JP2010286505A - 感光性樹脂組成物、光導波路形成用感光性樹脂組成物、光導波路形成用フィルム、光導波路、光配線、光電気混載基板および電子機器 - Google Patents
感光性樹脂組成物、光導波路形成用感光性樹脂組成物、光導波路形成用フィルム、光導波路、光配線、光電気混載基板および電子機器 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】 本発明の感光性樹脂組成物は、環状オレフィン系樹脂と、触媒と、酸発生剤と、カチオン重合可能な第1モノマーと、第1モノマーと異なる第2モノマーとを含む。また本発明の光導波路形成用感光性樹脂組成物は、上記に記載の感光性樹脂組成物を光導波路形成用の感光性樹脂組成物として用いる。また、本発明の光導波路は、上記に記載の光導波路形成用フィルムに、互いに屈折率の異なるコア部とクラッド部とを設けている。
【選択図】 図1
Description
例えば、特許文献1には光硬化性フィルムに対し選択的に光を照射し、モノマーを重合させることで光導波路を形成する技術が開示されている。
また前記感光性樹脂組成物を用いることにより、光の伝播損失が低く、かつ熱特性に優れた光導波路形成用感光性樹脂組成物、光導波路形成用フィルム、光導波路、光配線、光電気混載基板および電子機器を得ることを目的とする。
(1) 環状オレフィン系樹脂と、触媒と、酸発生剤と、カチオン重合可能な第1モノマーと、第1モノマーと異なる第2モノマーとを含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。
(2) さらに、前記感光性樹脂組成物は、第1モノマーおよび第2モノマーと異なる第3モノマーを含むものである上記(1)に記載の感光性樹脂組成物。
(3) 前記カチオン重合可能な第1モノマーは、前記環状オレフィン系樹脂よりも屈折率が低いものである上記(1)または(2)に記載の感光性樹脂組成物。
(4) 前記カチオン重合可能な第1モノマーは、環状エーテル基を有するモノマーである上記(3)に記載の感光性樹脂組成物。
(5) 前記カチオン重合可能な第1モノマーは、オキセタニル基を有するモノマーである上記(4)に記載の感光性樹脂組成物。
(6) 前記カチオン重合可能な第1モノマーの含有量は、前記環状オレフィン系樹脂100重量部に対して、5〜100重量部である上記(1)乃至(5)のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
(7) 前記第2モノマーは前記環状オレフィン系樹脂よりも屈折率が低いものである上記(1)乃至(6)のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
(8) 前記第2モノマーは、ノルボルネン系モノマーである上記(1)乃至(7)のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
(9) 前記第2モノマーは、官能基を二つ以上有するモノマーである上記(1)乃至(8)のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
(10) 前記第2モノマーは、ジメチルビス(ノルボルネンメトキシ)シランである上記(8)に記載の感光性樹脂組成物。
(11) 前記第2モノマーの含有量は、前記環状オレフィン系樹脂100重量部に対して、5〜100重量部である上記(1)乃至(10)のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
(12) 前記第3モノマーは、第1モノマーの反応性を向上させるものである上記(2)乃至(11)のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
(13) 前記第3モノマーはエポキシ基を有するモノマーである上記(2)乃至(12)のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
(14) 前記第3モノマーの含有量は、前記環状オレフィン系樹脂100重量部に対して、1〜25重量部である上記(2)乃至(13)のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
(15) 前記第1モノマーと前記第2モノマーとの併用割合(前記第1モノマー/前記第2モノマー)は、90/10〜40/60である上記(1)乃至(14)のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
(16) 前記環状オレフィン系樹脂は、ノルボルネン系樹脂である上記(1)乃至(15)のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
(17) さらに、前記感光性樹脂組成物は、増感剤を含むものである上記(1)乃至(16)のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
(18) 上記(1)乃至(17)のいずれかに記載の感光性樹脂組成物は、光導波路形成用の感光性樹脂組成物として用いられることを特徴とする光導波路形成用感光性樹脂組成物。
(19) 上記(18)に記載の光導波路形成用感光性樹脂組成物で構成されることを特徴とする光導波路形成用フィルム。
(20) 上記(19)に記載の光導波路形成用フィルムに、互いに屈折率の異なるコア部とクラッド部を設けたものである光導波路。
(21) 上記(19)に記載の光導波路形成用フィルムに、光を照射することによりクラッド部を形成したものである光導波路。
(22) 上記(20)または(21)に記載の光導波路を備えたことを特徴とする光配線。
(23) 電気配線と、上記(22)に記載の光配線とを有することを特徴とする光電気混載基板。
(24) 上記(20)または(21)に記載の光導波路を備えたことを特徴とする電子機器。
また、前記感光性樹脂組成物を用いることにより、光の伝播損失が低く、かつ熱特性に優れた光導波路形成用感光性樹脂組成物、光導波路形成用フィルム、光導波路、光配線、光電気混載基板および電子機器を得ることができる。
また、本発明の光導波路形成用感光性樹脂組成物は、前記感光性樹脂組成物を光導波路形成用の感光性樹脂組成物として用いることを特徴とする。
また、本発明の光導波路形成用フィルムは、前記光導波路形成用感光性樹脂組成物で構成されることを特徴とする。
また、本発明の光導波路は、前記光導波路形成用フィルムに、互いに屈折率の異なるコア部とクラッド部とを設けたことを特徴とする。
また、本発明の光配線は、前記光導波路を備えたことを特徴とする。
また、本発明の光電気混載基板は、電気配線と、前記光配線とを有することを特徴とする。
また、本発明の電子機器は、前記光導波路を備えたことを特徴とする。
まず、感光性樹脂組成物について説明する。
前記感光性樹脂組成物は、環状オレフィン系樹脂を含む。
前記環状オレフィン系樹脂としては、特に限定されないが、例えば、シクロヘキセン、シクロオクテン等の単環体モノマーの重合体、ノルボルネン、ノルボルナジエン、ジシクロペンタジエン、ジヒドロジシクロペンタジエン、テトラシクロドデセン、トリシクロペンタジエン、ジヒドロトリシクロペンタジエン、テトラシクロペンタジエン、ジヒドロテトラシクロペンタジエン等の多環体モノマーの重合体等が挙げられる。これらの中でも多環体モノマーの重合体の中から選ばれる1種以上の環状オレフィン系樹脂が好ましい。これにより、樹脂の耐熱性を向上することができる。
前記カチオン重合可能な第1モノマーは、光(例えば紫外線)の照射により、光の照射領域において後述する酸発生剤の作用により反応して反応物を形成することができる。これにより、光導波路形成用フィルムにおいて光の照射領域と、光の未照射領域とにおいて、屈折率差を生じさせ得る。
ビニルエーテル基を有するモノマーとしては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−ノニルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルメチルビニルエーテル、4−メチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、ジシクロペンテニルビニルエーテル、2−ジシクロペンテノキシエチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、ブトキシエチルビニルエーテル、メトキシエトキシエチルビニルエーテル、エトキシエトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、クロルブチルビニルエーテル、クロルエトキシエチルビニルエーテル、フェニルエチルビニルエーテル、フェノキシポリエチレングリコールビニルエーテル等が挙げられる。
エポキシ基を有するモノマーとして、例えば、フェニルグリシジルエーテル、p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、1,2−ブチレンオキサイド、1,3−ブタジエンモノオキサイド、1,2−エポキシドデカン、エピクロロヒドリン、1,2−エポキシデカン、スチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、3−メタクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−アクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−ビニルシクロヘキセンオキサイド、などが挙げられる。
オキセタニル基を有するモノマーとして、例えば、3‐エチル‐3‐ヒドロキシメチルオキセタン、3−(メタ)アリルオキシメチル−3−エチルオキセタン、(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチルベンゼン、4−フルオロ‐〔1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、4−メトキシ−〔1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、〔1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)エチル〕フェニルエーテル、イソブトキシメチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−エチルヘキシル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチルジエチレングリコール(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンタジエン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラヒドロフルフリル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−テトラブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−トリブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシプロピル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ブトキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタクロロフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、3−(シクロヘキシルオキシメチル)−3−エチルオキセタン、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタンおよび3,3´−(オキシビスメチレン)ビス(3−エチルオキセタン)等が挙げられる。
なかでも、屈折率が低いこと、前記環状オレフィン系樹脂との相溶性が高いこと、UV照射下で重合可能であること等から、3−(シクロヘキシルオキシメチル)−3−エチルオキセタン、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタンおよび3,3´−(オキシビスメチレン)ビス(3−エチルオキセタン)が好ましい。
前記第2モノマーは、光の照射により反応を開始して反応物を形成し、この反応物の存在により、光導波路形成用フィルムにおいて光の照射領域と、光の未照射領域とにおいて、屈折率差を生じさせ得るようなモノマーである。
これらの中でも、ノルボルネン系モノマーを用いることが好ましい。これにより、光伝送性能に優れ、かつ、耐熱性および柔軟性に優れるコア層が得られる。
一方、二価の芳香族基としては、二価のフェニル基、二価のナフチル基が好ましい。
ここで、R2は、それぞれ独立して、R1と同じものを表す。
前記酸発生剤としては、特に限定されないが、光により酸を発生する光酸発生剤、熱により酸を発生する熱酸発生剤等が挙げられる。これらの中でも光照射によりパターニングする光導波路用の感光性樹脂組成物には、光酸発生剤が好ましい。
[(E(R)3)a Pd(Q)(LB)b]p[WCA]r (B)
式(A)、(B)中、それぞれ、E(R)3は、第15族の中性電子ドナー配位子を表し、Eは、周期律表の第15族から選択される元素を表し、Rは、水素原子(またはその同位体の1つ)または炭化水素基を含む部位を表し、Qは、カルボキシレート、チオカルボキシレートおよびジチオカルボキシレートから選択されるアニオン配位子を表す。また、式(B)中、LBは、ルイス塩基を表し、WCAは、弱配位アニオンを表し、aは、1〜3の整数を表し、bは、0〜2の整数を表し、aとbとの合計は、1〜3であり、pおよびrは、パラジウムカチオンと弱配位アニオンとの電荷のバランスをとる数を表す。]
本発明の光導波路形成用感光性樹脂組成物は、上述したような感光性樹脂組成物を光導波路形成用として用いるものである。
そして、この光導波路形成用感光性樹脂組成物を、トルエン、キシレン、メシチレン等の溶媒に溶解して樹脂ワニスを得て、この樹脂ワニスを基板上に塗布・乾燥して光導波路形成用フィルムを得ることができる。
次に、光導波路について説明する。
図1は、光導波路の一例を示す断面図である。 図1に示すように、光導波路10は、第1クラッド層1と、第1クラッド層よりも屈折率の高いコア層2と、コア層2よりも屈折率の低い第2クラッド層3とが積層されている。
コア層2は、コア部21と、コア部21よりも屈折率が低いクラッド部22とで構成されている。なお、コア部21の屈折率は、第1クラッド層1および第2クラッド層3よりも高くなっている。
このような構成を有することにより、コア部21の一端側に入射された光信号は、コア部21と第1クラッド層1、第2クラッド層3およびクラッド部22との界面で全反射し、他端側に伝達され、光通信が可能となる。
本発明の光導波路は、第1クラッド層1、コア層2および第2クラッド層3の構成材料が可撓性に富むこと、また、コア部21に対し、第1クラッド層1、第2クラッド層3およびクラッド部22の屈折率が十分に低いことにより、光損失が少ない。特にコア部21およびクラッド部22間の屈折率差が大きくなることから、曲線状の光導波路を形成した場合にその効果は顕著となる。また、第1クラッド層1、コア層2および第2クラッド層3の構成材料の耐熱性が高いため、260℃の半田リフローに対して高い耐性を有している。
本発明の光導波路形成用フィルムは、上述した光導波路10のコア層2に好適に用いることができるものである。
例えば、図2に示すような上述の光導波路形成用フィルム2aに、マスク4を用いて光5を照射する。これにより、光導波路形成用フィルム2aに選択的に光5を照射する部分と、未照射部分とを形成することができる。
光5が照射された部分22では、光導波路形成用フィルムを構成している感光性樹脂組成物中の酸発生剤が光照射により酸を発生し、これにより第1モノマーが開環してカチオン重合を開始する。これにより、マトリクス中の未反応モノマーの濃度勾配を解消する力が働き、未照射領域から前記環状オレフィン樹脂より屈折率の低い第1モノマーが一部照射領域へ拡散して重合するために、光が照射された部分22の屈折率が相対的に未照射領域よりも低くなる。
光を照射した部分では、光酸発生剤から発生した酸により、環状オレフィン樹脂の脱離性基が脱離することとなる。−Si−アリール構造、−Si−ジフェニル構造、−O−Si−ジフェニル構造および−O−Si−構造等の脱離性基の場合、離脱により樹脂の屈折率が低下することとなる。そのため、照射部分の屈折率は低下することとなる。
なお、第1クラッド層1、第2クラッド層3およびクラッド部22の構成材料は、それぞれ、同一(同種)のものでも、異なるものでもよいが、これらは、屈折率が同じかまたは近似しているものであるのが好ましい。
支持基板は、クラッド層形成後、クラッド層を剥離しやすいものであれば、特に限定されない。例えば、シリコン基板、二酸化ケイ素基板、ガラス基板、石英基板、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等が好適に用いられる。
また、第1クラッド層1に光導波路形成用の感光性樹脂組成物の樹脂ワニスを塗布・乾燥して光導波路用フィルムを形成した後、光を選択的に照射してコア部21、クラッド部22とを有するコア層2を形成し、コア層2に密着するように第2クラッド層3を配置して光導波路10を得ることもできる。
本発明で得られた光導波路10は、特に半田耐リフロー性に優れる。さらに、光導波路10を水平方向に曲げた場合であっても光損失を少なくすることができる。また、コア部21と、第1クラッド層1、第2クラッド層3およびクラッド部22の屈曲率差が十分に大きいため、垂直方向に曲げた場合であっても耐久性に優れる。
次に、光配線、光電気混載基板について簡単に説明する。
本発明の光配線は、上述したような光導波路10を有している。これにより、導波路製造プロセスにおいて現像やRIE(リアクティブイオンエッチング)などを経る必要がないために加工の自由度を向上することができる。
また、本発明の光電気混載基板は、電気配線と、上述したような光導波路10を有する光配線とを有している。これにより、従来の電気配線で問題となっていたEMI(電磁波障害)の改善が可能となり、従来よりも信号伝達速度を大幅に向上することができる。
また、本発明の電子機器は、上述したような光導波路10を有している。これにより、省スペース化を図ることができる。このような電子機器としては、特に限定されないが、例えば、コンピューター、サーバー、携帯電話、ゲーム機器、メモリーテスター、外観検査ロボット等を挙げることができる。
(1)環状オレフィン系樹脂の合成
水分および酸素濃度がいずれも1ppm以下に制御され、乾燥窒素で充満されたグローブボックス中において、ヘキシルノルボルネン(HxNB)7.2g(40.1mmol)、ジフェニルメチルノルボルネンメトキシシラン(diPhNB)12.9g(40.1mmol)を500mLバイアル瓶に計量し、脱水トルエン60gと酢酸エチル11gを加え、シリコン製のシーラーを被せて密栓した。
次に、100mLバイアルビン中に下記式(13)で表わされるNi触媒1.56g(3.2mmol)と脱水トルエン10mLを計量し、スターラーチップを入れて密栓し、触媒を十分に撹拌して完全に溶解させた。
この下記式(13)で表わされるNi触媒溶液1mLをシリンジで正確に計量し、上記2種のノルボルネンを溶解させたバイアル瓶中に定量的に注入し室温で1時間撹拌したところ、著しい粘度上昇が確認された。この時点で栓を抜き、テトラヒドロフラン(THF)60gを加えて撹拌を行い、反応溶液を得た。
100mLビーカーに無水酢酸9.5g、過酸化水素水18g(濃度30%)、イオン交換水30gを加えて撹拌し、その場で過酢酸水溶液を調製した。次に、この水溶液全量を上記反応溶液に加えて12時間撹拌してNiの還元処理を行った。
次に、処理の完了した反応溶液を分液ロートに移し替え、下部の水層を除去した後、イソプロピルアルコールの30%水溶液100mLを加えて激しく撹拌を行った。静置して完全に二層に分離した後、水層を除去した。この水洗プロセスを合計で3回繰り返した後、油層を大過剰のアセトン中に滴下して生成したポリマーを再沈殿させ、ろ過によりろ液と分別した後、60℃に設定した真空乾燥機中で12時間加熱乾燥を行うことにより、下記式(14)で表されるポリマー#1を得た。ポリマー#1の分子量は、GPC測定によりMw=10万、Mn=4万、ポリマー#1中の各構造単位のモル比は、NMRによる同定により、ヘキシルノルボルネン構造単位が50mol%、ジフェニルメチルノルボルネンメトキシシラン構造単位が50mol%であった。また屈折率はプリズムカプラープリズムカプラー(品番:モデル2010、米国メトリコン社製)により1.55(測定波長;633nm)であった。
精製した上記ポリマー#1 10gを100mLのガラス容器に秤量し、これにメシチレン40g、酸化防止剤Irganox1076(チバガイギー社製)0.01g、第一モノマーとして下記式(15)で表されるシクロヘキシルオキセタンモノマー(東亜合成製 CHOX、分子量186、沸点125℃/1.33kPa)1.2g、第二モノマーとしてSiX1.2g、触媒Pd785(プロメラス社製)1.63E−3g(酢酸エチル0.1mL中)、光酸発生剤 RhodorsilPhotoinitiator 2074(Rhodia社製)1.3E−2g(酢酸エチル0.1mL中)を加え均一に溶解させた後、孔径0.2μmのPTFEフィルターによりろ過を行い、清浄なコア層用の感光性樹脂組成物ワニスV1を調製した。
(下層クラッドの作製)
シリコンウエハ上に感光性ノルボルネン樹脂組成物(プロメラス社製 Avatrel2000Pワニス)をドクターブレードにより均一に塗布した後、45℃の乾燥機に15分間投入した。溶剤を完全に除去した後、塗布された全面に紫外線を100mJ照射し、乾燥機中120℃で1時間加熱して、塗膜を硬化させて、下層クラッドを形成させた。形成された下層クラッドは、厚みが20μmであり、無色透明であり、屈折率は1.52(測定波長;633nm)であった。
上記下層クラッド上に、調製して得られた上述の感光性樹脂組成物ワニスV1をドクターブレードによって均一に塗布した後、45℃の乾燥機に15分間投入した。溶剤を完全に除去した後、フォトマスクを圧着して紫外線を500mJで選択的に照射した。マスクを取り去り、乾燥機中45℃で30分間、85℃で30分間、150℃で1時間と三段階で加熱を行った。加熱後、非常に鮮明な導波路パターンが現れたコア層が確認された。
ポリエーテルスルホン(PES)フィルム上に、予め乾燥厚み20μmになるように感光性ノルボルネン樹脂組成物(プロメラス社製 Avatrel2000Pワニス)を積層して上層クラッド用フィルムを得た。
下層クラッド層上に形成したコア層と、上述の上層クラッド用フィルムとを、貼り合わせて、140℃に設定された真空ラミネーターに投入して熱圧着を行った後、紫外線を100mJ全面照射し乾燥機中120℃で1時間加熱して、Avatrel2000Pワニスを硬化させて、上層クラッドを形成させ、光導波路を得た。このとき、上層クラッドは、無色透明であり、屈折率は1.52であった。
(光導波路の損失評価)
850nmVCSEL(面発光レーザー)より発せられた光を50μmφの光ファイバーを経由して、得られた光導波路に導入し、200μmφの光ファイバーで受光を行って光の強度を測定した。尚、測定にはカットバック法を採用した。導波路長を横軸にとり、挿入損失を縦軸にプロットしていったところ、測定値はきれいに直線上に並び、その傾きから伝搬損失は0.03dB/cmと算出することができた。
精製した上記ポリマー#1 10gを100mLのガラス容器に秤量し、これにメシチレン40g、酸化防止剤Irganox1076(チバガイギー社製)0.01g、第一モノマーとして下記式(15)で表わされるシクロヘキシルオキセタンモノマー(東亜合成製 CHOX、分子量186、沸点125℃/1.33kPa)1.2g、第二モノマーとしてSiX1.2g、第三モノマーとして下記式(16)で表わされる3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3´、4´−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート(セロキサイド2021 ダイセル化学工業株式会社製)0.5g、触媒Pd785(プロメラス社製)1.63E−3g(酢酸エチル0.1mL中)、光酸発生剤 RhodorsilPhotoinitiator 2074(Rhodia社製)1.3E−2g(酢酸エチル0.1mL中)を加え均一に溶解させた後、孔径0.2μmのPTFEフィルターによりろ過を行い、清浄なコア層用の感光性樹脂組成物ワニスV2を調製した。上記のワニスV2を用いる以外は実施例1と同様にして光導波路を作製した。
精製した上記ポリマー#1 10gを100mLのガラス容器に秤量し、これにメシチレン40g、酸化防止剤Irganox1076(チバガイギー社製)0.01g、第一モノマーとして下記式(17)で表わされる二官能オキセタンモノマー(東亜合成製 DOX、分子量214、沸点119℃/0.67kPa)1.2g、第二モノマーとしてSiX1.2g、触媒Pd785(プロメラス社製)1.63E−3g(酢酸エチル0.1mL中)、光酸発生剤 RhodorsilPhotoinitiator 2074(Rhodia社製)1.3E−2g(酢酸エチル0.1mL中)を加え均一に溶解させた後、孔径0.2μmのPTFEフィルターによりろ過を行い、清浄なコア層用の感光性樹脂組成物ワニスV3を調製した。
上記のワニスV3を用いる以外は実施例1と同様にして光導波路を作製した。
精製した上記ポリマー#1 10gを100mLのガラス容器に秤量し、これにメシチレン40g、酸化防止剤Irganox1076(チバガイギー社製)0.01g、第一モノマーとして下記式(18)で表わされるエポキシノルボルネンモノマー(分子量180、沸点119℃/0.67kPa)1.2g、第二モノマーとしてSiX1.2g、触媒Pd785(プロメラス社製)1.63E−3g(酢酸エチル0.1mL中)、光酸発生剤 RhodorsilPhotoinitiator 2074(Rhodia社製)1.3E−2g(酢酸エチル0.1mL中)を加え均一に溶解させた後、孔径0.2μmのPTFEフィルターによりろ過を行い、清浄なコア層用の感光性樹脂組成物ワニスV4を調製した。
上記のワニスV4を用いる以外は実施例1と同様にして光導波路を作製した。
精製した上記ポリマー#1 10gを100mLのガラス容器に秤量し、これにメシチレン40g、酸化防止剤Irganox1076(チバガイギー社製)0.01g、第一モノマーとして式(15)で表わされるシクロヘキシルオキセタンモノマー(東亜合成製 CHOX、分子量186、沸点125℃/1.33kPa)1.2g、第二モノマーとして下記式(19)で表わされるSi2X1.2g、触媒Pd785(プロメラス社製)1.63E−3g(酢酸エチル0.1mL中)、光酸発生剤 RhodorsilPhotoinitiator 2074(Rhodia社製)1.3E−2g(酢酸エチル0.1mL中)を加え均一に溶解させた後、孔径0.2μmのPTFEフィルターによりろ過を行い、清浄なコア層用の感光性樹脂組成物ワニスV5を調製した。上記のワニスV5を用いる以外は実施例1と同様にして光導波路を作製した。
公知の手法(例えば特開2003−252963号公報)を用いてフェニルエチルノルボルネン(PENB)モノマーの開環メタセシス重合を行い、化学式(20)で表されるノルボルネン系ポリマー#2を得た。
精製した上記ポリマー#2 10gを100mLのガラス容器に秤量し、これにメシチレン40g、酸化防止剤Irganox1076(チバガイギー社製)0.01g、第一モノマーとして式(15)で表わされるシクロヘキシルオキセタンモノマー(東亜合成製 CHOX、分子量186、沸点125℃/1.33kPa)1.2g、第二モノマーとしてSiX1.2g、触媒Pd785(プロメラス社製)1.63E−3g(酢酸エチル0.1mL中)、光酸発生剤 RhodorsilPhotoinitiator 2074(Rhodia社製)1.3E−2g(酢酸エチル0.1mL中)を加え均一に溶解させた後、孔径0.2μmのPTFEフィルターによりろ過を行い、清浄なコア層用の感光性樹脂組成物ワニスV6を調製した。上記のワニスV6を用いる以外は実施例1と同様にして光導波路を作製した。
精製した上記ポリマー#1 10gを100mLのガラス容器に秤量し、これにメシチレン40g、酸化防止剤Irganox1076(チバガイギー社製)0.01g、第一モノマーとして式(15)で表わされるシクロヘキシルオキセタンモノマー(東亜合成製 CHOX、分子量186、沸点125℃/1.33kPa)1.8g、第二モノマーとしてSiX0.2g、触媒Pd785(プロメラス社製)1.63E−3g(酢酸エチル0.1mL中)、光酸発生剤 RhodorsilPhotoinitiator 2074(Rhodia社製)1.3E−2g(酢酸エチル0.1mL中)を加え均一に溶解させた後、孔径0.2μmのPTFEフィルターによりろ過を行い、清浄なコア層用の感光性樹脂組成物ワニスV7を調製した。上記のワニスV7を用いる以外は実施例1と同様にして光導波路を作製した。
精製した上記ポリマー#1 10gを100mLのガラス容器に秤量し、これにメシチレン40g、酸化防止剤Irganox1076(チバガイギー社製)0.01g、第一モノマーとして式(15)で表わされるシクロヘキシルオキセタンモノマー(東亜合成製 CHOX、分子量186、沸点125℃/1.33kPa)0.8g、第二モノマーとしてSiX1.2g、触媒Pd785(プロメラス社製)1.63E−3g(酢酸エチル0.1mL中)、光酸発生剤 RhodorsilPhotoinitiator 2074(Rhodia社製)1.3E−2g(酢酸エチル0.1mL中)を加え均一に溶解させた後、孔径0.2μmのPTFEフィルターによりろ過を行い、清浄なコア層用の感光性樹脂組成物ワニスV8を調製した。上記のワニスV8を用いる以外は実施例1と同様にして光導波路を作製した。
精製した上記ポリマー#1 10gを100mLのガラス容器に秤量し、これにメシチレン40g、酸化防止剤Irganox1076(チバガイギー社製)0.01g、第二モノマーとしてSiX1.2g、触媒Pd785(プロメラス社製)1.63E−3g(酢酸エチル0.1mL中)、光酸発生剤 RhodorsilPhotoinitiator 2074(Rhodia社製)1.3E−2g(酢酸エチル0.1mL中)を加え均一に溶解させた後、孔径0.2μmのPTFEフィルターによりろ過を行い、清浄なコア層用の感光性樹脂組成物ワニスV10を調製した。上記のワニスV10を用いる以外は実施例1と同様にして光導波路を作製した。
850nmVCSEL(面発光レーザー)より発せられた光を50μmφの光ファイバーを経由して上記光導波路に導入し、200μmφの光ファイバーで受光を行って光の強度を測定した。尚、測定にはカットバック法を採用し、導波路長を横軸、挿入損失を縦軸にプロットしていったところ、測定値はきれいに直線上に並び、その傾きから伝搬損失を算出した。
上記光導波路を高温高湿槽(85℃、85%RH)に投入し、湿熱処理500時間後の伝搬損失を評価した。また、リフロー処理(N2雰囲気下、最大温度260℃/60秒)による伝搬損失の劣化の有無も並行して確認した。
10mmの曲率半径を有する光導波路の光強度の曲げ損失を評価した。850nmVCSEL(面発光レーザー)より発せられた光を50μmφの光ファイバーを経由して上記光導波路の端面に導入し、200μmφの光ファイバーで他端から受光を行って光の強度を測定した(下記式参照)。長さの等しい光導波路を曲げたときに生じる損失の増分を「曲げ損失」と定義し、それを曲線部の挿入損失と直線部の挿入損失の差で表した。
挿入損失[dB]= −10log(出射光強度/入射光強度)
曲げ損失=(曲線での挿入損失)−(直線での挿入損失)
また、実施例1〜8は、高温高湿処理後およびリフロー処理後の光損失も小さく、耐熱性にも優れていることが示された。
比較例1について、直線の伝搬損失では実施例1〜8と同等に光損失が小さいが、曲げ損失において実施例1〜8の方が優れていることが示された。
2 コア層
2a 光導波路形成用フィルム
21 コア部
21a コア部
22 クラッド部
3 第2クラッド層
4 マスク
5 光
10 光導波路
Claims (24)
- 環状オレフィン系樹脂と、触媒と、酸発生剤と、カチオン重合可能な第1モノマーと、第1モノマーと異なる第2モノマーとを含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。
- さらに、前記感光性樹脂組成物は、第1モノマーおよび第2モノマーと異なる第3モノマーを含むものである請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記カチオン重合可能な第1モノマーは、前記環状オレフィン系樹脂よりも屈折率が低いものである請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記カチオン重合可能な第1モノマーは、環状エーテル基を有するモノマーである請求項3に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記カチオン重合可能な第1モノマーは、オキセタニル基を有するモノマーである請求項4に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記カチオン重合可能な第1モノマーの含有量は、前記環状オレフィン系樹脂100重量部に対して、5〜100重量部である請求項1乃至5のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 前記第2モノマーは前記環状オレフィン系樹脂よりも屈折率が低いものである請求項1乃至6のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 前記第2モノマーは、ノルボルネン系モノマーである請求項1乃至7のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 前記第2モノマーは、官能基を二つ以上有するモノマーである請求項1乃至8のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 前記第2モノマーは、ジメチルビス(ノルボルネンメトキシ)シランである請求項8に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記第2モノマーの含有量は、前記環状オレフィン系樹脂100重量部に対して、5〜100重量部である請求項1乃至10のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 前記第3モノマーは、第1モノマーの反応性を向上させるものである請求項2乃至11のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 前記第3モノマーはエポキシ基を有するモノマーである請求項2乃至12のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 前記第3モノマーの含有量は、前記環状オレフィン系樹脂100重量部に対して、1〜25重量部である請求項2乃至13のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 前記第1モノマーと前記第2モノマーとの併用割合(前記第1モノマー/前記第2モノマー)は、90/10〜40/60である請求項1乃至14のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 前記環状オレフィン系樹脂は、ノルボルネン系樹脂である請求項1乃至15のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- さらに、前記感光性樹脂組成物は、増感剤を含むものである請求項1乃至16のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項1乃至17のいずれかに記載の感光性樹脂組成物は、光導波路形成用の感光性樹脂組成物として用いられることを特徴とする光導波路形成用感光性樹脂組成物。
- 請求項18に記載の光導波路形成用感光性樹脂組成物で構成されることを特徴とする光導波路形成用フィルム。
- 請求項19に記載の光導波路形成用フィルムに、互いに屈折率の異なるコア部とクラッド部を設けたものである光導波路。
- 請求項19に記載の光導波路形成用フィルムに、光を照射することによりクラッド部を形成したものである光導波路。
- 請求項20または21に記載の光導波路を備えたことを特徴とする光配線。
- 電気配線と、請求項22に記載の光配線とを有することを特徴とする光電気混載基板。
- 請求項20または21に記載の光導波路を備えたことを特徴とする電子機器。
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