JP2010276564A - 920k過熱蒸気沸騰水型原子炉 - Google Patents

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Abstract

【課題】BWRの核燃料集合体とシュラウドの中を若干改良して過熱蒸気を発生させ発電向上させたい。
【解決手段】現行核燃料集合体の上部構造材材料をステンレスとする。上部核燃料ペレットを細くする。構造材材料繋ぎ部分の核燃料ペレットを細長くする。シュラウド内の過熱蒸気をノズルから混合過熱蒸気管(1013)内に放出することにより、圧力容器上部の飽和蒸気を混合過熱蒸気管(1013)の中に吸引する。
【選択図】 図7

Description

沸騰水型原子炉(BWR)が発生する蒸気を従来圧力の高温過熱蒸気にするための核燃料集合体及び原子炉。
原子炉は、制御された核分裂連鎖反応を持続することのできるように核燃料その他を配置した装置である。原子炉において、核燃料と冷却材が存在し核分裂連鎖反応が活発に行われる部分を炉心と呼んでいる。金属の鞘である被覆管の中に核燃料を内蔵したものを核燃料棒と呼ぶ。核燃料棒の間を冷却材が流れて核燃料が発する熱を受取る。一般に、炉心には多数本の核燃料棒を束にした核燃料集合体を装荷する。
沸騰水型原子炉(BWR)は、核燃料集合体と冷却材からなる炉心で約70気圧の飽和蒸気を圧力容器の中で発生させる。核燃料に核分裂し易いウラン235(U235)を濃縮した濃縮ウランの酸化物またはウランとプルトニウムの混合酸化物(MOX)を用い、核燃料から発生した熱を冷却材である水に伝えて水蒸気に変換する。水蒸気は熱交換器を通さずに圧力容器からそのまま蒸気タービンに送られ発電機を回転させて発電する。蒸気タービンで仕事を終えて低温になった蒸気は復水器で凝縮されて低温の液体の水になり再び圧力容器の中に戻ってくる。
図1はBWRの従来の核燃料棒(31)の概観図である。円筒形状のジルコニウム合金製の被覆管(41)と、この被覆管(41)の上下開口端を気密閉塞する上部端栓(42)及び下部端栓(43)と、被覆管(41)内に長さ約370cmに装填される多数個の核燃料ペレット(44)と、気体の核分裂生成物を蓄積する上部プレナム(48)の中のスプリング(45)とから構成されている。核燃料ペレット(44)は濃縮ウランの酸化物の粉を高さ約1cmで直径約1cmの円柱形にして焼結させたものである。ステンレス製の下部端栓(43)とジルコニウム合金製の被覆管(41)とはTIG溶接されている。
上部プレナム(48)には核燃料ペレット(44)から被覆管(41)への熱の伝わりを良くするために熱伝導率が大きいヘリウムガスを高圧充填している。
核分裂で発生した高速の高速中性子は冷却材である水の分子と衝突すると速度の遅い熱中性子になる。核燃料ペレット(44)中の濃縮ウランのU235は速度の遅い熱中性子によって効率よく核分裂する。MOXの場合は、プルトニウムの中のプルトニウム239(Pu239)は熱中性子によって効率よく核分裂する。
ジルコニウムは熱中性子吸収断面積が非常に小さいから、被覆管(41)材質をジルコニウム合金製としていた。
図2はBWRの炉心に装荷せる核燃料物質を内包する従来の核燃料集合体(30)の概略斜視図である(特許文献1)。多数本の核燃料棒(31)の間隔をスペーサ(34)で正方形に規制する。多数本の核燃料棒(31)の上部端栓(42)を上側結合板(32)で支持し、同様に下部端栓(43)を下側結合板(33)で支持し束ねる。これ等を覆うために断面の1辺が約14cmのジルコニウム合金製の上下開端4角箱型形状のチャンネルボックス(35)で4面を覆って核燃料集合体(30)にする。スペーサ(34)は前記核燃料棒(31)の高さ途中数箇所に敷設する。チャンネルボックス(35)の材質も熱中性子吸収断面積が非常に小さいジルコニウム合金製のジルカロイである。
図3は核燃料集合体(30)を配置せる炉心におけるスペーサ(34)が位置していない高さにおける平面の1部を示した図である。隣接する核燃料集合体(30)の間は漏洩水通路(51)となっていて上下に動ける制御棒(36)が出入りする。出力運転中は大半の制御棒(36)は制御棒駆動機構(72)により操作され原子炉下部に引き抜かれている。
隣接する核燃料棒(31)の間は液体の冷却水が上に流れる冷却水通路(49)となっている。
核燃料棒(31)で発生した熱を冷却するための水は、図2に示した下側結合板(33)の下端から核燃料集合体(30)内に流入する。この流入した水の1部は、チャンネルボックス(35)下端と下側結合板(33)との隙間から漏洩水通路(51)に流れ出る。漏洩水通路(51)の水は中性子速度を減速させる減速材の役目を持つ。
漏洩水通路(51)の水から蒸気ボイドが発生しないように漏洩水通路(51)の水量を増加させるために下側結合板(33)に小さな孔を設けることがある。或いは、次図4の炉心支持板(70)に小さな孔を設けて漏洩水通路(51)の水量を増加させることがある。
図4は従来の沸騰水型原子炉の従来の圧力容器(60)内の概観図である(非特許文献1)。蒸気タービンで仕事を終えた低温低圧の蒸気は復水器で液体の水に凝縮されて給水流(73)となって圧力容器(60)外のポンプで昇圧され給水配管(67)を通って圧力容器(60)の内面壁とシュラウド(39)との間隙のシュラウド外水領域(66)に存在する未飽和に混じり込む。ポンプモータ(38)により回転される冷却材循環ポンプ(37)で下向きに加速されて給水流(73)の数倍の炉心流(74)となり炉心支持板(70)の下にある未飽和の液体水である液体水(71)の中に送水され、大半の炉心流(74)は核燃料集合体(30)下部から核燃料集合体(30)内に流入する。炉心流(74)は核燃料集合体(30)の核燃料棒(31)から熱を吸収して飽和蒸気を発生する。液体である水と気体である飽和蒸気が共存して流れている二相流となって上部に流れる。二相流断面において飽和蒸気が占める割合をボイド率と呼んでいる。ボイド率は核燃料集合体(30)の下部ではゼロであり、中程の高さでは約40%の中ボイド率になっており、上部では約70%の高ボイド率になっている。
核燃料集合体(30)の上部からの飽和蒸気を70%程度含有した点線矢印の二相流と漏洩水通路(51)からの矢印の液体の水とが混合した二相流は気水分離器(65)の中に入り旋回させられることにより、開き矢印の上昇する飽和蒸気と、矢印の下に落ちる水に分離される。上昇した飽和蒸気は水分を若干含んでいるため飽和蒸気乾燥器(62)により、開き矢印の上昇する乾燥した飽和蒸気と、矢印の下に落ちる水に分離される。乾燥した飽和蒸気は、飽和蒸気ドーム(61)から飽和蒸気流(63)となって、飽和蒸気配管(64)から蒸気タービンへ出て行く。蒸気タービンで仕事を終えた低温低圧の蒸気は復水器で液体の水に凝縮され再び圧力容器(60)内に戻る。
飽和蒸気乾燥器(62)内での飽和蒸気は破線で示した。なお、運転圧力約70気圧での飽和蒸気温度は約摂氏286度である。
原子炉出力の制御は、制御棒駆動機構(72)操作により上下に動く制御棒(36)の中性子吸収作用の変化により達成される。制御棒(36)の中性子吸収材はハフニウムとなっている。
:昭61-37591、「核燃料集合体」。 :コロナ社、著者都甲「原子動力」。
新鋭火力発電の蒸気は374気圧以上の超臨界圧で温度約650℃の超臨界圧蒸気である。高温高圧な蒸気ほど熱効率が高い。現行BWRでの蒸気タービンへの蒸気は約70気圧で約286℃の飽和蒸気である。約70気圧を想定した圧力容器(60)を使っている従来の沸騰水型原子炉の構造では原則的に超臨界圧蒸気に対応できない。
超臨界圧蒸気に対応した沸騰水型原子炉を開発するのは容易ではない。設計と製造が可能であっても商用の原子力発電技術は実証主義であるから長期間の実験や実証炉による運転経験の蓄積が必要であるから膨大な年月と費用を要する。
特に開発の難しい大型機器である現行BWRの圧力容器(60)とシュラウド(39)は大幅に変更せずに、核燃料集合体(30)を若干変更して蒸気タービンへの蒸気は約70気圧であるが286℃以上の温度にして熱効率を向上させたい。
約70気圧で286℃の温度で運転することを想定している現行BWRの圧力容器(60)の材質と形状は維持する。すなわち、圧力容器(60)は現行BWR同様に約70気圧の飽和蒸気を内蔵する。
シュラウド(39)も材質と形状をできるだけ現行BWRでのものを維持するが、シュラウド(39)の内側には約70気圧の高温過熱蒸気(286℃以上)を内蔵させる。内側が約70気圧の高温過熱蒸気であっても外側が約70気圧の飽和蒸気であればシュラウド(39)の外側は286℃の飽和蒸気で冷却されているわけであるから、シュラウド(39)の熱的健全性は従来の材質(ステンレス)と形状(円筒形)でも耐えられると考えられる。
蒸気タービンへの蒸気は約70気圧の高温過熱蒸気にできる。
核燃料集合体(30)の下部から冷却材の水を流入させ、上部から高温過熱蒸気を流出させる。
核燃料集合体(30)は286℃以上の高温に耐えられるように金属材料の1部を変更する。
核燃料集合体(30)のほぼ下半分には冷却材温度が286℃の二相流が流れているから高温強度は従来程度でよく熱中性子も十分であるから、被覆管の材料とチャンネルボックスの材料は従来と同じジルコニウム合金製がよい。一方、核燃料集合体のほぼ上半部はボイド率が高くやがて飽和蒸気になり過熱蒸気になり冷却材温度が286℃以上であるから高温強度が問題になり、被覆管の材料とチャンネルボックスの材料はジルコニウム合金製では不十分でありステンレス製がよい。なお、上部ではボイド率が高くやがて過熱蒸気になるから中性子減速材でもある水分子が少ないから熱中性子は少なく中速中性子が多い。したがって、中速中性子に対する中性子吸収断面積の小さい鉄を主成分とするステンレス製がよい。ジルコニウムの中速中性子に対する中性子吸収断面積は鉄よりも大きい。
図5にジルコニウム(Zr)と鉄(Fe)とステンレスの主な添加物であるニッケル(Ni)並びにクロム(Cr)の各中性子吸収断面積の中性子エネルギー依存性(中性子速度依存性)を示した。10-6MeV以下の中性子速度を持った中性子は熱中性子と呼べる。10-4MeV から 10-2MeVの中性子速度を持った中性子は中速中性子と呼べる。ジルコニウムの中速中性子に対する中性子吸収断面積が明らかに大きいことが見てとれる。エネルギーが0.025×10-6MeV の中性子の速さは約2200m/sec である。
制御棒(36)と制御棒駆動機構(72)もできるだけ現行BWRのものを維持する。高温の運転中では、大半の制御棒(36)は低温の未飽和水である液体水(71)の中に引抜かれているから健全性の問題がない。炉心の中に挿入されている1部の制御棒(36)は、当該制御棒(36)の中性子吸収作用により隣接する核燃料集合体(30)の出力が低下するため、当該制御棒(36)への熱的影響が小さいから健全性の問題は小さい。
核燃料棒は、具体的には次のようにする。薄肉円筒形状のジルコニウム合金製の薄肉ジルカロイ下部被覆管(107)の上に同直径で同肉厚の薄肉円筒形状のステンレス製の薄肉ステンレス上部被覆管(136)を接合して同径同厚接合被覆管(130)とする。薄肉ジルカロイ下部被覆管(107)部下端を下部端栓(43)で密封した後、核燃料ペレット(44)を多数個堆積充填する。薄肉ステンレス上部被覆管(136)部には、内側劣化ウラン核燃料ペレット(139)と外側核燃料ペレット(138)とからなる二重核燃料ペレット(140)を多数個堆積充填した後、上部スプリング(45)を装荷し上部プレナム(48)にヘリウムを充填し上端を上部端栓(42)で密封して、単純耐熱核燃料棒(100)にする。
或いは、核燃料棒は次のようにする。上記単純耐熱核燃料棒(100)において、薄肉ジルカロイ合金下部被覆管(107)部に核燃料ペレット(44)の上面中央が凹形で下面中央が凸形の組込型核燃料ペレット(102)の凹凸部を互いに組み合わせ多数個堆積充填する。薄肉ステンレス上部被覆管(136)部には二重核燃料ペレット(140)の上面中央が凹形で下面中央が凸形の組込型二重核燃料ペレット(103)の凹凸部を互いに組み合わせ多数個堆積充填して、組込型ペレット耐熱核燃料棒(200)にする。
或いは、核燃料棒は次のようにする。上記単純耐熱核燃料棒(100)において、薄肉ジルカロイ下部被覆管(107)の上に同直径で厚肉の同径厚肉ステンレス上部被覆管(156)を接合して同径異厚接合被覆管(230)とする。薄肉ジルカロイ下部被覆管(107)部に核燃料ペレット(44)を多数個堆積充填した後、下端を下部端栓(43)で密封する。同径厚肉ステンレス上部被覆管(156)と薄肉ジルカロイ下部被覆管(107)とを接合している上下被覆管溶接線(121)高さに直径が細く長尺の長尺細径核燃料ペレット(105)を1個充填する。同径厚肉ステンレス上部被覆管(156)部には、直径が細い細径核燃料ペレット(104)を多数個堆積充填した後、上部スプリング(45)を装荷し、上部プレナム(48)にヘリウムを充填し、上端を上部端栓(42)で密封して、同径異厚接合被覆管耐熱核燃料棒(300)にする。
核燃料集合体は、具体的には次のようにする。多数本の単純耐熱核燃料棒(100)または多数本の組込型ペレット耐熱核燃料棒(200)または多数本の同径異厚接合被覆管耐熱核燃料棒(300)の間隔をスペーサ(34)で正方形に規制する。多数本の単純耐熱核燃料棒(100)または多数本の組込型ペレット耐熱核燃料棒(200)または多数本の同径異厚接合被覆管耐熱核燃料棒(300)の上部端栓(42)を上側結合板(32)で支持し、下部端栓(43)を下側結合板(33)で支持し束ねる。上下被覆管溶接線(121)高さより下部がジルコニウム合金製の上下開端4角箱型形状の下部ジルカロイチャンネルボックス(535)の上部にステンレス鋼製の上下開端4角箱型形状の上部ステンレスチャンネルボックス(536)を接合した耐熱チャンネルボックス(537)で4面を覆って耐熱核燃料集合体(515)にする。
沸騰水型原子炉は、具体的には次のようにする。シュラウド(39)に着脱可能な蓋を付けた蓋付シュラウド(1011)及び炉心支持板(70)とで形成された空間に上記耐熱核燃料集合体(515)を多数体装荷し圧力容器(60)に内蔵する。
蒸気タービンの復水器から戻ってきた給水流(73)は給水配管(67)を通って圧力容器(60)内の数本の直接給水管(1014)から炉心支持板(70)の下部の液体水(71)中に直接送水する。
液体水(71)に混じった給水流(73)の大部分は耐熱核燃料集合体(515)内に入り主入口冷却水(1113)となり、単純耐熱核燃料棒(100)から受熱して耐熱核燃料集合体(515)の上から主出口過熱蒸気(1114)となって過熱蒸気ドーム(1017)に出て行く。
主入口冷却水(1113)の1部は、漏洩水通路(51)をシュラウド内漏洩水流(1111)となって上に流れる間に受熱して過熱蒸気となって過熱蒸気ドーム(1017)に出て行く。過熱蒸気ドーム(1017)の高温の当該過熱蒸気は、蓋付シュラウド(1011)から多数本の混合過熱蒸気管(1013)の中毎に浅く伸びた多数本のシュラウドノズル管(1012)を通って主過熱蒸気流(1115)となり混合過熱蒸気管(1013)の中に放出される。
液体水(71)に混じった給水流(73)の1部はシュラウド外水領域(66)にシュラウド外漏洩水流(1116)となって上に流れ飽和蒸気となって飽和蒸気ドーム(61)に出て行く。
混合過熱蒸気管(1013)への主過熱蒸気流(1115)放出により、飽和蒸気ドーム(61)の中の飽和蒸気が混合過熱蒸気管(1013)とシュラウドノズル管(1012)との隙間から混合過熱蒸気管(1013)内に飽和蒸気吸引流(1118)として吸引される。
飽和蒸気吸引流(1118)と主過熱蒸気流(1115)とが混合した混合過熱蒸気流(1119)を混合過熱蒸気管(1013)経由で蒸気タービンへ送る過熱蒸気沸騰水型原子炉とする。
或いは、沸騰水型原子炉は次のようにする。高温の過熱蒸気が流れる過熱蒸気沸騰水型原子炉の混合過熱蒸気管(1013)の外表面に熱電半導体(2001)を付着させ、熱電半導体(2001)に入熱する。熱電半導体(2001)の外表面に沿って復水器から圧力容器(60)内に低温の給水が流れる給水配管(67)兼用の熱電半導体冷却管(2002)を引き回すことにより熱電半導体(2001)から除熱する。高温の過熱蒸気と低温の給水との温度差で熱電半導体(2001)は発電する。混合過熱蒸気管(1013)内の高温の過熱蒸気の熱は熱電半導体(2001)を伝導して熱電半導体冷却管(2002)の冷水に伝わるから、混合過熱蒸気管(1013)内の過熱蒸気は冷やされて飽和蒸気に変化する。当該飽和蒸気を蒸気タービンへ向かわせて発電する。熱電半導体(2001)による発電と蒸気タービンによる発電とが得られる熱電半導体敷設過熱蒸気沸騰水型原子炉にする。
圧力容器(60)と蓋付シュラウド(1011)との間に現行圧力70気圧の飽和蒸気が介在するため、現行BWRの大型機器である圧力容器(60)と蓋付シュラウド(1011)と制御棒(36)と制御棒駆動機構(72)とを大幅に変更する必要がないから今までの経験が生かせる。したがって、すぐに建設可能である。
蓋付シュラウド(1011)の外側を現行飽和蒸気としたため、蓋付シュラウド(1011)を外側から冷却するから蓋付シュラウド(1011)の内側に高温の過熱蒸気を内蔵しても蓋付シュラウド(1011)の熱的問題は少ない。蓋付シュラウド(1011)の上部に熱遮蔽板を敷設すれば健全性は更に高まる。
蓋付シュラウド(1011)内の過熱蒸気ドーム(1017)から混合過熱蒸気管(1013)内側に伸びる混合過熱蒸気管(1013)よりも細いシュラウドノズル管(1012)を通して主過熱蒸気流(1115)を混合過熱蒸気管(1013)内に放出すると、飽和蒸気ドーム(61)内の従来圧力の飽和蒸気を混合過熱蒸気管(1013)とシュラウドノズル管(1012)との隙間から飽和蒸気吸引流(1118)として混合過熱蒸気管(1013)内に吸引するため、 圧力容器(1001)の壁は高温過熱蒸気に曝されることがないから温度に関わる健全性問題は少ない。
耐熱核燃料集合体(515)の採用により高温過熱蒸気を安全に発生させることができたため、BWRの熱効率を早期に向上させることができた。
核燃料集合体(30)を若干変更することになったが、核燃料集合体は取替えることを前提としているので問題ない。
現行BWRの大型機器である圧力容器(60)とシュラウド(39)と制御棒(36)と制御棒駆動機構(72)とを大幅に変更することなく、高温過熱蒸気を発生させることができた。BWRの熱効率を早期に向上させることができる。
図6は、本発明の単純耐熱核燃料棒(100)の概観図である。薄肉円筒形状のジルコニウム合金製の薄肉ジルカロイ下部被覆管(107)の上に同直径で同肉厚の薄肉円筒形状のステンレス製の薄肉ステンレス上部被覆管(136)を接合して同径同厚接合被覆管(130)とする。
薄肉ジルカロイ下部被覆管(107)部下端を下部端栓(43)で密封し、高さ1cm程度の円柱形の濃縮ウランの酸化物を焼結してなる核燃料ペレット(44)を多数個堆積充填する。濃縮ウランの酸化物の代わりにMOXとしてもよい。
薄肉ステンレス上部被覆管(136)部には高さ1cm程度の円柱形の二重核燃料ペレット(140)を多数個堆積充填し上端に上部スプリング(45)を装荷し上部プレナム(48)にヘリウムを充填し上端を上部端栓(42)で密封する。二重核燃料ペレット(140)は濃縮ウランの酸化物の円筒形の外側核燃料ペレット(138)の中空部に高さ1cm程度の円柱形の劣化ウランの酸化物の内側劣化ウラン核燃料ペレット(139)を挿入し一体化してなる。
単純耐熱核燃料棒(100)を多数本束ねた核燃料集合体の下部から流入した液体の水は、単純耐熱核燃料棒(100)から受熱して蒸気になる。単純耐熱核燃料棒(100)の高さ下方では液体の水と蒸気とが混在した二相流となっている。高さ中央部付近では液体の水が殆ど無く飽和蒸気となる。高さ中央部以上では、過熱蒸気となり、上に行くほど単純耐熱核燃料棒(100)からの熱を受けて過熱蒸気温度が上昇する。
単純耐熱核燃料棒(100)を多数本束ねた核燃料集合体の高さ下方での冷却材は二相流であるから、液体の水が比較的多い。したがって、中性子は減速されて熱中性子割合が多いから、単純耐熱核燃料棒(100)の高さ下方での被覆管の材料は熱中性子吸収断面積の小さいジルコニウムを主体とした薄肉ジルカロイ下部被覆管(107)がよい。冷却材に液体の水があると言うことは冷却効果が高いことを意味するから、薄肉ジルカロイ下部被覆管(107)表面は飽和蒸気温度程度にしかならない。高温強度が不足がちなジルコニウム合金でも健全性が損なわれることがない。
単純耐熱核燃料棒(100)を多数本束ねた核燃料集合体の高さ上方での冷却材は過熱蒸気であるから、水分子が比較的少ない。したがって、中性子は減速され難く熱中性子割合が少ないから、単純耐熱核燃料棒(100)の高さ上方での被覆管の材料の熱中性子吸収断面積は小さくなくてもよい。周りの冷却材が過熱蒸気であると言うことは冷却効果が低くかつ、高温であることを意味するから、高温強度に優れた鉄を主体とした薄肉ステンレス上部被覆管(136)がよい。ジルコニウム合金では高温強度が不足である。
周りの冷却材が高温で冷却能力の小さい過熱蒸気が流れる薄肉ステンレス上部被覆管(136)に充填されている核燃料ペレットは高温にならざるを得ない。特に、中心部は最も温度が高くなり酸化物とは言え溶融する危険がある。そこで、出力を低下させる必要がある。特に、中心部の出力を低下させる必要がある。二重核燃料ペレット(140)であれば中心部が劣化ウランの酸化物からなる内側劣化ウラン核燃料ペレット(139)であるから、核分裂反応が大きいU235が少なく出力が低いから溶融の心配がない。
薄肉ジルカロイ下部被覆管(107)と薄肉ステンレス上部被覆管(136)との接合部である上下被覆管溶接線(121)でのジルコニウム合金とステンレスとの接合は、従来の核燃料棒(31)において経験済である。すなわち、ステンレス製の上部端栓(42)をジルコニウム合金製の従来の被覆管(41)にTIG溶接していた。
図7は、本発明の組込型ペレット耐熱核燃料棒(200)の概観図である。実施例1の単純耐熱核燃料棒(100)の同径同厚接合被覆管(130)の薄肉ジルカロイ下部被覆管(107)部に堆積充填していた核燃料ペレット(44)の上面中央を凹ませ凹形にし、下面中央を出っ張らせ凸形にした組込型核燃料ペレット(102)の凹凸部を互いに組み合わせ多数個堆積充填する。
実施例1の同径同厚接合被覆管(130)の薄肉ステンレス上部被覆管(136)部に堆積充填していた二重核燃料ペレット(140)の上面中央を凹ませ凹形にし、下面中央を出っ張らせ凸形にした組込型二重核燃料ペレット(103)の凹凸部を互いに組み合わせ多数個堆積充填する。
万一、同径同厚接合被覆管(130)が破損しても、組込型核燃料ペレット(102)の凹凸部を互いに組み合わせて多数個堆積充填したため、堆積形状が維持できる。したがって、組込型核燃料ペレット(102)がバラバラになるのが防げる。組込型二重核燃料ペレット(103)も同様に堆積形状が維持できる。
図8は、本発明の同径異厚接合被覆管耐熱核燃料棒(300)の概観図である。実施例1の単純耐熱核燃料棒(100)において、上部の薄肉ステンレス上部被覆管(136)部の直径は同じにしておくが肉厚を増した同径厚肉ステンレス上部被覆管(156)に代える。同径厚肉ステンレス上部被覆管(156)の内側を薄肉ジルカロイ下部被覆管(107)部まで延長し上部被覆管内延長代(122)とした。同径厚肉ステンレス上部被覆管(156)に直径の細い細径核燃料ペレット(104)を多数個堆積充填した。薄肉ジルカロイ下部被覆管(107)部には核燃料ペレット(44)を多数個堆積充填する。同径厚肉ステンレス上部被覆管(156)と薄肉ジルカロイ下部被覆管(107)とを接合している上下被覆管溶接線(121)位置に長尺細径核燃料ペレット(105)を1個充填する。
堆積充填された細径核燃料ペレット(104)の上端に上部スプリング(45)を装荷し、上部プレナム(48)にヘリウムを充填し、同径厚肉ステンレス上部被覆管(156)部上端を上部端栓(42)で密封する。
同径厚肉ステンレス上部被覆管(156)周りには冷却材が高温で冷却能力の小さい過熱蒸気が流れるから、熱的健全性を高めるために被覆管を厚くした。
万一、上下被覆管溶接線(121)に亀裂が入っても、上部被覆管内延長代(122)があるから同径厚肉ステンレス上部被覆管(156)と薄肉ジルカロイ下部被覆管(107)とが分離する恐れが少なく、健全性が保てる。
高温で冷却能力の小さい過熱蒸気が流れる同径厚肉ステンレス上部被覆管(156)に堆積充填する核燃料ペレットは、細い細径核燃料ペレット(104)としたため出力が小さくなるから、細径核燃料ペレット(104)の中心溶融や同径厚肉ステンレス上部被覆管(156)の破損の心配がない。
図9に本発明の耐熱核燃料集合体(515)の概略斜視図を示す。従来の核燃料集合体(30)と外見は変わりが無い。耐熱核燃料集合体(515)は、実施例1における単純耐熱核燃料棒(100)を多数本正方格子状に配列し、高さ途中にスペーサ(34)を数個配置して単純耐熱核燃料棒(100)同士の間隙を確保し、全ての単純耐熱核燃料棒(100)の上端及び下端を夫々上側結合板(32)及び下側結合板(33)で支持し束ね、外側4面を4角箱型形状の耐熱チャンネルボックス(537)で覆っている。
耐熱チャンネルボックス(537)は、上下被覆管溶接線(121)高さより下部を高温強度は弱いが熱中性子吸収断面積の小さいジルコニウム合金製の上下開端4角箱型形状の下部ジルカロイチャンネルボックス(535)とし、上部を高温強度が高くかつ中速中性子吸収断面積の小さいステンレス鋼製の上下開端4角箱型形状の上部ステンレスチャンネルボックス(536)とする。下部ジルカロイチャンネルボックス(535)と上部ステンレスチャンネルボックス(536)とは上下ボックス溶接線(538)で接合されている。
高温で冷却能力の小さい過熱蒸気が流れる上部をステンレス鋼製の上部ステンレスチャンネルボックス(536)としたため、耐熱チャンネルボックス(537)は高温に耐えることができる。
単純耐熱核燃料棒(100)から発生した熱は耐熱核燃料集合体(515)の下端から冷却水通路(49)に流入した主入口冷却水(1113)の冷却水に渡される。冷却水通路(49)の冷却水に伝わった熱の1部は耐熱チャンネルボックス(537)に伝わる。
隣接する耐熱核燃料集合体(515)の間の漏洩水通路(51)の水は、耐熱チャンネルボックス(537)壁から受熱して飽和蒸気を発生させ二相流となり、更に受熱して飽和蒸気となり、更に受熱して過熱蒸気となって過熱蒸気ドーム(1017)に出て行く。
なお、耐熱核燃料集合体(515)の下端には、漏洩水通路(51)へ通じる孔は設けない。水流をできるだけ少なくして、過熱蒸気ドーム(1017)に出て行く過熱蒸気の温度を高めるためである。
単純耐熱核燃料棒(100)を実施例2の組込型ペレット耐熱核燃料棒(200)または、実施例3の同径異厚接合被覆管耐熱核燃料棒(300)で置き換えてもよい。
図10は本発明の過熱蒸気沸騰水型原子炉の概観図である。圧力容器(60)、炉心支持板(70)、制御棒(36)は、従来の材質・形状を踏襲している。すなわち、圧力容器(60)、炉心支持板(70)、制御棒(36)は圧力が約70気圧で286℃の飽和蒸気を発生させる従来の沸騰水型原子炉を基本としている。
蓋付シュラウド(1011)は、従来のシュラウド(39)に着脱可能な蓋を締め具(1021)で固着した。従来のシュラウド(39)上部に有った、気水分離器(65)と飽和蒸気乾燥器(62)は削除した。圧力容器(60)高さは、気水分離器(65)と飽和蒸気乾燥器(62)がなくなった分低くなる。
炉心支持板(70)は、多数体の従来の核燃料集合体(30)の代わりに多数体の実施例4の耐熱核燃料集合体(515)を支える。
制御棒(36)の中性子吸収材であるハフニウムは高温耐熱性が高いからそのまま利用できる。液体水(71)は従来のBWR同様に286℃以下の未飽和水であるから制御棒駆動機構(72)もほぼそのまま使える。
蒸気タービンの復水器から戻ってきた冷却水は給水流(73)となって圧力容器(60)外のポンプで昇圧され給水配管(67)を通って圧力容器(60)内の数本の直接給水管(1014)から炉心支持板(70)の下部の液体水(71)中に直接送水される。直接給水管(1014)が圧力容器(60)と蓋付シュラウド(1011)との間隙のシュラウド外水領域(66)を通る間に受熱して、直接給水管(1014)の中を流れる給水流(73)は下部の液体水(71)温度程度まで温められる。
炉心支持板(70)の下にある液体水(71)に混じった給水流(73)の大部分は耐熱核燃料集合体(515)の下から耐熱核燃料集合体(515)内に入り主入口冷却水(1113)となり、単純耐熱核燃料棒(100)から受熱して蒸気ボイドを発生し、更に受熱して飽和蒸気から過熱蒸気となって耐熱核燃料集合体(515)の上から主出口過熱蒸気(1114)となって過熱蒸気ドーム(1017)に出て行く。
主入口冷却水(1113)の1部は、隣接する耐熱核燃料集合体(515)間隙の漏洩水通路(51)をシュラウド内漏洩水流(1111)となって上に流れる。シュラウド内漏洩水流(1111)の量は少ないから耐熱チャンネルボックス(537)から受熱して蒸気ボイドを発生し二相流となり、更に受熱して飽和蒸気から過熱蒸気となって過熱蒸気ドーム(1017)に出て行く。従来のBWRでは、隣接せる従来の核燃料集合体(30)の間隙の漏洩水通路(51)に中性子減速効果を高めるために炉心支持板(70)の1部や従来の核燃料集合体(30)の下端部にバイパス孔を開け液体の水であるバイパス流(52)が十分流れて蒸気ボイドが発生しないようにしていた。しかし、炉心出口蒸気を高温にする上で妨げとなる。シュラウド内漏洩水流(1111)が大きいと耐熱チャンネルボックス(537)内の過熱蒸気は、シュラウド内漏洩水流(1111)の液体の水を蒸気に変換するために利用されてしまうため、十分高温にはならない。そこで、炉心支持板(70)や耐熱核燃料集合体(515)の下端部にはバイパス孔を設けない。こうすると隣接せる耐熱核燃料集合体(515)の間隙の漏洩水通路(51)の上部出口では蒸気となる。
過熱蒸気ドーム(1017)の高温の過熱蒸気は、蓋付シュラウド(1011)から多数本の混合過熱蒸気管(1013)の中毎に浅く伸びた多数本のシュラウドノズル管(1012)を通って主過熱蒸気流(1115)となり混合過熱蒸気管(1013)の中に放出される。
炉心支持板(70)の下にある液体水(71)に混じった給水流(73)の1部はシュラウド外水領域(66)にシュラウド外漏洩水流(1116)となって上に流れる。蓋付シュラウド(1011)壁から受熱して二相流となり、更に受熱して飽和蒸気となって飽和蒸気ドーム(61)に出て行く。
シュラウドノズル管(1012)から混合過熱蒸気管(1013)への主過熱蒸気流(1115)放出により、飽和蒸気ドーム(61)の中の飽和蒸気が混合過熱蒸気管(1013)とシュラウドノズル管(1012)との隙間から混合過熱蒸気管(1013)内に飽和蒸気吸引流(1118)として吸引される。
飽和蒸気吸引流(1118)と主過熱蒸気流(1115)とが混合して混合過熱蒸気流(1119)となり、混合過熱蒸気管(1013)を通って蒸気タービンへ向かう。
シュラウドノズル管(1012)は、混合過熱蒸気管(1013)の中に圧力容器(60)壁近辺までしか伸びていない。混合過熱蒸気管(1013)は二重管ではないから製造や建設や管理が容易である。混合過熱蒸気管(1013)が接合される圧力容器(60)壁部は、飽和蒸気吸引流(1118)により従来同様の286℃の飽和蒸気で冷却されるから圧力容器(60)の健全性は従来通りである。
給水配管(67)と直接給水管(1014)を従来の給水配管(67)本数よりも2本程度多くすれば1本当たりの給水流(73)の流量は従来よりも少ない。混合過熱蒸気管(1013)も、従来の飽和蒸気配管(64)本数よりも2本程度多くすれば1本当たりの混合過熱蒸気流(1119)の流量は従来の飽和蒸気流(63)量よりも少ないから、万一1本の管から流体の漏洩があっても従来の漏洩流量よりも少なく、安全性が高い。
図11は本発明の熱電半導体敷設過熱蒸気沸騰水型原子炉の概観図である。熱電半導体敷設過熱蒸気沸騰水型原子炉は実施例5の過熱蒸気沸騰水型原子炉の混合過熱蒸気管(1013)の外表面に熱電半導体(2001)を敷設する。熱電半導体(2001)の外表面に沿って復水器から戻ってきた液体の水が流れる熱電半導体冷却管(2002)を引き回す。熱電半導体冷却管(2002)は給水配管(67)と兼用である。
熱電半導体(2001)は高温の混合過熱蒸気管(1013)から入熱して低温の熱電半導体冷却管(2002)に廃熱することにより電気を発生させることができる。
混合過熱蒸気管(1013)を流れる高温の過熱蒸気の熱は熱電半導体(2001)を伝導して低温の熱電半導体冷却管(2002)へ流れ、熱電半導体冷却管(2002)の中を流れる給水流(73)を暖めるから、廃熱は回収される。
なお、混合過熱蒸気管(1013)から蒸気タービンへ向かう過熱蒸気の熱は熱電半導体(2001)を伝導して低温の熱電半導体冷却管(2002)へ流れるため、混合過熱蒸気管(1013)を流れる高温の過熱蒸気は従来の飽和蒸気温度近辺に低下し飽和蒸気流(63)になるから従来の蒸気タービンがそのまま使える。言わば、複合型発電になる。
圧力が同じなら高温過熱蒸気の密度は飽和蒸気の密度よりも小さいから、シュラウド(39)の内側が約70気圧の高温過熱蒸気を含むようになると減速材である水分子が少なくなる。熱中性子不足によりU235の核分裂効率が悪くなるが、将来BWRの主流となる低減速軽水炉(非特許文献2)は高速中性子により核燃料のPuを核分裂させるから減速不足は問題ない。これまでの軽水炉の運転によりPuは十分蓄積されているから核燃料不足は問題ない。
高温過熱蒸気の920Kの温度は、良い触媒があれば水を熱分解して水素分子を取り出す可能性のある温度である。温度不足であれば電気エネルギー(電熱器、レーザー、マイクロウエーブ)を補給すればよい。
:原子力ハンドブック、「V編集3-1低減速軽水炉」、オーム社、2007年。
BWRの従来の核燃料棒(31)の概観図である。 BWRの炉心に装荷せる核燃料物質を内包する従来の核燃料集合体(30)の概略斜視図。 核燃料集合体(30)を配置せる炉心におけるスペーサ(34)が位置していない高さにおける平面の1部。 従来の沸騰水型原子炉の従来の圧力容器(60)内の概観図。 ZrとFeとNiとCrの各中性子吸収断面積の中性子エネルギー依存性。 本発明の単純耐熱核燃料棒(100)の概観図。 本発明の組込型ペレット耐熱核燃料棒(200)の概観図。 本発明の同径異厚接合被覆管耐熱核燃料棒(300)の概観図。 本発明の耐熱核燃料集合体(515)の概略斜視図。 本発明の過熱蒸気沸騰水型原子炉の概観図。 本発明の熱電半導体敷設過熱蒸気沸騰水型原子炉の概観図。
30は核燃料集合体。
31は核燃料棒。
32は上側結合板。
33は下側結合板。
34はスペーサ。
35はチャンネルボックス。
36は制御棒。
37は冷却材循環ポンプ。
38はポンプモータ。
39はシュラウド。
41は被覆管。
42は上部端栓。
43は下部端栓。
44は核燃料ペレット。
45は上部スプリング。
48は上部プレナム。
49は冷却水通路
51は漏洩水通路。
52はバイパス流。
60は圧力容器。
61は飽和蒸気ドーム。
62は飽和蒸気乾燥器。
63は飽和蒸気流。
64は飽和蒸気配管。
65は気水分離器。
66はシュラウド外水領域。
67は給水配管。
70は炉心支持板。
71は液体水。
72は制御棒駆動機構。
73は給水流。
74は炉心流。
100は単純耐熱核燃料棒。
102は組込型核燃料ペレット。
103は組込型二重核燃料ペレット。
104は細径核燃料ペレット。
105は長尺細径核燃料ペレット。
106は厚肉ステンレス上部被覆管。
107は薄肉ジルカロイ下部被覆管。
109は下部スプリング。
110は下部プレナム。
121は上下被覆管溶接線。
122は上部被覆管内延長代。
130は同径同厚接合被覆管。
136は薄肉ステンレス上部被覆管。
138は外側核燃料ペレット。
139は内側劣化ウラン核燃料ペレット。
140は二重核燃料ペレット。
156は同径厚肉ステンレス上部被覆管。
200は組込型ペレット耐熱核燃料棒。
230は同径異厚接合被覆管。
300は同径異厚接合被覆管耐熱核燃料棒。
515は耐熱核燃料集合体。
535は下部ジルカロイチャンネルボックス。
536は上部ステンレスチャンネルボックス。
537は耐熱チャンネルボックス。
538は上下ボックス溶接線。
1011は蓋付シュラウド。
1012はシュラウドノズル管。
1013は混合過熱蒸気管。
1014は直接給水管。
1017は過熱蒸気ドーム。
1021は締め具。
1111はシュラウド内漏洩水流。
1113は主入口冷却水。
1114は主出口過熱蒸気。
1115は主過熱蒸気流。
1116はシュラウド外漏洩水流。
1118は飽和蒸気吸引流。
1119は混合過熱蒸気流。
2001は熱電半導体。
2002は熱電半導体冷却管。

Claims (6)

  1. 薄肉円筒形状のジルコニウム合金製の薄肉ジルカロイ下部被覆管(107)の上に同直径で同肉厚の薄肉円筒形状のステンレス製の薄肉ステンレス上部被覆管(136)を接合してなる同径同厚接合被覆管(130)において、薄肉ジルカロイ下部被覆管(107)部下端を下部端栓(43)で密封し核燃料ペレット(44)を多数個堆積充填し、薄肉ステンレス上部被覆管(136)部に内側劣化ウラン核燃料ペレット(139)と外側核燃料ペレット(138)とからなる二重核燃料ペレット(140)を多数個堆積充填し上部スプリング(45)を装荷し上部プレナム(48)にヘリウムを充填し上端を上部端栓(42)で密封したことを特徴とする単純耐熱核燃料棒(100)。
  2. 請求項1の単純耐熱核燃料棒(100)において、薄肉ジルカロイ合金下部被覆管(107)部に核燃料ペレット(44)の上面中央が凹形で下面中央が凸形の組込型核燃料ペレット(102)の凹凸部を互いに組み合わせ多数個堆積充填し、薄肉ステンレス上部被覆管(136)部に二重核燃料ペレット(140)の上面中央が凹形で下面中央が凸形の組込型二重核燃料ペレット(103)の凹凸部を互いに組み合わせ多数個堆積充填したことを特徴とする組込型ペレット耐熱核燃料棒(200)。
  3. 請求項1の単純耐熱核燃料棒(100)において、薄肉ジルカロイ下部被覆管(107)の上に同直径で厚肉の同径厚肉ステンレス上部被覆管(156)を接合してなる同径異厚接合被覆管(230)において、薄肉ジルカロイ下部被覆管(107)部に核燃料ペレット(44)を多数個堆積充填した後下端を下部端栓(43)で密封し、同径厚肉ステンレス上部被覆管(156)と薄肉ジルカロイ下部被覆管(107)とを接合している上下被覆管溶接線(121)高さに長尺細径核燃料ペレット(105)を1個充填し、同径厚肉ステンレス上部被覆管(156)部に直径が細い細径核燃料ペレット(104)を多数個堆積充填し上部スプリング(45)を装荷し上部プレナム(48)にヘリウムを充填し上端を上部端栓(42)で密封したことを特徴とする同径異厚接合被覆管耐熱核燃料棒(300)。
  4. 請求項1の多数本の単純耐熱核燃料棒(100)または請求項2の多数本の組込型ペレット耐熱核燃料棒(200)または請求項3の多数本の同径異厚接合被覆管耐熱核燃料棒(300)の間隔をスペーサ(34)で正方形に規制し、それ等の上部端栓(42)を上側結合板(32)で支持し下部端栓(43)を下側結合板(33)で支持し束ね、上下被覆管溶接線(121)高さより下部がジルコニウム合金製の上下開端4角箱型形状の下部ジルカロイチャンネルボックス(535)の上部にステンレス鋼製の上下開端4角箱型形状の上部ステンレスチャンネルボックス(536)を接合した耐熱チャンネルボックス(537)で4面を覆ったことを特徴とする耐熱核燃料集合体(515)。
  5. シュラウド(39)に着脱可能な蓋を付けた蓋付シュラウド(1011)及び炉心支持板(70)とで形成された空間に請求項4の耐熱核燃料集合体(515)を多数体装荷し圧力容器(60)に内蔵させ、
    蒸気タービンの復水器から戻ってきた給水流(73)を給水配管(67)経由で圧力容器(60)内の数本の直接給水管(1014)から炉心支持板(70)の下部の液体水(71)中に直接送水し、液体水(71)に混合した給水流(73)の大部分は耐熱核燃料集合体(515)内に入り主入口冷却水(1113)となり、単純耐熱核燃料棒(100)から受熱して耐熱核燃料集合体(515)の上から主出口過熱蒸気(1114)となって過熱蒸気ドーム(1017)に出て行き高温の過熱蒸気となり、続いて蓋付シュラウド(1011)内から多数本の混合過熱蒸気管(1013)の中毎に浅く伸びた多数本のシュラウドノズル管(1012)を通って主過熱蒸気流(1115)となり混合過熱蒸気管(1013)の中に放出されることにより、
    液体水(71)に混合した給水流(73)の1部のシュラウド外水領域(66)にシュラウド外漏洩水流(1116)となって上に流れ飽和蒸気ドーム(61)に出て行った飽和蒸気が、混合過熱蒸気管(1013)とシュラウドノズル管(1012)との隙間から混合過熱蒸気管(1013)内に飽和蒸気吸引流(1118)として吸引され、
    飽和蒸気吸引流(1118)と主過熱蒸気流(1115)とが混合した混合過熱蒸気流(1119)を混合過熱蒸気管(1013)経由で蒸気タービンへ送ることを特徴とする過熱蒸気沸騰水型原子炉。
  6. 請求項5における過熱蒸気沸騰水型原子炉の過熱蒸気が流れる混合過熱蒸気管(1013)の外表面に熱電半導体(2001)を付着させ、熱電半導体(2001)の外表面に沿って給水配管(67)兼用の熱電半導体冷却管(2002)を引き回すことにより熱電半導体(2001)で発電すると共に、混合過熱蒸気管(1013)の中を流れる過熱蒸気から変化した飽和蒸気を蒸気タービンに送ることを特徴とする熱電半導体敷設過熱蒸気沸騰水型原子炉。
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