JP2010283626A - 非可逆回路素子 - Google Patents

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靖平 田中
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Abstract

【課題】4端子接合サーキュレータの各端子間の反射損とアイソレーションの中心周波数を極力一致させ、目的の周波数でアイソレーションの悪化を少なくした非可逆回路素子を提供する。
【解決手段】4方向に延びる導波管31〜34を中央の接合部材35に結合し、この接合部材の底板37a側の内壁面37のほぼ中央にフェライトディスク36と、天板37b側の内壁面から伸び出してフェライトディスク36と圧接状態にした金属ポスト38とを配置し、接合部材の外壁面にフェライトディスク36に磁界を付与する磁石40を配置した導波管型非可逆回路素子において、フェライトディスク36と接合部材35の内壁面37間に誘電体42を介在させたことを特徴とする4端子サーキュレータ用非可逆回路素子である。

【選択図】図1

Description

この発明は、マイクロ波回路やレーダ装置などに用いる非可逆回路素子、特に、4方向に導波管を有する接合体から成る4端子サーキュレータやアイソレータに好適の非可逆回路素子に関する。
マイクロ波回路ではインピーダンス整合や雑音指数の改善、あるいは発振や増幅の安定化のために、入力から出力側方向の伝送量と出力から入力側方向の伝送量が異なる非可逆回路素子、たとえば、サーキュレータやアイソレータが使用される。非可逆回路素子のアイソレータはサーキュレータの1つの端子を無反射終端としたものである。一方、気象レーダや航空レーダ装置では、送信・受信アンテナを単一アンテナで共用するためにサーキュレータが、また、マグネトロンや半導体による発振器を反射波から保護しスプリアス発振を防止するためにアイソレータが用いられる。例えば、図11に示すように、基本的なレーダ装置は、発振器1で生成した信号電波2を、3端子サーキュレータ3を経由して、伝送方向に沿ってアンテナ4から空中に発射する。発射された電波の一部は、反射物体5で反射され、反射波6として再び同じアンテナ4で受信され、サーキュレータ3の伝送方向に導かれて、リミッタ7を通過して受信器8に入る。リミッタ7はサーキュレータ3からの漏れ電力や近接レーダ装置からの強力入力電波に対して反射機能を有し、受信器8を破壊から保護している。3端子サーキュレータはこのようしてレーダ装置に用いられて本来の機能を達成する。
ところで、近年、携帯電話や災害無線、情報無線通信など電波需要の爆発的拡大に伴い、電波の有効利用や質が問われるようになっている。具体的に、スプリアス(寄生発振)の無い綺麗な電波が求められ、規制が強化されてきている。発振器1は、出力側負荷のVSWRや位相、あるいはリミッタ7からの反射波9によってその出力周波数や出力電力、更には目的以外の周波数のスプリアス発振を生じる。特に、マグネトロンは所謂π−1モードと呼ばれる目的発振周波数とは異なる特定周波数の発振や、2倍波、3倍波などの所謂高調波を有する。国際条約は、これらのスプリアス電力レベルを目的の発振周波数に対して百万分の1ないし1億分の1以下に規制しようとしている。このためにレーダ装置には種々の対策が講じられる。図12はその一例を示し、実質3端子サーキュレータを2個従属接続して1端子を終端構造とした4端子のサーキュレータである。図12に示すように、発振器1とサーキュレータ3の間にアイソレータ10を挿入して、サーキュレータ3、アンテナ4およびリミッタ7からの反射波9をアイソレータ10(終端器11付き)で吸収し、発振器1のスプリアス発振を軽減・抑圧している。また、サーキュレータ3とアンテナ4の間には所望する周波数のみを通過させてスプリアス電波を通さないフィルタを挿入することもある。しかし、サーキュレータとアイソレータを個別に組み合わせる方式は構造的にサーキュレータのみの場合に比べて2倍以上のスペースと重量を必要として小型化に反する。さらに、発振器1からの電波はアイソレータ10とサーキュレータ3を通過するため、サーキュレータ単独の場合に比べて損失が2倍になり、電力効率が悪化する。
従来の4開口導波管構造の4端子サーキュレータは、非特許文献1に示されている。すなわち、この非特許文献1のFig.1に図示されるように、4方向に延びた4個の開口を有する導波管が1箇所に接合された略中央の内面空間に、フェライト(FERRITE DISC)と金属ポスト(METAL POST)が配置されている。通常、このフェライトと金属ポストには磁界を付与する磁石がその外壁面に配置される。このような構造では、一つの導波管から入射した電波が次の第2導波管へ出力され、さらにこの第2導波管から入射した電波が次の第3導波管へ出力される。このようにして、磁界の方向に従っての順次循環方向に電波は進むことが分かっている。なお、磁石の極性を逆にすると循環方向は反対になる。このような4端子サーキュレータを使用したレーダ装置は、ブロック図として図13に示される。この場合、一つの導波管を終端器11とし、第1導波管に発振器1、第2導波管にアンテナ4、さらに第3導波管にリミッタ7と受信器8をそれぞれ接続した構造である。このようにすればアンテナ4による反射波や近接レーダ装置からの飛び込み電波、リミッタからの反射波を終端器11で吸収することができ、図12に示す3端子サーキュレータとアイソレータを使用したレーダ装置と同様に発振器に電波が戻ることがない。
この動作原理を説明するために、フェライトと金属ポストの各部分の電界モードが、フェライトと金属ポストの電界の合成図として、非特許文献1のFig.2に示される。図14はFig.2の再現図で電界の合成図を示している。図14(a)は磁石のない場合、図14(b)は磁石のある場合であり、フェライト36内の誘電体共振HE11モードと、金属ポスト38の同軸TM11モードである。2つのモードは合成されるが、磁石が無い場合は、第1導波管31からの入力は第3導波管33のみ電界が逆相のため結合しないが、第2導波管32と第4導波管34へは電界が同相のために伝わる。磁石のある場合は磁界印加によってフェライト36内のHE11モードを45度回転させることにより隣接の第2導波管32のみ電界が結合し、他の導波管とは電界が逆相になり結合しないために上記の循環伝播を呈することが分かる。しかし、この非特許文献1の4端子接合サーキュレータは、各端子間の反射損とアイソレーションの中心周波数の不一致という欠点が伴う(Figs.3〜5に示される特性図参照)。図15はFig.5の再現図で、端子の反射損特性の外部調整、金属ポスト長の調整および印加磁界最適調整後のSパラメータ特性図を示している。
非特許文献2は、他の4端子サーキュレータの構造を示している。この場合に、フェライトは上下に分割されて接合部材の内部空間内壁面に配置されている。また、フェライトの向き合う面には複数の誘電体が配置されている。この場合の特性図においても、非特許文献2のFig.4に図示されるように、やはり各端子間のリターンロス(以下反射損と言う)とアイソレーションの中心周波数は一致していない。図16はFig.4の再現図であり、(a)は誘電体と同じ直径のフェライトがYIG(2)の特性、(b)は同じくフェライトがYGdIGの特性、(c)はD5のフェライトで誘電体寸法を変えて帯域幅を改善した特性図、および(d)はフェライト(R4)の中心に金属ピンを挿入した典型例の特性図である。この様な反射損とアイソレーションの周波数の不一致は帯域幅を狭め、温度特性変化によってさらに狭帯域となる。アイソレーションの低下は送信電波の受信器への漏れ電力を大きくし、また、発振器への反射波の戻り込みを増やしてスプリアス発振などレーダ装置としての機能を低下させる。それゆえに、フェライトを用いた非可逆回路素子において、入出力端子間の周波数特性を極力揃える手段を備えた非可逆回路素子の提供が望まれていた。
Waveguide and Stripline 4-Port Single-Junction Circulators (Short Papers) Helszajn, J. Microwave Theory and Techniques, IEEE Transactions on Volume 21, Issue 10, Oct 1973 Page(s): 630 - 633 Experimental 4-Port E-Plane Junction Circulators (Correspondence) Longley, S.R. Microwave Theory and Techniques, IEEE Transactions on Volume 15, Issue 6, Jun 1967 Page(s): 378 - 380
したがって、本発明の目的は、上述する欠点を解消するもので、4端子接合サーキュレータにおいて、各端子間の反射損とアイソレーションの中心周波数を極力一致させ、目的の周波数でアイソレーションの悪化を少なくした非可逆回路素子を提供することである。すなわち、帯域幅を中心周波数の一致化により広めて温度特性変化に伴う狭帯域化を抑止すると同時に、アイソレーションの低下を阻止して送信電波の受信器への漏れ電力を小さくし、発振器への反射波の戻り込みを減らしてスプリアス発振を防止する周波数特性一致化手段を備えた非可逆回路素子を提供する。
本発明によれば、複数方向に延びる導波管を中央の接合部材に結合し、この接合部材の一方の底板側の内壁面のほぼ中央にフェライト部材と、他方の天板側の内壁面から伸び出して前記フェライト部材と圧接状態にした金属ポスト部材とを配置し、前記接合部材の一方または他方の外壁面に前記フェライト部材に磁界を付与する磁石部材を配置した導波管型非可逆回路素子において、前記フェライト部材と前記接合部材の内壁面間に誘電体部材を介在させたことを特徴とする非可逆回路素子が提供される。ここで、金属ポスト部材を接合部材の内壁面に形成した空洞に延伸させて短絡終端にし、さらに、金属ポスト短絡終端に雄ねじを設け、この雄ねじが嵌合する雌ねじを空洞に形成して金属ポストの短絡長を雄ねじにより調整自在にする非可逆回路素子を開示する。
本発明による別の観点において、4方向導波管の接合部材と、この接合部材の外壁面側に配置した磁石部材と、この接合部材の形成する内部空間ほぼ中央部に、天板内壁面側に配置した金属ポストおよび底板内壁面側に配置したフェライトディスクの主要部材と、フェライトディスクと底板内壁面との間に挿入配置した誘電体部材とを具備する4端子サーキュレータ用非可逆回路素子が開示され、入出力端子間の周波数特性を極力揃えた非可逆回路素子が提供される。ここで、誘電体部材はフェライトディスクとの関係により、所望する周波数特性を得るために、材質および物理的ディメンションの選択による調整をした4端子サーキュレータを開示する。好ましくは、金属ポストは接合部材の天板内壁面側に形成した空洞に延びる短絡終端を有し、伸縮自在のねじ手段により短絡長を調整することを可能とする。
本発明によれば、導波管接合部材に配置するフェライトディスクは接合部材の内壁面との間に誘電体が介在され、各端子の反射損とアイソレーションの周波数特性を揃えた非可逆回路素子が提供される。例えば、レーダ装置のサーキュレータとして用いることで、送信と受信間のアイソレーション特性が改善され、小型・軽量で電力効率化の向上を図れる利点がある。特に、構成部品を収容するケースの小型化による資源の有効活用に結び付き、コスト面の利点ともなる。また、従来の2個の3端子サーキュレータで電波を送受信する場合に比べ、4端子サーキュレータは1回の通過で送受信が行なわれるので電力効率が良好となり、受信器の雑音指数が小さくなる。一方、従来の4端子サーキュレータと比べると、アイソレーションの動作周波数帯域が拡大され、発振器の安定動作に貢献してスプリアス発振の少ないレーダ装置を提供可能にする。換言すると、フェライトを用いた非可逆回路素子において、入出力端子間の周波数特性を極力揃える手段を備えた非可逆回路素子を提供することで、発振器に電波が戻ることなく安定でスプリアスの少ない、また小型で損失の少ないレーダが構成できる。
本発明に係る非可逆回路素子の実施例である4端子サーキュレータを示し、図1(a)には導波管と接合部材の一部を破断した斜視図、図1(b)には同じく導波管と接合部材の側断面図である。 図1の実施例における4端子サーキュレータに関し、図2(a)はアイソレーション、図2(b)は反射損の挿入損失周波数特性図を示している。 図1の実施例の変形例として、フェライトディスクの寸法より小さい寸法のテフロン(登録商標)誘電体を介在した4端子サーキュレータに関し、図3(a)がアイソレーション、図3(b)が反射損の挿入損失の周波数特性図を示している。 図3の別の変形例として、誘電体の直径寸法を変えた場合の直径とアイソレーション中心周波数の関係を示す特性図である。 中心周波数9.4GHzを極力揃えるように誘電体の大きさを選択した場合、図5(a)はアイソレーション、図5(b)は反射損に関する周波数特性図である。 本発明の効果を検証するための比較例であり、導波管接合部材の内壁面とフェライトディスクの間に金属を介在した4端子サーキュレータに関し、図6(a)がアイソレーション、図6(b)が反射損の挿入損失周波数特性図である。 本発明の第2の実施例である4端子サーキュレータを示し、図7(a)には導波管と接合部材の一部を破断した斜視図、図7(b)には同じく導波管と接合部材の側断面図である。 図7に示す4端子サーキュレータにおいて、金属ポストの同軸深さ(D)とアイソレーションの周波数(GHz)の関連特性図である。 図7の実施例の4端子サーキュレータに関し、図(a)がアイソレーション、図9(b)が反射損(b)の周波数特性図である。 本発明の第3の実施例である4端子サーキュレータを示し、図10(a)には導波管と接合部材の一部を破断した斜視図、図10(b)には同じく導波管と接合部材の側断面図である。 従来の3端子サーキュレータを用いたレーダ装置のブロック図である。 従来の3端子サーキュレータを2個用いたレーダ装置のブロック図である。 従来の4端子サーキュレータを用いたレーダ装置のブロック図である。 図13図の4端子サーキュレータの原理を説明する電界合成図である。 従来の4端子サーキュレータのアイソレーションおよび反射損の周波数特性を示す非特許文献1のFig.5の再現図である。 非特許文献2のFig.4の再現図であり、従来の4端子サーキュレータのアイソレーション、VSWR及び通過損失の周波数特性図である。
本発明の目的を達成するために、1箇所に接合した4本の導波管と、これらの導波管の接合部と、その一方内面に配置したフェライトディスクと、このフェライトディスクと導波管接合部の他方の内面から突出する金属ポストと、フェライトディスクに磁界を与える磁石とを具備した導波管型の非可逆回路素子において、フェライトディスクと導波管内面との間に誘電体を介在したことを特徴とする非可逆回路素子が提供される。換言すると、誘電体の配置が対向する2つのフェライトの対向面とする非特許文献2の構造とは異なる状態で配置した。このような配置構造において、誘電体の比誘電率や寸法(幅方向、厚さ等)を変えることでアイソレーション周波数特性の中心を移動させ、反射損特性の周波数特性を揃えるなどの所望する性能や特性を得ることができる。また、従来の3端子サーキュレータ2個方式に比べて小型・軽量化が図れる利点があり、加えて、2個のサーキュレータを接続する手間が省け、お互いの電界・磁界の干渉による性能悪化を考慮しなくてよい。
以下、本発明の実施の形態について、非可逆回路素子の第1の実施例である4端子サーキュレータについて、図1を参照して説明する。図1(a)において、4端子サーキュレータ30は4方向に延びた4個の開口を有する第1乃至4の導波管31,32,33,34が中央の接合部材35で互いに結合される。この接合部材35の略中央の内面空間には、フェライトディスク36が一方の壁面である底板37aにディスク状誘電体42を介して配置される。また、金属ポスト38が他方の壁面である天板37bとフェライトディスク36との間に圧接配置されている。フェライトディスク36と金属ポスト38には磁界を付与するため、磁石40が接合部材35の外壁面の両方配置されている。なお、磁石40はフェライトディスク36に磁界を生成するためであり、一方の外壁面に配置するだけでもよい。このようにして、第1の導波管31から入射した電波が第2の導波管32へ出力され、第2の導波管32から入射した電波は第3の導波管33へ出力される。同様にして、電波は順次31→32−32→33−33→34−34→31の循環方向に進むことになる。ここで、図1(a)はフェライトディスク36、金属ポスト38および誘電体42の配置状態が分かるように、一部切り欠いて図示した。また、図1(b)は第4の導波管34側から見た側断面を示している。
図1の構成の4端子サーキュレータ30を使用したレーダ装置の特性において、各端子間のアイソレーション、反射損特性は使用する誘電体42の材質や寸法などによる比誘電率、厚さ、大きさ、およびフェライトディスク36と天板側内壁面との間に圧接配置した金属ポスト38の大きさや挿入長によって異なってくる。レーダ装置は図12のブロック図に示す構造と同様であるが、各端子の反射損は調整により一致させることができ、各端子間のアイソレーションはその中心周波数を合致させてサーキュレータ全体としての動作周波数帯域が改善されている。
図2は図1の実施例の4端子サーキュレータ30において、ふっ素樹脂系のテフロン(登録商標)の誘電体42を使用した場合のアイソレーションと反射損の各周波数特性を示す。まず、図2(a)のアイソレーション周波数特性はそれぞれの端子間のアイソレーションであり、実線は端子31−32間、細い点線は端子31−33間、太い点線は端子32−33間、および中心線は端子33−31間の周波数特性である。同様に図2(b)は各端子における反射損の周波数特性であり、実線は端子31、太い点線は端子32、および細い点線は端子33の周波数特性である。誘電体42にふっ素樹脂のテフロン(登録商標)を使用した場合の各端子間におけるアイソレーション周波数特性を示している。ここでディスク状誘電体42の形状や直径・厚さ等の大きさ、および材質・誘電率を変えることでそれぞれに好ましい周波数特性が得られることが判明した。したがって図2(b)に示すように、各端子での反射損を所望する周波数に揃えることができる。
誘電体42の大きさをフェライトディスク36の直径より小さくした場合、アイソレーションおよび反射損の各周波数特性を図3に示す。図3(a)のアイソレーションおよび図3(b)の反射損に示すように特性上の変化が認められる。具体的に、ディスク状誘電体42の直径を変えることでアイソレーションの中心周波数が変わり、直径が小さくなるアイソレーションの中心周波数は高くなっていく。図4は誘電体の直径を変えた場合にアイソレーション中心周波数が変化する状況を示すグラフである。このようにして、種々の誘電体42の大きさを変えてアイソレーションや反射損の周波数特性を求めることができる。したがって、この様なグラフを見ることで各特性の中心周波数をある範囲内に纏めることができる。
図5(a)および図5(b)はアイソレーションの中心周波数を9.4GHzに極力一致させるようにして選定した大きさで誘電体42を用いた場合のアイソレーションと反射損の周波数特性である。このように、誘電体42をフェライトディスク36と導波管接合部材35の内壁面37aの間に挿入し、その大きさを適切に選ぶ事によりアイソレーション特性の中心周波数を揃えることができる。当然ながら、反射損の周波数特性の中心周波数とも一致させ得る。なお、本発明の誘電体の配置構造は、レーダ装置で多く利用される上述の9.4GHz以外の5.05GHzや3.05GHzのレーダ利用周波数でも同様な効果が期待される。
図6は図1の構造における誘電体42に代えて金属片を配置した場合に得られたアイソレーションと反射損のそれぞれの周波数特性である。図6(b)に示すように、反射損特性は各導波管入口において金属ネジなどで調整して中心周波数を揃える事ができるが、図6(a)に示すように、各端子間のアイソレーションは周波数調整が困難で大きく不揃いである。この場合の金属片と厚さと直径は実施例1に示す場合と同一であるが、これは介在物として金属を使用した場合と比較することで本発明の効果をより明白に検証するための比較例である。
上述の実施例は金属ポスト38の長さを一定とした場合であったが、第2の実施例は、図7(a)および図7(b)に示すように、導波管接合部材37の天板77bに空洞39を設け、空洞内に金属ポスト38の先端部を延伸して短絡終端とした。すなわち、4端子サーキュレータにおいて、金属ポスト38の長さを調整できる構成とした。この場合、空洞39の種々の深さDに対するアイソレーションと反射損の周波数特性を測定し、同軸部の深さDとアイソレーションの中心周波数との関係を図8に示した。このような考察によれば、誘電体42の大きさを調整することと相まって、空洞39での同軸部深さD、すなわち、金属ポスト38の長さLの調整で、アイソレーションの中心周波数を合わせることが可能であることが判明した。図9(a)および図9(b)はアイソレーションと反射損の中心周波数を極力合わせた場合に得られたそれぞれの周波数特性を示している。
このように、従来のフェライトと金属ポストからなる4端子サーキュレータでは反射損は各端子の入口で中心周波数を調整できることが判明した。しかし、アイソレーションの中心周波数の不一致を合わせる術を持たなかった。フェライトディスクと導波管接合部材の間に誘電体を配置した場合に、フェライトの大きさを調整することや、金属ポストの長さを変えることでアイソレーションの中心周波数を揃えることができ、さらに反射損の中心周波数とも合わせることを可能にする。本発明は誘電体の材質、厚さおよび比誘電率には深く言及していないが、厚さや比誘電率を変化させてアイソレーションの周波数特性を調整できることは言うまでもない。
図10(a)および図10(b)は本発明の第3の実施例である4端子サーキュレータを示す。この実施例では、金属ポスト38の先端部44を雄ねじ付きとし、このねじ部を空洞39に設けた雌ねじ付きナット46に嵌合させた。したがって、この雌ねじ付きナット46に金属ポスト38の雄ねじ付き先端部44を嵌め合せて短絡終端の位置が変えられる。そして、金属ポスト同軸部の長さを連続的に変化させることが可能となり、アイソレーションの周波数特性を自由に調整することができる。このようにして得られる周波数特性は、図9(a)および図9(b)と同様であることが実験的にも確認された。なお、明細書の記載において、異なる実施例を含めて、図に描かれている主要構成部分の機能が同じである場合には同一の符号を用いている。
30…4端子サーキュレータレータ(非可逆回路素子)、
31,32,33,34…第1〜4の導波管、 35…接合部材、
36…フェライトディスク、 37…内壁面、 37a…底板、
37b…天板、 38…金属ポスト、 39…空洞、 40…磁石、
42…誘電体、 44・・・雌ねじ付き先端部、 46・・・雌ねじ付きナット
1・・・発振器、 2・・・電波、 3・・・3端子サーキュレータ、 4・・・アンテナ、
5・・・反射物体、 6・・・反射物体からの反射波、 7・・・リミッタ、
8・・・受信器、 9・・・リミッタからの反射波、 10・・・アイソレータ、
11・・・終端器。

Claims (6)

  1. 複数方向に延びる導波管の接合部材と、この接合部材の外壁面側に配置した磁石部材と、前記接合部材の形成する内部空間ほぼ中央部に、天板内壁面側に配置した金属ポスト部材および底板内壁面側に配置したフェライト部材の主要部材と、前記フェライト部材と前記底板内壁面との間に挿入配置した誘電体部材とを具備する非可逆回路素子。
  2. 前記金属ポスト部材を前記接合部材の内壁面に形成した空洞に延伸させて短絡終端にしたことを特徴とする請求項1に記載の非可逆回路素子。
  3. 前記金属ポストの短絡終端に雄ねじを設け、この雄ねじが嵌合する雌ねじを前記空洞に形成し、前記金属ポストの短絡長を前記雄ねじにより調整自在にしたことを特徴とする請求項2に記載の非可逆回路素子。
  4. 4方向導波管の接合部材と、この接合部材の外壁面側に配置した磁石部材と、前記接合部材の形成する内部空間中央部に、天板側に配置した金属ポストおよび底板側に配置したフェライトディスクの主要部材と、前記フェライトディスクと前記底板内壁面との間に挿入配置した誘電体部材とを具備する4端子サーキュレータ用非可逆回路素子。
  5. 前記金属ポストは前記接合部材の天板内壁面側に形成した空洞に延びる短絡終端を有し、伸縮手段により短絡長を調整することを特徴とする請求項4に記載の4端子サーキュレータ用非可逆回路素子。
  6. 前記誘電体部材がディスク体からなり、所望する周波数特性をディスク体の材質および物理的ディメンションにより調整することを特徴とする請求項4に記載の4端子サーキュレータ用非可逆回路素子。
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CN108767390A (zh) * 2018-07-09 2018-11-06 西北核技术研究所 一种紧凑四端口波导结型环行器
CN108767390B (zh) * 2018-07-09 2020-10-09 西北核技术研究所 一种紧凑四端口波导结型环行器

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