JP2010286789A - ズームレンズ鏡筒 - Google Patents

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Abstract

【課題】沈胴式のズームレンズ鏡筒において、撮影状態から沈胴状態へ意図しない切換わり操作を防止するズームレンズ鏡筒を提供する。
【解決手段】上記撮影レンズが内部で移動する固定枠60と、上記固定枠に対して移動自在設けられ、回動操作によって上記撮影領域内及び上記沈胴領域内で撮影レンズを移動させ、上記撮影領域の端部のうち沈胴領域側の端部においては光軸方向への直進操作が可能なように設けられたズーム環100と、上記ズーム環の上記撮影領域から沈胴領域方向への切換わりを規制するロック部105、185,190を備え、上記ロック部は、上記撮影領域の端部のうち沈胴領域側の端部に上記ズーム環が位置する場合に、当該ズーム環に対する沈胴領域側への回動操作を禁止し、上記端部の位置にあるズーム環に対する上記直進操作によって、上記ズーム環の沈胴領域側への回動操作を禁止する状態から禁止しない状態に切換えられる
【選択図】図6

Description

本発明は、沈胴式のズームレンズ鏡筒のズーム沈胴の切換え構成に関する。
ズームレンズ鏡筒ではしばしばレンズの全長が長くなり、このままでは携帯時や不使用時には不便と感じられることも多く、これを解決するため不使用時にはレンズ長を短縮できる沈胴式のズームレンズ鏡筒が利用される。
例えば、特許文献1では、回転操作によりズーム位置を変更させるズーミング操作部材を光軸方向への移動操作をさせることによって、フォーカシングレンズを焦点位置調整のため移動させる移動機構とフォーカシングレンズとのクラッチを解除させて、フォーカシングレンズを焦点の無限位置を越えた位置に移動させるという、ズームレンズ鏡胴が開示されている。
特開昭50−65224号公報
例えば一眼レフのズームタイプの交換レンズには、焦点距離調整をズーム環の操作によって行わせる形式がみられる。この形式で、さらに、焦点距離調整を行わせるズーム環の操作で沈胴領域への移行もできるように構成されていると、撮影と沈胴間の領域移行が便利になる。
しかし、撮影領域から沈胴領域への移行が完全なシームレスでなされてしまうと、撮影中に焦点調整をするつもりで沈胴領域へ移行させてしまい、画像のピントがずれてしまうおそれがある。
そこで、撮影領域から沈胴領域への移行操作をズーム環の操作で行わせるが、その際に撮影領域から誤って沈胴領域へ移行させることのないような手段が加われば、誤操作のない使いやすいズームレンズ鏡筒となる。
本発明は、上記課題に鑑み、沈胴式のズームレンズ鏡筒において、撮影状態から沈胴状態へ意図しない切換わり操作を防止するズームレンズ鏡筒を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかるカメラは、撮影レンズが焦点調整のために移動される撮影領域と当該撮影レンズを格納するための沈胴領域とを連続的に有するズームレンズ鏡筒において、上記撮影レンズが内部で移動する固定枠と、
上記固定枠の外周に摺動自在設けられ、撮影者の回動操作による角度に応じて上記撮影領域内及び上記沈胴領域内で撮影レンズを移動させ、撮影者による撮影光軸方向への直進操作によって撮影領域から沈胴領域への操作の領域を切換えるズーム環と、上記固定枠に設けられ、上記ズーム環の沈胴領域方向への回動を禁止するロック部を備え、上記ロック部は、上記ズーム環が撮影領域の端部のうち沈胴領域側の端部に相当する角度位置である境界位置にある場合に、当該ズーム環を係止して上記ズーム環の沈胴領域方向への回動を禁止し、さらに上記ロック部は、上記ズーム環の移動に合わせて上記直進操作の方向へ移動されるよう上記固定枠に設けられ、上記境界位置にあるズーム環に対しての上記直進操作によって、上記ズーム環を係止する位置から係止しない位置に移動され、当該直進操作が解除された状態でも、上記係止しない位置に保持される ことを特徴とする。
沈胴式のズームレンズ鏡筒において、撮影状態から沈胴状態へ意図しない切換わり操作を防止するズームレンズ鏡筒を提供することができる。
図1は、ズームレンズ鏡筒の分解斜視図である。 図2は、図1の分解斜視図の中で、ピニオンギヤを駆動する駆動機構の要部を説明する図である 図3は、ズームレンズ鏡筒の断面図で、沈胴状態の断面図である。 図4は、ズームレンズ鏡筒の断面図で、撮影開始状態の断面図である。 図5は、ズームレンズ鏡筒の断面図で、撮影状態の断面図である。 図6は、要部の斜視図で、ズーム環100の操作による撮影領域から沈胴領域への切換え機構を構成する主要部品の図である。 図7は、ズームレンズ鏡筒の断面図で、ロック板185がコイルばね180によって被写体方向に付勢されていることを説明するための図である。 図8は、レバー部186の自由状態と拘束状態の変位を対比して示す図である。 図9は、ズーム環の操作によるロック板185とレバー部186の移動の様子を、移動の順番で説明するための模式図である。
以下、本発明の実施の形態を図1から図9に基づいて説明する。本実施形態では、本発明のズームレンズ鏡筒を一眼レフカメラ用の交換レンズに適用した例で示す。
図1は、ズームレンズ鏡筒1の主要部材を分解して、光軸Pに沿って並べた分解斜視図である。紙面の左側が被写体側、右側がカメラボディ側である。
ズームレンズ鏡筒1は、主要部材として、被写体側から順番に、第1前枠10、第2前枠20、AF枠30、外カム枠40、内カム枠50、固定枠60、第2レンズユニット80、焦点環95、仕切り板98、ズームカバー99、ズーム環100、第3レンズ枠110、保持枠115、レンズマウント120から構成される。つまり、レンズマウント120が最もカメラボディ側に位置する。カメラボディは、周知の形状なので、その図は、説明簡略化のため省略する。なお、ズーム環100を第1の枠部材、固定枠60を第2の枠部材、外カム枠40を第3の枠部材、第2前枠20を第4の枠部材 とも表記する。
また、複数のレンズから形成されるレンズ群は、被写体側から順番に、第1レンズZ1、第2レンズ、第3レンズZ3 で構成される。第2レンズは、説明の便宜上第21レンズZ21と第22レンズZ22に分けている。後述するように、ズームレンズ鏡筒1は、非撮影状態では第1レンズZ1、第2レンズ等を内部に収納して、全体長を撮影状態よりも短縮することができる。そしてこの態様は、機能的にはレンズ一体型カメラで言う沈胴状態と同一なので、本実施形態では、この短縮状態を沈胴状態と呼ぶ。
以下に各部材を詳細に説明する。なお、以下説明においては、被写体側を前方側あるいは前方、カメラボディ側を後方側あるいは後方とも表記する。また、最後の大文字のアルファベットが付加された符号は、嵌合の組み合わせを示すためのもので、アルファベットが同一の符号の部材が嵌合の組み合わせであることを示す。
第1前枠10は、円筒形状を有し、第1レンズZ1が内部の前方側に保持されている。第1前枠10は、ピント調整用の鏡枠である。第1前枠10には、外周の前方端にフランジ部11が形成され、外周面のフランジ部11の後方に全面に渡ってオスヘリコイドネジ12が形成されている。第1前枠10の内周には、破線で示すように後方端から前方端に向かって光軸に平行に嵌合溝13Aが2箇所形成されている(1箇所のみ図示)。この嵌合溝13Aには後述するAF枠30の駆動片35Aが嵌合されて、第1前枠10は、AF枠30の回動に連動して回動される。
第2前枠(第4の枠部材)20は、円筒形状を有し、内部は空間になっていて、内周には前方端部から中央までの領域にメスヘリコイドネジ21が形成されている。このメスヘリコイドネジ21には、オスヘリコイドネジ12が係合される。第2前枠20の外周には、嵌合凸部22Cとその上に更にカムピン23Bが設けられた嵌合部の組が、円周に沿って略120度均等で各3箇所設けられている。
嵌合凸部22Cは、角型で径方向に突出した形状で、後述する内カム枠50の直進溝52Cに嵌合される。また、カムピン23Bは、円筒形状で、後述する外カム枠40のカム溝41Bに嵌合される。また、第2前枠20の後端には、逃げ部24が光軸方向と平行な切欠きとして形成されている。逃げ部24は、後述する第2レンズユニットのガイド腕88Hが移動する際に、ガイド腕88Hとの干渉の防止するための逃げ部である。逃げ部24はガイド腕89Hの対応する第2前枠20の3箇所の位置に形成されている。
AF枠30は、第1前枠10を第2前枠20に対して移動させるためのAFモータ31、AFモータ31の回転を減速するための円弧状のギヤボックス32、ギヤボックス32に内蔵される出力ギヤによって回転される駆動リング33等から構成される。駆動モータ31とギヤボックス32は、第2カム枠20の内周に固定される。一方、駆動リング33は、第2前枠20に対して、図示せぬ構成により回転可能に支持される。ギヤボックス32の内部には、AFモータ31からの回転を減速する複数のギヤが配列されている。
駆動リング33の内周の一部には、ギヤボックス32の出力ギヤに噛み合うギヤ部34が形成され、また駆動リング33には前方方向に突出するように駆動片35Aが形成されている。駆動モータ31の回転によりギヤボックス32を介して駆動リング33が光軸を中心として回動され、この回動が駆動片35Aと駆動片35Aが嵌合された嵌合溝13Aを介して第1前枠10に伝達される。
第1前枠10は、オスヘリコイドネジ12がメスヘリコイドネジ21に係合されているので、第2前枠20に対して回動しながら前後に進退移動する。これにより、ピント調整が行われる。
外カム枠40(第3の枠部材)と内カム枠50とは、光軸方向には一体で移動し、回転方向には独立して移動可能で、焦点距離変更のために、第2前枠20と第2レンズユニット80を移動させるためのものである。
外カム枠40は円筒形状を有し、内部が内カム枠50を収納する空間になっている。外カム枠40の内周には、いずれも有底溝としてカム溝(第2のカム溝とも呼ぶ)41Bとカム溝42Dが形成されている。カム溝41Bは、第2前枠のカムピン23Bが嵌合されるもので、第2前枠20を移動させるためのカム溝である。カム溝42Dは、後述する第2レンズユニットのカムピン89Dに嵌合されるもので、第2レンズユニットを移動させるためのカム溝である。
外カム枠40の内周の後方端付近に、円周方向に沿って有底の規制溝46Fが形成されている。この規制溝46Fは、後述する内カム枠50の規制突起54Fが嵌合されるもので、外カム枠40の内周に嵌合された内カム枠50を回転のみ移動可能に規制する。外カム枠40の外周の後方に、円周方向に沿って外周ギヤ44が、ほぼ全周に渡って形成されている。外周ギヤ44は、後述する固定枠60のピニオンギヤ170が噛み合うもので、外カム枠40を固定枠60に対して回動させる。また、固定枠60に対して外カム枠40と内カム枠50が焦点距離変更時に光軸方向に移動するので、外周ギヤ44の歯幅は、ピニオンギヤ170の移動範囲を考慮した分だけ広い幅で形成されている。
外カム枠40の外周の外周ギヤ44が形成された領域には、さらに径方向に突出するようにカムピン45Eが設けられている。カムピン45Eは、後述する固定枠60のカム溝62Eに嵌合されるもので、焦点距離変更のために、固定枠60に対して外カム枠40と内カム枠50の組を前後に移動させる。
内カム枠50は円筒形状を有し、内部は空間で、後方端にはフランジ部55が形成されている。内カム枠50は外カム枠40の後方から挿入され、内カム枠50のフランジ部55が外カム枠40の後方端に当接する。内カム枠50の外周が外カム枠40の内周に摺動可能に嵌合される。
内カム枠50の周面には、貫通口である直進溝51H及び直進溝52Cが光軸方向にそれぞれ3本形成されている。直進溝51Hは、後述する第2レンズユニット80のガイド腕88Hが嵌合されるもので、第2レンズユニット80の回動を禁止して光軸方向にのみ移動可能に案内する。直進溝52Cは、嵌合凸部22Cが嵌合されるもので、第2前枠20の回動を禁止して光軸方向にのみ移動可能に案内する。
内カム枠50の外周には、規制突起54Fが形成されている。規制突起54Fは、外カム枠40の円周溝46Fに嵌合されるもので、外カム枠40の内カム枠50に対する移動を、回転方向にのみ許可し、光軸方向への移動を禁止する。また、内カム枠50のフランジ部55には、径方向に規制突起53Gが形成されている。規制突起53Gは、後述する固定枠60の直進溝63Gに嵌合されるもので、内カム枠50の移動を光軸方向にのみ移動可能に案内し、回動を禁止する。
固定枠(第2の枠部材)60は円筒形状を有し、内部は空間で構成される。固定枠60は、先端にフランジ部61が形成され、内周にはカム溝62と光軸方向に沿った直進溝63Gが形成されている。直進溝63Gは破線で示す。カム溝62は、カム溝62Eとカム溝62Eに連続したカム溝62E´からなる。前述した外カム枠40のカムピン45Eが嵌合される。カム溝62Eは、沈胴領域で外カム枠40を移動させ、カム溝62E´は撮影領域で外カム枠40を移動させるものである。本図では、カム溝62E´は、円周に平行なカム溝で示されている。この場合には、外カム枠40は、光軸方向には進退しないで、相対回動のみを行われる。もちろん、カム溝62E´は、角度を持ったカム溝であっても良い。具体的な、光学設計次第である。
直進溝63Gは、前述した内カム枠50の規制突起53Gが嵌合されるもので、内カム枠50の移動を光軸方向に許容し、光軸周りの回動を禁止する。
固定枠60の外周には、円周方向の3箇所に、略120°均等間隔で取付部64が形成されている。取付け部64は、光軸と平行に外周を掘り込むように設けられ、それぞれ軸171、ピニオンギヤ170、板172が組み付けられる。軸171は、ストレートのシャフトである。板172は、光軸と平行な方向に細長い、薄板形状である。板172の中央付近には、板172の面に垂直に外側に向けてカムピン173Jが設けられている。板172の前方側に四角形状で開口部174が形成されている。ピニオンギヤ170は、外カム枠40の外周の外周ギヤ44とズーム環100の内周ギヤ101の両方にかみ合う。
板172は、またピニオンギヤ光軸駆動部材とも呼ぶ。詳細は、図2で説明する。
固定枠60の外周面には、取付部64に隣接するように、ロック板取付部67が形成されている。ロック板取付部67は、後述するズーム環100が撮影位置から沈胴位置に移動するのを規制するためのロック板185がスライド移動可能に取り付けられる箇所である。コイルばね180はロック板185を常時被写体方向に付勢するためのものである。
固定枠60の外周面の後端側には、ガイドピン72が設けられている。ガイドピン72は、特定の角度位置にあるズーム環100のガイド溝103に嵌合するもので、ズーム環100が特定の角度にあるときのみズーム環100が後方側へ移動されるのを許可するためのものである。このため、ガイドピン72とガイド溝103を直進操作許可部とも呼ぶ。詳細は、図6以降で説明する。
第2レンズユニット80は、被写体側から順番に、前段レンズ枠81、絞りユニット85、後段レンズ枠87が、一体として構成される。
前段レンズ枠81には、第21レンズZ21が保持される。絞りユニット85は、内部に絞り羽根を備えて、通過する被写体光量を内部の絞り羽根の開閉により調整するためのものである。絞りユニット85は、円筒形状で、側面に、内部の絞り羽根の開閉を調整する絞りモータ86を備えられる。
後段レンズ枠87は、第22レンズZ22を中央部に保持する円盤状の部分と、円盤状の部分から円周方向に略120°間隔で径方向に伸びるような3本の腕状の部分と、3本の腕状の部分の端部からさらに光軸方向に沿って前方方向に伸びるよう形成されたガイド腕88Hから構成される。
3箇所の細長形状のガイド腕88Hの先端付近には、さらにそれぞれカムピン89Dが設けられている。ガイド腕88Hは、内カム枠50に形成された直進溝51Hに摺動可能に嵌合される。ここで、内カム枠50の移動は光軸方向にのみ移動可能に規制されているので、第2レンズユニット80の移動も光軸方向にのみ移動可能に規制される。カムピン89Dは、外カム枠40に設けられたカム溝42Dに摺動可能に嵌合されるもので、外カム枠40の回動に応じて第2レンズユニット80の光軸方向の位置を決める。
焦点環95は、リング形状を有し、焦点位置(ピント)を調整するためにユーザーによって回動操作される操作部材である。操作された回動量は、不図示のロータリーエンコーダーによって検出され、検出されたパルス数に応じた量だけ回動するようにAFモータ31に指示がなされる。仕切り板98は、リング形状を有し、焦点環95とズーム環100とを仕切るためのもので、焦点環95とズーム環100の間に挟まれて固定枠60に固定される。
ズームカバー99は、ズーム環100の外周に組みつけられて、ズーム環100の操作性を向上させるズーム環の外装部材である。ズームカバー99は、薄肉の円筒形状で、例えばプラスチックやゴムで形成され、外周にはすべり止め部が間欠的に形成されている。
ズーム環(第1の枠部材)100は、焦点距離を変更するためにユーザーによって回動操作される操作部材である。ズーム環100は、円筒形状を有し、内周に内歯ギヤ101、ズームカム溝102Jが形成されている。ズームカム溝102Jは、沈胴領域を担当する沈胴領域カム溝102J―1と撮影領域を担当する撮影領域カム溝102J−2が、連続するものである。各レンズ鏡枠類を沈胴(短縮)状態の位置まで移動させる沈胴領域を担当する沈胴領域カム溝102J−1は、斜めに形成されている。撮影領域を担当する撮影領域カム溝102J−2は、円周に沿って形成されている。沈胴領域カム溝102J−1と撮影領域カム溝102J−2の合流点からやや撮影領域カム溝の中に入った位置が、撮影開始の位置である。ズームカム溝を第1のカム溝とも呼ぶ。ズームカム溝102Jは板72を介してピニオンギヤ170を光軸方向に移動させるもので、内歯ギヤ101はこのピニオンギヤ170を回動させる。
また、ズーム環100の後端には、ズーム環100をワイド端の位置で後ろ側に引っ張る操作(直進操作とも呼ぶ)によって、ズーム環の沈胴領域への切換え操作を許可するために、規制部105とガイド溝103とが設けられる。
ズーム環100の後端には、ズーム調整可能な領域である撮影領域に対応する撮影用当接部104−1と、沈胴領域に対応する沈胴用当接部104−2が形成されている。沈胴用当接部104−2は、撮影用当接部104−1より一段高く形成されている。撮影用当接部104−1から沈胴用当接部104−2に移行する段差の部分が規制部105である。
ガイド溝103は、ズーム環100の上記後方側に引っ張る操作が、ズーム環100が固定枠60に対して特定の角度(ワイド端)でのみ許可されるようにするためのものである。ガイド溝103は、ズーム環100がワイド端を指示する角度で、ガイドピン72の位置に一致する位置に形成されている。詳細は、図6以降で説明する。
内歯ギヤ101は、ズームカム溝102とズーム環100の前方側端面との間に形成されている。内歯ギヤ101の歯幅は、対応するピニオンギヤ170の歯幅より十分広く形成され、沈胴領域の完了部で最大幅で、沈胴領域カム溝102J−1に沿って撮影開始位置まで次第に減少する。撮影領域では、撮影領域カム溝102J−2が円周に沿って形成されているので、内歯ギヤ101の歯幅は一定で形成される。なお、本図では、撮影領域カム溝102J−2は、円周と平行な溝として説明したが、角度を有した溝であってもよい。詳細は、図2で説明する。
ズーム環100と保持枠115の間に挟まれるように、リング状の板ばね108が設けられる。板ばね108は、いわゆる波型スプリングワッシャーで、前後移動可能なズーム環100の後端に当接して、ズーム環100を常時被写体側に付勢させるためのものである。これにより、ズーム環100を後方に引っ張る操作した後にその手を放せば、ズーム環100は元の位置に復帰する。
3レンズ枠110には、第3レンズZ3が保持されている。保持枠115は、リング形状を有し、第3レンズ枠110を内部に保持している。レンズマウント120は、ズームレンズ鏡筒1を図示なきカメラボディに取り付けるための取付け部材であり、保持枠115を介して固定枠60に固定されている。
また、ズーム環100と第3レンズ枠110の間には、さらに不図示の電気基板が配置される。電気基板には、ズームレンズ鏡筒1における制御回路系が実装されている。電気基板には、AFモータ31、絞りモータ86等のドライブ回路や、焦点環95用のロータリーエンコーダーの検出回路、あるいはカメラボディとの通信インターフェース回路等が実装されている。
図2から図5は、本実施形態の第1の特徴である、ピニオンギヤ駆動機構を説明するための図である。図2は、ピニオンギヤ170の駆動機構を説明するための図であって、上記図1において示した主要部材の中で、ピニオンギヤ170の駆動機構に係る部分を抽出して拡大した斜視図である。ピニオンギヤ170は固定枠60に3箇所取り付けられるが、動作は共通なので、ここでは1箇所を代表して示す。なお、ここで、ロック板185は、ロック板取付部67に取り付けられた状態を図示している。
固定枠60の外周面の一部に光軸と平行な方向で取付け部64が形成されている。取付け部64は、外周面から一段掘り込まれた平面部分と、その凹んだ平面部分に光軸と平行に設けられた長穴の貫通孔65と、軸171を保持するために貫通孔65の両端に形成された有底溝である軸受け部66とから構成される。
ピニオンギヤ170が挿通可能に組みつけられた軸171が、その両端が軸受け部66に支持されて取付けられる。取り付けられた状態で、ピニオンギヤ170は、軸171に対して回転及び軸方向への移動が可能である。ピニオンギヤ170が組みつけられた軸171が取付け部64に取り付けられた後に、取付け部64が、開口174からピニオンギヤ170を覗かせるようにして、軸171の上に組み付けられる。
板172に設けられたカムピン173Jがカム溝102J−1、102J−2に嵌合されているので、板172は、このカム溝に沿って光軸方向に移動される。この状態で、ピニオンギヤ170は、その回動は自在であるが、板172の移動に従って光軸方向へ移動される。つまり、板172はピニオンギヤを光軸方向に進退させる機能を備えるので、ピニオンギヤ170を光軸駆動部材とも呼ぶ。
以上の構成による各鏡枠の一連の動作を簡単に説明する。まず、沈胴完了状態から、ズーム環100が回動されると、ピニオンギヤ170が内歯ギヤ101により回転される。そして、沈胴領域カム溝102J−1とカムピン173Jとの係合により、前進しながら回転されるピニオンギヤ170によってこれに噛合する外周ギヤ44の回動により外カム枠40が回動される。このときに外カム枠40は固定枠60のカム溝62E´に従うので回動しながら前進する。内カム枠50は外カム枠40の前進にのみ連動するので、回動はせずに直進移動する。外カム枠50の回動によりカム溝41Bに従い第2前枠が前進する。第2前枠の前進に従い、第1前枠も前進する。外カム枠40のカム溝42Dに従い第2レンズユニット80も前進する。AF枠30は、第2前枠と一体なので、第2前枠とともに前進する。
図2(B)は、板172によるピニオンギヤ170の駆動を説明する部分図である。実線で示される板172aが、沈胴完了状態にある板172aを示し、最も後方に位置する。同じく実線で示されるピニオンギヤ170aが、対応する位置のピニオンギヤ170aである。
そして、図2(A)で、ピニオンギヤ170の移動軌跡を内歯ギヤ101に重畳して破線sで示す。この沈胴完了状態でのピニオンギヤ170aは、ピニオンギヤ170の歯幅より十分広く形成された内歯ギヤ101の歯幅の後方側の位置(s1)で噛み合っている。
沈胴完了状態からズーム環100が回動されると、板172は沈胴領域カム溝102J−1の軌跡に沿って、板172aの位置から前側(被写体側)方向に移動する。板172の移動に従って開口174に係合されるピニオンギヤ170も、前側(被写体)方向に移動される
ピニオンギヤ170は、移動軌跡sで示されるように、内歯ギヤ101の斜めの領域をトレースしながら前側方向に移動する。つまり、ピニオンギヤ170の移動する位置には、常に内歯ギヤの歯が確保されるようになっている。
そして、ズーム環100が回動されて撮影開始可能になった状態では、板172が破線の板172bの位置になり、ピニオンギヤ170が破線のピニオンギヤ170bの位置になる。ピニオンギヤ170は、内歯ギヤ101上で噛み合い位置ではs2に達している。
そして、撮影状態で焦点距離変更のために、ズーム環100がさらに回動された場合には、ピニオンギヤ170は光軸方向へは移動されなくなり、ピニオンギヤ170は内歯ギヤ101の歯幅が一定に形成された領域で噛み合って、回転される。このとき、カムピン173Jは撮影領域カム溝102J−2の中を摺動している。
そして、回転されるピニオンギヤ170は、その内側の歯で、固定枠60の内周に嵌合された外カム枠40の外周ギヤ44と噛み合っている。ここで、固定枠60の内周に嵌合された外カム枠40の外周ギヤ44は、その歯幅がピニオンギヤ170より数倍広い歯幅で形成されている。これは、前述したように、焦点距離変更時には、外カム枠40と内カム枠50が固定枠60に対して移動するためにその移動量をカバーするためである。
以上により、ズーム環100の回動が、前後への移動も可能なピニオンギヤ170の回転を介して、外カム枠40の回動に伝達される。
図3から図5を用いて、以上の動作によるズームレンズ鏡筒1の鏡枠の移動の様子を簡単に説明する。図3から図5は、沈胴(短縮)と撮影の各状態間での、ズームレンズ鏡筒1を光軸面で断面した図である。図3は、沈胴状態でのズームレンズ鏡筒1の断面図である。図4は、撮影開始可能状態でのズームレンズ鏡筒1の断面図である。図4でのズーム距離は、ワイド端であり、ピントは無限遠位置とする。図5は、ズームがテレ端状態でのズームレンズ鏡筒1の断面図である。ピントは同じく無限遠位置とする。もちろん、テレワイドやピントの設定はこれに限られるものでなく、あくまで一例である。なお、ズームカバー99と板ばね108は、簡便のため図示を省略している。
図3から説明する。焦点環95、仕切り板98、ズーム環100が、固定枠60と保持枠115の間に挟まれるように設けられている。レンズマウント120は、カメラボディに対向する側に設けられている。沈胴状態では、固定枠60の内部空間に、第1前枠10、第2前枠20、外カム枠40、内カム枠50が全て収納されている。第1前枠10も第2前枠20内部に最も引き込まれている。この状態では、第1レンズZ1、第21レンズZ21、第22レンズZ22等の部材も、光軸方向の間隔をぎりぎり詰められて固定枠60の内部に収納されている。そして、ピニオンギヤ170、板72も、後方側に位置している。
図4は、撮影開始状態での図である。撮影者によるズーム環100の回動操作によって、図3の沈胴状態から撮影開始状態に移行する。上記で説明したように、ズーム環100の回動操作によって、ピニオンギヤ170、板72が前方側に移動され、ピニオンギヤ170の回転によって、外カム枠40、内カム枠50も前方側(被写体側)に移動される。同時に、外カム枠40の回動により、第2前枠20も前方側に移動される。同様に、第2レンズユニット80(前段レンズ枠81、絞りユニット85、後段レンズ枠87)も、外カム枠40の回動により、前方側に移動される。前述したように、第2レンズユニット80の焦点距離はワイド端で、第1前枠10のピント位置は無限遠とする。さらに、焦点環95の操作があれば、AFモータ31の駆動によって、第1前枠10が第2前枠20の内部から、前方側に移動される。
図5は、撮影状態でのテレ端での図である。更なるズーム環100の回動操作によって、ピニオンギヤ170、板172の前後位置は変化しないが、ピニオンギヤ170の回転によって、外カム枠40、内カム枠50がさらに前方側(被写体側)に移動される。あわせて第2前枠20と第2レンズユニット80もさらに前方側に移動される。
以上説明したように、ズーム環100の回動に連動してピニオンギヤ170を移動させる手段として、一部でピニオンギヤ170の歯と係合し、ズーム環100の回動に連動して移動する板172を内部に設けるようにしたので、カム枠(外カム枠40、内カム枠50)駆動用のピニオンギヤ170をカム枠の前後移動に同期して駆動させるための機構をコンパクトに構成することができる。
図6から図8は、本実施形態の第2の特徴である、ズーム環による撮影沈胴切換え機構を説明する図である。
図6は、ズーム環100の操作による撮影領域から沈胴領域への切換え機構を構成する主要部品の構成を説明する図である。図6(A)は、図1の全体図から、この機構に係る固定枠60とズーム環100を抜き出した図である。ここで、ピニオンギヤ170と板172は固定枠60に組みつけられた状態を示している。ロック板取付部67は、固定枠60の外周面から一段彫りこまれた部分で、ロック板185が光軸方向にスライド可能に保持される。ロック板取付部67には、さらにコイルばね180を保持しておくためのばね受け70が形成される。
ばね受け70は、固定枠60の外周面に光軸方向に細長く形成された凹部で、固定枠60の肉に対して半円状に掘り込まれている。コイルばね180は、圧縮コイルばねで、矢印のように、ばね受け70に装着される。ロック板185の表面にはロックピン190が設けられる。
前述したようにズーム環100の内周には、円周方向に平行に形成されている撮影カム溝102J−1と斜め方向に形成されている沈胴カム溝102J−2とが連続して設けられている。撮影カム溝102J−1と沈胴カム溝102J−2の組は3組設けられている。本図では、そのうちの1組を破線で示す。
前述したように、沈胴当接部104−2は撮影当接部104−1よりも光軸の方向でみてより奥の位置に設けてある。規制部105は、上記撮影領域の角度範囲に対応する撮影当接部104−1と沈胴領域の角度範囲に対応する沈胴当接部104−2との段差の部分である。つまり、規制部105は、撮影領域から沈胴領域へ移行する際にロックピン190が衝突する壁となって、ズーム環100が撮影領域から沈胴領域へそのままでは移動することを禁止する。つまり、ロックピン190は、ズーム環60の沈胴領域側への回動を禁止するために規制部105に当接する当接部材である。
また、ズーム環100の後端には、前方方向へ切り欠くような形状で、ガイド溝103が設けられる。ガイド溝103にはガイドピン72が嵌合される。
図6(B)は、固定枠60の外側にズーム環100が組みつけられた状態を示している。実線で固定枠60を示し、破線でズーム環100を示す。なお、ズームカバー99は本構成の説明には不要なので、ズームカバー99の図示は省略している。ここで、ズーム環100の角度位置は撮影領域のワイド端にある状態である。本例では、この撮影領域のワイド端が撮影領域から沈胴領域へ切換え位置に相当する。以下でズーム環100が固定枠60に対して撮影領域のワイド端をある角度位置を、つまり上記撮影領域の端部のうち沈胴領域側の端部を、説明上境界あるいは境界位置とも呼ぶ。
前述したように、板172に設けられたカムピン173Jが撮影カム溝102J−2で嵌合されている。ワイド端の位置なので、カムピン173Jの位置は、円周と平行に形成された撮影カム溝102J−1の中でも沈胴カム溝102J−2の開始点の直前の位置である。
前述したように、ロック板185は、ロック板取付部67にスライド可能に取り付けられ、ばね受け70に装着されたコイルばね180によって被写体方向に付勢されている。
図7は、図6(B)のXX断面図で、ロック板185がコイルばね180によって被写体方向に付勢されていることを説明するための部分断面図である。コイルばね180は圧縮された状態でばね受け70に装着され、コイルばね180の右端が固定枠60のばね受け70の壁に当接し、コイルばね180の左端がロック板185の内側の壁に当接している。従って、ロック板185は、固定枠60に対して被写体方向(図7では左方向)に常に付勢される。これにより ロックピン190が撮影当接部104−1に当接される。
図6(B)に戻る。ズーム環100が境界位置にある場合には、ズーム環100のガイド溝103は、ガイドピン72の手前に位置していて、ガイドピン72へ進入することが可能な位置である。
ロック板185は、略長方形の形状で、短辺側の中央付近から長辺方向に向かってスリットが形成されている。ロック板185は、このスリットは境にして、コイルばね180を裏側に保持している平面部と、この平面部の根元から被写体方向に伸びた片持ちはり状のレバー部186に分かれる。円筒形状のロックピン190は平面部分の後端に設けられている。
レバー部186には、その自由端部にロック板185の短辺方向に平行な係止部186aと、この係止部186aから一段下がった位置で同じく短辺方向に平行な係止部186bと、更に係止部186bに隣接して長辺方向に平行な係止部186c、および係止部186cに隣接して つめ形状の係止部186dの計4つの係止部が設けられる。
ロック板185は変位自在なプラスチックで形成され、レバー部186は、その根元を中心に弾性変形可能である。図8は、レバー部186の自由状態と拘束状態の変位を対比して示す図である。本図で、実線で示すのが外力のない自由状態のレバー部186の形状である。破線で示すのが矢印の方向にたわませられて、拘束された状態のレバー部186の形状である。つまり、レバー部186は、自由形状では図8で見て左側に傾いた状態で、拘束された状態で長手方向とほぼ平行な状態となる。
図6(B)に戻る。固定枠60のロック板取付部67には、レバー部186の係止部を係止するための係止壁68が設けられる。ズーム環100が境界位置にある場合には、レバー部186の係止部186cが、係止壁68に係止され、レバー部186は図8の破線で示したような拘束された状態である。また、この状態で、係止部186dは係止壁68対して狭い間隔kで配置されている。ロックピン190は、撮影用当接部104−2の境界位置でズーム環100に当接される。
図9は、ズーム環100の操作によるロック板185とレバー部186の移動の様子を、移動の順番で説明するための模式図である。図6(B)を後方側から見た図である。
図9(A)から(E)までは、ズーム環100がワイド端の撮影状態(境界位置)から沈胴完了位置まで回動する間で、ロック板185の動きを説明する模式図である。ズーム環100の形状を破線で示す。
(A)は、図6(B)と同じ状態で、ワイド端の撮影状態での位置関係を示す。図6(B)での説明の繰り返しになるが、ガイド溝103はガイドピン72の手間に位置し、ロックピン190は、規制部105の直前の撮影用当接部104−2の境界に位置している。さらに、レバー部186は係止部186cで係止壁68に当接されている。この状態では、ズーム環100を沈胴方向に回動させようとしても、ロックピン190が規制部105に衝突するので、ズーム環100を沈胴状態に切換えることはできない。
なお、この状態でズーム環100がテレ側に回動操作されると、ガイド溝103がロックピン190を通過するが、図6(B)で説明したように、ロック板185の上方向への移動が、係止部186dと係止壁68のすきまkで制限されているので、ロックピン190がガイド溝103に嵌るおそれはない。また、ズーム環100の撮影範囲内での回動回動範囲では、ガイド溝103を、当該ガイド溝103がロックピン190に対応することのない位置に設けるようにしておけば、その心配もない。
(B)は、撮影者によってズーム環100がt方向(本図で下方向)に引っ張られた状態の途中を示す。ズーム環100を撮影者からみて後方側に引っ張る操作が、撮影状態から沈胴状態へ切り替える操作に該当する。ガイド溝103がガイドピン72に進入するので、ズーム環100の下方向への移動が許可される。他の角度位置では、撮影用規制端104−2がガイドピン72に衝突するので、ズーム環100は手前に引っ張ることはできない。また、撮影カム溝102J−1にカムピン173Jが係合されている板172も、連動してt方向(下方向)に移動される。
そして、撮影用当接部104−2の下方向への移動に伴い、コイルばね180によって上方向に付勢されているロック板185も下げられる。ロック板185が下げられると、レバー部186の係止部186cが係止壁68から離れて、レバー部186に対する拘束が解除されて、レバー部186が自由状態の方向に変位して、係止部186bが係止壁68にかかる状態になる。
(C)は、ズーム環100が最も引っ張られた状態を示す。この状態では、ロック板185が下に下げられるので、さらにレバー186が自由状態への変位が許され、係止部186aの部分で係止壁68にかかる状態になる。
(D)は、引っ張る操作が解除されて、引っ張られたズーム環100が元の位置に戻った状態を示す。ここで、レバー186は、その先端の係止部186aが係止壁68に係止されているので、ズーム環100の位置が元に戻っても、レバー186だけは、元の位置には戻らず、上記(C)で係止された位置で保持される。当然ロックピン190も元の位置へは戻らず、ロックピン190の位置が規制部105をyだけ越えた位置で保持されることになる。この状態であれば、ズーム環100を沈胴方向に回動させることができる。
(E)は、さらに、ズーム環100を沈胴方向(矢印u)に回動操作された状態を示す。ズーム環100が矢印uの方向に回動されることによって、沈胴カム溝102J−1に従って移動する板172も下方向に移動する。すると、板172の側面がレバー部186の係止部186dに当接して、ロック板185のレバー部186を元の位置に戻すように働く。
(F)は、さらにズーム環100が沈胴方向に回動されて、沈胴が完了した状態を示す。
板172がさらに下がって、レバー部186を(A)で示したようなたわんだ状態で保持する。
以上により、ズームレンズ鏡筒には、ズーム環105の撮影領域から沈胴領域への切換えを規制するロック部が備えられる。ロック部は、ロック板185とロックピン(当接部材)190と規制部105から構成される。また、ズーム環60が撮影領域の端部のうち沈胴領域側の端部にある場合に、上記ズーム環への直進操作を許可する直進操作許可部として、ガイドピン72とガイド溝103が備えられる。
ロック部は、上記撮影領域の端部のうち沈胴領域側の端部に上記ズーム環が位置する場合に、当該ズーム環に対する沈胴領域側への回動操作を禁止し、端部の位置にあるズーム環に対する上記直進操作によって、上記ズーム環の沈胴領域側への回動操作を禁止する状態から禁止しない状態に切換えられる。
また、ロック板185は、ロック板185が上記スライド移動される位置に応じて弾性的に変位されるレバー部186を有し、レバー部186は、ズーム環60が撮影領域の端部のうち沈胴領域側の端部にあって直進操作される以前の場合には、固定枠60の一部に拘束されて変位された状態にある。
そして、レバー部186は、ロック板185がズーム環60の直進操作によって段差(規制部105)を乗り越えた位置に移動された場合には、固定枠60の一部(係止壁68)との拘束が解除されて自由形状方向に変位して、レバー部186の先端が固定枠60の他の一部に係合して、ズーム環60の直進操作が解除されてもロック板185が段差を乗り越えた位置で保持される。
また、直進操作によって上記沈胴領域に切換わった後に、上記レバー部を上記固定枠の一部に拘束されて変位された状態に戻す移動部材として、板172を備える。
以上のように、ズーム環の直進方向への操作によってロック部を解除させることによって、沈胴状態への切換えが許可されるように構成したので、ズーム環以外の他のボタンを使うこともなく、撮影領域から誤って沈胴領域へ移動する操作を防止できる。
さらに、ズーム環を係止するロック板のレバー部の弾性変形を利用して、規制する位置と規制しない位置を切換えるようにしたので、少ないスペースで、切換え機構が実現される。
さらに、境界位置だけでズーム環の直進操作が可能になるようにしたので、操作のミスを防ぐことができる。
また、沈胴領域においては、ロック板のレバー部の変位を元に戻すようにしたので、沈胴領域から撮影領域への移行が支障なく行うことができる。
また、本実施の形態では、ズームレンズ鏡筒を交換レンズ形式のものを例にして説明したが、当然これに限られるものではない。レンズ一体型のカメラにも適用できることは当然である。直進可能な位置も、ワイド端に限らず、撮影領域での沈胴側の端部の近傍であればよい。
なお、本発明は上述した実施形態そのままに限定されるものではく、実施段階でのその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素を適宜組合わせても良い。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組合わせてもよい。このような、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能であることはもちろんである。
1・・・レンズ鏡筒、10・・・第1前枠、11・・・フランジ部、12・・・オスヘリコイドネジ、13A・・・嵌合溝、20・・・第2前枠、21・・・メスヘリコイドネジ、22C・・・嵌合凸部、23B・・・カムピン、 23・・・逃げ部、30・・・AF枠、31・・・AFモータ、32・・・ギヤボックス、33・・・駆動リング、34・・・ギヤ部、35A・・・駆動片、40・・・外カム枠、41B・・・カム溝、42D・・・カム溝、43・・・規制溝、44・・・外周ギヤ、 45E・・・カムピン、46F・・・円周溝、50・・・内カム枠、51H・・・直進溝、52C・・・直進溝、53G・・・規制突起 、54F・・・規制突起、55・・・フランジ部、60・・・固定枠、61・・・フランジ部、62E・・・カム溝、63G・・・直進溝、64・・・取付部、65・・・貫通口、66・・・軸受け部、67・・・ロック板取付部、68・・・係止壁、70・・・ばね受け、72・・・ガイドピン
80・・・第2レンズユニット、81・・・前段レンズ枠、85・・・絞りユニット、86・・・絞りモータ、87・・・後段レンズ枠、88H・・・ガイド腕 、89D・・・カムピン、95・・・焦点環、98・・・仕切り板、99・・・ズームカバー、100・・・ズーム環、101・・・内歯ギヤ、102J−1・・・沈胴カム溝、102J−2・・・撮影カム溝、103・・・ガイド溝、104−1・・・沈胴用当接部、 104−2・・・撮影用当接部、105・・・規制部、108・・・板ばね、110・・・第3レンズ枠、115・・・、保持枠、120・・・レンズマウント、
170・・・ピニオンギヤ、171・・・軸、172・・・板、173J・・・カムピン、174・・・開口部、180・・・コイルばね、185・・・ロック板、186・・・レバー部、190・・・ロックピン、
Z1・・・第1レンズ、Z21・・・第21レンズ、Z22・・・第22レンズ、Z3・・・第3レンズ、p・・・光軸、s・・・移動軌跡、

Claims (5)

  1. 撮影レンズが焦点調整のために移動される撮影領域と当該撮影レンズを格納するための沈胴領域とを連続的に有するズームレンズ鏡筒において、
    上記撮影レンズが内部で移動する固定枠と、
    上記固定枠に対して移動自在設けられ、回動操作によって上記撮影領域内及び上記沈胴領域内で撮影レンズを移動させ、上記撮影領域の端部のうち沈胴領域側の端部においては光軸方向への直進操作が可能なように設けられたズーム環と、
    上記ズーム環の上記撮影領域から沈胴領域方向への切換わりを規制するロック部を備え、
    上記ロック部は、上記撮影領域の端部のうち沈胴領域側の端部に上記ズーム環が位置する場合に、当該ズーム環に対する沈胴領域側への回動操作を禁止し、上記端部の位置にあるズーム環に対する上記直進操作によって、上記ズーム環の沈胴領域側への回動操作を禁止する状態から禁止しない状態に切換えられる
    ことを特徴とするズームレンズ鏡筒。
  2. 上記ロック部は、上記ズーム環に設けられる規制部と、上記規制部に当接して上記ズーム環の沈胴領域側への回動を禁止する当接部材とを有し、
    上記規制部は、上記ズーム環の一部に設けられた段差であって、
    上記当接部材は、上記ズーム環の直進操作に連動してスライド移動されるよう上記固定枠に組み付けられ、上記ズーム環の直進操作によって上記段差を乗り越えた位置に移動されて、乗り越えた位置で保持される
    ことを特徴とする請求項1記載のズームレンズ鏡筒。
  3. 上記ロック部は、上記当接部材を搭載し上記固定枠にスライド移動可能に設けられるロック板を有し、
    上記ロック板は、当該ロック板が上記スライド移動される位置に応じて弾性的に変位されるレバー部を有し、
    上記レバー部は、上記ズーム環が上記撮影領域の端部のうち沈胴領域側の端部にあって上記直進操作される以前の場合には、上記固定枠の一部に拘束されて変位された状態にあり、
    上記レバー部は、上記当接部材が設けられたロック板が上記ズーム環の直進操作によって上記段差を乗り越えた位置に移動された場合には、上記固定枠の一部との拘束が解除されて自由形状方向に変位して、当該レバー部の先端が上記固定枠の他の一部に係合して、上記ズーム環の直進操作が解除されても当該ロック板が上記段差を乗り越えた位置で保持される、
    ことを特徴とする請求項2記載のズームレンズ鏡筒。
  4. 上記ズーム環が上記撮影領域の端部のうち沈胴領域側の端部にある場合に、上記ズーム環への上記直進操作を許可する直進操作許可部を備える
    ことを特徴とする請求項1記載のズームレンズ鏡筒。
  5. 上記直進操作によって上記沈胴領域に切換わった後に、上記レバー部を上記固定枠の一部に拘束されて変位された状態に戻す移動部材を備える
    ことを特徴とする請求項3記載のズームレンズ鏡筒。
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