JP2010283690A - 画像処理装置、画像処理方法、プログラムおよび記憶媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像の明るさを適切に補正する。
【解決手段】入力画像に含まれる主要被写体(例えば顔)に対する補正目標値に基づいたガンマテーブルを設定する。入力画像から予測した照明光成分を、このガンマテーブルを用いて変換して変換照明光成分を得る。照明光成分と変換照明光成分とに基づき、注目画素の輝度を補正目標値に近い値に補正するような補正量を算出する。算出したこの補正量を用いて、入力画像の輝度を画素毎に補正する。
【選択図】図9−5

Description

本発明は、画像の明るさを補正する画像処理装置、画像処理方法、プログラムおよび記憶媒体に関する。
撮影により得られた画像は、逆光状態での撮影あるいは夜間撮影のために露出不足で被写体が暗く写っていたり、物陰に該当する部分を含んでいるために画像の一部分が暗かったりするケースがある。そこで、近年では、デジタルカメラに対して、このような明るさが不適切な画像に対してユーザが補正レベルやガンマ形状を指定して明るさ補正を行う機能や、画像特徴に基づいて自動的にガンマテーブルを作成してガンマ変換する明るさ補正を行う機能が搭載されるようになってきている。
特に、人物の肌の色には、多くの人が好ましいと感じる色や明るさが存在する。そのため、画像中の顔あるいは人物の肌色を何らかの方法で検知し、好ましい明るさになるようなガンマテーブルを選択または作成して明るさ補正することは、従来から行われており、また重要視もされている。
例えば、特許文献1には、マルチバンド画像データから画像中の特定物体の領域を識別し、識別結果に基づきマルチバンド画像データに対して所定のデータ処理を施すようにした技術が記載されている。ここで、特定物体とは例えば人間の肌であり、特許文献1では、人間の肌の領域が適切な明るさになるような補正テーブルを選択して画像全体の明度補正を行うようにしている。
また、従来から、Retinex(レチネックス)理論に基づき、画像を照明光成分と反射率成分とに分解し、反射率成分を出力する技術が知られている。人間の目は、照明光に依らず明るさや色を知覚できる明るさの恒常性、色の恒常性を持っている。これを網膜モデルとしてモデル化したのが、このレネチックス理論である。このレチネックス理論に基づく明るさ補正方法では、画像全体の明るさや主被写体の明るさを狙い通りにコントロールすることが一般的に困難とされている。特許文献2には、処理するデジタル画像の主被写体、例えば顔の明るさに対して最適に明るさ分布を改善するパラメータを適切に設定する方法が記載されている。
さらに、特許文献3には、通常の線形特性領域だけの撮影センサに対して、線形特性領域と対数特性領域からなる光電変換特性を有する撮影センサ(リニアログセンサ)を用いて広ダイナミックレンジで撮影された画像のダイナミックレンジを圧縮することで、明るさ分布の改善を図るようにした技術が記載されている。
すなわち、特許文献3では、リニアログセンサで撮影された広ダイナミックレンジ画像から反射率成分と照明光成分とを予測し、予測された照明光成分をダイナミックレンジ圧縮して、予測された反射率成分と合成する。これにより、コントラストを維持したまま、広ダイナミックレンジ画像に対応していない表示系(モニタなど)のダイナミックレンジに収まるように、入力画像のダイナミックレンジを圧縮する。また、特許文献3では、主要被写体(例えば人物の顔)において照明光成分が圧縮されて階調が潰れるのを防ぐため、主要被写体の輝度から設定されたレベル値以上のみを、対数特性に基づきダイナミックレンジ圧縮するようにしている。
上述した特許文献1によれば、顔の明るさを狙い通りの適切な明るさに補正することができる一方で、1つのガンマテーブルで画像全体の明るさを補正するため、階調潰れが発生する輝度範囲が存在するというトレードオフがある。したがって、階調潰れによりコントラストが低下し、ぼけてシャープネスが低下した印象の画像になってしまうおそれがあるという問題点があった。
特許文献2では、レチネックス理論に基づき入力画像から低周波成分を抽出することで照明光成分を予測する。最も一般的なランダムウォーク型のレチネックスでは、入力画像にガウシアンフィルタをかけることで低周波成分を抽出して照明光成分を予測する。反射率成分からなる画像は、入力画像から照明むらを取り除いた均一照明下におけるシーンの見えを再現するものとみなすことができ、コントラストを維持したまま明るさ補正を行うことができる。
しかしながら、特許文献2による補正は、明るいところが暗くなり、暗いところが明るくなる補正であり、全体的に奥行き感のない不自然な印象の画像になってしまうことがしばしば生じるという問題点があった。例えば、特許文献2による補正では、白い花びらの画像が暗く補正されて灰色の色が付いてしまうというようなことが起こる。
一方、レチネックス理論の応用として、入力画像から照明光成分を分離して残りの反射率成分を出力するのではなく、分離した照明光成分をガンマ変換し、反射率成分とガンマ変換後の照明光成分とを合成した画像を出力するようにした明るさ補正方法も提案されている。これは、反射率成分の除去ではなく反射率成分の置き換えになるため、上述したような白い花びらに灰色の色が付いてしまうような不自然なことは起こらず、コントラストを維持したまま適度に画像の明るさを補正することができる。
上述した特許文献3は、撮影センサとしてリニアログセンサを用いて撮影された広ダイナミックレンジ画像を入力画像として、撮影センサの特性に基づき決定されるガンマテーブルを用いて照明光成分の置き換えを行っている。この場合の照明光成分の置き換えは、ダイナミックレンジ圧縮に該当し、リニアログセンサの特性に基づいてガンマテーブルが決定される。
ところで、照明光成分の置き換えによる明るさ補正を行うに当たり、従来では、照明光成分を変換するガンマテーブルを適切に設定する方法が確立されていなかったという問題点があった。すなわち、従来では、照明光成分を変換するためのガンマテーブルの、画像毎に適した明るさ補正を行うための設定方法や、画像全体の明るさ、特に主要被写体を狙い通りの明るさに補正するための設定方法などが確立されていなかった。これは、通常の撮影画像に対して明るさ補正を行う場合に限らず、広ダイナミックレンジ画像が対象であってもダイナミックレンジ圧縮だけでなく好ましい明るさへの補正も併せて行う場合でも同様であった。
照明光成分の置き換えを行う方法は、特許文献3のように広ダイナミックレンジ画像に対して適用される例が多かった。照明光成分の置き換えを行う方法を通常撮影画像に対して適用する例としては、画像に関わらず固定のガンマテーブルを用いる例や、予め準備された数種類のガンマテーブルからユーザが選択する例などに限られていた。
例えば、特許文献1に示されるような、顔の明るさが適切に補正されるようなガンマテーブルを照明光成分に対して適用すると、顔の明るさは、周辺の明るさ(≒照明光成分)とのコントラストが小さければ略狙いに近い明るさに補正できるが、コントラストが大きい場合は狙いから大きくずれた明るさに補正されてしまうという問題点があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、画像の明るさを適切に補正することができる画像処理装置、画像処理方法、プログラムおよび記憶媒体を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、入力画像に含まれる主要被写体に対する補正目標値に基づいたガンマテーブルを設定する設定手段と、入力画像の照明光成分を画素毎に予測する予測手段と、照明光成分に対してガンマテーブルによる変換を行う変換手段と、照明光成分と、変換手段で照明光成分が変換された変換照明光成分とに基づき、入力画像の輝度を補正するための補正量を算出する算出手段と、算出手段で算出された補正量を用いて入力画像の輝度を画素毎に補正する補正手段とを有することを特徴とする。
また、本発明は、入力画像に含まれる主要被写体に対する補正目標値に基づいたガンマテーブルを設定する設定ステップと、入力画像の照明光成分を画素毎に予測する予測ステップと、照明光成分に対してガンマテーブルによる変換を行う変換ステップと、照明光成分と、変換手段で照明光成分が変換された変換照明光成分とに基づき、入力画像の輝度を補正するための補正量を算出する算出ステップと、算出ステップで算出された補正量を用いて入力画像の輝度を画素毎に補正する補正ステップとを有することを特徴とする。
本発明によれば、入力画像の照明光成分に対して、入力画像に含まれる主要被写体に対する補正目標値に基づいたガンマテーブルによる変換を行うようにしているため、画像の明るさを適切に補正することができるという効果を奏する。
図1は、第1の実施形態による画像処理装置の一例の構成を示すブロック図である。 図2は、ガンマテーブル設定部によるガンマテーブル設定処理を示す一例のフローチャートである。 図3は、補正量決定部における補正量Pの一例の決定処理を示すフローチャートである。 図4は、顔無し用の補正量Pnfを求める際の補正量決定部の機能を示す一例の機能ブロック図である。 図5−1は、ガンマテーブルg1()によるガンマ曲線の一例を示す略線図である。 図5−2は、補正量Pnfを用いて明るさ補正を行った場合の、注目画素の輝度Yiと補正後の輝度Yoとの一例の関係を示す略線図である。 図6は、顔有り用の補正量Pfを求める際の補正量決定部の機能を示す一例の機能ブロック図である。 図7は、顔出力輝度決定部の機能を示す一例の機能ブロック図である。 図8は、輝度比算出部が輝度比Rを算出する際の一例の処理を示すフローチャートである。 図9−1は、顔の輝度Yfを補正目標値である変換顔輝度g2(Yf)に変換するガンマテーブルg2()によるガンマ曲線の一例を示す略線図である。 図9−2は、第1の算出方法により算出される補正量Pfによる一例の補正を示す略線図である。 図9−3は、第2の算出方法により算出される補正量Pfによる一例の補正を示す略線図である。 図9−4は、第3の算出方法により算出される補正量Pfによる一例の補正を示す略線図である。 図9−5は、第1乃至第3の算出方法について説明するための略線図である。 図10は、第2の実施形態による、顔有り用の補正量Pfを求める際の補正量決定部の機能を示す一例の機能ブロック図である。 図11は、第2の実施形態における輝度比算出部による顔有り用の補正量Pfを算出する際の一例の処理を示すフローチャートである。 図12−1は、逆光/順光判定部により逆光と判定された場合の処理を説明するための略線図である。 図12−2は、逆光/順光判定部により順光と判定された場合の処理を説明するための略線図である。 図13は、第3の実施形態による画像処理装置の一例の構成を示すブロック図である。 図14は、顔有り用のガンマ設定を行うガンマテーブル設定部の機能を示す一例の機能ブロック図である。 図15−1は、ガンマテーブル調整部により仮ガンマテーブルg2()がガンマテーブルg3()に変換される例を示す略線図である。 図15−2は、ガンマテーブル調整部により仮ガンマテーブルg2()がガンマテーブルg3()に変換される例を示す略線図である。
<第1の実施形態>
以下に添付図面を参照して、この発明に係る画像処理装置の最良な実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施形態による画像処理装置の一例の構成を示す。Ri(赤色)、Gi(緑色)およびBi(青色)の各色の画素からなるビットマップ形式の画像データが入力画像(R,G,B)として入力され、輝度変換部1および明るさ補正部9にそれぞれ供給される。輝度変換部1は、入力画像(R,G,B)における各画素のRGB値を、次式(1)に従い輝度Yiに変換する。
i=0.30×Ri+0.59×Gi+0.11×Bi …(1)
輝度変換部1から出力された輝度Yiは、補正量決定部8、照明光成分予測部5、顔座標取得部2、顔輝度検出部3およびガンマテーブル設定部4にそれぞれ供給される。
顔座標取得部2は、入力画像に含まれる顔画像の、入力画像データにおける座標を取得する。例えば、顔座標取得部2は、図示されない表示部に表示される入力画像に基づき図示されない操作部を介してユーザが指定した顔位置を示す矩形の座標を、顔画像の座標として取得する。取得された顔画像の座標を示す顔座標情報は、顔輝度検出部3、ガンマテーブル設定部4および補正量決定部8にそれぞれ供給される。顔座標取得部2は、入力画像に顔が含まれないときは、顔の有無を示す情報を顔座標情報として出力する。
なお、顔座標取得部2は、ユーザ操作により指示された矩形の座標を顔座標として出力するのに限らず、供給された輝度Yiに基づき既知の手法により顔検出を行い、検出結果に基づき顔の有無および顔座標を求めるようにしてもよい。
顔輝度検出部3は、輝度変換部1から供給された輝度Yiと、顔座標取得部2から供給された顔座標情報とに基づき、顔の輝度Yfを求める。より具体的には、顔輝度検出部3は、顔座標情報に示される矩形(以下、顔領域と呼ぶ)内の肌色領域を検出し、検出された肌色領域の輝度Y1に基づき当該肌色領域の平均輝度を求めて、顔の輝度Yfとする。顔の輝度Yfは、ガンマテーブル設定部4、顔輝度ガンマ変換部7および補正量決定部8にそれぞれ供給される。
一例として、肌色領域の検出は、顔領域内の輝度Y1から輝度のヒストグラムを生成する。この顔領域の輝度ヒストグラムには、髪、眉および瞳からなる輝度が低い側のピークと、肌色領域からなる輝度が高い側のピークとの2つのピークが存在する。顔輝度検出部3は、判別分析法により、これら2つのピークの間にある極小値を取る輝度Yminを求め、この輝度Yminよりも大きい輝度からなる領域を肌色領域とする。
ガンマテーブル設定部4は、顔座標取得部2から出力される顔の有無を示す情報に基づき、入力画像の明るさ補正に用いるガンマテーブルを設定する。図2は、ガンマテーブル設定部4によるガンマテーブル設定処理を示す一例のフローチャートである。ガンマテーブル設定部4は、先ず、顔座標取得部2から供給される顔座標情報に基づき入力画像に顔が含まれるか否かを判定する(ステップS10)。
若し、入力画像に顔が含まれると判定されたら、処理はステップS11に移行され、ガンマテーブルに対して顔有り用のガンマ設定を行う。顔有り用のガンマ設定では、顔の輝度Yfに基づき顔の輝度を補正目標値に変換するようなガンマテーブルを設定する。この顔有り用のガンマテーブルは、例えば予め与えられるものである。
一方、入力画像に顔が含まれないと判定されたら、処理はステップS12に移行され、ガンマテーブルに対して顔無し用のガンマ設定を行う。顔無し用のガンマ設定では、例えば、入力画像の輝度Yiから輝度ヒストグラムを作成し、この輝度ヒストグラムが平滑化されるようなガンマテーブルを設定する。輝度ヒストグラムからガンマテーブルを設定する方法としては、例えば特開2000−69327号公報に記載されるような、入力される輝度信号を複数の信号レベルに分割してその分布数に基づきヒストグラムを作成し、ヒストグラムの情報から二次曲線で表されるガンマ補正関数の定数値を決定する方法を用いることができる。
なお、ガンマテーブルは、顔有り用および顔無し用の何れも、上に凸の形状の曲線をなすものとする。ガンマテーブル設定部4で設定されたガンマテーブルは、照明光ガンマ変換部6および顔輝度ガンマ変換部7にそれぞれ供給される。
以下では、ガンマテーブルを一般的に関数g()と表し、顔無し用のガンマテーブルを関数g1()、顔有り用のガンマテーブルを関数g2()でそれぞれ表す。また、ガンマテーブルを表す関数gx()を、適宜、ガンマテーブルgx()と呼ぶ。
一方、照明光成分予測部5は、注目画素の照明光成分の輝度L(以下、照明光成分Lと呼ぶ)を予測する。例えば、照明光成分予測部5は、式(2)に示されるように、注目画素および当該注目画素の周辺画素の輝度Yiに対して、式(3)および式(4)に示されるガウシアン関数Fとの畳み込み積和演算を行う。この演算により注目画素および周辺画素による画像の低周波成分を抽出し、抽出されたこの低周波成分を、注目画素の照明光成分Lとして予測する。なお、式(2)〜式(4)において、座標(x,y)は、注目画素の位置を示す。また、値σは、ガウシアン関数のパラメータである標準偏差である。
Figure 2010283690
Figure 2010283690
Figure 2010283690
照明光成分予測部5で予測された照明光成分Lは、照明光ガンマ変換部6および補正量決定部8にそれぞれ供給される。
照明光ガンマ変換部6は、照明光成分予測部5から供給された照明光成分Lを、ガンマテーブル設定部4で設定されたガンマテーブルg1()またはg2()を用いて変換し、変換照明光成分g(L)を得る。変換照明光成分g(L)は、補正量決定部8に供給される。
顔輝度ガンマ変換部7は、入力画像に対して顔画像が含まれる場合に機能する。顔輝度ガンマ変換部7は、例えばガンマテーブル設定部4において顔有り用のガンマテーブルg2()が設定された場合に、顔輝度検出部3から供給された顔輝度Yfを当該ガンマテーブルg2()を用いて変換し、変換顔輝度g(Yf)を得る。変換顔輝度g(Yf)は、補正量決定部8に供給される。
補正量決定部8は、注目画素の輝度Yi、照明光成分L、ならびに、変換照明光成分g(L)および変換顔輝度g(Yf)に基づき、後述するようにして、明るさ補正部9で入力画像の明るさを補正するために用いる補正量Pを、画素毎に決定する。補正量決定部8で決定された補正量Pは、明るさ補正部9に供給される。
明るさ補正部9は、入力画像(R,G,B)をこの補正量Pに基づき画素毎に補正して、出力画像(R,G,B)を出力する。
より具体的には、明るさ補正部9は、補正量決定部8から供給された補正量Pを、下記の式(5)に例示されるように、入力画像(Ri,Gi,Bi)の各画素のRGB値それぞれに乗じることで、注目画素に対する明るさ補正を行う。なお、式(5)において、min(a,b)は、括弧内に併記された値のうち最小の値を選択することを意味する。
o=min(Ri×P,Ymax)
o=min(Gi×P,Ymax)
o=min(Bi×P,Ymax) …(5)
上述した式(1)により、RGB値のそれぞれと輝度Yとは線形変換の関係にある。したがって、上述の式(5)に例示されるように、RGB値それぞれに対して補正量Pを乗ずると、出力画像(Ro,Go,Bo)に対応する輝度は、入力画像(Ri,Gi,Bi)に対応する輝度Yiに補正量Pを乗算した値と等しくなる。すなわち、入力画像(Ri,Gi,Bi)の輝度成分を補正量P倍していることになる。
<明るさ補正に用いる補正量の算出>
次に、本発明の第1の実施形態による明るさ補正処理について説明する。本第1の実施形態では、式(6)に示されるように、照明光成分Lとガンマ変換後の変換照明光成分g(L)との比を注目画素の輝度Yiに対して乗ずることで、注目画素の輝度Yiの照明光成分Lを変換照明光成分g(L)に置き換えた、補正後の輝度Yoを得る。
o={g(L)/L}×Yi …(6)
公知理論として、ディジタルカメラなどで撮影されて得られた入力画像Iは、照明光成分Lと反射率成分Rとを式(7)に従い合成したものとして表される。
I=L×R …(7)
ここで、照明光成分Lを所定に変換された照明光成分L’で置き換えると、式(7)は、次式(8)のように表すことができる。
I’=L’×R …(8)
式(7)および式(8)から、次式(9)が成り立ち、これは式(10)のように表すことができる。
I’/I=L’/L …(9)
I’=(L’/L)×I …(10)
したがって、この式(10)と上述の式(6)とから、式(6)は、注目画素の輝度Yiの照明光成分Lをガンマ変換された変換照明光成分g(L)に置き換えた場合の、注目画素の輝度Yiに対する補正後の輝度Yoを表していると考えることができる。
補正量決定部8は、式(6)における入力画像Yiに対する係数g(L)/Lを、補正量Pとして求める。図3は、補正量決定部8における補正量Pの一例の決定処理を示すフローチャートである。補正量決定部8は、顔座標取得部2から供給される顔座標情報に基づき、入力画像に顔が含まれるか否かを判定する(ステップS20)。若し、入力画像に顔が含まれると判定したら、処理はステップS21に移行し、後述する処理により顔有り用の補正量Pfを求め、この顔有り用の補正量Pfを最終的な補正量Pに決定する。一方、入力画像に顔が含まれないと判定したら、処理はステップS22に移行し、後述する処理により顔無し用の補正量Pnfを求め、この顔無し用の補正量Pnfを最終的な補正量Pに決定する。
<顔無し用の補正量Pnf
先ず、ステップS22の、顔無し用の補正量Pnfを求める方法について説明する。図4は、顔無し用の補正量Pnfを求める際の補正量決定部8の機能を示す一例の機能ブロック図である。補正量決定部8は、輝度比算出部80により、照明光成分Lと変換照明光成分g1(L)とから上述した係数g(L)/Lを算出し、補正量Pnfとして出力する。
図5−1は、ガンマテーブルg1()によるガンマ曲線の一例を示す。このように、ガンマテーブルg1()は、単調増加で上に凸の形状を有するガンマ曲線をなす。図5−2は、上述した式(6)により得られた補正量Pnfを用いて明るさ補正を行った場合の、注目画素の輝度Yiと補正後の輝度Yoとの一例の関係を示す。
図5−2において、点線で示される曲線200は、図5−1に例示される関数g()で示されるガンマテーブルと同一である。また、上述した式(6)による注目画素の輝度Yiと補正後の輝度Yoとの関係の例を、直線201、202および203により示す。ここでは、図5−2において、注目画素の輝度Yiが輝度Ybであるものとして説明する。
直線201は、注目画素の輝度Yi(=輝度Yb)と、照明光成分Lとが等しい場合の例である。直線202は、照明光成分Lの輝度が輝度Yc(>輝度Yb)であって、注目画素の輝度Yiが照明光成分Lよりも小さい場合の例である。また、直線203は、照明光成分Lの輝度が輝度Ya(<輝度Yb)であって、注目画素の輝度Yiが照明光成分Lよりも大きい場合の例である。
この図5−2および上述した式(6)から明らかなように、照明光成分Lが注目画素の輝度Yiと等しければ、注目画素の輝度Yiは、曲線200で示されるガンマテーブルg1()に従い補正される。すなわち、注目画素の輝度Yiを輝度Ybとしたとき、当該注目画素の輝度Yiは、輝度g1(Yb)に補正される。
一方、例えば照明光成分Lが注目画素の輝度Yiよりも高ければ、注目画素の輝度Yiは、式(6)に従い、ガンマテーブルg1()より補正された輝度よりも低い輝度に補正される。図5−2の例では、照明光成分Lの輝度が輝度Yc(>輝度Yb)であれば、注目画素の輝度Yi(=輝度Yb)は、傾きがg1(L)/Lである直線202に従い、上述した輝度g1(Yb)より低い、輝度Ydに補正される。
また、例えば照明光成分Lが注目画素の輝度Yiよりも高ければ、注目画素の輝度Yiは、式(6)に従い、ガンマテーブルg1()により補正された輝度よりも高い輝度に補正される。図5−2の例では、照明光成分Lの輝度が輝度Ya(<輝度Yb)であれば、注目画素の輝度Yi(=輝度Yb)は、傾きがg1(L)/Lである直線203に従い、上述した輝度g1(Yb)より高い、輝度Yeに補正される。
以上をまとめると、下記のようになる。
(a)L=Yiの場合は、Yo=g1(Yi)になる。
(b)L>Yiの場合は、Yo<g1(Yi)になる。
(c)L<Yiの場合は、Yo>g1(Yi)になる。
これは、ガンマテーブルによるガンマ曲線の形状と上述した式(6)から明らかである。
<顔有り用の補正量Pf
次に、ステップS21の、顔有り用の補正量Pfを求める方法について説明する。図6は、顔有り用の補正量Pfを求める際の補正量決定部8の機能を示す一例の機能ブロック図である。補正量決定部8は、顔出力輝度決定部82と、輝度比算出部81とを有する。輝度比算出部81は、顔出力輝度決定部82から出力された第2の顔の出力輝度Yfo2と、注目画素の輝度Yiと、照明光成分Lと、変換照明光成分g(L)と、顔の輝度Yfと、変換顔輝度g(Yf)とから、注目画素の輝度Yiとの輝度比を算出し、顔有り用の補正量Pfを求める。
図7は、顔出力輝度決定部82の機能を示す一例の機能ブロック図である。顔出力輝度決定部82は、第1の顔の出力輝度算出部83と、第2の顔の出力輝度算出部84とを有する。第1の顔の出力輝度算出部83は、顔の輝度Yfと、照明光成分Lと、変換照明光成分g(L)とから、顔領域の注目画素の輝度Yi=Yfに対する第1の顔の出力輝度Yfo1を、上述の式(6)を用いて算出する。より具体的には、第1の顔の出力輝度Yfo1を求める式は、下記の式(11)のようになる。すなわち、第1の出力輝度Yfo1は、照明光成分Lを変換照明光成分g(L)に置き換えた場合の顔の輝度Yfである。
fo1={g(L)/L}×Yf …(11)
第2の顔の出力輝度算出部84は、第1の顔の出力輝度算出部83で算出された第1の顔の出力輝度Yfo1と、顔輝度ガンマ変換部7から供給される変換顔輝度g(Yf)とを用いて、下記の式(12)に従い、第2の顔の出力輝度Yfo2を算出する。この第2の顔の出力輝度Yfo2は、顔の輝度Yfに対する明るさ補正後の輝度である。
fo2=(1−E)×Yfo1+E×g(Yf) …(12)
すなわち、顔出力輝度決定部82は、第1の顔の出力輝度算出部83で算出された、照明光成分Lを変換照明光成分g(L)に置き換えた場合の顔の出力輝度Yfo1と、補正目標値である変換顔輝度g2(Yf)とを、調整パラメータEで決まる割合で合成して、第2の顔出力輝度Yfo2を算出する。
ここで、調整パラメータEは、0≦E≦1の範囲をとる。調整パラメータE=0であれば、第2の顔の出力輝度Yfo2=第1の顔の出力輝度算Yfo1となり、図5−1および図5−2を用いて説明した、顔無し用の補正量Pnfを求める場合と同様にして顔有り用の補正量Pfが求められる。一方、調整パラメータE=1であれば、第2の顔の出力輝度Yfo2=変換顔輝度g(Yf)となり、顔の輝度Yfが、補正目標値である顔有り用のガンマテーブルg2()による輝度g2(Yf)に補正される。
照明光成分Lをガンマ変換された変換照明光成分g(L)に置き換えて明るさ補正を行う場合の利点は、コントラスト維持の効果を保ったまま、顔の輝度を補正目標値に近くなるように補正できることにある。この利点を生かすためには、調整パラメータEを0.5付近の値に設定するのが適当であると考えられる。これに限らず、調整パラメータEの値は、ユーザ操作などにより変更可能としてもよい。例えば、ユーザが、明るさ補正後の画像を確認しながら、調整パラメータEの値を0乃至1の範囲で適宜調整できるようにする。
補正量決定部8において、輝度比算出部81は、顔出力輝度決定部82から出力された第2の顔の出力輝度Yfo2の、注目画素の輝度Yiに対する比Rを算出する。算出されたこの輝度比Rが、顔有り用の補正量Pfとして、補正量決定部8から出力されることになる。
輝度比算出部81は、顔有り用の補正量Pfを、当該補正量Pfによる補正後の輝度が、式(12)を用いて説明した第2の顔の出力輝度Yfo2になるように決定する。これにより、顔の輝度Yfが補正目標値に近い輝度に変換される。
式(12)は、式(6)に基づく第1の出力輝度Yfo1(={g(L)/L}×Yf)の項を含む。そのため、本第1の実施形態では、輝度比Rすなわち顔有り用の補正量Pfを、図5−2を用いて説明した顔無し用の補正量Pnfを求める場合と同様に、照明光成分Lと、顔の輝度Yfとの関係に基づき、場合分けをして求める。
図8は、輝度比算出部81が輝度比Rを算出する際の一例の処理を示すフローチャートである。輝度比算出部81は、照明光成分Lと顔の輝度Yfとを比較し、比較結果に基づき輝度比Rの算出方法を選択する。
図8において、輝度比算出部81は、ステップS30で、照明光成分Lと顔の輝度Yfとが一致するか否かを判定し、一致する(照明光成分L=顔の輝度Yf)と判定されたら、処理をステップS31に移行させ、第1の算出方法で輝度比Rを算出する。一方、ステップS30で照明光成分Lと顔の輝度Yfとが一致しないと判定されたら、処理はステップS32に移行される。ステップS32で、輝度比算出部81は、照明光成分Lが顔の輝度Yfを超えているか否かを判定し、超えている(照明光成分L>顔の輝度Yf)と判定されたら、処理をステップS33に移行させ、第2の算出方法で輝度比Rを算出する。一方、照明光成分Lが顔の輝度Yf未満である(照明光成分L<顔の輝度Yf)と判定されたら、処理はステップS34に移行され、第3の算出方法で輝度比Rを算出する。
図9−1乃至図9−5を用いて、上述した第1乃至第3の算出方法について説明する。図9−1は、顔の輝度Yfを補正目標値である変換顔輝度g2(Yf)に変換するガンマテーブルg2()によるガンマ曲線の一例を示す。このように、ガンマテーブルg2()によるガンマ曲線は、単調増加で上に凸の形状を有する。
図8のステップS31における、第1の算出方法について説明する。照明光成分Lと顔の輝度Yfとが等しい場合には、下記の式(13)に従い変換照明光成分g2(L)と照明光成分Lとの比を求め、輝度比Rすなわち顔有り用の補正量Pfとする。
f=g2(L)/L …(13)
図9−2は、第1の算出方法により算出される補正量Pfによる一例の補正を示す。図9−2で実線204で例示されるように、、照明光成分Lと顔の輝度Yfとが等しい場合には、注目画素の輝度Yiは、顔有り用のガンマテーブルg2()に従い変換される。
図8のステップS33における、第2の算出方法について説明する。この場合、注目画素の輝度Yi、顔の輝度Yfおよび照明光成分Lとの関係に基づき、下記に式(14)、(15)および(16)として例示するように、3通りに場合分けを行って輝度比Rすなわち顔有り用の補正量Pfを求める。なお、以下において、輝度Ymは、照明光成分L>顔の輝度Yfの場合の第2の顔の出力輝度Yfo2とする。
(d)0≦Yi<Yfの場合:
P=Ym/Yf …(14)
(e)Yf≦Yi<Lの場合:
P={(g2(L)−Ym)/(L−Yf)×(Yi−Yf)+Ym}/Yi …(15)
(f)L≦Yi≦Ymaxの場合:
P=g2(L)/L …(16)
なお、輝度Ymaxは、画素が取り得る輝度の最大値、すなわち、入力画像(R,G,B)の最大値を表す。
図9−3は、第2の算出方法により算出される補正量Pfによる一例の補正を示す。図9−3に実線205で例示されるように、照明光成分Lが顔の輝度Yfを超えている場合には、注目画素の輝度Yiは、顔の輝度Yfと照明光成分Lとを境界として、式(14)、式(15)および式(16)に基づきそれぞれ変換される。
このように、第2の算出方法によれば、0≦Yi≦Lの入力輝度範囲で補正量が調整され、顔の輝度Yfが近似的に第2の顔の出力輝度Yfo2になるように補正することができるようになる。
図8のステップS34における、第3の算出方法について説明する。この場合、注目画素の輝度Yi、顔の輝度Yfおよび照明光成分Lとの関係に基づき、下記に式(17)、(18)および(19)として例示するように、3通りに場合分けを行って輝度比Rすなわち顔有り用の補正量Pfを求める。なお、以下において、輝度Ynは、照明光成分L<顔の輝度Yfの場合の第2の顔の出力輝度Yfo2とする。
(g)0≦Yi≦Lの場合:
P=g2(L)/L …(17)
(h)L<Yi≦Yfの場合:
P={(g2(L)−Yn)/(L−Yf)×(Yi−Yf)+Yn}/Yi …(18)
(i)Yf<Yi≦Ymaxの場合:
P=[{(g2(Yf)/Yf×Ymax)−Yn}/(Ymax−Yf)×(Yi−Yf)+Yn]/Yi …(19)
図9−4は、第3の算出方法により算出される補正量Pfによる一例の補正を示す。図9−4に実線206で例示されるように、照明光成分Lが顔の輝度Yf未満である場合には、注目画素の輝度Yiは、顔の輝度Yfと照明光成分Lとをそれぞれ境界として、式(17)、式(18)および式(19)に基づきそれぞれ変換される。
図9−5は、上述した図9−2乃至図9−4をまとめて示した図である。照明光成分Lの輝度が顔の輝度Yfと等しい場合には、注目画素の輝度Yiは、第1の算出方法に基づき、実線204に従い顔有り用のガンマテーブルg2()に従い変換される。一方、照明光成分Lの輝度が顔の輝度Yfを超える輝度Ycの場合には、第2の算出方法に基づき、注目画素の輝度Yiが式(14)〜式(16)に基づく実線205に従い変換される。また、照明光成分Lの輝度が顔の輝度Yf未満の輝度Yaの場合には、第3の算出方法に基づき、注目画素の輝度Yiが式(17)〜式(19)に基づく実線206に従い変換される。
このように、第3の算出方法によれば、L<Yi≦Ymaxの入力輝度範囲で補正量が調整され、顔の輝度Yfが近似的に第2の顔の出力輝度Yfo2になるように補正することができるようになる。
上述したようにして、補正量決定部8で画素毎に算出された、顔有り用の補正量Pfまたは顔無し用の補正量Pnfは、明るさ補正部9に供給される。明るさ補正部9は、既に説明したように、補正量決定部8から供給された補正量Pfまたは補正量Pnfを、式(6)に従い入力画像(Ri,Gi,Bi)の各画素のRGB値それぞれに乗じることで、注目画素に対する明るさ補正を行う。
以上説明したように、本発明の第1の実施形態によれば、照明光成分をガンマテーブルを用いて変換した値で置き換えることにより入力画像に対する明るさ補正を行う。その際に、輝度ヒストグラムや顔の輝度といった入力画像の特徴に基づき設定されたガンマテーブルを、入力画像から低周波成分を抽出して予測した照明光成分に適用している。
これにより、注目画素の輝度と照明光成分とが等しい場合にはガンマテーブル通りの明るさ補正が行われる。また、注目画素の輝度と照明光成分とが異なる場合には、照明光成分が注目画素の輝度より高い場合にはより暗い方向に補正がなされ、照明光成分が注目画素の輝度より低い場合にはより明るい方向に補正がなされる。そのため、入力画像に対して直接的にガンマテーブルを適用する方法と比較して、画像全体の明るさを略同等に制御することができる。
また、本第1の実施形態によれば、主要被写体である顔の輝度周辺の補正量を、ガンマテーブル通りの補正量に近付けるようにしている。これにより、コントラストを維持し自然な明るさ補正が行える利点を生かしたまま、顔の明るさを狙いに近い明るさに補正することができ、総合的にバランスの良い明るさ補正が行える。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。上述した第1の実施形態では、従来技術で説明した照明光成分の置き換えによる明るさ補正に比べて、顔の輝度周辺でのコントラスト維持効果が減少するおそれがある。本第2の実施形態では、上述した第1の実施形態に対し、入力画像に顔が含まれる場合に当該顔の画像が逆光状態および順光状態の何れであるかの判定を行い、顔有り用の補正量Pfを、この逆光/順光の判定結果をさらに用いて決定することで、顔の輝度周辺でのコントラスト維持効果の減少を抑制する。
図10は、本第2の実施形態による、顔有り用の補正量Pfを求める際の補正量決定部8の機能を示す一例の機能ブロック図である。なお、図10において、上述した図6に示す構成と共通する部分には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。また、本第2の実施形態は、上述した第1の実施形態に対して顔有り用の補正量Pfの決定処理のみが異なるので、煩雑さを避けるために、第1の実施形態と共通する部分については説明を省略する。
図10において、補正量決定部8は、輝度比算出部81’および顔出力輝度決定部82に加えて、顔位置の照明光成分抽出部85および逆光/順光判定部86を有する。顔位置照明光抽出部85は、顔座標取得部2から出力された顔座標情報に基づき、照明光成分予測部5から供給された照明光成分Lから顔領域の中心位置(以下、顔位置と呼ぶ)における照明光成分Lfを抽出する。
顔位置照明光抽出部85で抽出された顔位置の照明光成分Lfは、逆光/順光判定部86に供給される。また、逆光/順光判定部86には、顔輝度検出部3から出力された顔の輝度Yfが供給される。逆光/順光判定部86は、これら顔位置の照明光成分Lfと、顔の輝度Yfとに基づき、顔が照明光よりも所定以上暗い場合に逆光と判定し、照明光が顔よりも所定以上明るい場合に順光と判定する。
より具体的には、逆光/順光判定部86は、顔位置の照明光成分Lfと顔の輝度Yfとを比較する。比較の結果、顔位置の照明光成分Lfよりも顔の輝度Yfの方が小さく、且つ、顔位置の照明光成分Lfと顔の輝度Yfとの差分の絶対値が閾値以上である場合に、逆光であると判定する。一方、逆光/順光判定部86は、顔位置の照明光成分Lfよりも顔の輝度Yfの方が大きく、且つ、顔位置の照明光成分Lfと顔の輝度Yfとの差分の絶対値が閾値以上である場合に、順光であると判定する。
また、逆光/順光判定部86は、顔位置の照明光成分Lfよりも顔の輝度Yfの方が小さい場合と、顔位置の照明光成分Lfよりも顔の輝度Yfの方が大きい場合の何れにおいても、顔位置の照明光成分Lfと顔の輝度Yfとの差分の絶対値が閾値未満であれば、逆光および順光の何れでもないと判定する。
逆光/順光判定部86による判定結果は、輝度比算出部81’に供給される。また、顔出力輝度決定部82は、上述した第1の実施形態の場合と同様に、式(12)に従い第2の顔の出力輝度Yfo2を算出し、輝度比算出部81’に供給する。
輝度比算出部81’は、上述した第1の実施形態による顔有り用の補正量Pfの決定処理の際に用いる第2の顔の出力輝度Yfo2と、注目画素の輝度Yiと、照明光成分Lと、変換照明光成分g(L)と、顔の輝度Yfと、変換顔輝度g(Yf)とに加え、逆光/順光判定部86による判定結果をさらに用いて、顔有り用の補正量Pfを算出する。
図11は、本第2の実施形態における輝度比算出部81’による、輝度比Rすなわち顔有り用の補正量Pfを算出する際の一例の処理を示すフローチャートである。輝度比算出部81’は、逆光/順光判定部86による判定結果と、照明光成分Lおよび顔の輝度Yfの比較結果とに基づき、顔有り用の補正量Pfの算出方法を、図8および図9−1乃至図9−5を用いて説明した第1、第2および第3の算出方法から選択する。
図11において、輝度比算出部81’は、ステップS40で逆光/順光判定部86の判定結果が逆光を示しているか否かを判定する。若し、逆光を示していると判定されたら、処理はステップS41に移行され、顔の輝度Yfが照明光成分L以上であるか否かが判定される。若し、顔の輝度Yfが照明光成分L以上であると判定されたら、処理はステップS42に移行され、上述した第1の算出方法により、式(13)に従い顔有り用の補正量Pfを算出する。一方、ステップS41で、顔の輝度Yfが照明光成分L未満であると判定されたら、処理はステップS43に移行され、上述した第2の算出方法により、式(14)〜式(16)に従い顔有り用の補正量Pfを算出する。
すなわち、逆光/順光判定部86により逆光と判定された場合、図12−1に例示されるように、ガンマテーブルg2()による曲線210の下側、つまり、照明光成分Lが顔の輝度Yfよりも明るい場合(L>Yf)についてのみ、顔の輝度Yfが目標補正値である顔有り用のガンマテーブルg2()による輝度g2(Yf)に近付くように、顔有り用の補正量Pfを調整する。
ステップS40で、逆光/順光判定部86の判定結果が逆光を示していないと判定されたら、処理はステップS44に移行され、当該判定結果が順光を示しているか否かを判定する。若し、順光を示していると判定されたら、処理はステップS45に移行され、照明光成分Lが顔の輝度Yf以上であるか否かが判定される。若し、照明光成分Lが顔の輝度Yf以上であると判定されたら、処理はステップS46に移行され、第1の算出方法により顔有り用の補正量Pfを算出する。一方、ステップS45で、照明光成分Lが顔の輝度Yf未満であると判定されたら、処理はステップS47に移行され、上述した第3の算出方法により、式(17)〜式(19)に従い顔有り用の補正量Pfを算出する。
すなわち、逆光/順光判定部86により順光と判定された場合、図12−2に例示されるように、ガンマテーブルg2()による曲線210の上側、つまり、照明光成分Lが顔の輝度Yfよりも暗い場合(L<Yf)についてのみ、顔の輝度Yfが目標補正値である顔有り用のガンマテーブルg2()による輝度g2(Yf)に近付くように、顔有り用の補正量Pfを調整する。
上述のステップS44で、逆光/順光判定部86の判定結果が順光を示していないと判定された場合、当該判定結果は、逆光および順光の何れでもないことを示している。この場合には、処理がステップS48に移行され、第1の算出方法により顔有り用の補正量Pfが算出される。この場合には、顔有り用の補正量Pfの調整が行われないことになる。
以上説明したように、本第2の実施形態によれば、主要被写体である顔の輝度周辺の補正量を、顔有り用のガンマテーブル通りの補正量に近付けるように調整する処理を、逆光/順光を判定し、判定結果に応じて必要最小限に行うようにしている。そのため、上述した第1の実施形態と同様に顔の明るさを狙いに近い明るさに補正することができ、且つ、顔の輝度周辺でのコントラスト維持効果の減少を最小限に抑えることができる。
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。上述した第1および第2の実施形態では、入力画像に顔が含まれている場合に明るさ補正の補正量を調整することで、顔の輝度を補正目標値に近い明るさに補正するようにしていた。これに対して、本第3の実施形態では、顔の出力輝度を考慮してガンマテーブルを調整することにより、顔の輝度を補正目標値に近い明るさへ補正する。
図13は、本第3の実施形態による画像処理装置の一例の構成を示す。なお、図13において、上述した図1に示した構成と共通する部分には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
図13から分かるように、本第3の実施形態による画像処理装置は、図1に示した第1の実施形態による画像処理装置に対し、ガンマテーブル設定部4とは異なる構成のガンマテーブル設定部10と、補正量決定部8とは異なる構成の補正量決定部11がそれぞれ用いられる。また、顔輝度ガンマ変換部7が省略されている。ガンマテーブル設定部10は、照明光成分L、顔座標情報および顔の輝度Yfに基づき、本第3の実施形態によるガンマテーブル調整を行う。
ガンマテーブル設定部10による処理について、より詳細に説明する。ガンマテーブル設定部10は、顔座標取得部2から出力される顔座標情報に基づき(ステップS10)、上述した図2のフローチャートと同様にして、顔有り用のガンマ設定を行うのか(ステップS11)、顔無し用のガンマ設定を行うのか(ステップS12)を決定する。ステップS12による顔無し用のガンマ設定は、上述した第1の実施形態において図4ならびに図5−1および図5−2を用いて説明した処理と同様に行うことができるため、ここでの説明を省略する。
ステップS11の、顔有り用のガンマ設定処理の例について説明する。図14は、顔有り用のガンマ設定を行うガンマテーブル設定部10の機能を示す一例の機能ブロック図である。顔位置照明光成分抽出部101は、顔座標取得部2から供給される顔座標情報に基づき、入力画像の顔位置における照明光成分Lを求め、顔位置照明光成分Lfとして出力する。顔位置照明光成分Lfは、照明光ガンマ変換部102、顔出力輝度決定部103およびガンマテーブル調整部104にそれぞれ供給される。
顔輝度検出部3から出力された顔の輝度Yfがガンマテーブル設定部10に入力され、仮ガンマテーブル設定部105、顔輝度ガンマ変換部106およびガンマテーブル調整部104にそれぞれ供給される。仮ガンマテーブル設定部105は、顔の輝度Yfが補正目標値に変換されるように、ガンマテーブルの値を設定する。ここで設定されるガンマテーブルを、仮ガンマテーブルと呼ぶ。この仮ガンマテーブルは、上述した第1の実施形態においてガンマテーブル設定部4で設定される、顔有り用のガンマテーブルg2()と同一のものである。以下、仮ガンマテーブルを、関数g2()として表す。
仮ガンマテーブル設定部105で設定された仮ガンマテーブルg2()は、顔位置照明光ガンマ変換部102、顔輝度ガンマ変換部106およびガンマテーブル調整部104にそれぞれ供給される。
照明光ガンマ変換部102は、顔位置照明光成分抽出部101から供給された顔位置照明光成分Lfを、仮ガンマテーブルg2()を用いてガンマ変換し、変換顔位置照明光成分g2(Lf)とする。同様に、顔輝度ガンマ変換部106は、顔の輝度Yfを仮ガンマテーブルg2()を用いてガンマ変換し、変換顔輝度g2(Yf)とする。変換顔位置照明光成分g2(Lf)および変換顔輝度g2(Yf)は、それぞれ顔出力輝度決定部103に供給される。
顔出力輝度決定部103は、顔の輝度Yf、顔位置照明光成分Lf、変換顔位置照明光成分g2(Lf)および変換顔輝度g2(Yf)を、上述した第1の実施形態における式(11)に対応する下記の式(20)に従い、注目画素の輝度Yi=顔の輝度Yfに対する第1の顔の出力輝度Yfo1を求める。
fo1={g(Lf)/Lf}×Yf …(20)
顔出力輝度決定部103は、この第1の顔の出力輝度Yfo1を上述した式(12)と同様の下記の式(21)に適用して、第2の顔の出力輝度Yfo2を求める。なお、調整パラメータEは、予め与えられる0≦E≦1の範囲の値である。調整パラメータEを、ユーザが当該範囲内で設定可能としてもよい。
fo2=(1−E)×Yfo1+E×g2(Yf) …(21)
顔出力輝度決定部103で求められた第2の顔の出力輝度Yfo2は、ガンマテーブル調整部104に供給される。ガンマテーブル調整部104は、上述の第1の実施形態で式(6)を用いて説明した、照明光成分Lの変換照明光成分g(L)への置き換えによる明るさ補正が、後段の補正量決定部11で行われることを見越してガンマテーブルの調整を行い、出力する。
すなわち、ガンマテーブル調整部104は、顔位置照明光成分Lf、第2の顔の出力輝度Yfo2および顔の輝度Yfに基づき、顔の輝度Yfが第2の顔の出力輝度Yfo2に補正されるように仮ガンマテーブルg2()を調整して、関数g3()によるガンマテーブルg3()を求める。これを、ガンマテーブル設定部10の出力とする。
より具体的には、ガンマテーブル調整部104は、下記の式(22)〜(24)により、仮ガンマテーブルg2()を調整してガンマテーブルg3()を求める。
先ず、式(22)に従い、顔位置照明光Lfがガンマテーブルg3()で変換されるべき輝度g3(Lf)を求める。
3(Lf)=(Yfo2/Yf)×Lf …(22)
次に、式(23)に従い、顔位置照明光Lfがガンマテーブルg3()で変換されるべき輝度g3(Lf)、ならびに、ガンマテーブルg2()で変換される輝度g2(Lf)それぞれの顔位置照明光Lfとの差分の比の値kを求める。
k=(g3(Lf)−Lf)/(g2(Lf)−Lf) …(23)
注目画素の輝度aに対する調整後のガンマテーブルg3()による出力値g3(a)は、上述の式(23)で求めた比の値kを用いて、下記の式(24)で求められる。
3(a)=(g2(a)−a)×k+a …(24)
図15−1および図15−2は、ガンマテーブル調整部104により仮ガンマテーブルg2()がガンマテーブルg3()に変換される例を示す。顔の輝度Yf<顔位置照明光Lfの場合、図15−1に例示されるように、ガンマテーブルg3()は、曲線221(実線で示す)で例示されるように、元のガンマテーブルg2()に対してより上に凸の形状を有するガンマ曲線となる。
一方、顔の輝度Yf>顔位置照明光Lfの場合、ガンマテーブルg3()は、曲線222(実線で示す)で例示されるように、元のガンマテーブルg2()に対して上への凸が抑えられた形状のガンマ曲線となる。
すなわち、ガンマテーブルg3()の形状のみからいえば、顔の輝度Yfが顔位置の照明光成分Lfよりも小さい(暗い)場合には、図15−1に曲線221として例示されるように、顔の輝度Yfを、仮ガンマテーブルg2()により変換した場合よりも大きな値に変換するガンマテーブルになる。これは、換言すれば、補正目標値よりも明るい値に変換するガンマテーブルになるといえる。
一方、顔の輝度Yfが顔位置の照明光成分Lfよりも大きい(明るい)場合には、図15−2に曲線222として例示されるように、顔の輝度Yfを仮ガンマテーブルg2()により変換した場合よりも小さな値に変換するガンマテーブルになる。これは、換言すれば、補正目標値よりも暗い値に変換するガンマテーブルになるといえる。
また、顔の輝度Yfと顔位置照明光Lfとが等しい場合、仮ガンマテーブルg2()とガンマテーブルg3()とが一致する。この場合、仮ガンマテーブルg2()に対する調整は行われないことになる。
ガンマテーブル調整部104で求められたガンマテーブルg3()は、照明光ガンマ変換部6に供給される。照明光ガンマ変換部6は、照明光成分予測部5から供給された照明光成分Lを、ガンマテーブル設定部10で設定されたガンマテーブルg1()(顔無しの場合)またはg3()(顔有りの場合)を用いて変換し、変換照明光成分g(L)を得る。変換照明光成分g(L)は、補正量決定部11に供給される。
補正量決定部11は、照明光成分予測部5から供給された照明光成分Lと、照明光ガンマ変換部6から供給された変換照明光成分g(L)とから、第1の実施形態において説明した式(6)に従い、補正量Pを次式(25)により求める。
P=g(L)/L …(25)
顔位置における補正量Pは、P=g3(Lf)/Lfとなり、式(24)は、次式(26)のようになる。
f=g3(Lf)/Lf={(g2(Lf)−Lf)×k+Lf}/Lf …(26)
式(26)に上述した式(23)を代入すると、次式(27)のようになる。
f={(g2(Lf)−Lf)×(g3(Lf)−Lf]/(g2(Lf)−Lf)+Lf}/Lf=g3(Lf)/Lf …(27)
したがって、上述の式(22)により、次式(28)が導かれ、補正量Pが求められる。補正量Pを用いて明るさ補正を行うことにより、顔の輝度Yfが第2の顔の出力輝度Yfo2に補正される。
f=Yfo2/Yf …(28)
こうして求められた補正量Pf(または補正量Pnf)が明るさ補正部9に供給される。明るさ補正部9は、補正量決定部11から供給されたこの補正量Pf(または補正量Pnf)を用いて、上述した式(5)に従い、注目画素に対する明るさ補正を行う。
以上、本第3の実施形態によれば、後段で照明光成分の置き換えによる明るさ補正が行われることを見越して、主要被写体である顔の出力輝度を考慮してガンマテーブルを調整するようにしている。これにより、コントラストを維持し自然な明るさ補正が行える利点を生かしたまま、顔を狙いに近い明るさに補正することができる。
また、上述した第1および第2の実施形態により補正量を調整する場合と比較して、画像全体の明るさが多少変化する一方で、第1および第2の実施形態のように、顔の輝度周辺でコントラスト維持効果が減少することがなく、コントラスト維持の点で優れている。
なお、上述の第1〜第3の実施形態では、顔を主要被写体と見做し、顔の有無によって処理を切り替える場合を例にとって説明したが、この発明はこれに限られるものではない。すなわち、本発明は、入力画像のうち顔以外の領域を主要被写体と見做して補正量Pを決定する場合にも適用可能なものである。
一例として、ユーザに主要被写体の領域を例えば矩形で指定させると共に、補正目標値を指定させる。そして、指定された主要被写体領域における輝度の平均値を主要被写体の輝度(上述した第1〜第3の実施形態における顔の輝度に相当)として、上述した第1〜第3の実施形態による補正量の決定方法を適用する。これにより、指定された主要被写体の輝度を、コントラストを維持しつつ、補正目標値に近い明るさに補正することが可能となる。
以上説明したように、本発明によれば、入力画像に含まれる顔などの主要被写体に対する補正目標値に基づいたガンマテーブルを設定し、入力画像から画素毎に予測された照明光成分に対して当該ガンマテーブルによる変換を行うようにしている。そのため、コントラストを維持し自然な明るさ補正が可能な照明光成分の置き換えによる明るさ補正の利点を生かしたまま、画像全体の明るさの制御を、入力画像に対してガンマテーブルを直接的に適用する方法と略同等に行うことができる。また、主要被写体の明るさと周辺の明るさとのコントラストが比較的小さければ、主要被写体の輝度は、ガンマテーブルによる変換値に近い値に変換されるので、主要被写体の明るさを狙いに近い明るさに補正することができる。
また、本発明の第1の実施形態によれば、注目画素の輝度が照明光成分と異なる場合であっても、注目画素の輝度が主要被写体の輝度と等しければ、注目画素の輝度を補正目標値に近い値になるように補正量を調整するようにしている。そのため、コントラストを維持し自然な明るさ補正が行える照明光成分の置き換えによる明るさ補正の利点を生かしたまま、主要被写体の明るさと周辺の明るさとのコントラストが比較的大きい場合も、主要被写体を狙いに近い明るさに補正することができる。
さらに、本発明の第1の実施形態によれば、主要被写体に対する補正目標値に基づいたガンマテーブルに従い変換した輝度と、照明光成分を当該ガンマテーブルに従い変換した変換照明成分で該照明成分を置き換えた場合の主要被写体の輝度とから主要被写体の出力輝度を求め、主要被写体の輝度が当該出力輝度になるように補正量を調整している。そのため、従来の照明光成分の置き換えによる明るさ補正に比べ、主要被写体の出力輝度を補正目標値により近づけることができる。
さらにまた、本発明の第1の実施形態によれば、主要被写体が上述の出力輝度に補正されるように主要被写体の輝度周辺の補正量を調整し、主要被写体の輝度周辺以外の輝度範囲では当該出力輝度に依存しない補正量を算出するため、主要被写体を狙いに近い明るさに補正し、かつ、主要被写体の輝度周辺以外の輝度範囲ではコントラストを維持することができる。
また、本発明の第2の実施形態によれば、主要被写体が逆光状態か順光状態かを判定し、判定結果に応じて主要被写体の輝度周辺の補正量を調整するため、主要被写体の輝度周辺におけるコントラスト維持効果の減少を抑制することができる。
さらに、本発明の第3の実施形態によれば、主要被写体の輝度成分を補正目標値に変換する仮ガンマテーブルを設定し、上述の出力輝度に応じて仮ガンマテーブルを調整してガンマテーブルを作成することで、後段で照明光成分の置き換えによる明るさ補正が行われることを見越してガンマテーブルを調整するようにしている。これにより、主要被写体を狙いに近い明るさに補正し、かつ、主要被写体の輝度周辺におけるコントラスト維持効果の減少が抑制された明るさ補正が行える。
<他の実施形態>
上述した本発明の第1、第2および第3の実施形態による画像処理装置は、CPUなどの制御装置と、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの記憶装置と、HDD(ハードディスクドライブ)、ディスク記録媒体のためのドライブ装置などの外部記憶装置とを備え、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。これに限らず、当該画像処理装置は、ディスプレイ装置などの表示装置と、キーボードやマウスなどの入力装置とをさらに備えてもよい。
上述の各実施形態による画像処理装置で実行される画像処理プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD(Compact Disk)、フレキシブルディスク(FD)、DVD(Digital Versatile Disk)などのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
また、各実施形態による画像処理装置で実行される画像処理プログラムを、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、各実施形態による画像処理装置で実行される画像処理プログラムをインターネットなどのネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
また、各実施形態による画像処理プログラムを、ROMなどに予め組み込んで提供するように構成してもよい。
上述の各実施形態による画像処理装置で実行される画像処理プログラムは、上述した各部(輝度変換部1、顔座標取得部2、顔輝度検出部3、ガンマテーブル設定部4または10、照明光成分予測部5、照明光ガンマ変換部6、顔輝度ガンマ変換部7、補正量決定部8または11、ならびに、明るさ補正部9)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしては、CPU(プロセッサ)が上述所記憶媒体から画像処理プログラムを読み出して実行することにより上述の各部が主記憶装置上にロードされ、輝度変換部1、顔座標取得部2、顔輝度検出部3、ガンマテーブル設定部4または10、照明光成分予測部5、照明光ガンマ変換部6、顔輝度ガンマ変換部7、補正量決定部8または11、ならびに、明るさ補正部9が主記憶装置上に生成されるようになっている。
1 輝度変換部
2 顔座標取得部
3 顔輝度検出部
4,10 ガンマテーブル設定部
5 照明光成分予測部
6 照明光ガンマ変換部
7 顔輝度ガンマ変換部
8,11 補正量決定部
9 明るさ補正部
80,81,81’ 輝度比算出部
82 顔出力輝度決定部
85,101 顔位置照明光成分抽出部
86 逆光/順光判定部
104 ガンマテーブル調整部
105 仮ガンマテーブル設定部
特開2005−39408号公報 特開2005−51407号公報 特開2007−82180号公報

Claims (13)

  1. 入力画像に含まれる主要被写体に対する補正目標値に基づいたガンマテーブルを設定する設定手段と、
    前記入力画像の照明光成分を画素毎に予測する予測手段と、
    前記照明光成分に対して前記ガンマテーブルによる変換を行う変換手段と、
    前記照明光成分と、前記変換手段で該照明光成分が変換された変換照明光成分とに基づき、前記入力画像の輝度を補正するための補正量を算出する算出手段と、
    前記算出手段で算出された前記補正量を用いて前記入力画像の輝度を画素毎に補正する補正手段と
    を有する
    ことを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記主要被写体の輝度を前記ガンマテーブルに従い変換した輝度と、前記照明光成分を前記変換手段で変換した変換照明光成分で該照明光成分を置き換えた場合の前記主要被写体の輝度とを所定の比率で合成した合成輝度を算出する合成輝度算出手段をさらに有し、
    前記算出手段は、
    該主要被写体の輝度を前記合成輝度に補正することで該主要被写体の輝度を近似的に前記補正目標値に補正する補正量を算出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記算出手段は、
    前記主要被写体の輝度が前記入力画像中の注目画素の前記照明光成分よりも小さい場合に、
    前記注目画素の輝度が、該注目画素の照明光成分よりも小さければ、該主要被写体の輝度を前記合成輝度に補正する前記補正量を算出し、
    前記注目画素の輝度が該注目画素の前記照明光成分以上であれば、前記照明光成分と前記変換照明光成分との比を前記補正量として算出する
    ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記算出手段は、
    前記入力画像中の注目画素の前記照明光成分が前記主要被写体の輝度よりも小さい場合に、
    前記注目画素の輝度が該注目画素の前記照明光成分より大きければ、該主要被写体の輝度を前記合成輝度に補正する前記補正量を算出し、
    前記注目画素の輝度が該注目画素の前記照明光成分以下であれば、前記照明光成分と前記変換照明光成分との比を前記補正量として算出する
    ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の画像処理装置。
  5. 前記主要被写体が逆光状態および順光状態の何れであるかを判定する判定手段をさらに有し、
    前記算出手段は、
    前記判定手段の判定結果をさらに用いて前記補正量を算出する
    ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  6. 前記算出手段は、
    前記判定手段の判定結果が前記逆光状態を示していたら、前記照明光成分が前記主要被写体の輝度以上の場合に、前記主要被写体の輝度を前記合成輝度に補正する前記補正量を算出し、
    前記判定手段の判定結果が前記順光状態を示していたら、前記照明光成分が前記主要被写体の輝度以下の場合に、前記主要被写体の輝度を前記合成輝度に補正する前記補正量を算出し、
    前記判定手段の判定結果が前記逆光状態および前記順光状態の何れも示していなければ、前記照明光成分と前記変換照明光成分との比を前記補正量として算出する
    ことを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
  7. 前記判定手段は、
    前記入力画像中の前記主要被写体位置での前記照明光成分と該主要被写体の輝度との差分が所定以上の場合に、
    前記入力画像中の前記主要被写体位置での前記照明光成分が該主要被写体の輝度より大きければ前記逆光状態であると判定し、
    前記入力画像中の前記主要被写体位置での前記照明光成分が該主要被写体の輝度より小さければ前記逆光状態であると判定し、
    前記入力画像中の前記主要被写体位置での前記照明光成分と該主要被写体の輝度との差分が所定未満の場合に、前記逆光状態および前記順光状態の何れでもないと判定する
    ことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の画像処理装置。
  8. 前記主要被写体の輝度を前記ガンマテーブルに従い変換した輝度と、前記照明光成分を前記変換手段で変換した変換照明光成分で該照明光成分を置き換えた場合の前記主要被写体の輝度とを所定の比率で合成した合成輝度を算出する合成輝度算出手段をさらに有し、
    前記設定手段は、
    前前記主要被写体の輝度が、記補正手段で前記補正量により前記合成輝度に補正され、近似的に前記補正目標値に補正されるように、前記ガンマテーブルを設定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  9. 前記設定手段は、
    前記主要被写体の輝度を前記補正目標値に変換する仮ガンマテーブルを作成し、前記合成輝度に応じて前記仮ガンマテーブルを調整して前記ガンマテーブルを設定する
    ことを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。
  10. 前記設定手段は、
    前記主要被写体の位置における照明光成分を置き換えて該主要被写体の輝度を前記合成輝度に変換する変換主要被写体照明光成分を算出し、
    前記主要被写体の位置における照明光成分を前記変換主要被写体照明光成分に変換するガンマテーブルを設定する
    ことを特徴とする請求項8または請求項9に記載の画像処理装置。
  11. 入力画像に含まれる主要被写体に対する補正目標値に基づいたガンマテーブルを設定する設定ステップと、
    前記入力画像の照明光成分を画素毎に予測する予測ステップと、
    前記照明光成分に対して前記ガンマテーブルによる変換を行う変換ステップと、
    前記照明光成分と、前記変換手段で該照明光成分が変換された変換照明光成分とに基づき、前記入力画像の輝度を補正するための補正量を算出する算出ステップと、
    前記算出ステップで算出された前記補正量を用いて前記入力画像の輝度を画素毎に補正する補正ステップと
    を有する
    ことを特徴とする画像処理方法。
  12. 入力画像に含まれる主要被写体に対する補正目標値に基づいたガンマテーブルを設定する設定ステップと、
    前記入力画像の照明光成分を画素毎に予測する予測ステップと、
    前記照明光成分に対して前記ガンマテーブルによる変換を行う変換ステップと、
    前記照明光成分と、前記変換手段で該照明光成分が変換された変換照明光成分とに基づき、前記入力画像の輝度を補正するための補正量を算出する算出ステップと、
    前記算出ステップで算出された前記補正量を用いて前記入力画像の輝度を画素毎に補正する補正ステップと
    をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  13. 請求項12に記載のプログラムを記憶したコンピュータで読み取り可能な記憶媒体。
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