JP2010283526A - 表面実装用の水晶振動子 - Google Patents
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Abstract
【課題】レーザー照射によって付加金属膜から蒸散する金属が効率よく振動腕に蒸着し、特に励振電極の電気的短絡を抑止する音叉型振動子の提供。
【解決手段】凹部を有する容器本体と、容器本体の凹部に配設され、音叉基部5から伸びた複数の振動腕6を有する音叉状水晶片3と、容器本体の開口端面に接合して音叉状水晶片3を密閉封入し、透光性を有する蓋体4とを備え、蓋体4の音叉状水晶片3と対向する一主面及び又は容器本体の内底面における振動腕6に対向する領域に付加金属膜11が形成された表面実装型の水晶振動子において、付加金属膜11は蓋体4の一主面及び又は容器本体の内底面に設けられた金属膜用凹部(金属膜用枠部16の内周部)内に形成された構成とする。
【選択図】図1
【解決手段】凹部を有する容器本体と、容器本体の凹部に配設され、音叉基部5から伸びた複数の振動腕6を有する音叉状水晶片3と、容器本体の開口端面に接合して音叉状水晶片3を密閉封入し、透光性を有する蓋体4とを備え、蓋体4の音叉状水晶片3と対向する一主面及び又は容器本体の内底面における振動腕6に対向する領域に付加金属膜11が形成された表面実装型の水晶振動子において、付加金属膜11は蓋体4の一主面及び又は容器本体の内底面に設けられた金属膜用凹部(金属膜用枠部16の内周部)内に形成された構成とする。
【選択図】図1
Description
本発明は表面実装用の音叉型振動子を産業上の技術分野とし、特に音叉状水晶片を容器本体に密閉封入した後に周波数調整が可能な音叉型振動子に関する。
(発明の背景)
音叉型振動子は腕時計を初めとして各種の電子機器に時計機能源(特に32.768KHz)として内蔵される。近年では、電子機器の小型化・軽量化の要求に伴い、音叉型振動子においても表面実装型が普及する。このようなものの一つに、例えばカバーをガラスの透明体として外部からのレーザー照射によって振動周波数を調整したものがある。
音叉型振動子は腕時計を初めとして各種の電子機器に時計機能源(特に32.768KHz)として内蔵される。近年では、電子機器の小型化・軽量化の要求に伴い、音叉型振動子においても表面実装型が普及する。このようなものの一つに、例えばカバーをガラスの透明体として外部からのレーザー照射によって振動周波数を調整したものがある。
(従来技術の一例、特許文献1参照)
第10図は一従来例を説明する音叉型振動子の図で、同図(a)は断面図、同図(b)は蓋体を取り除いた平面図、同図(c)は音叉状水晶片の斜視図である。
第10図は一従来例を説明する音叉型振動子の図で、同図(a)は断面図、同図(b)は蓋体を取り除いた平面図、同図(c)は音叉状水晶片の斜視図である。
音叉型振動子1は、凹部を有する容器本体2に音叉状水晶片3を収容し、容器本体2の開口端面に蓋体4を接合してなる。容器本体2は凹部を形成する底壁2aと枠壁2bとの積層体からなる。通常では、底壁2a及び枠壁2b用のセラミックグリーンシートを積層し、これらを焼成後に分割される。
音叉状水晶片3は、例えば低端側ほど幅広となる、両側面に段差を有する音叉基部5から2本の振動腕6が伸びて平面外形を音叉状とする。各振動腕6の両主面及び両側面の各4面には、励振電極7が設けられて音叉基部に引出端子を延出する。また、振動腕6の延出端部となる先端部(頭部)には振動周波数を高い方に調整する周波数調整用の切削金属膜8が形成される。励振電極7及び切削金属膜8は、いずれもスパッタや蒸着によってクロム膜上に金膜を積層したものである。
また、音叉状水晶片3は、引出端子の延出した音叉基部5の2箇所が導電性接着剤9によって容器本体2の内底面に形成された水晶端子10に電気的・機械的に接続される。これにより、水晶端子10は励振電極7に電気的に接続する。容器本体2の内底面には振動周波数を低い方に調整する周波数調整用の付加金属膜11が形成される。水晶端子10及び付加金属膜11は、タングステンのメタライズ層にニッケル膜と金膜とを順次に電解メッキ又は無電解メッキして積層したものである。
蓋体4は透明体のガラス製とする。そして、容器本体2の開口端面に塗布したロウ材12例えば低融点ガラスを用いて容器本体2に接合する(所謂ガラス封止)。容器本体2の外底面には図示しない実装端子が形成される。この実装端子は、図示しない導電路によって水晶端子10と電気的に接続する。
このようなものでは、音叉状水晶片3を容器本体2に収容して蓋体4で密閉封入した後に、切削金属膜8及び付加金属膜11にレーザーを照射して目的とした振動周波数(32.768KHz)に調整する。なお、一般には、水晶片の振動領域の質量を減少させると周波数が上がり、増加させると周波数が下がることが知られており、ここでは、切削金属膜8及び付加金属膜11によって振動腕6の質量を変動させ、音叉型振動子1の振動周波数を調整する。
具体的には、密閉封入後の振動周波数が目的周波数よりも低く、振動周波数を高くする場合には、第10図にL1として示された位置・方向でレーザーを切削金属膜8に照射する。これにより、切削金属膜8が加熱されて金属が蒸散し、振動腕6の質量が減少して、振動周波数が上がる。
これとは逆に、振動周波数が目的周波数よりも高く、振動周波数を下げる場合には、第10図にL2として示された位置・方向でレーザーを付加金属膜11に照射する。これにより、付加金属膜11が加熱されて金属が蒸散し、振動腕に金属が蒸着する。したがって、振動腕6の質量が増加して、周波数が下がる。このような方法によって、音叉型振動子1を目的の振動周波数に調整することができる。
(従来技術の問題点)
しかしながら、上記構成の音叉型振動子1では、電気的短絡を引き起こす等の問題があった。すなわち、付加金属膜11にレーザーを照射したとき、付加金属膜11の金属の一部は励振電極7の方向に蒸散する。ここで、振動腕6の4面には励振電極7が形成されている。したがって、蒸散した金属が隣接する励振電極7間に蒸着して電気的短絡が生じる問題があった。また、付加金属膜11の金属の一部は枠壁2bの方向に蒸散して振動腕6に蒸着せず、効率的な周波数調整が妨げられる。
しかしながら、上記構成の音叉型振動子1では、電気的短絡を引き起こす等の問題があった。すなわち、付加金属膜11にレーザーを照射したとき、付加金属膜11の金属の一部は励振電極7の方向に蒸散する。ここで、振動腕6の4面には励振電極7が形成されている。したがって、蒸散した金属が隣接する励振電極7間に蒸着して電気的短絡が生じる問題があった。また、付加金属膜11の金属の一部は枠壁2bの方向に蒸散して振動腕6に蒸着せず、効率的な周波数調整が妨げられる。
(発明の目的)
本発明は、レーザーの照射によって付加金属膜から蒸散する金属が効率よく振動腕に蒸着し、特に励振電極の電気的短絡を抑止する音叉型振動子の提供を目的とする。
本発明は、レーザーの照射によって付加金属膜から蒸散する金属が効率よく振動腕に蒸着し、特に励振電極の電気的短絡を抑止する音叉型振動子の提供を目的とする。
本発明は、特許請求の範囲(請求項1)に示したように、凹部を有する容器本体と、前記容器本体の前記凹部に配設され、音叉基部から伸びた複数の振動腕を有する音叉状水晶片と、前記容器本体の開口端面に接合して前記音叉状水晶片を密閉封入し、透光性を有する蓋体とを備え、前記蓋体の前記音叉状水晶片と対向する一主面及び又は前記容器本体の内底面における前記振動腕に対向する領域に付加金属膜が形成された音叉型振動子において、前記付加金属膜は前記蓋体の一主面及び又は前記容器本体の内底面に設けられた金属膜用凹部内に形成された構成とする。
このような構成であれば、周波数調整のために付加金属膜にレーザーが照射されても、金属膜用凹部の内側面が障壁となり、金属が励振電極の方向へ蒸散することを抑止できる。したがって、励振電極の電気的短絡を抑止して、水晶振動子の生産性を向上できる。また、金属が枠壁の方向へ蒸散することもないため、効率よく振動腕に蒸着させることができる。
(実施態様項)
本発明の請求項2では、請求項1において、前記容器本体は、底壁と、前記音叉状水晶片の前記音叉基部における連結部と接続して前記音叉状水晶片の周囲を囲み前記底壁に積層固定される枠壁とからなり、前記底壁及び前記枠壁及び前記蓋体は水晶からなる構成とする。
本発明の請求項2では、請求項1において、前記容器本体は、底壁と、前記音叉状水晶片の前記音叉基部における連結部と接続して前記音叉状水晶片の周囲を囲み前記底壁に積層固定される枠壁とからなり、前記底壁及び前記枠壁及び前記蓋体は水晶からなる構成とする。
これにより、水晶は透光性を有するため、音叉型振動子の蓋体及び底壁の2方向からレーザーを照射することができる。よって、予め水晶振動子の蓋体側及び底壁側にレーザー照射装置を配置し、例えば、蓋体側から照射するレーザーは切削金属膜に照射させて周波数を上げて、底壁側から照射するレーザーは付加金属膜に照射させて周波数を下げる、という周波数調整を行うことができる。したがって、効率的な周波数調整が可能となる。
本発明の請求項3は、請求項1において、前記容器本体はセラミックからなる構成とする。また、本発明の請求項4では、請求項1〜3において、前記付加金属膜は金、銀、ニッケル又はクロムである構成とする。これにより、音叉型振動子の構成を明確にする。
(第1実施形態、請求項1、2、4に相当)
第1図、第2図は第1実施形態を説明する音叉型振動子の図で、第1図は組立分解図、第2図は断面図である。なお、従来例と同一部分には同番号を付与してその説明は簡略又は省略する。
第1図、第2図は第1実施形態を説明する音叉型振動子の図で、第1図は組立分解図、第2図は断面図である。なお、従来例と同一部分には同番号を付与してその説明は簡略又は省略する。
本実施形態の音叉型振動子1は、底壁2aに枠壁2bを積層固定した容器本体2の開口端面に蓋体4を接合してなる。枠壁2bは、音叉状水晶片3の音叉基部5における連結部13と接合して音叉状水晶片3を囲む。したがって、音叉状水晶片3は容器本体2に収容された構成となる。また、底壁2a、枠壁2b及び蓋体4は水晶からなる。そして、底壁2a及び蓋体4には音叉状水晶片3の振動領域となる振動領域用凹部15が形成される。
音叉状水晶片3は、例えば低端側ほど幅広となる、両側面に段差を有する音叉基部5から2本の振動腕6が伸びて平面外形を音叉状とする。各振動腕6の両主面及び両側面の各4面には、励振電極7が設けられて音叉基部に引出電極を延出する。また、振動腕6の蓋体4と対向する面であって延出端部となる先端部(頭部)には切削金属膜8が形成される。励振電極7及び切削金属膜8は、いずれもスパッタや蒸着によってクロム膜上に金膜を積層したものである。励振電極7と切削金属膜8とは電気的に接続しておらず、一定の間隙を有する。そして、前記間隙領域の振動腕6における裏面部分に、クロム又はニッケルの補助金属膜14を設ける。なお、補助金属膜14は、励振電極7及び切削金属膜8と電気的に接続しない。
底壁2aには、振動腕6の補助金属膜14に対向した領域を囲んで壁状に隆起した金属膜用枠部16が設けられる。金属膜用枠部16は、振動領域用凹部15の内底面に形成される。金属膜用枠部16の内周部が構成する凹部(金属膜用凹部)の底面には付加金属膜11が形成される。音叉状水晶片3の励振電極7は、図示しない導電路を経由して、容器本体2の外底面に形成する図示しない実装端子に電気的に接続する。
このようなものでは、周知のフォトエッチング加工によって、水晶ウェハから底壁2a、枠壁2b、蓋体4、音叉状水晶片3を形成する。ここで、枠壁2bと音叉状水晶片3は一体として形成する。また、底壁2a及び蓋体4における振動領域用凹部15、及び金属膜用枠部16は、フォトエッチング加工を用いたハーフエッチングにより形成する。
振動腕6に形成する励振電極7及び切削金属膜8や底壁2aに形成する付加金属膜11はクロム膜上に金膜を積層したものであり、スパッタ又は蒸着によって形成する。補助金属膜14はクロム又はニッケルのスパッタ又は蒸着によって形成する。なお、付加金属膜11には、金の代わりに銀を用いてもよい。
そして、底壁2a、枠壁2b及び蓋体4は直接接合、具体的には耐熱性に優れたシロキサン結合(Si−O−Si)によって接合する。シロキサン結合は、底壁2a、枠壁2b及び蓋体4の接合面を清浄な状態にして貼り合わせ、約500℃のアニールをすることにより形成される。
このような構成であれば、周波数調整のために付加金属膜11にレーザーが照射されても、金属膜用枠部16が障壁となり、励振電極7の方向へ蒸散することを抑止できる。したがって、励振電極7の電気的短絡を抑止して、音叉型振動子1の生産性を向上できる。また、金属が枠壁2bの方向へ蒸散することもないため、効率よく振動腕6に蒸着させることができる。
また、底壁2a及び蓋体4は共に水晶からなり透光性を有するため、音叉型振動子1の蓋体4の方向(第2図のL3)及び底壁2aの方向(第2図のL4)の2方向からレーザーを照射することができる。よって、予め音叉型振動子1の蓋体4側及び底壁2a側にレーザー照射装置を配置することで、L3方向から照射するレーザーでは周波数を上げて、L4方向から照射するレーザーでは周波数を下げる、という周波数調整を行うことができる。したがって、効率的な周波数調整が可能となる。
さらに、振動腕6における付加金属膜11に対向する領域には、クロム又はニッケルの補助金属膜14が設けられる。ここで、金は水晶に比較してクロムやニッケルに蒸着しやすく蒸着強度も高い。したがって、振動腕6に蒸着した金は振動腕6が屈曲振動しても剥がれ落ちることはない。
(第1実施例の変形例)
第3図は第1実施例の一変形例を説明する音叉型振動子の断面図である。第1実施例との相違点は、金属膜用枠部16は蓋体4に設けられたこと、錘付補助金属膜が設けられないこと、及び、付加金属膜11はニッケル又はクロムであることである。これにより、付加金属膜11はニッケル又はクロムであるため、補助金属膜が無くても、付加金属膜11から蒸散したニッケル又はクロムは十分な強度をもって音叉状水晶片3に蒸着する。
第3図は第1実施例の一変形例を説明する音叉型振動子の断面図である。第1実施例との相違点は、金属膜用枠部16は蓋体4に設けられたこと、錘付補助金属膜が設けられないこと、及び、付加金属膜11はニッケル又はクロムであることである。これにより、付加金属膜11はニッケル又はクロムであるため、補助金属膜が無くても、付加金属膜11から蒸散したニッケル又はクロムは十分な強度をもって音叉状水晶片3に蒸着する。
第4図は第1実施例の他の変形例を説明する音叉型振動子の断面図である。第1実施例との相違点は、金属膜用枠部16が蓋体4及び底壁2aに設けられたこと、切削金属膜8が振動腕6における両主面の先端部に形成されたこと、及び、補助金属膜14が振動腕6の両主面であって励振電極7と切削金属膜8との間隙に設けられたことである。これにより、第1実施形態より多くの切削金属膜8及び付加金属膜11を使用できるので周波数調整の範囲を広くできる。なお、L3−1、L3−2(第4図参照)から照射されるレーザーでは周波数を上げることができ、L4−1、L4−2(第4図参照)から照射されるレーザーでは周波数を下げることができる。
(第2実施形態、請求項1、2、4に相当)
第5図、第6図は第2実施形態を説明する音叉型振動子の図で、第5図は組立分解図、第6図は断面図である。なお、上記実施形態と同一部分には同番号を付与してその説明は簡略又は省略する。
第5図、第6図は第2実施形態を説明する音叉型振動子の図で、第5図は組立分解図、第6図は断面図である。なお、上記実施形態と同一部分には同番号を付与してその説明は簡略又は省略する。
本実施形態の音叉型振動子1は、底壁2aに枠壁2bを積層固定した容器本体2の開口端面に蓋体4を接合してなる。枠壁2bは、音叉状水晶片3の音叉基部5における連結部13と接合して音叉状水晶片3を囲む。蓋体4、枠壁2b及び音叉状水晶片3は第1実施形態と同じ構成とする。
底壁2aは、音叉状水晶片3と対向する一主面に音叉状水晶片3の振動領域用凹部15を有する。また、振動腕6における補助金属膜14に対向した領域に、周知のフォトエッチング加工によるハーフエッチングで金属膜用凹部17が形成される。そして、金属膜用凹部17の内底面に付加金属膜11が形成される。
このようなものでは、容器本体2の生産性を低下させることがない。なぜなら、第6図に示すように平面面積の小さい金属膜用凹部17を底壁2aに設けることは、フォトエッチング加工で容易かつ短時間に行うことができるからである。
また、第1実施形態の場合と同様に、金属膜用凹部17の内側面が障壁となり、金属が斜め方向へ蒸散することを抑止できる。そして、予め音叉型振動子1の蓋体4側及び底壁2a側にレーザー照射装置を配置することで、L3(第6図参照)方向から照射するレーザーでは周波数を上げて、L4(第6図参照)方向から照射するレーザーでは周波数を下げる、という周波数調整を行うことができる。したがって、効率的な周波数調整が可能となる。
(第2実施形態の変形例)
第1実施形態の変形例と同様に種々の変形例が考えられる。金属膜用凹部17を蓋体4に形成したり(第7図)、金属膜用凹部17が蓋体4及び底壁2aに設けられた構成にしたりしてもよい(第8図)。第7図及び第8図のL3、L4、L3−1、L3−2、L4−1、L4−2は、第1実施形態の変形例と同様に、レーザーの照射方向を表す。
第1実施形態の変形例と同様に種々の変形例が考えられる。金属膜用凹部17を蓋体4に形成したり(第7図)、金属膜用凹部17が蓋体4及び底壁2aに設けられた構成にしたりしてもよい(第8図)。第7図及び第8図のL3、L4、L3−1、L3−2、L4−1、L4−2は、第1実施形態の変形例と同様に、レーザーの照射方向を表す。
(第3実施形態、請求項1、2、4、5に相当)
第9図は、第3実施形態を説明する音叉型振動子の断面図である。なお、上記従来例や実施形態と同一部分には同番号を付与してその説明は簡略又は省略する。本実施形態の音叉型振動子1は、凹部を有する容器本体2に音叉状水晶片3を収容し、容器本体2の開口端面に蓋体4を接合してなる。
第9図は、第3実施形態を説明する音叉型振動子の断面図である。なお、上記従来例や実施形態と同一部分には同番号を付与してその説明は簡略又は省略する。本実施形態の音叉型振動子1は、凹部を有する容器本体2に音叉状水晶片3を収容し、容器本体2の開口端面に蓋体4を接合してなる。
容器本体2は、第1底壁2a1に第2底壁2a2が積層された底壁2aと、底壁2aに積層固定された枠壁2bとからなり、通常では、セラミックグリーンシートを積層後に焼成後に分割することで形成される。枠壁2bとなるセラミックグリーンシートには貫通孔が設けられ容器本体2の凹部となる。また、第2底壁2a2にも貫通孔が設けられ金属膜用凹部17となる。
蓋体4は透明体のガラス製とする。そして、容器本体2の開口端面に塗布したロウ材12を用いて容器本体2に接合する。金属膜用凹部17の底面には、タングステンのメタライズ層にクロム膜又はニッケル膜を電解メッキ又は無電解メッキして形成した付加金属膜11を有する。
これにより、周波数調整のために付加金属膜11にレーザーが照射されても、金属膜用凹部17の内側面が障壁となり、励振電極7の方向へ蒸散することを抑止できる。したがって、励振電極7の電気的短絡を抑止して、音叉型振動子1の生産性を向上できる。また、金属が枠壁2bの方向へ蒸散することもないため、効率よく振動腕6に蒸着させることができる。さらに、付加金属膜11はクロム又はニッケルであるため、水晶に十分な強度で蒸着する。したがって、振動腕6に蒸着した金は振動腕6が屈曲振動しても剥がれ落ちることはない。
1 音叉型振動子、2 容器本体、2a 底壁、2b 枠壁、3 音叉状水晶片、4 蓋体、5 音叉基部、6 振動腕、7 励振電極、8 切削金属膜、9 導電性接着剤、10 水晶端子、11 付加金属膜、12 ロウ材、13 連結部、14 補助金属膜、15 振動領域用凹部、16 金属膜用枠部、17 金属膜用凹部。
Claims (4)
- 凹部を有する容器本体と、
前記容器本体の前記凹部に配設され、音叉基部から伸びた複数の振動腕を有する音叉状水晶片と、
前記容器本体の開口端面に接合して前記音叉状水晶片を密閉封入し、透光性を有する蓋体とを備え、
前記蓋体の前記音叉状水晶片と対向する一主面及び又は前記容器本体の内底面における前記振動腕に対向する領域に付加金属膜が形成された表面実装型の水晶振動子において、
前記付加金属膜は前記蓋体の一主面及び又は前記容器本体の内底面に設けられた金属膜用凹部内に形成されたことを特徴とする表面実装用の水晶振動子。 - 請求項1において、
前記容器本体は、底壁と、前記音叉状水晶片の前記音叉基部における連結部と接続して前記音叉状水晶片の周囲を囲み前記底壁に積層固定される枠壁とからなり、
前記底壁及び前記枠壁及び前記蓋体は水晶からなる表面実装用の水晶振動子。 - 請求項1において、前記容器本体はセラミックからなる表面実装用の水晶振動子。
- 請求項1〜3において、前記付加金属膜は金、銀、ニッケル又はクロムである表面実装用の水晶振動子。
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US9255802B2 (en) | 2013-12-27 | 2016-02-09 | Seiko Epson Corporation | Resonator element, resonator, oscillator, electronic apparatus, physical quantity sensor, mobile object, and frequency adjustment method of resonator element |
WO2023140070A1 (ja) * | 2022-01-21 | 2023-07-27 | 株式会社大真空 | 圧電振動デバイスおよび圧電振動デバイスの周波数調整方法 |
WO2023157504A1 (ja) * | 2022-02-17 | 2023-08-24 | 株式会社大真空 | 圧電振動デバイスの周波数調整方法および圧電振動デバイス |
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