JP2010280754A - ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリアミド樹脂組成物からなる結晶化速度を加速させることなく、透明性を損なうことなく、ガスバリヤー性に非常に優れたフィルム、シートおよび薄肉中空容器用の樹脂組成物とそれを成形して得られる成形品等を提供する。
【解決手段】キシリレンジアミン又はビス(アミノメチル)シクロヘキサンを70モル%以上含むジアミン成分と、炭素数4〜20の脂肪族ジカルボン酸を70モル%以上含むジカルボン酸成分から形成されるポリアミド(X)100重量部に対して、ビス(ベンジリデン)ソルビトールおよびビス(アルキルベンジリデン)ソルビトールから選ばれる1種以上のビス(ベンジリデン)ソルビトール(A)を0.005〜2重量部添加した樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

2軸延伸フィルム、深絞りカップなどの成形性を低下させず、透明性を損なうことなく、ガスバリヤー性に非常に優れたポリアミド樹脂組成物に関するものである。
塩素を含まないガスバリヤー性樹脂としては、ナイロン6やポリメタキシリレンアジパミド(以下、N−MXD6と略することがある)といったポリアミド樹脂やエチレンビニル共重合体(以下EVOHと略することがある)が知られており、なかでもポリメタキシリレンアジパミドは酸素バリヤー性、特に高湿度環境下やボイルやレトルト処理といった加熱殺菌処理後の酸素バリヤー性に優れ、且つ高い機械的性能を有しているので、食品包装用材料として好適であり、ポリエチレンテレフタレートとメタキシリレンアジパミドとの多層ボトルやブレンドボトルとしてや、延伸フィルム、ポリオレフィンといったベースフィルムと積層したものや、ナイロン6といった他材と混合して利用されている。
しかしながら、N-MXD6は、非晶で無延伸または非晶で低倍率の延伸状態では、ガラス転移温度以上に加熱された際、高湿度雰囲気下での保存中、あるいは水や沸騰水に接触した際に白化・結晶化し、透明性が低下する。このため、ボイル・レトルト殺菌用途などの高湿度雰囲気下での利用あるいは水に接触する状態での利用に制約があった。特に、フィルムやシート用に使用するために溶融重合後、更に固相重合したN−MXD6は、結晶化速度が遅くなるため、白化・結晶化し易く、白化・結晶化したN−MXD6は機械的性能、特に耐衝撃性が低下するという問題があった。
特許文献1においては、N−MXD6に結晶化速度の速い特定の他のポリアミド(例えばナイロン6)を混合した組成物を開示した。このポリアミド樹脂組成物より得られるフィルム、シートは、柔軟性があり、高湿度雰囲気下においても優れた透明性を保つという優れた特徴を有するが、一方、他のポリアミドを混合することによりN−MXD6単独の場合と比較し、ガスバリヤー性が低下するという問題点があった。
また、非特許文献1には、ナイロン6中に粘土鉱物が分子サイズで分散し、かつナイロン6と粘土がイオン結合している複合材料、いわゆるナイロン6−粘土ハイブリッドにおいては、球晶の成長が粘土の層により妨げられて球晶の大きさが可視光の波長以下に制御されるため、可視光の透過率が通常のポリアミドより増大すると記載されている。同じ結晶性ポリアミドであるN−MXD6においても同様な効果が期待できるが、その効果発現のためには粘土鉱物を1%添加する必要がある。しかし、粘土鉱物を1%以上添加したN−MXD6から成形されたフィルム、シート等は衝撃強度が低下するなど機械的性能が不充分である。
同様の無機物として、タルク、マイカなどをN−MXD6にブレンドすることでも、ボイル・レトルト後の白化改善が可能であるが、結晶化速度が無添加のN−MXD6と比べて2倍以上加速されるため、高い成形サイクルを求められる射出成形用途では良いが、延伸フィルム、シートから成形される深絞りカップなどでは、結晶化速度が速すぎると、結晶化により、フィルムやシートの延伸ができなくなり、破断したり、伸びムラなど、成形性が極端に低下するといった問題がある。
特許文献2において、ポリアミドMXD6にエチレンビスステアリルアミドなどの特定の脂肪酸と特定のジアミンあるいは特定のジオールから得られるジアミド化合物あるいはジエステル化合物を特定量添加混合した組成物から得たフィルム、シート及び中空容器は、非晶で無延伸または非晶で低倍率の延伸状態であっても、高湿度雰囲気下での保存中や、水、特に沸水との接触の際の白化が少なく、透明性を維持できるが、本発明には、酸素などのバリヤー性が改善することまでは、明記されていない。
特許文献3などに知られるアルキル置換芳香族アルデヒド、および関連するアセタールで作られうるようなビス(ジベンジリデン)ソルビトールアセタールからなるポリプロピレン用結晶核剤が知られている。これらの有機系結晶核剤は、非特許文献2で示されているように結晶核剤がポリプロピレン中に相溶し、ナノメートルレベルのネットワーク構造を構築し、このネットワークを核としてナノメートルオーダーのポリプロピレンの球晶が成長することが知られている。ナノレベルの結晶サイズであるため、透明性に優れ、ポリプロピレンの透明性を改善するために広く使われている。しかしながらこれらのビス(ジベンジリデン)ソルビトールアセタールは、ポリアミドなどの重縮合樹脂組成物への透明性改善効果があることやバリヤー性改善効果があることは明記されていない。
特開平4−198329号公報 特開2000−248176号公報 特開平3−169882号公報
「新素材」誌1996年12月号17頁 Macromolecules Vol.36,No.14.2003
本発明の目的は、延伸フィルムや深絞りカップなどの成形性を低下させる結晶化速度を加速させることなく、ガスバリヤー性に非常に優れたポリアミド樹脂組成物に関するものである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ビス(ベンジリデン)ソルビトールやその誘導体をN−MXD6、N−MXD6と他のポリアミド(ナイロン6など)とのブレンド組成物やポリエチレンテレフタレートとN−MXD6とのブレンド組成物などの重縮合樹脂組成物に添加することにより上記課題を解決できることを見出し、本発明に至った。
即ち本発明は、キシリレンジアミン又はビス(アミノメチル)シクロヘキサンを70モル%以上含むジアミン成分と、炭素数4〜20の脂肪族ジカルボン酸を70モル%以上含むジカルボン酸成分から形成されるポリアミド(X)100重量部に対して、ビス(ベンジリデン)ソルビトールおよびビス(アルキルベンジリデン)ソルビトールから選ばれる1種以上のビス(ベンジリデン)ソルビトール(A)を0.005〜2重量部添加した樹脂組成物、並びに該樹脂組成物を用いた成形体に関する。
本発明の樹脂組成物は、延伸フィルムや深絞りカップなどの成形性を保持し、透明性を損なうことなく、ガスバリヤー性に非常に優れている。
本発明で用いるビス(ベンジリデン)ソルビトール(A)は、ビス(ベンジリデン)ソルビトールおよびビス(アルキルベンジリデン)ソルビトールから選ばれるもので、ソルビトールとベンズアルデヒドもしくはアルキル置換ベンズアルデヒドがアセタール化反応によって生成する縮合生成物(ジアセタール)であり、いくつかの当該分野で知られている種々の技術によって都合よく調製することができる。ここで、アルキルは鎖状でも環状でもよく、飽和でも不飽和でもよい。一般的にこのような方法では、酸触媒の存在下における1モルのD−ソルビトールと約2モルのアルデヒドとの反応が用いられる。そのときの反応温度は、反応の出発原料に用いられるアルデヒドの特性(融点等)に応じて広範囲に変化する。反応媒質は、水系媒質であっても、非水系媒質であってもよい。本発明で使用するジアセタールを調製するために用いうる一つの好ましい方法は、米国特許第3,721,682号明細書に記載されている。この開示内容はベンジリデンソルビトール類に限定されているが、本発明で使用するビス(アルキルベンジリデン)ソルビトールもそこに記載された方法によって都合よく製造され得る。
ビス(ベンジリデン)ソルビトール(A)の具体例としては、ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(p−エチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(N−プロピルベンジリデン)ソルビトール、ビス(p−イソプロピルベンジリデン)ソルビトール、ビス(p−イソブチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(2,4−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(3,4−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(2,4,5−トリメチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(2,4,6−トリメチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(4−ビフェニルベンジリデン)ソルビトール等が挙げられる。
ビス(ベンジリデン)ソルビトール(A)を調製するのに好適なアルキル置換ベンズアルデヒドの例としては、p−メチルベンズアルデヒド、N−プロピルベンズアルデヒド、p−イソプロピルベンズアルデヒド、2,4−ジメチルベンズアルデヒド、3,4−ジメチルベンズアルデヒド、2,4,5−トリメチルベンズアルデヒド、2,4,6−トリメチルベンズアルデヒド、4−ビフェニルベンズアルデヒドが挙げられる。
本発明で用いるポリアミドは、キシリレンジアミン又はビス(アミノメチル)シクロヘキサンを70モル%以上含むジアミン成分と、炭素数4〜20の脂肪族ジカルボン酸を70モル%以上含むジカルボン酸成分から形成されたポリアミド(以下、「ポリアミド(X)」と称す場合がある)である。キシリレンジアミンとしては、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン等が例示されるが、メタキシリレンジアミンが好ましい。ビス(アミノメチル)シクロヘキサンとしては、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン等が例示される。キシリレンジアミンとビス(アミノメチル)シクロヘキサンは合計で70モル%以上となる範囲で併用してもよい。
本発明において、キシリレンジアミン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン以外のジアミンとして、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン、パラフェニレンジアミン等の芳香族ジアミン等が例示できるが、これらに限定されるものではない。
本発明において、使用される炭素数4〜20の脂肪族ジカルボン酸の例としては、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、アジピン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸等の脂肪族ジカルボン酸が例示できるが、これら中でもアジピン酸が好ましい。本発明では、30モル%を超えない範囲で上記以外のジカルボン酸、例えば、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸を使用することができる。
上記以外のポリアミド形成化合物としては、特に限定されないが、カプロラクタム、バレロラクタム、ラウロラクタム、ウンデカラクタム等のラクタムや、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸等のアミノカルボン酸を挙げることが出来る。
ポリアミド(X)は、リン原子含有化合物を添加して溶融重縮合(溶融重合)法により製造されることが好ましい。溶融重縮合法としては、例えばジアミン成分とジカルボン酸成分からなるナイロン塩を水の存在下に、加圧下で昇温し、加えた水および縮合水を除きながら溶融状態で重合させる方法がある。また、ジアミン成分を溶融状態のジカルボン酸成分に直接加えて、重縮合する方法によっても製造される。この場合、反応系を均一な液状状態に保つために、ジアミン成分をジカルボン酸成分に連続的に加え、その間、反応温度が生成するオリゴアミドおよびポリアミドの融点よりも下回らないように反応系を昇温しつつ、重縮合が進められる。
ポリアミド(X)の重縮合系内に添加されるリン原子含有化合物としては、ジメチルホスフィン酸、フェニルメチルホスフィン酸、次亜リン酸、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸リチウム、次亜リン酸エチル、フェニル亜ホスホン酸、フェニル亜ホスホン酸ナトリウム、フェニル亜ホスホン酸カリウム、フェニル亜ホスホン酸リチウム、フェニル亜ホスホン酸エチル、フェニルホスホン酸、エチルホスホン酸、フェニルホスホン酸ナトリウム、フェニルホスホン酸カリウム、フェニルホスホン酸リチウム、フェニルホスホン酸ジエチル、エチルホスホン酸ナトリウム、エチルホスホン酸カリウム、亜リン酸、亜リン酸水素ナトリウム、亜リン酸ナトリウム、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリフェニル、ピロ亜リン酸等が挙げられ、これらの中でも特に次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸リチウム等の次亜リン酸金属塩がアミド化反応を促進する効果が高く、かつ着色防止効果にも優れるため好ましく用いられ、特に次亜リン酸ナトリウムが好ましい。本発明で使用できるリン原子含有化合物はこれらの化合物に限定されない。
ポリアミド(X)の重縮合系内に添加するリン原子含有化合物の添加量は、ポリアミド(X)中のリン原子濃度換算で50〜400ppmであることが好ましく、より好ましくは60〜350ppmであり、さらに好ましくは70〜300ppmである。
また、ポリアミド(X)の重縮合系内には、リン原子含有化合物と併用してアルカリ金属化合物を添加することが好ましい。重縮合中のポリアミドの着色を防止するためにはリン原子含有化合物を十分な量存在させる必要があるが、場合によってはポリアミドのゲル化を招く恐れがあるため、アミド化反応速度を調整するためにもアルカリ金属化合物を共存させることが好ましい。アルカリ金属化合物としては、アルカリ金属水酸化物やアルカリ金属酢酸塩が好ましい。本発明で用いることのできるアルカリ金属化合物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸ルビジウム、酢酸セシウム等が挙げられるが、これらの化合物に限定されることなく用いることができる。
溶融重縮合で得られたポリアミド(X)は一旦取り出され、ペレット化された後、乾燥して使用される。また更に重合度を高めるために固相重合しても良い。乾燥乃至固相重合で用いられる加熱装置としては、連続式の加熱乾燥装置やタンブルドライヤー、コニカルドライヤー、ロータリードライヤー等と称される回転ドラム式の加熱装置およびナウタミキサーと称される内部に回転翼を備えた円錐型の加熱装置が好適に使用できるが、これらに限定されることなく公知の方法、装置を使用することができる。特にポリアミドの固相重合を行う場合は、上述の装置の中で回分式加熱装置が、系内を密閉化でき、着色の原因となる酸素を除去した状態で重縮合を進めやすいことから好ましく用いられる。
上述の工程を経て得られるポリアミド(X)は着色が少なく、ゲルの少ないものであるが、本発明では上述の工程を経て得られたポリアミドのうち、JIS−K−7105の色差試験におけるb値が3以下のものが好ましく用いられ、特に好ましくは2以下のものであり、さらに好ましくは1以下のものである。ポリアミドのb値が3を超えるものは、後加工によって得られる成形品が黄色味がかったものとなり、その商品価値は低いものとなるため好ましくない。
ポリアミド(X)は、少なくともリン原子含有化合物の存在下で重縮合が行われることが好ましい。本発明においては溶融重縮合の段階でリン原子含有化合物を添加することが好ましい。この段階で系内にリン原子含有化合物が存在しないと得られるポリアミドは黄色く着色したものとなったり、さらにはアミド化反応速度が遅くなってしまうために、例えば包装材料として利用可能な重合度まで重縮合を進めようとすると熱履歴が増大してポリアミドのゲル化、着色を招く恐れがある。
ポリアミド(X)の重合度の指標としてはいくつかあるが、相対粘度は一般的に使われるものである。ポリアミド(X)において好ましい相対粘度は1.5〜4.2であり、より好ましくは1.7〜4.0、さらに好ましくは2.0〜3.8である。ポリアミド(X)相対粘度が1.5未満の場合には、溶融したポリアミドの流動性が不安定になりやすく成形品の外観が悪化することがある。またポリアミド(X)の相対粘度が4.2を超えると、ポリアミドの溶融粘度が高すぎて成形加工が不安定になることがある。
尚、ここで言う相対粘度は、ポリアミド1gを96%硫酸100mLに溶解し、キャノンフェンスケ型粘度計にて25℃で測定した落下時間(t)と、同様に測定した96%硫酸そのものの落下時間(t0)の比であり、次式で示される。
相対粘度=t/t0 ・・・(イ)
本発明の樹脂組成物は、ポリアミド(X)100重量部に対して、少なくともビス(ベンジリデン)ソルビトール(A)を0.005〜2重量部、好ましくは0.2〜0.8重量部添加した樹脂組成物である。
本発明の樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリアミド(X)以外のポリアミドやポリエステルのような熱可塑性樹脂をブレンドしてもよい。
ポリアミド(X)以外のポリアミドとしては、ナイロン4、ナイロン6、ナイロン10、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン4,6、ナイロン6,6、ナイロン6,10などを好適に使用することが出来る。
本発明の樹脂組成物にブレンドする好ましいポリエステルをとしては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合樹脂、ポリエチレン−1,4−シクロヘキサンジメチレン−テレフタレート共重合樹脂、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキレート樹脂、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート−テレフタレート共重合樹脂、ポリエチレン−テレフタレート−4,4' −ビフェニルジカルボキシレート樹脂、ポリ−1,3−プロピレン−テレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート樹脂等がある。より好ましいポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂およびポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート樹脂が挙げられる。
本発明の樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で艶消剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、核剤、可塑剤、難燃剤、帯電防止剤、着色防止剤、ゲル化防止剤等の添加剤、層状珪酸塩等のクレイやナノフィラー等を加えることもできるが、以上に示したものに限定されることなく、種々の材料を混合しても良い。また、パラt−ブチル安息香酸、リン系の透明化結晶核剤、ロジンアミド系のゲル化剤など他の透明性改善を補助する添加剤を併用しても良い。
また、本発明の樹脂組成物には、その性質を本質的に変化させない範囲で、ポリエチレンテレフタレート製品回収物、少量のイソフタル酸成分単位を含む変性ポリエチレンテレフタレート製品回収物、ポリアミド製品回収物、および/または成形品製造時の端材、および規格外物等のポリエステルおよび/またはポリアミド樹脂回収物を添加してもよい。
本発明の樹脂組成物を構成する各成分をブレンドする際は、ブレンド方法に制約はなく、公知のブレンド方法を利用できる。例えば、ポリアミド(X)もしくは、ポリアミド(X)と他のポリアミド又はポリエステルにビス(ベンジリデン)ソルビトール(A)を添加して押出機内で混合することで所望の樹脂組成物を得ることができる。また、最大30重量%程度のビス(ベンジリデン)ソルビトール(A)を添加したポリアミドもしくはポリエステルをベースのマスターバッチを作成し、これとポリアミドもしくはポリエステルと混合しても良い。
本発明の樹脂組成物を成形することで、ガスバリヤー性、色調、透明性に優れたフィルム、シート、薄肉中空容器等の成形体が得られる。該成形体は、本発明の樹脂組成物からなる単層構造でも、ポリオレフィン、ポリエステル等の熱可塑性樹脂や他の材料を積層した多層構造でもよい。これらの成形体は、食品、飲料、薬品、電子部品等の包装材料または、自動車などの燃料容器として利用できる。
以下に実施例、および比較例を示し、本発明を具体的に説明する。なお本発明における評価のための測定は以下の方法によった。
(1)ポリアミド樹脂の相対粘度
ポリアミド樹脂1gを精秤し、96%硫酸100mlに20〜30℃で攪拌溶解した。完全に溶解した後、速やかにキャノンフェンスケ型粘度計に溶液5ccを取り、25℃の恒温漕中で10分間放置後、落下速度(t)を測定した。また、96%硫酸そのものの落下速度(t0 )も同様に測定した。tおよびt0 から次式(イ)により相対粘度を算出した。
相対粘度=t/t0 (イ)
(2)曇値:Haze(%)
JIS−K−7105に準じた。ボトルの場合、胴部より切り出したシート(厚み約300〜400ミクロン)について、日本電色工業社製の曇値測定装置(型式:COH−300A)にて測定し、300ミクロンあたりの曇値として換算した。フィルムに関しては(厚み約100ミクロン)については、100ミクロンあたりの曇値として換算した。
(3)DSC
(株)島津製作所製、DSC-60を用い、昇温速度10℃/分で窒素気流下にて10℃〜260℃DSC測定(示差走査熱量測定)を行い、融解に起因する吸熱ピークから融点を求めた。
(4)半結晶化時間
半結晶化時間測定装置MK701(コタキ製作所)を用い、脱偏光強度法によって100ミクロンのフィルムを5枚重ねたものを260℃の熱風環境で3分間溶融した後、160℃のオイルバスにて結晶化させたときの半結晶化時間を求めた。
(5)酸素透過率:OTR
ASTM D3985に準じた。測定装置は、モダンコントロールズ社製(型式:OX−TRAN 2/21SH)のものを使用した。測定条件は、ボトルOTR(cc/(0.21atm・bottle・day))及びカップOTR(cc/(0.21atm・package・day))の場合、温度:23℃、相対湿度:ボトル外60%、ボトル内100%、フィルムOTR(cc・mm/(m・day・atm))の場合、温度:23℃、相対湿度:60%にて測定した。
実施例1
(ポリアミドの溶融重合)
攪拌機、分縮器、全縮器、温度計、滴下ロート及び窒素導入管、ストランドダイを備えた内容積50リットルの反応容器に、精秤したアジピン酸15000g(10.6mol)、次亜リン酸ナトリウム5.174g(0.0488mol)、酢酸ナトリウム2.803g(0.0342mol)を入れ、十分に窒素置換した後、さらに少量の窒素気流下で系内を攪拌しながら1 70℃まで加熱した。これにメタキシリレンジアミン13974g(102.6mol)を攪拌下に滴下し、生成する縮合水を系外へ除きながら系内を連続的に昇温した。メタキシリレンジアミンの滴下終了後、内温を260℃として40分反応を継続した。その後、系内を窒素で加圧し、ストランドダイからポリマーを取り出してこれをペレット化し、約24kgのポリアミドを得た。
(ポリアミドの固相重合)
次いで、窒素ガス導入管、真空ライン、真空ポンプ、内温測定用の熱電対を設けたジャケット付きのタンブルドライヤーに前記ポリアミドを仕込み、一定速度で回転させつつ、タンブルドライヤー内部を純度が99容量% 以上の窒素ガスで十分に置換した後、同窒素ガス気流下でタンブルドライヤーを加熱し、約150分かけてペレット温度を150℃ に昇温した。ペレット温度が150℃に達した時点で系内の圧力を1torr以下に減圧した。さらに昇温を続け、約70分かけてペレット温度を200℃まで昇温した後、200℃で30分保持した。次いで、系内に純度が99容量% 以上の窒素ガスを導入して、タンブルドライヤーを回転させたまま冷却して相対粘度が2.6のN−MXD6を得た。
(無延伸フィルムの作製)
得られたN−MXD6ペレット100重量部に対して、ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトール(商品名:ゲルオールMD-LM30 新日本理化製)0.4重量部をドライブレンドし、30mmφ2軸押出機により、押出温度260℃〜270℃、スクリュー回転数70rpm、フィードスクリュー回転数14rpm、引き取り速度1.2m/minで製膜し、巾300mm、厚み95〜105μmの無延伸フィルムを作製した。このフィルムの融点、半結晶化時間、酸素透過係数及び、曇値(Haze)を表1に示した。
(延伸フィルムの作製)
また、同様に、厚み235〜245μmのフィルムを試作し、このフィルムを(株)東洋精機製作所製の二軸延伸装置(テンター法)を用いて、延伸温度130℃ でMD方向に4倍、TD方向に4倍延伸し、210℃で30秒熱固定した2軸延伸フィルムを得た。この2軸延伸フィルムの成形性及び酸素透過係数も表1に示した。
実施例2
ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトールの代わりにビス(p−エチルベンジリデン)ソルビトール(商品名:NC−4 三井化学製)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、無延伸フィルム及び2軸延伸フィルムを作製し、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示した。
実施例3
ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトールの代わりにビス(N−プロピルベンジリデン)ソルビトール(商品名:Millad NX8000 Milliken製)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、無延伸フィルム及び2軸延伸フィルムを作製し、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示した。
実施例4
ビス(N−プロピルベンジリデン)ソルビトールの添加量が0.2重量部であること以外は実施例3と同様の方法で無延伸フィルム及び2軸延伸フィルムを作製し、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示した。
実施例5
ビス(N−プロピルベンジリデン)ソルビトールの添加量が0.8重量部であること以外は実施例3と同様の方法で無延伸フィルム及び2軸延伸フィルムを作製し、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示した。
実施例6
ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトールの代わりにビス(p−イソプロピルベンジリデン)ソルビトール(日本ファインケム製)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、無延伸フィルム及び2軸延伸フィルムを作製し、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示した。
実施例7
ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトールの代わりにビス(p−イソブチルベンジリデン)ソルビトール(日本ファインケム製)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、無延伸フィルム及び2軸延伸フィルムを作製し、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示した。
実施例8
米国特許第3,721,682号明細書に記載の方法に準じて、2,4−ジメチルベンズアルデヒド(三菱ガス化学(株)製)とD−ソルビトールからビス(2,4−ジメチルベンジリデン)ソルビトールを調製した。ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトールの代わりにビス(2,4−ジメチルベンジリデン)ソルビトールを用いた以外は、実施例1と同様の方法で、無延伸フィルム及び2軸延伸フィルムを作製し、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示した。
実施例9
ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトールの代わりにビス(3,4−ジメチルベンジリデン)ソルビトール(商品名:Millad 3988 Milliken製)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、無延伸フィルム及び2軸延伸フィルムを作製し、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示した。
実施例10
米国特許第3,721,682号明細書に記載の方法に準じて、2,4,5−トリメチルベンズアルデヒド(三菱ガス化学(株)製)とD−ソルビトールからビス(2,4,5−トリメチルベンジリデン)ソルビトールを調製した。ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトールの代わりにこのビス(2,4,5−トリメチルベンジリデン)ソルビトールを用いた以外は、実施例1と同様の方法で、無延伸フィルム及び2軸延伸フィルムを作製し、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示した。
実施例11
米国特許第3,721,682号明細書に記載の方法に準じて、2,4,6−トリメチルベンズアルデヒド(三菱ガス化学(株)製)とD−ソルビトールからビス(2,4,6−トリメチルベンジリデン)ソルビトールを調製した。ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトールの代わりにこのビス(2,4,6−トリメチルベンジリデン)ソルビトールを用いた以外は、実施例1と同様の方法で、無延伸フィルム及び2軸延伸フィルムを作製し、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示した。
実施例12
米国特許第3,721,682号明細書に記載の方法に準じて、4−ビフェニルベンズアルデヒド(三菱ガス化学(株)製)とD−ソルビトールからビス(4−ビフェニルベンジリデン)ソルビトールを調製した。ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトールの代わりにこのビス(4−ビフェニルベンジリデン)ソルビトールを用いた以外は、実施例1と同様の方法で、無延伸フィルム及び2軸延伸フィルムを作製し、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示した。
実施例13
実施例1と同様の方法で、イソフタル酸を6mol%共重合したN−MXD6を重合した。この共重合品100重量部に、ビス(N−プロピルベンジリデン)ソルビトール(商品名:Millad NX8000 Milliken製)を5重量部添加したこと以外は、実施例1と同様の方法で、無延伸フィルム及び2軸延伸フィルムを作製し、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示した。
実施例14
実施例1と同様の方法でN−MXD6を重合したもの80重量部と、非晶性ポリアミド樹脂(商品名:シーラPA 3426 三井デュポンポリケミカル製、)20重量部を、ドライブレンドし、混合樹脂を調製した。この混合樹脂100重量部に対して、0.4重量部のビス(N−プロピルベンジリデン)ソルビトール(商品名:Millad NX8000 Milliken製)を実施例1と同様の方法で添加した無延伸フィルム及び2軸延伸フィルムを作製した。この無延伸フィルムの半結晶化時間、酸素透過係数、及び曇値(Haze)と、2軸延伸フィルムの酸素透過係数を表2に示した。
実施例15
実施例1と同様の方法で、イソフタル酸を6mol%共重合したN−MXD6を重合した。この共重合品30重量部とナイロン6(商品名:UBESTA 1024B 宇部興産製)70重量部の混合物にビス(N−プロピルベンジリデン)ソルビトール5重量部をブレンドしたこと以外は、実施例1と同様の方法で無延伸フィルム及び2軸延伸フィルムを作製し、実施例14と同様に評価した。結果を表2に示した。
実施例16
3台の押出機、フィードブロック、Tダイ、冷却ロール、巻き取り機等を備えた多層シート製造装置を用い、1台目の押出機からPP(日本ポリプロ社製、商品名;ノバテックPP、グレード名;FY6、メルトインデックス;2.3)100重量部に0.4重量部のビス(N−プロピルベンジリデン)ソルビトール(商品名:Millad NX8000 Milliken製)を添加したものを240℃で、2台目の押出機から接着性樹脂(三井化学社製、商品名;アドマー、グレード;QB550)を230℃で、3台目の押出機からイソフタル酸を6mol%共重合した以外は実施例1と同様の方法で重合したイソフタル酸6mol%共重合N−MXD6(ガスバリヤー層を形成)100重量部に0.4重量部のMillad NX8000を添加したものを250℃でそれぞれ押し出し、フィードブロックを介してPP層/接着性樹脂層/ガスバリヤー層/接着性樹脂層/PP層の3種5層構造の多層シートを製造した。なお各層の厚みは、425/25/80/25/425(μm)とした。次いで、プラグアシストを備えた真空圧空成形機を使用して、シート表面温度が170℃に達した時点で熱成形を行い、口径62mm×底径52mm×深さ28mm、表面積73cm、容積70mlのカップ状容器を得た。該容器の曇値(Haze)及び酸素透過率を表3に示した。
実施例17
予め150℃で4時間乾燥(除湿乾燥機使用、露点−40℃)し、水分を94ppmに調整したポリエチレンテレフタレート樹脂(Invista社製、グレード:1101E、固有粘度0.80)95重量部に対し、ポリアミドとしてMXナイロン(三菱ガス化学(株)社製、グレードS6007、水分300ppm、相対粘度2.65)5重量部をタンブラーにより混合したもの100重量部に対して、0.4重量部のビス(N−プロピルベンジリデン)ソルビトール(商品名:Millad NX8000 Milliken製)を添加したものを、背圧4.0MPa、スクリュー回転数150rpm、射出速度100cc/sec、樹脂温度280℃、金型温度15℃の条件にてパリソン(長さ96mm、肉厚4.0mm、外形直径22.5mm、重量27g)射出成形した(装置:(株)名機製作所製 M200PDM−MJ)。
このパリソンを、ブロー成形装置((株)フロンティア製EFB1000ET)により二軸延伸ブロー成形して、高さ223mm、同径65mm、容量500mL、平均厚さ約300μmの二軸延伸中空容器を得た。該容器の曇値(Haze)(300μmあたり)及び酸素透過率を表4に示した。
比較例1
ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトールを添加しないこと以外は、実施例1と同様の方法で、無延伸フィルム及び2軸延伸フィルムを作製し、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示した。
比較例2
ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトールの代わりに、粉状タルク(商品名:DG−5000 松村産業製)を添加したこと以外は実施例1と同様の方法で、無延伸フィルムを作製し、実施例1と同様に評価した。同様に2軸延伸フィルムを作製しようとしたが、フィルムが破断したため、OTRの測定ができなかった。結果を表1に示した。
比較例3
ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトールの代わりに、エチレンビスステアリルアマイド(商品名:アルフローH−50T、日本油脂製)を0.1重量部添加したこと以外は実施例1と同様の方法で、無延伸フィルム及び2軸延伸フィルムを作製し、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示した。
比較例4
ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトールの代わりに、ステアリン酸アンモニウム塩で有機化処理したモンモリロナイトを1重量部添加したこと以外は実施例1と同様の方法で、無延伸フィルム及び2軸延伸フィルムを作製し、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示した。
比較例5
ビス(N−プロピルベンジリデン)ソルビトールを添加しないこと以外は実施例13と同様の方法で無延伸フィルム及び2軸延伸フィルムを作製し、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示した。
比較例6
ビス(N−プロピルベンジリデン)ソルビトールを添加しないこと以外は実施例14と同様の方法で無延伸フィルム及び2軸延伸フィルムを作製し、実施例14と同様に評価した。結果を表2に示した。
比較例7
ビス(N−プロピルベンジリデン)ソルビトールを添加しないこと以外は実施例15と同様の方法で無延伸フィルム及び2軸延伸フィルムを作製し、実施例14と同様に評価した。結果を表2に示した。
比較例8
ビス(N−プロピルベンジリデン)ソルビトールをイソフタル酸共重合N−MXD6に添加しないこと以外は、実施例16と同様の方法でカップ状容器を得た。該容器の曇値(Haze)及び酸素透過率を表3に示した。
比較例9
ビス(N−プロピルベンジリデン)ソルビトールを添加しないこと以外は、実施例17と同様の方法でポリエチレンテレフタレートとN−MXD6とのブレンド二軸延伸中空容器を得た。該容器の曇値(Haze)(300μmあたり)及び酸素透過率を表4に示した。
本発明に関わるポリアミド樹脂組成物では2軸延伸フィルム、深絞りカップなどの成形低下に悪影響を及ぼす結晶化速度を加速させることなく、ガスバリヤー性に非常に優れており、その効果は大きい。

Claims (5)

  1. キシリレンジアミン又はビス(アミノメチル)シクロヘキサンを70モル%以上含むジアミン成分と、炭素数4〜20の脂肪族ジカルボン酸を70モル%以上含むジカルボン酸成分から形成されるポリアミド(X)100重量部に対して、ビス(ベンジリデン)ソルビトールおよびビス(アルキルベンジリデン)ソルビトールから選ばれる1種以上のビス(ベンジリデン)ソルビトール(A)を0.005〜2重量部添加した樹脂組成物。
  2. 更にポリアミド(X)以外のポリアミドを含む請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 更にポリエステルを含む請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. ビス(ベンジリデン)ソルビトール(A)が、ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(p−エチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(N−プロピルベンジリデン)ソルビトール、ビス(p−イソプロピルベンジリデン)ソルビトール、ビス(p−イソブチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(2,4−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(3,4−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(2,4,5−トリメチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(2,4,6−トリメチルベンジリデン)ソルビトールおよびビス(4−ビフェニルベンジリデン)ソルビトールから選ばれる1種以上である請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物を用いた成形体。
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