JP2010285038A - 駆動制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】モータの動力のみで走行可能であるか否かの判定を、より適切に行うことのできる駆動制御装置を提供すること。
【解決手段】動力源であるエンジン5とモータジェネレータ20とが直結される車両1の走行時の駆動力を制御可能な駆動制御装置2において、エンジン5とモータジェネレータ20との動力を駆動力に応じて調節する動力制御部68と、モータジェネレータ20の動力のみで駆動力を発生させる走行状態であるEV走行が可能か否かの判定を行うEV走行判定部74と、エンジン5のフリクションを低下させることができる気筒休止機構15と、を備えており、EV走行判定部74は、EV走行が可能か否かの判定を、気筒休止機構15でエンジン5のフリクションを低下させた状態を仮定して行い、動力制御部68は、EV走行が可能であるとEV走行判定部74で判定した場合には、駆動力をモータジェネレータ20の動力のみで発生させる制御を行う。
【選択図】図2

Description

本発明は、駆動制御装置に関するものである。特に、この発明は、走行時における動力源としてエンジンとモータとを備える車両の駆動制御装置に関するものである。
近年の車両では、燃費の向上を図るために走行時における動力源として内燃機関であるエンジンのみでなく、電気で作動するモータも備え、エンジンの動力とモータの動力とを組み合わせて駆動輪を駆動することにより走行する、いわゆるハイブリッド車が開発されている。このようなハイブリッド車の走行制御を行う制御装置では、車両の走行状態に応じてエンジンとモータとを適宜制御し、これらの動力を使い分けることにより、所望の走行状態で車両を走行させることが可能になっている。
例えば、特許文献1に記載のハイブリッド車両の駆動制御装置では、動力源としてエンジンの他に、第1モータと第2モータとの2つモータが設けられており、エンジンへの燃料供給を停止すると共に第2モータにより駆動輪を駆動する走行モードである電動走行モードで車両を走行させることが可能になっている。さらに、このハイブリッド車両の駆動制御装置では、電動走行モードを、第1モータを停止させる第1走行モードと、第1モータによってエンジンをアイドル回転させる第2走行モードとで制御可能になっており、第2走行モードでは、少なくとも1つのシリンダの気筒休止を行うことができる。
これらにより、要求駆動力を第2モータの動力のみで発生させることができる場合には、電動走行モードで走行することにより、燃費の向上を図ることができる。つまり、電動走行モードで走行可能な運転領域を、車速とモータトルクとにより表されるマップとして予め設定し、アクセル開度と車速とから求めた要求駆動力をこのマップに当てはめることにより、現在の運転状態が電動走行モードで走行可能な運転領域であるか否かを判定する。車両の走行モードは、この判定に応じて切り替え、電動走行モードで走行可能な場合には電動走行モードで走行することにより、燃費の向上を図ることができる。
また、電動走行モードにおける第2走行モードでは、第1モータによってエンジンをアイドル回転させるため、電動走行モードで走行中にエンジンを始動する際に、電力消費をほとんど増加させることなく、エンジンを始動させることができる。これにより、電動走行モード時に、バッテリの能力のほとんど全てを第2モータの駆動に割り当てることが可能になるので、電動走行モードが可能な運転領域を広げることができ、燃費を向上させることができる。さらに、この第2走行モードでは、エンジンの気筒休止を行うので、エンジンのフリクションロスやポンピングロスを低減しつつ、エンジンをアイドル回転させることができる。従って、電動走行モード時の電力消費を抑制することができる。
特開2004−208477号公報
ハイブリッド車の駆動制御をする従来の駆動制御装置では、モータの動力のみで走行できるか否かの判定を行う場合は、特許文献1に記載のハイブリッド車両の駆動制御装置のように、車速とモータトルクとにより表されるマップと、要求駆動力とに基づいて判定する。しかし、モータの動力のみで走行が可能であるか否かは、モータで発生させることのできる動力の大きさとモータに対する抵抗との関係に依存し、また、モータの動力は、モータの回転数によって変化する。このため、モータの動力のみで走行が可能であるか否かの判定を要求駆動力と車速とに基づいて行った場合、適切に判定することが困難な場合がある。特に、特許文献1に記載のハイブリッド車両の駆動制御装置のように、エンジンの気筒休止の制御を行う場合は、モータに対する抵抗が変化するため、モータの動力のみで走行が可能であるか否かを判定することが、より困難なものとなる。
これらのように、従来の駆動制御装置での判定では、モータの動力のみで走行可能であるか否かの判定を適切に行うことが困難であるため、走行時の動力源として使用するモータとして、比較的出力が小さいモータが用いられた場合において、モータの動力のみで走行可能であると判定された場合、実際の出力が要求駆動力に対して不足する場合がある。この場合、モータの動力のみで走行可能であると判定されることにより停止したエンジンを再始動する必要があり、制御が煩雑になると共に燃費を効果的に向上させることができなくなる。
このため、従来の駆動制御装置での判定では、モータの動力のみで走行可能であると判定された場合に、より確実にモータのみで走行させるために、モータの動力に余裕を持たせる必要があり、走行時の動力源として使用するモータに、出力が大きいモータを用いる必要があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、モータの動力のみで走行可能であるか否かの判定を、より適切に行うことのできる駆動制御装置を提供することを第1の目的とする。また、本発明は、より出力が小さいモータでもモータの動力のみで走行可能になる領域を広くすることができる駆動制御装置を提供することを第2の目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明に係る駆動制御装置は、車両の走行時における動力源としてエンジンと、前記エンジンに直結される電動機とを備える前記車両の走行時の駆動力を制御可能な駆動制御装置において、前記エンジンの動力と前記電動機の動力とを前記車両の走行時における駆動力に応じて調節する動力制御部と、前記電動機の動力のみで前記駆動力を発生させる走行状態である電動走行が可能か否かの判定を行う電動走行判定部と、前記エンジンのフリクションを低下させることができるフリクション低下手段と、を備えており、前記電動走行判定部は、前記電動走行が可能か否かの判定を、前記フリクション低下手段で前記エンジンの前記フリクションを低下させた状態を仮定して行い、前記動力制御部は、前記電動走行が可能であると前記電動走行判定部で判定した場合には、前記駆動力を前記電動機の動力のみで発生させる制御を行うことを特徴とする。
また、電動走行判定部は、電動走行が可能か否かの判定を、フリクション低下手段でフリクションを低下させた場合における電動機の必要出力に基づいて行うことが好ましい。
また、さらに、車両の運転者が要求する駆動力である要求駆動力を算出する要求駆動力算出部を備えており、電動走行判定部は、電動走行が可能か否かの判定を、要求駆動力算出部で算出した要求駆動力と、フリクション低下手段でフリクションを低下させた場合における当該フリクションとの和を電動機で出力可能であるか否かに基づいて行うことが好ましい。
また、電動走行判定部は、要求駆動力算出部で算出した要求駆動力と、フリクション低下手段でフリクションを低下させた場合における当該フリクションとの和が電動機の定格出力よりも小さい場合に、電動走行が可能であると判定することが好ましい。
また、動力制御部は、電動走行が可能であると電動走行判定部で判定された場合には、電動走行に切り替わる前から電動機の出力を高めることが好ましい。
また、フリクション低下手段は、エンジンの気筒休止の制御を行うことによりフリクションを低下させることが好ましい。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明に係る駆動制御装置は、車両の走行時における動力源としてエンジンと、前記エンジンに直結される電動機とを備える前記車両の走行時の駆動力を制御可能な駆動制御装置において、前記エンジンの動力と前記電動機の動力とを前記車両の走行時における駆動力に応じて調節する動力制御部と、前記エンジンのフリクションを低下させることができるフリクション低下手段と、を備えており、前記フリクション低下手段で前記エンジンの前記フリクションを低下させる場合には、前記動力制御部は、前記駆動力を前記電動機の動力のみで発生させる制御を行うことを特徴とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明に係る駆動制御装置は、車両の走行時における動力源としてエンジンと、前記エンジンに直結される電動機とを備える前記車両の走行時の駆動力を制御可能な駆動制御装置において、前記エンジンの動力と前記電動機の動力とを前記車両の走行時における駆動力に応じて調節する動力制御部と、前記車両の運転者が要求する駆動力である要求駆動力を算出する要求駆動力算出部と、前記エンジンのフリクションを低下させることができるフリクション低下手段と、を備えており、前記要求駆動力算出部で算出した前記要求駆動力が所定量以下で、且つ、前記フリクション低下手段で前記エンジンの前記フリクションを低下させる場合には、前記動力制御部は、前記駆動力を前記電動機の動力のみで発生させる制御を行うことを特徴とする。
本発明に係る駆動制御装置は、モータの動力のみで走行可能であるか否かの判定を、より適切に行うことができる、という効果を奏する。また、本発明に係る駆動制御装置は、より出力が小さいモータでもモータの動力のみで走行可能になる領域を広くすることができる、という効果を奏する。
図1は、本発明の実施例に係る駆動制御装置を備える車両の概略図である。 図2は、図1に示す駆動制御装置の要部構成図である。 図3は、実施例に係る駆動制御装置の処理手順を示すフロー図である。 図4は、気筒休止機構を作動させる場合と停止させる場合とのエンジンのフリクションの大きさを示す説明図である。 図5−1は、実施例に係る駆動制御装置で、エンジンの動力のみを出力する場合の説明図である。 図5−2は、実施例に係る駆動制御装置で、モータジェネレータの動力のみを出力する場合の説明図である。 図6は、実施例に係る駆動制御装置を備える車両の走行中における各動作についての説明図である。 図7は、変形例に係る駆動制御装置でEV走行に切り替える際の制御の説明図である。
以下に、本発明に係る駆動制御装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
図1は、本発明の実施例に係る駆動制御装置を備える車両の概略図である。同図に示す駆動制御装置2を備える車両1は、走行時における動力源として設けられる内燃機関であるエンジン5と、同様に車両1の走行時における動力源として設けられる電動機であるモータジェネレータ20とを備えている。また、モータジェネレータ20は、動力源として設けられているのみでなく、モータジェネレータ20の外部からモータジェネレータ20に入力される運動エネルギによって発電をする発電機としても設けられている。これらの動力源であるエンジン5とモータジェネレータ20とは、共にトランスミッション30に接続されている。
このうち、エンジン5とトランスミッション30とは、エンジン5で発生した動力をトランスミッション30に伝達可能な動力出力軸6によって接続されている。また、動力出力軸6には、当該動力出力軸6と一体となって回転する出力軸ギア7が設けられており、モータジェネレータ20には、当該モータジェネレータ20の回転軸と一体となって回転するモータギア21が設けられている。このモータジェネレータ20は、モータギア21が出力軸ギア7と噛み合うように配設されており、これにより、モータジェネレータ20もエンジン5と同様に、モータジェネレータ20で発生した動力を動力出力軸6によってトランスミッション30に伝達可能に設けられている。モータジェネレータ20とエンジン5とは、このようにモータギア21と出力軸ギア7とが噛み合っていることにより、動力出力軸6を介して接続されている。
また、トランスミッション30は、クラッチ31と変速装置32と差動装置33とを有しており、このうちクラッチ31は、動力出力軸6と変速装置32との間で動力の伝達と遮断との切り替えが可能に設けられている。また、変速装置32は、動力出力軸6から伝達されたエンジン5やモータジェネレータ20の動力の回転速度を車両1の走行状態に応じて変化させて、差動装置33に伝達可能に設けられている。なお、この変速装置32は、変速比が異なる複数の変速段を有し、動力を伝達する変速段を切り替えることにより変速を行う有段の変速装置でもよく、動力をベルト等によって伝達することにより変速比を無段階に変更可能な、いわゆるCVT(Continuously Variable Transmission)等の公知の無断変速装置であってもよい。差動装置33は、このように変速装置32によって回転速度を変化させた後のエンジン5やモータジェネレータ20の動力が変速装置32より伝達可能に設けられており、変速装置32から伝達された動力を、駆動軸35を介して車両1の駆動輪36に伝達可能に設けられている。
また、エンジン5は、複数の気筒(図示省略)を有しており、気筒内に燃料を供給し、この燃料に点火可能な点火装置(図示省略)で気筒内の燃料に点火して燃料を燃焼させることにより、エンジン5は運転可能に設けられている。また、エンジン5には、車両1の走行中に気筒内への燃料の供給を停止する制御であるフューエルカットを行い、点火装置での点火を停止した場合に、各気筒の吸排気バルブ(図示省略)を閉じた状態で停止させる制御である気筒休止の制御が可能な気筒休止機構15が設けられている。この気筒休止機構15は、エンジン5の気筒休止の制御を行うことにより、フューエルカットを行った場合におけるエンジン5のフリクションを低下させることができるフリクション低下手段として設けられている。さらに、エンジン5には、当該エンジン5の停止時にエンジン5を始動可能なスタータ16が備えられている。
なお、ここでいうエンジン5のフリクションとは、エンジン5の回転抵抗を示している。この回転抵抗は、当該回転抵抗が車両1の動力系統に作用する力の方向で見ると、エンジン5やモータジェネレータ20で発生する駆動力の方向の反対方向の力になる。このため、以下の説明では、エンジン5のフリクションは、単にエンジン5の回転抵抗のみでなく、駆動力を減少させる方向の力、即ち、駆動力の反対方向に作用する力としても扱われる。
また、モータジェネレータ20には、モータジェネレータ20に供給する電気の調節が可能なインバータ40が接続されており、インバータ40には、電源として車両1に搭載されるバッテリ41が接続されている。これにより、モータジェネレータ20は、インバータ40を介してバッテリ41から供給される電気によって運転可能に設けられている。また、インバータ40は、車両1の各部を制御するECU(Electronic Control Unit)60に接続されており、インバータ40はECU60で制御可能になっているため、ECU60でインバータ40を制御することにより、バッテリ41から供給される電気をインバータ40で調節してモータジェネレータ20に供給することができる。即ち、インバータ40を介して、ECU60でモータジェネレータ20を制御可能に設けられている。
さらに、モータジェネレータ20は外部から入力される運動エネルギより発電が可能に設けられているが、モータジェネレータ20で発電した電気は、インバータ40を介してバッテリ41に伝達され、バッテリ41で充電される。
また、バッテリ41やインバータ40が接続される電気経路には、電圧安定化装置42が接続されている。バッテリ41の電気は、車両1に設けられる各電気機器(図示省略)に供給されることにより、これらの機器を作動させることができるが、電圧安定化装置42は、このように各電気機器に電気を供給する際における電圧の安定化を図ることができるように設けられている。
また、ECU60は、インバータ40のみでなく、エンジン5やトランスミッション30にも接続されており、これらの制御が可能に設けられている。即ち、ECU60は、エンジン5の回転数やトルクを制御したり、フューエルカットや気筒休止の制御をしたりすることが可能に設けられている。また、ECU60は、トランスミッション30が有するクラッチ31の係合や解放の制御や、変速装置32の変速制御が可能に設けられている。
また、エンジン5には、動力出力軸6の回転数を検出可能なエンジン回転数検出手段であるエンジン回転数センサ10が設けられており、トランスミッション30には、変速装置32の出力軸の回転数を検出可能な変速装置出力軸回転数検出手段である変速装置出力軸回転数センサ38が設けられている。
さらに、車両1の運転席には、操作量であるアクセル開度を調節することにより、エンジン5やモータジェネレータ20で発生する動力を調節可能な動力調節部であるアクセルペダル50が設けられており、アクセルペダル50の近傍には、アクセル開度を検出可能な動力調節部操作量検出手段であるアクセル開度センサ51が設けられている。これらのエンジン回転数センサ10、変速装置出力軸回転数センサ38、アクセル開度センサ51も、ECU60に接続されている。
図2は、図1に示す駆動制御装置の要部構成図である。ECU60には、処理部61、記憶部80及び入出力部81が設けられており、これらは互いに接続され、互いに信号の受け渡しが可能になっている。また、ECU60に接続されているエンジン5、モータジェネレータ20(インバータ40)、トランスミッション30、エンジン回転数センサ10、変速装置出力軸回転数センサ38、アクセル開度センサ51は、入出力部81に接続されており、入出力部81は、これらのエンジン5等との間で信号の入出力を行う。また、記憶部80には、駆動制御装置2を制御するコンピュータプログラムが格納されている。
また、処理部61は、メモリ及びCPU(Central Processing Unit)により構成されており、少なくとも、アクセル開度センサ51での検出結果よりアクセルペダル50の開度であるアクセル開度を取得可能なアクセル開度取得部62と、変速装置出力軸回転数センサ38での検出結果より車速を取得する車速取得部63と、エンジン回転数センサ10での検出結果よりエンジン回転数を取得するエンジン回転数取得部64と、を有している。
また、処理部61は、エンジン5の運転制御を行うエンジン制御部65と、インバータ40を制御することによってモータジェネレータ20に供給される電気を調節することを介してモータジェネレータ20を制御する電動機制御部であるモータジェネレータ制御部66と、トランスミッション30が有するクラッチ31の動作の制御や、変速装置32の変速制御を行う動力伝達制御部であるトランスミッション制御部67と、エンジン5やモータジェネレータ20の動力を駆動輪36で発生させる駆動力に応じて調節する動力制御部68と、を有している。
また、動力制御部68は、運転者が要求する駆動力である要求駆動力を算出する要求駆動力算出部69と、エンジン5で任意の動力を発生させるのに必要なエンジン5の燃焼トルクであるエンジン図示トルクを算出するEG図示トルク算出部70と、気筒休止機構15が作動している場合と作動していない場合とのエンジン5のフリクションの差を算出するEGフリクション差算出部71と、所望の走行状態を得るために必要なモータジェネレータ20のトルクであるモータジェネレータ20の要求トルクを算出するMG要求トルク算出部72と、モータジェネレータ20で発生可能な動力を算出するMG動力算出部73と、モータジェネレータ20の動力のみで駆動力を発生させる走行状態である電動走行が可能か否か、即ちEV走行が可能であるか否かの判定を行う電動走行判定部であるEV走行判定部74と、を有している。
ECU60によって制御される駆動制御装置2の制御は、例えば、アクセル開度センサ51等の検出結果に基づいて、処理部61が上記コンピュータプログラムを当該処理部61に組み込まれたメモリに読み込んで演算し、演算の結果に応じてエンジン5等を作動させることにより制御する。その際に処理部61は、適宜記憶部80へ演算途中の数値を格納し、また格納した数値を取り出して演算を実行する。なお、このように駆動制御装置2を制御する場合には、上記コンピュータプログラムの代わりに、ECU60とは異なる専用のハードウェアによって制御してもよい。
この実施例に係る駆動制御装置2は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。車両1の走行中は、エンジン5の回転数をエンジン回転数センサ10で検出し、この検出結果を、ECU60の処理部61が有するエンジン回転数取得部64で取得することによって現在のエンジン5の回転数を取得したり、変速装置32の出力軸の回転数を変速装置出力軸回転数センサ38で検出し、この検出結果を、ECU60の処理部61が有する車速取得部63で取得して車速取得部63で所定の演算を行うことにより、車速として取得したりすることにより、車両1の走行状態情報を取得する。
また、車両1の走行中は、アクセルペダル50のストローク量、或いはアクセル開度を、アクセルペダル50の近傍に設けられるアクセル開度センサ51によって検出し、この検出結果を、ECU60の処理部61が有するアクセル開度取得部62で取得してアクセル開度を取得したりすることにより、運転者の運転操作情報を取得する。
アクセル開度取得部62で取得したアクセル開度等の運転操作情報や、車速取得部63で取得した車速等の車両1の走行状態情報は、ECU60の処理部61が有する動力制御部68に伝達される。これらの情報が伝達された動力制御部68は、伝達された情報に基づいて、エンジン5で発生させる動力やモータジェネレータ20で発生させる動力を算出する。
例えば、動力制御部68は、アクセル開度取得部62で取得したアクセル開度と、車速取得部63で取得した車速とより、運転者が要求する駆動力である要求駆動力を算出し、算出した要求駆動力と、車両1の走行状態情報とに基づいて、要求駆動力を実現可能なエンジン5の動力やモータジェネレータ20の動力を算出する。その際に、動力制御部68は、燃費を向上させることを目的としてモータジェネレータ20を作動させることを優先させ、モータジェネレータ20の動力によって車両1を走行させる機会を増加させるために、要求駆動力をモータジェネレータ20で発生する動力によって実現できる場合には、モータジェネレータ20の動力のみで車両1を走行させる。
モータジェネレータ20の動力のみで車両1を走行させる場合には、モータジェネレータ制御部66でインバータ40を制御することにより、バッテリ41からモータジェネレータ20に供給する電気を制御する。つまり、インバータ40を介してモータジェネレータ制御部66でモータジェネレータ20を制御することにより、モータジェネレータ20に、動力制御部68で算出した動力を発生させる。
このように、モータジェネレータ20の動力のみによる車両1の走行状態であるEV走行を行わせる場合は、エンジン5では動力を発生させないため、エンジン制御部65はエンジン5を制御することにより、フューエルカットを実行し、点火装置での気筒内の燃料への点火を停止する。また、このようにフューエルカット等を行う場合には、エンジン制御部65で気筒休止機構15を制御し、気筒休止を行わせる。具体的には、気筒休止機構15で気筒休止を行わせる場合には、エンジン5に複数設けられる各気筒に備えられる吸排気バルブを、閉弁した状態で停止させる。このように、吸排気バルブを閉弁した状態で停止させることにより、吸排気が行われなくなるので、吸排気を行う際における抵抗が低減し、エンジン5の運転時に回転可能に設けられ、動力出力軸6に接続されているクランク軸(図示省略)を回転させる際のフリクションが低減する。EV走行を行わせる場合には、このように気筒休止機構15を作動させ、気筒休止を行わせることによって、エンジン5のフリクションを低下させる。換言すると、気筒休止機構15を作動させ、気筒休止機構15でエンジン5のフリクションを低下させる場合には、動力制御部68はEV走行の制御を行う。
図3は、実施例に係る駆動制御装置の処理手順を示すフロー図である。次に、実施例に係る駆動制御装置2の制御方法、即ち、当該駆動制御装置2の処理手順について説明する。なお、以下の処理は、EV走行が可能か否かの判定をする場合における処理手順を示しており、また、以下の処理は、車両1の運転時に各部を制御する際に、所定の期間ごとに呼び出されて実行する。
実施例に係る駆動制御装置2の処理手順では、まず、要求駆動力を算出する(ステップST101)。この算出は、ECU60の処理部61が有する動力制御部68に設けられる要求駆動力算出部69で行う。要求駆動力算出部69は、アクセル開度と車速とに基づいて、運転者が要求する駆動力である要求駆動力を算出する。このうち、アクセル開度は、アクセル開度センサ51でアクセルペダル50の開度を検出し、この検出結果を、ECU60の処理部61が有するアクセル開度取得部62で取得する。また、車速は、変速装置出力軸回転数センサ38で変速装置32の出力軸の回転数を検出し、この検出結果を、ECU60の処理部61が有する車速取得部63で取得して車速取得部63で所定の演算を行うことにより、車速として取得する。また、ECU60の記憶部80には、車速とアクセル開度との関係によって示される要求駆動力がマップとして予め設定されて記憶されている。要求駆動力算出部69は、アクセル開度取得部62で取得したアクセル開度と、車速取得部63で取得した車速とを、記憶部80に記憶されているこのマップに照らし合わせることにより、要求駆動力を算出する。
次に、エンジン走行時の必要なエンジン図示トルクを算出する(ステップST102)。この算出は、動力制御部68が有するEG図示トルク算出部70で行う。EG図示トルク算出部70は、モータジェネレータ20では動力を発生させず、エンジン5の動力のみでの走行であるエンジン走行をする場合において、要求駆動力算出部69で算出した要求駆動力を発生させるのに必要なエンジン5の燃焼トルクであるエンジン図示トルクを、要求駆動力に基づいて算出する。
次に、気筒休止機構15の作動の有無によるフリクション差を算出する(ステップST103)。この算出は、動力制御部68が有するEGフリクション差算出部71で行う。EGフリクション差算出部71は、気筒休止機構15が作動していると仮定した場合におけるエンジン5のフリクションと、気筒休止機構15が作動していないと仮定した場合におけるエンジン5のフリクションとの差を算出する。
図4は、気筒休止機構を作動させる場合と停止させる場合とのエンジンのフリクションの大きさを示す説明図である。ここで、気筒休止機構15が作動している場合と作動していない場合とのエンジン5のフリクションについて説明する。エンジン5のフリクションは、気筒休止機構15が作動している場合と作動していない場合とで異なっており、気筒休止機構15が作動している場合は、吸排気バルブが閉じた状態で停止することによりポンピングロス等の抵抗が少なくなっているため、気筒休止機構15が作動していない場合よりもフリクションが小さくなる。即ち、図4に示すように、気筒休止機構15が作動している場合におけるフリクションである気筒休止作動時フリクションFopは、気筒休止機構15が作動していない場合におけるフリクションである気筒休止停止時フリクションFstよりも小さくなっている。エンジン5のフリクションは、エンジン5の回転数が高くなるに従って大きくなるが、水温など、エンジン5の運転条件が同じ場合には、エンジン5の回転数がいずれの回転数の場合においても、気筒休止作動時フリクションFopは、気筒休止停止時フリクションFstよりも小さくなる。
このように、気筒休止機構15の作動状態によってエンジン5のフリクションは異なるが、これらの気筒休止作動時フリクションFopと気筒休止停止時フリクションFstとは、共にエンジン5の回転数ごとに予め予測され、マップとしてECU60の記憶部80に記憶されている。EGフリクション差算出部71で、気筒休止機構15の作動の有無によるフリクション差を算出する場合は、まず、エンジン回転数センサ10で現在のエンジン5の回転数を検出し、この検出結果を、ECU60の処理部61が有するエンジン回転数取得部64で取得する。
EGフリクション差算出部71は、このようにエンジン回転数取得部64で取得したエンジン回転数を、記憶部80に記憶されているマップに当てはめることにより、現在のエンジン回転数で気筒休止機構15が作動したと仮定した状態のフリクションである気筒休止作動時フリクションFopと、気筒休止機構15が停止したと仮定した状態のフリクションである気筒休止停止時フリクションFstとを求める。さらに、EGフリクション差算出部71は、このように算出した気筒休止停止時フリクションFstから気筒休止作動時フリクションFopを減算することにより、双方のフリクションの差を算出する。これにより、現在のエンジン回転数における気筒休止機構15の作動の有無によるフリクション差を算出する。
次に、モータジェネレータ20の要求トルクを算出する(ステップST104)。この算出は、動力制御部68が有するMG要求トルク算出部72で行う。MG要求トルク算出部72でモータジェネレータ20の要求トルクを算出する場合は、EG図示トルク算出部70で算出したエンジン図示トルクと、EGフリクション差算出部71で算出したフリクション差とに基づいて算出する。
ここで、モータジェネレータ20の要求トルクを、エンジン図示トルクとエンジン5のフリクション差とに基づいて算出する場合における考え方について説明すると、エンジン5の運転時は、気筒休止機構15は作動させず、モータジェネレータ20で動力を発生させないため、この場合における要求駆動力は、下記の式(1)によって表すことができる。なお、式(1)における駆動系フリクションは、エンジン5のフリクション以外の駆動系のフリクションであり、車両1の走行抵抗は、車輪が回転する際における路面との抵抗や空気抵抗など、車両1が実際に走行をする際における走行抵抗である。また、この場合はモータジェネレータ20で動力を発生させないため、式(1)におけるモータジェネレータ駆動トルクは0になる。
要求駆動力=(エンジン図示トルク−気筒休止停止時フリクション)−駆動系フリクション−車両の走行抵抗+モータジェネレータ駆動トルク・・・(1)
また、エンジン5に対してフューエルカットを行い、モータジェネレータ20の動力のみで走行をする場合には、気筒休止機構15を作動させるため、この場合における要求駆動力は、下記の式(2)によって表すことができる。なお、この場合はエンジン5で動力を発生させないため、式(2)におけるエンジン図示トルクは0になる。
要求駆動力=(エンジン図示トルク−気筒休止作動時フリクション)−駆動系フリクション−車両の走行抵抗+モータジェネレータ駆動トルク=−気筒休止作動時フリクション−駆動系フリクション−車両の走行抵抗+モータジェネレータ駆動トルク・・・(2)
このため、式(1)と式(2)とより、モータジェネレータ駆動トルクを求める式を表すと、下記の式(3)を導き出すことができる。
モータジェネレータ駆動トルク=エンジン図示トルク−(気筒休止停止時フリクション−気筒休止作動時フリクション)・・・(3)
このうち、式(3)中のエンジン図示トルクは、EG図示トルク算出部70で算出したエンジン図示トルクであり、(気筒休止停止時フリクション−気筒休止作動時フリクション)の部分は、EGフリクション差算出部71で算出したフリクション差であるため、EG図示トルク算出部70で算出したエンジン図示トルクから、EGフリクション差算出部71で算出したフリクション差を減算することにより、モータジェネレータ駆動トルクを算出することができる。このモータジェネレータ駆動トルクは、要求駆動力算出部69で算出した要求駆動力を実現する際に、モータジェネレータ20に要求するトルクである要求トルクとなっている。このため、MG要求トルク算出部72は、モータジェネレータ20の要求トルクを算出する場合には、EG図示トルク算出部70で算出したエンジン図示トルクから、EGフリクション差算出部71で算出したフリクション差を減算することによって算出する。
このように、MG要求トルク算出部72で算出するモータジェネレータ20の要求トルクは、気筒休止機構15でエンジン5のフリクションを低下させた場合におけるモータジェネレータ20の必要出力になっており、気筒休止機構15の作動時と気筒休止機構15の停止時とのエンジン5のフリクション差を用いて算出する。
次に、モータジェネレータ20の動力を算出する(ステップST105)。この算出は、動力制御部68が有するMG動力算出部73で算出する。モータジェネレータ20の動力は、モータジェネレータ20の回転数によって決まっており、回転数に対する動力が予めマップとして設定され、ECU60の記憶部80に記憶されている。また、モータジェネレータ20とエンジン5とは、動力出力軸6を介して接続されているため、モータジェネレータ20の回転数は、エンジン5の回転数に比例している。
このため、MG動力算出部73でモータジェネレータ20の動力を算出する場合には、まず、エンジン回転数取得部64で取得したエンジン回転数に、当該エンジン回転数とモータジェネレータ20の回転数との回転比を乗算することにより、モータジェネレータ20の回転数を算出する。さらに、このように算出したモータジェネレータ20の回転数を、記憶部80に記憶された、モータジェネレータ20の回転数と動力との関係を示すマップに当てはめる。これにより、MG動力算出部73は、算出したモータジェネレータ20の回転数、即ち、現在のモータジェネレータ20の回転数で発生可能なモータジェネレータ20の動力を算出する。
次に、EV走行が可能であるか否かを判定する(ステップST106)。この判定は、動力制御部68が有するEV走行判定部74で行う。EV走行判定部74は、MG要求トルク算出部72で算出したモータジェネレータ20の要求トルクと、MG動力算出部73で算出したモータジェネレータ20の動力とを比較することにより、EV走行が可能であるか否かを判定する。つまり、MG要求トルク算出部72で算出したモータジェネレータ20の要求トルクは、気筒休止機構15が作動した状態と停止した状態とを仮定して算出するため、換言すると、EV走行判定部74は、EV走行が可能か否かの判定を、気筒休止機構15でエンジン5のフリクションを低下させた状態を仮定して行う。
EV走行が可能であるか否かの判定をEV走行判定部74で判定する場合について説明すると、MG動力算出部73で算出したモータジェネレータ20の動力が、MG要求トルク算出部72で算出したモータジェネレータ20の要求トルクにより発生させることができる動力以上である場合には、モータジェネレータ20の動力によって発生させることができる駆動力は、要求駆動力以上であることを示している。従って、MG動力算出部73で算出したモータジェネレータ20の動力が、MG要求トルク算出部72で算出したモータジェネレータ20の要求トルクにより発生させることができる動力以上である場合には、モータジェネレータ20の動力のみで要求駆動力を実現することができるため、EV走行判定部74は、EV走行が可能であると判定する。
つまり、要求トルクについて説明すると、MG要求トルク算出部72で算出した要求トルクは、要求駆動力算出部69で算出した要求駆動力を実現する際にモータジェネレータ20に要求するトルクになっている。このため、要求トルクは、エンジン5のフリクションによる駆動力の低下分も踏まえて、モータジェネレータ20に要求するトルクになっている。詳しくは、要求トルクは、気筒休止機構15でフリクションを低下させた場合におけるエンジン5のフリクションによる駆動力の低下分も踏まえて、モータジェネレータ20に要求するトルクになっている。従って、換言すると要求トルクは、要求駆動力算出部69で算出した要求駆動力と、気筒休止機構15でエンジン5のフリクションを低下させた場合における当該フリクションとの和になっている。
EV走行判定部74は、この要求トルクと、MG動力算出部73で算出したモータジェネレータ20の動力とを比較し、要求トルクにより発生させることができる動力を、モータジェネレータ20で出力可能であるか否かに基づいて、EV走行が可能であるか否かを判定する。即ち、EV走行判定部74は、要求トルクにより発生させることができる動力を、モータジェネレータ20で出力可能である場合には、EV走行が可能であると判定する。
この場合は、動力制御部68は、エンジン制御部65とモータジェネレータ制御部66とに、EV走行を行うための制御信号を送信し、駆動力をモータジェネレータ20の動力のみで発生させる制御を行う。これにより、エンジン制御部65でフューエルカット等を行いつつ、気筒休止機構15を作動させて気筒休止の制御を行い、且つ、モータジェネレータ制御部66でインバータ40を制御することを介してモータジェネレータ20を制御することにより、モータジェネレータ20に、MG要求トルク算出部72で算出したモータジェネレータ20の要求トルクを発生させる。
つまり、車両1の走行時において駆動力を発生させる状況で、エンジン5のフューエルカットを行う場合には、気筒休止機構15を作動させて気筒休止の制御を行った状態で、モータジェネレータ20の動力のみで駆動力を発生させる。また、エンジン5のフューエルカットを行う際に、モータジェネレータ20の動力のみで、気筒休止機構15でエンジン5のフリクションを低下させた場合におけるフリクションと、要求駆動力とを合わせた駆動力を発生させることができる場合に、EV走行を行う。このため、換言すると、要求駆動力算出部69で算出した要求駆動力が所定量以下で、且つ、気筒休止機構15を作動させてエンジン5のフリクションを低下させる場合には、動力制御部68はEV走行の制御を行う。この場合における要求駆動力の所定量は、モータジェネレータ20の動力で発生させることのできる駆動力から、エンジン5のフリクションによって減少する駆動力分を減算した駆動力になる。
これに対し、MG動力算出部73で算出したモータジェネレータ20の動力が、MG要求トルク算出部72で算出したモータジェネレータ20の要求トルクで発生させることができる動力未満である場合には、モータジェネレータ20の動力のみでは要求駆動力を実現することができないことを示している。このため、この場合は、EV走行判定部74は、EV走行は不可能であると判定する。EV走行は不可能であるとの判定をEV走行判定部74で行った場合は、エンジン制御部65でエンジン5を制御することにより、要求駆動力算出部69で算出した要求駆動力を発生させることができる動力を、エンジン5で発生させる。
図5−1、図5−2は、実施例に係る駆動制御装置で動力を出力する場合における説明図であり、図5−1は、エンジンの動力のみを出力する場合の説明図、図5−2は、モータジェネレータの動力のみを出力する場合の説明図である。車両1の走行時に、EV走行が可能であると判定された場合には、気筒休止機構15を作動させてエンジン5のフリクションを低下させた状態で、モータジェネレータ20の動力のみで駆動力を発生させるが、次に、この場合における出力の配分と、エンジン5の動力のみで駆動力を発生させる場合の出力の配分とについて説明する。
まず、エンジン5の動力のみで駆動力を発生させる場合について説明すると、エンジン5の動力のみで駆動力を発生させる場合は、フューエルカットを停止し、エンジン5で燃料を燃焼させる。これにより、例えば図5−1に示すように、エンジン回転数が、あるNeの時にTNmのエンジン図示トルクを発生させることによりPWの動力を出力する場合において、NeでTNm相当のエンジンフリクションが発生する場合、エンジン5の動力のうち、PWがエンジンフリクションによって低減する。
この場合、モータジェネレータ20は、エンジン5と直結されているため回転数は、例えば回転比が1対1の場合はエンジン回転数と同様にNeになるが、エンジン5の動力のみで駆動力を発生させる場合には、モータジェネレータ20は動力を発生しないので、モータジェネレータ20のトルクTは0Nmになる。この場合のモータジェネレータ20からの出力は、PWになる。
これらにより、エンジン5からの出力とモータジェネレータ20からの出力とが合わせられて動力出力軸6にトルクが伝達される場合における出力である動力出力軸トルクは、エンジン図示トルクによる出力からエンジン5のフリクションによる低下分を減算し、モータジェネレータ20の出力を加算した値になる。即ち、動力出力軸トルクの出力値は、P(エンジン図示トルク分)−P(エンジンフリクション分)+P(モータジェネレータトルク分)=Pになる。
これに対し、EV走行を行う場合には、フューエルカットを行うため、図5−2に示すように、Neの時のエンジン図示トルクはT´Nmになり、エンジン5からの出力はP´Wになる。また、EV走行は、モータジェネレータ20の動力のみで駆動力を発生させるので、モータジェネレータ20を制御してNeでT´Nmのトルクを発生させることにより、P´Wの動力を出力する。
また、EV走行を行う場合は、気筒休止機構15を作動させてエンジンフリクションを低下させるので、エンジンフリクションは、トルクに換算した場合、NeでT´Nm相当に低下し、エンジンフリクションによる動力の低下分は、P´Wになる。これらにより、動力出力軸トルクの出力値は、P´(エンジン図示トルク分)−P´(エンジンフリクション分)+P´(モータジェネレータトルク分)=P´=Pになる。
EV走行時には、このように気筒休止機構15を作動させてエンジン5のフリクションを低下させ、モータジェネレータ20の動力を動力出力軸6に出力する際に、エンジン5のフリクションによって低減される度合いを低下した状態で出力する。
上記の説明、及び図5−1、図5−2で例示するように、EV走行時には、モータジェネレータ20で発生した動力を、気筒休止機構15を作動させてエンジン5のフリクションを低下させた状態で動力出力軸6に出力するので、要求駆動力を得るために必要なモータジェネレータ20の動力は、エンジン5の動力によって要求駆動力を得る場合よりも、小さな動力で得ることができる。
図6は、実施例に係る駆動制御装置を備える車両の走行中における各動作についての説明図である。次に、車両1の走行中に上記の制御を行った場合における各動作の一例について説明すると、まず、運転者が要求する車速である要求車速が0km/hで、アクセル開度が0の場合、即ちアクセルペダル50が全閉の場合は、エンジン回転数も0rpmになる。この場合は、燃料を噴射しないため、フューエルカットはONの状態になる。また、この場合は、モータジェネレータ20も作動させないため、モータジェネレータ20のトルクは0Nmになる。さらに、エンジン5を停止させる場合は、フリクションを低減させるため、気筒休止機構15をONにして気筒休止を行わせる。
この状態で、運転者がアクセルペダル50を操作し、アクセル開度を大きくすることにより要求車速が高くなった場合には、まず、モータジェネレータ20のトルクは0Nmのまま、スタータ16を用いてエンジン5を始動させる。即ち、気筒休止機構15をOFFにしてエンジン5の各気筒で吸排気が可能な状態にし、フューエルカットをOFFにしてエンジン5の気筒に燃料を供給可能な状態でスタータ16を作動させることにより、エンジン5を始動させる。これにより、エンジン5の回転数は上昇する。エンジン5が始動したら、クラッチ31を係合することにより、エンジン5の動力が変速装置32等を介して駆動輪36に伝達され、実際の車速は要求車速に近い速度になる。
この状態で、アクセルペダル50を所定位置まで戻すことにより、要求車速が所定の車速なった場合において、EV走行判定部74での判定によりEV走行が可能であると判定された場合には、フューエルカットと気筒休止機構15とを共にONにした状態で、モータジェネレータ20を作動させる。例えば、要求車速が20km/hになり、実際の車速が20km/hになった際にEV走行が可能であると判定された場合には、フューエルカットと気筒休止機構15とを共にONにした状態で、モータジェネレータ20を作動させる。即ち、フューエルカットをONにして燃料の供給を停止し、気筒休止機構15をONにすることにより気筒休止の制御を行わせてエンジン5のフリクションを低下させた状態でモータジェネレータ20に動力を発生させ、モータジェネレータ20で力行を行う。この場合、エンジン5では動力は発生しないが、モータジェネレータ20とエンジン5とは動力出力軸6を介して接続されているため、モータジェネレータ20で力行を行わせることにより、エンジン5の回転数も、モータジェネレータ20の回転数に応じた回転数になる。
その後、アクセルペダル50を戻してアクセル開度を全閉にした場合には、エンジン5やモータジェネレータ20では動力を発生しなくなり、要求車速は低下する。この場合、エンジン5やモータジェネレータ20では動力を発生しないが、車両1の走行時の慣性によるエネルギが、エンジン5やモータジェネレータ20に伝達される。このうち、モータジェネレータ20は、回生が可能に設けられているため、車両1の走行時の慣性によるエネルギが伝達されたモータジェネレータ20は回生を行い、慣性によるエネルギを電気に変換する。即ち、慣性によるエネルギを用いて、モータジェネレータ20で発電する。モータジェネレータ20で発電した電気は、インバータ40を介してバッテリ41に伝達し、バッテリ41に充電する。
モータジェネレータ20による回生は、低下する要求車速が所定の速度になるまで行われ、要求車速が所定の速度以下になったら、クラッチ31を離間させ、動力出力軸6と変速装置32との間で動力を遮断する。例えば、この場合における所定の速度が10km/hに設定されている場合には、要求速度の低下によって実際の車速が10km/h以下になったらクラッチ31を作動させ、動力出力軸6と変速装置32との間で動力を遮断する。これにより、慣性によるエネルギがモータジェネレータ20に伝達されなくなるため、モータジェネレータ20は回生を行わなくなり、モータジェネレータ20のトルクは0Nmになる。また、フューエルカットはONの状態になっており、エンジン5に供給される燃料がカットされている状態であるため、慣性によるエネルギがエンジン5に伝達されなくなった場合、エンジン5も停止する。
以上の駆動制御装置2は、車両1の運転状態に応じてEV走行を行う際に、EV走行が可能か否かの判定を、気筒休止機構15を作動させることによってエンジン5のフリクションを低下させた状態を仮定してEV走行判定部74で行っている。つまり、気筒休止機構15の作動の有無によるエンジン5のフリクション差をEGフリクション差算出部71で算出し、この算出したフリクション差に基づいて、モータジェネレータ20の要求トルクをMG要求トルク算出部72で算出する。EV走行判定部74は、モータジェネレータ20の動力が、このように算出した要求トルクにより発生させることのできる動力以上である場合には、EV走行判定部74が可能であると判定する。即ち、EV走行判定部74は、EV走行が可能であるか否かの判定を、エンジン5のフリクションを低下させた状態を仮定して算出した要求トルクに基づいて行う。
ここで、EV走行を行う場合、モータジェネレータ20の動力は、駆動力として使用されるのみでなく、駆動力以外のフリクションによっても消費され、実施例に係る駆動制御装置2を備える車両1では、エンジン5とモータジェネレータ20とが直結されているため、EV走行を行う場合には、モータジェネレータ20の動力はエンジン5のフリクションによっても消費される。このため、EV走行が可能であるか否かの判定を行う際に、このようにエンジン5のフリクションを低下させた状態を仮定して判定することにより、EV走行を行うのにより適した走行状態において、EV走行が可能であるか否かを判定することができる。この結果、モータジェネレータ20の動力のみで走行可能であるか否かの判定を、より適切に行うことができる。
また、エンジン5とモータジェネレータ20とが直結されている車両1において、EV走行を行う場合には、モータジェネレータ20の動力はエンジン5のフリクションによっても消費されるため、エンジン5のフリクションに相当する分の動力をモータジェネレータ20で発生させる必要がある。その際に、使用されるモータジェネレータ20が、出力が比較的小さいモータジェネレータ20の場合には、EV走行時に、エンジン5のフリクションに相当する分の動力と要求駆動力とをモータジェネレータ20の動力で賄い難くなる。このため、このような場合でも、気筒休止機構15によってフリクションを低下させた状態で、エンジン5のフリクションに相当する分の動力と要求駆動力とを、モータジェネレータ20の動力で賄うことができるか否かを判定することにより、比較的出力の小さなモータジェネレータ20が用いられている場合でも、EV走行が可能であるとの判定を行い易くなり、EV走行が可能となる領域を広くすることができる。この結果、より出力が小さいモータジェネレータ20でも、EV走行が可能になる領域を広くすることができる。また、このようにEV走行が可能になる領域を広くすることができるので、燃費の向上を図ることができる。また、ハイブリッド車の動力源としてエンジン5と共に用いられるモータジェネレータ20として、より出力が小さいモータジェネレータ20を使用することができるので、低コスト化を図ることができる。
また、EV走行が可能か否かの判定を、気筒休止機構15を作動させてエンジン5のフリクションを低下させた場合におけるモータジェネレータ20の要求トルクに基づいて行っているので、エンジン5のフリクションを低下させた場合におけるフリクションと要求駆動力とを、モータジェネレータ20の動力のみで賄うことができるか否かを、より確実に判定することができる。この結果、モータジェネレータ20の動力のみで走行可能であるか否かの判定を、より適切に行うことができる。
また、EV走行が可能か否かの判定を、要求駆動力算出部69で算出した要求駆動力と、気筒休止機構15を作動させてエンジン5のフリクションを低下させた場合における当該フリクションとの和をモータジェネレータ20で出力可能であるか否かに基づいて行うので、EV走行が可能か否かを、より適切に判定することができる。つまり、EV走行を行う場合、モータジェネレータ20の動力は、要求駆動力のみでなく、エンジン5のフリクションによっても消費されるため、要求駆動力と、気筒休止機構15の作動時のエンジン5のフリクションとの和を、モータジェネレータ20で出力可能であるか否かを判定することにより、EV走行が可能であるか否かを、より適切に判定することができる。この結果、モータジェネレータ20の動力のみで走行可能であるか否かの判定を、より適切に行うことができる。
また、気筒休止機構15は、エンジン5の気筒休止の制御を行うことにより、エンジン5のフリクションを低下させるので、より確実にフリクションを低下させることができる。従って、要求駆動力に対して、モータジェネレータ20の動力のみで走行可能である領域を増加させることができる。この結果、より確実に燃費の向上を図ることができる。
また、気筒休止機構15でエンジン5のフリクションを低下させる場合には、動力制御部68は、駆動力をモータジェネレータ20の動力のみで発生させる制御を行うので、モータジェネレータ20の動力が、エンジン5のフリクションによって消費される量が少ない領域でのみ、EV走行を行うことができる。つまり、駆動力をモータジェネレータ20の動力のみで発生させる制御であるEV走行の制御は、エンジン5のフューエルカット時において気筒休止機構15を作動させてエンジン5のフリクションを低下させる場合に行うので、エンジン5のフリクションを低下させ、エンジン5のフリクションによるモータジェネレータ20の動力の消費量が少ない運転領域にのみ、EV走行を行うことができる。この結果、より出力が小さいモータジェネレータ20でも、EV走行が可能になる領域を広くすることができる。
また、要求駆動力算出部69で算出した要求駆動力が所定量以下で、且つ、気筒休止機構15でエンジン5のフリクションを低下させる場合には、動力制御部68は、駆動力をモータジェネレータ20の動力のみで発生させる制御を行うので、より確実に、モータジェネレータ20の動力のみによって要求駆動力を発生させることのできる運転領域でのみ、EV走行を行うことができる。つまり、EV走行の制御は、エンジン5のフューエルカット時において気筒休止機構15を作動させてエンジン5のフリクションを低下させ、且つ、要求駆動力が、エンジン5のフリクションを考慮した際にモータジェネレータ20の動力によって賄うことのできる駆動力以下の場合に行う。このため、フリクションを低下させることによりフリクションによるモータジェネレータ20の動力の消費量が少なく、且つ、より確実にモータジェネレータ20の動力のみによって要求駆動力を発生させることのできる運転領域でのみ、EV走行を行うことができる。この結果、より出力が小さいモータジェネレータ20でも、EV走行が可能になる領域を広くすることができる。
また、共に車両1の走行時の動力源として設けられるエンジン5とモータジェネレータ20とが直結される形態のハイブリッド車で、モータジェネレータ20の動力のみで走行可能であるか否かの判定を、より適切に行うことができるので、クラッチ(図示省略)等の動力の断続手段を用いることに起因する振動等の発生を抑えつつ、適切な駆動制御を行うことができる。つまり、エンジン5の動力やモータジェネレータ20の動力を出力する系統に、伝達される動力の断続を行うことができるクラッチ等を設け、エンジン5の動力とモータジェネレータ20の動力との出力の切り替え時に、動力の制御と同時に動力の断続制御も行う場合には、動力の断続制御時に振動等が発生する場合がある。これに対し、上述した駆動制御装置2を備える車両1では、エンジン5とモータジェネレータ20とが直結に設けられているため、この振動等を抑えることができ、さらに、駆動制御装置2によって、より適切にEV走行の判定を行うことができる。これにより、振動等の発生を抑えつつ、適切な駆動制御を行うことができる。
図7は、変形例に係る駆動制御装置でEV走行に切り替える際の制御の説明図である。なお、実施例に係る駆動制御装置2では、EV走行が可能であると判定された場合には、エンジン5のフューエルカットと、モータジェネレータ20で動力を発生させることとを同時に行うが、EV走行が可能であるとEV走行判定部74で判定された場合には、EV走行に切り替わる前からモータジェネレータ20の出力を高めてもよい。
つまり、EV走行が可能であるとEV走行判定部74で判定された場合には、エンジン5の制御は、まず、フューエルカットの許可を行い、その後、燃料の最終噴射を行う。最終点火は、燃料の最終噴射の後に行い、これらを実行することにより、エンジン5で動力を発生させない状態にした後、気筒休止機構15を作動させる。
また、EV走行を行う場合には、モータジェネレータ20の制御も行うが、実施例に係る駆動制御装置2では、モータジェネレータ20のトルクは、エンジン5のフューエルカット等を行うことによってエンジン5で動力を発生させない状態にした後に発生させる。具体的には、実施例に係る駆動制御装置2においては、EV走行が可能であると判定された場合には、まず、エンジン5で動力を発生させない状態にし、気筒休止機構15を作動させてエンジン5のフリクションを低下させると同時に、または、気筒休止機構15を作動させた後に、図7の事前制御無し時MGトルクTncで示すように、モータジェネレータ20のトルクを上昇させる。
このため、EV走行に切り替える場合には、エンジン5の運転制御を行うエンジン制御部65から、モータジェネレータ20の運転制御を行うモータジェネレータ制御部66に対して、エンジン5の運転状態を送信する。具体的には、エンジン5での動力の発生を停止する時間や、気筒休止機構15の作動を開始する時間等を、気筒休止機構15を作動させる前に、エンジン制御部65からモータジェネレータ制御部66に送信する。これにより、モータジェネレータ制御部66は、気筒休止機構15が作動してエンジン5のフリクションを低下させるのとほぼ同時に、モータジェネレータ20のトルクを上昇させる。
これにより、実施例に係る駆動制御装置2で、エンジン5の動力による走行から、EV走行に切り替える場合における車両1の前後方向の加速度は、図7の事前制御無し時前後加速度Gncで示すように、エンジン5の動力によって駆動力を発生させている状態から、モータジェネレータ20の動力によって駆動力を発生させる状態に切り替わる際に、変化が発生する。つまり、エンジン5の動力による走行からEV走行に切り替わる際に、駆動力が一旦低減する、または駆動力が一旦途切れるため、その際に前後方の加速度が一旦低下する。
これに対し、EV走行が可能であるとEV走行判定部74で判定された場合に、EV走行に切り替わる前からモータジェネレータ20の出力を高める場合には、図7の事前制御有り時MGトルクTpcで示すように、エンジン5の動力を停止する制御を行う前から、EV走行に切り替わった際に発生させるトルクよりも低いトルクで、モータジェネレータ20にトルクを発生させる。
つまり、EV走行が可能であると判定され、エンジン5の運転状態が送信されたモータジェネレータ制御部66は、エンジン5の最終噴射を行うタイミングの前に、モータジェネレータ20に、低いトルクを発生させる。その後、気筒休止機構15を作動させるタイミングの付近で、モータジェネレータ20のトルクを、車両1の駆動力をモータジェネレータ20の動力のみで要求駆動力にすることのできるトルクにする。このように、気筒休止機構15を作動させるタイミングになる前に、モータジェネレータ20に、低いトルクを発生させることにより、フューエルカットを行うことによりエンジン5で発生させる動力が低下したり停止したりして、駆動力が低下する前に、モータジェネレータ20で発生させる動力によって、駆動力は維持される。
このため、エンジン5の動力による走行から、EV走行に切り替える場合における車両1の前後方向の加速度は、図7の事前制御有り時前後加速度Gpcで示すように、エンジン5の動力によって駆動力を発生させている状態から、モータジェネレータ20の動力によって駆動力を発生させる状態に切り替わるまで、ほぼ一定の加速度になる。
このように、エンジン5の動力による走行からEV走行に移行する際に、EV走行に切り替わる前からモータジェネレータ20の出力を高めることにより、加速度がほぼ一定になるため、スムーズなEV走行への移行が可能になる。この結果、乗り心地の向上を図ることができる。
また、上述した実施例に係る駆動制御装置2では、要求トルクと、MG動力算出部73で算出したモータジェネレータ20の動力とを比較することによりEV走行が可能であるか否かを判定するが、EV走行が可能であるか否かの判定は、これ以外によって判定してもよい。例えば、EV走行判定部74は、要求駆動力算出部69で算出した要求駆動力と、気筒休止機構15でフリクションを低下させた場合における当該フリクションとの和が、モータジェネレータ20の定格出力よりも小さい場合に、EV走行が可能であると判定してもよい。
つまり、EV走行を行うのに必要なモータジェネレータ20の動力が、モータジェネレータ20の定格出力よりも小さい場合には、エンジン5のフリクションを低下させた場合における要求駆動力をモータジェネレータ20の動力で賄うことができることを示している。このため、この場合にはEV走行が可能であると判定を行うことにより、EV走行が可能であると判定した場合に、確実に要求駆動力を発生させることができる。この結果、EV走行が可能か否かの判定をする際に、予め設定されたモータジェネレータ20の定格出力に基づいて判定することにより、容易に判定を行うことができる。
また、上述した駆動制御装置2では、要求駆動力等の動力と、エンジン5のフリクションとに基づいてEV走行が可能であるか否かを判定しているが、EV走行が可能であるか否かを判定する場合には、バッテリ41の充電状態も判定基準に含めて判定してもよい。例えば、バッテリ41の充電量が少ない状況でEV走行が可能であると判定した場合において、モータジェネレータ20に要求トルクを発生させる場合、バッテリ41の充電量が少ないことにより要求トルクを発生させることが困難になり、エンジン5を始動させなければならない状況になる場合がある。この場合、モータジェネレータ20によって駆動力を発生させることによる燃費向上の効果が低減するが、EV走行が可能であるか否かの判定を行う際に、バッテリ41の充電状態も含めて判定することにより、充電量が少ないことに起因して、エンジン5を始動させなければならなくなる状況になることを抑制することができる。従って、モータジェネレータ20の動力のみで走行可能であるか否かの判定を、より適切に行うことができ、EV走行が可能であると判定した場合には、より確実にモータジェネレータ20の動力のみで走行させることができる。この結果、より確実に燃費の向上を図ることができる。
また、上述した駆動制御装置2では、フリクション低下手段として気筒休止機構15が用いられているが、フリクション低下手段は、気筒休止機構15のものを用いてもよく、例えば、車両1に備えられる空調装置(図示省略)のコンプレッサ(図示省略)等の補機類を用いてもよい。これらの補機類は、エンジン5の動力により作動するものが多いが、この場合における動力の伝達経路に、クラッチ(図示省略)等の動力の断続手段を設け、この断続手段によってエンジン5と補機類との間の動力伝達を断続させることにより、エンジン5のフリクションを変化させることができる。このように、フリクション低下手段は、エンジン5のフューエルカットを行った際に、エンジン5のフリクションを低下させることができるものであれば、気筒休止機構15のものを用いてもよい。
また、実施例に係る駆動制御装置2を備える車両1では、複数の動力源のうちの電動機としてモータジェネレータ20が用いられているが、走行時の動力源として用いられる電動機は、発電機能を有さない、通常のモータ(図示省略)でもよい。また、上述した説明では、エンジン5とモータジェネレータ20との回転比が1対1の場合について説明しているが、エンジン5とモータジェネレータ20との回転比は、1対1以外でもよい。また、エンジン5とモータジェネレータ20とは、出力軸ギア7とモータギア21とが噛み合うことにより、双方は直結されているが、また、エンジン5とモータジェネレータ20とを直結する手段は、ギアを噛み合わせること以外により実現してもよい。
以上のように、本発明に係る駆動制御装置は、ハイブリッド車の駆動力を制御する駆動制御装置に有用であり、特に、エンジンとモータとが直結されている場合に適している。
1 車両
2 駆動制御装置
5 エンジン
15 気筒休止機構
20 モータジェネレータ
30 トランスミッション
36 駆動輪
50 アクセルペダル
51 アクセル開度センサ
60 ECU
61 処理部
62 アクセル開度取得部
63 車速取得部
64 エンジン回転数取得部
65 エンジン制御部
66 モータジェネレータ制御部
67 トランスミッション制御部
68 動力制御部
69 要求駆動力算出部
70 EG図示トルク算出部
71 EGフリクション差算出部
72 MG要求トルク算出部
73 MG動力算出部
74 EV走行判定部
80 記憶部
81 入出力部

Claims (8)

  1. 車両の走行時における動力源としてエンジンと、前記エンジンに直結される電動機とを備える前記車両の走行時の駆動力を制御可能な駆動制御装置において、
    前記エンジンの動力と前記電動機の動力とを前記車両の走行時における駆動力に応じて調節する動力制御部と、
    前記電動機の動力のみで前記駆動力を発生させる走行状態である電動走行が可能か否かの判定を行う電動走行判定部と、
    前記エンジンのフリクションを低下させることができるフリクション低下手段と、
    を備えており、
    前記電動走行判定部は、前記電動走行が可能か否かの判定を、前記フリクション低下手段で前記エンジンの前記フリクションを低下させた状態を仮定して行い、
    前記動力制御部は、前記電動走行が可能であると前記電動走行判定部で判定した場合には、前記駆動力を前記電動機の動力のみで発生させる制御を行うことを特徴とする駆動制御装置。
  2. 前記電動走行判定部は、前記電動走行が可能か否かの判定を、前記フリクション低下手段で前記フリクションを低下させた場合における前記電動機の必要出力に基づいて行うことを特徴とする請求項1に記載の駆動制御装置。
  3. さらに、前記車両の運転者が要求する駆動力である要求駆動力を算出する要求駆動力算出部を備えており、
    前記電動走行判定部は、前記電動走行が可能か否かの判定を、前記要求駆動力算出部で算出した前記要求駆動力と、前記フリクション低下手段で前記フリクションを低下させた場合における当該フリクションとの和を前記電動機で出力可能であるか否かに基づいて行うことを特徴とする請求項1または2に記載の駆動制御装置。
  4. 前記電動走行判定部は、前記要求駆動力算出部で算出した前記要求駆動力と、前記フリクション低下手段で前記フリクションを低下させた場合における当該フリクションとの和が前記電動機の定格出力よりも小さい場合に、前記電動走行が可能であると判定することを特徴とする請求項3に記載の駆動制御装置。
  5. 前記動力制御部は、前記電動走行が可能であると前記電動走行判定部で判定された場合には、前記電動走行に切り替わる前から前記電動機の出力を高めることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の駆動制御装置。
  6. 前記フリクション低下手段は、前記エンジンの気筒休止の制御を行うことにより前記フリクションを低下させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の駆動制御装置。
  7. 車両の走行時における動力源としてエンジンと、前記エンジンに直結される電動機とを備える前記車両の走行時の駆動力を制御可能な駆動制御装置において、
    前記エンジンの動力と前記電動機の動力とを前記車両の走行時における駆動力に応じて調節する動力制御部と、
    前記エンジンのフリクションを低下させることができるフリクション低下手段と、
    を備えており、
    前記フリクション低下手段で前記エンジンの前記フリクションを低下させる場合には、前記動力制御部は、前記駆動力を前記電動機の動力のみで発生させる制御を行うことを特徴とする駆動制御装置。
  8. 車両の走行時における動力源としてエンジンと、前記エンジンに直結される電動機とを備える前記車両の走行時の駆動力を制御可能な駆動制御装置において、
    前記エンジンの動力と前記電動機の動力とを前記車両の走行時における駆動力に応じて調節する動力制御部と、
    前記車両の運転者が要求する駆動力である要求駆動力を算出する要求駆動力算出部と、
    前記エンジンのフリクションを低下させることができるフリクション低下手段と、
    を備えており、
    前記要求駆動力算出部で算出した前記要求駆動力が所定量以下で、且つ、前記フリクション低下手段で前記エンジンの前記フリクションを低下させる場合には、前記動力制御部は、前記駆動力を前記電動機の動力のみで発生させる制御を行うことを特徴とする駆動制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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