JP2010275381A - 改質オイルの製造方法及び製造装置 - Google Patents

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  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Abstract

【課題】 油類の製造方法において、得られる油類の成分の中から高沸点物質を減らし揮発性成分を多く得るための手段の提供。
【解決手段】 加熱炉において含炭素材料を熱処理して、当該熱処理により生じた油類の気化ガスを冷却室に導いて冷却し凝縮させ、液化した油脂類油類を取り出す工程を含む、油類を製造する方法において、前記熱処理が、ケイ砂系石材が配された加熱炉内で行なわれ、前記加熱炉内に水素を導入し、前記熱処理を水素ガスの存在下で行なうことを特徴とする、油類の製造方法。
【選択図】 図4

Description

本発明は、加熱炉内に廃プラスチック材を投入し、加熱により分解処理して再利用を可能とする物質に変換させる廃プラスチック材の分解処理技術に関する。
従来の廃プラスチック材の分解処理は、フタル酸ナトリウムやステアリン酸ソーダ等の分解促進剤を添加した状況下で、500〜800℃という高温の加熱炉内で廃プラスチック材を加熱することにより実施する。ここで、当該加熱により、廃プラスチック材のポリマー分子が切断される結果、液化した油脂成分が生成する。そして、当該油脂成分を分別精製し、再利用が可能なナフサ等の油脂を得ることができる。
ここで、上記のような500〜800℃という高温で廃プラスチック材を分解処理した場合、その温度保持のための燃料費・電熱費のコストが嵩むという問題がある。このことから、本発明者らは、加熱炉内に投入した廃プラスチック材を250〜350℃程度の低い温度で燃焼させずに蒸し焼き状態に加熱して、プラスチック材を組成する油脂成分に分解し、発生した気化ガスを取り出して冷却装置で冷却して油類に還元する手段を特許文献1で提案している。詳細には、加熱炉内に長石・雲母を敷き詰めることを通じ、当該油化処理の前記低温での高効率化を達成している。
また、上記の廃プラスチック材の分解処理に関し、より短時間・より高収率で油分と炭化残渣分を産生させることが可能であると共に、より良質の油分と炭化残渣分を得ることができる手段として、廃プラスチック処理の際に使用する加熱炉内に御影石を配することが提案されている(特許文献2)。
特開2004−168806号公報 WO2007/066782号公報
特許文献2の発明によれば、生成物の中に高沸点物質が多く含まれ、これらの利用方法は限定されていた。そこで、本発明は、油類の製造方法において、得られる油類の成分の中から高沸点物質を減らし揮発性成分を多く得るための手段を提供することを目的とする。
本発明(1)は、加熱炉において含炭素材料を熱処理して、当該熱処理により生じた油類の気化ガスを冷却室に導いて冷却し凝縮させ、液化した油類を取り出す工程を含む、油類を製造する方法において、
前記熱処理が、ケイ砂系石材が配された加熱炉内で行なわれ、
前記加熱炉内に水素を導入し、前記熱処理を水素ガスの存在下で行なうことを特徴とする、油類の製造方法である。
本発明(2)は、前記水素ガスの前記加熱炉内での圧力が、1.0〜1.3atmである、前記発明(1)の油類製造方法である。
本発明(3)は、前記ケイ砂系石材が、御影石である、前記発明(1)又は(2)の油類製造方法である。
本発明(4)は、前記含炭素材料が、廃プラスチックである、前記発明(1)〜(3)のいずれか一項記載の油類製造方法である。
本発明(5)は、含炭素材料を熱処理する加熱炉を有する油類を製造する装置において、
前記加熱炉内にケイ砂系石材が配されており、
前記加熱炉内に水素ガスを導入することのできる水素ガス導入手段を有することを特徴とする、油類製造装置である。
本発明(6)は、前記ケイ砂系石材が、御影石である、前記発明(5)の油類製造装置である。
ここで、本明細書において使用する各種用語の意味を解説する。「含炭素材料」とは、炭素を含有するものを意味し、具体的には、廃プラスチック、ナフサ、コークスが挙げられる。「油類」とは、前記含炭素材料を処理することにより生成する炭化水素を主体(50質量%以上)とする油であれば、特に限定されず、例えば、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、スチレン、クメン、イソプロペニルベンゼン、フェニルエタノール、アセトフェノン、安息香酸、ナフタレン、ビフェニル、ジフェニルプロパン、フェニルナフタレン、2−エチルヘキシルフタレート等の芳香族化合物や、エチレン、プロピレン、ブタジエン等の脂肪族炭化水素を含有する油類が挙げられる。
本発明(1)によれば、得られる油類の成分の中から高沸点物質を減らし揮発性成分を多く得ることができるという効果を奏する。更に、芳香族系の化合物を多く含む油類が得られるという効果を奏する。
本発明(2)によれば、水素導入圧力が低くても、揮発性成分を多く含む油類を得ることができるという効果を奏する。
本発明(3)によれば、特に多くの採取油脂量を得ることが可能になるという効果を奏する。
本発明(4)によれば、廃プラスチックが分解され油類が得られると共に、当該油類が改質されて揮発性成分を多く含むものとなるという効果を奏する。
本発明(5)によれば、本装置を使用することにより、得られる油類の成分の中から高沸点物質を減らし揮発性成分を多く得ることができるという効果を奏する。更に、芳香族系の化合物を多く含む油類が得られるという効果を奏する。
本発明(6)によれば、特に多くの採取油脂量を得ることが可能になるという効果を奏する。
図1は、本最良形態に係る油類製造装置(連続式)全体を処理方向(図中の左から右方向)に対して横から眺めた図(正面図)である。 図2は、本最良形態に係る油類製造装置(連続式)全体を処理方向の上流側から眺めた図(図1の左側面図に相当)である。 図3は、本最良形態に係る油類製造装置(連続式)全体を処理方向の下流側から眺めた図(図1の右側面図に相当)である。 図4は、本最良形態に係る油類製造装置(連続式)全体を処理方向(図中の左から右方向)に対して横から眺めた図(断面図)である。 図5は、本最良形態に係る油類製造装置(連続式)の加熱炉の縦断面図である。 図6は、本最良形態に係る油類製造装置(連続式)の加熱炉の横断面図である。 図7は、本最良形態に係る油類製造装置(バッチ式)全体の斜視図である。 図8は、本最良形態に係る油類製造装置(バッチ式)の加熱炉の内部構造を示した図である。 図9は、本最良形態に係る油類製造装置(バッチ式)の冷却手段の構造を示した図である。 図10は、本最良形態に係る油類製造装置(バッチ式)における、加熱炉の上面で冷却されて液化した場合の、当該液体が液溜め部に導かれるまでの様子を示した図である。
はじめに、図1〜図6を参照しながら、本最良形態に係る油類製造装置(連続式)を説明する。本油類製造装置は、含炭素材料を加熱して処理する加熱炉内にケイ砂系石材が配されており、更に、前記加熱炉内に水素を導入するための水素供給装置7が接続されていることを特徴とする。そこで、以下では、当該油類製造装置の全体構造をまず説明し、特徴部分に係る構成要素(加熱炉及び水素供給装置)を次に説明した後、残る構成要素について説明する。尚、本最良形態では、含炭素材料として廃プラスチックを例示するが、これに限定されず、例えば、ナフサ等を処理することもできる。また、加熱炉の内壁に「御影石含有層」が適用されたもの(連続式)を例示するが、加熱炉内にケイ砂系石材が存在する限りどのような形態でもよく、例えば、ケイ砂系石材(又はそれを含有するセラミック体等)が加熱炉の炉床{又は炉床上等に配置した板(例えば鉄板)上}に敷き詰められている形態や、廃プラスチック材中にケイ砂系石材を混在させる形態であってもよい。ケイ砂系石材としては、御影石、長石、雲母、石英などが挙げられる。これらの中でも特に御影石が好適である。また、油類とは、特に限定されず、例えば、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、スチレン、クメン、イソプロペニルベンゼン、フェニルエタノール、アセトフェノン、安息香酸、ナフタレン、ビフェニル、ジフェニルプロパン、フェニルナフタレン、2−エチルヘキシルフタレート等の芳香族化合物や、エチレン、プロピレン、ブタジエン等の脂肪族炭化水素を含有する油類が挙げられる。
そこで、図面を参照しながら、本油類製造装置(連続式)の全体構造を詳述する。まず、図1は、本油類製造装置全体を処理方向(図中の左から右方向)に対して横から眺めた図(正面図)である。また、図2は、本油類製造装置全体を処理方向の上流側から眺めた図(図1の左側面図に相当)である。更に、図3は、本油類製造装置全体を処理方向の下流側から眺めた図(図1の右側面図に相当)である。これらの図に示されるように、本油類製造装置は、処理方向に沿って円筒状を成している加熱炉1と、加熱炉内に水素ガスを導入するための水素供給装置7と、加熱炉1内に廃プラスチック材を供給するフィーダー2と、加熱炉1内にナトリウム系の触媒を供給する触媒フィーダー3と、加熱炉1内に投入した廃プラスチック材から加熱処理により分解して生成されてくる気化ガスを抽き出し後述する冷却装置5に導く気化ガス取出管4と、気化ガス取出管4で抽き出される気化ガスを冷却処理する冷却装置5と、加熱炉1内に生成される主として炭素からなる炭化残渣を排出する(受け入れる)残渣排出装置6と、から構成されている。そして、これら各構成要素は、機枠F内に収納・固定されている。
次に、本発明の特徴的な構成要素である、加熱炉1の構造について詳述する。まず、図4〜図6を参照しながら、本発明の特徴部分である、加熱炉1内面に形成された「御影石含有層」を詳述する。当該加熱炉1のベース構造は、処理方向に沿って円筒状に形成された周壁10と、当該周壁10を前後(軸方向の両端側)から閉塞する側壁11とから構築されている。そして、この円筒横倒し状の加熱炉1の内面(周壁10+側壁11・11とから構成される内壁)の全体又は一部に御影石含有層mが形成されている。ここで、当該御影石含有層mは、御影石を含有する限り特に限定されず、御影石そのものの成形体(例えばパネル)、御影石の粉砕物を含有するセラミック体{例えば、御影石の粉砕物・耐火セメント・水を混和して焼成したセラミック体(例えばパネル)}、御影石の粉砕物を含有するキャスタブルを例示することができる。より具体的には、パネル状に成形した天然御影石のセラミックパネルを加熱炉の内壁面に貼り付ける態様、粉砕した天然御影石を、耐火セメント及び水と練和して、モルタル状に加熱炉の内壁面に塗着する態様(当該塗着体は、加熱炉の稼動による加熱で焼成されて、セラミック体である御影石含有層を形成させる)、を挙げることができる。ここで、内面のどの位置に御影石含有層を形成させてもよいが、内壁面に形成させた方が、炉床に形成させるよりも有効である。また、本最良形態では、円筒状の加熱炉を例示したが、他の形状の場合には、当該形状に合わせて御影石含有層の設置位置を適宜決定する。例えば、上面側が平らで周壁が側断面においてU字状をなすU字管(その一端側に廃プラスチック材の供給口が設置されており、他端側に排出口が設置されている)の加熱炉の場合には、上面側、周壁、供給口側壁及び排出口側壁の全部又は一部に御影石含有層を形成する。
ここで、御影石含有層は、大きさが小石程度の粗い粉砕片として御影石を含有する態様が好適である。当該態様の場合、御影石が板状や粉状で存在するときと比較し、時間当たりの採取油量が遥かに高いことに加え、焼成したセラミックパネルにクラックが発生することが抑制される。尚、当該粉砕片を内壁(特に重力の影響を受ける壁面)に設ける場合には、耐火セメント等を用いて壁面に粉砕片を固定する。また、炉床等の重力の影響を受けない位置に配する場合には、敷き詰める等、単に粉砕片を配する形態であってもよい。
続いて、加熱炉1内に水素を導入する水素供給装置7について詳述する。水素供給装置7としては、水素供給源71と、当該水素の圧力を調整する調整装置72により構成される。ここで、水素供給装置の水素出口を、例えば、加熱炉の一部に接続して、水素を導入する。水素の導入口は、特に限定されず、例えば、冷却装置5や、気化ガス取出管4に水素導入口が設けられ、当該気化ガス取出管4の接続口40を介して、加熱炉1内に水素が導入されるように構成することも可能である(図示しない)。
水素供給源としては、水素ガスボンベや、水素発生装置等が挙げられる。水素発生装置は、例えば、特開2004−083956号公報や、特開2004−084051号公報に記載されている水素発生装置を使用することが好適である。より具体的には、電極材を一対に対向する表裏の二つの面を具備する平板状に成形し、それに一方の面にだけ導通する接続口と他方の面にだけ導通する接続口を設けて、一方の面を陽極とし他方の面を陰極とした極板を形成し、この極板を、分解槽内に、そこに張り込まれる分解すべき水の中に浸漬状態に設置して、これに通電することで水を分解せしめて水素ガスを発生させる水素発生装置(特開2004−083956号公報)が挙げられる。その他、炭素粒子を含む素材を、コンパウンドする樹脂をバインダとして一対に対向する表裏の二つの面を具備する平板状に成形し、それに、一方の面に導通する接続口と他方の面に導通する接続口とを設けて、一方の面を陽極とし他方の面を陰極とした極板に形成し、この極板を、分解槽内に、そこに張り込まれる分解すべき水の中に浸漬状態に組み込み、これに通電することで水を分解せしめて水素を発生させる水素発生装置(特開2004−084051号公報)が挙げられる。これらの水素発生装置を用いることにより、より効率的に改質された油類を得ることが可能になる。
次に、加熱炉1の内部構造に関する他の構成要素について説明する。尚、前記の御影石含有層以外の構成要素は、本発明の特徴ではないので、以下で説明する要素の一部の構成が異なる形態や存在しない形態、他の構成要素が付加された形態についても、前述の本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲内である。
続いて、図1〜図3に示すように、当該加熱炉1は、サポート1aにより機枠Fに固定されている。そして、回転可能に機枠Fに軸架された回転軸12が、当該加熱炉1の内腔の軸芯部位に左右に貫通するように配設されている。更に、図4に示すように、この回転軸12の周面には、螺旋状のアジテータ13が取り付けられている。そして、当該アジテータ13は、回転軸12の一方に取り付けられたモーターM1の作動により当該回転軸12が駆動回転することで回動する。
次に、当該加熱炉1の外側には、加熱炉1内の温度を所定温度に保持するために、電熱ヒーターaが加熱炉1の外周面(筒状をなす周壁10)に巻き付けられていると共に、当該巻き付けられたヒーターaの外周には、断熱材bが多層状に更に巻き付けられている。尚、本最良形態においては、炉内温度の制御を容易かつ確実なものとする観点から当該加熱手段を採用したが、当該油化装置内を所定(または所定範囲)の処理温度に設定可能である限り、どのような形態であってもよい(例えば、実施例では燃焼装置を使用)。
次に、フィーダー2は、廃プラスチック材を投入するホッパー20と、ホッパー20の下口21に接続する搬送筒22と、当該搬送筒22内に軸架されたスクリュー状のコンベア23と、当該コンベア23を駆動するモーターM2とから構成される。更に、この搬送筒22の先端は、加熱炉1の一端側(図4の左側)に設けられた供給口15と接続した、廃プラスチック材を導入する接続筒24と接続している。そして、ホッパー20内に投入された廃プラスチック材は、モーターM2の駆動によるコンベア23の作動により、搬送筒22の先端側(図4の右側)に向けて圧送される。そして、搬送筒22の先端側に圧送された廃プラスチック材は、当該先端側に接続された接続筒24を通り、供給口15から加熱炉1内に導入される。ここで、フィーダー2には、加熱炉1内に供給した廃プラスチック材の熱分解で生成する気化ガスの圧力が逆流して噴出するのを阻止するため、回転バルブ状の繰出機構25が、廃プラスチック材を圧送するコンベア23の終端側に設置されている。尚、フィーダー2の材質や構造等は、水洗後の濡れた状態にある廃プラスチック材を加熱炉1内に供給可能なよう、適宜決定される。
次に、触媒フィーダー3は、触媒を投入するホッパー30と、当該ホッパー30内に投入された触媒から所定量の触媒を分けて供給する定量繰出機構31と、所定量の触媒を誘導する搬送筒32とから構成される。ここで、当該搬送筒32の下端は、前述のフィーダー2の搬送筒22の搬送方向における中間部位に接続している。この結果、フィーダー2からの廃プラスチック材と所定量の触媒が混和した状態で、これらが加熱炉1に送られるよう機能する。
次に、気化ガス取出管4は、図4に示すように、加熱炉1の中央よりやや後ろに配置されている。また、図5に示すように、気化ガス取出管4は、加熱炉1の内腔に連通する接続口40を介して、加熱炉1の軸方向に対して加熱炉1の左右上部に配置されていると共に、周壁10の軸芯位置を通る上下の中心線Xに対して略30度程度の角度で配置されている。この結果、加熱炉1の炉内の上部に集積した気化ガス(廃プラスチック材から生成する気化ガス)や水蒸気等が、後述する冷却装置5に効率的に導かれる。
次に、冷却装置5は、気密に形成した冷却ボックス50と、それの内部に配設したラジエータ状の熱交換器51と、熱交換器51内を循環させる、冷凍機で冷却した冷却水を貯留する冷却水タンク52と、当該タンク52内の冷却水を循環させるポンプP1とから構成される。ここで、当該冷却ボックス50の内部で前記熱交換器51の下方には、冷却により凝縮して油化した油脂成分を受ける受器53が、トレー状に配設されている。そして、当該受器53の底部には、貯留された油脂成分を排出させる油排出管54が、バルブV1を介して接続し、その先に回収タンクt1が更に接続している。尚、この受器53内には、加熱炉1内に供給した水から生成して気化ガスと共に気化ガス取出管4を経て冷却ボックス50内に導かれる水蒸気から復水した水も、前述の油化した油脂成分と一緒に受器53内に貯留される。そして、当該水と油脂成分とは二層分離し、当該水は下層に滞留する。そして、当該水は、受器53の底面側にバルブV2を介して接続した水排水管55を通り、その下端側に接続した水タンクt2に貯留される。尚、装置内で二層分離せず外に混合液を出して二層分離してもよい。また、冷却装置5の冷却ボックス50の内壁に、更に、御影石含有層を設けることが好適である。これにより、より効率的に改質された油類を回収することができる。尚、ここで使用する御影石含有層は先述の加熱炉1内面に形成された御影石含有層と同じもの使用することが好適である。
残渣排出装置6は、加熱炉1の他端側の端部に設けた残渣排出口14に接続した排出管61と、前記残渣排出口14を外部に対し密閉した状態とし、そこに送られてきた残渣を強制的に送り出すよう機能するバルブシャッター状の残渣取出機構60と、当該送り出し方向の下流側に接続した残渣取出ピン62とから構成される。ここで、残渣取出機構60は、モーターM3(図示せず)の駆動により、残渣を順次残渣取出ピン62内に送り込むよう機能する。また、残渣取出ピン62は、その外周がウオータージャケットよりなる冷却器63により囲われている。そして、前述の冷却タンク52内の冷却水が、ポンプP2により冷却器63内を循環する。その結果、残渣取出62内に回収される炭化残渣が冷却されると共に気密に保持されるので、当該残渣が空気と接触した状態での熱との相乗作用による粉塵爆発が抑制される。更に、この残渣を回収する残渣取出ピン62は、冷却された残渣を排出するための取出口64がその底部に設けられている。そして、この取出口64にも、残渣取出ピン62からの噴出を阻止するシャッター65が開閉自在に設置されている。更に、当該シャッター65が開放した際、冷却された残渣を外部に取り出すためのコンベア66が、前記取出口64に設けられている。
次に、本最良形態に係る油類製造装置(連続式)の使用方法(一例)について説明する。まず、ホッパー20には、裁断された廃プラスチック材を投入する。この際、水洗いした廃プラスチック材を水切りも乾燥も行わない濡れた状態で投入してもよい。また、触媒フィーダー3には、廃プラスチック材に塩化ビニールが含まれる場合には、塩化ビニールを分解した際に生じる塩素化合物を分解するためのナトリウム系触媒(水酸化ナトリウム、重炭酸ナトリウム等)を投入する。そして、これらホッパー内の廃プラスチック材とナトリウム系触媒とが導入される加熱炉の温度として、特には限定されない(好適には上限温度を500℃以下に設定)が、例えば150〜400℃に設定する。このとき加熱炉内に水素ガスを導入する。このように水素ガスを導入することにより、得られる油類を改質することが可能となる。即ち、油類中に含まれる高沸点化合物を減らすことが可能となる。加熱炉内の水素ガスの圧力は1.0〜1.3atmが好適である。尚、水素ガスの導入圧力は、1.3〜1.5atmの範囲が好適である。また、水素の添加量は、含炭素材料1kgあたり、0.1〜2.0m/Hが好適であり、0.3〜1.0m/Hがより好適であり、0.4〜0.8m/Hが更に好適である。加熱炉内で分解された廃プラスチック材は、気化ガスとして、冷却装置5の冷却ボックス50内に導かれる。
次に、図7〜図10を参照しながら、別の最良形態に係る油類製造装置(バッチ式)を説明する。尚、連続式の場合と同一である箇所は説明を省略する。まず、図7に示すように、本油類製造装置は、概略、方形状の加熱炉101と、加熱炉内を加熱するためのバーナー102と、バーナー102に接続されており加熱炉101の内部を貫く熱伝達配管103と、熱伝達配管103を加熱炉101に導入するまで当該管の冷却を防止するための保温装置104と、加熱炉101内で発生したガスを冷却して液化するための冷却手段(これは後述する)に送られる冷却水が貯められた、ウオーターポンプと接続した冷却水タンク106と、加熱炉101の真下に設けられた液溜め部107と、加熱炉101の温度制御等を行う操作装置109と、これらを収納するフレーム110と、前記加熱炉101内に水素を導入するための水素供給装置111とから構成される。尚、図示するように、液溜め部107を冷却ガスで冷却するための冷凍機108を更に備えるように構成してもよい。
次に、図8を参照しながら、本最良形態に係る加熱炉101の構造を説明する。当該加熱炉101内には、図示するように、熱伝達配管103がU字状に配されている。ここで、当該熱伝達配管103内には、バーナー102からの燃焼空気が導入されている。そして、燃焼空気の熱が熱伝達配管103を介して加熱炉101内に伝達される結果、加熱炉101内が加熱される。尚、加熱炉101内の分解温度の調整は、バーナー102での燃焼を調節することにより実行する。
次に、図9を参照しながら、本最良形態に係る冷却手段の構造を説明する。ここで、図9は、加熱炉101の部分断面図である。当該加熱炉101の上面及び両側面には、内部に冷却水配管112aが埋め込まれている冷却器112が取り付けられている。そして、この加熱炉101は、当該冷却器112近傍で二重構造を採っている。具体的には、加熱炉101内には、発生した分解ガスが導入される空間(分解ガス導入空間101b)を構築するための内部壁101aが上及び左右に設置されている。そして、左右の内部壁101aに関しては、加熱炉101内で発生した気体を前記気体導入空間101bに導く導入スリット101a−1が設けられている。このような構成下、図示するように、発生した分解ガスGは導入スリット101a−1を介して分解ガス導入空間101bに導かれ、そこで分解ガスGは冷却器112と接触して冷却され液化する。そして、図中の矢印で示すように、当該液体Lは自重で下方に落下し、前述の液溜め部107内に蓄えられる。尚、液溜め部107にも同様の冷却器が備えられている。このため、分解ガスが液化せずに液溜め部107まで導かれた場合には、同様のメカニズムでの冷却が当該液溜め部107でも行われる。また、液溜め部107の底面部分に御影石含有層を設けることが好適である。これにより、より効率的に改質された油類を回収することができる。尚、ここで使用する御影石含有層は先述の加熱炉1内面に形成された御影石含有層と同じものを使用することが好適である。尚、一例として、図10に、加熱炉101の上面で冷却されて液化した場合の、当該液体が液溜め部107に導かれるまでの様子を示す。
次に、本最良形態に係る油類製造装置(バッチ式)の使用方法(一例)について説明する。まず、加熱炉101内の所定位置(例えば熱伝達配管103の上に鉄板を配置)に、裁断された廃プラスチック材を搭載する。この際、水洗いした廃プラスチック材を水切りも乾燥も行わない濡れた状態で投入してもよい。また、この廃プラスチック材に塩化ビニールが含まれる場合には、塩化ビニールを分解した際に生じる塩素化合物を分解するためのナトリウム系触媒(水酸化ナトリウム、重炭酸ナトリウム等)を混合する。そして、これら廃プラスチック材とナトリウム系触媒とが導入される加熱炉の温度として、特には限定されない(好適には上限温度を500℃以下に設定)が、例えば、120〜350℃の範囲に設定する。
ここで、水素は、加熱炉内に直接導入してもよいし、分解ガス導入空間101b内に導入し導入スリット101a−1を介して加熱炉内に導入してもよい。このように水素ガスを導入することにより、得られる油類を改質することが可能となる。加熱炉内の水素ガスの圧力は1.0〜1.3atmが好適である。尚、水素ガスの導入圧力は、1.3〜1.5atmの範囲が好適である。また、水素の添加量は、含炭素材料1kgあたり、0.1〜2.0m/Hが好適であり、0.3〜1.0m/Hがより好適であり、0.4〜0.8m/Hが更に好適である。
以下、実施例を参照しながら本発明をより具体的に説明する。ここで、本実施例においては、図6等に示すバッチ式の油類製造装置を使用した。尚、裁断した廃プラスチック材は、熱伝達配管103上に配置された鉄板上に搭載した。また、御影石の適用方法に関しては、鉄板上に御影石板を搭載して実行した。尚、実施例における水素ガス導入圧力は、1.3atmであった。実施例及び比較例の実験条件、採取油量及び残渣量を表1及び表2に示す。また、実施例及び比較例おいて得られた油類のガスクロマトグラフによる成分分析結果を表3、4に示す。定量方法はGC/MSトータルイオンクロマトグラムより、トルエン換算にて定量した。尚、濃度は、質量%である。
Figure 2010275381
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1:加熱炉
2:フィーダー
3:触媒フィーダー
4:気化ガス取出管
5:冷却装置
6:残渣排出装置
7:水素供給装置

Claims (6)

  1. 加熱炉において含炭素材料を熱処理して、当該熱処理により生じた油類の気化ガスを冷却室に導いて冷却し凝縮させ、液化した油脂類油類を取り出す工程を含む、油類を製造する方法において、
    前記熱処理が、ケイ砂系石材が配された加熱炉内で行なわれ、
    前記加熱炉内に水素を導入し、前記熱処理を水素ガスの存在下で行なうことを特徴とする、油類の製造方法。
  2. 前記水素ガスの前記加熱炉内での圧力が、1.0〜1.3atmである、請求項1記載の油類製造方法。
  3. 前記ケイ砂系石材が、御影石である、請求項1又は2記載の油類製造方法。
  4. 前記含炭素材料が、廃プラスチックである、請求項1〜3のいずれか一項記載の油類製造方法。
  5. 含炭素材料を熱処理する加熱炉を有する油類を製造する装置において、
    前記加熱炉内にケイ砂系石材が配されており、
    前記加熱炉内に水素ガスを導入することのできる水素ガス導入手段を有することを特徴とする、油類製造装置。
  6. 前記ケイ砂系石材が、御影石である、請求項5記載の油類製造装置。
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KR101555282B1 (ko) 2014-01-10 2015-09-23 에코플랜트 주식회사 재생오일 생산장치용 폐원료 가열장치

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