JP2010280926A - 高炉の操業方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高結晶水鉱石の配合比率を増加させる場合であっても、高炉シャフト部および融着帯で通気性の悪化を抑制することができ、しかも、その調整を随時測定可能な指標を用いて高炉操業プロセス単独で行える高炉の操業方法を提供する。
【解決手段】鉄源の一部として結晶水を4質量%以上含有する高結晶水鉱石を用い、この高結晶水鉱石を高炉内に装入するに際し、高結晶水鉱石に、粒径が5mm以上40mm以下の小中塊コークスを、下記(1)式の条件を満足する混合比率h[質量%]で混合し、その混合物を高炉内に装入して、下記(2)式の条件を満足する、炉壁から半径方向で距離x[m]までの領域内に堆積させる。
5≦h≦20 ・・・(1)、 x/R<0.3 ・・・(2)
Rは高炉の炉口半径を示す。
【選択図】図3

Description

本発明は、高炉の操業方法に関し、特に、結晶水を4質量%以上含有する鉱石を用いる高炉の操業方法に関する。
一般に、高炉操業においては、焼結鉱、ペレット、塊鉱石などの鉄源(以下、これらの鉄源を総称して「鉱石類」ともいう)と、還元材としてのコークスとが炉頂から交互に装入され、炉下部の羽口から、熱風が送風されるとともに微粉炭などの補助還元材が吹き込まれる。高炉内に装入された鉱石類とコークスは、交互に積層された鉱石層とコークス層を形成し、荷下がりに伴い徐々に高炉内を炉下部に向けて降下しながら、炉下部から上昇するガスによって昇温される。鉱石層は、昇温および還元によって軟化収縮し、融着帯と称される領域を経て溶解し、炉内を滴下して炉下部に達する。
これらの鉱石類やコークスの原料は、資源の枯渇や価格変動などの影響で調達可能な原料種が変化するため、その時世に見合った原料種から選定され、その原料種に応じた操業条件が必要とされる。従来、鉱石類として、結晶水を4質量%以上含有する鉱石(以下、「高結晶水鉱石」という)は、安価で被還元性に優れることから注目されており、その使用量の増加が強く求められている。
しかし、高結晶水鉱石は、低温還元域で還元後に脆くなり、粉化することに起因して、シャフト部での通気不良を誘発する。さらに、高結晶水鉱石は、高温域で収縮して粒度が小さくなり、高温通気抵抗の増大を引き起こすため、融着帯での通気性の悪化を招く。これらのことから、高炉原料において、高結晶水鉱石の配合比率を増加させるのは、著しく制限されている。
このような問題に対し、高結晶水鉱石の配合比率の増加を図った従来技術は下記のものがある。
特許文献1には、鉱石類として、高結晶水鉱石と整粒した焼結鉱とを混合して高炉内に装入し、500〜700℃の低温還元域における装入物の滞留時間に応じ、高結晶水鉱石の使用量を調整する高炉の操業方法が開示されている。同文献に開示された操業方法では、低温還元域における高結晶水鉱石の還元粉化を抑制し、安定操業とコスト低減が図れるとしている。
特許文献2には、焼結比(鉱石類に占める焼結鉱の比率)を75質量%以上とするとともに、高炉への高結晶水鉱石の装入率を増加させるにつれて、焼結鉱に占める高結晶水鉱石の配合率を増加させる高炉の操業方法が開示されている。同文献に開示された操業方法では、焼結鉱の被還元性指数(RI)を改善し、高炉内の通気性悪化を抑制することにより、高炉操業と焼結鉱製造のトータルで高結晶水鉱石の使用量を増加できるとしている。
特許文献3には、結晶水の含有量が3〜7質量%でかつ脈石成分(SiO2、Al23)の合計含有量が4質量%以下の塊鉱石の配合割合を、結晶水の含有量が1質量%以下の塊鉱石の配合割合に応じて調整する高炉の操業方法が開示されている。同文献に開示された操業方法では、高結晶水鉱石を使用しても出銑量を維持できるとしている。
特許文献4には、コークスの少なくとも一部として、粒度30mm以上のコークスに粒度10mm以上の鉱石を混合比率10質量%以下で混合して装入する高炉の操業方法が開示されている。同文献に開示された操業方法では、コークス粒子間の空隙に鉱石を収めて融着帯形成時の通気抵抗を低減し、その鉱石に高結晶水鉱石を採用することよって高結晶水鉱石の使用量を増加できるとしている。
特開平4−263003号公報 特開2005−314733号公報 特開2006−291255号公報 特開2006−299382号公報
前記特許文献1に開示された操業方法は、焼結鉱の還元粉化指数(RDI)の値、および炉内の低温還元域における装入物の滞留時間に応じ、高結晶水鉱石の使用量を調整する方法である。しかし、焼結鉱RDIの値は日々変動するものであり、その変動に応じて鉱石の使用量を調整するのは甚だ現実的でない。また、炉内の低温還元域における装入物の滞留時間を、膨大な日々の操業管理用測定データからきめ細かく把握することは極めて煩雑である。これらのことから、同文献に開示された操業方法を実操業で採用することは困難である。
前記特許文献2に開示された操業方法は、焼結比を75質量%以上とするとともに、焼結鉱RIを向上させる方法であり、技術的に有益である。しかし、同文献に開示された操業方法では、焼結鉱製造プロセスが密接に影響を及ぼすことから、高炉操業プロセス単独で実施することはできず、鉱石需給などプロセス間にわたる長期的な調整が必要になる。
前記特許文献3に開示された操業方法は、高結晶水鉱石を使用することによる通気性悪化を改善するものでなく、また高結晶水鉱石と結晶水含有量の少ない鉱石を適正比率に調整する必要があり、鉱石需給に際し手配が困難な場合がある。
前記特許文献4に開示された操業方法は、コークスと鉱石を混合して装入することにより、融着帯での通気性を改善する原理的な方法を提示したものである。しかし、同文献に開示された操業方法では、装入されたコークスと鉱石の混合原料の堆積位置は検討されることなく、炉上部での粉化が考慮されていないため、炉上部での通気性悪化が問題となる場合があり、改善の余地がある。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、高結晶水鉱石の配合比率を増加させる場合であっても、高炉シャフト部および融着帯で通気性の悪化を抑制することができ、しかも、その調整を随時測定可能な指標を用いて高炉操業プロセス単独で行える高炉の操業方法を提供することを目的とする。
上述の通り、結晶水を4質量%以上含有する高結晶水鉱石は、還元後に粉化し易く高炉内の空隙率を低下させるとともに、高温通気抵抗を増大させるため、高炉内の通気性を著しく阻害する要因となる。このため、高結晶水鉱石の使用に際しては、その弊害を十分に考慮することが必要である。
本発明者らは、上記目的を達成するため、高結晶水鉱石による弊害を踏まえ、高炉を用いて後述する操業試験を行い、その結果を解析して、下記に示す知見を得た。
図1は、高炉内での高結晶水鉱石の好適な堆積位置を示す模式図である。同図において、高炉の炉口半径をR[m]とし、炉壁からの半径方向での距離をx[m]とした場合、高炉シャフト部での通気性を確保し、高炉内の通気性悪化を緩和するには、高結晶水鉱石を、下記(a)式の条件を満足する、炉壁から距離xまでの領域内に装入し堆積させるのが有効である。
x/R<0.3 ・・・(a)
すなわち、炉壁側に限定して粉化後の高結晶水鉱石を集中させることにより、高結晶水鉱石が存在しない炉中心部から中間部の領域で空隙率を確保し、これによりシャフト上部での通気性悪化を抑制することが可能となる。
なお、図1では、コークス層に堆積させる鉱石層は、鉱石類を2バッチに分割して装入することによって形成された例を示している。1バッチ目の第1鉱石層は、炉壁から炉中心までの全域わたり形成され、そのうちの炉壁から距離xまでの領域内に高結晶水鉱石の堆積層が形成されており、続く2バッチ目の第2鉱石層は、炉壁から距離xまでの領域内に高結晶水鉱石を含む堆積層が形成された状態である。
一方、高結晶水鉱石は、強度が低く粉化し易い反面、被還元性に優れるため、粒径が5mm以上40mm以下の小中塊コークスと混合することにより、塊状帯での反応効率が向上する。塊状帯で反応効率が向上する理由は、鉱石に混合した小中塊コークスは反応開始温度が低く、高炉の熱保存帯と呼ばれる場所の温度が低下することにより、鉱石の反応速度が上昇するためである。この効果は、特に被還元性が良好なときに顕著であるため、高結晶水鉱石と小中塊コークスを混合することが極めて有効である。
また、高結晶水鉱石は、高温で収縮し融着帯での通気性を悪化させる。その対策として高結晶水鉱石に小中塊コークスを混合すれば、融着帯の収縮が抑制され、融着帯での通気性を改善することができる。
これに加え、高結晶水鉱石に小中塊コークスを混合した場合、堆積層内の小中塊コークスが優先的にソリューションロス反応を生じるため、他のコークス層の劣化が抑制されることを利用して、コークススリットでのコークス粒径を確保し、融着帯での通気性を改善することができる。
高結晶水鉱石に混合する小中塊コークスの混合比率h[質量%]は、下記(b)式により求められ、以下の点を踏まえてその適正範囲を規定する必要がある。すなわち、小中塊コークスを多量に混合することにより、炉壁ガス流れが過多になり、これに伴って炉壁近傍で壁側ガス利用率が低下することから、壁側ガス利用率が低下し過ぎない限界を混合比率hの上限とする。その一方で、高結晶水鉱石の使用に際し、シャフト部および融着帯での通気性悪化に対して小中塊コークスの混合に伴う緩和効果が生じ、かつ壁側ガス利用率が低下し過ぎない限界を混合比率hの下限とする。
具体的には、小中塊コークスの混合比率hは、下記(c)式の条件を満足するのが適正である。
h=B/(A+B)×100 ・・・(b)
ただし、(b)式中で、Aは混合物中の高結晶水鉱石量[t]、Bは混合物中の小中塊コークス量[t]を示す。
5≦h≦20 ・・・(c)
本発明は、上記の知見に基づいて完成されたものであり、その要旨は、下記の高炉の操業方法にある。すなわち、鉄源とコークスとを交互に炉頂から装入する高炉の操業方法であって、前記鉄源の一部として結晶水を4質量%以上含有する高結晶水鉱石を用い、この高結晶水鉱石を高炉内に装入するに際し、前記高結晶水鉱石に、粒径が5mm以上40mm以下の小中塊コークスを、下記(1)式の条件を満足する混合比率h[質量%]で混合し、その混合物を高炉内に装入して、下記(2)式の条件を満足する、炉壁から半径方向で距離x[m]までの領域内に堆積させることを特徴とする高炉の操業方法。
5≦h≦20 ・・・(1)
x/R<0.3 ・・・(2)
ただし、上記(2)式中で、Rは高炉の炉口半径を示す。
上記の操業方法では、鉄源の装入を2バッチに分割して行う場合、1バッチ目では、前記高結晶水鉱石を用いることなく鉄源を高炉内に装入して、炉壁から炉中心までの全域にわたり堆積させ、2バッチ目で、前記(1)式の条件を満足する前記混合物を高炉内に装入して、前記(2)式の条件を満足する領域内に堆積させる構成とすることができる。
本発明の高炉の操業方法によれば、鉱石類(鉄源)の一部として、高結晶水鉱石に規定の混合比率で小中塊コークスを混合するとともに、その混合物を規定の堆積位置に装入することにより、高炉シャフト部および融着帯の通気性の悪化、並びにガス利用率の低下を抑制することができ、高結晶水鉱石の使用量を増加することが可能となる。しかも、小中塊コークスの配合比率の調整、およびそれらの混合物の高炉内堆積位置の調整は、いずれも高炉操業プロセス単独で行え、随時測定可能な指標に基づいて容易に行える。
高炉内での高結晶水鉱石の好適な堆積位置を示す模式図である。 実施例の試験結果による小中塊コークスの混合比率と壁側ガス利用率との相関を示す図である。 実施例の試験結果による小中塊コークスの混合比率と高炉内通気抵抗指数との相関を示す図である。
上記の通り、本発明の高炉の操業方法は、鉄源の一部として高結晶水鉱石を用い、この高結晶水鉱石を高炉内に装入するに際し、前記高結晶水鉱石に、粒径が5mm以上40mm以下の小中塊コークスを、上記(1)式の条件を満足する混合比率h[質量%]で混合し、その混合物を高炉内に装入して、上記(2)式の条件を満足する、炉壁から半径方向で距離x[m]までの領域内に堆積させる高炉の操業方法である。以下に、本発明の操業方法を上記のように規定した理由および好ましい態様について説明する。
1.高結晶水鉱石への小中塊コークスの混合比率
小中塊コークスの混合比率は、炉内半径方向の複数個所で炉内ガス分析して得られるガス利用率のうち、炉壁近傍の壁側ガス利用率から判断し適正範囲を規定する。具体的には、壁側ガス利用率が40.0%以上となるような混合比率を規定する。
ここで、壁側ガス利用率は、ガスサンプラーにて採取した炉壁近傍の炉内ガスの分析値に基づき、下記(d)式により算出される比率であり、その値が大きいほど反応効率が高いことを意味する。
ガス利用率=CO2[%]/(CO[%]+CO2[%])×100 ・・・(d)
ただし、上記(d)式中の単位「%」は「体積%」を表す。
小中塊コークスの混合比率の適正範囲を規定するのに、壁側ガス利用率が40.0%以上であることを指標としているのは、実操業での経験により、それが40.0%未満では、還元材比(微粉炭比)が増加したり、炉内ガス流れが不安定となり、Bガス振りが発生することがあるためである。なお、Bガス振りとは、炉内での局所的な荷下がり異常やガス流れ異常により反応効率が変化し、炉頂部の排ガス量が急激に増減する現象である。
小中塊コークスの混合比率が壁側ガス利用率に及ぼす影響としては、以下のケースが考えられる。小中塊コークスの混合比率が低過ぎる場合は、反応効率が悪化し、これに伴ってガス利用率が低下する。小中塊コークスの混合比率が高すぎる場合は、反応効率が飽和して小中塊コークスが過多となり、これに伴ってガス利用率が低下する。
図2は、後述する実施例の試験結果による小中塊コークスの混合比率と壁側ガス利用率との相関を示す図である。同図中、三角印は後述する実施例1の試験結果を示し、丸印は後述する実施例2の試験結果を示している。
同図から、高結晶水鉱石への小中塊コークスの混合比率hが5〜20質量%の範囲内であれば、壁側ガス利用率を40.0%以上に確保することができ、安定した操業を行えることが明らかである。このため、小中塊コークスの混合比率hを上記(1)式の通りに規定した。
2.高結晶水鉱石と小中塊コークスとの混合物の堆積位置
図3は、後述する実施例の試験結果による小中塊コークスの混合比率と高炉内通気抵抗指数との相関を示す図である。同図中、三角印は後述する実施例1の試験結果を示し、丸印は後述する実施例2の試験結果を示している。また、同図中、混合比率が15質量%のときの黒抜き三角印および黒抜き丸印は、高結晶水鉱石と小中塊コークスとの混合物を高炉内に装入し、その堆積位置が上記(2)式の範囲を超える場合の試験結果を示している。
図3において、高炉内通気抵抗指数(KR)は、下記(e)式により算出される指数であり、その値が小さいほど炉内通気性が良好なことを示す。
KR=(PB−PT)/L/(kμβρ1-β2-β) ・・・(e)
ここで、KRは高炉内通気抵抗指数[1/m]、PBおよびPTはそれぞれ送風圧力および炉頂圧力[Pa]、Lは羽口と炉頂間の距離[m]、βおよびkはガス流れの形態などにより定まる定数、μはガスの粘度[Pa・s]、ρはガスの密度[kg/m3]、そしてuは炉内のガス流速[m/s]をそれぞれ表す。
同図から、小中塊コークスの混合比率hが5〜20質量%の範囲内であり、かつ、その混合物の高炉内での堆積位置が上記(2)式の範囲内であれば、高炉内通気抵抗指数を14500[1/m]未満に抑えることができ、良好な炉内通気性を確保できることが明らかである。このため、混合物の堆積位置を上記(2)式の範囲内に規定した。
また、同図において、白抜き丸印は、鉱石類の装入を2バッチに分割し、2バッチ目で混合物の装入を行った場合の結果を示しており、装入を分割することなく1バッチで混合物の装入を行った場合の白抜き三角印で示す結果と比較して、高炉内通気抵抗指数が低く、より炉内通気性の改善を実現することができる。すなわち、鉱石類の装入を2バッチに分割して行う場合、1バッチ目では、高結晶水鉱石を含まない鉱石類を高炉内に装入して、炉壁から炉中心までの全域にわたり堆積させ、2バッチ目で、上記(1)式の条件を満足する混合物を高炉内に装入して、上記(2)式の条件を満足する領域内に堆積させることが好ましい。
3.小中塊コークスの粒径
小中塊コークスとして、粒径が5mm以上40mm以下のものを用いる理由は、その範囲内であれば高炉内を降下する間に高結晶水鉱石との還元反応が効率よく行われ、かつ、コークスとして必要量を確保できるからである。
本発明の高炉の操業方法による効果を確認するため、炉内容積が5370m3の高炉で試験操業を行い、その結果を評価した。試験操業は、出銑比:2.1t/d/m3、鉱石類とコークスの質量比(Ore/Coke):4.4、微粉炭吹込量:120kg/t−pig、コークスベース:3.1tを基準条件として、同一操業条件にて5日間の継続操業を行い、その後、次の操業条件による操業に移行して5日間の継続操業を行った。
鉱石類の装入に際し、その一部として高結晶水鉱石を用い、高結晶水鉱石への小中塊コークスの混合比率、およびその混合物の堆積位置を種々に変更して操業を行った。その際、実施例1として、混合物を含む鉱石類の1チャージ(ch)を1バッチで装入し、実施例2として、その装入を2バッチに分割して行い、1バッチ目では高結晶水鉱石および小中塊コークスを含まない鉱石類を装入し、2バッチ目で混合物を含む鉱石類の装入を行った。試験操業条件および操業結果を表1に示す。
Figure 2010280926
試験結果は、表1の欄外に示した通りの条件で、壁側ガス利用率および高炉内通気抵抗指数の値によりA〜Eの5段階に区分して評価した。
<実施例1の試験結果>
試験番号T1〜T15は、高結晶水鉱石と小中塊コークスの混合物を含む鉱石類を1バッチで装入した実施例1の試験である。そのうちで、試験番号T1〜T6は、本発明で規定する範囲を満足する本発明例の試験であり、試験番号T7〜T15は、本発明で規定する範囲を外れた比較例の試験である。
本発明例である試験番号T1〜T3は、装入する鉱石類1chあたりの高結晶水鉱石の配合比率を7.6tと一定にし、本発明で規定する範囲内で小中塊コークスの混合比率および堆積位置を変更して試験を行ったものである。また、試験番号T4〜T6は、小中塊コークスの混合比率および堆積位置の変更条件を試験番号T1〜T3と同様とし、高結晶水鉱石の配合比率を9.5tに増加したものである。
一方、比較例である試験番号T7〜T12は、試験番号T1〜T3と同様に、高結晶水鉱石の配合比率を7.6tと一定にしたものであるが、小中塊コークスの混合比率および堆積位置を本発明の規定範囲外で変更して試験を行ったものである。また、試験番号T13〜T15は、さらに高結晶水鉱石の配合比率を増加し、小中塊コークスの混合比率および堆積位置を本発明の規定範囲外で変更したものである。
本発明例の試験番号T1〜T6のいずれも、本発明で規定する範囲を満足するため、塊状帯における高結晶水鉱石の反応促進効果、および融着帯における通気抵抗の低減効果が発揮され、その結果、ガス利用率が高く、同時に通気抵抗指数も低くなり、炉内通気性が良好であった。そのうちで、試験番号T4〜T6は、試験番号T1〜T3に比べ、高結晶水鉱石の配合比率を増加したことに伴い、通気抵抗指数が高くなる傾向となった。
これらに対し、比較例の試験番号T7〜T10、T13およびT14は、小中塊コークスの混合比率が本発明の規定範囲外であるため、ガス利用率が低下した。試験番号T11、T12およびT15は、混合物の堆積位置が本発明の規定範囲外であるため、通気抵抗指数が上昇した。通気抵抗の上昇傾向は、高結晶水鉱石の配合比率の増加に伴い著しくなった。
<実施例2の試験結果>
試験番号T16〜T30は、高結晶水鉱石と小中塊コークスの混合物を2バッチ目で装入した実施例2の試験である。そのうちで、試験番号T16〜T21は、2バッチ目の装入において、実施例1の本発明例の試験と同様に、本発明の規定範囲内で小中塊コークスの混合比率等を変更した本発明例の試験である。試験番号T22〜T30は、2バッチ目の装入において、実施例1の比較例の試験と同様に、本発明の規定範囲外で小中塊コークスの混合比率等を変更した比較例の試験である。
本発明例の試験番号T16〜T21のいずれも、実施例1の本発明例の試験番号T1〜T6よりさらに、ガス利用率および通気抵抗指数がともに優れた結果となった。
これらに対し、比較例の試験番号T22〜T30は、実施例1の比較例の試験番号T7〜T15と同様またはそれ以下の結果となった。
以上の実施例1および2の試験結果から、本発明で規定する範囲を満足する条件で高結晶水鉱石を含む鉱石類を装入することにより、高炉内の通気性の悪化およびガス利用率の低下を抑制でき、高結晶水鉱石の使用量を増加できることが明らかになった。その効果は、高結晶水鉱石を含む鉱石類を2バッチ目で装入することにより、一層発揮されることも明らかになった。
本発明の高炉の操業方法によれば、鉱石類(鉄源)の一部として高結晶水鉱石を用い、この高結晶水鉱石に規定の混合比率で小中塊コークスを混合するとともに、その混合物を規定の堆積位置に装入することにより、高炉内(シャフト部および融着帯)の通気性の悪化およびガス利用率の低下を抑制することができ、高結晶水鉱石の使用量を増加することが可能となる。しかも、高結晶水鉱石への小中塊コークスの配合比率の調整、およびそれらの混合物の高炉内堆積位置の調整は、いずれも高炉操業プロセス単独で行え、随時測定可能なガス利用率や高炉内通気抵抗指数といった指標に基づいて容易に行える。

Claims (2)

  1. 鉄源とコークスとを交互に炉頂から装入する高炉の操業方法であって、
    前記鉄源の一部として結晶水を4質量%以上含有する高結晶水鉱石を用い、この高結晶水鉱石を高炉内に装入するに際し、
    前記高結晶水鉱石に、粒径が5mm以上40mm以下の小中塊コークスを、下記(1)式の条件を満足する混合比率h[質量%]で混合し、
    その混合物を高炉内に装入して、下記(2)式の条件を満足する、炉壁から半径方向で距離x[m]までの領域内に堆積させることを特徴とする高炉の操業方法。
    5≦h≦20 ・・・(1)
    x/R<0.3 ・・・(2)
    ただし、上記(2)式中で、Rは高炉の炉口半径を示す
  2. 鉄源の装入を2バッチに分割して行う場合、
    1バッチ目では、前記高結晶水鉱石を用いることなく鉄源を高炉内に装入して、炉壁から炉中心までの全域にわたり堆積させ、
    2バッチ目で、前記(1)式の条件を満足する前記混合物を高炉内に装入して、前記(2)式の条件を満足する領域内に堆積させることを特徴とする請求項1に記載の高炉の操業方法。
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