JP2010285717A - 加熱膨張性不織布及びその製造方法 - Google Patents

加熱膨張性不織布及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は、軽量性、強度、耐久性などの特性に優れ、断熱材、吸音材、フィルター材、構造材などに利用可能な低密度不織布を得るために、より少ない量の加熱膨張性物質で高い加熱膨張性が得られる加熱膨張性不織布及びその製造方法を提供することである。
【解決手段】無機繊維及び/または有機繊維を主成分とし、湿式法で抄造される加熱膨張性不織布において、該不織布中に、加熱膨張性粒子、伸度500%以上の合成樹脂ラテックス、及び平均粒子径0.5μm以上10μm以下の無機顔料を含有することを特徴とする加熱膨張性不織布。
【選択図】なし

Description

本発明は、断熱材、吸音材、フィルター材、構造材などに利用可能な低密度不織布を得るための加熱膨張性不織布及びその製造方法に関するものである。
シート中に空隙が多い低密度の不織布は、軽量で、加工性が良好なことから、断熱材、吸音材、フィルター材として使われている。さらに様々な機能を付与して、より幅広い用途への応用が試みられている。
不織布の製造方法は、大きく乾式法と湿式法に分類される。乾式法で製造される不織布は、低密度のものが得やすいが、繊維の種類や繊維長が限定されることが多いため、機能のバリエーションが制限されてしまうデメリットがある。一方、湿式法では様々な繊維を用いることができ、かつ生産性が高いメリットがあるが、得られた不織布は高密度になりやすいという特徴がある。
これを解決する手段として、湿式法にて捲縮繊維を配合し、嵩高くするという方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、捲縮繊維のみの効果では、密度が0.5g/cm3程度であり、低密度不織布としては不十分である。
さらに、より低密度な不織布を得る目的で、繊維を加熱膨張性物質と共に抄造し加熱膨張性物質を含有する不織布を作製し、さらに、加熱により該加熱膨張性物質を膨張させて低密度不織布を得る方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この方法では、不織布内での加熱膨張性物質の分布が不均一になりやすい問題があるほか、加熱膨張性物質を繊維へ定着させ難いため、十分に低密度な不織布を得るためには、加熱膨張性物質を大量に添加する必要があり、低密度の不織布が得られるものの、不織布を構成する繊維間の空隙が膨張した加熱膨張性物質で埋められてしまうため、断熱材、吸音材、フィルター材、構造材などに使用する場合に、十分な機能が得られないなどの問題がある。
また、不織布に、加熱膨張性物質と熱可塑性樹脂を含有する含浸液を不織布に含浸させて、加熱膨張物質を含有させる方法が提案されている(例えば、特許文献3及び4参照)。これらの方法によると、比較的容易に不織布中に加熱膨張性物質を含有させることが可能である。しかしながら、加熱膨張性物質と共に添加される熱可塑性樹脂が加熱膨張性物質の膨張を阻害しやすいため、この方法によっても十分低密度の不織布を得るためには、大量の加熱膨張性物質を添加する必要があり、断熱材、吸音材、フィルター材、構造材などに使用する場合に、十分な機能が得られないなどの問題がある。
特開平9−273096号公報 特開2006−342437号公報 特開平2−45135号公報 特開平11−50370号公報
本発明の課題は、軽量性、強度、耐久性などの特性に優れ、断熱材、吸音材、フィルター材、構造材などに利用可能な低密度不織布を得るために、より少ない量の加熱膨張性物質で高い加熱膨張性が得られる加熱膨張性不織布及びその製造方法を提供することである。
本発明者はこれらの課題を解決すべく検討した結果、下記の発明により上記の課題が解決されることを見い出した。
無機繊維及び/または有機繊維を主成分とし、湿式法で抄造される加熱膨張性不織布において、該不織布中に、加熱膨張性粒子、伸度500%以上の合成樹脂ラテックス及び平均粒子径0.5μm以上10μm以下の無機顔料を含有することを特徴とする加熱膨張性不織布である。
加熱膨張性粒子が、熱可塑性樹脂をシェルとし、炭化水素を内包するマイクロカプセルであると好ましい。
本発明の加熱膨張性不織布は、湿式法により無機繊維及び/または有機繊維を主成分とした不織布を抄造し、さらに該不織布に、加熱膨張性粒子、伸度500%以上の合成樹脂ラテックス及び平均粒子径0.5μm以上10μm以下の無機顔料を含有する含浸液を含浸させる方法により製造するのがより好ましい。
本発明の加熱膨張性不織布は、湿式法で抄造された不織布であり、加熱膨張性粒子、伸度500%以上の合成樹脂ラテックス及び平均粒子径0.5μm以上10μm以下の無機顔料を含有することを特徴とし、加熱膨張性粒子と共に、伸度500%以上の合成樹脂ラテックスと平均粒子径0.5μm以上10μm以下の無機顔料の両方を不織布中に含有させることによって、どちらか一方のみを含有させたのでは得られない新たな効果として、より少ない加熱膨張性粒子の含有量で高い加熱膨張性が得られる。また、繊維自体の持つ特性を損ないにくいこと、本発明の加熱膨張性不織布を加熱することで得られた不織布膨張体の厚さ方向の圧縮力に対する耐久性(耐圧縮強度)が高いこと、不織布膨張体にさらに合成樹脂などを含浸して構造材料として用いる場合に、より高い強度の構造材料が得られることなどの効果も得られる。
加熱膨張性粒子が、熱可塑性樹脂をシェルとし、炭化水素を内包するマイクロカプセルであると、より容易に加熱膨張性粒子を不織布中に含有させることができ、より少ない加熱膨張性粒子の含有量で高い加熱膨張性が得られる。また、耐圧縮強度の高い不織布膨張体を得ることができる。
本発明の加熱膨張性不織布の製造方法によって、より特性が良好な加熱膨張性不織布を効率よく製造することができる。
以下に、本発明の加熱膨張性不織布及びその製造方法について詳細に説明する。本発明の加熱膨張性不織布は、湿式法で抄造された不織布であり、加熱膨張性粒子、伸度500%以上の合成樹脂ラテックス及び平均粒子径0.5μm以上10μm以下の無機顔料を含有する。
不織布を構成する繊維としては、無機繊維及び/または有機繊維を使用する。繊維の具体例としては、ポリエステル、ポリアミド、アクリル、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、ポリウレタン、アセチルセルロース、再生セルロース、木材及び非木材パルプ、綿、麻、ケナフ、羊毛、絹、石綿、ロックウール、ガラス、カーボン等の有機または無機の繊維から選ばれる1種以上の繊維からなるものであり、また、これらの繊維の形状、ステープルの長さ、太さ等も特に限定されるものではない。これらの繊維は1種のみを用いても良く、2種以上を併用して用いても良い。
また、不織布の強度を発現させる目的でバインダー繊維を含有させることができる。バインダー繊維は、加熱により接着性を発現する芯鞘構造のポリエチレンテレフタレート(PET)繊維や、熱と水分で接着性を発現するアセタール化ポリビニルアルコール繊維、水素結合により結着するパルプなど、特に限定されずに用いることができる。これらバインダー繊維は、不織布の強度を発現させる効果があるが、大量に配合すると加熱膨張性が低下するので、目的に応じて適宜繊維の種類及び配合量を調節することが好ましく、不織布を構成するバインダー繊維を含む全繊維の5〜40質量%のバインダー繊維を添加するのが好ましい。
本発明の加熱膨張性不織布を構成する繊維の目付量は、30〜1000g/m2の範囲であることが好ましい。繊維の目付量が30g/m2未満では、加熱膨張性が低くなり、十分な厚みが得られない場合がある。一方、1000g/m2超では、加熱膨張時の熱が伝わりにくくなり、均一な膨張ができない場合がある。より好ましい目付量は50〜700g/m2の範囲であり、さらに好ましくは70〜500g/m2である。
次に、本発明に用いる加熱膨張性粒子について説明する。本発明では、加熱膨張性粒子として、膨張開始温度が100℃から250℃程度のものが好ましく用いられる。このような加熱膨張性粒子としては、加熱膨張性マイクロカプセル、膨張黒鉛などが挙げられる。加熱膨張性粒子の平均粒子径は、加熱膨張前で5μm以上200μm未満であることが好ましく、より好ましくは10μm以上100μm未満である。膨張前の平均粒子径が5μm未満であると、十分に膨張しにくい場合がある。一方、200μm以上であると、不織布中に含有させるのが困難になる場合がある。加熱膨張性粒子の膨張後の平均粒子径は10μm以上となるものが好ましく、より好ましくは20μm以上である。膨張後の加熱膨張性粒子の平均粒子径が小さ過ぎると、不織布を膨張させるのに必要な加熱膨張性粒子の量(数)が多量となる場合がある。なお、上記膨張前の加熱膨張性粒子の平均粒子径は、光学顕微鏡或いは電子顕微鏡を用いて50個程度の粒子を観察し、直径を平均した値のことである。また、膨張後の平均粒子径は、膨張させた不織布中の加熱膨張性粒子を、光学顕微鏡或いは電子顕微鏡を用いて50個程度の粒子を観察し、直径を平均した値のことである。
本発明に用いる加熱膨張性粒子は、膨張開始温度の選択の自由度が大きいこと、粒子径、加熱膨張性などの点で、加熱膨張性マイクロカプセルが好ましく、熱可塑性樹脂の軟化点よりも低沸点の内包物をガスバリア性を有する熱可塑性樹脂からなるシェルで内包したコアシェル型の加熱膨張性マイクロカプセルが好ましい。内包物としては、例えば、イソブタン、ペンタン、ヘキサン等の沸点が150℃以下の炭化水素類やエーテル類を挙げることができる。また、シェルを形成する熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、(メタ)アクリル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリウレタン、ポリアセタール、ポリフェニレンスルフィド、フッ素樹脂、アクリロニトリル共重合体等を挙げることができる。好ましいものとしては、内包物がイソブタン、ペンタン、ヘキサン等の液状の炭化水素からなり、シェルがアクリロニトリル共重合体、ポリ塩化ビニリデン等の熱可塑性樹脂からなる加熱膨張性マイクロカプセルがあり、特に好ましいのはシェルがアクリロニトリル共重合体の加熱膨張性マイクロカプセルである。
加熱膨張性マイクロカプセルは、ある温度以上に加熱されると、軟化したシェルがコアの気化膨張する圧力によって膨張を開始する。また、膨張黒鉛は、インターカレートしている層間物がある温度以上でガスを発生し、その結果、黒鉛が膨張する。本発明では、この温度を膨張開始温度と言い、加熱膨張性粒子を10℃/分で昇温したときに、加熱膨張性粒子の膨張倍率が、最大膨張倍率の15%に達する温度で定義する。本発明が用いる加熱膨張性粒子は、膨張開始温度は120℃以上のものが好ましく、130〜200℃のものがより好ましい。膨張開始温度が120℃未満では、加熱膨張性粒子自体の耐熱性に劣ることがあり、また、抄造した湿潤状態の不織布基材の乾燥温度を極端に低くする必要があり、乾燥に長時間を要するため好ましくない。一方、膨張開始温度が230℃を超えると、膨張させるための加熱温度が高温となり過ぎ、不織布を構成する成分の劣化を招く可能性がある。
加熱膨張性マイクロカプセルは、膨張開始温度が異なるものを2種以上併用することも可能である。この場合、膨張開始温度がより低い加熱膨張性マイクロカプセルのみ膨張するように加熱することにより、最大膨張厚さより薄い中間的な厚さに膨張させることができる。その後、最も膨張開始温度が高い加熱膨張性マイクロカプセルが膨張する温度まで再加熱することにより、最大膨張厚さまで膨張させることができる。
また、加熱膨張性マイクロカプセルは、平均粒子径が異なるものを2種以上併用することも可能である。この場合、単一粒子径の加熱膨張性マイクロカプセルを単独で使用する場合より、加熱膨張性マイクロカプセル充填率をアップさせることができ、不織布膨張体の強度を向上させるなどの効果を得ることができる。
次に、本発明に用いられる伸度500%以上の合成樹脂ラテックスについて説明する。本発明では、伸度500%以上の合成樹脂ラテックスであれば、その組成は特に限定されない。ここで伸度とは、JIS K 6251に準拠して、フィルム厚み約0.15mm、フィルム形状ダンベル3号の合成樹脂ラテックスの乾燥被膜に対して、温度23℃、相対湿度65%において、引張速度500mm/分の条件下で引張試験を実施したときの破断伸度である。伸度は、500%以上で、大きいほど不織布の加熱膨張性が大きくなり好ましい。特に、伸度が1000%以上であると、加熱膨潤性不織布の加熱膨張性が非常に高くなり、加熱膨張性粒子の使用量を少なくできて特に好ましい。伸度の上限は特に制限されないが、市販の合成樹脂ラテックスでは2000%程度のものまで市販されており、これらを使用することができる。
伸度500%以上の合成樹脂ラテックスの具体例としては、エチレン−酢酸ビニル系ラテックス、アクリル系ラテックス、ウレタン系ラテックス、スチレン−ブタジエン系ラテックス、アクリロニトリル−ブタジエン系ラテックス、その他単重合系ラテックス及び共重合系ラテックスなどが挙げられる。これらの合成樹脂ラテックスは1種のみを用いても良く、2種以上を併用して用いても良い。
次に、本発明に用いる平均粒子径0.5μm以上10μm以下の無機顔料について説明する。本発明に用いる平均粒子径0.5μm以上10μm以下の無機顔料の組成は特に限定されない。ここで、平均粒子径とは、レーザー回折・散乱法またはレーザードップラー法を用いた粒度分布計により測定される体積平均粒子径である。平均粒子径0.5μm以上10μm以下無機顔料の具体例としては、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム及びこれらの焼成品、表面処理品などが挙げられる。これらの無機顔料は1種のみを用いても良く、2種以上を併用して用いても良い。
無機顔料の平均粒子径が0.5μm未満であると、加熱膨潤性不織布の加熱膨張性が低下し、必要な加熱膨張性粒子の添加量が多くなったり、不織布膨張体の弾力性が低くなり、圧縮に対する耐久性が小さくなる。また、平均粒子径が10μmを超える無機顔料を使用すると、加熱膨潤性不織布の加熱膨張性は向上するものの、不織布膨張体が圧縮により容易につぶれたり、曲げ、引っ張りなどの強度も十分に得られない。よって、平均粒子径が0.5μm以上10μm以下の無機顔料を使用することにより、加熱膨潤性不織布の加熱膨張性に優れ、かつ、強度、耐久性などに優れた不織布膨張体を得ることができる。
次に、本発明の加熱膨張性不織布を構成する繊維、加熱膨張性粒子の配合率は、繊維の構成、加熱膨張性粒子の粒子径、加熱膨張性によっても異なるが、繊維/加熱膨張性粒子の質量比が97/3〜80/20の範囲であることが好ましい。繊維/加熱膨張性粒子の質量比が97/3より大きくなると、十分な加熱膨張性が得られない場合がある。また、質量比が80/20より小さくなると、加熱膨潤性不織布を構成する繊維同士の絡み合いが少なくなり、強度が大幅に低下する場合がある。
また、本発明の加熱膨張性不織布を構成する加熱膨張性粒子と伸度500%以上の合成樹脂ラテックスの配合率は、繊維の構成、加熱膨張性粒子の粒子径、加熱膨張性などによっても異なるが、加熱膨張性粒子/伸度500%以上の合成樹脂ラテックスの質量比が2/1〜1/3の範囲であることが好ましい。加熱膨張性粒子/伸度500%以上の合成樹脂ラテックスの質量比が2/1より大きくなると、不織布の加熱膨張性の低下や、不織布膨張体の強度が十分得られない場合がある。また質量比が1/3より小さい場合には、不織布膨張体の強度は向上するものの、十分な加熱膨張性が得られない場合がある。
さらに、本発明の加熱膨張性不織布を構成する伸度500%以上の合成樹脂ラテックスと平均粒子径0.5μm以上10μm以下の無機顔料の配合率は、繊維の構成、無機顔料の平均粒子径などによっても異なるが、伸度500%以上の合成樹脂ラテックス/平均粒子径0.5μm以上10μm以下の無機顔料の質量比が2/1〜1/3の範囲であることが好ましい。伸度500%以上の合成樹脂ラテックス/平均粒子径0.5μm以上10μm以下の無機顔料の質量比が2/1より大きくなると、不織布膨張体の厚さ方向の圧縮に対する耐久性が低下したり、曲げ強度が低下する場合がある。また、質量比が1/3より小さい場合にも、不織布膨張体の厚さ方向の圧縮に対する耐久性が低下したり、曲げ強度が低下する場合がある。
なお、本発明の加熱膨張性不織布は、上記した無機繊維及び/または有機繊維、加熱膨張性粒子、伸度500%以上の合成樹脂ラテックス及び平均粒子径0.5μm以上10μm以下の無機顔料のほかに、酸化防止剤、耐光安定剤、金属不活性化剤、難燃剤、カーボンブラック、VOC吸着剤、VOC分解剤、消臭剤などの添加剤や着色剤、有機結合剤等を要求に応じて含有させることができる。また、上記の添加剤や着色剤は、例えば、繊維や無機顔料に予めコーティングしておいたり、混合時に配合したり、不織布にスプレーなどで噴霧して添加することによって含有させても良い。
次に、本発明の加熱膨張性不織布の製造方法について説明する。本発明の加熱膨張性不織布基材は湿式法にて抄造され、これに、加熱膨張性粒子、伸度500%以上の合成樹脂ラテックス及び平均粒子径0.5μm以上10μm以下の無機顔料を適当な方法で含有させることにより製造される。加熱膨張性粒子は、抄造時に繊維と共に添加する方法、或いは、加熱膨張性不織布基材抄造後、加熱膨張性粒子を含む含浸液を含浸させる方法で含有させることができる。また、平均粒子径0.5μm以上10μm以下の無機顔料についても、抄造時に繊維と共に添加する方法、或いは、加熱膨潤性不織布基材抄造後、無機顔料を含む含浸液を含浸させる方法で含有させることができる。また、伸度500%以上の合成樹脂ラテックスは、抄造時に繊維と共に添加する方法では、歩留まりが非常に悪くなるため、加熱膨潤性不織布基材抄造後、合成樹脂ラテックスを含む含浸液を含浸させる方法が好ましい。
本発明の加熱膨張性不織布に含有させる、加熱膨張性粒子、平均粒子径0.5μm以上10μm以下の無機顔料及び伸度500%以上の合成樹脂ラテックスの3成分は、加熱膨潤性不織布中で、お互いに近接或いは混合した状態で含有させると、より大きな効果を得ることができる。従って、3成分を予め混合状態で含有する含浸液を、抄造された加熱膨潤性不織布基材に含浸させる方法が最も好ましい。
加熱膨張性粒子、平均粒子径0.5μm以上10μm以下の無機顔料及び伸度500%以上の合成樹脂ラテックスを含有する含浸液は、加熱膨潤性不織布基材への含浸時の含浸量、含浸性、均一性など考慮し、適当な粘度、濃度、表面張力に調節することが好ましい。また、これらを調節する目的で、界面活性剤、粘度調節剤などの添加剤を添加することができる。
抄造された加熱膨潤性不織布基材に、加熱膨張性粒子、平均粒子径0.5μm以上10μm以下の無機顔料及び伸度500%以上の合成樹脂ラテックスを含有する含浸液を含浸させる方法は、特に限定されない。含浸装置の具体例としては、ディッピング装置、ロールコーター、カーテンコーター、吸引式サチュレーターなどが挙げられる。
加熱膨張性粒子、平均粒子径0.5μm以上10μm以下の無機顔料及び伸度500%以上の合成樹脂ラテックスを含有させた未膨張の加熱膨潤性不織布は、加熱膨張性粒子の膨張開始温度未満の温度まで加熱して水だけ蒸発させて乾燥した後、常温まで降温して保管後、加熱膨張性粒子の膨張開始温度以上に再加熱して膨張させることができる。また、湿潤状態のまま加熱して、加熱膨張性粒子の膨張開始温度以上まで昇温し、乾燥と膨張を同時に行うこともできる。乾燥と膨張を同時に行った方が、加熱膨張性及び製造効率が良く経済的である。
抄造工程または、加熱膨張性粒子、平均粒子径0.5μm以上10μm以下の無機顔料及び伸度500%以上の合成樹脂ラテックスを含浸する工程で、湿潤状態の不織布を乾燥させる方法は、特に限定されない。乾燥方法の具体例としては、熱風乾燥、熱ドラム乾燥、赤外線乾燥、誘電乾燥、誘導乾燥などが挙げられる。乾燥装置の具体例としては、上記乾燥を実施できる、熱風ドライヤー、シリンダードライヤー、赤外線ヒーター、マイクロウエーブ加熱装置などが挙げられる。
未膨張の加熱膨張性不織布を加熱・膨張させる方法は、特に限定されない。加熱・膨張させる装置の具体例としては、上記乾燥装置と同様のものが使用できる。また、加熱・膨張は、自由膨張させることも、加熱した金型などの中で形状を制限して膨張させることもできる。また、加熱して自由膨張させた加熱膨張性不織布を、熱いまま低温の金型などに入れ、成型することもできる。
以下実施例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の部数、百分率は、特にことわりのない限り、質量基準である。
(A)不織布基材1の作製
水100000部にガラス繊維(平均直径9μm、カット長6mm)170部、及びPET系バインダー繊維(帝人ファイバー(株)製、商品名:テピルスTJ04CN、繊度1.1デシテックス、カット長5mm)30部を投入し、5分間撹拌して分散した。次いで、この液を抄造機に投入、脱水し、引き続き115℃のシリンダードライヤーで乾燥し、目付量200g/m2の不織布基材1を作製した。
(B)不織布基材2の作製
(A)不織布基材1の作製で、ガラス繊維(平均直径9μm、カット長6mm)170部を用いる代わりに、PET繊維(帝人ファイバー(株)製、商品名:テピルスTT04N、繊度1.7デシテックス、カット長10mm)170部を用いた以外は(A)不織布基材1の作製と同一にして、目付量200g/m2の不織布基材2を作製した。
(C)不織布基材3の作製
(A)不織布基材1の作製で、ガラス繊維(平均直径9μm、カット長6mm)170部を用いる代わりに、ポリプロピレン繊維(宇部日東化成(株)製、商品名:UNKチョップRCP、繊度1.7デシテックス、カット長10mm)170部を用いた以外は(A)不織布基材1の作製と同一にして、目付量200g/m2の不織布基材3を作製した。
(D)不織布基材4の作製
水100000部にガラス繊維(平均直径9μm、カット長6mm)85部、PET繊維(帝人ファイバー(株)製、商品名:テピルスTT04N、繊度1.7デシテックス、カット長10mm)85部、及びPET系バインダー繊維(帝人ファイバー(株)製、商品名:テピルスTJ04CN、繊度1.1デシテックス、カット長5mm)30部を投入し、5分間撹拌して分散した。次いで、この液を抄造機に投入、脱水し、引き続き115℃のシリンダードライヤーで乾燥し、目付量200g/m2の不織布基材4を作製した。
(E)不織布基材5の作製
(D)不織布基材4の作製で、PET繊維(帝人ファイバー(株)製、商品名:テピルスTT04N、繊度1.7デシテックス、カット長10mm)85部を用いる代わりに、ポリプロピレン繊維(宇部日東化成(株)製、商品名:UNKチョップRCP、繊度1.7デシテックス、カット長10mm)85部を用いた以外は(D)不織布基材4の作製と同一にして、目付量200g/m2の不織布基材5を作製した。
(F)不織布基材6の作製
水100000部にガラス繊維(平均直径9μm、カット長6mm)170部、PET系バインダー繊維(帝人ファイバー(株)製、商品名:テピルスTJ04CN、繊度1.1デシテックス、カット長5mm)30部及び熱膨張性マイクロカプセル(松本油脂製薬(株)製、商品名:マツモトマイクロスフェアーFN−105D、膨張開始温度120〜135℃)20部を投入し、5分間撹拌して分散した。次いで、この液を抄造機に投入、脱水し、引き続き115℃のシリンダードライヤーで乾燥し、繊維目付量200g/m2の不織布基材6を作製した。
(G)不織布基材7の作製
(F)不織布基材6の作製で、ガラス繊維(平均直径9μm、カット長6mm)170部を用いる代わりに、PET繊維(帝人ファイバー(株)製、商品名:テピルスTT04N、繊度1.7デシテックス、カット長10mm)170部を用いた以外は(F)不織布基材6の作製と同一にして、繊維目付量200g/m2の不織布基材7を作製した。
(H)不織布基材8の作製
(F)不織布基材6の作製で、ガラス繊維(平均直径9μm、カット長6mm)170部を用いる代わりに、ポリプロピレン繊維(宇部日東化成(株)製、商品名:UNKチョップRCP、繊度1.7デシテックス、カット長10mm)170部を用いた以外は(F)不織布基材6の作製と同一にして、繊維目付量200g/m2の不織布基材8を作製した。
(I)不織布基材9の作製
水100000部にガラス繊維(平均直径9μm、カット長6mm)85部、PET繊維(帝人ファイバー(株)製、商品名:テピルスTT04N 繊度1.7デシテックス、カット長10mm)85部、PET系バインダー繊維(帝人ファイバー(株)製、商品名:テピルスTJ04CN 繊度1.1デシテックス、カット長5mm)30部、及び熱膨張性マイクロカプセル(松本油脂製薬(株)製、商品名:マツモトマイクロスフェアーFN−105D、膨張開始温度120〜135℃)20部を投入し、5分間撹拌して分散した。次いで、この液を抄造機に投入、脱水し、引き続き115℃のシリンダードライヤーで乾燥し、繊維目付量200g/m2の不織布基材9を作製した。
(J)不織布基材10の作製
(I)不織布基材9の作製で、PET繊維(帝人ファイバー(株)製、商品名:テピルスTT04N、繊度1.7デシテックス、カット長10mm)85部を用いる代わりに、ポリプロピレン繊維(宇部日東化成(株)製、商品名:UNKチョップRCP、繊度1.7デシテックス、カット長10mm)85部を用いた以外は(I)不織布基材9の作製と同一にして、繊維目付量200g/m2の不織布基材10を作製した。
(K)不織布基材11の作製
膨張黒鉛(伊藤黒鉛工業(株)製、商品名:9950200、膨張開始温度150℃)を、高速回転衝撃式粉砕機で乾式粉砕し、平均粒子径150μmの膨張黒鉛粒子を作製した。次に、水100000部にガラス繊維(平均直径9μm、カット長6mm)170部、PET系バインダー繊維(帝人ファイバー(株)製、商品名:テピルスTJ04CN、繊度1.1デシテックス、カット長5mm)30部及び上記で作製した膨張黒鉛粒子20部を投入し、5分間撹拌して分散した。次いで、この液を抄造機に投入、脱水し、引き続き115℃のシリンダードライヤーで乾燥し、繊維目付量200g/m2の不織布基材11を作製した。
(L)不織布基材12の作製
(K)不織布基材11の作製で、ガラス繊維(平均直径9μm、カット長6mm)170部を用いる代わりに、PET繊維(帝人ファイバー(株)製、商品名:テピルスTT04N、繊度1.7デシテックス、カット長10mm)170部を用いた以外は(K)不織布基材11の作製と同一にして、繊維目付量200g/m2の不織布基材12を作製した。
(M)不織布基材13の作製
(K)不織布基材11の作製で、ガラス繊維(平均直径9μm、カット長6mm)170部を用いる代わりに、ポリプロピレン繊維(宇部日東化成(株)製、商品名:UNKチョップRCP、繊度1.7デシテックス、カット長10mm)170部を用いた以外は(K)不織布基材11の作製と同一にして、繊維目付量200g/m2の不織布基材13を作製した。
(N)不織布基材14の作製
膨張黒鉛(伊藤黒鉛工業(株)製、商品名:9950200、膨張開始温度150℃)を、高速回転衝撃式粉砕機で乾式粉砕し、平均粒子径150μmの膨張黒鉛粒子を作製した。次に、水100000部にガラス繊維(平均直径9μm、カット長6mm)85部、PET繊維(帝人ファイバー(株)製、商品名:テピルスTT04N 繊度1.7デシテックス、カット長10mm)85部、PET系バインダー繊維(帝人ファイバー(株)製、商品名:テピルスTJ04CN 繊度1.1デシテックス、カット長5mm)30部、及び上記で作製した膨張黒鉛粒子20部を投入し、5分間撹拌して分散した。次いで、この液を抄造機に投入、脱水し、引き続き115℃のシリンダードライヤーで乾燥し、繊維目付量200g/m2の不織布基材14を作製した。
(O)不織布基材15の作製
(N)不織布基材14の作製で、PET繊維(帝人ファイバー(株)製、商品名:テピルスTT04N、繊度1.7デシテックス、カット長10mm)85部を用いる代わりに、ポリプロピレン繊維(宇部日東化成(株)製、商品名:UNKチョップRCP、繊度1.7デシテックス、カット長10mm)85部を用いた以外は(N)不織布基材14の作製と同一にして、繊維目付量200g/m2の不織布基材15を作製した。
(P)含浸液1の作製
水90部に、無機顔料分散剤としてヘキサメタリン酸ナトリウム0.025部を溶解した。これに無機顔料として水酸化アルミニウム(昭和電工(株)製、商品名:ハイジライトH−42、平均粒子径1μm)2.5部及び加熱膨張性マイクロカプセル(松本油脂製薬(株)製、商品名:マツモトマイクロスフェアーFN−105D、膨張開始温度120〜135℃)2.5部を添加し、高速ホモジナイザーで5分間撹拌し、水酸化アルミニウム及び加熱膨張性マイクロカプセルを分散した。さらに、エチレン−酢酸ビニル系ラテックス(住友化学(株)製、商品名:スミカフレックスS−755、固形分濃度51%、伸度1500%以上)4.9部、アニオン系界面活性剤(日光ケミカルズ(株)製、商品名:NIKKOL OTP−75、固形分濃度75%)0.3部を添加し、良く撹拌混合して固形分濃度7.8%の含浸液1を作製した。
(Q)含浸液2の作製
(P)含浸液1の作製で、水酸化アルミニウム(昭和電工(株)製、商品名:ハイジライトH−42、平均粒子径1μm)2.5部を用いる代わりに、水2.5部を用いた以外は、(P)含浸液1の作製と同一にして、固形分濃度5.3%の含浸液2を作製した。
(R)含浸液3の作製
(P)含浸液1の作製で、エチレン−酢酸ビニル系ラテックス(住友化学(株)製、商品名:スミカフレックスS−755、固形分濃度51%、伸度1500%以上)4.9部の代わりに、水4.9部を用いた以外は、(P)含浸液1の作製と同一にして、固形分濃度5.3%の含浸液3を作製した。
(S)含浸液4の作製
(P)含浸液1の作製で、水酸化アルミニウム(昭和電工(株)製、商品名:ハイジライトH−42、平均粒子径1μm)2.5部を用いる代わりに、水2.5部を用い、エチレン−酢酸ビニル系ラテックス(住友化学(株)製、商品名:スミカフレックスS−755、固形分濃度51%、伸度1500%以上)4.9部の代わりに、水4.9部を用いた以外は、(P)含浸液1の作製と同一にして、固形分濃度2.8%の含浸液4を作製した。
(T)含浸液5の作製
(P)含浸液1の作製で、水酸化アルミニウム(昭和電工(株)製、商品名:ハイジライトH−42、平均粒子径1μm)2.5部を用いる代わりに、炭酸マグネシウム(神島化学工業(株)製、商品名:金星、平均粒子径6μm)2.5部を用いた以外は、(P)含浸液1の作製と同一にして、固形分濃度7.8%の含浸液5を作製した。
(U)含浸液6の作製
(P)含浸液1の作製で、水酸化アルミニウム(昭和電工(株)製、商品名:ハイジライトH−42、平均粒子径1μm)2.5部を用いる代わりに、シリカ(水澤化学工業(株)製、商品名:ミズカシルP−510、平均粒子径10μm)2.5部を用いた以外は、(P)含浸液1の作製と同一にして、固形分濃度7.8%の含浸液6を作製した。
(V)含浸液7の作製
水90部に、無機顔料分散剤としてヘキサメタリン酸ナトリウム0.025部を溶解した。これに無機顔料としてカオリン(米国BASF社製、商品名:MIRAGLOSS、平均粒子径1μm)2.5部を加え、これをサンドミルで平均粒子径が0.5μmになるように粉砕した。この分散液に加熱膨張性マイクロカプセル(松本油脂製薬(株)製、商品名:マツモトマイクロスフェアーFN−105D、膨張開始温度120〜135℃)2.5部を添加し、高速ホモジナイザーで5分間撹拌して加熱膨張性マイクロカプセルを分散した。さらに、エチレン−酢酸ビニル系ラテックス(住友化学(株)製、商品名:スミカフレックスS−755、固形分濃度51%、伸度1500%以上)4.9部、アニオン系界面活性剤(日光ケミカルズ(株)製、商品名:NIKKOL OTP−75、固形分濃度75%)0.3部を添加し、良く撹拌混合して固形分濃度7.8%の含浸液7を作製した。
(W)含浸液8の作製
(P)含浸液1の作製で、水酸化アルミニウム(昭和電工(株)製、商品名:ハイジライトH−42、平均粒子径1μm)2.5部を用いる代わりに、炭酸マグネシウム(神島化学工業(株)製、商品名:GP−30N、平均粒子径12μm)2.5部を用いた以外は、(P)含浸液1の作製と同一にして、固形分濃度7.8%の含浸液8を作製した。
(X)含浸液9の作製
(P)含浸液1の作製で、水酸化アルミニウム(昭和電工(株)製、商品名:ハイジライトH−42、平均粒子径1μm)2.5部を用いる代わりに、酸化チタン(堺化学工業(株)製、商品名:TITONE R−650、平均粒子径0.25μm)2.5部を用いた以外は、(P)含浸液1の作製と同一にして、固形分濃度7.8%の含浸液9を作製した。
(Y)含浸液10の作製
(P)含浸液1の作製で、エチレン−酢酸ビニル系ラテックス(住友化学(株)製、商品名:スミカフレックスS−755、固形分濃度51%、伸度1500%以上)4.9部を用いる代わりに、エチレン−酢酸ビニルラテックス(住友化学(株)製、商品名:スミカフレックスS−510HQ、固形分濃度55%、伸度800%)4.55部を用いた以外は、(P)含浸液1の作製と同一にして、固形分濃度7.8%の含浸液10を作製した。
(Z)含浸液11の作製
(P)含浸液1の作製で、水90部を用いる代わりに水89部を用い、エチレン−酢酸ビニル系ラテックス(住友化学(株)製、商品名:スミカフレックスS−755、固形分濃度51% 伸度1500%以上)4.9部を用いる代わりに、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)系ラテックス(日本エイアンドエル(株)製、商品名:サイアテックスNA−20、固形分濃度45%、伸度1200%)5.6部を用いた以外は、(P)含浸液1の作製と同一にして、固形分濃度7.8%の含浸液11を作製した。
(AA)含浸液12の作製
(P)含浸液1の作製で、水90部を用いる代わりに水88部を用い、エチレン−酢酸ビニル系ラテックス(住友化学(株)製、商品名:スミカフレックスS−755、固形分濃度51%、伸度1500%以上)4.9部を用いる代わりに、NBRラテックス(日本エイアンドエル(株)製、商品名:サイアテックスNA−11、固形分濃度40%、伸度500%)6.3部を用いた以外は、(P)含浸液1の作製と同一にして、固形分濃度7.8%の含浸液12を作製した。
(AB)含浸液13の作製
水91部に、無機顔料分散剤としてヘキサメタリン酸ナトリウム0.025部を溶解した。これに無機顔料として水酸化アルミニウム(昭和電工(株)製、商品名:ハイジライトH−42、平均粒子径1μm)2.5部及び加熱膨張性マイクロカプセル(松本油脂製薬(株)製、商品名:マツモトマイクロスフェアーFN−105D、膨張開始温度120〜135℃)1.25部を添加し、高速ホモジナイザーで5分間撹拌し水酸化アルミニウム及び加熱膨張性マイクロカプセルを分散した。さらに、エチレン−酢酸ビニル系ラテックス(住友化学(株)製、商品名:スミカフレックスS−755、固形分濃度51%、伸度1500%以上)4.9部、アニオン系界面活性剤(日光ケミカルズ(株)製、商品名:NIKKOL OTP−75、固形分濃度75%)0.3部を添加し、良く撹拌混合して固形分濃度6.5%の含浸液13を作製した。
(AC)含浸液14の作製
水87部に、無機顔料分散剤としてヘキサメタリン酸ナトリウム0.025部を溶解した。これに無機顔料として水酸化アルミニウム(昭和電工(株)製、商品名:ハイジライトH−42、平均粒子径1μm)2.5部及び加熱膨張性マイクロカプセル(松本油脂製薬(株)製、商品名:マツモトマイクロスフェアーFN−105D、膨張開始温度120〜135℃)5部を添加し、高速ホモジナイザーで5分間撹拌し水酸化アルミニウム及び加熱膨張性マイクロカプセルを分散した。さらに、エチレン−酢酸ビニル系ラテックス(住友化学(株)製、商品名:スミカフレックスS−755、固形分濃度51%、伸度1500%以上)4.9部、アニオン系界面活性剤(日光ケミカルズ(株)製、商品名:NIKKOL OTP−75、固形分濃度75%)0.3部を添加し、良く撹拌混合して固形分濃度10.3%の含浸液14を作製した。
(AD)含浸液15の作製
(P)含浸液1の作製で、エチレン−酢酸ビニル系ラテックス(住友化学(株)製、商品名:スミカフレックスS−755、固形分濃度51%、伸度1500%以上)4.9部を用いる代わりに、エチレン−酢酸ビニルラテックス(住友化学(株)製、商品名:スミカフレックスS−355HQ、固形分濃度55%、伸度420%)4.55部を用いた以外は、(P)含浸液1の作製と同一にして、固形分濃度7.8%の含浸液15を作製した。
(AE)含浸液16の作製
(P)含浸液1の作製で、加熱膨張性マイクロカプセル(松本油脂製薬(株)製、商品名:マツモトマイクロスフェアーFN−105D、膨張開始温度120〜135℃)2.5部を用いる代わりに、水2.5部を用いた以外は、(P)含浸液1の作製と同一にして、固形分濃度5.3%の含浸液16を作製した。
(AF)含浸液17の作製
(P)含浸液1の作製で、水酸化アルミニウム(昭和電工(株)製、商品名:ハイジライトH−42、平均粒子径1μm)2.5部を用いる代わりに、水2.5部を用い、加熱膨張性マイクロカプセル(松本油脂製薬(株)製、商品名:マツモトマイクロスフェアーFN−105D、膨張開始温度120〜135℃)2.5部を用いる代わりに、水2.5部を用いた以外は、(P)含浸液1の作製と同一にして、固形分濃度2.8%の含浸液17を作製した。
(AG)含浸液18の作製
(P)含浸液1の作製で、エチレン−酢酸ビニル系ラテックス(住友化学(株)製、商品名:スミカフレックスS−755、固形分濃度51%、伸度1500%以上)4.9部を用いる代わりに、水4.9部を用い、加熱膨張性マイクロカプセル(松本油脂製薬(株)製、商品名:マツモトマイクロスフェアーFN−105D、膨張開始温度120〜135℃)2.5部を用いる代わりに、水2.5部を用いた以外は、(P)含浸液1の作製と同一にして、固形分濃度2.8%の含浸液18を作製した。
上記で作製した不織布基材1〜15及び含浸液1、5〜7、10〜14、16を用い、表1に示した不織布基材と含浸液の組み合わせで実施例1〜23の加熱膨張性不織布を作製した。また、表2に示した不織布基材と含浸液の組み合わせで比較例1〜28及び34〜43の加熱膨張性不織布を作製した。含浸は、実施例1〜23、比較例1〜28及び34〜43の全てにおいて、ディッピング装置と絞り装置を用いて、不織布基材1m2あたり含浸液800gを含浸し、80℃の熱風で水分を乾燥させ、未膨張の加熱膨張性不織布を得た。また、比較例29〜33及び34〜43については、表2に示した不織布基材を用いるのみで、含浸は行わず、未膨張状態である。各加熱膨張性不織布が含有する加熱膨張性粒子、合成樹脂ラテックス及び無機粒子の1m2あたりの含有量を表1及び2中に示した。
試験1 膨張前の厚さ
実施例1〜23及び比較例1〜48の加熱膨張性不織布の厚さを測定し、表1及び2の試験1の欄に示した。数値の単位はmmである。
試験2 加熱膨張性
実施例1〜23及び比較例1〜48の加熱膨張性不織布を180℃のオーブンに入れ2分間加熱して不織布膨張体を得た。これらの不織布膨張体の厚さを測定し、表1及び2の試験2の欄に示した。数値の単位はmmである。
試験3 耐圧縮強度
試験2で得られた実施例1〜23及び比較例1〜48の不織布膨張体を、1辺30mmの正方形板状に切り取り、圧縮試験試料とした。この測定試料を、引張圧縮試験機((株)オリエンテック製、製品名:STA−1150)及びSTA−1150用圧縮試験治具((株)オリエンテック製)を用いて圧縮試験を行い、不織布膨張体の元の厚さの70%なるまで圧縮した状態での荷重を測定した。このときの荷重を表1及び2の試験3の欄に示した。数値の単位はNである。
試験4 樹脂補強体の強度
試験2で得られた実施例1〜23及び比較例1〜48の不織布膨張体に、下記配合のアクリルエマルジョン含浸液を1m2あたり1700gになる様に含浸した。これを、2枚の金属板で挟み、2枚の金属板の間隔を5mmに保持した状態で150℃のオーブンに入れて、水分を蒸発させて厚さ5mmの不織布膨張体の樹脂補強体を作製した。
アクリルエマルジョン含浸液(固形分濃度12.4%)
アクリル系ラテックス
(日本ゼオン(株)製、商品名:LX857X2、固形分濃度45%) 13.1部
アニオン系界面活性剤
(日光ケミカルズ(株)製、
商品名:NIKKOL OTP−75、固形分濃度75%) 0.32部
水 36.6部
このようにして得られた不織布膨張体の樹脂補強体を幅50mm、長さ200mmに切断し、JIS K 7171に準拠して、支点間距離150mmで3点曲げ試験を行った。測定された最大荷重を表1及び2の試験4の欄に示した。数値の単位はNである。
Figure 2010285717
Figure 2010285717
表1及び表2から明らかなように、基材1を用いた実施例1及び6〜11と比較例1〜6の比較では、実施例1及び6〜11において、加熱膨張性、耐圧縮強度及び樹脂補強体の強度が共に高く、良好な特性の加熱膨張性不織布が得られた。一方、比較例1〜5で得られた加熱膨張性不織布においては、加熱膨張性、耐圧縮強度及び樹脂補強体の強度が劣っており、比較例6で得られた加熱膨張性不織布においては、耐圧縮強度が高いものの、加熱膨張性が非常に劣っていた。また、実施例12は、比較例1〜5と比較して、加熱膨張性粒子の含有量が1/2であるが、加熱膨張性は同程度を示し、さらに、耐圧縮強度及び樹脂補強体の強度の優れた不織布膨張体が得られた。さらに、加熱膨張性粒子の含有量が2倍である実施例13においては、耐圧縮強度及び樹脂補強体の強度を損なわずに、非常に厚く加熱膨張する加熱膨張性不織布が得られた。
さらに、基材2を用いた実施例2と比較例7〜9の比較、基材3を用いた実施例3と比較例10〜12の比較、基材4を用いた実施例4と比較例13〜15の比較、基材5を用いた実施例5と比較例16〜18の比較においても、本発明の実施例の方が、加熱膨張性、耐圧縮強度及び樹脂補強体の強度が共に高く、良好な特性の加熱膨張性不織布が得られた。
湿式法により、無機繊維及び/または有機繊維と共に加熱膨張性粒子を含有させて抄造し、さらに該不織布に、伸度500%以上の合成樹脂ラテックス及び/または平均粒子径0.5μm以上10μm以下の無機顔料を含有する含浸液を含浸させる方法を用いた実施例14〜23と比較例19〜28及び34〜43、さらに伸度500%以上の合成樹脂ラテックス及び平均粒子径0.5μm以上10μm以下の無機顔料の両方とも含有させなかった比較例29〜33及び44〜48において、同一基材を用いた加熱膨張性不織布を比較すると、加熱膨張性粒子、伸度500%以上の合成樹脂ラテックス及び平均粒子径0.5μm以上10μm以下の無機顔料を含有する実施例14〜23の加熱膨張性不織布が、より良好な加熱膨張性、耐圧縮強度、樹脂補強体の強度を示した。
以上の結果より、加熱膨張性粒子と共に、伸度500%以上の合成樹脂ラテックス及び平均粒子径0.5μm以上10μm以下の無機顔料の両方を含有させることにより、伸度500%以上の合成樹脂ラテックス及び平均粒子径0.5μm以上10μm以下の無機顔料の両者のうちどちらか一方のみを含有させた場合、または、両方共に含有させなかった場合では得られない高い効果が得られることが明白である。
また、加熱膨張性粒子として加熱膨張性マイクロカプセルを用いた実施例14〜18と、加熱膨張性粒子として膨張黒鉛を用いた実施例19〜23の比較では、加熱膨張性粒子以外の組成が同一であれば、加熱膨張性マイクロカプセルを用いた実施例14〜18の加熱膨張性不織布の方がより良好な加熱膨張性、耐圧縮強度、樹脂補強体の強度を示し、より特性が良好な加熱膨張性不織布が得られることが判る。
湿式法により無機繊維及び/または有機繊維を主成分とした不織布を抄造し、さらに該不織布に、加熱膨張性粒子、伸度500%以上の合成樹脂ラテックス及び平均粒子径0.5μm以上10μm以下の無機顔料を含有する含浸液を含浸させる方法を用いた実施例1〜5と、湿式法により無機繊維及び/または有機繊維と共に加熱膨張性粒子を含有させて抄造し、さらに該不織布に、伸度500%以上の合成樹脂ラテックス、及び平均粒子径0.5μm以上10μm以下の無機顔料を含有する含浸液を含浸させる方法を用いた実施例14〜18の比較では、繊維、加熱膨張性粒子、合成樹脂ラテックス及び無機顔料の種類及び含有量が同一であれば、実施例1〜5の加熱膨張性不織布の方が良好な加熱膨張性、耐圧縮強度、樹脂補強体の強度を示しており、本発明の加熱膨張性不織布の製造方法を用いることにより、特に特性が良好な加熱膨張性不織布が得られることが判る。
本発明の加熱膨張性不織布は、軽量性、強度、耐久性などの特性に優れ、断熱材、吸音材、フィルター材、構造材などに利用可能である。

Claims (3)

  1. 無機繊維及び/または有機繊維を主成分とし、湿式法で抄造される加熱膨張性不織布において、該不織布中に、加熱膨張性粒子、伸度500%以上の合成樹脂ラテックス及び平均粒子径0.5μm以上10μm以下の無機顔料を含有することを特徴とする加熱膨張性不織布。
  2. 加熱膨張性粒子が、熱可塑性樹脂をシェルとし、炭化水素を内包するマイクロカプセルである請求項1記載の加熱膨張性不織布。
  3. 湿式法により無機繊維及び/または有機繊維を主成分とした不織布を抄造し、さらに該不織布に、加熱膨張性粒子、伸度500%以上の合成樹脂ラテックス及び平均粒子径0.5μm以上10μm以下の無機顔料を含有する含浸液を含浸させることを特徴とする加熱膨張性不織布の製造方法。
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