JP2010281723A - 蓄電デバイスの状態検知方法及びその装置 - Google Patents

蓄電デバイスの状態検知方法及びその装置 Download PDF

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Abstract

【課題】蓄電デバイスの停止前の充放電の影響を低減させて状態検知を行う蓄電デバイスの状態検知方法及びその装置を提供する。
【解決手段】本実施形態の状態検知方法は、状態検知部110に状態検知モード開始信号を入力し(ステップS1)、状態検知部110で所定の状態検知許可条件が成立しているかの判定を行う(ステップS2)。ここで成立していると判定されると、ステップS3で状態検知モードがオンに設定され、ステップS4でバッテリ11に対し状態検知前充電が行われる。状態検知前充電の終了後、状態検知部110でバッテリ11の状態検知が行われ(ステップS5)、その結果が出力表示手段102に出力される(ステップS6)。
【選択図】図1

Description

本発明は、蓄電デバイスの状態検知方法及びその装置に関し、特に蓄電デバイスの放電能力に係る状態検知方法及びその装置に関するものである。
近年、蓄電デバイスに対するニーズが大きくなっており、例えば自動車では電気デバイスであるバッテリから電源供給を受けて動作する電気機器が多く搭載されるようになり、バッテリの重要度がますます高まっている。近年はバイワイヤー化が進み、電動ブレーキ(EPB)に代表される安全系の部品を電気で制御するようになってきている。また、省エネや二酸化炭素の排出規制に伴って、交差点などでの短時間停止時のアイドリングストップ機能とその再始動能力の確保が求められている。
自動車以外の分野でも、例えば太陽光発電や風力発電などの自然エネルギーの利用を進める上で、発電電力量の平準化や余剰電力の蓄電のために蓄電デバイスが用いられる。さらに、停電時等に電気機器に電力供給を行うための安定化電源、補助電源等のバックアップ電源にも蓄電デバイスが用いられる。このような蓄電デバイスには、二次電池やキャパシタ等の電解液の移動を伴うものが用いられている。蓄電デバイスを安定して利用できるようにするには、その状態検知を高精度に行えるようにして、充電不足等の問題を早期に解決できるようにする必要がある。
一般に、蓄電デバイスが充放電停止後十分に安定した条件下では、その開放端電圧(OCV)と残容量(SOC:State of charge)との間に、図7の符号81に示すような1:1に対応する関係がある。しかしながら、このような1:1の関係は、実験室のような安定した条件下で得られるものである。充放電を行った後の蓄電デバイスは、例えば電解液を含む蓄電池の場合、電気化学反応による極板表面でのイオンの生成・消滅反応、及び電解液の拡散や対流等によるイオンの移動、のそれぞれの影響を受けている。このような影響は、Liイオン電池や鉛蓄電池のような電解液中をイオンが移動する蓄電池では必ず生じる。また、キャパシターの類であっても、蓄電の媒体として電解液を利用する場合には、その媒体の濃度変化が生じるため、やはりイオンの拡散などの影響を受ける。
このような電解質又は電解液中のイオン濃度が過渡的に変化する場合には、イオン濃度が十分に均質な状態になるまでに長時間を必要とするため、限られた測定時間内で電池電圧を測定した結果では、OCVとSOCとの間で1:1の関係が成立していない。図8、9は、蓄電池のSOC及び温度が一定のときのOCVの過渡変化の一例を示す図である。図8は、SOCが一定であってもOCV(符号82)が一定値に安定するまでに時間がかかることを示している。また、図9では、SOH(劣化度、State of health)が異なるときの蓄電池におけるOCV(符号83、84、85)の変化を示しているが、SOCや温度を同一条件に調整し直近の充放電条件も同一とした場合でも、SOHが異なると同じOCVには収束しないことを示している。
このような過渡変化には、イオンの生成消滅反応のような反応時間が短く変化の速いものと、電解液の拡散や対流等の変化の遅いものが含まれている。そこで、蓄電デバイスの放電能力を高精度に評価するために、例えば特許文献1では、このような過渡変化を3つの時定数の成分に分けて評価する方法が記載されている。ここでは、充放電時間に応じて過渡応答が変わり、抵抗成分や電池の内部反応に応じた分極成分や電解液の拡散速度についての言及がある。
特開平2005−106615号公報
しかしながら、充放電停止後に蓄電デバイスの状態検知を行う場合、それ以前の充放電履歴等によって過渡変化が大きく異なってくるため、充放電履歴の影響を強く受けて放電能力等を高精度に判定することが困難になるといった問題があった。
例えば、自動車に搭載されたバッテリでは、車両運行中にさまざまな充放電が繰り返されるため、バッテリ中の電解液に生じる泳動、沈殿、対流、拡散なども車両運行条件によってさまざまに異なっている。そのため、充放電停止後のバッテリの過渡変化は、それまでの車両運行条件によって異なり、同等あるいは傾向が同じとみなせるような再現性のある停止状態を作り出すことはできない。特許文献1に記載の状態検知方法のように、充放電停止後の過渡変化を異なる時定数の成分に分けて状態検知を行う場合でも、充放電停止後のバッテリの過渡変化が大きく異なると、各時定数成分を高精度に求めることが困難となり、バッテリの状態検知を高精度に行うのが困難になるといった問題があった。
そこで、本発明はこれらの問題を解決するためになされたものであり、蓄電デバイスの停止前の充放電の影響を低減させて状態検知を行う蓄電デバイスの状態検知方法及びその装置を提供することを目的とする。
本発明の蓄電デバイスの状態検知方法の第1の態様は、蓄電デバイスの状態検知方法であって、充放電を停止している前記蓄電デバイスに所定容量の状態検知前充電を行い、前記状態検知前充電を終了してから時間t経過したときの前記蓄電デバイスの電圧を所定周期で測定し、前記蓄電デバイスの充放電を停止させて略一定となったときの停止時安定電圧からの前記電圧測定値の変化量(停止時電圧変化量)を、前記蓄電デバイスの所定の状態量の関数である緩和関数F(t)で最適近似し、前記最適近似された緩和関数F(t)から前記状態量を推定し、前記推定された状態量を所定の閾値と比較して前記蓄電デバイスの放電能力を判定することを特徴とする。
本発明の蓄電デバイスの状態検知方法の他の態様は、前記状態検知前充電では、前記蓄電デバイスの5%定格容量の充電を行うことを特徴とする。
本発明の蓄電デバイスの状態検知方法の他の態様は、前記状態検知前充電を終了して最初に取得した前記電圧測定値が前記停止時安定電圧より低いときは、前記蓄電デバイスの放電能力が低下していると判定することを特徴とする。
本発明の蓄電デバイスの状態検知方法の他の態様は、前記停止時安定電圧は、前記最適近似された緩和関数F(t)を用いて更新されることを特徴とする。
本発明の蓄電デバイスの状態検知方法の他の態様は、前記緩和関数F(t)は、前記蓄電デバイス内部の反応速度に対応して事前に作成された2以上(m個とする)の反応速度毎緩和関数fi(t)(i=1〜m)の線形結合で表わされ、前記反応速度毎緩和関数fi(t)(i=1〜m)は、前記停止時電圧変化量を前記反応速度に対応する成分に分離して最適化されていることを特徴とする。
本発明の蓄電デバイスの状態検知方法の他の態様は、前記状態量は、前記蓄電デバイスの残容量(SOC)であることを特徴とする。
本発明の蓄電デバイスの状態検知方法の他の態様は、前記状態量は、前記蓄電デバイスの劣化度(SOH)であることを特徴とする。
本発明の蓄電デバイスの状態検知方法の他の態様は、所定の基準状態における前記反応速度毎緩和関数fi(t)、前記残容量,および反応速度毎の前記劣化度をそれぞれfi ref(t)、SOCref,およびSOHi refとし、前記蓄電デバイスの温度Tに対する依存性をG(T)とするとき、前記電圧測定のn周期目に最適近似された前記反応速度毎緩和関数fi n(t)は、前記n周期目に推定される前記残容量SOCn、前記反応速度毎劣化度SOHi nと次式の関係を有している
i n(t)=fi ref(t)*{SOCn/SOCref
*{SOHi n/SOHi ref}*G(T)
ことを特徴とする。
本発明の蓄電デバイスの状態検知方法の他の態様は、前記状態検知前充電を行う前に、前記蓄電デバイスにパルス放電を行って別の状態検知を行うことを特徴とする。
本発明の蓄電デバイスの状態検知方法の他の態様は、前記状態検知前充電を行う前に、前記蓄電デバイスのインピーダンス測定を行ってさらに別の状態検知を行うことを特徴とする。
本発明の蓄電デバイスの状態検知装置の第1の態様は、制御手段で制御される内部充電器を用いて充電可能に構成された蓄電デバイスの状態検知装置であって、状態検知モード開始信号を入力するための信号入力手段と、外部に所定の情報を出力する出力表示手段と、前記蓄電デバイスの電圧を測定する測定手段と、状態検知モード用スイッチを備え、前記制御手段、前記信号入力手段、前記出力表示手段、及び前記測定手段に接続された状態検知部と、を備え、前記状態検知部は、前記信号入力手段から前記状態検知モード開始信号を入力すると、前記蓄電デバイスに状態検知前充電が行われた後の経過時間tにおける前記蓄電デバイスの電圧を前記測定手段から入力し、前記蓄電デバイスの充放電を停止させて略一定となったときの停止時安定電圧からの前記電圧測定値の変化量(停止時電圧変化量)を前記蓄電デバイスの所定の状態量の関数である緩和関数F(t)で最適近似し、前記最適近似された緩和関数F(t)から前記状態量を推定し、前記推定された状態量を所定の閾値と比較して前記蓄電デバイスの放電能力を判定し、判定結果を前記出力表示手段に出力することを特徴とする。
本発明の蓄電デバイスの状態検知装置の他の態様は、前記状態検知前充電は、前記状態検知部が前記制御手段に所定の要求信号を出力し、前記制御手段が前記内部充電器を制御して行うことを特徴とする。
本発明の蓄電デバイスの状態検知装置の他の態様は、前記状態検知前充電は、前記蓄電デバイスに外部充電器を接続して行うことを特徴とする。
本発明によれば、状態検知の前に蓄電デバイスに所定容量の充電を行うことで、停止前の充放電の影響を低減させて状態検知を行うことにより、蓄電デバイスの放電能力を高精度に判定できる蓄電デバイスの状態検知方法及びその装置を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る蓄電デバイスの状態検知方法の概略を説明する流れ図である。 第1の実施形態に係る蓄電デバイスの状態検知装置のブロック図である。 運転中の充放電と状態検知前充電による電流、電圧の変化を示すグラフである。 状態検知モードが要求されてから状態検知前充電が終了するまでの処理を説明する流れ図である。 状態検知モードが成立しているときの処理を説明する流れ図である。 本発明の他の実施形態に係る蓄電デバイスの状態検知方法の概略を説明する流れ図である。 安定開放端電圧とSOCとの関係を示すグラフである。 SOCが一定のときのOCVの変化を示すグラフである。 SOHが異なるときのOCVの変化を示すグラフである。
本発明の好ましい実施の形態における蓄電デバイスの状態検知方法及びその装置について、図面を参照して詳細に説明する。なお、同一機能を有する各構成部については、図示及び説明簡略化のため、同一符号を付して示す。
本発明の蓄電デバイスの状態検知方法では、蓄電デバイスの放電能力を適切に維持できるようにするために、蓄電デバイスの状態検知を適宜行うための状態検知モードを設けている。状態検知モードは、蓄電デバイスを備えたシステムにおいて、例えば運転を停止して蓄電デバイスの充放電が停止された時点や、充放電が停止された後相当の時間が経過した時点等において、ユーザあるいは保守員等によって実行されるものである。蓄電デバイスに対し状態検知モードが要求されると、該蓄電デバイスの状態検知を高精度に行うものである。
以下では、蓄電デバイスとして車両に搭載されたバッテリを一例に、本発明の蓄電デバイスの状態検知方法及び状態検知装置について説明する。但し、以下で説明する内容は、車載バッテリに限らず、太陽光発電や風力発電などに用いられる蓄電デバイスや、安定化電源、補助電源等のバックアップ電源に用いられる蓄電デバイスにも同様に適用できるものである。
本発明の第1の実施形態に係る蓄電デバイスの状態検知方法及びその装置を、図1、図2を用いて以下に説明する。図1は、本実施形態の蓄電デバイスの状態検知方法の概略を説明するための流れ図であり、図2は、本実施形態の蓄電デバイスの状態検知装置のブロック図である。
本実施形態の状態検知装置100は、車両10に搭載されて蓄電デバイス(バッテリ)11の状態検知を行うものであり、信号入力手段101、出力表示手段102、測定手段103、及び状態検知部110を備えている。バッテリ11には車載電気機器等の負荷12が接続されており、さらにオルタネータ等の車載充電器14が接続されている。信号入力手段101は、運転者等のユーザが状態検知モードを要求するための信号(以下では状態検知モード開始信号と称する)を入力するのに用いるものであり、出力表示手段102は、状態検知を行った結果等をユーザに通知するのに用いる。信号入力手段101及び出力表示手段102は、ともに運転者が使用するものであることから、運転席またはその近傍に設けるのがよい。
状態検知部110は、測定手段103からバッテリ11の電圧、電流等の測定値を入力し、これを用いてバッテリ11の状態検知を高精度に行う処理を行っている。また、状態検知部110は状態検知モード用スイッチ111を具備しており、信号入力手段101から状態検知モード開始信号を入力する代わりに、状態検知モード用スイッチ111をオンにすることで、状態検知モード開始信号が状態検知部110に出力される。状態検知モード用スイッチ111は、定期点検時等のメンテナンス時に保守員等がバッテリ11の状態検知を速やかに行えるように設けられたものである。
状態検知部110は、状態検知を行う前にバッテリ11に対し所定容量の充電(以下では状態検知前充電と称する)を行わせるように構成されている。すなわち、状態検知部110が制御手段13に対しバッテリ11の状態検知前充電を要求すると、制御手段13がエンジンを起動させて車載充電器14を動作させ、これによりバッテリ11に所定容量の充電を行わせるように制御する。あるいは、上記のバッテリ11の状態検知前充電を保守員等が行うことも可能となっている。この場合には、状態検知前に保守員等がバッテリ11に外部充電器20を接続して充電させる。状態検知部110は、車載充電器14あるいは外部充電器20による状態検知前充電が行われた後に、バッテリ11の状態検知を行うように構成されている。なお、状態検知部110と信号入力手段101、出力表示手段102、測定手段103、及び制御手段13との間の通信手段として、LIN(Local Interconnect Network)またはCAN(Controller Area Network)等の通信バスを用いることができる。
次に、図1に示す流れ図を用いて、本実施形態の状態検知方法の概要を説明する。本実施形態の状態検知装置100を用いてバッテリ11の状態検知を行う場合には、まず、状態検知部110に状態検知モード開始信号を入力する(ステップS1)。これにより、状態検知部110では、所定の状態検知許可条件が成立しているかの判定を行う(ステップS2)。この状態検知許可条件として、少なくともバッテリ11が充放電を停止していることを含む。
ステップS2で状態検知許可条件が成立していると判定されると、ステップS3で状態検知モードがオンに設定され、次のステップS4でバッテリ11に対し状態検知前充電が行われる。状態検知前充電が終了すると、状態検知部110でバッテリ11の状態検知が行われる(ステップS5)。状態検知として、例えばバッテリ11の残容量SOCを推定し、これをもとにバッテリ11の放電能力を判定することができる。状態検知の処理によりバッテリ11の放電能力が判定されると、その結果が出力表示手段102に出力され、ユーザや保守員等に通知される(ステップS6)。一方、ステップS2で状態検知許可条件が不成立と判定されると、ステップS3〜S6の処理を行わないで終了する。
以下では、状態検知部110において行われるバッテリ11の状態検知方法について説明する。バッテリ11の充放電停止後の過渡変化は、速度の異なる反応過程を含んでいることから、充放電停止後のバッテリ11の放電能力を高精度に判定するためには、反応速度毎の状態変化を評価することができる方法を用いて状態検知を行うのがよい。例えば、充放電停止後のバッテリの電圧変化ΔV(t)を、反応速度の違いに応じてm個の多項式からなる関数(以下では緩和関数と称する)F(t)を用いて次式のように表すことができる。
ΔV(t)=F(t)
=f1(t)+f2(t)+・・・fm(t)=Σfi(t) (1)
ここで、電圧変化量ΔV(t)は、状態検知前充電を終了してから時間tが経過したときの電圧測定値Vmes(t)と、充放電停止後十分な時間(例えば20時間)経過して略一定となったときの停止時安定電圧(以下ではOCV20hrとする)との差を表している。
ΔV(t)=Vmes(t)―OCV20hr (2)
本実施形態では、上式を用いて状態検知を行うものとする。
上記の緩和関数F(t)では、各項fi(t)がバッテリ11の反応速度の異なる緩和過程の電圧変化への寄与分を示しており、以下では反応速度毎緩和関数fi(t)とする。各fi(t)は、バッテリ11の状態量である劣化度SOH、残容量SOC(イオン濃度)、および温度Tに依存する関数である。電圧測定値Vmes(t)からΔV(t)を算出し、式(1)を電圧測定値Vmes(t)から算出したΔV(t)で最適化することで、各反応速度毎緩和関数fi(t)を決定することができる。
本実施形態の状態検知方法は、状態検知前充電の終了後所定の周期でバッテリ11の電圧測定値を入力し、電圧測定値を入力する毎に緩和関数F(t)の最適化を行って更新している。n回目に測定した電圧測定値を用いて最適化されたときの反応速度毎緩和関数をfi n(t)とするとき、fi n(t)は次式のように表すことができる。
i n(t)=fi ref(t)*{SOCn/SOCref
*{SOHi n/SOHi ref}*G(T) (3)
ここで、fi ref(t)、SOCref,およびSOHi refは、それぞれ所定の基準状態における反応速度毎緩和関数、残容量SOC,および反応速度毎の劣化度SOHを表し、G(T)は蓄電デバイスの温度Tに対する依存性を表している。式(3)より、n回目の電圧測定値を用いて推定される残容量SOCn及び反応速度毎劣化度SOHi nを算出することができる。SOCnよりバッテリ11の放電能力を判定することができる。また、反応速度毎劣化度SOHi nを全反応速度について積算した劣化度SOHより、バッテリ11の劣化度を判定することができる。
式(1)に示す緩和関数F(t)の最適化を高精度に行うためには、状態検知を行う時点の過渡変化が、常に同等あるいは傾向が同じとみなせるような再現性のある状態であることが好ましい。そこで、本実施形態のバッテリ11の状態検知方法では、状態検知を行う前にその充放電状態をできるだけ再現性のある状態に移行させ、その後に状態検知を行うようにしている。状態検知開始前の充放電状態をできるだけ再現性のある状態に移行させるために、本実施形態では、図1のステップS4において所定容量の充電(状態検知前充電)を行っており、その後に電圧変化等の測定を行って状態検知を行うようにしている。
バッテリ11を再現性のある状態に移行させるための適切な状態検知前充電の容量として、車両運行中の充放電に伴う電解液の電気泳動のうち、放電に伴う電気泳動の影響を打ち消すのに十分な容量とするのが好ましい。これにより、状態検知前充電が車両運行中の放電による影響を低減し、状態検知時は充電分極に伴う電圧変化を測定するようにすることができる。以下では、状態検知前充電として適切な容量を、自動車のバッテリを対象として説明する。
自動車の実際の走行では、充放電容量が任意にかつ頻繁に変化するため、走行中の充放電容量を測定して積算し、これをもとに状態検知前充電の容量を決定する方法が考えられる。しかしながら、走行中の充放電容量を積算する方法では、必ずしも精度の高い充放電容量が得られず、状態検知モードに移行したときに適切な充電容量を決定するのが難しい。また、アイドリングストップが繰り返し行われるなど、大容量の放電が行われた後に状態検知モードに移行した場合には、状態検知前充電の必要容量が大きくなってしまうおそれがあり、その場合には充電に要する時間が長くなってしまう等の問題がある。
そこで、本実施形態の状態検知方法では、走行中の充放電を積算したものを用いて状態検知前充電の容量を決めるのではなく、対象のバッテリ毎に充電時の過渡変化を事前に調べ、それをもとに状態検知前充電の容量を予め決めておくようにしている。一例として、古河電池製バッテリ55B24(36[Ah])を搭載した車両の場合では、1〜2時間程度通常の走行を行ったとき、走行中のバッテリの充放電容量(ΔSOC)の大きさ(絶対値)が0.5%以下となる。
そこで、状態検知前充電の容量として、このような走行時の充放電量より十分大きい容量とすることで、状態検知モードに移行する前の充放電の影響を十分に低減することができる。その結果、本実施形態の状態検知方法では、状態検知を行うときのバッテリ状態が、状態検知前充電によって生じる過渡変化に支配されるため、再現性のある過渡状態になっているということができる。状態検知前充電を行った後のバッテリの過渡変化が、直前の走行時の充放電容量の大きさによってどのように変化するかを、図3を用いて説明する。図3は、運転中から停止後の状態検知時のバッテリの電流及び電圧の変化を示しており、運転中の充放電容量と状態検知前充電容量との大小関係によって過渡変化がどのように変化するかを模式的に示したグラフである。ここでは、状態検知前充電容量を定格容量の5%としている。
図3(a)は、運転中の充放電容量に比べて状態検知前充電の容量が大きい場合の電流、電圧の変化を示し、図3(b)は、運転中の充放電容量と状態検知前充電容量が同程度の場合の電流、電圧の変化を示し、図3(c)は、運転中の充放電容量が状態検知前充電容量より大きい場合の電流、電圧の変化を示している。図3(a)に示す状態検知前充電容量の方が大きい場合として、運転中の充放電容量を1%以下としている。この場合には、運転中の充放電の影響が状態検知前充電によって低減される結果、状態検知前充電後の電圧変化が単調に減少して安定電圧に収束する傾向を示す。
また、図3(b)に示す運転中の充放電容量と状態検知前充電容量が同程度の場合として、運転中の充放電容量を1%以上5%以下としている。この場合にも、運転中の充放電の影響を状態検知前充電によって低減することができ、状態検知前充電後の電圧変化は、図3(a)と同様に単調に減少して安定電圧に収束する傾向を示す。さらに、図3(c)に示す運転中の充放電容量が状態検知前充電容量より大きい場合には、状態検知前充電を終了した後も電圧が単調増加の傾向にあり、図3(a)、(b)と全く異なる傾向を示す。
車両走行時の充放電容量は、通常は1%程度以下であり、状態検知前充電容量を5%とした場合には、通常の車両走行時の充放電による充放電分極の影響を十分に低減することができる。その結果、状態検知前充電を行った後の状態検知では、5%容量の充電による図3(a)、(b)に示すような過渡変化をもとに放電能力を検知することになる。式(1)の緩和関数F(t)として、5%容量の充電による過渡変化を最適に近似できるような関数形を用いることで、緩和関数F(t)を用いた状態検知を高精度に行うことが可能となる。
これに対し、図3(c)に示すような運転中の充放電容量が状態検知前充電容量より大きくなる場合には、安定電圧より低い電圧が測定されるので、これを検知することで放電能力が低下していることをユーザ等に通知することができる。運転中の放電容量が大きくなる一例として、アイドリングストップを短期間に繰り返し行った後に運転を停止した場合がある。電圧測定値が安定電圧より低くなるのは、運転中の放電量が特に大きい場合のほか、バッテリ11の劣化が進んでいたり、長期間放置されていた場合等もある。このような場合でも、本実施形態の状態検知方法により容量低下(容量不足)や劣化の増大を検出することができる。
なお、状態検知前充電の容量は、通常の車両走行としてどのような走行形態までを対象とするかによって異なる値を設定することができ、また車両に搭載されるバッテリのサイズ、特性等を考慮して決定するのがよい。例えば、アイドリングストップによる放電も対象として状態検知前充電の容量を設定する場合には、アイドリングストップ時に放電される容量以上の充電容量を設定するのが好ましい。運転中の放電容量より大きな充電を行うようにすることで、図3(a)、(b)に示すように、状態検知時の電圧が単調減少するような過渡状態で状態検知を行うことができる。
図1を用いて概略を説明した本実施形態の状態検知方法について、以下では図4、5を用いてさらに詳細に説明する。図4は、状態検知モードが要求されてから状態検知前充電が終了するまでの処理を説明するための流れ図である。図4(a)は、運転者等が信号入力手段101から状態検知モード開始信号を入力したときの処理の流れを示しており、図4(b)は、保守員等が状態検知モード用スイッチ111をオンにしたときの処理の流れを示している。
信号入力手段101から状態検知モード開始信号を入力する場合、あるいは状態検知モード用スイッチ111をオンにする場合のいずれも、誤操作で信号入力が行われるおそれがある。そこで、図4(a)では誤操作を防止するように構成したときの処理の流れについて説明し、図4(b)では誤操作防止を考慮しないときの処理の流れについて説明する。但し、図4(b)でも図4(a)と同様に誤操作を防止するように構成することができ、また図4(a)で誤操作防止の処理を省略することも可能である。
図4(a)において、信号入力手段101から状態検知モード開始信号が入力されると(ステップS11)、この信号が状態検知部110に出力される。状態検知部110は、状態検知モード開始信号を入力すると、状態検知が要求されたことを確認するための確認メッセージを出力表示部102に表示する(ステップS12)。確認メッセージに基づき、例えば信号入力手段101から確認信号が入力されると(ステップS13)、次に所定の状態検知許可条件が成立しているか判定する(ステップS14)。
上記の状態検知許可条件として、少なくともバッテリ11が充放電を行っていないことが要求される。バッテリ11が充放電を行っていないことを判定する方法として、例えば車両10が停止状態にある(キースイッチがオフの位置にある)ことを確認する。また、状態検知部110と周辺装置との通信が可能か、測定手段103からの測定値が正常範囲内の値を示すか、エンジンを起動させて車載充電器14を正常に動作させることができるか、等を確認させるようにし、いずれかが異常となっている場合も、状態検知許可条件を不成立にするようにしてもよい。
ステップS14の判定の結果、状態検知許可条件が成立している場合には、ステップS15で状態検知モードをオンに設定する。このとき、状態検知モードがオンになったことを出力表示手段102に表示させるようにしてもよい。ステップS16では、車載充電器14を用いてバッテリ11に対し状態検知前充電を開始させる。車載充電器14を用いた状態検知前充電は、状態検知部110が制御手段13に対して所定容量の充電を要求し、制御手段13がエンジンを起動して車載充電器14を動作させて行う。
一方、ステップS14の判定で状態検知許可条件が不成立の場合には、ステップS15、S16の処理を行わないで終了する。このとき、状態検知許可条件のどれが不成立となったかを出力表示手段102に表示させるようにしてもよい。
次に、状態検知モード用スイッチ111をオンにして状態検知を開始する処理の流れを、図4(b)を用いて説明する。保守員等が状態検知モード用スイッチ111をオンにすると(ステップS21)、状態検知モード開始信号が状態検知部110に出力される。状態検知部110は、状態検知モード開始信号を入力すると次に所定の状態検知許可条件が成立しているか判定する(ステップS22)。状態検知許可条件は、図4(a)の場合と同じとすることができる。
ステップS22の判定の結果、状態検知許可条件が成立している場合には、ステップS23で状態検知モードをオンに設定し、ステップS24では、外部充電器20を用いてバッテリ11に対し状態検知前充電を開始させる。外部充電器20による充電は、保守員等が行う。そこで、ステップS24では出力表示手段102に充電開始要求のメッセージを表示し、保守員等がこれを確認して充電を行うようにするのがよい。また、所定容量の充電が終了すると、保守員等が状態検知モード用スイッチ111を操作するか、あるいは信号入力手段101から状態検知前充電が終了したことを通知する信号を入力するようにしてもよい。
一方、ステップS22の判定で状態検知許可条件が不成立の場合には、ステップS23、S24の処理を行わないで終了する。このとき、状態検知許可条件のどれが不成立となったかを出力表示手段102に表示させるようにしてもよい。
次に、状態検知モードが成立しているときの処理の流れを、図5を用いて説明する。図5に示す処理は、所定の周期で実行される。まず、ステップS31において、状態検知モードがオンになっているかを判定する。その結果、状態検知モードがオンの場合にはステップS32に進み、状態検知モードがオフの場合には以下の処理を行わずに終了する。次のステップS32では、上記の状態検知許可条件が成立しているかを判定する。状態検知許可条件の確認は、状態検知モード期間中は常に行うものとする。その結果、状態検知許可条件が成立している場合には、次のステップS33に進む一方、態検知許可条件が不成立の場合には、ステップS39に進む。この場合、状態検知許可条件のどれが不成立となったかを出力表示手段102に表示させるようにしてもよい。
ステップS33では、状態検知前充電が終了したか否かを判定する。状態検知前充電が車載充電器14を用いて行われている場合には、制御手段13に対し充電が終了したかを確認して判定することができる。あるいは、充電開始からの経過時間で判定させるようにすることもできる。また、状態検知前充電が外部充電器20を用いて行われている場合には、状態検知モード用スイッチ111あるいは信号入力手段101から充電終了の信号が入力されることで判定する。ステップS33での判定の結果、状態検知前充電が終了している場合には、次のステップS34に進む。一方、状態検知前充電が終了していないと判定された場合には、以下の処理を行わずに処理を終了する。
ステップS34では、測定手段103を用いて現時点の電圧測定値Vmes(t)を入力し、ステップS35では、それまでに入力した電圧測定値Vmes(t)を用いて緩和関数F(t)を最適化する。次のステップS36では、最適化されたF(t)を用いてバッテリ11の放電能力を推定する。放電能力として、例えば式(1)、(2)から停止時安定電圧OCV20hrの推定値を更新し、これと図7に示すようなOCV20hrとSOCとの関係から求めたSOCを用いることができる。ステップS37では、このようにして推定されたSOCを、所定の記憶部に一時的に保存する。
ステップS38では、状態検知を開始してからの経過時間tが所定時間に達したかを判定し、経過時間tが所定時間に達している場合にはステップS39に進む。一方、経過時間tが所定時間に達していない場合には、以下の処理を行わずに終了する。ステップS39では、ステップS37で一時保存された放電能力を読み出し、これが所定の閾値以上のときを放電能力が正常と判定し、所定の閾値未満のときを放電能力が異常と判定する。ステップS40では、放電能力を判定した結果を出力表示手段102に出力する。さらに、ステップS41で状態検知モードをオフにして処理を終了する。
本発明の蓄電デバイスの状態検知方法の別の実施形態を、図6に示す流れ図を用いて以下に説明する。本実施形態の状態検知方法では、状態検知モードによるバッテリ11の状態検知を行う前に、パルス放電による状態検知(ステップS51)とインピーダンス測定による状態検知(ステップS52)を行っている。パルス放電による状態検知は、バッテリ11をパルス放電させたときの電流、電圧を測定し、それをもとにバッテリ11の放電能力や劣化状態を検知するものである。また、インピーダンス測定による状態検知では、電流、電圧の測定値からバッテリ11の内部インピーダンスを推定し、これをもとにバッテリ11の劣化状態を検知するものである。
本発明の状態検知モードによる状態検知方法は、第1の実施形態のようにこれを単独に行ってもよく、あるいは本実施形態のように、パルス放電による状態検知及びインピーダンス測定による状態検知と組み合わせて行うこともできる。また、パルス放電による状態検知及びインピーダンス測定による状態検知の両方と組み合わせる必要は必ずしもなく、パルス放電による状態検知及びインピーダンス測定による状態検知のいずれか一方と状態検知モードによる状態検知とを組み合わせて行うことも可能である。
上記では、バッテリ11の充放電を停止した直後に状態検知を行う場合について説明したが、これに限らず、例えば長期間バッテリ11の充放電が停止されている場合にも状態検知を行わせることができる。例えば、1か月に1回程度の頻度で状態検知モードを実行することで、バッテリ11の放電能力を確認することができる。それと同時に、状態検知モードによる状態検知前充電によって、長時間駐車時も安全に効率よくバッテリ11の回復充電(5%充電)を実施することができる。
なお、本実施形態では、状態検知前充電を行う方法として、状態検知部110からの要求により、制御手段13がエンジンを起動して車載充電器14を動作させることでバッテリ11に充電を行わせるようにしたが、これに代えて、運転者が走行を終了してエンジンを停止する直前に状態検知モード開始信号を入力するようにしてもよい。この場合には、例えばキースイッチをオフにしてもエンジンを停止させずに車載充電器14による状態検知前充電を直ちに行わせ、充電が終了するとエンジンを自動停止させるようにすることができる。
また、上記実施形態では、蓄電デバイスの状態検知として放電能力が確保されているかを検知する場合について説明したが、これに限定されず、さらにSOH等の劣化を判定するようにすることも容易である。緩和関数F(t)は、SOHに対する依存性も有していることから、緩和関数F(t)からSOHを算出する式を導出することができる。このような式を用いることで、SOHを推定して蓄電デバイスの劣化状態を判定することが可能となる。
上記説明のように、本発明の蓄電デバイスの状態検知方法および状態検知装置によれば、状態検知を行う前に所定容量の充電を行うことで、蓄電デバイスが再現性のある過渡変化の状態に移行している。これにより、同等あるいは傾向が同じとみなせるような再現性のある過渡状態で状態検知を行うことが可能となり、蓄電デバイスの状態検知を高精度に行うことが可能となる。その結果、蓄電デバイスの充電不足や故障等を早期に検知することができ、車両運行や補機のバックアップとしての信頼性を高めることができる。さらに、状態検知前充電により、大幅な容量不足を防止して蓄電デバイスの劣化を低減することができ、システムの安定運用の実現や蓄電デバイスの長寿命化を図ることも可能となる。
なお、本実施の形態における記述は、本発明に係る蓄電デバイスの状態検知方法及びその装置の一例を示すものであり、これに限定されるものではない。本実施の形態における蓄電デバイスの状態検知方法及びその装置の細部構成及び詳細な動作等に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
10:車両
11:蓄電デバイス(バッテリ)
12:負荷
13:制御手段
14:車載充電器入力手段
20:外部充電器
100:状態検知装置
101:信号入力手段
102:出力表示手段
103:測定手段
110:状態検知部
111:状態検知モード用スイッチ

Claims (13)

  1. 蓄電デバイスの状態検知方法であって、
    充放電を停止している前記蓄電デバイスに所定容量の状態検知前充電を行い、
    前記状態検知前充電を終了してから時間t経過したときの前記蓄電デバイスの電圧を所定周期で測定し、
    前記蓄電デバイスの充放電を停止させて略一定となったときの停止時安定電圧からの前記電圧測定値の変化量(停止時電圧変化量)を、前記蓄電デバイスの所定の状態量の関数である緩和関数F(t)で最適近似し、
    前記最適近似された緩和関数F(t)から前記状態量を推定し、
    前記推定された状態量を所定の閾値と比較して前記蓄電デバイスの放電能力を判定する
    ことを特徴とする蓄電デバイスの状態検知方法。
  2. 前記状態検知前充電では、前記蓄電デバイスの5%定格容量の充電を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の蓄電デバイスの状態検知方法。
  3. 前記状態検知前充電を終了して最初に取得した前記電圧測定値が前記停止時安定電圧より低いときは、前記蓄電デバイスの放電能力が低下していると判定する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の蓄電デバイスの状態検知方法。
  4. 前記停止時安定電圧は、前記最適近似された緩和関数F(t)を用いて更新される
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の蓄電デバイスの状態検知方法。
  5. 前記緩和関数F(t)は、前記蓄電デバイス内部の反応速度に対応して事前に作成された2以上(m個とする)の反応速度毎緩和関数fi(t)(i=1〜m)の線形結合で表わされ、
    前記反応速度毎緩和関数fi(t)(i=1〜m)は、前記停止時電圧変化量を前記反応速度に対応する成分に分離して最適化されている
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の蓄電デバイスの状態検知方法。
  6. 前記状態量は、前記蓄電デバイスの残容量(SOC)である
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の蓄電デバイスの状態検知方法。
  7. 前記状態量は、前記蓄電デバイスの劣化度(SOH)である
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の蓄電デバイスの状態検知方法。
  8. 所定の基準状態における前記反応速度毎緩和関数fi(t)、前記残容量,および反応速度毎の前記劣化度をそれぞれfi ref(t)、SOCref,およびSOHi refとし、前記蓄電デバイスの温度Tに対する依存性をG(T)とするとき、前記電圧測定のn周期目に最適近似された前記反応速度毎緩和関数fi n(t)は、前記n周期目に推定される前記残容量SOCn、前記反応速度毎劣化度SOHi nと次式の関係を有している
    i n(t)=fi ref(t)*{SOCn/SOCref
    *{SOHi n/SOHi ref}*G(T) (式1)
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の蓄電デバイスの状態検知方法。
  9. 前記状態検知前充電を行う前に、
    前記蓄電デバイスにパルス放電を行って別の状態検知を行う
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の蓄電デバイスの状態検知方法。
  10. 前記状態検知前充電を行う前に、
    前記蓄電デバイスのインピーダンス測定を行ってさらに別の状態検知を行う
    ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の蓄電デバイスの状態検知方法。
  11. 制御手段で制御される内部充電器を用いて充電可能に構成された蓄電デバイスの状態検知装置であって、
    状態検知モード開始信号を入力するための信号入力手段と、
    外部に所定の情報を出力する出力表示手段と、
    前記蓄電デバイスの電圧を測定する測定手段と、
    状態検知モード用スイッチを備え、前記制御手段、前記信号入力手段、前記出力表示手段、及び前記測定手段に接続された状態検知部と、を備え、
    前記状態検知部は、前記信号入力手段から前記状態検知モード開始信号を入力すると、前記蓄電デバイスに状態検知前充電が行われた後の経過時間tにおける前記蓄電デバイスの電圧を前記測定手段から入力し、前記蓄電デバイスの充放電を停止させて略一定となったときの停止時安定電圧からの前記電圧測定値の変化量(停止時電圧変化量)を前記蓄電デバイスの所定の状態量の関数である緩和関数F(t)で最適近似し、前記最適近似された緩和関数F(t)から前記状態量を推定し、前記推定された状態量を所定の閾値と比較して前記蓄電デバイスの放電能力を判定し、判定結果を前記出力表示手段に出力する
    ことを特徴とする蓄電デバイスの状態検知装置。
  12. 前記状態検知前充電は、前記状態検知部が前記制御手段に所定の要求信号を出力し、前記制御手段が前記内部充電器を制御して行う
    ことを特徴とする蓄電デバイスの状態検知装置。
  13. 前記状態検知前充電は、前記蓄電デバイスに外部充電器を接続して行う
    ことを特徴とする蓄電デバイスの状態検知装置。
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