JP2010285374A - 乾燥痰軟化剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】 要介護者の口腔粘膜に付着している乾燥痰を短時間に軟化し、口腔粘膜を傷つけることなく乾燥痰を口腔粘膜より短時間に容易に除去できるようにする口腔乾燥痰軟化剤を提供する。
【解決手段】 潤滑剤を主成分とし、粘性付与剤及び保存剤を含み、60.0%以上の精製水からなり、要介護者の口腔粘膜に付着した乾燥痰に塗布時、乾燥痰に対して濡れ性が良く内部まで浸透し、表面を被覆して蒸発を防ぎ、流れ出しにくく、乾燥痰を軟化する。
【選択図】 なし
【解決手段】 潤滑剤を主成分とし、粘性付与剤及び保存剤を含み、60.0%以上の精製水からなり、要介護者の口腔粘膜に付着した乾燥痰に塗布時、乾燥痰に対して濡れ性が良く内部まで浸透し、表面を被覆して蒸発を防ぎ、流れ出しにくく、乾燥痰を軟化する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、要介護者の口腔粘膜に付着している乾燥痰を軟化し、口腔粘膜を傷つけることなく乾燥痰を口腔粘膜より短時間に容易に除去できるようにする口腔乾燥痰軟化剤に関するものである。
一般に唾液は、血漿由来で、成分は99.5%が水で、その他、無機イオン、糖タンパク質、アミラーゼ、抗菌物質、血漿由来物質、剥離粘膜片、歯肉溝浸出液、食物残渣などからなる。
その働きとして、ムチンなどの糖タンパク質には強い粘性があり、口腔粘膜に機械的損傷や細菌感染に対するバリアを形成するなど、唾液には粘膜への様々な刺激に対する防御作用があり、同時に、潤滑作用として発音や嚥下の補助作用をしている。その他、抗菌作用、消化・排泄作用、味覚作用などの種々の働きがある。
一方、唾液の質や量の低下は、QOLの低下はもとより、口腔臓器として摂食嚥下、発音などの機能を失わせる深刻な事態を招くことにもなる。
特に、要介護者は、鼻からの栄養補給などの理由により、口呼吸者が多く、また、咀嚼力低下により唾液の分泌量も少ないため、口が乾燥して必然的にドライマウスになりやすい。また、常用薬の副作用で唾液の分泌が抑えられていることも多く、ますますドライマウス化に拍車がかかっている。
また、要介護者に多い喀痰は、呼吸器系の粘膜から分泌される粘液で、糖蛋白や免疫グロブリン、脂質を含む水が主成分のゲルであり、異物をからめとって外界に捨てるための粘液が、咳反射や嚥下反射の低下により口腔に滞留することが多い。
その上、要介護者は、基本的にうがいができず、口腔は極めて不潔になりやすい。また、咽頭や気管支の炎症で粘膜から過度に分泌された粘液も、口腔に排出されると、ドライマウスにより自浄作用が悪いために乾燥痰となり滞留しやすい。同時に、舌苔も堆積しやすく、これら舌苔や乾燥痰に口腔常在菌などが繁殖し、ひどい口臭や誤嚥性肺炎の原因となり、QOLに問題が生じたり、摂食嚥下も困難になるため、口腔の定期的な清掃が必要となる。
しかし、この乾燥痰は、口腔粘膜に強固に付着しているため、無理に剥がすと強い痛みを伴い、乾燥によって傷つきやすくなった粘膜を簡単に痛めることが多い。
ところで、要介護者の乾燥痰の除去には、従来、綿棒やスポンジブラシなど、先端に柔軟体を着けた除去棒に口腔保湿剤をつけて乾燥した痰に塗布し、除去する方法が用いられており、この口腔保湿剤には、リンスタイプやスプレータイプ及びペーストタイプの3種類がある。
この口腔保湿剤のリンス剤は、さらさらの液状であり、乾燥痰に塗布しても、口呼吸により短時間に蒸発し、乾燥痰の内部まで十分浸透せず、乾燥痰を軟化させることが困難であり、また、保湿剤を多めに塗布すると、要介護者が臥しているため、保湿剤が垂れて咽頭へ流れ込み、肺に誤嚥して誤嚥性肺炎を誘発する恐れもある。
同様に、スプレータイプの口腔保湿剤も、口呼吸で短時間のうちに蒸発してしまう欠点がある。
そこで、唾液にも容易に溶け出さないという理由で、通常保湿用として一般的なクリーム状のペーストタイプが用いられているが、塊になって乾燥痰に広く塗布するのが困難であり、かつ、だんまになって濡れ性が悪く、広範囲に塗布しにくく、さらに、乾燥痰内部に浸透しにくく、乾燥痰を軟化するのに時間がかかるという欠点がある。
一方、口腔乾燥症、ドライマウスを緩和するための口腔ケア組成物が知られている(特許文献1)。
しかし、要介護者の口腔粘膜に付着している乾燥痰を軟化し、口腔粘膜を傷つけることなく乾燥痰を口腔粘膜より短時間に容易に除去できるようにする口腔乾燥痰軟化剤については知られていない。
本発明は、摂食嚥下機能や咳反射機能が低下し誤嚥しやすく、口腔及び口腔粘膜が非常に乾燥し、口腔粘膜が傷つきやすい要介護者の口腔粘膜に付着している乾燥痰を軟化し、口腔粘膜を傷つけることなく乾燥痰を口腔粘膜より短時間に容易に除去できるようにする乾燥痰軟化剤を提供することを課題とする。
本発明の口腔乾燥痰軟化剤は、潤滑剤を主成分とし、粘性付与剤及び保存剤を含み、60.0%以上の精製水からなり、要介護者の口腔粘膜に付着した乾燥痰に塗布時、乾燥痰に対して濡れ性が良く内部まで浸透し、表面を被覆して蒸発を防ぎ、流れ出しにくく、乾燥痰を軟化することを特徴とする(請求項1)。
そして、潤滑剤が2.0〜30.0%、粘性付与剤が0.05〜10.0%及び保存剤が0.01〜0.3%、精製水が60.0〜98.0%であることが望ましい(請求項2)。
また、潤滑剤がマルチトール、粘性付与剤がヒドロキシエチルセルローズ、保存剤がパラオキシン安息香酸エステルからなることが好ましい(請求項3)。
さらに、泡立て剤が付加されているのがよい(請求項4)。
本発明の口腔乾燥痰軟化剤が、潤滑剤を主成分とし、粘性付与剤及び保存剤を含み、60.0%以上の精製水からなるため、要介護者の口腔粘膜に付着した乾燥痰に塗布時、潤滑剤が主成分で精製水の含有量が多く、乾燥痰に対して濡れ性が良く内部まで短時間に浸透し、粘性付与剤により乾燥痰の表面を被覆して口呼吸でも蒸発を防ぎ、流れ出しにくく、乾燥痰を短時間に軟化することができ、要介護者の口腔粘膜に付着している乾燥痰を軟化し、綿棒やスポンジブラシなど、除去棒の先端の柔軟体に付着しやすく、口腔粘膜を傷つけることなく乾燥痰を口腔粘膜より短時間に容易に除去することができる。
本発明の口腔乾燥痰軟化剤の実施例は、つぎのとおりである。
潤滑剤 マルチトール 10.0%
1.3−ブチレングリコール 1.0%
粘性付与剤 ヒドロキシエチルセルロース 0.08%
タマリンドガム 0.1%
保存剤 パラオキシ安息香酸エステル 0.1%
精製水 87.52%
泡立て剤 グリチルリチン酸ジカリウム 0.1%
甘味剤 トレハロース 1.0%
保湿剤 ヒアルロン酸ナトリウム液 0.1%
潤滑剤 マルチトール 10.0%
1.3−ブチレングリコール 1.0%
粘性付与剤 ヒドロキシエチルセルロース 0.08%
タマリンドガム 0.1%
保存剤 パラオキシ安息香酸エステル 0.1%
精製水 87.52%
泡立て剤 グリチルリチン酸ジカリウム 0.1%
甘味剤 トレハロース 1.0%
保湿剤 ヒアルロン酸ナトリウム液 0.1%
そして、各組成物は、次の範囲内にあることが望ましい。
潤滑剤 2.0 〜 30.0%
粘性付与剤 0.05 〜 10.0%
保存剤 0.01 〜 0.3%
精製水 60.0 〜 98.0%
泡立て剤 0.05 〜 0.5%
潤滑剤 2.0 〜 30.0%
粘性付与剤 0.05 〜 10.0%
保存剤 0.01 〜 0.3%
精製水 60.0 〜 98.0%
泡立て剤 0.05 〜 0.5%
ここで、潤滑剤が、2.0%より少なくなると、水の状態に近づき、垂れやすくなり、30.0%より多くなると、糸を引く様に粘っこくなって高粘度になり、塗布しにくくなる。
また、粘性付与剤が、0.05%より少なくなると、水の状態に近づき、垂れやすくなり、10.0%より多くなると、水飴みたいになり、使用しづらくなる。
さらに、泡立て剤を0.05〜0.5%付加することが好ましく、乾燥痰の表面をより被覆し、軟化剤の蒸発をより防ぐことができ、さらに、軟化剤が流れ出しにくくなる。
そして、粘性付与剤にタマリンドガムを組み合わせることにより、粘性を長持ちさせることができる。
Claims (4)
- 潤滑剤を主成分とし、粘性付与剤、泡立て剤及び保存剤を含み、50.0%以上の精製水からなり、要介護者の口腔粘膜に付着した乾燥痰に塗布時、乾燥痰に対して濡れ性が良く内部まで浸透し、表面を被覆して蒸発を防ぎ、流れ出しにくく、乾燥痰を軟化する
ことを特徴とする口腔乾燥痰軟化剤。 - 潤滑剤が3.0〜30.0%、粘性付与剤が0.05〜10.0%、泡立て剤が0.05〜0.5%及び保存剤が0.01〜0.3%、精製水が50.0〜90.0%であることを特徴とする請求項1記載の口腔乾燥痰軟化剤。
- 潤滑剤がマルチトール、粘性付与剤がヒドロキシエチルセルローズ、泡立て剤がグリチルリチン酸ジカリウム、保存剤がパラオキシン安息香酸エステルからなることを特徴とする請求項1または請求項2記載の口腔乾燥痰軟化剤。
- 粘性付与剤にタマリンドガムが付加されたことを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の口腔乾燥痰軟化剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009140156A JP2010285374A (ja) | 2009-06-11 | 2009-06-11 | 乾燥痰軟化剤 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2009140156A JP2010285374A (ja) | 2009-06-11 | 2009-06-11 | 乾燥痰軟化剤 |
Publications (1)
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JP2010285374A true JP2010285374A (ja) | 2010-12-24 |
Family
ID=43541361
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2009140156A Pending JP2010285374A (ja) | 2009-06-11 | 2009-06-11 | 乾燥痰軟化剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010285374A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011026269A (ja) * | 2009-07-28 | 2011-02-10 | Wakodo Co Ltd | 口腔用清拭材 |
KR20170100784A (ko) * | 2016-02-26 | 2017-09-05 | (주)오케이바이오 | 치약조성물 |
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2009
- 2009-06-11 JP JP2009140156A patent/JP2010285374A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011026269A (ja) * | 2009-07-28 | 2011-02-10 | Wakodo Co Ltd | 口腔用清拭材 |
KR20170100784A (ko) * | 2016-02-26 | 2017-09-05 | (주)오케이바이오 | 치약조성물 |
KR102322170B1 (ko) | 2016-02-26 | 2021-11-08 | (주)오케이바이오 | 치약조성물 |
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