を判断し、その判断結果に応じてクレームツリーを生成するものである。
図1は、本実施の形態による情報処理装置1の構成を示すブロック図である。本実施の形態による情報処理装置1は、請求項情報記憶部11と、手がかり句記憶部12と、従属関係判断部13と、判断情報記憶部14と、付加形式判断部15と、外的付加対象用語取得部16と、内的付加対象用語取得部17と、出力部18と、記憶部19と、親子関係情報取得部20と、親子関係情報記憶部21と、クレームツリー生成部22と、クレームツリー出力部23とを備える。
請求項情報記憶部11では、1以上の請求項情報が記憶される。請求項情報は、請求項の情報である。したがって、一の請求項情報が一の請求項に対応している。なお、請求項情報記憶部11では、2以上の請求項情報が記憶されていることが好適である。また、その2以上の請求項情報は、特許請求の範囲であることが好適である。また、請求項情報記憶部11には、請求項情報以外の情報が含まれていてもよい。例えば、請求項情報記憶部11において、公開特許公報の情報や、特許掲載公報の情報が記憶されており、後述する付加形式判断部15等では、特許請求の範囲に含まれる請求項情報のみを用いてもよい。それらの公報においては、通常、「特許請求の範囲」のタグの付与された欄に特許請求の範囲の文書が記載されているため、特許請求の範囲の文書のみを取得して用いることができる。また、請求項情報には、請求項番号と、その請求項番号で特定される請求項の発明を示す文書とが含まれている。ここで、特許請求の範囲から各請求項情報を特定する方法について簡単に説明する。日本の特許請求の範囲の場合、タグ[請求項N]が請求項ごとに付与されているため、そのタグを用いて、各請求項情報を特定することができる(なお、「N」は請求項番号を示す任意の正の整数である)。すなわち、タグ[請求項N]の直後から、次のタグ[請求項N+1]の直前、あるいは、次のタグが存在しない場合には、特許請求の範囲の最後までの文書が、その請求項に対応する発明を示す文書となる。また、米国の特許請求の範囲の場合、請求項番号「N.」が請求項ごとに付与されているため、その請求項番号を用いて、各請求項情報を特定することができる(なお、「N」は請求項番号を示す任意の正の整数である)。すなわち、行頭の請求項番号「N.」の直後から、次の請求項番号「N+1.」の直前、あるいは、次の請求項番号が存在しない場合には、特許請求の範囲の最後までの文書が、その請求項に対応する発明を示す文書となる。
なお、この請求項情報は、例えば、例えば、テキストファイルであってもよく、あるいは、ワープロソフト等の独自形式のファイル等であってもよい。また、請求項情報は、HTMLやXML等のようなマークアップ言語によって記述されていてもよい。そのようなマークアップ言語によって記述されている場合に、請求項情報ごとにタグで区切られていてもよい。
請求項情報記憶部11に請求項情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して請求項情報が請求項情報記憶部11で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された請求項情報が請求項情報記憶部11で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された請求項情報が請求項情報記憶部11で記憶されるようになってもよい。請求項情報記憶部11での記憶は、RAM等における一時的な記憶でもよく、あるいは、長期的な記憶でもよい。請求項情報記憶部11は、所定の記録媒体(例えば、半導体メモリや磁気ディスク、光ディスクなど)によって実現されうる。
手がかり句記憶部12では、従属請求項で用いられる手がかり句である従属請求項手がかり句が記憶される。なお、手がかり句は、所望の表現や語句を見つけるために用いられる情報であり、例えば、検索キーワード(テキストの情報、すなわち、表層の情報)を示すものであってもよく、所望の表現や語句を見つけるための表現や語句の属性を示す情報(すなわち、所望の表現等を検索するための条件情報。例えば、語句の品詞の情報を含んでもよく、語句の並びに関する情報を含んでもよい。)であってもよい。他の手がかり句についても同様である。
この手がかり句記憶部12で記憶されている従属請求項手がかり句は、例えば、次のように正規表現で記述されたものであってもよい。
[正規表現1]
(請求項(\d+|から|〜|‐|―|−|\-|乃至|ないし|または|又は|,|、|および|及び|請求項)*\d+)|(第\d+項)
なお、この正規表現は、Perlの正規表現である。「\d」は、全角または半角の数字1文字にマッチする。「a|b」は、aまたはbにマッチする。「*」は、直前の正規表現が0以上存在した場合にマッチする。また、「+」は、直前の正規表現が1以上存在した場合にマッチする。
なお、その従属請求項手がかり句において、「または」「又は」のバリエーションとして、「もしくは」「若しくは」「あるいは」「或いは」をさらに含んでもよく、「および」「及び」のバリエーションとして、「ならびに」「並びに」をさらに含んでもよい。
また、上記従属請求項手がかり句以外の手がかり句を用いてもよい。例えば、従属請求項手がかり句は、次のものであってもよい。
[正規表現2]
請求項.+記載
なお、「.」は、任意の文字である。この場合にも、この従属請求項手がかり句によって、「請求項1記載」や、「請求項1または請求項2記載」「請求項1から請求項5のいずれか記載」等の従属表現の文字列が特定されることになる。
また、本実施の形態では、後述する従属関係判断部13が用いる従属請求項手がかり句と、親子関係情報取得部20が用いる従属請求項手がかり句とが同じものである場合について説明するが、両者は異なっていてもよい。例えば、従属関係判断部13が用いる従属請求項手がかり句は、「請求項\d+」であり、親子関係情報取得部20が用いる従属請求項手がかり句は、前述の正規表現1や正規表現2であってもよい。
手がかり句記憶部12に従属請求項手がかり句が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して従属請求項手がかり句が手がかり句記憶部12で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された従属請求項手がかり句が手がかり句記憶部12で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された従属請求項手がかり句が手がかり句記憶部12で記憶されるようになってもよい。手がかり句記憶部12での記憶は、RAM等における一時的な記憶でもよく、あるいは、長期的な記憶でもよい。手がかり句記憶部12は、所定の記録媒体(例えば、半導体メモリや磁気ディスク、光ディスクなど)によって実現されうる。
従属関係判断部13は、手がかり句記憶部12で記憶されている従属請求項手がかり句が請求項情報に含まれるかどうか判断することによって、各請求項情報が従属請求項であるかどうか判断する。すなわち、従属関係判断部13は、従属請求項手がかり句が含まれる請求項情報は、従属請求項であると判断する。一方、従属請求項手がかり句が含まれない請求項情報は、独立請求項であると判断する。なお、「従属請求項手がかり句が含まれる」とは、その従属請求項手がかり句を用いたパターンマッチングを行い、マッチしたことである。他の手がかり句についても同様であるとする。また、その判断結果は、図示しない記録媒体において記憶されてもよい。その判断結果は、各請求項情報に含まれる請求項番号に対応付けられて記憶されてもよく、そうでなくてもよい。前者の場合には、例えば、請求項2の請求項情報が従属請求項であると判断された場合には、「2」と、「従属請求項である旨」とが対応付けられて記憶されてもよい。
なお、後述するように、情報処理装置1では、親子関係情報取得部20によって親子関係情報が取得される。したがって、従属関係判断部13は、その親子関係情報を用いて、ある請求項情報が従属請求項かどうかを判断することもできる。具体的には、親子関係情報によって、ある請求項情報に対応する請求項番号が子請求項であることが示される場合(例えば、図9において、子請求項番号にその請求項番号が含まれる場合)には、その請求項情報は従属請求項となる。なお、その場合であっても、親子関係情報を取得する際に従属請求項手がかり句を用いているため、従属関係判断部13は、従属請求項手がかり句が請求項情報に含まれるかどうか間接的に判断することによって、ある請求項が従属請求項であるかどうかの判断を行ったことになると考えることができる
判断情報記憶部14では、請求項が内的付加か外的付加かを判断する際に用いられる情報であり、少なくとも手がかり句を含む情報である判断情報が記憶される。判断情報は、例えば、外的付加の請求項情報に含まれる手がかり句である外的付加手がかり句を含んでもよく、内的付加の請求項情報に含まれる手がかり句である内的付加手がかり句を含んでもよく、あるいは、外的付加手がかり句と内的付加手がかり句との両方を含んでもよい。本実施の形態では、外的付加手がかり句と、内的付加手がかり句とが判断情報に含まれる場合について説明する。なお、例えば、前述の非特許文献2によれば、外的付加とは、「現状の構成要素の組み合わせに対して別の構成要素を付け加えるもの」であり、内的付加とは、「上位概念に内包される下位概念を案出するものであり、それには限定、選択が含まれる」ものである。次に、外的付加手がかり句と、内的付加手がかり句とについて説明する。
(1)外的付加手がかり句
(1−1)付加副詞である場合
外的付加手がかり句は、付加副詞であってもよい。付加副詞とは、付加を示す副詞である。付加副詞は、例えば、「さらに」「更に」であってもよい。したがって、例えば、外的付加手がかり句は、「さらに」「更に」であってもよい。通常、外的付加の請求項情報には、「さらにオーディオシステムを備えた」や「アンテナをさらに備えた」等の記載が含まれるため、請求項情報に付加副詞があるかどうかを判断することによって、外的付加の請求項情報であるかどうかを判断することができうる。この場合には、外的付加手がかり句は、例えば、次のようになる。
外的付加手がかり句:さらに|更に
(1−2)付加副詞と所有動詞である場合
外的付加手がかり句は、付加副詞と、所有動詞とであってもよい。所有動詞とは、所有を示す動詞であり、例えば、「備える」「有する」「含む」「含有する」「具備する」「具する」「からなる」等である(なお、「からなる」は「なる」であってもよい)。外的付加手がかり句に含まれる所有動詞は、(A)種々の活用形を含んでもよく、(B)基本形のみであってもよい。このことは、他の動詞についても同様である。
(A)種々の活用形を含む場合には、例えば、所有動詞として「備える」「備えた」「備えている」などの活用形が各動詞「備える」「有する」「含む」「含有する」「具備する」「具する」「からなる」について外的付加手がかり句に含まれていてもよい。この場合には、外的付加手がかり句は、例えば、次のようになる。
外的付加手がかり句:(さらに|更に).*(備える|備えた|備えている|有する|有した|有している|含む|含んだ|含んでいる|含有する|含有した|含有している|具備する|具備した|具備している|具する|具した|具している|からなる|からなった|からなっている)
(B)基本形のみである場合には、例えば、所有動詞として、各動詞「備える」「有する」「含む」「含有する」「具備する」「具する」「からなる」の基本形のみが含まれる。そして、後述する付加形式判断部15が判断を行う際に、形態素解析を行うことによって、請求項情報の形態素に対応する動詞の基本形を取得し、その基本形と、所有動詞とが一致するかどうかを判断することになる。この場合には、外的付加手がかり句は、例えば、次のようになる。
外的付加手がかり句:(さらに|更に).*{基本形=(備える|有する|含む|含有する|具備する|具する|からなる)}
ここで、中括弧{}で囲まれた部分は、属性に関する手がかり句を示すものであるとする。この外的付加手がかり句の場合、基本形が「備える」「有する」「含む」「含有する」「具備する」「具する」「からなる」のいずれかである場合に、その手がかり句がマッチしたことになるものとする。
なお、この場合には、後述する付加形式判断部15は、一の請求項情報に付加副詞と、所有動詞とが含まれる場合に、その請求項情報が外的付加であると判断する。なお、その場合に、上記した外的付加手がかり句の例示のように、順番も考慮して判断してもよい。具体的には、通常、所有動詞の前に付加副詞が存在するため、付加形式判断部15は、付加副詞、所有動詞の順で請求項情報に含まれる場合に、その請求項情報が外的付加であると判断してもよい。なお、その付加副詞と所有動詞の間には任意の0以上の文字列(上記した外的付加手がかり句の例示における「.*」)が含まれてもよいことは言うまでもない。付加副詞に加えて所有動詞も用いた判断を行うことにより、より精度の高い判断を行うことができると考えられる。
(1−3)付加副詞とサ変動詞である場合
外的付加手がかり句は、付加副詞と、サ変動詞とであってもよい。サ変動詞とは、サ行変格活用をする動詞である。サ変動詞は、例えば、「出力する」「表示する」「送信する」等である(なお、「する」のみであってもよい)。この場合にも、外的付加手がかり句に含まれるサ変動詞は、種々の活用形を含んでもよく、基本形のみであってもよい。また、外的付加手がかり句に含まれるサ変動詞は、サ変動詞である旨のみであってもよい。例えば、後述する付加形式判断部15が判断を行う際に、形態素解析を行うことによって、請求項情報の形態素に対応する動詞の活用の種類を取得し、その活用の種類が「サ行変格活用」かどうかを判断してもよい。この場合には、外的付加手がかり句は、例えば、次のようになる。
外的付加手がかり句:(さらに|更に).*{活用の種類=サ行変格活用}
なお、外的付加手がかり句がその他のものであってもよいことは言うまでもない。例えば、外的付加手がかり句は、所有動詞のみであってもよく、サ変動詞のみであってもよい。
(2)内的付加手がかり句
(2−1)指示用語と名詞の連続と主体助詞である場合
内的付加手がかり句は、指示用語と、1以上の名詞の連続と、主体助詞とであってもよい。指示用語とは、先行詞を指し示すために用いられる用語である。この指示用語は、例えば、「前記」「上記」「その」「それらの」等であり、通常、接頭語である。1以上の名詞の連続は、1以上の名詞の連続である旨であり、具体的な名詞が含まれているのではない。主体助詞とは、主体に付く助詞であり、例えば、「が」「は」「も」等である。主体とは、述部の説明や動作の主となる存在である。主部(例えば、「コンピュータは」)は、例えば、主体(例えば、「コンピュータ」)と主体助詞(例えば、「は」)とを含むものである。付加形式判断部15は、ある請求項情報において、指示用語と連続した名詞と主体助詞とが、この順番で連続して存在する場合に、その請求項情報が内的付加であると判断してもよい。通常、内的付加の請求項情報には、「前記エンジンはガソリンエンジンである」や「前記アンテナは伸縮可能なものである」等の記載が含まれるため、請求項情報に指示用語と1以上の名詞の連続と主体助詞とがこの順番で連続しているかどうかを判断することによって、内的付加の請求項情報であるかどうかを判断することができうる。この場合には、内的付加手がかり句は、例えば、次のようになる。
内的付加手がかり句:(前記|上記|その|それらの){品詞=名詞}+(が|は|も)
(2−2)指示用語と名詞の連続と主体助詞であり、その名詞の連続が祖先請求項に存在する場合
内的付加手がかり句は、上記(2−1)の内的付加手がかり句に加えて、1以上の連続する名詞が祖先請求項に存在することを含んでもよい。祖先請求項とは、判断対象となる請求項情報が直接または間接に従属する請求項である。すなわち、判断対象となる請求項情報と1以上の親子関係でつながる請求項であって、かつ、その判断対象となる請求項よりも親の側の請求項が祖先請求項となる。一の請求項に対する祖先請求項は、後述する親子関係情報を用いて特定することができる。内的付加の請求項は、祖先請求項に出てくる用語を限定するものであると考えられるところ、1以上の連続する名詞が祖先請求項に存在しない場合には、内的付加の請求項と考えがたいからである。
なお、前述の(2−1)(2−2)における1以上の名詞の連続において、名詞以外の1以上の記号や、1以上の名詞接続助詞が、名詞の間や名詞連続の先頭・後端に位置しても、全体として1以上の名詞の連続であるとしてもよい。記号は、括弧のはじめを示す記号や、括弧の終わりを示す記号、1または2以上のアルファベット等であってもよい。また、名詞接続助詞は、名詞をつなげるために用いられる助詞であり、例えば、「の」「における」「として」「に」等であってもよい。このようにして1以上の名詞の連続を特定することによって、例えば、「音声情報出力手段(11)」や、「音声情報の出力手段」も1以上の名詞の連続として特定されることになる。他の箇所で1以上の名詞の連続を特定する際にも同様であるとする。
判断情報記憶部14に判断情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して判断情報が判断情報記憶部14で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された判断情報が判断情報記憶部14で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された判断情報が判断情報記憶部14で記憶されるようになってもよい。判断情報記憶部14での記憶は、RAM等における一時的な記憶でもよく、あるいは、長期的な記憶でもよい。判断情報記憶部14は、所定の記録媒体(例えば、半導体メモリや磁気ディスク、光ディスクなど)によって実現されうる。
付加形式判断部15は、判断情報記憶部14で記憶されている判断情報を用いて、従属関係判断部13によって従属請求項であると判断された請求項情報の付加形式が内的付加か外的付加かを判断する。付加形式判断部15は、判断対象の請求項情報に外的付加手がかり句が含まれる場合に、請求項情報が外的付加であると判断する。例えば、付加形式判断部15は、ある請求項情報に付加副詞と所有動詞とが請求項情報に含まれる場合に、その請求項情報が外的付加であると判断してもよい。また、付加形式判断部15は、判断対象の請求項情報に内的付加手がかり句が含まれる場合に、請求項情報が内的付加であると判断する。例えば、付加形式判断部15は、指示用語と、1以上の名詞の連続と、主体助詞とがその順番で請求項情報に連続して含まれる場合に、請求項情報が内的付加であると判断してもよい。なお、本実施の形態では、従属請求項が外的付加か内的付加かを主に判断するため、その従属形式を付加形式と呼ぶが、その形式が外的付加、内的付加以外である場合には、厳密には付加の形式ではないこともありうるが、本実施の形態では、便宜上、付加形式と呼ぶことにする。
なお、付加形式判断部15は、外的付加手がかり句を用いて、請求項情報が外的付加の請求項情報であるかどうか判断し、そうでない請求項情報を内的付加の請求項情報と判断してもよい。また、付加形式判断部15は、内的付加手がかり句を用いて、請求項情報が内的付加の請求項情報であるかどうか判断し、そうでない請求項情報を外的付加の請求項情報と判断してもよい。また、付加形式判断部15は、外的付加手がかり句と内的付加手がかり句とを用いて、請求項情報が外的付加であるか内的付加であるか判断してもよい。本実施の形態では、この場合について説明する。また、その場合に、付加形式判断部15は、外的付加手がかり句と、内的付加手がかり句との両方を含まない請求項情報を、外的付加の請求項情報と判断してもよく、内的付加の請求項情報と判断してもよく、あるいは、その他の付加形式の請求項情報と判断してもよい。本実施の形態では、その他の付加形式の請求項情報と判断する場合について説明する。
前述のように、付加形式判断部15は、判断情報を用いた判断を行う際に、適宜、請求項情報を形態素解析してもよいことは言うまでもない。形態素解析を行うことによって、請求項情報を形態素ごとに分割することができる。また、形態素解析によって、各形態素の品詞を取得できる。さらに、形態素解析によって、活用する形態素については活用の種類や活用形、その形態素の基本形を取得することができる。なお、形態素解析のシステムとして、日本語の場合には、例えば、奈良先端科学技術大学院大学で開発された「ChaSen(茶筌)」(http://chasen.naist.jp)等が知られている。また、英語の場合には、英単語に品詞を付与するソフトウェアとして、例えば、「TnT」(http://www.coli.uni−saarland.de/〜thorsten/tnt/)や「Brill Tagger」(http://www.cs.jhu.edu/〜brill/)等が知られている。
外的付加対象用語取得部16は、付加形式判断部15によって外的付加であると判断された請求項情報から、外的付加対象用語を取得する。外的付加対象用語とは、外的付加された対象を示す用語である。例えば、外的付加手がかり句が前述の(1−2)である場合には、外的付加対象用語は、所有動詞による所有の対象となる用語である。
ここで、外的付加手がかり句が前述の(1−2)である場合における外的付加対象用語を取得する方法について簡単に説明する。外的付加対象用語取得部16は、例えば、特定した所有動詞の直前に位置する1以上の名詞の連続を特定し、その特定した1以上の名詞の連続を外的付加対象用語とする。また、その特定した所有動詞より前に位置する1以上の区切り手がかり句を特定する。そして、特定した各区切り手がかり句の直前に位置する1以上の名詞の連続をそれぞれ特定し、すでに特定した外的付加対象用語に含まれていないものを外的付加対象用語とする。なお、区切り手がかり句とは、構成要素の区切りを見つけるために用いられる手がかり句であり、例えば、「と」「と、」「と,」であってもよく、それらの後ろに改行記号が位置するものをさらに含んでもよい。また、区切り手がかり句には、読点「、」「,」が含まれてもよく、そうでなくてもよい。例えば、ある請求項情報が「音声情報を生成する音声情報生成部と、前記音声情報生成部が生成した音声情報を蓄積する音声情報蓄積部と、をさらに備え、…」という記載を含む場合には、前述の(1−2)の外的付加手がかり句を用いて、所有動詞「備え」が特定され、その直前の名詞の連続「音声情報蓄積部」が外的付加対象用語であるとされる。また、区切り手がかり句「と、」が特定され、その直前の名詞の連続「音声情報生成部」「音声情報蓄積部」が特定されるが、「音声情報蓄積部」はすでに外的付加対象用語に含まれるため、「音声情報生成部」のみが外的付加対象用語に追加される。このようにして、外的付加対象用語「音声情報生成部」「音声情報蓄積部」が取得されることになる。なお、これ以外の方法によって外的付加対象用語が取得されてもよいことは言うまでもない。その際に、適宜、手がかり句等が用いられてもよい。
外的付加対象用語取得部16が取得した外的付加対象用語は、図示しない記録媒体において記憶されてもよい。その際に、その外的付加対象用語を取得した請求項情報の請求項番号に対応付けて外的付加対象用語を記憶することが好適である。
内的付加対象用語取得部17は、付加形式判断部15によって内的付加であると判断された請求項情報から、内的付加対象用語を取得する。内的付加対象用語とは、内的付加された対象を示す用語である。例えば、内的付加手がかり句が前述の(2−1)(2−2)である場合には、1以上の名詞の連続に対応する用語である。内的付加対象用語取得部17が取得した内的付加対象用語は、図示しない記録媒体において記憶されてもよい。その際に、その内的付加対象用語を取得した請求項情報の請求項番号に対応付けて内的付加対象用語を記憶することが好適である。なお、本実施の形態において、外的付加対象用語と内的付加対象用語とをまとめて付加対象用語と呼ぶことがある。すなわち、付加対象用語は、外的付加対象用語である場合もあり、内的付加対象用語である場合もある。
出力部18は、付加形式判断部15の判断結果を示す情報である付加形式情報を出力する。その付加形式情報によって、各請求項情報が外的付加であるのか内的付加であるのかが示されることになる。なお、付加形式判断部15が外的付加、内的付加以外の判断も行う場合には、付加形式情報は、各請求項情報が外的付加であるのか内的付加であるのかその他の形式であるのかが示されることになる。また、出力部18は、外的付加対象用語取得部16が取得した外的付加対象用語をも出力する。また、出力部18は、内的付加対象用語取得部17が取得した内的付加対象用語をも出力する。この出力部18によって出力される付加形式情報等は、例えば、請求項番号と付加形式情報と外的付加対象用語と内的付加対象用語とを対応付ける情報(ただし、外的付加対象用語と内的付加対象用語とはない場合もありうる)であってもよく、それ以外の情報であってもよい。後者の場合には、例えば、出力部18は、付加形式情報に対応するタグや、外的付加対象用語に対応するタグ、内的付加対象用語に対応するタグをマークアップ言語で記述された請求項情報に付与することであってもよい。その請求項情報は、例えば、請求項情報記憶部11において記憶されているものであってもよく、あるいは、請求項情報記憶部11とは別途、記憶されているものであってもよい。
ここで、この出力は、例えば、表示デバイス(例えば、CRTや液晶ディスプレイなど)への表示でもよく、所定の機器への通信回線を介した送信でもよく、プリンタによる印刷でもよく、スピーカによる音声出力でもよく、記録媒体への蓄積でもよく、他の構成要素への引き渡しでもよい。本実施の形態では、この出力は記憶部19への蓄積であるとする。なお、出力部18は、出力を行うデバイス(例えば、表示デバイスやプリンタなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、出力部18は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは、それらのデバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
記憶部19では、出力部18によって出力された付加形式情報等が記憶される。記憶部19での記憶は、RAM等における一時的な記憶でもよく、あるいは、長期的な記憶でもよい。記憶部19は、所定の記録媒体(例えば、半導体メモリや磁気ディスク、光ディスクなど)によって実現されうる。
親子関係情報取得部20は、手がかり句記憶部12で記憶されている従属請求項手がかり句を用いて、一の請求項情報が従属する請求項である親請求項の請求項番号を特定することによって、請求項情報記憶部11で記憶されている複数の請求項情報から親子関係情報を取得し、親子関係情報記憶部21に蓄積する。この親子関係情報は、複数の請求項情報における各請求項の従属の親子関係を示す情報である。この親子関係情報によって、ある請求項が従属する請求項(すなわち、親の請求項)を知ることができる。また、この親子関係情報によって、ある請求項に従属する請求項(すなわち、子の請求項)を知ることができる。この親子関係情報は、例えば、親子関係にある請求項情報に含まれる請求項番号を対応付ける情報であってもよい。すなわち、親子関係情報は、親請求項の請求項番号と、子請求項の請求項番号とを対応付ける情報であってもよい。
例えば、親子関係情報取得部20は、請求項番号「N」(Nは2以上の整数であるとする)の請求項情報において、前述の「正規表現1」の従属請求項手がかり句を用いて、その請求項情報に記載されている親請求項の請求項番号を取得する。その後、親子関係情報取得部20は、「から」「〜」「‐」「―」「−」「\-」「乃至」「ないし」でつながる2個の請求項番号を特定し、その特定した2個の請求項番号の間の整数を補間する。例えば、その2個の請求項番号が「5」と「8」であれば、親子関係情報取得部20は、両者を補間し、「6」「7」をさらに取得する。そして、親子関係情報取得部20は、請求項情報から直接取得した親請求項の請求項番号と、補間により取得した親請求項の請求項番号との各請求項番号が親請求項番号であり、請求項番号「N」が子請求項番号である親子関係情報を取得する。
また、例えば、親子関係情報取得部20は、請求項番号「N」の請求項情報において、前述の「正規表現2」の従属請求項手がかり句を用いて、その請求項情報に記載されている従属表現の位置を特定する。そして、この特定した箇所(すなわち、正規表現2の「.+」に対応する箇所)において、正規表現1の場合と同様に、親子関係情報取得部20は、「から」「〜」「‐」「―」「−」「\-」「乃至」「ないし」でつながる2個の請求項番号を特定し、その特定した2個の請求項番号の間の整数を補間する。その後、親子関係情報取得部20は、その特定した箇所にはじめから含まれる数字と、補間によって追加された数字とを親請求項番号として、「N」を子請求項番号とする親子関係情報を生成する。
ここで、「親請求項の請求項番号と、子請求項の請求項番号とを対応付ける」とは、親請求項の請求項番号と子請求項の請求項番号の一方の情報から、他方の情報を取得できればよいという意味である。したがって、親子関係情報は、親請求項の請求項番号と子請求項の請求項番号とを組として含む情報を有してもよく、親請求項の請求項番号と子請求項の請求項番号とをリンク付ける情報であってもよい。後者の場合には、親子関係情報は、例えば、親請求項の請求項番号と子請求項の請求項番号の格納されている位置を示すポインタやアドレスとを対応付ける情報であってもよい。本実施の形態では、前者の場合について説明する。また、親請求項の請求項番号と子請求項の請求項番号とは、直接対応付けられていなくてもよい。例えば、親請求項の請求項番号に、第3の情報が対応しており、その第3の情報に子請求項の請求項番号が対応していてもよい。また、親子関係情報のデータ形式は問わない。親子関係情報は、例えば、DBMSのテーブルデータであってもよく、2次元配列のデータであってもよく、CSV形式のデータであってもよい。なお、親子関係情報を取得する方法は、すでに公知であり、その方法は問わない。例えば、次の文献にその方法が記載されている。また、親子関係情報取得部20が親子関係情報を取得する具体的な方法については後述する。
文献:新森昭宏、大屋由香里、谷川英和、「請求項解析ツールを用いた請求項引用関係の分析」、日本知財学会第6回学術研究発表会、p172−175、2008年
親子関係情報記憶部21では、親子関係情報取得部20によって取得された親子関係情報が記憶される。親子関係情報記憶部21での記憶は、RAM等における一時的な記憶でもよく、あるいは、長期的な記憶でもよい。親子関係情報記憶部21は、所定の記録媒体(例えば、半導体メモリや磁気ディスク、光ディスクなど)によって実現されうる。
クレームツリー生成部22は、親子関係情報記憶部21で記憶されている親子関係情報と、出力部18が出力した付加形式情報とを用いて、請求項ごとに付加形式を視覚的に区別可能なクレームツリー画像を生成する。その付加形式に応じた視覚的な区別は、例えば、色の区別であってもよく、形の区別であってもよく、表示方法(例えば、点滅や回転の有無や、点滅の間隔、回転の向き・速さの違いなど)の区別であってもよく、その他の区別(例えば、「外的付加」「内的付加」のテキストが表示されることによる区別)であってもよい。本実施の形態では、付加形式の視覚的な区別が、色による区別である場合について説明する。また、クレームツリー生成部22は、出力部18が出力した外的付加対象用語や内的付加対象用語をも用いて、その外的付加対象用語等を、その外的付加対象用語等に対応する請求項に対応付けて表示するクレームツリー画像を生成してもよい。ここで、クレームツリー画像とは、2以上の請求項情報に含まれる各請求項の従属関係を示す画像である。モニタに表示されたクレームツリー画像や、紙等に印刷されたクレームツリー画像を見ることによって、2以上の請求項情報に含まれる各請求項の従属関係がわかることになる。クレームツリー生成部22が生成するクレームツリー画像は、ベクターデータであってもよく、ラスターデータであってもよく、キャラクタベースの画像であってもよく、マークアップ言語で記述される画像であってもよく、データ形式は問わない。
クレームツリー生成部22は、図2で示されるように、請求項図形生成手段31と、垂直連結線生成手段32と、交点図形生成手段33と、クレームツリー画像記憶手段34とを備える。なお、以下の説明において、垂直方向、水平方向、上下方向等は、クレームツリー画像が表示された場合における垂直方向、水平方向、上下方向等の意味である。
請求項図形生成手段31は、クレームツリー画像における請求項図形を生成する。請求項図形とは、2以上の請求項情報における各請求項に対応する図形である。すなわち、一の請求項図形が一の請求項情報に対応することになる。請求項図形は、各請求項を識別することができる情報、例えば、請求項の番号等を示す図形であることが好ましい。この請求項図形は、ベクターデータで構成されるものであってもよく、ラスターデータで構成されるものであってもよく、キャラクターコードによって構成されるものであってもよい。また、請求項図形生成手段31は、出力部18によって記憶部19に蓄積された付加形式情報を用いて、各請求項の付加形式に応じた色の請求項図形を生成する。また、請求項図形生成手段31は、出力部18によって記憶部19に蓄積された外的付加対象用語や内的付加対象用語が存在する場合には、その外的付加対象用語等を含む請求項図形を生成する。請求項図形生成手段31は、請求項図形を、一の請求項図形が、その請求項図形に対応する請求項の番号よりも1つ前の番号の請求項に対応する請求項図形と同じ高さ、または、下方となるように生成する。したがって、クレームツリー画像では、請求項の番号の昇順に、上から下に向かって請求項図形が表示されることになる。なお、請求項図形を生成するとは、クレームツリー画像における請求項図形の位置が最終的に特定される処理であればよく、その過程は問わない。したがって、請求項図形を生成するとは、例えば、請求項図形自体を生成する処理を含んでもよく、あるいは、図示しない記録媒体で記憶されている請求項図形の位置を決定する処理を含んでもよい。また、本実施の形態では、請求項図形生成手段31は、請求項図形が、対応する請求項の番号よりも1つ前の番号の請求項に対応する請求項図形よりも下方となるように請求項図形を生成する場合について説明する。
垂直連結線生成手段32は、親子関係情報によって被従属項(親請求項)であることが示される請求項に対応する請求項図形の右側に垂直連結線を生成する。垂直連結線とは、親子関係情報によって被従属項であることが示される請求項に対応する請求項図形から下方に延びる線である。垂直連結線は、少なくとも垂直方向の延びる線(斜めになっていてもよい)を含むのであれば、その一部に垂直方向に延びない線、すなわち水平方向の線を含んでもよい。この垂直連結線は、ベクターデータで構成されるものであってもよく、ラスターデータで構成されるものであってもよく、キャラクターコードによって構成されるものであってもよい。なお、垂直連結線を生成するとは、クレームツリー画像における垂直連結線の位置が最終的に特定される処理であればよく、その過程は問わない。したがって、垂直連結線を生成するとは、例えば、垂直連結線自体を生成する処理を含んでもよく、あるいは、図示しない記録媒体で記憶されている垂直連結線の位置を決定する処理であってもよい。
交点図形生成手段33は、親子関係情報によって従属項(子請求項)であることが示される請求項に対応する請求項図形から左側に水平連結線を生成する。ここで、水平連結線とは、親子関係情報によって従属項であることが示される請求項の従属する被従属項に対応する請求項図形から延びる垂直連結線に対して延びる線である。この水平連結線は、ベクターデータで構成されるものであってもよく、ラスターデータで構成されるものであってもよく、キャラクターコードによって構成されるものであってもよい。交点図形生成手段33は、水平連結線を生成すると共に、被従属項から延びる垂直連結線と、従属項から延びる水平連結線とが交わる位置に交点図形を生成する。ここで、交点図形とは、交点であることを示す図形である。この交点図形が存在することによって、請求項の従属関係が明確になる。すなわち、ある請求項から延びる水平連結線と、別の請求項から延びる垂直連結線とが交わっていたとしても、その交わる位置に交点図形が存在しない場合には、その2つの請求項は従属関係にないことがわかる。この交点図形は、ベクターデータで構成されるものであってもよく、ラスターデータで構成されるものであってもよく、キャラクターコードによって構成されるものであってもよい。なお、水平連結線を生成するとは、クレームツリー画像における水平連結線の位置が最終的に特定される処理であればよく、その過程は問わない。したがって、水平連結線を生成するとは、例えば、水平連結線自体を生成する処理を含んでもよく、あるいは、図示しない記録媒体で記憶されている水平連結線の位置を決定する処理であってもよい。また、交点図形を生成するとは、クレームツリー画像における交点図形の位置が最終的に特定される処理であればよく、その過程は問わない。したがって、交点図形を生成するとは、例えば、交点図形自体を生成する処理を含んでもよく、あるいは、図示しない記録媒体で記憶されている交点図形の位置を決定する処理であってもよい。交点図形は、例えば、塗りつぶされた円形の図形であってもよく、塗りつぶされた四角形の図形であってもよく、塗りつぶされた三角形の図形であってもよく、その他の図形であってもよい。
クレームツリー画像記憶手段34では、クレームツリー画像が記憶される。このクレームツリー画像は、請求項図形生成手段31、垂直連結線生成手段32、交点図形生成手段33によって生成されたものである。クレームツリー画像記憶手段34での記憶は、RAM等における一時的な記憶でもよく、あるいは、長期的な記憶でもよい。クレームツリー画像記憶手段34は、所定の記録媒体(例えば、半導体メモリや磁気ディスク、光ディスクなど)によって実現されうる。
なお、本実施の形態では、クレームツリー生成部22が図2で示される構成を有する場合について説明するが、クレームツリー生成部22は、その他の構成を有しており、本実施の形態で説明する以外の方法によってクレームツリーを生成するものであってもよいことは言うまでもない。
クレームツリー出力部23は、クレームツリー生成部22が生成したクレームツリー画像を出力する。ここで、この出力は、例えば、表示デバイス(例えば、CRTや液晶ディスプレイなど)への表示でもよく、所定の機器への通信回線を介した送信でもよく、プリンタによる印刷でもよく、記録媒体への蓄積でもよく、他の構成要素への引き渡しでもよい。なお、クレームツリー出力部23は、出力を行うデバイス(例えば、表示デバイスやプリンタなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、クレームツリー出力部23は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは、それらのデバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
なお、請求項情報記憶部11と、手がかり句記憶部12と、判断情報記憶部14と、記憶部19と、親子関係情報記憶部21と、クレームツリー画像記憶手段34との任意の2以上の記憶部や記憶手段は、同一の記録媒体によって実現されてもよく、あるいは、別々の記録媒体によって実現されてもよい。前者の場合には、例えば、請求項情報を記憶している領域が請求項情報記憶部11となり、判断情報を記憶している領域が判断情報記憶部14となる。
次に、本実施の形態による情報処理装置1の動作について、フローチャートを用いて説明する。図3は、情報処理装置1の全体動作を示すフローチャートである。
(ステップS101)情報処理装置1は、クレームツリー画像を生成するかどうか判断する。情報処理装置1は、例えば、所定のイベント(例えば、クレームツリー画像を生成する旨の指示を受け付けたことなど)をトリガーとしてクレームツリー画像を生成すると判断してもよく、その他のタイミングでクレームツリー画像を生成すると判断してもよい。そして、クレームツリー画像を生成する場合には、ステップS102に進み、そうでない場合には、クレームツリー画像を生成すると判断するまでステップS101の処理を繰り返す。なお、この判断は、情報処理装置1のいずれかの構成要素(例えば、付加形式判断部15やクレームツリー生成部22等)が行ってもよく、情報処理装置1の有する図示しない制御部等が行ってもよい。
(ステップS102)親子関係情報取得部20は、2以上の請求項情報を用いて親子関係情報を取得し、その親子関係情報を親子関係情報記憶部21に蓄積する。なお、親子関係情報を取得し、蓄積する処理の詳細については、図4のフローチャートを用いて後述する。
(ステップS103)付加形式判断部15は、請求項情報記憶部11で記憶されている各請求項情報について、付加形式を判断する。また、外的付加対象用語取得部16や、内的付加対象用語取得部17は、付加形式に応じて適宜、外的付加対象用語等を取得する。そして、出力部18は、付加形式情報や、外的付加対象用語等を記憶部19に蓄積する。この処理の詳細については、図5のフローチャートを用いて後述する。
(ステップS104)クレームツリー生成部22は、親子関係情報記憶部21で記憶されている親子関係情報と、記憶部19で記憶されている付加形式情報及び外的付加対象用語等とを用いて、クレームツリー画像を生成し、クレームツリー出力部23は、クレームツリー画像を出力する。そして、ステップS101に戻る。なお、この処理の詳細については、図6を用いて後述する。
なお、図3のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
図4は、図3のフローチャートにおける親子関係情報を取得する処理(ステップS102)の詳細を示すフローチャートである。
(ステップS201)親子関係情報取得部20は、カウンタiを1に設定する。
(ステップS202)親子関係情報取得部20は、請求項情報記憶部11が記憶している2以上の請求項情報から、請求項iのデータを読み出す。
(ステップS203)親子関係情報取得部20は、請求項iが従属項であるかどうか判断する。親子関係情報取得部20は、手がかり句記憶部12で記憶されている従属請求項手がかり句が請求項iに含まれる場合、すなわち、請求項iに他の請求項を引用する記載が存在する場合に、請求項iが従属項であると判断する。そして、従属項である場合には、ステップS204に進み、そうでない場合には、ステップS207に進む。
(ステップS204)親子関係情報取得部20は、請求項iの被従属項、すなわち、請求項iが引用している親請求項を特定する。
(ステップS205)親子関係情報取得部20は、請求項iと、その請求項iの被従属項との従属関係に関する親子関係情報を生成する。この親子関係情報は、例えば、請求項iの請求項番号「i」を子請求項番号として、請求項iの被従属項の請求項番号を親請求項番号として、両者を対応付ける情報であってもよい。
(ステップS206)親子関係情報取得部20は、ステップS205で生成した親子関係情報を親子関係情報記憶部21に蓄積する。親子関係情報記憶部21ですでに親子関係情報が蓄積されている場合には、ステップS205で生成された親子関係情報が追記されることになる。
(ステップS207)親子関係情報取得部20は、カウンタiを1だけインクリメントする。
(ステップS208)親子関係情報取得部20は、請求項情報記憶部11が記憶している2以上の請求項情報において、請求項iが存在するかどうか判断する。そして、存在する場合には、ステップS202に戻り、存在しない場合には、親子関係情報を取得する一連の処理は終了となり、図3のフローチャートに戻る。
なお、図4のフローチャートでは、請求項1から順番に処理を進める場合について記載しているが、請求項1が従属項であることはあり得ないため、請求項2から処理を進めるようにしてもよい。
図5は、図3のフローチャートにおける付加形式の判断の処理(ステップS103)の詳細を示すフローチャートである。
(ステップS301)付加形式判断部15は、カウンタiを1に設定する。
(ステップS302)付加形式判断部15は、請求項情報記憶部11が記憶している2以上の請求項情報から、請求項iのデータを読み出す。
(ステップS303)従属関係判断部13は、手がかり句記憶部12で記憶されている従属請求項手がかり句を用いて、請求項iが従属請求項であるか、独立請求項であるか判断する。具体的には、いずれかの従属請求項手がかり句が請求項iに含まれる場合には、請求項iは従属請求項であると判断され、そうでない場合には、請求項iは独立請求項であると判断されることになる。この判断結果は、図示しない記録媒体で一時的に記憶してもよい。そして、従属請求項であると判断された場合には、ステップS304に進み、そうでない場合、すなわち、独立請求項であると判断された場合には、ステップS314に進む。
(ステップS304)付加形式判断部15は、読み出した請求項iのデータが、判断情報記憶部14で記憶されているいずれかの外的付加手がかり句を含むかどうか判断する。そして、請求項iのデータが、いずれかの外的付加手がかり句を含む場合には、ステップS309に進み、そうでない場合には、ステップS305に進む。
(ステップS305)付加形式判断部15は、読み出した請求項iのデータが、判断情報記憶部14で記憶されているいずれかの内的付加手がかり句を含むかどうか判断する。そして、請求項iのデータが、いずれかの内的付加手がかり句を含む場合には、ステップS306に進み、そうでない場合には、ステップS312に進む。
(ステップS306)付加形式判断部15は、請求項iが内的付加であると判断する。付加形式判断部15は、その判断結果を示す付加形式情報を、例えば、その請求項番号「i」に対応付けて図示しない記録媒体で一時的に記憶してもよい。
(ステップS307)内的付加対象用語取得部17は、請求項iのデータから内的付加対象用語を取得する。内的付加対象用語取得部17は、その取得した内的付加対象用語を、図示しない記録媒体で一時的に記憶してもよい。
(ステップS308)出力部18は、請求項iに対応する付加形式情報と、内的付加対象用語とを記憶部19に蓄積する。その蓄積の際に、請求項番号「i」に対応付けて蓄積することが好適である。
(ステップS309)付加形式判断部15は、請求項iが外的付加であると判断する。付加形式判断部15は、その判断結果を示す付加形式情報を、例えば、その請求項番号「i」に対応付けて図示しない記録媒体で一時的に記憶してもよい。
(ステップS310)外的付加対象用語取得部16は、請求項iのデータから外的付加対象用語を取得する。外的付加対象用語取得部16は、その取得した外的付加対象用語を、図示しない記録媒体で一時的に記憶してもよい。
(ステップS311)出力部18は、請求項iに対応する付加形式情報と、外的付加対象用語とを記憶部19に蓄積する。その蓄積の際に、請求項番号「i」に対応付けて蓄積することが好適である。
(ステップS312)付加形式判断部15は、請求項iがその他の形式であると判断する。なお、「その他の形式」を、内的付加に設定してもよく(この場合には、付加形式判断部15は、請求項iを内的付加と判断する)、外的付加に設定してもよく(この場合には、付加形式判断部15は、請求項iを外的付加と判断する)、あるいは、内的付加とも異なり、外的付加とも異なる形式と判断してもよい。付加形式判断部15は、その判断結果を示す付加形式情報を、例えば、その請求項番号「i」に対応付けて図示しない記録媒体で一時的に記憶してもよい。
(ステップS313)出力部18は、その取得した付加形式情報を記憶部19に蓄積する。その蓄積の際に、請求項番号「i」に対応付けて蓄積することが好適である。
(ステップS314)付加形式判断部15は、カウンタiを1だけインクリメントとする。
(ステップS315)付加形式判断部15は、請求項情報記憶部11が記憶している2以上の請求項情報において、請求項iが存在するかどうか判断する。そして、存在する場合には、ステップS302に戻り、存在しない場合には、付加形式を判断する一連の処理は終了となり、図3のフローチャートに戻る。
図6は、図3のフローチャートにおけるクレームツリー画像を生成する処理(ステップS104)の詳細を示すフローチャートである。
(ステップS401)請求項図形生成手段31は、カウンタiを1に設定する。
(ステップS402)請求項図形生成手段31は、請求項iに関係する親子関係情報を親子関係情報記憶部21から読み出す。ここで、請求項iに関係する親子関係情報とは、請求項iが被従属項(親請求項)、あるいは、従属項(子請求項)となる従属関係を示す親子関係情報である。なお、請求項iが従属項を持たない独立項である場合には、請求項iに関係する親子関係情報は存在しないことになる。その場合には、請求項図形生成手段31は、ヌル(Null)の親子関係情報を読み出すことになる。
(ステップS403)請求項図形生成手段31は、ステップS402で読み出した親子関係情報を用いて、請求項iが他の請求項に従属しているかどうか判断する。具体的には、請求項図形生成手段31は、請求項iが従属項となる従属関係が親子関係情報によって示される場合に、請求項iが他の請求項に従属していると判断する。そして、請求項iが他の請求項に従属している場合には、ステップS404に進み、そうでない場合、すなわち、請求項iが独立項である場合には、ステップS406に進む。
(ステップS404)請求項図形生成手段31は、請求項(i−1)に対応する請求項図形よりも下側であって、請求項iが従属する被従属項から延びる垂直連結線よりも右側に、請求項iに対応する請求項図形を生成する。なお、請求項図形を生成するとは、クレームツリー画像で表示される請求項図形の画像と、その請求項図形の画像が表示される位置とを特定して、その請求項図形を含むクレームツリー画像を生成することである。前述のように、請求項図形の画像は、図示しない記録媒体においてあらかじめ記憶されているものを用いてもよい。また、この請求項図形の生成の際に、請求項図形生成手段31は、記憶部19において記憶されている請求項iに対応する付加形式情報と、付加対象用語とを読み出し、その付加形式情報の示す付加形式に応じた請求項図形を生成すると共に、その付加対象用語に応じたテキストを請求項図形に追加するものとする。
(ステップS405)交点図形生成手段33は、請求項iに対応する請求項図形に関して、水平連結線と、交点図形とを生成する。なお、水平連結線と、交点図形とを生成する処理の詳細については、図7のフローチャートを用いて後述する。
(ステップS406)請求項図形生成手段31は、請求項(i−1)に対応する請求項図形よりも下側であって、最も左に、請求項iに対応する請求項図形を生成する。
(ステップS407)請求項図形生成手段31は、ステップS402で読み出した親子関係情報を用いて、他の請求項が請求項iに従属しているかどうか判断する。具体的には、請求項図形生成手段31は、請求項iが被従属項となる従属関係が親子関係情報によって示される場合に、他の請求項が請求項iに従属していると判断する。そして、他の請求項が請求項iに従属している場合には、ステップS408に進み、そうでない場合には、ステップS409に進む。
(ステップS408)垂直連結線生成手段32は、請求項iに対応する請求項図形の右側に、その請求項図形から下方に延びるように垂直連結線を生成する。この垂直連結線の終点、すなわち、請求項図形と反対側の端点は、例えば、クレームツリー画像の最も下の位置であってもよく、請求項iの従属項に応じた位置であってもよい。なお、垂直連結線を生成するとは、クレームツリー画像で表示される垂直連結線の画像と、その垂直連結線の画像が表示される位置とを特定して、その垂直連結線を含むクレームツリー画像を生成することである。垂直連結線の太さ等があらかじめ決められている場合には、表示する位置を決定するだけであってもよい。
(ステップS409)請求項図形生成手段31は、カウンタiを1だけインクリメントする。
(ステップS410)請求項図形生成手段31は、請求項情報記憶部11が記憶している2以上の請求項情報において、請求項iが存在するかどうか判断する。そして、存在する場合には、ステップS402に戻り、存在しない場合には、ステップS411に進む。
(ステップS411)クレームツリー出力部23は、生成されたクレームツリー画像、すなわち、クレームツリー画像記憶手段34で記憶されているクレームツリー画像を読み出して出力する。そして、クレームツリー画像を生成し、出力する一連の処理は終了となり、図3のフローチャートに戻る。
なお、図6のフローチャートでは、請求項図形生成手段31がカウンタiの管理と、親子関係情報を用いた判断とを行う場合について説明したが、それらの処理を他の構成要素が行ってもよく、それらの処理を2以上の構成要素で分散処理してもよく、あるいは、それらの処理を行う専用の図示しない制御手段を備えてもよい。
また、図6のフローチャートでは、ステップS406において、請求項図形生成手段31が、独立項に対応する請求項図形が最も左になるようにクレームツリー画像を生成すると説明したが、そうでなくてもよい。請求項図形生成手段31は、例えば、請求項の番号があがるにつれて、対応する請求項図形が右側となるようにクレームツリー画像を生成してもよい。
また、図6のフローチャートでは、ステップS408において、ある請求項図形に対応する垂直連結線を1回の処理で生成する場合について説明したが、水平連結線を生成する際に、垂直連結線が短くて両者が交わらない場合には、その垂直連結線を延ばす処理を行うようにしてもよい。
図7は、図6のフローチャートにおける水平連結線と交点図形を生成する処理(ステップS405)の詳細を示すフローチャートである。
(ステップS501)交点図形生成手段33は、カウンタjを1に設定する。
(ステップS502)交点図形生成手段33は、請求項iが従属している請求項である被従属項のうち、j番目の被従属項に対応する請求項図形から延びている垂直連結線まで、請求項iに対応する請求項図形から水平連結線が延びているかどうか判断する。そして、延びている場合には、ステップS504に進み、延びていない場合には、ステップS503に進む。この判断は、例えば、請求項iに対応する請求項図形からすでに水平連結線が延びている場合には、その垂直連結線の両端点の座標と、その水平連結線の両端点の座標とを取得し、両者の連結線に交点が存在するかどうかによって判断してもよい。交点が存在する場合には、この判断結果は「Yes」となる。なお、請求項iに対応する請求項図形から水平連結線が延びていない場合には、当然、この判断結果は「No」となる。
(ステップS503)交点図形生成手段33は、請求項iに対応する請求項図形から、j番目の被従属項に対応する請求項図形から延びる垂直連結線まで、水平連結線を生成する。なお、水平連結線を生成するとは、クレームツリー画像で表示される水平連結線の画像と、その水平連結線の画像が表示される位置とを特定して、その水平連結線を含むクレームツリー画像を生成することである。水平連結線の太さ等があらかじめ決められている場合には、表示する位置を決定するだけであってもよい。
(ステップS504)交点図形生成手段33は、請求項iに対応する請求項図形から延びる水平連結線と、j番目の被従属項に対応する請求項図形から延びる垂直連結線との交点に、交点図形を生成する。なお、交点図形を生成するとは、クレームツリー画像で表示される交点図形の画像と、その交点図形の画像が表示される位置とを特定して、その交点図形を含むクレームツリー画像を生成することである。前述のように、交点図形の画像は、図示しない記録媒体においてあらかじめ記憶されているものを用いてもよい。
(ステップS505)交点図形生成手段33は、カウンタjを1だけインクリメントとする。
(ステップS506)交点図形生成手段33は、j番目の被従属項が存在するかどうか判断する。そして、存在する場合には、ステップS502に戻り、存在しない場合には、水平連結線と交点図形を生成する一連の処理は終了となり、図6のフローチャートに戻る。
次に、本実施の形態による情報処理装置1の動作について、具体例を用いて説明する。この具体例では、情報処理装置1は、PC(Personal Computer)であり、クレームツリー出力部23は、そのPCに接続されている図示しないディスプレイにクレームツリー画像を表示するものとする。
図8は、この具体例において、請求項情報記憶部11が記憶している2以上の請求項情報を示す図である。図8で示されるように、2以上の請求項情報によって、5個の請求項のテキストが示されている。各請求項情報は、[請求項1]等のタグから、句点「。」までのテキスト情報である。
なお、手がかり句記憶部12で記憶されている従属請求項手がかり句は、前述のように、(請求項(\d+|から|〜|‐|―|−|\-|乃至|ないし|または|又は|,|、|および|及び|請求項)*\d+)|(第\d+項)であるとする。
また、判断情報記憶部14で記憶されている外的付加手がかり句は、前述の(1−2)のものであるとする。すなわち、外的付加手がかり句は、付加副詞と所有動詞とを含んでいる。付加副詞は、「さらに」「更に」を含むものとする。また、所有動詞は、「備える」「有する」「含む」「含有する」「具備する」「具する」「からなる」が含まれており、前述の(B)で示されるように、形態素解析を行うことによって取得された基本形と、これらの所有動詞との一致・不一致が判断されるものとする。
また、判断情報記憶部14で記憶されている内的付加手がかり句は、前述の(2−1)のものであるとする。すなわち、指示用語と1以上の名詞の連続と主体助詞とを含んでいる。指示用語は、「前記」「上記」「その」「それらの」であるとする。また、主体助詞は、「は」「が」「も」であるとする。
また、外的付加対象用語取得部16は、区切り手がかり句「と」「と、」「と,」を用いて前述のようにして外的付加対象用語を取得するものとする。それらの区切り手がかり句は、外的付加対象用語取得部16が有する図示しない記録媒体において記憶されていてもよい。また、内的付加対象用語取得部17は、前述のように、1以上の名詞の連続に対応する用語である内的付加対象用語を取得するものとする。
ユーザが情報処理装置1を操作して、クレームツリー画像の生成を開始する旨の指示を入力したとする。すると、その指示が受け付けられ、情報処理装置1は、クレームツリー画像を生成するタイミングであると判断する(ステップS101)。そして、親子関係情報取得部20は、親子関係情報を取得して蓄積する処理を実行する(ステップS102)。
その親子関係情報を取得して蓄積する処理について、具体的に説明する。まず、親子関係情報取得部20は、請求項情報記憶部11から請求項1のデータを読み出す(ステップS201,S202)。ここで、親子関係情報取得部20は、[請求項1]の次のテキストから、[請求項2]の手前のテキストまでを、請求項1のデータとして読み出す。
次に、親子関係情報取得部20は、請求項1が従属項であるかどうか判断する(ステップS203)。読み出された請求項1のデータには、手がかり句記憶部12で記憶されている従属請求項手がかり句に対応する記載が存在しないため、親子関係情報取得部20は、請求項1は、従属項ではなく独立項であると判断し、請求項2に関する処理に進む(ステップS207,S208)。
親子関係情報取得部20は、上記説明と同様にして、図8の2以上の請求項情報から請求項2のデータを読み出し(ステップS202)、請求項2が従属項であるかどうか判断する(ステップS203)。読み出された請求項2のデータには、従属請求項手がかり句に該当する記載、すなわち、「請求項1」の記載が存在するため、親子関係情報取得部20は、請求項2は、従属項であると判断する。そして、親子関係情報取得部20は、その「請求項1」の請求項番号「1」を取得して図示しない記録媒体で一時記憶させることによって、被請求項を特定する(ステップS204)。その後、親子関係情報取得部20は、一時記憶された請求項の番号「1」を親請求項番号として、現在注目している「請求項2」の番号「2」(すなわち、その時点のカウンタiの値)を子請求項番号とする親子関係情報を生成し(ステップS205)、親子関係情報記憶部21に蓄積する(ステップS206)。図9で示される親子関係情報の1番目のレコードが、そのようにして蓄積されたものである。次に、親子関係情報取得部20は、請求項3に関する処理に進む(ステップS207,S208)。このように、親子関係情報を取得し、蓄積する処理が繰り返されることによって、親子関係情報は最終的に図9で示されるようになる。
次に、各請求項情報について付加形式を判断する処理(ステップS103)について説明する。まず、付加形式判断部15は、請求項1のデータを読み出す(ステップS301,S302)。これは、前述の親子関係情報取得部20と同様の処理によって行うことができる。また、付加形式判断部15は、従属関係判断部13に、請求項1の従属関係について判断するように指示を出す。その指示に応じて、従属関係判断部13は、請求項情報記憶部11から請求項1のデータを読み出すと共に、手がかり句記憶部12で記憶されている従属請求項手がかり句を読み出し、その従属請求項手がかり句にマッチする記述が請求項1のデータに存在するかどうか判断する。この場合には、存在しないため、従属関係判断部13は、請求項1が独立請求項であると判断し、その判断結果を付加形式判断部15に渡す(ステップS303)。すると、付加形式判断部15は、請求項1については、付加形式の判断を行わず、次の請求項2のデータを読み出す(ステップS314,S315,S302)。この場合も、前述の説明と同様にして、従属関係判断部13は、請求項2の従属関係について判断する。この場合には、請求項2の請求項情報に「請求項1」の記載が存在し、従属請求項手がかり句がマッチする記述が存在するため、従属関係判断部13は、請求項2が従属請求項であると判断し、その判断結果を付加形式判断部15に渡す(ステップS303)。すると、付加形式判断部15は、請求項2の請求項情報について形態素解析を行うことによって、請求項2の請求項情報を形態素ごとに分割すると共に、その各形態素の品詞を取得し、その各形態素のうち、活用を行うものについては基本形をさらに取得する。そして、付加形式判断部15は、判断情報記憶部14から外的付加手がかり句を読み出し、形態素解析の結果を用いて、その外的付加手がかり句にマッチする記述が請求項2のデータに存在するかどうか判断する。この場合には、付加副詞「さらに」と、基本形が所有動詞「備える」と一致する記述「備えた」とが請求項2に存在するため、付加形式判断部15は、請求項2が外的付加であると判断し、その旨を出力部18に渡す(ステップS304,S309)。また、外的付加対象用語取得部16は、基本形が所有動詞と一致する記述「備えた」の直前の名詞の連続「オーディオシステム」を外的付加対象用語として取得し、出力部18に渡す(ステップS310)。なお、この場合には、区切り手がかり句にマッチする記述がないため、区切り手がかり句を用いた外的付加対象用語の取得は行われない。出力部18は、注目している請求項情報の請求項番号、すなわち、その時点のカウンタiの値「2」に対応付けて、付加形式情報「外的付加」と、付加対象用語「オーディオシステム」とを記憶部19に蓄積する(ステップS311)。図10の1番目のレコードは、そのようにして蓄積された付加形式情報等を示すものである。図10のテーブルにおいて、請求項番号と、その請求項番号に対応する請求項情報の付加形式情報と、その請求項番号に対応する請求項情報の付加対象用語(外的付加対象用語または内的付加対象用語)とが対応付けられている。
その後、付加形式判断部15は、次の請求項3のデータを読み出す(ステップS314,S315,S302)。この場合も、従属関係判断部13は、請求項3が従属請求項であると判断する(ステップS303)。また、付加形式判断部15は、請求項3が外的付加であると判断し(ステップS304,S309)、外的付加対象用語取得部16は、外的付加対象用語「アンテナ」を取得する(ステップS310)。そして、出力部18は、それらの情報を記憶部19に蓄積する(ステップS311)。そのようにして、図10の2番目のレコードが蓄積されることになる。
その後、付加形式判断部15は、次の請求項4のデータを読み出す(ステップS314,S315,S302)。この場合も、従属関係判断部13は、請求項4が従属請求項であると判断する(ステップS303)。また、付加形式判断部15は、請求項4の請求項情報について形態素解析を行うことによって、請求項4の請求項情報を形態素ごとに分割すると共に、その各形態素の品詞を取得し、その各形態素のうち、活用を行うものについては基本形をさらに取得する。そして、付加形式判断部15は、判断情報記憶部14から外的付加手がかり句を読み出し、形態素解析の結果を用いて、その外的付加手がかり句にマッチする記述が請求項4のデータに存在するかどうか判断する。この場合には、その外的付加手がかり句にマッチする記述が存在しないため(ステップS304)、付加形式判断部15は、判断情報記憶部14から内的付加手がかり句を読み出し、その形態素解析の結果を用いて、その内的付加手がかり句にマッチする記述が請求項4のデータに存在するかどうか判断する。この場合には、指示用語「前記」、名詞の連続「エンジン」、主体助詞「は」がその順番で連続して存在するため、付加形式判断部15は、請求項4が内的付加であると判断し、その旨を出力部18に渡す(ステップS305,S306)。また、内的付加対象用語取得部17は、指示用語「前記」と、主体助詞「は」とで挟まれる名詞の連続「エンジン」を内的付加対象用語として取得し、出力部18に渡す(ステップS307)。出力部18は、その時点の請求項番号「4」に対応付けて、付加形式情報「内的付加」と、付加対象用語「エンジン」とを記憶部19に蓄積する(ステップS308)。図10の3番目のレコードは、そのようにして蓄積された付加形式情報等を示すものである。
その後、付加形式判断部15は、次の請求項5のデータを読み出す(ステップS314,S315,S302)。この場合も、従属関係判断部13は、請求項5が従属請求項であると判断する(ステップS303)。また、付加形式判断部15は、請求項5の請求項情報について形態素解析を行うことによって、請求項5を形態素ごとに分割すると共に、その各形態素の品詞を取得し、その各形態素のうち、活用を行うものについては基本形をさらに取得する。そして、付加形式判断部15は、判断情報記憶部14から外的付加手がかり句を読み出し、形態素解析の結果を用いて、その外的付加手がかり句にマッチする記述が請求項5に存在するかどうか判断する。この場合には、その外的付加手がかり句にマッチする記述が存在しない(ステップS304)。そのため、付加形式判断部15は、判断情報記憶部14から内的付加手がかり句を読み出し、形態素解析の結果を用いて、その内的付加手がかり句にマッチする記述が請求項5に存在するかどうか判断する。この場合には、その内的付加手がかり句にマッチする記述も存在しない(ステップS305)。したがって、付加形式判断部15は、請求項5が「その他」の付加形式であると判断し、その旨を出力部18に渡す(ステップS312)。なお、この場合には、付加形式が分からないため、付加対象用語の取得の処理は行われない。そして、出力部18は、その時点の請求項番号「5」に対応付けて付加形式情報「その他」を記憶部19に蓄積する(ステップS313)。図10の4番目のレコードは、そのようにして蓄積された付加形式情報等を示すものである。このようにして、記憶部19で記憶されているテーブルは最終的に図10で示されるようになる。
次に、クレームツリーを生成し、出力する処理(ステップS104)について説明する。この処理において、クレームツリー生成部22は、図示しない記録媒体において、図11で示される付加形式と、表示属性とを対応付ける情報を保持しているものとする。この図11の情報において、付加形式に応じた表示属性としての色を知ることができる。クレームツリー生成部22は、付加形式判断部15によって判断された付加形式に応じた色で表示される請求項図形を生成するものとする。
まず、請求項図形生成手段31は、請求項1に関係する親子関係情報を、親子関係情報記憶部21で保持されている図9で示される親子関係情報から読み出す(ステップS401,S402)。図9では、親請求項番号または子請求項番号に請求項1が含まれるレコードは、1番目、3番目、5番目のレコードであるため、請求項図形生成手段31は、それらのレコードを読み出す。
次に、請求項図形生成手段31は、請求項1が他の請求項に従属しているかどうか判断する(ステップS403)。この判断は、読み出された親子関係情報の子請求項番号に請求項1が含まれるかどうかによって判断すればよい。この場合には、請求項1は、読み出された親子関係情報の子請求項番号に含まれないため、請求項図形生成手段31は、請求項1が独立項であると判断し、クレームツリー画像の最も左となるように、請求項1に対応する請求項図形を生成する(ステップS406)。
ここで、請求項図形の生成について説明する。請求項1に対応する請求項図形は、図12のクレームツリー画像で示されるように、「請求項1」と記載され、四角い枠で囲われた図形である。請求項図形生成手段31は、この請求項図形を生成し、その請求項図形が表示される位置を決定する。
なお、クレームツリー画像における位置は、クレームツリー画像の左上を原点として、右向きにx軸が設定され、下向きにy軸が設定されており、座標(x、y)によって特定されるものとする。また、請求項図形の位置は、請求項図形の右側の辺の中央の位置で代表されるものとする。また、独立項に対応する請求項図形のx軸の値は、「45」であるとする。また、左からN番目に表示される請求項図形のx軸の値は、「45×N」であるとする。また、請求項Nに対応する請求項図形のy軸の値は、「14×N+11」であるとする。また、請求項図形のx軸方向の長さは、「35」であり、y軸方向の長さは「14」であるとする。
すると、請求項図形生成手段31は、請求項1に対応する請求項図形を生成し、その請求項図形を、その請求項図形の座標を示す情報である位置情報(45,25)に対応付けてクレームツリー画像記憶手段34に蓄積する。図13の1番目のレコードがそのようにして生成されたクレームツリー画像のデータである。図13において、図形情報と、位置情報とが対応付けられている。例えば、クレームツリー画像の1番目のレコードでは、請求項1に対応する請求項図形「Claim1.gif」と、その図形のクレームツリー画像における位置とが対応付けられている。その結果、図13の1番目のレコードに対応するクレームツリー画像が表示された場合には、図12で示されるように請求項図形101が表示されることになる。
次に、請求項図形生成手段31は、他の請求項が請求項1に従属しているかどうか判断する(ステップS407)。この判断は、ステップS402で読み出された親子関係情報の親請求項番号に請求項1が含まれるかどうかによって判断すればよい。この場合には、請求項1は、読み出された親子関係情報の親請求項番号に含まれるため、請求項図形生成手段31は、他の請求項が請求項1に従属すると判断し、請求項1に従属する請求項のうち、請求項の最も大きい番号を取得する。ここでは、前述のように、図9の1番目、3番目、5番目のレコードが読み出されているため、請求項1に従属する請求項の最も大きい番号は、「5」となる。
ここで、垂直連結線生成手段32は、請求項iに従属する請求項の最も大きい番号が「N」である場合に、請求項iに対応する請求項図形の右側からx軸方向に「5」だけ垂直連結線を延ばし、そこからy軸の値が「14×N+11」となるまでy軸方向に垂直連結線を延ばすものとする。
この場合には、垂直連結線生成手段32は、請求項1に従属する請求項の最も大きい番号「5」を請求項図形生成手段31から受け取り、請求項1に対応する請求項図形の右側の(x、y)=(45,25)から、(x、y)=(50,25)まで延び、さらに、(x、y)=(50,25)から、(x、y)=(50,81)まで延びる垂直連結線を生成する。具体的には、垂直連結線生成手段32は、図13の2番目のレコードをクレームツリー画像記憶手段34に蓄積することによって、請求項1に対応する垂直連結線を生成する(ステップS408)。図13の2番目のレコードにおいて、図形情報「Line」は、対応する図形が線であることを示している。また、対応する位置情報によって、垂直連結線の端点と、経由点とのそれぞれの位置が示されている。図13の1番目、2番目のレコードに対応するクレームツリー画像が表示された場合には、図12で示されるように請求項図形101、垂直連結線201が表示されることになる。
次に、請求項図形生成手段31は、請求項2に関係する親子関係情報を、図9で示される親子関係情報から読み出す(ステップS409,S410,S402)。図9では、親請求項番号または子請求項番号に請求項2が含まれるレコードは、1番目、2番目、6番目のレコードであるため、請求項図形生成手段31は、それらのレコードを読み出す。
次に、請求項図形生成手段31は、読み出された親子関係情報の子請求項番号に請求項2が含まれるため、請求項2が他の請求項に従属していると判断する(ステップS403)。そして、請求項2が従属している請求項1の垂直連結線の右側、すなわち、左から2番目の位置に、請求項図形生成手段31は、請求項2に対応する請求項図形を生成する。その際に、請求項図形生成手段31は、記憶部19で記憶されている図10のテーブルを参照し、請求項番号2に対応する付加形式情報「外的付加」と、付加対象用語「オーディオシステム」とを読み出す。また、請求項図形生成手段31は、図11の情報を参照し、その読み出した付加形式情報「外的付加」に対応する表示属性「赤」を取得する。そして、請求項図形生成手段31は、請求項2に対応する請求項図形の色を「赤」にすると共に、その請求項図形に付加対象用語「オーディオシステム」を含める。具体的には、請求項図形生成手段31は、赤で表示され、付加対象用語「オーディオシステム」を有する請求項2に対応する請求項図形「Claim2.gif」を生成し、その請求項図形を位置情報(90,39)に対応付けてクレームツリー画像記憶手段34に蓄積する(ステップS404)。図13の3番目のレコードは、そのようにして生成されたクレームツリー画像のデータである。
次に、交点図形生成手段33は、請求項2に対応する請求項図形102から延びる水平連結線と、交点図形とを生成する(ステップS405)。具体的には、交点図形生成手段33は、請求項図形生成手段31から、請求項2が子請求項番号に含まれる親子関係情報、すなわち、図9の1番目のレコードを受け取る。そして、請求項2の被従属項である請求項1に対応する請求項図形101から延びている垂直連結線201まで、請求項2に対応する請求項図形102から水平連結線が延びているかどうか判断する(ステップS401,S402)。この場合には、請求項2に対応する請求項図形102から、水平連結線が延びていないため、交点図形生成手段33は、水平連結線が延びていないと判断し、請求項2に対応する請求項図形102から垂直連結線201まで、水平連結線を生成する(ステップS403)。具体的には、請求項図形102から垂直連結線201までの水平連結線となるように、図13の4番目のレコードをクレームツリー画像記憶手段34に蓄積する。
次に、交点図形生成手段33は、生成した水平連結線と、請求項1に対応する請求項図形101から延びている垂直連結線201との交点の位置に、交点図形を生成する(ステップS404)。具体的には、交点図形生成手段33は、塗りつぶされた円形の図形である交点図形「Node1.gif」を生成し、その交点図形を、交点の位置を示す位置情報(50,39)に対応付けてクレームツリー画像記憶手段34に蓄積する。図13の5番目のレコードが、そのようにして蓄積される。
請求項2は請求項1にしか従属しないため、水平連結線と交点図形を生成する処理は終了となり(ステップS405,S406)、垂直連結線生成手段32は、上述の説明と同様にして、垂直連結線を生成する(ステップS407,S408)。図13の6番目のレコードが、そのようにして蓄積される。
このようにして、クレームツリー画像を生成する処理が請求項5まで終了したとする。すると、クレームツリー出力部23は、クレームツリー画像記憶手段34で記憶されているクレームツリー画像を読み出し、ディスプレイに表示する(ステップS411)。図12の全体は、そのようにして表示されたクレームツリー画像である。図12において、各請求項に対応する請求項図形101〜105と、垂直連結線201〜204と、水平連結線301〜304と、交点図形401〜408とが表示されている。ユーザは、この表示を見ることによって、請求項の従属関係を視覚的に容易に把握することができる。例えば、請求項4に対応する請求項図形104から延びている水平連結線303は、請求項2に対応する請求項図形102から延びている垂直連結線202と交わっているが、その交点に交点図形が存在しないため、請求項4は、請求項2に従属していないことがわかる。また、請求項6に対応する請求項図形106は、最も左に表示されており、その請求項図形106から垂直連結線が延びていないため、請求項6は独立項であり、他の請求項が従属していないことが容易にわかる。また、ユーザは、この表示を見ることによって、請求項2と請求項3とが外的付加であり、請求項4が内的付加であり、請求項5がその他の付加形式であることが容易に分かる。なお、図12における網掛け表示は、図11の表示属性に応じた色表示を示している。また、請求項2〜4については、請求項図形において、請求項番号等を示すテキストの枠囲みの下側に、付加対象用語が表示されている。したがって、ユーザは、この表示を見ることによって、請求項2,3では、それぞれ外的付加によって「オーディオシステム」「アンテナ」が追加されており、請求項4では、内的付加によって「エンジン」に関する限定がなされていることを容易に知ることができる。
なお、この具体例での垂直連結線は一例であって、垂直連結線は、水平な部分を有しないで、請求項図形の右側からすぐに下方に向かって延びる線であってもよい。
また、この具体例において、図12のクレームツリー画像は、図13で示されるクレームツリー画像のデータに基づいた表示の概要を示すものであって、各図形の表示位置等は、正確なものではない。
また、この具体例では、クレームツリー生成部22がベクターデータのクレームツリー画像を生成する場合について説明したが、前述のように、クレームツリー生成部22は、ラスターデータのクレームツリー画像を生成してもよい。その場合には、請求項図形等の画像と、その表示位置とを特定する処理は、ラスターデータとしてのクレームツリー画像において、請求項図形等の画像を対応する表示位置に追加することになる。
また、この具体例では、ある請求項について、請求項図形、水平連結線、交点図形、垂直連結線の順番で各図形を生成する場合について説明したが、クレームツリー画像を適切に生成することができるのであれば、それらの図形を生成する順序は問わない。
また、この具体例では、外的付加対象用語や内的付加対象用語である付加対象用語が請求項図形において、請求項番号を示す矩形の下方に表示される場合について説明したが、そうでなくてもよい。例えば、請求項図形において、付加対象用語が矩形の内部に表示されてもよい。その場合に、その矩形の内部に付加対象用語が適切に表示されるように、矩形の大きさを適宜、大きくしてもよい。
また、この具体例では、クレームツリー画像において、色によって外的付加の請求項と内的付加の請求項とを視覚的に区別する場合について説明したが、前述のように、色以外の方法によって外的付加の請求項と内的付加の請求項とを視覚的に区別するようにしてもよい。例えば、請求項図形生成手段31は、外的付加と判断された請求項に対応する請求項図形として、文字列「外的付加」を一部に有する請求項図形を生成し、内的付加と判断された請求項に対応する請求項図形として、文字列「内的付加」を一部に有する請求項図形を生成してもよい。
また、この具体例において、独立請求項に対応する請求項図形においても、その独立請求項に含まれる構成要素(例えば、「ボディー」「エンジン」「タイヤ」)が請求項図形に表示されるようにしてもよい。その場合には、請求項図形生成手段31、あるいは、他の構成要素は、独立請求項から構成要素を取得する処理を行ってもよい。
以上のように、本実施の形態による情報処理装置1によれば、従属請求項の付加形式を示すクレームツリー画像を生成することができる。その結果、そのクレームツリーを見たユーザは、各請求項が外的付加であるのか、内的付加であるのか、その他の形式であるのかを容易に知ることができる。また、付加対象用語も表示されるため、外的付加された構成要素名や、説明が内的付加された構成要素名を容易に知ることができるようにもなる。
なお、本実施の形態では、外的付加であるかどうか判断し、その後に、内的付加であるかどうかを判断するようにしたため、内的付加の判断を行う際には、その判断対象となる請求項が外的付加でないことが明らかであり、前述の(2−1)のような判断を行うことができる。一方、外的付加の判断を行わずに内的付加の判断を行う場合には、内的付加の判断の精度を上げるために、付加形式判断部15は、(2−2)の判断を行うか、あるいは、判断対象の請求項情報に付加副詞が含まれていないことを確認した上で、(2−1)の判断を行うようにしてもよい。後者の場合に、判断対象の請求項情報に付加副詞が含まれているのであれば、付加形式判断部15は、その請求項情報を内的付加と判断しないものとする。
また、本実施の形態では、親子関係情報取得部20が親子関係情報を一括して取得する場合について説明したが、そうでなくてもよい。例えば、親子関係情報取得部20は、注目している請求項情報についてのみ、その請求項情報の親請求項を示す請求項番号を取得し、その請求項情報に関する親子関係情報のみを取得して親子関係情報記憶部21に蓄積してもよい。この場合には、親子関係情報記憶部21での親子関係情報の記憶は一時的なものであってもよい。
また、本実施の形態では、付加対象用語を取得する場合について説明したが、さらに、付加対象に対する説明である付加説明情報をも取得するようにしてもよい。外的付加に関する付加説明情報は、外的付加説明情報であり、内的付加に関する付加説明情報は、内的付加説明情報である。例えば、外的付加説明情報については、前述のようにして特定した外的付加対象用語よりも前の文字列であって、区切り手がかり句よりも後の文字列または文書の先頭や改行記号よりも後の文字列を取得することによって、取得することができる。この外的付加説明情報を取得する処理は、例えば、図示しない外的付加説明情報取得部によって行われてもよい。また、例えば、内的付加説明情報については、前述のようにして特定した主格助詞よりも後の文字列(主格助詞の直後に読点「、」「,」が存在する場合には、その読点の後の文字列)であって、改行記号や、次の内的付加手がかり句、あるいは、従属請求項手がかり句よりも前の文字列を取得することによって、取得することができる。この内的付加説明情報を取得する処理は、例えば、図示しない内的付加説明情報取得部によって行われてもよい。
また、本実施の形態では、内的付加対象用語を取得する場合について説明したが、内的付加対象用語の取得を行わなくてもよい。内的付加対象用語の取得を行わない場合には、情報処理装置1は、内的付加対象用語取得部17を備えていなくてもよい。
また、本実施の形態では、外的付加対象用語を取得する場合について説明したが、外的付加対象用語の取得を行わなくてもよい。外的付加対象用語の取得を行わない場合には、情報処理装置1は、外的付加対象用語取得部16を備えていなくてもよい。
また、外的付加の判断や内的付加の判断で用いられる手がかり句が本実施の形態で説明したものに限定されないことは言うまでもない。説明した以外の手がかり句を用いて、従属請求項が外的付加であるのか、内的付加であるのかを適切に判断するようにしてもよい。
また、本実施の形態では、付加形式判断部15が、外的付加、内的付加を判断する場合について説明したが、外的付加でもなく、内的付加でもない従属請求項の付加形式をさらに分類するようにしてもよい。例えば、付加形式判断部15は、従属請求項が「カテゴリー変更」の請求項であるかどうか判断してもよい。具体的には、付加形式判断部15は、判断対象となっている従属請求項のカテゴリーと、その従属請求項が従属している親請求項(被従属項)のカテゴリーとを特定する。そして、両者が同じである場合には、カテゴリー変更の請求項ではないと判断し、両者が異なる場合には、カテゴリー変更の請求項であると判断してもよい。なお、ある請求項に対応する親請求項の特定は、例えば、親子関係情報を用いることができる場合には、その親子関係情報によって知ることができる。また、親子関係情報を用いることができない場合であっても、親子関係情報取得部20が親子関係情報を取得するのと同様の方法を用いることによって、注目している請求項に対応する親請求項を特定することができる。ここで、カテゴリーは、「装置」「方法」「プログラム」の3種類であってもよく、「装置」「方法」「プログラム」「記録媒体」の4種類であってもよく、あるいは、プログラムや記録媒体は装置に含まれるとして、「装置」「方法」の2種類であってもよい。また、付加形式判断部15は、ある請求項情報が方法の請求項であるかどうかを、方法の請求項に含まれる手がかり句である方法手がかり句「方法」が、その請求項情報の後端(例えば、最後の句点の直前)に存在するかどうかによって判断してもよい。存在すれば方法の請求項となる。存在しなければ方法の請求項でないとなる。また、付加形式判断部15は、ある請求項情報がプログラムの請求項であるかどうかを、プログラムの請求項に含まれる手がかり句であるプログラム手がかり句「プログラム」「ソフトウェア」のいずれかが、その請求項情報の後端に存在するかどうかによって判断してもよい。存在すればプログラムの請求項となる。存在しなければプログラムの請求項でないとなる。また、付加形式判断部15は、ある請求項情報が記録媒体の請求項であるかどうかを、記録媒体の請求項の手がかり句である記録媒体手がかり句「記録媒体」「記憶媒体」「メディア」のいずれかが、その請求項情報の後端に存在するかどうかによって判断してもよい。存在すれば記録媒体の請求項となる。存在しなければ記録媒体の請求項でないとなる。なお、方法手がかり句やプログラム手がかり句、記録媒体手がかり句を含むカテゴリー変更の手がかり句は、判断情報記憶部14で記憶される判断情報に含まれていてもよい。また、ある請求項のカテゴリーを判断する際には、付加形式判断部15は、請求項が方法の請求項であるかどうかや、プログラムの請求項であるかどうか、記録媒体の請求項であるかどうかの判断を行う(カテゴリーに「記録媒体」が含まれないなどの場合には、必要ない判断は行わなくてもよい)。そして、そのいずれにも当てはまらない場合には、付加形式判断部15は、その請求項が装置の請求項であると判断してもよい。このように、ある注目している請求項の親請求項を特定し、その注目している請求項のカテゴリーと、その親請求項のカテゴリーとを特定し、両者が同じかどうか判断することによって、その注目している請求項がカテゴリー変更の請求項であるかどうか判断することができる。
また、本実施の形態では、クレームツリーを生成する場合について説明したが、そうでなくてもよい。クレームツリーの生成を行わない場合には、情報処理装置1は、親子関係情報取得部20、親子関係情報記憶部21、クレームツリー生成部22、クレームツリー出力部23を備えていなくてもよい。また、その場合には、出力部18は、例えば、図10のように請求項ごとに付加形式を示す情報をディスプレイ等に出力するものであってもよい。また、このように親子関係情報を取得しない場合であって、かつ、請求項の従属関係を用いた付加形式の判断を行わない場合には、請求項情報記憶部11では、1個の請求項情報のみが記憶されており、情報処理装置1は、その1個の請求項情報についての付加形式の判断を行ってもよい。その1個の請求項情報は、従属請求項であることが好適である。
なお近年、特許請求の範囲や明細書等の情報を多面的に構造化するマークアップ言語であるPML(Patent Markup Language)が開発されてきている。そのPMLにおいては、各請求項の属性や構造を示す情報を、タグを用いて記述することができる。したがって、請求項情報記憶部11において記憶されている請求項情報が、そのPMLを用いて記述されている場合には、出力部18は、外的付加と判断された請求項情報については、外的付加であることを示すタグ(例えば、<dependent−claim−structure type="internalAddtion">など)を追記することによって、付加形式情報を出力してもよい。また、出力部18は、付加対象用語も、そのPMLを用いて記述されている請求項情報に追記するようにしてもよい。具体的には、付加対象用語が「オーディオシステム」である場合には、出力部18は、その付加対象用語の取得された請求項情報について、「<target>オーディオシステム</target>」を追記することによって、付加対象用語を出力してもよい。そのようにして出力されたPMLで記述された請求項情報を用いて、例えば、クレームツリー生成部22によってクレームツリーが生成されてもよく、他の装置において、クレームツリー生成部22と同様にしてクレームツリーが生成されてもよい。
また、上記実施の形態では、情報処理装置1がスタンドアロンである場合について説明したが、情報処理装置は、スタンドアロンの装置であってもよく、サーバ・クライアントシステムにおけるサーバ装置であってもよい。後者の場合には、出力部は、通信回線を介して情報を出力してもよい。
また、上記実施の形態において、各処理または各機能は、単一の装置または単一のシステムによって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置または複数のシステムによって分散処理されることによって実現されてもよい。
また、上記実施の形態において、各構成要素が実行する処理に関係する情報、例えば、各構成要素が受け付けたり、取得したり、選択したり、生成したり、送信したり、受信したりした情報や、各構成要素が処理で用いるしきい値や数式、アドレス等の情報等は、上記説明で明記していない場合であっても、図示しない記録媒体において、一時的に、あるいは長期にわたって保持されていてもよい。また、その図示しない記録媒体への情報の蓄積を、各構成要素、あるいは、図示しない蓄積部が行ってもよい。また、その図示しない記録媒体からの情報の読み出しを、各構成要素、あるいは、図示しない読み出し部が行ってもよい。
また、上記実施の形態において、各構成要素等で用いられる情報、例えば、各構成要素が処理で用いるしきい値やアドレス、各種の設定値等の情報がユーザによって変更されてもよい場合には、上記説明で明記していない場合であっても、ユーザが適宜、それらの情報を変更できるようにしてもよく、あるいは、そうでなくてもよい。それらの情報をユーザが変更可能な場合には、その変更は、例えば、ユーザからの変更指示を受け付ける図示しない受付部と、その変更指示に応じて情報を変更する図示しない変更部とによって実現されてもよい。その図示しない受付部による変更指示の受け付けは、例えば、入力デバイスからの受け付けでもよく、通信回線を介して送信された情報の受信でもよく、所定の記録媒体から読み出された情報の受け付けでもよい。
また、上記実施の形態において、情報処理装置1に含まれる2以上の構成要素が通信デバイスや入力デバイス等を有する場合に、2以上の構成要素が物理的に単一のデバイスを有してもよく、あるいは、別々のデバイスを有してもよい。
また、上記実施の形態において、各構成要素は専用のハードウェアにより構成されてもよく、あるいは、ソフトウェアにより実現可能な構成要素については、プログラムを実行することによって実現されてもよい。例えば、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現され得る。なお、上記実施の形態における情報処理装置を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータを、従属請求項で用いられる手がかり句である従属請求項手がかり句が、請求項の情報である請求項情報が1以上記憶される請求項情報記憶部で記憶されている請求項情報に含まれるかどうか判断することによって、各請求項情報が従属請求項であるかどうか判断する従属関係判断部、請求項が内的付加か外的付加かを判断する際に用いられる情報であり、少なくとも手がかり句を含む情報である判断情報が記憶される判断情報記憶部で記憶されている判断情報を用いて、従属関係判断部によって従属請求項であると判断された請求項情報の付加形式が内的付加か外的付加かを判断する付加形式判断部、付加形式判断部の判断結果を示す情報である付加形式情報を出力する出力部、として機能させるためのプログラムである。
なお、上記プログラムにおいて、上記プログラムが実現する機能には、ハードウェアでしか実現できない機能は含まれない。例えば、情報を出力する出力部などにおけるモデムやインターフェースカードなどのハードウェアでしか実現できない機能は、上記プログラムが実現する機能には少なくとも含まれない。
また、このプログラムは、サーバなどからダウンロードされることによって実行されてもよく、所定の記録媒体(例えば、CD−ROMなどの光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなど)に記録されたプログラムが読み出されることによって実行されてもよい。また、このプログラムは、プログラムプロダクトを構成するプログラムとして用いられてもよい。
また、このプログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
図14は、上記プログラムを実行して、上記実施の形態による情報処理装置1を実現するコンピュータの外観の一例を示す模式図である。上記実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムによって実現されうる。
図14において、コンピュータシステム900は、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)ドライブ905、FD(Floppy(登録商標) Disk)ドライブ906を含むコンピュータ901と、キーボード902と、マウス903と、モニタ904とを備える。
図15は、コンピュータシステム900の内部構成を示す図である。図15において、コンピュータ901は、CD−ROMドライブ905、FDドライブ906に加えて、MPU(Micro Processing Unit)911と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM912と、MPU911に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶すると共に、一時記憶空間を提供するRAM(Random Access Memory)913と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するハードディスク914と、MPU911、ROM912等を相互に接続するバス915とを備える。なお、コンピュータ901は、LANへの接続を提供する図示しないネットワークカードを含んでいてもよい。
コンピュータシステム900に、上記実施の形態による情報処理装置1の機能を実行させるプログラムは、CD−ROM921、またはFD922に記憶されて、CD−ROMドライブ905、またはFDドライブ906に挿入され、ハードディスク914に転送されてもよい。これに代えて、そのプログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ901に送信され、ハードディスク914に記憶されてもよい。プログラムは実行の際にRAM913にロードされる。なお、プログラムは、CD−ROM921やFD922、またはネットワークから直接、ロードされてもよい。
プログラムは、コンピュータ901に、上記実施の形態による情報処理装置1の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティプログラム等を必ずしも含んでいなくてもよい。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいてもよい。コンピュータシステム900がどのように動作するのかについては周知であり、詳細な説明は省略する。
また、本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。