JP2010286063A - オルダム・ジョイント - Google Patents

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Abstract

【課題】 シリンダ状部材に対して回転シャフトが傾き、回転シャフトのキー部がキー溝部に接触した場合に、キー部に発生する応力を低減することができるオルダム・ジョイントを提供する。
【解決手段】 オルダム・ジョイントは、先端部に形成したキー溝部を有する第1の回転シャフトと、先端部にキー溝部に相対変位可能に嵌合するキー部を有する第2の回転シャフトと、キー溝部が一端側から挿入されキー部が他端側から挿入されてキー溝部と前記キー部とに対応した形状で、第1の回転シャフトと第2の回転シャフトの一方の回転シャフトから他方の回転シャフトに回転伝達可能に嵌合する貫通嵌合孔を有するシリンダ状部材と、を備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、第1の回転シャフトと第2の回転シャフトとを、キーとキー溝とで嵌め合わせにより連結し、キーとキー溝とを互いに滑らせながら動力を伝達するオルダム・ジョイントに関する。
従来のオルダム・ジョイントとしては、一端側と他端側とに互いに異なる方向となるキー溝部をそれぞれ形成したシリンダ状部材と、一端側のキー溝部にスライド可能に嵌められるキー部を形成した第1の回転シャフトと、他端側のキー溝部にスライド可能に嵌められるキー部を形成した第2の回転シャフトと、を有するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−31152号公報
しかしながら、上記従来の従来のオルダム・ジョイントにあっては、キー部がシリンダ状部材の重心位置まで挿入できない形状となっていたため、シリンダ状部材が傾きキー溝部にモーメントを作用した場合に、キー部の応力が大きくなるといった問題点がある。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、シリンダ状部材が傾き回転シャフトのキー部にそのモーメントを作用した場合に、キー部に発生する応力を低減することができるようにしたオルダム・ジョイントを提供することにある。
この目的のため本発明によるオルダム・ジョイントは、シリンダ状部材の貫通孔の一端側および他端側からそれぞれ遊嵌した第1の回転シャフトと第2の回転シャフトに、それぞれキー溝部、キー部を設けて相対変位可能に嵌合し、キー溝部とキー部に対応した形状で第1の回転シャフトと第2の回転シャフトの一方の回転シャフトから他方の回転シャフトに回転伝達可能に嵌合する貫通嵌合孔を有するシリンダ状部材を設けたことを特徴とする。
本発明のオルダム・ジョイントにあっては、キー溝部とキー部とがシリンダ状部材内で嵌合しているので、キー部の軸方向長さを長くとることにより、シリンダ状部材が傾き回転シャフトのキー部にそのモーメントを作用した場合に、キー部に発生する応力を低減することができる。また、キー溝部とキー部とを嵌合させているので、回転シャフト間の回転の伝達効率も直接回転伝達させることで向上させることができる。
本発明に係る実施例1のオルダム・ジョイントを適用する車両用電動モータ駆動ポンプ式パワー・ステアリング・システムの構成を示す模式図である。 図1の車両用電動モータ駆動ポンプ式パワー・ステアリング・システムの電気モータと、油圧ポンプと、これら間を連結する実施例1のオルダム・ジョイントを示す一部断面図である。 実施例1のオルダム・ジョイントを示す分解斜視図である。 実施例1のオルダム・ジョイントの一部断面側面面図である。 実施例1のオルダム・ジョイントの、図4におけるV−V線に沿ってみた断面図である。 (a)は従来のオルダム・ジョイントの倒れ状態により不具合を説明する図、(b)は実施例1のオルダム・ジョイントの倒れ時の状態を説明する図である。 オルダム(a)は従来のオルダム・ジョイントにおける図である。 本発明に係る第2実施例のオルダム・ジョイントを示す図である。 本発明に係る第3実施例のオルダム・ジョイントに用いる第2の回転シャフトを示す図である。 本発明に係る第4実施例のオルダム・ジョイントを示す図である。 (a)は本発明に係る第5実施例のオルダム・ジョイントを示す図、(b)は、本発明に係る第6実施例のオルダム・ジョイントに用いる第2回転シャフトを示す図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明のオルダム・ジョイントが適用される車両用の電動モータ駆動ポンプ式パワー・ステアリング・システムを示す図である。
図1において、車室内に設けたステアリング・ホイール1は、車室外で車幅方向に伸ばして配置したラック6にステアリング・シャフト2を介して連結する。すなわち、ステアリング・シャフト2の上端部分にはステアリング・ホイール1を固定し、その下端部分にはピニオン4を設け、このピニオン4をラック6の一部に形成した歯6aに噛み合わせる。
ラック6の途中には、ピストン6bを一体に形成して、このピストン6bを図示しない車体に取り付けたハウジング7に内蔵する。ピストン6bには、その周囲にシールを取り付け、ハウジング7の内部をピストン6bにより左右の油圧室8a、8bを画成する。なお、ラック6は、ハウジングの両側面を貫通し、その左右端部分に、図示しない・ジョイント、タイ・ロッド9を介して左右の前輪10を連結し、ステア可能とする。
ハウジング7の油圧室8a、8bにはそれぞれ油路13a、13bの一方端を接続するとともに、油路13a、13bの他端には油圧ポンプ11を接続する。油圧ポンプ11は、電動モータ12によりオルダム・ジョイント30を介して駆動され、油タンク15内の油を吸入・加圧して、油路13a、13bへ高圧油を供給可能としている。油路13a、13bの油圧ポンプ11近くの部分と油タンク15との間には、それぞれチェック・バルブ14a、14bを介裝する。これらのチェック・バルブ14a、14bは、油タンク15から油圧ポンプ11へ向かう油の流れは許容するが、その逆方向の流れは阻止する。なお、図1では、油タンク15は図を見やすくするため、複数個描いているが、実際は同じもので1個である。
油圧ポンプ11から吐出した油は、油路13a、13bに供給可能とされ、これら油路13ア、13b間にドレーン・バルブ16を配置する。ドレーン・バルブ16の両端側の油室を結ぶ油路は、背圧バルブ17を介して油タンク15に連通可能とし、またエア・バルブ18の上流側に連通させる。背圧バルブ17は、ドレーン・バルブ16から油タンク15へ向かう油の流れは許容し、その逆の流れは阻止する。一方、エア・バルブ18は、油圧ポンプ11と油タンク15とを連通可能であり、その開度を調整可能である。
油路13a、13b間には、さらに4個のチェック・バルブ19a、19b、21a、21bを配置する。チェック・バルブ19aはその一端側を油路13aに、またチェック・バルブ19bはその一端側を油路13bにそれぞれ接続し、これらの他端側同士を連結する。チェック・バルブ19a、13bは、いずれもそれらの一端側から他端側への油の流れは許容するが、その逆の流れは阻止する。同様に、チェック・バルブ21aはその一端側を油路13aに、またチェック・バルブ21bはその一端側を油路13bにそれぞれ接続し、これらの他端側同士を連結する。チェック・バルブ21a、21bは、いずれもそれらの一端側から他端側への油の流れは許容するが、その逆の流れは阻止する。
チェック・バルブ19a、19bの他端側の連結点とチェック・バルブ21a、21bの他端側の連結点とは、フェイル・セーフ・バルブ20で結ぶ。フェイル・セーフ・バルブ20は、電磁ソレノイドで駆動し、上記連結点間を遮断、連通の2通りに切り替え可能な2位置切り替えバルブで構成する。
上記のように構成したパワー・ステアリング・システムの油圧系は、以下の構成にかかる電子制御系により制御する。
すなわち、電子制御系は、マイクロ・コンピュータ等からなる電子制御ユニット(ECU)22と、この電子制御ユニット22にそれぞれ接続した各種センサ群とを備えている。電子制御ユニット22は、電動モータ12に接続し、必要なポンプ駆動に応じた大きさに制御したモータ制御電流Icを電動モータ12へ供給する。また、電動モータ12からは、モータ電流Imやモータ位置信号Pmを電子制御ユニット22へ入力し、電動モータ12の状態をモニタする。
一方、センサとしては、ステアリング・シャフト3に取り付けて操舵トルクの大きさを検出し、操舵トルク信号Tを電子制御ユニット22に入力する操舵トルク・センサ3や、車速信号vを電子制御ユニット22に入力する図示しない車速センサを設ける。
したがって、電子制御ユニット22は、ECU起動要求信号STを受けると、モータ制御電流Icを電動モータ12に供給し、油圧ポンプを左右いずれか一方向に駆動する。この制御電流Icの大きさを決めるためには、電子制御ユニット22では、操舵トルク・センサ3からの操舵トルク信号Tに基づき、操舵トルクが大きくなるほどポンプ圧が大きくなるように、また車速センサからの車速信号vに基づき、車速が高くなるとポンプ圧を下げるように制御する。
この結果、ドライバーがステアリング・ホイール1を操舵すると、ステアリング・シャフト2を介してピニオン3がラック6に操舵方向に合わせて左右いずれかの方向へ操舵力を加えるが、このとき、油圧モータ12が駆動されて操舵方向に応じてシリンダ7の油室8a、8bの一方から他方へ油圧をピストン6bに作用させることで操舵アシストを行う。なお、これらのパワー・ステアリング・システムの細かい作用については、ここでは省略する。
図2は、上記パワー・ステアリング・システムの一部の具体的構造を示す。同図において、ハウジング23内に、電動モータ12と、油圧ポンプ11とを同心線上に対面配置する。電動モータ12の出力シャフト31は、油圧ポンプ11の駆動シャフト32にオルダム・ジョイント30を介して連結する。
ここで、オルダム・ジョイント30を用いるのは、電動モータ12と油圧ポンプ11とにおける製造誤差や組立て誤差等により上下左右方向、前後方向にずれが生じるのを避けることができないため、このずれを吸収しながら回転力を伝達するためである。なお、電動モータ12の出力シャフト31は本発明の第1の回転シャフトに、また油圧ポンプ11の駆動シャフト32は本発明の第2の回転シャフトにそれぞれ相当する。
図3、図4、図5に図2のオルダム・ジョイント30を模式的に拡大して示す。オルダム・ジョイント30は、第1の回転シャフト31に設け突起部分31bにより形成されたキー溝部31aと、第2の回転シャフト32のキー部32aと、これらキー溝部31aを形成する突起部分31bおよびキー部32aを収納、ガイドするシリンダ状部材33とを主な構成とする。なお、見やすくするため、なお、上記各図にあっては、シリンダ状部材33の形状を図2よりも単純化して描いてある。
これらの図に示すように、電動モータ12の出力シャフト31は、円柱状をしており、その突出側(油圧ポンプ11側)先端部に1個のキー溝部31aを形成する。このキー溝部31aは、円柱の両側面を軸方向に沿って平行に延びる平面からなる突起状に形成し、さらにこの突起状の部分を先端が開口するコ字状に切り欠くことにより得られる二本の突起部分31bの間に形成する。この切り欠き、すなわちキー溝部31aの底は、上記平面部の段部31cより浅い位置までとする。この平面部の段部31cは、後述するシリンダ状部材33aの端面に当接することで、これらの軸方向の動きを規制するようにしている。なお、段差31cに変えてフランジ部を形成することで同様の効果を得るようにしても良い。
一方、油圧ポンプ11の駆動シャフト32は、電動モータ12の出力シャフト31と同じ直径をした円柱状をしている。その突出側(電動モータ12側)先端部には、この両側面を軸方向に切り欠いて、軸方向に沿って平行に延びる平面からなる直方体形状の1個のキー部32aを形成する。なお、この平面部の底は、段部32aとし、シリンダ状部材33の端面に当接可能とし、これらの軸方向の動きを規制する。
駆動シャフト32のキー部32aは、その軸方向の長さを、図4に示すように、キー溝部31aの軸方向溝長さより長くするとともに、シリンダ状部材33aが駆動シャフト32などに組み付けられたとき、先端がシリンダ状部材33の重心Gよりも出力シャフト31側に伸び、かつ根元側がシリンダ状部材33aから若干突出する長さに設定する。さらに、キー部32aは、図5に示すように、その幅をキー溝部31aの溝幅より小さく設定し、相対変位可能とする。
シリンダ状部材33は、出力シャフト31、駆動シャフト32の直径より大きい円柱状をしており、その内部に、その軸方向両端面間を軸方向に沿って貫通する十字形の貫通嵌合孔33aを形成する。この貫通嵌合孔33aには、出力シャフト31のキー溝部31aを形成する二本の突起部分と駆動シャフト32のキー部32aとを十字状に組み合わせた状態で挿入する。
この場合、図5に示すように、駆動シャフト32のキー部32aの側面とシリンダ状部材33の貫通嵌合孔33aを形成する側面内壁とが両回転シャフト31、32の回転方向へなす間隙D1は、キー部32aの先端部と貫通嵌合孔33aの底部内壁とがなすシャフト31、32の軸直交方向の間隙D2より小さく設定する。また、突起部分51bと貫通嵌合孔33aの内壁との間隙も同様にする。なお、図5は見やすくするため、間隙D1、D2の大きさは、実際よりも大きく誇張して描いてある。
上記のように構成したオルダム・ジョイントにあっては、電動モータ12が駆動されてその出力シャフト31が回転すると、このキー溝部31aの突起部分31bに油圧ポンプ11の駆動シャフト32のキー部32aが当接してつれ回りすることで、電動モータ12の駆動力を油圧ポンプ11に伝え、油圧を発生させる。
この場合、電動モータ12と油圧ポンプ11とが、例え、これらの軸心等が若干ずれて組み付けられていても、キー溝部31aとキー部32aとの間でスライドしながら、回転力を伝達可能であり、また、出力シャフト31と駆動シャフト32とが折れ角を有する場合でも、上記間隙D1、D2があるため、シリンダ状部材33に係止されながら折れ角が許容され、スムーズに回転可能である。また、このとき、回転方向の間隙D1を、軸直角方向の間隙D2よりも小さく設定してあるので、回転によるガタの発生が抑制される。
ここで、本実施例1のオルダム・ジョイント30の特徴を、従来技術によるオルダム・ジョイントの場合と比較して以下に説明する。
図6(a)は従来技術によるオルダム・ジョイントを、また図6(b)は実施例1のオルダム・ジョイントを示す。
オルダム・ジョイントにあっては、従来のもの、実施例1のいずれのものにあっても、シリンダ状部材に重力が作用するが、この重力が作用するシリンダ状部材の重心の位置と、キー部やキー溝部との位置関係、寸法関係によっては以下に説明する不具合が生じる。
すなわち、図6(a)中に示す従来のオルダム・ジョイントにあっては、重心G'は重力F'が作用するが、第1の回転シャフト41のキー部41aの先端がシリンダ状部材43の重心G'を超える位置にはなく、同様に第2の回転シャフト42のキー部41aの先端も重心G'を超える位置にはない。言い換えれば、従来のオルダム・ジョイントは、重心G'は、キー部41aの先端とキー部41aの先端との間、したがってシリンダ状部材43のキー溝部43a、43b間に位置する構成となっている。
このような構成にあっては、第1の回転シャフト41のキー部41aおよびシリンダ状部材43のキー溝部43aの内壁の間隙と、第2の回転シャフト42のキー部42aおよびシリンダ状部材43のキー溝部43bの内壁との間隙を全く同じになるように製造することは実際上不可能に近く、この結果、たとえば、図6(a)に示すように、シリンダ状部材43の重心G'に作用する重力Fにより発生するモーメントMにより、シリンダ状部材43が図中左下方向に傾くようになる。
この場合、第1の回転シャフト41のキー部41aは、この根元側上面がシリンダ状部材43のキー溝部43aの内側上面とAで当接するとともに、第2の回転シャフト42では、このキー部42aの先端側上面がシリンダ状部材43のキー溝部43bの内側上面と、またその根元側下面がシリンダ状部材43のキー溝部43bの内側下面と、それぞれB, Cで示す位置で当接した状態となっている。
この状態では、シリンダ状部材43の重心G'に作用する重力Fにより、第2の回転シャフト42のキー部42aには図中半時計回りの方向へモーメントが作用する結果、キー部42aの先端部と根元部には大きな反力が生じる。この場合、キー部42aには、この軸方向寸法が短いこともあって、大きな応力が発生し、このため、従来のオルダム・ジョイントでは、耐久性が低下し、音振の悪化が生じてしまうといった不具合が生じていた。
これに対し、実施例1のオルダム・ジョイント30では、図6(b)に示すように、出力シャフト31のキー溝部31aを形成する突起部分31bと駆動シャフト32のキー部32aとを、軸方向へ軸方向オーバーラップ長さDL分だけオーバーラップさせ、このオーバーラップした範囲内にシリンダ状部材33の重心Gが位置するようにする。なお、この場合も出力シャフト31と駆動シャフト32との間でのずれや傾きがあると、シリンダ状部材33の重心Gには重力Fが作用する結果、シリンダ状部材33から駆動シャフト32のキー部32aには、上記従来技術同様にモーメントが発生する。
この場合、実施例1のオルダム・ジョイント30では、駆動シャフト32のキー部32aは、従来技術の場合と異なり、出力シャフト31のキー溝部31aの内壁に当たるようになる。この当接箇所でキー部32aから出力シャフト31のキー溝部31aを形成する突起部分31bの先端部と根元部とに反力を生じる。この反力の大きさは以下のようになる。
図7に出力シャフト31の突起部分31bと駆動シャフト32のキー部32aとの軸方向オーバーラップ長さDLを変えた場合の反力の大きさを模式的に示す。図7(a)はDL=Lと設定した場合、図7(b)はDL=2Lと図7(a)の2倍の長さに設定した場合を示す。この場合、DL=Lとした図7(a)の場合、キー部32aの先端部、根元部から突起部分31bにそれぞれ逆方向に反力Fa'、Fa'が作用し、その時のモーメントは、Fa'×Lとなる。一方、DL=2Lと設定した図7(b)の場合、キー部32aの先端部、根元部から突起部分31bにそれぞれ逆方向に反力Fa、Faが作用し、その時のモーメントは、Fa×2Lとなる。
これらの反力によるモーメントは、キー部32aが受けるモーメントMに等しいので、Fa=1/2Fa'となり、DL=2Lの場合は反力がDL=Lの場合の半分になる。すなわち、モーメントMによるシリンダ状部材33の倒れも1/2、またそれぞれのシャフト31、32およびシリンダ状部材33の面圧もまた1/2となる。
以上の例から分かるように、軸方向オーバーラップ長さDLを大きくとるほど、シリンダ状部材33の倒れやシャフト31、32およびシリンダ状部材33の面圧も小さくすることができる。このように軸方向オーバーラップ長さDLを大きくとれるようになったのは、実施例1のオルダム・ジョイント30がキー溝部31aとキー部32aとを嵌合させてオーバーラップさせたことによる。
以上の説明から明らかなように実施例1のオルダム・ジョイントにあっては、下記に示す効果を得ることができる。
(1) 実施例1のオルダム・ジョイント30では、キー溝部31aとキー部32aとを嵌合させてオーバーラップさせることで、キー部32aをシリンダ状部材33の重心Gを超えた位置まで伸ばすことができるようになった。このため、シリンダ状部材33にモーメントが作用しても、シリンダ状部材33の倒れ量を低減することができる。したがって、この倒れによる音振の悪化も抑えることが可能となる。
(2) また、キー部32aへの応力が小さくなる結果、キー部32aの耐久性を向上でき、オルダム・ジョイント30のかじりの発生を低減することができる。
(3) また、シリンダ状部材33の重心Gをキー溝部31aとキー部32aとをオーバーラップした範囲内に位置するようにしたので、シリンダ状部材33の重心Gがずれにくく、シリンダ状部材33の傾きが発生せず、両回転シャフト31、32の回転が安定するようになる。また、オルダム・ジョイント30を組み付ける際に、シリンダ状部材33が一方の回転シャフト31、32から脱落するのを抑止でき、治具等が不要となる。
(4) また、シリンダ状部材33の貫通嵌合孔33aは十字形とし、回転シャフト31、32に段部31c、32bあるいはフランジを設け、これらの当接によりこれら間の軸方向の動きを規制するようにした。このため、回転シャフト31、32のシリンダ状部材33への挿入作業を安定かつ容易にすることができる。
(5) また、シリンダ状部材33の貫通嵌合孔33aを形成する内壁とキー部32aとで形成される間隙を回転方向の間隙D1を軸直角方向の間隙D2より小さく設定したので、回転シャフト31、32間のずれに対応しながら滑らかに回転力を伝え、この際、回転方向のガタを抑えながら、応力の発生を抑制することができる。
(6) また、第1の秋点シャフト31のキー溝部31aと第2の回転シャフト32のキー部32aとを嵌合させ直接回転伝達しているので、両シャフト31、32間の回転の伝達効率も向上できる。
図8に、本発明に係る実施例2のオルダム・ジョイントを示す。実施例2のオルダム・ジョイントでは、第2の回転シャフト32のキー部32aの先端部に丸み32cを付けた形状とする。その他の構成は、実施例1と同じであるので、実施例2で実施例1と実質的に同じ部品、部分には実施例1と同じ番号を付し、それらの説明を省略する。
実施例2のオルダム・ジョイントにあっては、キー部32aの先端部の角をとって丸み32cを付けているので、キー部32aが第1の回転シャフト13のキー溝部31aを形成する突起部分31bの内面に当たっても滑らかに滑ることができる上、この部分に発生する応力の集中を分散させることができる。
したがって、実施例2のオルダム・ジョイントでは、上記(1)〜(6)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(7) 丸み32cにより、第1の回転シャフト31と第2の回転シャフト32との間の滑りをスムーズに行い、滑らかな回転を得ることができる。また、キー部32aの先端部に応力集中がおきるのを抑制できる。
図9は、本発明に係る実施例3のオルダム・ジョイントを示す。実施例3のオルダム・ジョイントでは、第2の回転シャフト32のキー部32aを二股形状とする。その他の構成は、実施例1と同じであるので、実施例3で実施例1と実質的に同じ部品、部分には実施例1と同じ番号を付し、それらの説明を省略する。
第2の回転シャフト32のキー部32aの幅は、実施例1、実施例2のキー部32aの幅よりも大きく設定してあり、二股形状としてその中間が抜けていても、キー部32aが確実に、第1の回転シャフト31の突起部分31bに当接することができるようにする。
実施例3のオルダム・ジョイントにあっても、上記実施例1の効果(1)〜(6)と同様の効果を得ることができる。
図10は、本発明に係る実施例4のオルダム・ジョイントを示す。実施例4のオルダム・ジョイントでは、第1の回転シャフト51の先端部分の周回りに4個の軸方向に突出した突起部分51bを設け、これら間に4個のキー溝部51aを形成する。一方、第2の回転シャフト52の先端部には断面十字形状のキー部52aを形成し、上記キー溝部51a内に間隙を通して挿入してある。なお、第1の回転シャフト51および第2の回転シャフト52には、それぞれ段部51c、52bを形成するが、これらはフランジに代えても良いことは言うまでもない。
一方、シリンダ状部材53には貫通嵌合孔53aを設けるが、この断面は、第1の回転シャフト51の4個の突起部分51b、および第2の回転シャフト52の4個のキー部52aをそれぞれ収納可能な略八面体の形状であって、実施例1の図5と同様に回転方向および軸直角方向への間隙が形成されるような形状とする。
実施例4のオルダム・ジョイントにあっても、上記実施例1の効果(1)〜(6)と同様の効果を得ることができる。
図11(a)に、本発明に係る実施例5のオルダム・ジョイントを示す。実施例5のオルダム・ジョイントでは、第2の回転シャフト52のキー部52aの先端部に丸み52cを付けた形状とする。その他の構成は、実施例4と同じであるので、実施例5で実施例4と実質的に同じ部品、部分には実施例4と同じ番号を付し、それらの説明を省略する。
実施例5のオルダム・ジョイントにあっては、上記実施例1、2の効果(1)〜(7)と同様の効果を得ることができる。
図11(b)は、本発明に係る実施例6のオルダム・ジョイントを示す。実施例6のオルダム・ジョイントでは、第2の回転シャフト54のキー部54aを四股形状とする。その他の構成は、実施例4と同じであるので、それらの説明は省略する。
実施例5のオルダム・ジョイントにあっても、上記実施例1の効果(1)〜(6)と同様の効果を得ることができる。
以上のように、本発明の給電装置を上記のように構成した各実施例に基づき、説明してきたが、本発明はこれらの実施例に限られることなく、本発明の要旨を逸脱しないかぎり、設計変更や変形例は本発明に含まれる。
たとえば、キー溝部およびキー部の形状、数は必要に応じて変更可能であるが、多すぎるのは好ましくない。また、シリンダ状部材の形状も上記実施例に限られない。
また、上記実施例では、オルダム・ジョイントをパワー・ステアリング・システムの電動モータと油圧ポンプとの連結に用いたが、たとえば他の部位、他の装置やシステムに用いても良い。たとえば、ステアリング系にあってステアリング・シャフトの途中に設ければ、ステアリング操舵時のひっかかりや左右差に起因した操舵感の悪化を抑制することができる。
本発明のオルダム・ジョイントは、実施例に示すようにパワー・ステアリング・システムの電動モータと油圧ポンプとの連結に用いるだけでなく、その他の装置、システムであって回転力を伝達する二部品または二部分間のジョイントに用いることも可能である。
1 ステアリング・ホイール
3 操舵トルク・センサ
4 ピニオン
6 ラック
7 シリンダ
11 油圧モータ
12 電動モータ
22 電子コントロール・ユニット
30 オルダム・ジョイント
31 出力シャフト(第1の回転シャフト)
31a キー溝部
31b 突起部分
31c 段部
32 駆動シャフト(第2の回転シャフト)
32a キー部
32b 段部
33 シリンダ状部材
33a 貫通嵌合孔

Claims (5)

  1. 先端部に形成したキー溝部を有する第1の回転シャフトと、
    先端部に前記キー溝部に相対変位可能に嵌合するキー部を有する第2の回転シャフトと、
    前記キー溝部が一端側から挿入され前記キー部が他端側から挿入されて前記キー溝部と前記キー部とに対応した形状で、前記第1の回転シャフトと前記第2の回転シャフトの一方の回転シャフトから他方の回転シャフトに回転伝達可能に嵌合する貫通嵌合孔を有するシリンダ状部材と、
    を備えたことを特徴とするオルダム・ジョイント。
  2. 請求項1に記載のオルダム・ジョイントにおいて、
    前記シリンダ状部材の重心を、前記キー溝部と前記キー部とが軸方向に嵌合する範囲内に位置させることを特徴とするオルダム・ジョイント。
  3. 請求項1または請求項2に記載のオルダム・ジョイントにおいて、
    前記第1の回転シャフトおよび前記第2の回転シャフトにはそれぞれ段部またはフランジを設けて、前記シリンダ状部材の一端側面、他端側面にそれぞれ当接することで軸方向の動きを規制するようにしたことを特徴とするオルダム・ジョイント。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載のオルダム・ジョイントにおいて、
    前記シリンダ状部材の貫通嵌合孔を形成する内壁と前記キー部または前記突起部分との間隙を、前記第1および第2の回転シャフトの回転方向の間隙が、前記第1および第2の回転シャフトの軸直角方向の間隙より小さく設定したことを特徴とするオルダム・ジョイント。
  5. 請求項3に記載のオルダム・ジョイントにおいて、
    前記キー溝部は先端が開口した二股形状であり、前記キー部は前記キー溝部を貫通する直方体形状であり、前記貫通嵌合孔は断面十字形状であることを特徴とするオルダム・シャフト。
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