JP2006155151A - 特許明細書分析表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 より短時間で特許明細書のチェックを行うことを目的とするものであって、特に、中間概念の記載を含めてより簡単に、かつ権利範囲や特許率をも考慮してチェックすることができる特許明細書分析表示装置を提供する。
【解決手段】 特許明細書中に記載された全ての又は一部の発明概念を、特許請求の範囲にクレームアップされていないものも含めて、当該特許明細書の記載から自動的に抽出し、抽出した発明概念の上下関係並びにその作用効果の大きさを、その抽出した特許明細書の記載から識別し、識別した発明概念の上下関係を表示するとともに、その作用効果の大きさをその表示すべき発明概念に反映させる。
【選択図】図1
【解決手段】 特許明細書中に記載された全ての又は一部の発明概念を、特許請求の範囲にクレームアップされていないものも含めて、当該特許明細書の記載から自動的に抽出し、抽出した発明概念の上下関係並びにその作用効果の大きさを、その抽出した特許明細書の記載から識別し、識別した発明概念の上下関係を表示するとともに、その作用効果の大きさをその表示すべき発明概念に反映させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、特許明細書に記載された情報を抽出してこれを表示する際に好適な特許明細書分析表示装置、特許明細書分析システムに関する。
近年において、技術内容の高度化、複雑化に拍車がかかり、これらに基づく特許出願の明細書も、より長文化しつつあるとともに記載内容もより複雑化している。このため、これらをチェックする際には多大な労力が必要となり、その確認作業もより長期化する傾向にある。
また、明細書の起稿者は、一般的に、実施例を上位概念化した広いメインクレームを作成しておく。その一方で、予期し得ない先行技術が審査の段階において挙げられた場合に、かかるクレームを減縮することにより特許化を図るべく、下位概念化した発明概念の構成やその作用効果を明細書中に記載しておくとともに、必要な場合には、これらをサブクレーム化して上記メインクレームに従属させる。
このため、このような上位概念から下位概念にかけてのクレームの階層を確認することにより、明細書全体の構成を確認することができることに着目し、クレームを自動的に階層表示する方法等も提案されている。
しかしながら、依頼人によっては、クレームの数を極力少なくすることにより、特許審査に伴うコストを最小限に抑えたい場合もある。かかる場合には、例えば図17に示すように、明細書中においてメインクレームに基づく発明概念に加え、そのメインクレームの下位の発明概念を幾層にも亘って階層的に記載しておく。そして、その下位の発明概念の中からサブクレーム化する発明を必要最小限選定し、残りのクレーム化を図らない発明概念については、メインクレームにおいて予期しえない引例が挙がってきた段階においてクレームアップするために含ませておく、いわゆる中間概念の記載となる。
この中間概念を多重的に数多く記載しておくことにより以下のメリットが出てくる。例えば、図17に示すように、メインクレームに新規性や進歩性欠如に伴う拒絶理由通知が挙がっている一方で、サブクレームには何ら拒絶理由が挙がっていない場合に、かかるサブクレームにまで請求項の記載を限定するとあまりに権利範囲が狭すぎてしまう場合もある。かかる場合には、このメインクレームとサブクレームの中間概念に限定することで、サブクレームよりも広い権利範囲を取得できる可能性が出てくる。また、審査の段階において予期し得ない引用例が挙げられた場合においても、このような中間概念を明細書において数多く記載してあれば、これらを自在に組み合わせて補正することにより、かかる引用例との差異を明確化させることができる場合もあり、ひいては特許率を向上させることもできる。
かかる趣旨の下、クレーム化されていない中間概念がいかなる構成で、如何なる作用効果があり、クレームに記載されている発明との上下関係が如何なるものなのか、チェックしたい場合もある。
しかしながら、かかるクレームに挙がっていない中間概念の記載を、長文化、複雑化した明細書中から抽出するには、多大な労力が必要となり、またこれに必要な時間も膨大となる。
このため、クレーム数を極力小さく抑える場合においても、かかる中間概念の記載を含めて確認をより簡単に行うことができるシステムを構築する必要があった。
また、各発明概念から確定される権利範囲は、実際の実施が予測される技術であるため絶対に取得したい範囲や、他社の新規参入を防止するための範囲等、優先度が段階的に異なってくるのが一般的である。このため、特許明細書に記載されている各発明概念につき、そこから確定される権利範囲を考慮しつつより詳細にチェックする必要があり、さらには、発明概念間の権利範囲の相対的関係をも考慮してチェックする必要も出てくる。
しかしながら、実際に特許請求の範囲に記載から、かかる権利範囲の大小関係を確認する際には、煩雑な確認作業を経なければならない。さらには、クレームに挙げられていない中間概念の記載に関しても、その相対的な権利範囲の広さがが他の発明概念との間で如何なるものになるのか、十分に確認する必要があるが、クレーム化されている発明概念と比較してその確認は困難を極めるのが現状であった。
また、図17に示すような実際の実施が予測される技術を構成するサブクレームや中間概念に至るまで、如何なる発明概念を経て階層化されているかを確認することは、明細書の記載の方向性を確認する上で重要となる。
しかしながら、かかる明細書の記載の方向性そのものを、特にクレームに挙げられていない中間概念をも含めて、明細書の記載の流れから漏れなくチェックするのは、労力の負担が大きく、これを改善する必要性もあった。
また、実際に特許請求の範囲に記載されている事項が特許明細書中のどの段落又は文においてどのくらい詳細に説明されているか、チェックしたい場合もある。しかしながら、特許請求の範囲に記載されている文言と明細書に記載されている文言とを、互いに対応付けするための示唆が含まれているわけでもないため、実際にこれをチェックする場合には、かかる特許請求の範囲に記載されている文言を、その明細書中の文言から探し出して特定しなければならず、煩雑な作業を行わなければならなかった。特に上述したクレーム化されていない中間概念についても、それが記載されている段落や文を探し出し、如何なる記載が担保されているかを確認する場合には、さらに煩雑な確認作業を行わなければならなかった。
また、特許明細書の起稿者に限っては、依頼人に対して、特許明細書における各段落や各文がいかなる発明概念の権利範囲の外延をいかに確定するための記載なのか、或いはこれら各段落や各文の記載が特許明細書全体においていかなる役割を果たしているのか、積極的に説明したい場合もある。このため、これら特許明細書の各記載の役割を論理的かつ簡潔に示すことができる表示方法が従来より要請されていた。
さらに、特許請求の範囲が抽象的かつ機能的に記載されている場合には、その内容が明細書中にいかなる形で担保されているのかを読み取るまでに多大な労力を要し、さらにかかる記載から理解できない事項に関しては、明細書中のクレーム該当箇所につき図面を参酌しつつ読み込んでいくことになるため、確認作業が完了するまでに多くの時間を費やしてしまうという問題点もあった。
このように、作成された特許明細書につき、その方向性、権利範囲、特許率等を考慮しつつチェックする際の負担は依然として大きかった。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、より短時間で特許明細書のチェックを行うことを目的とするものであって、特に、クレーム数を極力小さく抑える場合においても、かかる中間概念の記載を含めてより簡単に、かつ権利範囲や特許率をも考慮してチェックすることができ、さらには明細書の記載の方向性そのものを中間概念をも含めて容易にチェックすることができる明細書分析表示装置、特許明細書分析システムを提供することにある。
本発明に係る特許明細書分析表示装置は、上述した課題を解決するために、特許明細書に記載された情報を抽出してこれを表示するための特許明細書分析表示装置において、特許明細書中に記載された全ての又は一部の発明概念を、特許請求の範囲にクレームアップされていないものも含めて、当該特許明細書の記載から自動的に抽出する自動抽出手段と、上記自動抽出手段により抽出された発明概念の上下関係を、その抽出された特許明細書の記載から識別する識別手段と、上記識別手段により識別された発明概念の上下関係を表示する表示手段とを備える。
また、本発明に係る特許明細書分析表示装置は、上述した課題を解決するために、特許明細書に記載された情報を抽出してこれを表示するための特許明細書分析表示装置において、上記特許明細書の記載を自動的に抽出する自動抽出手段と、上記自動抽出手段により抽出された特許明細書の段落毎に、又は文毎に、その記載の役割に基づいて予め規定した属性を自動的に割り当てる割当手段と、上記割当手段により割り当てられた属性を上記段落毎に、又は上記文毎に分類表示する表示手段とを備える。
さらに、本発明に係る特許明細書分析システムは、上述した課題を解決するために、ネットワークを介して送信されてきた特許明細書の内容を分析する特許明細書分析システムにおいて、特許明細書のデータが先に入力される端末装置と、上記端末装置から上記ネットワークを介して上記特許明細書を受信し、その受信した特許明細書中に記載された全ての又は一部の発明概念を、特許請求の範囲にクレームアップされていないものも含めて、当該特許明細書の記載から自動的に抽出する自動抽出手段と、上記自動抽出手段により抽出された発明概念の上下関係並びにその作用効果の大きさを、その抽出された特許明細書の記載から識別する識別手段と、上記識別手段により識別された発明概念の上下関係を表示するとともに、その作用効果の大きさをその表示すべき発明概念に反映させる表示内容を生成する表示生成手段と、を有する明細書分析装置を備え、上記明細書分析装置は、上記表示生成手段により生成した表示内容を上記ネットワークを介して上記端末装置へ送信する。
本発明は、特許明細書中に記載された全ての又は一部の発明概念を、特許請求の範囲にクレームアップされていないものも含めて、当該特許明細書の記載から自動的に抽出し、抽出した発明概念の上下関係を、その抽出した特許明細書の記載から識別し、識別した発明概念の上下関係を表示する。
これにより、短時間で特許明細書のチェックを行うことが可能となり、特に、クレーム数を極力小さく抑える場合においても、かかる中間概念の記載を含めてより簡単に、かつ権利範囲や特許率をも考慮してチェックすることができ、さらには明細書の記載の方向性そのものを中間概念をも含めて容易にチェックすることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態として、特許明細書に記載された情報を抽出してこれを表示する明細書分析表示装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明を適用した明細書分析表示装置1は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)等に適用されるものであり、図1に示すように、ROM(Read Only Memory)22と、データの蓄積や展開等に使用する作業領域としてのRAM(Random Access Memory)23と、明細書分析表示装置1全体を制御するためのCPU(Central Processing Unit)24と、操作ボタンやキーボード等を介して各種制御用の指令を入力するための操作部25と、各種情報の表示を制御するための表示制御部16と、ハードディスク等に代表され、実行すべき明細書の分析を行うためのプログラムを格納するための記憶部27とが内部バス21にそれぞれ接続されている。さらに、この内部バス21には、通信I/F28とプリンタI/F29が接続されている。また、この明細書分析表示装置1における表示制御部16には、実際に情報を表示するモニタとしての表示部26が接続され、さらにプリンタI/F29にはプリンタ30が接続されている。
ROM22は、明細書分析表示装置1全体のハードウェア資源を制御するためのプログラムが格納されている。なお、このROM22の代替として、例えば、EEPROM(Electronically Erasable and Read Only Memory)等の記憶媒体を適用するようにしてもよい。
RAM23は、明細書分析表示装置1全体のハードウェア資源を制御するときの各種命令を一時的に記憶する。このRAM23の代替として、上記EEPROMやCD−R/RW等の記憶媒体を適用するようにしてもよい。
CPU24は、内部バス21を介して制御信号を送信することにより、明細書分析表示装置1内に実装された各構成要素を制御するためのいわゆる中央演算ユニットである。また、このCPU24は、操作部25を介したユーザの操作に応じて各種制御用の指令を内部バス21を介して伝達する。
操作部25は、マウスやキーボード等で具体化され、ユーザが実際に明細書を起稿する上で文章を入力するために使用される他、上記プログラムを実行するための実行命令がユーザから入力される。この操作部25は、上記実行命令がユーザにより入力された場合には、これをCPU24に通知する。この通知を受けたCPU24は、上記プログラムを記憶部27から読み出して実行する。
表示制御部16は、CPU24による制御に基づいて表示画像を作り出すグラフィックコントローラにより構成されている。この表示制御部16に接続される表示部26は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)等によって実現される。
記憶部27は、ハードディスクで構成される場合において、CPU24による制御に基づき、各アドレスに対して所定の情報が書き込まれるとともに、必要に応じてこれが読み出される。また、この記憶部27には、本発明に基づく明細書分析表示方法を実行するためのプログラムが格納されている。このプログラムはCPU24により読み出されて実行されることになる。さらに、この記憶部27には、実際に起稿された特許明細書等もファイル化された状態で記録されることになる。
ちなみに、CPU24は、本発明に基づく上記プログラムを、現時点において表示部26の画面上に表示されている特許明細書に対して実行するが、記憶部27においてファイル化した状態で記憶されている特許明細書に対して実行するようにしてもよい。
通信I/F28は、ネットワーク50と接続するための回線制御回路と、他の端末装置との間でデータ通信を行うための信号変換装置としてのモデムによって実現される。この通信I/F28は、内部バス21からの各種命令に変換処理を施してこれをネットワーク50側へ送出するとともに、ネットワーク50からのデータを受信した場合にはこれに所定の変換処理を施して内部バス21、或いはCPU24へ送信する。
プリンタI/F29は、プリントアウトすべきデータが内部バス21を介して転送されてくる。このプリンタI/F29は、かかるデータをプリンタへ送信する。プリンタ30は、プリンタI/F29から送信されてきたデータを印刷する。
次に、この明細書分析表示装置1による特許明細書の分析のコンセプトと、分析結果の表示例を踏まえて説明をする。
本発明においては、新たに発明ユニットという概念を導入する。この発明ユニットは、図2に示すような四角柱状の立体形状で表現され、それぞれが特許法上の一発明を構成するものである。この発明ユニットは、それぞれが法上の発明として完成されており、独自の構成を持ち、それぞれの構成に基づく作用効果と権利範囲(特許法でいう技術的範囲を含む概念である)を持つ。発明ユニットは、特許請求の範囲において定義される一の発明概念を構成するものであってもよいし、特許請求の範囲に挙げられていないいわゆる中間概念を構成するものであってもよい。
この中間概念は、以下の如く定義されるものである。例えば、クレームの数を極力少なくすることにより、特許審査に伴うコストを最小限に抑えたい場合において、例えば図3に示すように、明細書中においてメインクレームに基づく発明概念に加え、クレームアップ可能な下位の発明概念を幾層にも亘って階層的に記載しておく。そして、その下位の発明概念の中からサブクレーム化する発明を必要最小限選定し、残りのクレーム化を図らない発明概念については、メインクレームにおいて予期しえない引例が挙がってきた段階においてクレームアップするために含ませておく。この残りのクレーム化を図らない発明概念であって、それ自体で独自の発明が完成されているものを、以下、中間概念と定義する。この中間概念は、それ自体で独自の構成を持つものであるため、審査の段階においてクレームアップ化を図ることも可能となる。
図2に示す発明ユニットの高さは、かかる発明ユニットによる発明の構成要素を実施することにより得られる作用効果の大きさを示すものである。このため、発明ユニットの高さを比較することにより、相対的な作用効果の大きさを把握することができる。また、この発明ユニットの奥行きは、権利範囲の広さを表現するものである。一般的に上位概念になるにつれて少ない構成要素で定義されてくる関係上、権利範囲が広くなるため、この発明ユニットの奥行きが長くなる。また、より下位概念にあたる発明ユニットでは、一般的に多くの構成要素が付加されていることから、その分権利範囲は狭くなり、その上位概念を構成する発明ユニットと比較して概念パネルの奥行きは短くなる。
ちなみに、この発明ユニットの表示方法としては、各発明概念を四角柱で表し、一の辺の長さで発明概念の権利範囲の広さを表現するとともに、さらに必要な場合には、これに直交する他の一の辺の長さでかかる発明概念の作用効果の大きさを表現するものであればいかなる表示方法に対して代替可能である。
この発明ユニットを実際に画面上において表示する場合において、図4に示すようにA+B+Cからなる構成要素で定義される発明ユニット31と、そのA+B+Cを全て含むとともに別の構成要素Dを外的に付加した発明ユニット32が特許明細書中に含まれている場合、この発明ユニット32は、発明ユニット31の完全な下位概念といえることになる。このため、発明ユニット32は、発明ユニット31と比較して権利範囲は狭くなる。かかる場合には、発明ユニット31の奥行きで表現される権利範囲31DSの範囲内に入るようにしつつ、かつ発明ユニット31の奥行きより狭い奥行きとなるように表現された発明ユニット32が画面上に描かれることになる。
なお、この発明ユニット32は、発明ユニット31と比較した場合に高さが高いことが分かる。これは、発明ユニット31で定義される構成要素A+B+Cに、構成要素Dを外的に付加した発明ユニット32は、発明ユニット31に現われなかった作用効果が別途現われたことを意味している。これが進歩性を推認する上での有利な効果と考えることができ、さらにかかる効果を得ることを念頭に置きつつA+B+CにDを付加することが容易に想到できるものでなければ、発明ユニット32は、発明ユニット31よりも見かけ上進歩性か高いことを意味している。また、これと同様に、図4において図中右上に向いている矢印Q方向に進むにつれ、進歩性が相対的に高くなることを意味している。
図5は、最上位概念にあたる発明ユニット41から、最下位概念にあたる発明ユニット45に至るまでをツリー表示する例を示している。
発明ユニット41は、A+B+Cの構成要素からなり、発明ユニット42は、発明ユニット41の構成にさらに構成要素Dを外的付加したA+B+C+Dの構成要素からなり、発明ユニット43は、発明ユニット42の構成にさらに構成要素Eを外的付加したA+B+C+D+Eの構成要素からなり、発明ユニット44は、発明ユニット43の構成にさらに構成要素Fを外的付加したA+B+C+D+E+Fの構成要素からなり、発明ユニット45は、発明ユニット44の構成にさらに構成要素Gを外的付加したA+B+C+D+E+F+Gの構成要素からなる。
また、これら発明ユニット41〜45をツリー表示する際の座標軸は、X軸方向を介して権利範囲を、Y軸方向を介して各発明ユニットを構成する発明概念の上下関係を、さらにZ軸方向には、発明ユニット41〜45の作用効果の大きさを表現する。
かかる規定の下、この図5に示されるツリー表示からは、先ず、発明ユニット41から発明ユニット45にかけて、X軸方向に基づいて表現される権利範囲は、発明ユニット41の権利範囲から逸脱することなく順次狭くなることが示される。また、発明ユニット41から発明ユニット45にかけて配置位置が順次右側へシフトしていることから、構成が付加されていくにつれて順次下位概念化されていくことが示される。さらに、発明ユニット41から発明ユニット45にかけて順次高さが高くなっていることから、構成から得られる作用効果も順次大きくなっていることが示される。
このような発明ユニットにおいて、仮に発明ユニット41を“請求項1”で定義し、発明ユニット43をこの“請求項1”に従属させた“請求項2”で定義し、さらに発明ユニット45をこの“請求項2”に従属させた“請求項3”で定義した場合には、これに応じた表示を図5に示すように付加するようにしてもよい。また、この発明ユニット42、発明ユニット44は、クレームに挙げられていない中間概念に相当するため、これに応じた表示を付加するようにしてもよい。また、例えば図5に示すように、各発明ユニットの構成要件を、その発明ユニットの上面に記載するようにしてもよい。また各発明ユニットの作用効果を、その発明ユニットの側面に記載するようにしてもよい。
このような図5に示すツリー表示を視認することにより、出来上がった特許明細書をチェック際には、クレームに挙がっていない中間概念がいかなる構成で、如何なる作用効果があり、クレームに記載されている発明との上下関係が如何なるものなのか、容易かつ迅速にチェックすることができ、長文化、複雑化した明細書中から抽出する作業を省略することができるため、労力の負担を大幅に軽減させることが可能となる。
また、仮に審査の段階において、“請求項1”に係る発明ユニット41のみにつき進歩性無しとする拒絶理由が挙げられた場合に、拒絶理由が挙がっていない“請求項2”にかかる発明ユニット43にまで限定補正するとあまりに権利範囲が狭すぎてしまう場合には、その上位概念にある中間概念としての発明ユニット42の構成を補正によりクレームアップすることが有効な手段となる場合もある。かかる場合においても、“請求項1”と“請求項2”との中間に中間概念があるか否か、またこれらが権利範囲との関係においていかなる広さを持つものであるのか、さらに特許明細書中において十分に記載してあるか否か、即座に確認することができる点において有用になる。
図6(a)は、かかる発明ユニットのツリー表示における他の例を示している。この図6(a)において、発明ユニット51は、A+B+Cの構成要素からなり、発明ユニット52は、発明ユニット51における構成要素Bにつき構成要素Dを内的付加したA+B(D)+Cの構成要素からなり、発明ユニット53は、発明ユニット51の構成要素Cにさらに構成要素Eを内的付加したA+B+C(E)の構成要素からなる。ここで、発明ユニット52を発明ユニット51の構成要素Bから伸びる指示線でつなぎ、発明ユニット53を発明ユニット51の構成要素Cから伸びる指示線でつなぐようにしてもよい。
また、この発明ユニット51における構成要素A,B,Cを図6(a)に示すようにそれぞれ仕切線により分離し、かかる分離した範囲内に上述した発明ユニット52、発明ユニット53を描くことにより、それぞれ構成要素B,Cにつき内的付加されている旨を明確化させるようにしてもよい。かかる場合において、発明ユニット52と発明ユニット53の権利範囲はともにかぶることはないため、X軸上において互いに重なることはない。
さらに、この発明ユニット52,53におけるY軸方向の配置位置を、その限定要素の重みに応じて異ならせるようにしてもよい。即ち、この図6(a)においては、発明ユニット52において限定した構成要素Dの方が、発明ユニット53において限定した構成要素Eよりも、より重みがあると判断される場合には、かかる発明ユニット52をより右側に配置するようにしてもよい。これにより、各発明ユニットが、その上位概念にある発明ユニットのいかなる構成を限定したものであるか容易に識別することが可能となる。
また、図6(b)に示すように、発明ユニット52には、下位概念にあたる発明ユニットが従属していないが、発明ユニット53には、これに構成要素Eに構成要素Fを内的付加した発明ユニット54と、この発明ユニット54における構成要素Fに構成要素Gを内的付加した発明ユニット55が下位概念として従属していた場合には、このツリー表示を視認したユーザは、明細書全体が構成要件Cにつき内的付加が段階的にかけられており、かかる構成要件Cを中心として明細書の記載が多く連ねられていることを瞬時に理解することができる。このため、実際に実施する発明と比較して、特許明細書の記載がいかなる方向において力を入れて説明されているのか、チェックすることも可能となり、ひいては、特許明細書の言及の方向性そのものを容易に理解することが可能となる。
また、この図6(b)に示すように、構成要件Bに従属している中間概念としての発明ユニット52と、構成要件Cに従属している中間概念を構成する発明ユニット53とは、互いに異なるコンセプトや意図に基づいて限定要素を付加することにより生み出された発明である場合であっても、仮に審査の段階において挙げられた引用例により、発明ユニット51につき進歩性がない旨の見解が示された場合に、これら発明ユニット52、53を組み合わせた結果、かかる引用例に対して構成上の差異が明確化する場合もある。さらに、発明ユニット52と発明ユニット54とを組み合わせることにより引用例との間で差異が初めて明確化する場合もあれば、発明ユニットと発明ユニット55とを組み合わせることにより引用例との差異が初めて明確化する場合もある。
即ち、審査の段階において挙げられる引用例に対して進歩性をクリアするための発明概念の組み合わせを、この発明ユニットを利用して考え出すことができる。発明ユニットは、構成要素、作用効果、権利範囲といった各種情報が盛り込まれているため、ユーザは、これらの情報を識別しつつ、最適な発明ユニットの組み合わせを考えていくことができる。これにより、引用例をクリアしつつ、また権利範囲を考慮しつつ補正案を効率よく短時間に作成することが可能となる。また、従来のように長文化した特許明細書を1から読んで新たな補正案を案出する労力を大幅に軽減させることも可能となる。
また、特許明細書に含まれる全ての発明につき、それぞれ発明ユニット化を図ることにより、明細書中に含まれる全ての発明概念をチェックすることができ、その上下関係(上位概念と下位概念のつながり)、権利範囲、作用効果の大きさをも即座に把握することが可能となる。その結果、長文化した複雑な構成でなる特許明細書であっても、発明概念の記載の抜けを容易にチェックすることができ、補正案を効率よく案出することが可能となる。
また、本発明における表示方法については、図面を上記各表示に連動させて表示するようにしてもよい。
図7は、表示部16における画面上において発明ユニットのツリー表示に、図面を連動させて表示する例を示している。この図7に示すように、少なくともツリー表示部61と、図面表示部62により表示部16の画面を構成する。このツリー表示部61においては、構成要素A〜Gがそれぞれ図面表示部62に表示されている構成要件A〜Gに対応している。このときツリー表示部61における各構成要素が、図面表示部62に表示されている図面の何れに対応しているのか、図7に示すように構成要素毎にアルファベットA〜G等の符号を付ける以外に、これらを矢印や点線で示すようにしてもよい。また、これら構成要素を色彩、形状を介して区別するようにしてもよい。さらに操作部25を介してツリー表示部61の何れかの構成要素がクリックされた場合に、これに対応する図面表示部62における図面の構成要素を矢印等で注意喚起させるようにしてもよいし、当該構成要素そのものを点灯させるようにしてもよい。同様に、操作部25を介して図面表示部62に描かれている図面の何れかの構成要素がクリックされた場合に、これに対応するツリー表示部61における構成要素を矢印等で注意喚起させるようにしてもよいし、当該構成要素そのものを点灯させるようにしてもよい。
また、この図面表示部62に表示させる図面に関しては、発明ユニット毎に仕切線を設けるようにしてもよいし、或いは色を変えて区別するようにしてもよい。図8は、かかる図面表示部62を発明ユニット毎に、仕切線で区別する例を示している。この図8の例では、“発明ユニット○×”につき線で囲むことにより区別している。
これにより、例えば、図6(b)に示す発明ユニットのツリー表示を図面表示部62に連動表示させる場合には、発明ユニット毎に仕切線で区切ることにより、各発明ユニットが図面上のいかなる構成要素を限定しており、下位概念に進むにつれて図面上のいかなる構成要素により限定がかけられているのか容易にチェックすることが可能となる。このとき限定がかけられた構成要素にハッチや色を付けることにより、これらをより明確化させるようにしてもよい。このツリー表示部61に連動表示された図面表示部62から各発明ユニットの権利範囲を容易にイメージすることができる点においても有用となる。
ちなみに、この図面表示部62に表示させる図面を、発明ユニットの上下関係に応じて階層化させて表示するようにしてもよい。例えば、図6(b)に示すようなツリー表示を図面表示部62で階層表示する場合には、第1層で発明ユニット51の構成要素を、第2層で発明ユニット52の構成要素を、第3層で発明ユニット53の構成要素を、第4層で発明ユニット54の構成要素を、第5層で発明ユニット55の構成要素を示すようにしてもよい。
この図面を下の層へシフトさせることにより、より構成要素に限定がかかっている下位概念の発明を仕切線で表示することができることから、特許明細書の記載の方向性を図面から視覚的に把握することも可能となる。
なお、この図面表示部62に表示された各構成要素に対して、実際に特許請求の範囲に記載した事項を併記するようにしてもよい。この併記は、操作部25を介してクリックされた構成要素につき行うようにしてもよいし、別途請求の範囲の文言を分説した図示しないクレーム分説表示ウィンドウを表示部26における画面上に構成するようにしてもよい。
例えば、図面表示部62において表示されている構成要素Aがクリックされた場合に、「○○に基づいて××を出力するAと、」等のように、構成要素Aが特許請求の範囲において実際にいかに定義されているのか、表示させることができる。
これにより、実際に特許請求の範囲において定義された内容の是非を、ツリー表示部61、図面表示部62における各表示内容を参照してチェックすることも可能となる。ちなみに、この特許請求の範囲に記載した事項は、ツリー表示部61においても同様に併記させるようにしてもよい。
なお、本発明では、上述した表示方法に加え、さらに特許明細書における“発明を実施するための最良の形態”(以下、実施の形態という。)の記載事項につき、以下に説明する表示を行うようにしてもよい。
一般的に、実施の形態は、上述した発明ユニットにおける構成要素の記載、作用効果の記載を担保する形で記載されている。即ち、請求項において定義されている発明ユニット、クレームアップされていない中間概念を構成する発明ユニットともに、発明の実施をするための形態を少なくとも1つ記載する必要があるところ、構成要素や作用効果以外に、動作、機能、性質、用途等が詳細に説明されることになる。
また、さらに、この実施の形態においては、上述した発明ユニット毎の記載を担保する観点に加えて、さらに記載の属性として、例えば、a)代替構造、b)製造方法の記載、c)具体例、d)先行技術に対する差異、またその理由付け、e)補足説明等に分類することができる。
a)代替構造は、例えば、「○○の代替として、・・・の構成を備えるようにしてもよい」等のように、○○で定義されている箇所を・・・の構成で代替できることを明示するための記載である。
b)製造方法の記載は、例えば、「○○は、・・・の工程を経て作製される」等のように製造方法につき言及されている箇所を示している。ちなみに、この製造方法の記載は、例えば使用方法等に置き換えられて定義されていてもよい。
c)具体例は、発明ユニットにおける構成要素の実際の具体例を示すものである。この具体例c)の記載により、その発明ユニットの権利範囲の外延を明確化させることができる。
また、d)先行技術に対する差異では、先行技術文献との差異がどこにあり、また課題の違いが何であり、かかる構成上の差異に基づく効果の違いがいかなるものなのか、十二分に明細書中で謳うための記載である。このd)に基づく記載は、
将来審査段階において列挙される可能性がある従来例に対応するものも含む趣旨である。これにより、かかる従来例に基づいて進歩性がない旨の見解が示された場合において、このd)の記載につきクレームアップを図るとともに、その作用効果の記載を意見書で強調することも可能となるからである。
将来審査段階において列挙される可能性がある従来例に対応するものも含む趣旨である。これにより、かかる従来例に基づいて進歩性がない旨の見解が示された場合において、このd)の記載につきクレームアップを図るとともに、その作用効果の記載を意見書で強調することも可能となるからである。
e)補足説明は、文言の定義や補足事項を説明するための記載である。また、このe)の記載は、実施の形態と特許請求の範囲との間で記載が十分に対応している旨を主張するための記載である。
このような各属性を実施の形態における段落毎に、又は文毎に割り当てていく。例えば、実施の形態における段落[0024]〜[0027]に至るまで、下記のように記載されていたとする。
「[0024]
この信号送信装置は、〜Aと、〜Bとから構成される。Aは、ユーザからの命令に基づいてBを制御するための制御ユニットである。Bは、Aからの制御に基づいて上記信号を送信するための送信用デバイスである。
[0025]
このBは、例えば、無線により上記信号を送信する場合には○○○で構成し、また有線により上記信号を送信する場合には、□□□で構成する。
[0026]
信号送信装置において、Aは、〜のように動作し、これに応じてBは、〜のように動作する。その結果、この信号送信装置は、××××××を実行することが可能となる。
[0027]
なお、この信号送信装置におけるAは、〜に限定されるものではなく、○○に代替されるものである。」
この信号送信装置は、〜Aと、〜Bとから構成される。Aは、ユーザからの命令に基づいてBを制御するための制御ユニットである。Bは、Aからの制御に基づいて上記信号を送信するための送信用デバイスである。
[0025]
このBは、例えば、無線により上記信号を送信する場合には○○○で構成し、また有線により上記信号を送信する場合には、□□□で構成する。
[0026]
信号送信装置において、Aは、〜のように動作し、これに応じてBは、〜のように動作する。その結果、この信号送信装置は、××××××を実行することが可能となる。
[0027]
なお、この信号送信装置におけるAは、〜に限定されるものではなく、○○に代替されるものである。」
この[0024]〜[0027]に至るまでの記載において[0024]において構成が定義してあり、これに応じて独自の作用効果が[0026]に記載されていることから、一の発明が成立し、発明ユニット57として表現されることになる。またこれら属性は、上記表示部26における画面上において、図9に示すように表現することができる。この図9では、段落番号が列方向に並べられており、段落番号[0024]〜[0027]の下に発明ユニット57の枠が描かれている。
この発明ユニット57の枠において、[0024]に構成が記載されている旨が、また[0026]に作用効果が記載されている旨が示されている。さらに、この[0025]には、c)具体例が示されていることから、その属性を表示する。さらに[0027]には、a)代替の記載がなされていることから、その属性を表示する。このとき、発明ユニット57の枠内において、実際の構成や作用効果、さらには具体例等の要部が記述されていてもよい。
このように、実施の形態をビジュアル化して表示すべく、発明ユニット毎に枠を作り、これを段落番号に対応させつつ表示することにより、所望の発明ユニットがいかなる段落に記載されているのか即座に探し出すことが可能となる。また、かかる発明ユニットを構成する記載には、構成や作用効果に加えて、如何なる具体例が示されており、他の如何なる技術を適用してもよいのか、表示されている属性を介して識別することも可能となり、ひいては発明ユニットの権利範囲の外延そのものを簡単に理解することも可能となる。
なお、同一の段落番号において、複数の発明ユニットの構成や作用効果、その他属性が記載される場合もあるが、かかる場合には、その旨を表示部26を介して表示することにより、ユーザに注意を促すようにしてもよい。また、同一の発明ユニットであっても、異なる段落番号に飛び飛びで記載される場合もあるが、かかる場合においても、色やハッチ等を介してその旨を知らせるようにしてもよい。
また、この実施の形態の記載を画面上に表示する場合には、明細書マップ部63の左側に、上述したツリー表示部61や図面表示部62を連動させて表示するようにしてもよい。例えば、図10において、上記図9に示すように段落番号毎に発明ユニットの枠を表示した明細書マップ部63の左側にツリー表示部61を設ける。このとき、明細書マップ部63に表示すべき発明ユニット71〜73の枠を、ツリー表示部61に表示されている各発明ユニット71〜73の表示位置に合わせるようにしてもよい。これにより、左側のツリー表示部61に表示されている発明ユニット71,72,73を視認したユーザは、そのまま右側へ視点を水平にシフトさせることにより発明ユニット71,72,73が表示されている段落番号を確認することができる。このとき、ツリー表示部61に表示されている各発明ユニットにつき、操作部25を介して指定することで、その指定された発明ユニットの明細書マップ部63の表示位置へジャンプするようにしてもよい。また、この図面表示部62と明細書マップ部63とを連動させる場合においても同様の動作を実行するようにしてもよい。
このようにツリー表示部61、図面表示部62に対して、明細書マップ部63を連動して表示することにより、以下のメリットがある。
例えば、ツリー表示部61や図面表示部62を介して特許明細書の中身を検討する過程において、所望の発明ユニットの詳細な記載につき確認したい場合もある。かかる場合には、これに連動させて表示する明細書マップ部63を介して実際に何が記載されているが、要点をチェックすることができる。また、明細書マップ部63に記載されている段落番号を参照することにより、実際に特許明細書に記載されている当該発明ユニットの詳細をいち早く確認することができる。
なお、操作部25を介して所望の発明ユニットが指定されたときに、その指定された発明ユニットの特許明細書における記載位置までジャンプするようにしてもよい。かかる場合には、上述した明細書マップ部63へのジャンプ機能を応用することにより、指定された発明ユニットが記載されている段落番号をかかる明細書マップ部63へ問い合わせるようにしてもよい。段落番号を問い合わせることができれば、後は特許明細書の検索機能を用いることで、その段落番号を検索し、ジャンプすることが可能となる。
なお、上述した表示方法はあくまで一例であり、これらツリー表示部61、図面表示部62、明細書マップ部63の何れか、又は全てを融合した図を表示するものであれば、いかなる表示方法を適用してもよい。
次に、表示部26を介した上述の表示を行うため、特許明細書をいかにして分析するかにつき、詳細に説明する。先ず、ツリー表示部62を生成する上で必要な特許明細書の分析方法につき以下に述べる。
この分析においては、特許明細書に含まれている発明ユニットを抽出することがメインとなる。この発明ユニットの抽出においては、全ての発明ユニットを抽出するようにしてもよいし、一部の発明ユニットのみ抽出するようにしてもよい。
発明ユニットの抽出するときには、先ず、特許請求の範囲の文言を抽出していく。例えば、上述したA+B+Cの構成要素で定義される請求項に関しては、物の発明の場合に「〜するAと、〜するBと、〜するCと」のように構成要素列挙型で記載されている場合もあるし、また「〜に設けられるAと、〜に配設されるBと、・・・」のように組立状況が理解しやすいように記載される場合もある。さらに、方法の発明では、「〜するA工程と、〜するB工程と、〜するC工程と」と時系列で定義される場合もある。
このように請求項がいかに定義されているかは、明細書の起稿者の習慣や癖に応じて異なる。本発明においては、このような起稿者の習慣や癖を予め幾パターンにも亘って記憶部27に記憶させておく。そして実際の抽出時において、これらパターンを記憶部27から読み出してこれらを参照することになる。例えば、構成要素列挙型で請求項が定義されている場合に、“〜するAと、”のように“と”の前に記載されている文言Aがその構成要素となり、これを請求項に記載されている全ての文言につき実行することで、発明ユニットを構成する全ての構成要素をピックアップすることが可能となる。
ちなみに、内的付加された構成要素をピックアップするときには、その内的付加する上位の構成要素を抽出してそこから文言を分析することにより実行する。例えば、上述した構成要素Cにさらに構成要素Eを内的付加したC(E)につき、Eをピックアップする場合には、クレーム上で、“上記Cは、さらにEであること”というふうに、Cが主語になる場合も多い。このため、構成要素Cが主語となっている文を抽出することにより、Eを特定することが可能となる。この内的付加された構成要素をピックアップする際にも、起稿者の癖や習慣に基づき予め幾パターンに亘って記憶させておき、これを事後的に参照するようにしてもよい。
なお、この構成要素のピックアップと同時に、各請求項間の従属関係をも抽出する。従属関係については、例えばサブクレームの末尾において「請求項〜記載の」と記載されていることから、これを検索、抽出していくことで、如何なる上位概念に従属しているのかを識別することも可能となる。
上述の如き抽出を全ての請求項につき実行する。その結果、構成要素を抽出した後には、請求項○について例えばA+B+C、請求項□について例えばA+B+C+D、或いはA+B+C(E)というふうに構成要素が抽出された状態となる。仮に、特許明細書中に含まれている全ての発明概念がクレーム上で定義されていて、中間概念が特許明細書中に一つも存在しない場合には、請求項毎に抽出した構成要素とその従属関係に基づいて、ツリー表示部62に描くべきツリー関係を識別することが可能となる。
ただし、このようなケースは稀であることから、クレーム化されていない中間概念を特許明細書中から順次抽出してくことになる。
この中間概念を抽出する場合、各請求項から抽出した構成要素の文言に基づき実行する。この中間概念の抽出は、構成要素の文言につきそのまま検索をかけるようにしてもよい。
例えば、図6(a)に示す発明ユニット51が請求項において定義されたと仮定した場合に、かかる構成要素Bとして“発光素子”を、またその下位概念としてのA+B(D)+Cのうち構成要素Dは、構成要素Bとしての“発光素子”に対してさらに内的付加として、青色レーザ光を発振することにつき限定したとする。
かかる場合において、ある起稿者は、特許明細書中において“〜この発光素子は、青色レーザ光を発振するようにしてもよい。これにより、○○のデータをディスク上において××できる。〜」と記載する場合が多いと仮定する。即ち、この青色レーザ光を発振するという構成からなる中間概念を説明する際には、ある起稿者は、その上位概念としての”発光素子“という文言が同一文において、又は同一段落において高い確率で挙げる場合を仮定する。即ち、この記載パターンは、内的付加を加えるべき構成要素(この場合、”発光素子“となる)を挙げた上で、その詳細を説明するパターンといえる。
かかる記載パターンにおいては、内的付加を加えるべき構成要素としての”発光素子“を特許明細書中から検索し、その“発光素子”という文言が含まれる段落、文を全て又は一部ピックアップしてくる。そして、ピックアップしてきた段落、文につき、さらに分析をかける。
この分析においては、例えば動詞に着目するようにしてもよい。上記例文においては“発振するようにしてもよい”が動詞である。この動詞から、実際にピックアップしてきた“発光素子”を含む段落又は文が、中間概念を説明するために記載されているのか否かを識別する。
一般に、内的付加を加えるべき構成要素(この場合、”発光素子“となる)を挙げた上で、その詳細を説明するためには、必ず動詞を使って説明しなければならない。このとき、いかなる動詞を使い、いかなる助詞、助動詞、語尾でくくられているかについては、基本的に起稿者の習慣や癖に支配される。ある起稿者は、上述の如く、“〜するようにしてもよい。”という動詞でくくる場合もあるし、ある起稿者は、“〜も適用可能である。”という動詞でくくる場合もある。即ち起稿者に応じてその中間概念を記載する方法は千差万別といえる。
このため、特許明細書を記載する上で現れる起稿者特有の習慣や癖を予め入力しておき、これを記憶部27へ記憶させるようにしてもよい。そして、中間概念を抽出する際にかかる記憶部27に記憶されている習慣や癖を読み出し、これを参照するようにしてもよい。
例えば、中間概念を記載する上で現れる癖として、上述の“するようにしてもよい。”が多ければ、これを記憶部27に記憶させておき、構成要素の抽出時において、“するようにしてもよい。”でくくられている段落、又は文につき、中間概念が記載されているものとして特定する。
また、上記ピックアップしてきた段落、文につき、さらに分析をかける場合には、接続詞や、助動詞、主語等、あらゆる品詞に着目して、当該段落、文に中間概念が含まれているか識別するようにしてもよい。
例えば、接続詞に着目する場合、ある起稿者によっては、中間概念を記載する場合に、“その例外として〜”を先頭にもってくることを習慣にする場合もあれば、“〜を実際に実現する場合には、〜”と記載することを習慣にする場合もある。これら中間概念を記載する上で習慣化されて用いられる接続詞を予め入力しておき、これを記憶部27へ記憶させる。そして、中間概念を抽出する際にかかる記憶部27に記憶されている習慣や癖を読み出し、これを参照する。
このようにして、中間概念が記載されているものと判別された段落、文につき、実際にその構成要素を抽出する作業を行う。上述した例文にも示されるように構成要素Dは、“青色レーザ光を発振する”というふうに、動詞で表現される。統計的にみても、特許明細書に記載される構成要素は、動詞を用いてその詳細が表現されている場合が多い。このため、動詞を抽出した上で、それに掛けられている文言や対応している文言を構成要素として特定する。上記例文でいえば、“発振する”という動詞に掛けられている文言は“青色レーザ光を”という文言であるため、これを上記構成要素Dとして特定する。
なお、この抽出した文言が、実際に限定した構成要素に該当するか否かについては、以下のプロセスに基づいて確認するようにしてもよい。
仮に、A+B(D)+Cの下位概念として、さらにこのDに対して構成要素Eを内的付加したA+B(D(E))+Cが定義され、しかもこれがメインクレームとして定義されたA+B+Cのサブクレームとして定義されているものとする。即ち、このA+B(D)+Cは、これらクレーム化されたA+B+Cと、A+B(D(E))+Cの中間にあるクレーム化されていない概念を構成するものとする。
このとき、上記特定したDが、実際に中間概念A+B(D)+Cの構成要素Dであるか否かは、その下位概念としてA+B(D(E))+Cから確認するようにしてもよい。
例えば、Dに内的付加を加えたEにつき、請求項において、“〜から〜の範囲の光強度となるように青色レーザ光を発振する”旨が定義されていた場合には、その上位にある中間概念A+B(D)+Cにおいて青色レーザ光が構成要素Dとして特定されていなければならない。特定した構成要素Dが青色レーザ光以外の全く異なる文言であった場合には、上述した構成要素の特定につき瑕疵があったものと判別することができる。即ち、この下位概念にある発明の構成要素の文言が、特定した中間概念の構成要素に含まれているかに基づき、その確認を行うことも可能となる。
次に、請求項に挙げられている発明ユニットに対して外的付加がかけられた中間概念を抽出する方法につき説明をする。
一般的に外的付加により新たに生成された中間概念は、“この○○○○においては、さらに××××××を付け加えるようにしてもよい。これにより、〜”等のように記述されている場合が多い。ここでいう“○○○○”は、かかる中間概念を構成する発明ユニット全体を示す文言であり、例えばA+B+Cからなる構成要素で定義される。この発明ユニットに対して新たに構成要素Dとして“××××××”が外的付加されたものである。
即ち、この“××××××”が外的に付加されることにより作り出される中間概念を記載する場合には、かかる上位概念としての発明ユニット全体を指定した上で、その詳細を説明していく場合が多い。但し、実際にいかにこれを説明するかについては、基本的に起稿者の習慣や癖に支配される。即ち、その上位概念としての発明ユニットを指定する方法、また指定した発明ユニットから実際に外的付加された内容を記述していく方法は、起稿者の習慣や癖に応じて千差万別といえる。
このため、上述の如く、起稿者特有の習慣や癖を外的付加により発明を特定する場合も含めて予め入力しておき、これを記憶部27へ記憶させる。そして、中間概念を抽出する際にかかる記憶部27に記憶されている習慣や癖を読み出し、これを参照する。
なお、この外的付加されることにより作り出される中間概念の構成要素の特定や、その確認に関しても上述した内的付加と同様の手法に基づいて実行するようにしてもよい。
このようにして、請求項に挙げられている発明の構成要素と、請求項に挙げられていない中間概念の構成要素とをそれぞれ自動的に特定することができる。その結果、特許明細書中に含まれる全ての発明ユニットの構成要素がそれぞれ特定された状態となる。
次に、各発明ユニットの構成を実施することにより得られる作用効果を、特許明細書からいかに抽出するかにつき、説明をする。
一般的に作用効果については、特許明細書中の[発明の効果]の欄に記載されている。この[発明の効果]の欄において、起稿者によっては、“第1の発明(請求項1に係る発明)は、〜という効果がある。また、第2の発明(請求項2に係る発明)は、〜という効果がある。・・・”というふうに、請求項を構成する発明ユニット毎にそれぞれ対応させて作用効果を記載する場合が多い。かかる場合には、[発明の効果]の欄に記載されている内容を請求項毎にそのまま抽出し、これにつき発明ユニットの作用効果として順次特定していくことになる。
なお、起稿者によっては、[発明の効果]の欄において、上述の如く請求項を構成する発明ユニット毎にそれぞれ対応させて記載することなく、例えばメインクレームに相当する発明の効果のみを記載し、残りのサブクレームの効果は当該欄に記載しないケースもある。また、クレームに挙げられていない中間概念を構成する発明ユニットに関しては、[発明の効果]の欄には記載される殆どケースはない。このため、全ての発明ユニットの作用効果を抽出するためには、実際のところ、実施の形態の中からそれを検索する必要が出てくる。
一般的に、実施の形態において、発明ユニットの作用効果は、その発明ユニットの構成要素とセットで記載されている場合が多い。上述の如く発明ユニットの構成要素を特許明細書中から抽出した場合には、その抽出した構成要素を含む段落中においてその作用効果が明示されているか、又は、その前後数段落以内において明示されている場合が多い。
従って、発明ユニットの作用効果を特許明細書中から抽出する場合には、その発明ユニットの構成要素が記載されている段落又は文の記載位置から前後数段落以内を検索し、その発明ユニットの作用効果の記載を検索する。実際に何段落以内まで検索するかについては、その起稿者の習慣や癖に基づいて予め決定される。また、この検索においても上記抽出した構成要素の文言の記載位置等を参照する。例えば、“□□□□によって〜できる。”の記載において、□□□□は、構成要件であり、〜が作用効果であれば、かかる構成要件の記載位置を基点として検索をかけることにより、その作用効果を抽出することも可能となる。
一般的に作用効果は、その語尾において、“〜ができる”や“〜可能である”等のような記載でまとめるケースが統計的に多い。このため、作用効果の記載か否かは、語尾に記載されている内容を識別することにより検索することができる。
このため、発明ユニットを構成する作用効果を示す指示的記載をその語尾の内容に基づいて検索し、検索した文言そのものを当該発明ユニットの作用効果として特定する。
なお、この作用効果の記載の癖や習慣は、起稿者に応じて千差万別である。このため、作用効果を記載する上で現れる起稿者特有の習慣や癖を予め入力しておき、これを記憶部27へ記憶させるようにしてもよい。そして、作用効果の記載を特許明細書中から抽出する際にかかる記憶部27に記憶されている習慣や癖を読み出し、これを参照するようにしてもよい。この習慣や癖は、上述の如く語尾の内容に基づいて判断する場合に限定されるものではなく、接続詞や、助動詞、主語等、あらゆる品詞に着目して、当該段落、文に作用効果の記載が含まれているか識別するようにしてもよい。
ちなみに、この作用効果の記載の抽出に関しては、ユーザに順次問い合わせ、かかるユーザからの作用効果の記載の指定を受けながら抽出するようにしてもよい。上記抽出した作用効果の記載が、異なる発明ユニットの作用効果にとして誤って位置づけられる場合もあることから、これをユーザによる判断を介して是正するためである。
なお、作用効果の大きさは、図5に示すように上位概念から下位概念にかけて大きくなるか、又は同等となる。少なくとも、上位概念から下位概念にかけて小さくなることは稀である。
かかる経験則に着目し、以下に説明するように作用効果の大きさを識別する。発明ユニット間の従属関係は、この作用効果の大きさを識別する段階において既知となっている。このため、例えば、図11に示す発明ユニット53が、その直上(直ぐ上にある上位概念)にある発明ユニット52との間でプラスとなる作用効果の記載が含まれているか否かを識別する。
仮に発明ユニット53につき言及されている作用効果Lが、その直上にある発明ユニット52に記載されている作用効果K以外のものであるとき、その発明ユニット52と比較してプラスとなる作用効果Lの記載が含まれているものと判断する。即ち、下位概念にある発明ユニット53は、当該直上にある発明ユニット52の作用効果Kを全て奏することが前提となる。そして、その下位概念の発明ユニット53における構成要素までさらに落とし込むことにより、別の作用効果Lが生まれるため、はじめてその下位概念の発明ユニット53の作用効果Lとして特許明細書中で記載されることになる。逆に下位概念にある発明ユニット53に記載されている作用効果Lが、その直上にある発明ユニット52に記載されていない場合、当該直上にある発明ユニットは、作用効果Lを奏することはない。
即ち、下位概念にある発明ユニットは、その直上にある発明ユニットの作用効果Kに加え、当該別の作用効果Lが加わる分において、作用効果の大きさそのものが大きくなるといえる。
このため、より下位概念にある発明ユニットの作用効果の大きさを識別する際には、直上にある発明ユニットに記載されていない別の作用効果Lが含まれているか否かを識別することにより実行する。下位概念にある発明ユニットにつき、その直上にある発明ユニットに記載されていない別の作用効果がある場合には、下位概念の発明ユニットの作用効果は、直上にある発明ユニットの作用効果よりも大きいものと判断する。これに対して、下位概念にある発明ユニットにつき、その直上にある発明ユニットに記載されていない別の作用効果が記載されていない場合、換言すれば何ら作用効果の記載がなされていない場合には、その直上にある発明ユニットの作用効果と同等であるものと判断する。
なお、この作用効果の大きさは上述した例に限定されるものではない。例えば、起稿者によって、作用効果の大きさをより明確にするため、例えば、“○○と比較してより大きな効果を奏することができる”とか、“○○よりも更なる顕著に××を促進させることが可能となる”等のように、上位概念と比較した相対的な作用効果の大きさを明示するための記載が含まれる場合がある。実際にいかにこれを記載するかについては、基本的に起稿者の習慣や癖に支配される。例えば、比較文において頻繁に用いられる“より”という文言を高い確率で用いる起稿者もいる。即ち、作用効果の大きさを明示していく記載方法は、起稿者の習慣や癖に応じて千差万別といえる。
このため、作用効果の大きさを明示するための際における起稿者特有の習慣や癖を予め入力しておき、これを記憶部27へ記憶させ、作用効果の記載を抽出する際にかかる記憶部27に記憶されている習慣や癖を読み出し、これを参照するようにしてもよい。上述の例においては、“より”という文言を記憶部27に記憶しておき、作用効果の記載を抽出する際にこれを読み出して参照するようにしてもよい。
上述した分析を行うことにより、特許明細書中に含まれる全ての発明ユニットの構成並びにそれに対応した作用効果を抽出することができる。その結果、ツリー表示部61に表現すべき発明ユニットの上下関係、作用効果の大きさも特定することができる。ちなみに、ツリー表示部61に表現すべき発明ユニットの権利範囲についても、その従属関係や構成要素に基づいて特定することが可能ではあるが、厳密な権利範囲は、特許明細書の細かい記載や、その他各種解釈等も踏まえて特定されるものである。このため、ツリー表示部61に表現される権利範囲と実際の技術的範囲との間で若干の乖離が生じる可能性もある。従って、このツリー表示部61において表現される権利範囲は、発明ユニット間における相対的な権利範囲の大きさを表現するものであることを前提にすることもある。
なお、上述した分析では、あくまで特許明細書に含まれる中間概念につき、各請求項から抽出した構成要素の文言をそのまま特許明細書に検索をかけることにより実行するが、かかる場合に限定されるものではない。例えば、各請求項から抽出した構成要素の文言を上位概念化、又は下位概念化した文言に置き換えて特許明細書中を検索するようにしてもよい。
例えば、特許請求の範囲においては、“発光手段”としか定義されてなく、実施の形態においては、これに対応する記載が“半導体レーザ”である場合には、上述した検索を実行しても構成要件として捉えることができない。かかる場合には、“発光手段”という文言を下位概念化したものに置き換える。
例えば、“発光手段”の下位概念としては、LEDや半導体レーザ、可変波長光源等を始め幾種類にも亘って存在する。このため、“発光手段”の下位概念として考えられる全ての文言が分かっていれば、少なくともこれら下位概念の文言に基づき特許明細書中を検索することにより、“半導体レーザ”という文言を抽出することは可能となる。
即ち、本発明においては、この発明ユニットの構成要素の文言を上位概念化又は下位概念化するためのテーブルを作成しておき、これを記憶部27に記憶させておくようにしてもよい。このテーブルには、例えば、各種構成要素の上位概念としての単語や、下位概念としての単語が記録させておく。そして、抽出した特許請求の範囲における構成要素の文言を記憶部27に記憶されているテーブルを参照することにより上位概念化又は下位概念化した文言に置き換え、当該置き換えた文言に基づき特許明細書中を検索することにより、特許請求の範囲にクレームアップされていない中間概念の構成要件や作用効果を自動的に抽出するようにしてもよい。
また、この文言の上位概念化、又は下位概念化に関しては、他のいかなる周知技術を用いるようにしてもよい。
次に、図面表示部62を生成する上で必要な特許明細書の分析方法につき説明をする。
図面表示部62を構成する図面は、分析すべき特許明細書に応じた図面であれば、いかなるものであってもよいが、望ましくは、本発明の要部を最も端的に表した選択図を表示する。この表示すべき図面は、例えばスキャナ等で取り込まれた図面の画像データを貼り付けることにより構成してもよい。かかる場合には、この図面の画像データとして、GIFやJPEG等のデータを用いる。但し、これらのデータをそのまま用いるより、かかる図面の画像データに基づいてより簡略化した図を、各種表示を事後的に自由に追加できるフォーマット上に描画入力するようにしてもよい。
次に、この図面表示部62に表示すべき各構成要素に対して、実際に特許請求の範囲に記載した事項を併記する場合には、特許請求の範囲から各構成要件を抽出していく。この構成要件の抽出方法については、上記発明ユニットの構成要件の抽出方法と同様であってもよい。
次に抽出した特許請求の範囲における各構成要件をこの図面表示部62に順次当てはめる。この図面表示部62につき、GIF等の画像データをそのまま貼り付けた場合には、かかる画像データ上に各種表示を施すことなく、他のウィンドウ等において上記抽出した構成要素と、さらに各構成要素に対して実際に特許請求の範囲に定義した事項を併記するようにしてもよい。この当てはめに関しては、図面表示部62に表示されているいかなる構成要素が特許明細書中のいずれに対応するか、ユーザに問い合わせるようにしてもよい。
また、各種表示を事後的に自由に追加できるフォーマット上に描画入力した場合には、図7に示すように、図面表示部62上の図面における各構成要素に対してアルファベット等の符号を付すことにより、特許請求の範囲において定義されている構成要件と対応関係をとるようにしてもよい。この対応関係については、上述の分析結果を用いて自動的に求めるようにしてもよい。
また、図面の画像データに基づいて簡略化した図を描く場合には、各構成要素に付記された番号もそのまま残しておき、上述した当てはめを行う際に、かかる番号を読み取り、さらに読み取った番号に基づいて特許明細書中の構成要素を検索するようにしてもよい。
次に、明細書マップ部63を生成する上で必要な特許明細書の分析方法につき、上記図9に示す発明ユニット57の記載を分析する場合を例にとり説明をする。
この発明ユニット57については、上述したツリー表示部61を生成する段階において既に分析され、その構成要素と作用効果が抽出された状態となっている。ちなみに、この抽出時において、かかる構成要素や作用効果が記載されている段落番号がどこであるかも同時に読み取ることができるため(上記抽出時において、特許明細書中で段落番号が割り振られていることが前提となるが)、図9における発明ユニット57において構成が[0024]である旨と、作用効果が[0026]である旨を特定することができる。また、この構成要素と、作用効果が実際のところ何であるかについても、抽出時において識別されているため、この図9に示すような形でこれらを表現することも可能となる。
次に、構成要素と作用効果以外の各記載の属性(例えば、a)代替構造、b)製造方法の記載、c)具体例、d)先行技術に対する差異、e)補足説明、等)をいかにして抽出するかにつき説明する。
この各記載の属性を抽出する場合においても、これら属性を記載する上で起稿者が頻繁に用いる習慣や癖を入力しておく。例えば上述の例では、a)代替構造に関しては、“代替として”等の文言を入力しておく。また、b)“の工程により〜”等の文言を入力しておく。また、c)具体例に関しては、“例えば”等の文言を入力しておく。この入力した文言は、その属性と対応付けて記憶部27へ記憶させておく。
次に、各記載の属性を実際に抽出する際に、各属性について記憶部27に記憶させた文言を特許明細書中から検索していく。そして特許明細書から検索された文言に対応する属性をこの記憶部27に問い合わせ、問い合わせた属性をこの検索された文言に割り当てていく。また、実際に検索された文言が含まれている段落番号をも同時に検出していく。
例えば、上記図9に示す発明ユニット57の記載を分析する場合に、[0025]では、“例えば、”という文言があることから、これに基づいて[0025]の属性をc)具体例として特定することができる。また、[0027]では、“代替”という文言があることから、これに基づいて[0027]の属性をa)代替として特定することができる。
上述の操作を全ての段落、又は文に対して実行していくことにより、全ての段落につきその属性を特定することが可能となる。この段落毎に属性が特定されることにより、明細書マップ部63においてそれらを表示させることも可能となる。
なお、上記明細書マップ部63において表示すべき属性は、上述の例に限定されるものではなく、起稿者の記載の習慣や癖に応じて、任意に定義された属性を用いるようにしてもよい。
ちなみに、本発明は、あくまで特許明細書を自動的に分析して、これを表示することを特徴としているが、そのオプションとして以下に説明する確認機能を設けるようにしてもよい。
この確認機能では、上述した自動的な構成要素、作用効果、各種属性の誤検出をチェックすべく、例えば図12に示すような確認ウィンドウ80を表示させる。
例えば、上述した発明ユニットの抽出時において、図12に示すように、発明ユニット毎にその従属関係、構成要素、作用効果等を表示し、ユーザに対してその内容の確認を促す。ユーザは、この確認ウィンドウ80における表示内容を視認し、問題が無ければその旨を、問題があればそれを修正するための指示を操作部25を介して指示する。即ち、自動的な検索による若干の誤検出を、実際にユーザによる確認工程を経ることにより、ほぼ全て解消させることが可能となる。
また、この確認ウィンドウは、段落毎に表示させるようにしてもよい。例えば図13に示すように、特許明細書の横に確認ウィンドウ81を設け、この確認ウィンドウ81には、段落番号を指定する欄を設ける。
この確認ウィンドウ81において、例えば段落番号[0081]には、属性としてa)代替構造が記載されている旨が、さらに、いかなる発明ユニットの外延を作り出すための記載なのか、その記載の目的が表示される。
同様に、この確認ウィンドウ81において、例えば段落番号[0082]には、属性として作用効果が記載されている旨が、さらにいかなる発明ユニットの作用効果が記載されているのが、表示される。
これらの内容に基づき、瑕疵があればその旨を操作部25を介して指示するとともに、場合によっては、これらの情報を手動で入力するようにしてもよい。このとき、上述した確認ウィンドウ80を併せて表示することにより、その確認の便宜を図るようにしてもよい。
なお、本発明を適用した明細書分析表示装置1では、特許明細書を記載する上で現われる起稿者特有の習慣や癖を自動的に学習するようにしてもよい。即ち、構成要素、作用効果、各種属性を記載には、起稿者特有の習慣や癖が現われてくることが経験的に分っている。このため、特許明細書の記載事項の分析を通じて、その記載の習慣や癖を学習しておき、これを例えば記憶部27等に蓄積しておく。そして、上記分析時において、記憶部27に蓄積させておいた学習結果を参照することにより、その起稿者の習慣や癖そのものを参照することができる。
ちなみに、この学習方法については、上記確認ウィンドウ80,81を介したユーザからの指令に基づいて実行してもよいし、他の周知のいかなる学習方法を適用してもよい。
なお、上述した表示方法では、あくまで発明ユニットという概念に基づく場合を例にとり説明をしたが、かかる場合に限定されるものではない。例えば、図14に示すように、発明ユニットの高さの概念を省略した2次元的な図を用いて表示するようにしてもよい。この例においては、3次元的な発明ユニットを示す代わりに、各発明概念の構成や作用効果、特許明細書における段落番号を整理し、これを階層化させて表示する。ちなみに、この図を作成する上での明細書の分析方法は、上述と同様である。この図14によっても、各発明ユニットの従属関係、構成要素を権利範囲との間で把握することができ、明細書マップ部63を介してその記載がいかに担保されているかを即座に把握することが可能となる。
また、発明ユニットの代替として、各発明概念をその構成要素に応じた立体図形で表すようにしてもよい。これにより、かかる立体図形を視認したユーザは、その形状に基づき視覚的に構成要素を把握することが可能となる。
また、ツリー表示部61の代替として、例えば図15,16に示すような表示方法を適用するようにしてもよい。
図15は、各構成要素をY軸方向に並べて表示したものである。即ち、構成要素A〜Cにかけて徐々に限定をかけていくことにより、少しずつ作用効果が大きくなり、また権利範囲が狭くなることがこの図15からも示唆されることが分かる。これにより、発明ユニットの位置づけを実際の構成要素との関係において容易に把握することが可能となる。
図16は、発明ユニットにつき上位概念から下位概念にかけて、略円形の外側から内側にかけて表示する例である。補正により限定をかける場合に、いかなる発明ユニットの構成まで限定した場合に、いかなる権利範囲α、βとなるか、視覚的に確認することが可能となる。
即ち、本発明においては、抽出された発明概念に対応する発明ユニットの上下関係がいかなる形で表示されていてもよい。同様に、識別された作用効果の大きさを、上記表示すべき発明ユニットにいかなる形で反映されていてもよい。
このようにして作成されたツリー表示部61のツリー表示、図面表示部62並びに明細書マップ部63における表示は、表示部26を介してユーザ自身が視認し、内容を確認することができる。また、ユーザ以外の者も同様に表示部26を介して視認することも可能となる。さらにこれらの表示内容は、プリンタI/F29を介してプリンタ30により印刷することもできる。このため、ユーザは、この表示内容をプリントアウトして、依頼人等に送付することも可能となる。
また、本発明では、他のパソコンからネットワーク50を介して暗号化されて送られてきた特許明細書を通信I/F28を介して受信し、これを上述の如く分析するようにしてもよい。そして分析した内容に基づいて作成した表示を再び暗号化してネットワーク50を介して上記他のパソコン側へ送り返すようにしてもよい。
即ち、依頼人側において試作された特許明細書や、修正された特許明細書を特許事務所に置かれている明細書分析表示装置1において分析し、その結果を再びネットワーク50を介して依頼人側に送り返すサービスにも適用可能となる。
このように、本発明では、上述の如き分析結果を表示させることが可能となることから、これをチェック時において視認することにより、特許明細書のチェックに伴う負担を軽減させることができ、より短時間で特許明細書のチェックを行うことが可能となる。特に、クレーム数を極力小さく抑える場合においても、かかる中間概念を含め、特許明細書中の内容をより簡単かつ短時間に把握することが可能となる。
特に、本発明は、長文化、複雑化した明細書をチェックする場合に、労力を大幅に軽減させることができる。
また、本発明は、発明ユニットを、進歩性、上位概念並びに下位概念、権利範囲、作用効果、各構成要素等と照らし合わせて多角的なチェックを行うことが可能となり、様々な視点で明細書中の記載の漏れをチェックすることも可能となる。
例えば、発明ユニットにおける権利範囲の外延を特定するための記載が殆どない場合には、上述した明細書マップ部63には、何ら属性が表示されないことになり、起稿者は、かかる明細書マップ部63を視認することによりその旨を識別することができ、特許明細書中にかかる外延を特定するための記載を書き足すことも可能となる。
また、実施が予測される権利範囲であるにもかかわらず、ツリー表示部61では、当該権利範囲における発明ユニットが右上がりに変化していない場合には、先行技術との関係において、構成上の差異を見いだすことができない可能性もある。かかる表示を視認した場合には、再度特許性を見いだすための構成と、それに応じた作用効果を特許明細書中から抽出してクレームアップを図るようにしてもよいし、或いは依頼人に問い合わせて、更に限定要素を挙げてもらう等、各種処置を取ることも可能となる。
また、ツリー表示部61における上位概念や下位概念の関係が異なっている場合についても、その明細書の内容の瑕疵を即座に確認することができ、さらには、ツリー表示部61において最も右側へ伸びている発明ユニットが、戦略上の重要度があまり高くない場合には、やはり明細書の記載の方向性そのものを変更すべく、再度明細書の確認を行うことになる。即ち、このような視点からの明細書中の記載の瑕疵をチェックすることが可能となる。
さらに、本発明では、特許明細書における各段落や各文がいかなる発明概念の権利範囲の外延をいかに確定するための記載なのか、或いはこれら各段落や各文の記載が特許明細書全体においていかなる役割を果たしているのかを、上述した特許マップ部63の表示内容に基づき、論理的かつ簡潔に示すことが可能となる。
また、特許請求の範囲が抽象的かつ機能的に記載されている場合であっても、図面表示部62から、いかなる内容が定義されているのか視覚的に把握することができるため、チェックに伴う労力を軽減させることが可能となり、確認の都度、添付された図面を照らし合わせる作業を省略することも可能となる。
このように、本発明では、従来より、特許事務所において作成された特許明細書につき、その方向性、権利範囲、特許率等を考慮しつつチェックの負担を大幅に軽減させることができる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。例えば、ツリー表示部61における表示内容に、さらに先行技術に関する情報を付加するようにしてもよい。また、このツリー表示部61における表示内容に、先行技術をマップ化したいわゆるパテントマップを付記するようにしてもよい。これにより、明細書が過去の出願状況との関係でいかなる方向に記載されているのか把握することが可能となる。
また、本発明では、ツリー表示部61における表示内容に、さらに解決課題に関する情報を付加するようにしてもよい。この解決課題を解決するためにいかなる構成要素が案出され、またかかる解決課題に対して発明ユニットが幾層にも亘って設けられているか否か即座に把握することも可能となる。
なお、上述した実施の形態では、あくまで、これから出願しようとする特許明細書の分析に焦点をあてて説明をしたが、かかる場合に限定されるものではなく、公報に出ている特許明細書の分析に本発明を用いてもよいことは勿論である。
なお、以下に本発明の他の実施例をまとめて記載しておく。この他の実施例においては、上述した記載と重複する内容を含む場合もある。
第1の実施例として、表示部26としての表示手段は、上記発明概念の上下関係を上位概念から下位概念にかけてツリー表示、マトリクス表示、或いは略円形の外側から内側にかけて表示する。
第2の実施例として、各発明概念における作用効果の大きさにつき、ユーザに順次問い合わせることにより、或いはかかる作用効果の大きさを示唆する指示的記載が予め含められている場合にはかかる指示的記載に基づき、識別する。
第3の実施例として、上記表示手段は、上記発明概念の上下関係を上位概念から下位概念にかけてツリー表示、マトリクス表示する場合には、X軸方向を介して権利範囲を、Y軸方向を介して発明概念の上下関係を、さらに必要な場合にはZ軸方向を介して作用効果の大きさを表現する。
第4の実施例として、表示手段は、各発明概念をその構成要件に応じた立体図形で表す。
第5の実施例として、表示手段は、特許請求の範囲の記載を構成要件毎に分説するとともに、これを上記表示する図面に対応させる。
第6の実施例として、表示手段は、第5の実施例において表示すべき図面を、発明概念の上下関係に応じて階層化させて表示する。
第7の実施例として、表示手段は、表示した上記発明概念のうち何れかがユーザに指定された場合に、当該発明概念が実際に記載されている上記特許明細書の段落又は文を表示する。
第8の実施例として、ネットワークを介して他の電子機器から特許明細書を受信する通信I/F28としての受信手段と、受信した特許明細書に基づいて上記表示手段により作成された表示内容を上記ネットワークを介して上記他の電子機器へ送信するCPU24としての送信手段をさらに備える。
また、本発明は、方法の発明として適用されるようにしてもよい、かかる場合には、 特許明細書に記載された情報を抽出してこれを表示するための特許明細書分析表示方法において、特許明細書中に記載された全ての又は一部の発明概念を、特許請求の範囲にクレームアップされていないものも含めて、当該特許明細書の記載から自動的に抽出する自動抽出ステップと、上記自動抽出ステップにおいて抽出した発明概念の上下関係並びにその作用効果の大きさを、その抽出した特許明細書の記載から識別する識別ステップと、上記識別ステップにおいて識別した発明概念の上下関係を表示するとともに、その作用効果の大きさをその表示すべき発明概念に反映させる表示ステップとを有することを特徴とする。
また、本発明は、プログラムの発明として適用されるようにしてもよい、かかる場合には、特許明細書に記載された情報を抽出してこれを表示することをコンピュータに実行させるプログラムにおいて、特許明細書中に記載された全ての又は一部の発明概念を、特許請求の範囲にクレームアップされていないものも含めて、当該特許明細書の記載から自動的に抽出する自動抽出ステップと、上記自動抽出ステップにおいて抽出した発明概念の上下関係並びにその作用効果の大きさを、その抽出した特許明細書の記載から識別する識別ステップと、上記識別ステップにおいて識別した発明概念の上下関係を表示するとともに、その作用効果の大きさをその表示すべき発明概念に反映させる表示ステップとをコンピュータに実行させる。
また、本発明は、記録媒体の発明として適用されるようにしてもよい、かかる場合には、特許明細書に記載された情報を抽出してこれを表示することをコンピュータに実行させるプログラムが記録された記録媒体において、特許明細書中に記載された全ての又は一部の発明概念を、特許請求の範囲にクレームアップされていないものも含めて、当該特許明細書の記載から自動的に抽出する自動抽出ステップと、上記自動抽出ステップにおいて抽出した発明概念の上下関係並びにその作用効果の大きさを、その抽出した特許明細書の記載から識別する識別ステップと、上記識別ステップにおいて識別した発明概念の上下関係を表示するとともに、その作用効果の大きさをその表示すべき発明概念に反映させる表示ステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムが記録された記録媒体となる。
さらに、本発明は、ネットワークを介して送信されてきた特許明細書の内容を分析する特許明細書分析システムに適用してもよい。かかる場合には、特許明細書のデータが先に入力されるコンピュータ等に代表される端末装置をさらに備え、明細書分析表示装置1は、その端末装置からネットワーク50を介して特許明細書を受信し、その受信した特許明細書中に記載された全ての又は一部の発明概念を、特許請求の範囲にクレームアップされていないものも含めて、当該特許明細書の記載から自動的に抽出し、抽出した発明概念の上下関係並びにその作用効果の大きさを、その抽出された特許明細書の記載から識別し、さらに識別した発明概念の上下関係を表示するとともに、その作用効果の大きさをその表示すべき発明概念に反映させる。そして、生成した表示内容を上記ネットワーク50を介して端末装置へ送信する。
1 明細書分析表示装置
16 表示制御部
22 ROM
23 RAM
24 CPU
25 操作部
27 記憶部
28 通信I/F
29 プリンタI/F
30 プリンタ
16 表示制御部
22 ROM
23 RAM
24 CPU
25 操作部
27 記憶部
28 通信I/F
29 プリンタI/F
30 プリンタ
Claims (10)
- 特許明細書に記載された情報を抽出してこれを表示するための特許明細書分析表示装置において、
特許明細書中に記載された全ての又は一部の発明概念を、特許請求の範囲にクレームアップされていないものも含めて、当該特許明細書の記載から自動的に抽出する自動抽出手段と、
上記自動抽出手段により抽出された発明概念の上下関係を、その抽出された特許明細書の記載から識別する識別手段と、
上記識別手段により識別された発明概念の上下関係を表示する表示手段とを備えること
を特徴とする特許明細書分析表示装置。 - 上記識別手段は、上記自動抽出手段により抽出された発明概念の作用効果の大きさを、その抽出された特許明細書の記載から識別し、
上記表示手段は、上記識別手段により識別された作用効果の大きさを、上記表示すべき発明概念に反映させること
を特徴とする請求項1記載の特許明細書分析表示装置。 - 上記発明概念の構成要素を上位概念化又は下位概念化するためのテーブルが予め記憶された記憶手段をさらに備え、
上記自動抽出手段は、特許請求の範囲の記載から上記構成要件を自動的に抽出することに加え、さらに抽出した特許請求の範囲における構成要素を上記記憶手段に記憶されているテーブルを参照することにより上位概念化又は下位概念化した文言に置き換え、当該置き換えた文言に基づき上記特許明細書中を検索することにより、上記特許請求の範囲にクレームアップされていない発明概念を自動的に抽出すること
を特徴とする請求項1又は2記載の特許明細書分析表示装置。 - 上記特許明細書を記載する上で現われる起稿者特有の習慣や癖を予め入力するための入力手段と、
上記入力手段を介して入力された習慣や癖を記憶するための記憶手段をさらに備え、
上記自動抽出手段は、上記発明概念の抽出時において上記記憶手段に記憶されている習慣や癖を参照すること
を特徴とする請求項1又は2記載の特許明細書分析表示装置。 - 上記特許明細書を記載する上で現われる起稿者特有の習慣や癖を自動的に学習する学習手段と、
上記学習手段により学習された習慣や癖を記憶するための記憶手段をさらに備え、
上記自動抽出手段は、上記発明概念の抽出時において上記記憶手段に記憶されている習慣や癖を参照すること
を特徴とする請求項1又は2記載の特許明細書分析表示装置。 - 上記表示手段は、各発明概念を四角柱で表し、一の辺の長さで発明概念の権利範囲の広さを表現するとともに、さらに必要な場合には、これに直交する他の一の辺の長さでかかる発明概念の作用効果の大きさを表現すること
を特徴とする請求項1〜5のうち何れか1項記載の特許明細書分析表示装置。 - 上記表示手段は、上記特許明細書に応じた図面を上記各表示に連動させて表示すること
を特徴とする請求項1〜6のうち何れか1項記載の特許明細書分析表示装置。 - 上記自動抽出手段により抽出された上記特許明細書の段落毎に、又は文毎に、その記載の役割に基づいて予め規定した属性を自動的に割り当てる割当手段をさらに備え、
上記表示手段は、上記自動抽出手段により割り当てられた属性を上記段落毎に、又は上記文毎に、上記各発明概念に対応させて分類表示すること
を特徴とする請求項1〜7のうち何れか1項記載の特許明細書分析表示装置。 - 特許明細書に記載された情報を抽出してこれを表示するための特許明細書分析表示装置において、
上記特許明細書の記載を自動的に抽出する自動抽出手段と、
上記自動抽出手段により抽出された特許明細書の段落毎に、又は文毎に、その記載の役割に基づいて予め規定した属性を自動的に割り当てる割当手段と、
上記割当手段により割り当てられた属性を上記段落毎に、又は上記文毎に分類表示する表示手段とを備えること
を特徴とする特許明細書分析表示装置。 - ネットワークを介して送信されてきた特許明細書の内容を分析する特許明細書分析システムにおいて、
特許明細書のデータが先に入力される端末装置と、
上記端末装置から上記ネットワークを介して上記特許明細書を受信し、その受信した特許明細書中に記載された全ての又は一部の発明概念を、特許請求の範囲にクレームアップされていないものも含めて、当該特許明細書の記載から自動的に抽出する自動抽出手段と、上記自動抽出手段により抽出された発明概念の上下関係並びにその作用効果の大きさを、その抽出された特許明細書の記載から識別する識別手段と、上記識別手段により識別された発明概念の上下関係を表示するとともに、その作用効果の大きさをその表示すべき発明概念に反映させる表示内容を生成する表示生成手段と、を有する明細書分析装置を備え、
上記明細書分析装置は、上記表示生成手段により生成した表示内容を上記ネットワークを介して上記端末装置へ送信すること
を特徴とする特許明細書分析システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004343801A JP2006155151A (ja) | 2004-11-29 | 2004-11-29 | 特許明細書分析表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004343801A JP2006155151A (ja) | 2004-11-29 | 2004-11-29 | 特許明細書分析表示装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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