JP2010286652A - 光ファイバアレイ部品及び光部品 - Google Patents
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Abstract
【課題】レーザ光の戻り光による損傷を低減させる。
【解決手段】光照射装置1の光部品5では、スラブ導波路を形成するコア51の第1の端面51aのうち、光ファイバ30nのクラッド領域32のクラッド領域面32bに到達した戻り光は、クラッド領域32内を逆進し、クラッド領域32の界面から保持部43に漏れ出す場合がある。しかしながら、保持部43の屈折率は基板41、蓋部42の少なくとも一方の屈折率よりも低いことから、保持部43へ入射した光は基板41と保持部43との界面又は蓋部42と保持部43との界面から保持部43の外部へと出射される。また、スラブ導波路を形成するコア51の第1の端面51aから保持部32に対して戻り光が入射した場合にも、基板41と保持部43との界面もしくは蓋部42と保持部43との界面から保持部43の外部へと出射される。このため、戻り光による保持部43の劣化等を抑制することができる。
【選択図】図2
【解決手段】光照射装置1の光部品5では、スラブ導波路を形成するコア51の第1の端面51aのうち、光ファイバ30nのクラッド領域32のクラッド領域面32bに到達した戻り光は、クラッド領域32内を逆進し、クラッド領域32の界面から保持部43に漏れ出す場合がある。しかしながら、保持部43の屈折率は基板41、蓋部42の少なくとも一方の屈折率よりも低いことから、保持部43へ入射した光は基板41と保持部43との界面又は蓋部42と保持部43との界面から保持部43の外部へと出射される。また、スラブ導波路を形成するコア51の第1の端面51aから保持部32に対して戻り光が入射した場合にも、基板41と保持部43との界面もしくは蓋部42と保持部43との界面から保持部43の外部へと出射される。このため、戻り光による保持部43の劣化等を抑制することができる。
【選択図】図2
Description
本発明は、光ファイバアレイ部品及びこの光ファイバアレイ部品を含む光部品に関する。
光導波体を用いた光照射装置として、例えば、特許文献1のレーザ照射装置が開示されている。特許文献1に記載のレーザ照射装置は、複数台のレーザ光源から出射されたレーザビームはそれぞれが互いに異なる光ファイバに入射され、この光ファイバの出射端面から出射された光が結合レンズを経て、平板状の導波部材の入射端面へ入射される。その後、導波部材に入射された光は多重反射されながら導波部材中を進み、出射端面から被照射物に向けて出射される構成を有している。
特許文献1記載のレーザ照射装置を用いた場合、被照射物によって反射された光の一部が、戻り光として導波部材の出射端面から入射し、出射端面から入射端面へ向けて多重反射されながらこの導波部材内を進む。そして、導波部材の入射端面から出射される戻り光は、結合レンズアレイを介して光ファイバに照射される。光ファイバを被覆している樹脂や、光ファイバの配置を固定している接着剤等に戻り光が照射される場合、接着剤等が光損傷する場合がある。この光損傷は、特に、高エネルギーのレーザ光を用いる場合に顕著となる。本発明は上記を鑑みてなされたものであり、レーザ光の戻り光による損傷が低減される光ファイバアレイ部品及びこの光ファイバアレイ部品を含む光部品を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る光ファイバアレイ部品は、複数の光ファイバのそれぞれの出射端面が同一側となるように当該複数の光ファイバをアレイ状に固定する光ファイバアレイ部品であって、複数の光ファイバが設けられた表面を有する基板と、表面に設けられた複数の光ファイバを固定する保持部と、を備え、保持部の屈折率は、基板の屈折率よりも低いことを特徴とする。
上記の光ファイバアレイ部品を用いたレーザ照射装置によれば、光源から出射したレーザ光は、光ファイバアレイ部品の保持部によって基板上にアレイ状に配列され固定された複数の光ファイバのそれぞれに入射される。そして、この光は、それぞれの光ファイバのコア領域を進み光ファイバの出射端面から出射される。そして、出射端面から出射された光が被照射物に対して照射される。
一方、被照射物によって反射された光の一部が、戻り光として複数の光ファイバ及び光ファイバアレイ部品を照射する場合がある。このうち、光ファイバの出射端面からコア領域に入射した光は光ファイバのコア領域内を進む。また、光ファイバのクラッド領域に入射した光は、クラッド領域から出射して保持部へ入射する場合がある。しかしながら、保持部の屈折率は基板の屈折率よりも低いことから、保持部へ入射した光が基板と保持部との界面から基板へと出射されやすくなり、保持部内に閉じ込められる光を低減させることができる。このため、戻り光による保持部の損傷等を抑制することができる。
また、本発明に係る光ファイバアレイ部品は、複数の光ファイバのそれぞれの出射端面が同一側となるように当該複数の光ファイバをアレイ状に固定する光ファイバアレイ部品であって、複数の光ファイバが設けられた表面を有する基板と、基板の表面上に設けられた蓋部と、基板と蓋部との間に設けられており、複数の光ファイバを基板と蓋部との間に固定する保持部と、を備え、保持部の屈折率は、基板及び蓋部の少なくとも一方の屈折率よりも低い態様とすることもできる。
上記の光ファイバアレイ部品を用いたレーザ照射装置によれば、光ファイバの出射端面からクラッド領域に入射した戻り光がクラッド領域から保持部へ進んだ場合に、保持部の屈折率が基板及び蓋部の少なくとも一方の屈折率よりも低いことから、保持部へ入射した光が基板と保持部との界面や蓋部と保持部との界面から基板や蓋部へと出射されやすくなり、保持部内に閉じ込められる光を低減できる。このため、戻り光による保持部の損傷等を抑制することができる。
ここで、保持部の屈折率は複数の光ファイバのクラッド領域の屈折率よりも低い態様とすることが好ましい。上記のように光ファイバのクラッド領域の屈折率よりも保持部の屈折率を低くすることにより、光ファイバの出射端面からクラッド領域に入射した戻り光がクラッド領域と保持部との界面から保持部に進むことを抑制することができるため、保持部を照射する戻り光の量を低減させることができる。
また、保持部は、フッ素が添加されたエポキシ系樹脂を含有する態様とすることができる。フッ素が添加されたエポキシ系樹脂が保持部に含有されることにより、保持部の屈折率を低減でき、戻り光による保持部の劣化の抑制をさらに効果的に達成することができる。
また、基板の前記表面は、アレイ状に設けられた複数のガイド溝を有し、複数の光ファイバのそれぞれは、複数のガイド溝のそれぞれに配置されている態様とすることができる。このように、光ファイバを1本ずつ配置するガイド溝を基板の表面上に有することにより、複数の光ファイバを精度よく配置することができる。
また、本発明に係る光部品は、上記の光ファイバアレイ部品と、複数の光ファイバのそれぞれの出射端面を介して複数の光ファイバのコア領域に接続されたスラブ導波路を有するスラブ導波体と、を備えることを特徴とする。このように、光ファイバのコア領域に接続されたスラブ導波路を有するスラブ導波体を備えることにより、スラブ導波路により複数の光ファイバからの光を導波させて被照射物に対して照射することができる。そして、被照射物によって反射された戻り光がスラブ導波路に入射して、スラブ導波路を逆方向に進んで光ファイバアレイ部品に到達した場合でも、上記の光ファイバアレイ部品を備えるため、戻り光による保持部の損傷が低減される。
本発明によれば、レーザ光の戻り光による損傷が低減される光ファイバアレイ部品及びこの光ファイバアレイ部品を含む光部品が提供される。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
本発明の実施形態について図1〜図5を用いて説明する。図1に示すように、本実施形態に係る光部品を含む光照射装置1は、N個のレーザ光源101〜10N、N個のレンズ201〜20N、N本の光ファイバ301〜30N、光部品5及び集光レンズ60を備える。光部品5は、保持部材40(光ファイバアレイ部品)と、スラブ導波体50と、を含む。保持部材40は、光ファイバ301〜30Nを保持する部材である。光ファイバ301〜30Nとスラブ導波体50とは光学的に接続される。Nは2以上の整数であり、また、以下に登場するnは1以上N以下の整数である。
レーザ光源10nは、レーザ光を出射するものである。レーザ光源10nとしては任意のタイプのものが用いられ得るが、小型化の点で有利な半導体レーザ光源が好適に用いられる。N個のレーザ光源101〜10Nそれぞれから出射されるレーザ光の波長は、互いに略同一であってもよいし、互いに異なっていてもよく、例えば中心波長395nm〜415nm、或いは中心波長435nm〜455nmのものが好適に用いられる。レンズ20nは、レーザ光源10nと光ファイバ30nの入射端面30aとの間に設けられていて、レーザ光源10nから出射されるレーザ光を光ファイバ30nの入射端面30aに集光して、そのレーザ光を入射端面30aから光ファイバ30n内に入射する。
光ファイバ30nは、レンズ20nを介して入射端面30aに入射するレーザ光を導波して、そのレーザ光を出射端面30bから出射する。光ファイバ30nは、レーザ光源10nから出射されるレーザ光の波長において伝搬損失が小さいのが好ましく、例えば、純石英ガラスのコアを有するものが好ましい。光ファイバ30nは、シングルモード光ファイバであってもよいし、マルチモード光ファイバであってもよい。光ファイバ30nの出射端面30bは、図3に示すように、コア領域31と、このコア領域31を包囲するクラッド領域32とを有する。コア領域31の屈折率はクラッド領域32の屈折率より高い。そして、コア領域31の径は、例えば数μm〜10μmであり、クラッド領域32の径は50μm〜125μmである。一般に光ファイバのクラッド径は125μmであるが、光ファイバ30nのクラッド領域32の径を小さくすることにより、より多数の光ファイバを隣接して配置することができる。なお、この構成は全ての光ファイバ301〜30Nにおいて共通である。
光ファイバ30nの出射端面30bは、スラブ導波体50に含まれるコア51の一方の端面である第1の端面51a(入射端面)と光学的に接続されている。レンズ201〜20N及び光ファイバ301〜30Nは、レーザ光源101〜10Nから出射されるレーザ光をスラブ導波体50に含まれるコア51の第1の端面51aに入射する結合光学系として機能する。上記の光ファイバ301〜30Nは、図2に示すように、光ファイバ30nの出射端面30bが同一側となるように保持部材40によりアレイ状に固定される。なお、図2、図3では、8本の光ファイバ301〜308がアレイ状に固定される場合(すなわちN=8の場合)を示す。
保持部材40は、基板41、蓋部42、及び保持部43を含む。図2及び図3に示すように、基板41は、全体的に平板状の部材であって、その一方の表面にN本のV溝が形成される。そして、光ファイバ301〜30Nのそれぞれは、N本のV溝のそれぞれに配置されている。蓋部42は、基板41の表面に形成されたN本のV溝のそれぞれに1本ずつ配列された光ファイバ301〜30Nのうち、スラブ導波体50側の部分の上面(すなわち、光ファイバ301〜30Nを介して基板41とは逆側の面)を覆うように設けられる平板状の部材である。また、保持部43は、液状の接着剤が固化したものであり、基板41の表面のN本のV溝のそれぞれに1本ずつ配列された光ファイバ301〜30Nと基板41との間、及び、光ファイバ301〜30Nと蓋部42との間に設けられて、光ファイバ301〜30Nを固定する。これにより、光ファイバ301〜30Nは保持部材40によってアレイ状に固定される。基板41、蓋部42及び保持部43のスラブ導波体50側の端面は、光ファイバ301〜30Nのそれぞれの出射端面30bと同一面内にある。この基板41の表面のN本のV溝は高精度で形成することが可能であるため、N本のV溝のそれぞれに光ファイバ30nを1本ずつ配置することで、光ファイバ30nのそれぞれの出射端面30bが精度よく配置される。
基板41及び蓋部42は、それぞれ石英、ホウケイ酸ガラス(例えば、パイレックス(登録商標)等)、サファイア、スピネル、ダイヤモンド等が好適に用いられる。また、保持部43は、光ファイバ301〜30Nと基板41との間や光ファイバ301〜30Nと蓋部42との間に注入されて固化することによって光ファイバ301〜30Nを固定する接着剤等が用いられる。
スラブ導波体50は、図4に示すように、スラブ導波路を形成するコア51と、コア51を包囲するクラッド52と、を有する。コア51の屈折率はクラッド52の屈折率より高い。コア51は、光ファイバ301〜30Nの出射端面30bと対向する第1の端面51aを有する。また、コア51は、第1の端面51aの反対側(第1の端面51aと対向する面)に第2の端面51bを有し、第1の端面51aに対して垂直な方向(すなわち第1の端面51aから第2の端面51bに延びる方向)に延びるスラブ導波路を形成する。また、コア51の第1の端面51aは、図3に示すように、アレイ状に配列された光ファイバ301〜30Nのそれぞれのコア領域31のコア領域面31bを覆うように設けられる。クラッド52は、出射端面30bと対向する第1の端面52aを有し、第1の端面52aの反対側に第2の端面52bを有する。ここで、端面51aと端面52aとは同一面内にあり、かつ、端面51bと端面52bとは同一面内にある。これにより、光ファイバ301〜30Nのそれぞれのコア領域31のコア領域面31bから出射されてコア51の第1の端面51aに入射される光は、コア51内を導波して第2の端面51bから出射される。そして、第2の端面51bから出射される光は、集光レンズ60によって被照射物2の表面上に集光される。
スラブ導波体50の材料は、レーザ光源101〜10Nから出射されるレーザ光の波長において伝搬損失が小さいのが好ましく、例えば、石英ガラスが好ましい。クラッド52の一部は空気であってもよい。コア51の大きさは、光ファイバ30nの本数や外径等に基づいて決められるが、第1の端面51aのうち光ファイバ30nのアレイ状の配列に平行な方向の長さ(第1の端面51aのうち長手方向の長さ)は例えば数百μm〜数十mmであり、第1の端面51aのうち光ファイバ30nのアレイ状の配列に対して垂直な方向の長さ(第1の端面51aのうち短手方向の長さ)は数μm〜数十μmであり、また、コア51の第1の端面51aと第2の端面51bとの距離は数十mmである。
図5は、本実施形態に係る光部品に含まれる光ファイバ30nと、スラブ導波体50との光結合を説明する図である。光ファイバ30nのコア領域31のコア領域面31bと、スラブ導波体50のコア51の第1の端面51aとは、互いに対向して光学的に結合される。光ファイバ30nの出射端面30bとスラブ導波体50のコア51の第1の端面51aとの間は、耐熱性の高いシリコーン系接着剤等の接着剤により接着されていてもよいし、レンズを介して光結合されていてもよい。
次に、保持部材40についてさらに詳細に説明する。保持部材40に含まれる保持部43は、その屈折率が、基板41及び蓋部42の少なくとも一方の屈折率よりも小さい。よって、保持部43における光の閉じこめを抑制することができる。
保持部43の屈折率について具体的に説明する。本実施形態に係る光照射装置1は、上述のように、レーザ光源101〜10Nのそれぞれから出射されるレーザ光の波長として中心波長395nm〜415nmや中心波長435nm〜455nmのものが好適に用いられる。これに対して基板41及び蓋部42として好適に用いられる石英、ホウケイ酸ガラス(例えば、パイレックス(登録商標)等)、サファイア、スピネル(MgAl2O4)等は、波長405nmの光に対する屈折率が1.46よりも大きいことが知られている。具体的には、パイレックス(登録商標)の屈折率は1.47〜1.48程度である。したがって、上記の基板41や蓋部42としてパイレックス(登録商標)が用いられる場合、保持部43としては、波長405nmの光に対する屈折率が1.46以下である材料が好ましい。
また、保持部43の屈折率は、光ファイバ30nのクラッド領域32(例えば石英)の屈折率よりも小さいことが好ましい。この場合、光ファイバ30nクラッド領域32を進む光がクラッド領域32と保持部43との界面から保持部43に対して出射することを抑制することができる。
また、保持部43の透過率は、波長405nm及び445nmの光に対して90%以上(1mm厚の場合)が、保持部43の温度上昇を抑制するために好ましい。
さらに、保持部43は、図3等に示すように、基板41、蓋部42及び光ファイバ30nに保持部43の周囲の大半が囲まれるため、基板41のV溝等によって複雑な形状をしている。このため、保持部43は、固化する際の収縮が比較的小さい材料を有することが剥離等を抑制するために好ましい。
発明者らは、上記の保持部43として、フッ素添加エポキシ系樹脂を含有する材料が好ましいことを見出した。フッ素添加エポキシ系樹脂はエポキシ系樹脂に対して屈折率の低下を目的としてフッ素を添加したものである。具体的には、エポキシ系樹脂にフッ素を添加することにより、波長589nm(D線)の光に対する屈折率を1.50付近から1.43に低下させることができる。
なお、保持部43に用いることができる材料としては、上記のフッ素添加エポキシ系樹脂を含有する材料のほか、アクリル系樹脂やシリコーン系樹脂等を含有する材料が好適に用いられる。保持部43にシリコーン系樹脂を用いる場合、フッ素を添加することなくクラッド領域32、基板41及び蓋部42よりも低い屈折率を得ることができる。
ここで、保持部43に含有されるフッ素添加エポキシ系樹脂が紫外線硬化型である場合、基板41、蓋部42及び光ファイバ30n間に注入されたフッ素添加エポキシ系樹脂に対して外部から基板41又は蓋部42を介して紫外光を照射することによって、フッ素添加エポキシ系樹脂を硬化させる必要がある。したがって、保持部43に紫外線硬化型の樹脂が含有される場合には、基板41及び蓋部42の少なくとも一方は、紫外光(波長365nmの光)に対して透過率が70%以上(1mm厚の場合)であることが好ましい。また、基板41、蓋部42を構成する材料は熱伝導率が高いことが好ましい。基板41や蓋部42の熱伝導率が高いと、光の照射等により保持部43が加熱されたときに基板41や蓋部42に伝熱させることができるため、保持部43の温度上昇を抑制することができる。具体的には、10mW/m・K以上の熱伝導を有する材料を基板41や蓋部42として用いることが好ましい。
なお、保持部43に含有される材料(樹脂等)として、紫外線硬化型ではなく熱硬化型の材料を用いることができる。ただし、熱硬化型の樹脂は、例えば150℃程度の高温に加熱して硬化させた後常温に戻した場合に収縮する。したがって、内部応力が大きくなりやすい。このため、熱硬化型の樹脂よりも紫外線硬化型の樹脂を保持部43に含有させることが好ましい。
基板41や蓋部42に用いられる材料の一部である石英、サファイア及びスピネルの光学特性(屈折率及び透過率)及び熱力学特性を表1に示す。なお、石英及びサファイアの屈折率としてはいずれも波長405nmの光に対する屈折率を示し、スピネルの屈折率としては波長550nmの光に対する屈折率を示す。また、表1では、透過率として波長445nmの光に対する外部透過率及び内部透過率を示す。各材料について、波長405nmの光に対する透過率と波長445nmの光に対する透過率とは同等であることが確認されている。ただし、石英の外部透過率と内部透過率及びサファイアの外部透過率は、いずれも1mm厚のものを試料として用いて測定を行った際の測定値を示すのに対して、スピネルの場合の外部透過率は、0.7mm厚で片面が反射防止コートされたものを試料として用いて測定を行った際の測定値を示す。
上述の光部品5を含む光照射装置1では、レーザ光源10nから出射されたレーザ光は、レンズ20nにより光ファイバ30nの入射端面30aに集光されて、この入射端面30aから光ファイバ30n内に導入される。光ファイバ30n内に導入されたレーザ光は、光ファイバ30n内を進んだ後、光ファイバ30nの出射端面30bから出射されて、スラブ導波体50のコア51の第1の端面51aからスラブ導波体50内に導入される。そして、第1の端面51aからスラブ導波体50内に導入されたレーザ光は、コア51に閉じ込められて第2の端面51bまで進み、第2の端面51bから出射される。そして、第2の端面51bから出射されたレーザ光は、集光レンズ60を介して被照射物2の表面に到達する。
そして、被照射物2で反射されたレーザ光が、逆に集光レンズ60を経て第2の端面51bからスラブ導波体50のコア51内へ入射し、第1の端面51aへ到達する場合がある。このとき、戻り光として第1の端面51aに到達した光は、光ファイバ30nのコア領域31,クラッド領域32及び保持部材40の保持部43のいずれかに入射する。ここで、クラッド領域32に入射した戻り光は、このクラッド領域32内を逆進し、クラッド領域32の界面から保持部43に漏れ出す場合があるが、保持部43の屈折率は基板41及び蓋部42のいずれか一方よりは小さいため、保持部43に漏れ出た光のうち保持部43に閉じ込められる光の量が低減される。したがって、保持部43に漏れ出た光の大半が基板41又は蓋部42に対して出射する。
以上のように、本実施形態に係る光部品5を含む光照射装置1によれば、スラブ導波路を形成するコア51の第1の端面51aのうち、光ファイバ30nのクラッド領域32のクラッド領域面32bに到達した戻り光は、クラッド領域32内を逆進し、クラッド領域32の界面から保持部43に漏れ出す場合がある。しかしながら、保持部43の屈折率は基板41、蓋部42の少なくとも一方の屈折率よりも低いことから、保持部43へ入射した光は基板41と保持部43との界面又は蓋部42と保持部43との界面から保持部43の外部へと出射される。また、スラブ導波路を形成するコア51の第1の端面51aから保持部32に対して戻り光が入射した場合にも、基板41と保持部43との界面又は蓋部42と保持部43との界面から保持部43の外部へと出射される。このため、戻り光による保持部43の劣化等を抑制することができる。
また、本実施形態における光照射装置1では、保持部43の屈折率は光ファイバ30nのクラッド領域32の屈折率よりも小さい。したがって、光ファイバ30nのクラッド領域面32bに入射してクラッド領域32bを逆進する戻り光のうち、クラッド領域32と保持部43との界面から保持部43に出射する光の量を低減させることができるため、保持部43に入る光の量をさらに減らすことができ、保持部43の劣化を抑制することができる。
また、本実施形態に係る光照射装置1のように保持部43にフッ素が添加されたエポキシ系樹脂が含有されることにより、保持部43の屈折率を低減でき、戻り光による保持部43の劣化の抑制をさらに効果的に達成することができる。
また、保持部材40に含まれる基板41が光ファイバ30nが1本ずつ配置される複数本のガイド溝を表面に有することにより、光ファイバ30nを精度よく配列することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明に係る光照射装置1は種々の変更を行うことができる。例えば、上記実施形態では保持部材40とスラブ導波体50とが含まれる光部品5について中心に説明したが、スラブ導波体50は必須の構成ではない。すなわち、光照射装置1がスラブ導波体50を備えず、保持部材40により固定された光ファイバ30nから出射された光が集光レンズ60を介して直接被照射物2に対して照射される構成であってもよい。この場合でも、本発明に係る上記の効果、すなわち、戻り光による保持部43の劣化を抑制するという効果は、上記実施形態と同様に奏される。
また、上記実施形態では、光ファイバ30nの上面に蓋部42を備える保持部材40について説明したが、光ファイバ30nの上面に蓋部42を備えなくてもよい。このとき、保持部43の屈折率が基板41の屈折率よりも低いことによって、保持部43内に入射して保持部43に閉じ込められる戻り光が低減されるため、保持部43の劣化が抑制される。
1…光照射装置、5…光部品、101〜10N…レーザ光源、201〜20N…レンズ、301〜30N…光ファイバ、40…保持部材(光ファイバアレイ部品)、41…基板、42…蓋部、43…保持部、50…スラブ導波体、51…コア、60…集光レンズ。
Claims (6)
- 複数の光ファイバのそれぞれの出射端面が同一側となるように当該複数の光ファイバをアレイ状に固定する光ファイバアレイ部品であって、
前記複数の光ファイバが設けられた表面を有する基板と、
前記表面に設けられた前記複数の光ファイバを固定する保持部と、
を備え、
前記保持部の屈折率は、前記基板の屈折率よりも低いことを特徴とする光ファイバアレイ部品。 - 複数の光ファイバのそれぞれの出射端面が同一側となるように当該複数の光ファイバをアレイ状に固定する光ファイバアレイ部品であって、
前記複数の光ファイバが設けられた表面を有する基板と、
前記基板の前記表面上に設けられた蓋部と、
前記基板と前記蓋部との間に設けられており、前記複数の光ファイバを前記基板と前記蓋部との間に固定する保持部と、
を備え、
前記保持部の屈折率は、前記基板及び前記蓋部の少なくとも一方の屈折率よりも低いことを特徴とする光ファイバアレイ部品。 - 前記保持部の屈折率は前記複数の光ファイバのクラッド領域の屈折率よりも低いことを特徴とする請求項1又は2記載の光ファイバアレイ部品。
- 前記保持部は、フッ素が添加されたエポキシ系樹脂を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光ファイバアレイ部品。
- 前記基板の前記表面は、アレイ状に設けられた複数のガイド溝を有し、
前記複数の光ファイバのそれぞれは、前記複数のガイド溝のそれぞれに配置されている
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の光ファイバアレイ部品。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載の光ファイバアレイ部品と、
前記複数の光ファイバのそれぞれの出射端面を介して前記複数の光ファイバのコア領域に接続されたスラブ導波路を有するスラブ導波体と、
を備えることを特徴とする光部品。
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JP2009140282A JP2010286652A (ja) | 2009-06-11 | 2009-06-11 | 光ファイバアレイ部品及び光部品 |
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