JP2010275226A - 環状アルデヒドの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】環状アルデヒドの多量化を抑制し、高い選択率及び収率で環状アルデヒドを製造する。
【解決手段】ハロゲン化亜鉛及び/又はハロゲン化錫の存在下、下記式(1)で表されるジエン(直鎖状又は分岐鎖状C4−8ジエンなど)と、下記式(2)で表される不飽和アルデヒド(アクロレインなどのα,β−不飽和アルデヒド)とを反応させ、下記式(3)で表される環状アルデヒドを得る。ルイス酸触媒を、ジエンおよび不飽和アルデヒドのうち少ないモル数の成分1モルに対して0.1モル以下の割合で用いる。
(R3及びR4は同一又は異なって水素原子又はアルキル基を示し、R1、R2、R5〜R9は、同一又は異なって、水素原子又は置換基を示す。R1〜R9のうち2つの置換基は結合して隣接する炭素原子とともに環を形成してもよい)
【選択図】なし
【解決手段】ハロゲン化亜鉛及び/又はハロゲン化錫の存在下、下記式(1)で表されるジエン(直鎖状又は分岐鎖状C4−8ジエンなど)と、下記式(2)で表される不飽和アルデヒド(アクロレインなどのα,β−不飽和アルデヒド)とを反応させ、下記式(3)で表される環状アルデヒドを得る。ルイス酸触媒を、ジエンおよび不飽和アルデヒドのうち少ないモル数の成分1モルに対して0.1モル以下の割合で用いる。
(R3及びR4は同一又は異なって水素原子又はアルキル基を示し、R1、R2、R5〜R9は、同一又は異なって、水素原子又は置換基を示す。R1〜R9のうち2つの置換基は結合して隣接する炭素原子とともに環を形成してもよい)
【選択図】なし
Description
本発明は、ファインケミカル中間体、半導体材料の中間体などとして有用な環状アルデヒドの製造方法に関する。
ディールス・アルダー(Diels-Alder)反応において、一般的に、ルイス酸を代表とする酸を触媒として用いると、比較的温和な条件で反応が進行する。一方、アルデヒド類は酸触媒の存在下で多量化することも知られている。例えば、アセトアルデヒドは酸性条件下で三量化し、パラアルデヒドが生成する。
そのため、ジエノフィルとしてα,β−不飽和アルデヒドを用いて、ルイス酸の存在下で反応させると、Diels-Alder反応が進行し環状アルデヒドを生成するとともに、反応系中に存在するルイス酸により、さらに環状アルデヒドが反応して多量化が進行する。
Green Chemistry, 2002, 4, 24-26(非特許文献1)には、塩化亜鉛又は塩化スズ(II)と塩化コリンとを1:2の割合で用いて調製したイオン性液体中で、ジエンとジエノフィルとのディールス・アルダー反応を行うことが開示されている。この文献では前記イオン性液体0.5ml中でジエン12mmolとジエノフィル12mmolとを反応させている。しかし、多量の触媒を用いるため、ジエノフィルにα,β−不飽和アルデヒドを用いると、生成した環状アルデヒドが多量化し、環状アルデヒドの生成効率を低下させる。
特開平9−2989号公報(特許文献1)には、固体酸触媒の存在下、環状共役ジエン化合物(シクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエン、1,3−シクロヘキサジエンなど)と、式 C1−3アルキル−CH=CH−CHOで表されるアルデヒド(クロトンアルデヒドなど)とをディールス・アルダー反応させ、環状不飽和アルデヒドを製造する方法が開示されている。この文献には、環状共役ジエン化合物とアルデヒドとのモル比について、環状共役ジエン化合物又はアルデヒドが過剰であってもよく、両者を化学量論量で用いてもよいことが記載され、実施例では環状共役ジエン化合物とアルデヒドとをモル比1:2の割合で用いている。また、触媒量はバッチ式で原料に対して0.1〜100重量%であることも記載されている。
特開昭52−46048号公報(特許文献2)には、ディールス・アルダー反応を利用して、ZnX2,SnX4,AlX4(Xは塩素又は臭素原子を示す)などから選択されたルイス酸触媒の存在下、アクロレインとミルセノール又はミルセンとを1:10〜10:1(モル比)の割合で反応させ、香料を製造する方法が開示されている。
しかし、これらの方法では、反応系中にルイス酸が存在するため、さらに環状アルデヒドが反応して多量化が進行し、環状アルデヒドの生成収率が低下する。
Green Chemistry, 2002, 4, 24-26
従って、本発明の目的は、ルイス酸触媒の存在下、ディールス・アルダー(Diels-Alder)反応を行っても生成した環状アルデヒドの多量化を顕著に抑制できる環状アルデヒドの製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、副生物の生成を防止でき、高い選択率及び収率で環状アルデヒドを製造できる方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討の結果、ルイス酸の中でハロゲン化亜鉛、ハロゲン化錫(II)を用いて、ジエンとジエノフィル(dienophile)としての不飽和アルデヒドとを反応させると、環状アルデヒドの多量化を抑制又は防止しつつ、環状アルデヒドを効率よく生成できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の製造方法では、ハロゲン化亜鉛及びハロゲン化錫から選択された少なくとも一種のルイス酸触媒の存在下、下記式(1)
(式中、R3及びR4は同一又は異なって水素原子又はアルキル基を示し、R1、R2、R5、及びR6は、同一又は異なって、水素原子又は置換基を示す。R1〜R6のうち少なくとも2つの置換基は結合して隣接する炭素原子とともに環を形成してもよい。)
で表されるジエンと下記式(2)
で表されるジエンと下記式(2)
(式中、R7〜R9は、同一又は異なって、水素原子又は置換基を示し、R7〜R9のうち少なくとも2つの置換基は結合して隣接する炭素原子とともに環を形成してもよい)
で表される不飽和アルデヒドとを反応させ、下記式(3)
で表される不飽和アルデヒドとを反応させ、下記式(3)
(式中、R1〜R9は、前記に同じ)
で表される環状アルデヒドを製造する。この方法は塩化コリンを含まない反応系で反応させてもよい。この方法において、ルイス酸触媒の使用量が、ジエンおよび不飽和アルデヒドのうち少ないモル数の成分1モルに対して0.1モル以下である。
で表される環状アルデヒドを製造する。この方法は塩化コリンを含まない反応系で反応させてもよい。この方法において、ルイス酸触媒の使用量が、ジエンおよび不飽和アルデヒドのうち少ないモル数の成分1モルに対して0.1モル以下である。
前記反応は均一反応系で行ってもよく、直鎖状又は分岐鎖状C4−8ジエンとα,β−不飽和アルデヒドとを反応させてもよい。また、ジエンは直鎖状又は分岐鎖状C4−6ジエンであってもよく、不飽和アルデヒドはアクロレイン、メタクロレイン又はクロトンアルデヒドであってもよい。さらに、ルイス酸触媒は、塩化コリンを含まず、ハロゲン化亜鉛及びハロゲン化錫(II)から選択された少なくとも一種であってもよい。さらには、ハロゲン化錫(IV)と、炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、ケトン類、およびニトリル類から選択された少なくとも一種の溶媒との共存下、ジエンと不飽和アルデヒドとを反応させてもよい。ルイス酸触媒の使用量は、ジエンおよび不飽和アルデヒドのうち少ないモル数の成分1モルに対して0.005〜0.05モル程度であってもよい。
本発明は、ハロゲン化亜鉛及びハロゲン化錫から選択された少なくとも一種のルイス酸触媒の存在下、前記ジエンと不飽和アルデヒドとを反応させ、環状アルデヒドの多量化を抑制する方法であって、ルイス酸触媒を、ジエンおよび不飽和アルデヒドのうち少ないモル数の成分1モルに対して0.1モル以下の割合で用い、環状アルデヒドの多量化を抑制する方法も包含する。この方法でも、塩化コリンを含まず、前記ルイス酸触媒が存在する反応系で反応させてもよい。
本発明によれば、ルイス酸を用いても、生成した環状アルデヒドの多量化(三量化など)を抑制し、環状アルデヒドを効率よく製造できる。また、副生物の生成を防止でき、高い選択率及び収率で環状アルデヒドを製造できる。
本発明では、下記式(1)で表されるジエンと、下記式(2)で表されるジエノフィル(dienophile)としての不飽和アルデヒドとを反応させ、下記式(3)で表される環状アルデヒドを得る。
(式(1)中、R3及びR4は同一又は異なって水素原子又はアルキル基を示し、R1、R2、R5、及びR6は、同一又は異なって、水素原子又は置換基を示す。R1〜R6のうち少なくとも2つの置換基は結合して隣接する炭素原子とともに環を形成してもよい。式(2)中、R7〜R9は、同一又は異なって、水素原子又は置換基を示し、R7〜R9のうち少なくとも2つの置換基は結合して隣接する炭素原子とともに環を形成してもよい)
式(1)で表されるジエン(共役ジエン、例えば、鎖状ジエン又は環状ジエン)において、R3及びR4で表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−6アルキル基などが例示できる。アルキル基は、メチル基、エチル基などのC1−3アルキル基である場合が多い。好ましいR3及びR4は、水素原子又はC1−2アルキル基である。
式(1)で表されるジエン(共役ジエン、例えば、鎖状ジエン又は環状ジエン)において、R3及びR4で表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−6アルキル基などが例示できる。アルキル基は、メチル基、エチル基などのC1−3アルキル基である場合が多い。好ましいR3及びR4は、水素原子又はC1−2アルキル基である。
R1、R2、R5、及びR6で表される置換基(非金属原子含有基、有機基など)は、ハロゲン原子、炭化水素基、及び鎖状又は環状ヘテロ原子含有基から選択された少なくとも1つの置換基であってもよい。ハロゲン原子には、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子が含まれる。炭化水素基としては、例えば、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−10アルキル基など)、シクロアルキル基(シクロヘキシル基などのC4−10シクロアルキル基など)、アリール基(フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基などのC6−12アリール基など)、アラルキル基(ベンジル基などのC6−10アリール−C1−4アルキル基など)などが例示できる。また、鎖状ヘテロ原子含有基としては、例えば、ヒドロキシル基、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−10アルコキシ基など)、メルカプト基、アルキルチオ基(メチルチオ基、エチルチオ基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−10アルキルチオ基など)、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(直鎖状又は分岐鎖状C1−4アルコキシカルボニル基など)、シクロアルキルオキシカルボニル基(C4−10シクロアルキルオキシ−カルボニル基など)、アリールオキシカルボニル基(C6−10アリールオキシ−カルボニル基など)、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基(直鎖状又は分岐鎖状C1−6アルキル−カルバモイル基など)、アミノ基、N−置換アミノ基(N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アシルアミノ基、N,N−ジアシルアミノ基など)などが例示できる。さらに、環状ヘテロ原子含有基としては、例えば、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選択された少なくとも1つのヘテロ原子を環の構成原子として含む5又は6員ヘテロ環基、このような5又は6員ヘテロ環基が炭化水素環に縮合した縮合環式ヘテロ環基などが例示できる。
これらの置換基R1、R2、R5、及びR6はアルキル基である場合が多い。好ましいR1、R2、R5、及びR6は水素原子又はアルキル基(例えば、直鎖状又は分岐鎖状C1−6アルキル基、特に直鎖状又は分岐鎖状C1−4アルキル基)である。
R1〜R6のうち少なくとも2つの置換基(アルキル基など)は結合して隣接する炭素原子とともに、2つの二重結合を有する環を形成してもよい。環を形成する2つの置換基は互いに隣接していてもよく、末端に位置していてもよい。環は、通常、末端の置換基R1及びR6で形成する場合が多い。環は、通常、非芳香族炭化水素環を形成する。環は、4員環〜10員環程度であってもよく、通常、5員又は6員環である。
好ましいジエン(共役ジエン)は、鎖状ジエン(例えば、R3及びR4が水素原子又はアルキル基であり、R1、R2、R5、及びR6が水素原子又はアルキル基である化合物)又は環状ジエン(例えば、R1及びR6が互いに結合して炭化水素環を形成し、R2〜R5が水素原子又はアルキル基である化合物)である。
鎖状ジエンとしては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−オクタジエン、2,4−オクタジエンなどの直鎖状又は分岐鎖状C4−16アルカジエン類(好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C4−10アルカジエン類、さらに好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C4−8アルカジエン類)などが例示できる。
環状ジエンとしては、例えば、1,3−シクロペンタジエン、1,3−シクロヘキサジエン、1,3−シクロオクタジエンなどのC5−12シクロアルカジエン類(好ましくはC5−10シクロアルカジエン類)、メチルシクロペンタジエン、エチルシクロペンタジエン、n−プロピルシクロペンタジエン、イソプロピルシクロペンタジエン、メチル−1,3−シクロヘキサジエン、エチル−1,3−シクロヘキサジエン、n−プロピル−1,3−シクロヘキサジエン、イソプロピル−1,3−シクロヘキサジエンなどのC1−4アルキル基置換−C5−12シクロアルカジエン類(好ましくはC1−4アルキル基置換−C5−10シクロアルカジエン類)などが例示できる。
環状アルデヒドを生成させるための好ましいジエンは、鎖状ジエン(例えば、直鎖状又は分岐鎖状C4−8アルカジエン類、好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C4−7アルカジエン類、特に直鎖状又は分岐鎖状C4−6アルカジエン類)である。
式(2)で表される不飽和アルデヒド(ジエノフィル)において、R7〜R9で表される置換基(非金属原子含有基)は、前記R1、R2、R5、R6と同じく、ハロゲン原子、炭化水素基、及び鎖状又は環状ヘテロ原子含有基から選択された少なくとも1つの置換基であってもよい。ハロゲン原子、炭化水素基、及びヘテロ原子含有基としては、前記R1、R2、R5、R6と同様の原子及び基が例示できる。好ましいR7〜R9は、水素原子又はアルキル基(例えば、直鎖状又は分岐鎖状C1−6アルキル基、特に直鎖状又は分岐鎖状C1−4アルキル基)である。好ましいR7は水素原子、C1−3アルキル基(メチル基など)又はアリール基であり、好ましいR8は水素原子であり、好ましいR9は水素原子、C1−3アルキル基(メチル基など)又はアリール基である。
R7〜R9のうち少なくとも2つの置換基(アルキル基など)は結合して隣接する炭素原子とともに環を形成してもよい。環を形成する2つの置換基は互いに隣接していてもよい。環は、通常、非芳香族炭化水素環を形成する。環は、4員環〜10員環程度であってもよく、通常、5員又は6員環である。
ジエノフィルとしての不飽和アルデヒドは、通常、鎖状アルデヒド(例えば、直鎖状又は分岐鎖状C3−12アルケナール、好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C3−10アルケナール、さらに好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C3−8アルケナール、特に直鎖状又は分岐鎖状C3−6アルケナール)である。特に好ましい不飽和アルデヒドは、α,β−不飽和アルデヒド(例えば、直鎖状又は分岐鎖状C3−8アルケナール)である。
不飽和アルデヒド(例えば、α,β−不飽和アルデヒド)としては、例えば、アクロレイン、メタクロレイン、3−メチルアクロレイン(クロトンアルデヒド)、ペンテナール(2−ペンテナールなど)、ヘキセナール(2−ヘキセナール、3−ヘキセナールなど)、ヘプテナール(2−ヘプテナールなど)、オクテナール(2−オクテナール、3−オクテナールなど)などのC3−10アルケナールなどが挙げられる。これらの不飽和アルデヒドは単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。好ましい不飽和アルデヒドはα,β−不飽和アルデヒド(例えば、アクロレイン、メタクロレイン、クロトンアルデヒドなど)である。
ジエンと不飽和アルデヒド(特にα,β−不飽和アルデヒド)との使用割合(モル比)は、ジエン1モルに対して不飽和アルデヒド0.7〜15モル(例えば、0.8〜10モル)程度の範囲から選択でき、通常、0.7〜1.3モル、好ましくは0.8〜1.2モル(例えば、0.85〜1.15モル)、さらに好ましくは0.9〜1.1モル(例えば、0.95〜1.05モル)程度であってもよい。なお、必要により、不飽和アルデヒド及び/又はジエンを反応溶媒として用いてもよい。
本発明では、触媒(ルイス酸触媒)として、ハロゲン化亜鉛及び/又はハロゲン化錫を用い、この触媒(又は触媒系)は塩化コリンを含まず、ルイス酸と塩化コリンとのイオン性液体を形成しない。また、触媒は固体触媒であってもよいが、通常、均一反応系を形成する。ハロゲン化亜鉛としては、弗化亜鉛、塩化亜鉛、臭化亜鉛、沃化亜鉛などが挙げられ、好ましくは塩化亜鉛である。ハロゲン化錫としては、弗化錫、塩化錫、臭化錫、沃化錫などが挙げられ、好ましくは塩化錫である。ハロゲン化錫において錫の価数は2価又は4価であってもよい。塩化錫(II)などのように好ましい錫の価数は2価である。なお、ハロゲン化亜鉛及びハロゲン化錫(II)は反応が進行しても環状アルデヒドが多量化(三量化など)することがなく、高い選択率及び収率で環状アルデヒドを製造できる。また、価数4価のハロゲン化錫(IV)を用いても高い選択率及び収率で目的化合物を得ることができるが、反応条件によっては、反応の進行に伴って環状アルデヒドが多量化する場合がある。このような場合であっても、所定の溶媒と組み合わせて反応することにより、環状アルデヒドの多量化(三量化など)を有効に防止できる。
触媒は無水物であってもよく水和物(又は結晶水含有物)や溶媒和物などであってもよい。水和物(又は結晶水含有物)としては、例えば、SnCl2・2H2Oなどが挙げられる。これらのルイス酸触媒は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
触媒の使用量は、ジエンおよび不飽和アルデヒドのうち少ないモル数の成分1モルに対して、0.1モル(例えば、0.00001〜0.1モル)程度の範囲から選択でき、通常、0.0001〜0.075モル(例えば、0.001〜0.05モル)、好ましくは0.005〜0.045モル(例えば、0.007〜0.04モル)、さらに好ましくは0.0075〜0.035モル(例えば、0.01〜0.03モル)程度である。
反応は溶媒の存在下又は非存在下で行ってもよい。溶媒としては、反応に不活性な種々の溶媒、例えば、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなど)、炭化水素類(ヘキサン、オクタンなどの脂肪族炭化水素類、シクロヘキサンなどの脂環族炭化水素類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエタンなど)、エーテル類(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテルなどの鎖状エーテル類、ジオキサン、テトラヒドロフランなどの環状エーテル類)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの脂肪酸アルキルエステル類)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのジアルキルケトン類、シクロヘキサノンなどのシクロアルカノン類など)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシドなど)、ニトリル類(アセトニトリルなど)、アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなど)、セロソルブ類、カルビトール類、セロソルブアセテート類などが例示できる。これらの溶媒は単独で又は二種以上混合して使用できる。
なお、前記のように、4価のハロゲン化錫(IV)(SnCl4など)を触媒として用いると、転化率が増加し反応が進行するにつれて環状アルデヒドが多量化する場合がある。また、反応溶媒は反応の進行だけでなく環状アルデヒドの多量化にも影響を及ぼすようである。そのため、反応溶媒は、炭化水素類(好ましくは芳香族炭化水素類)、ハロゲン化炭化水素類、ケトン類、ニトリル類など(特に、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、ニトリル類などから選択された少なくとも一種の溶媒)であるのが好ましい。
反応は不均一反応系で行ってもよいが、通常、均一反応系で行われる。反応温度は、装置に応じて、反応を損なわない範囲であれば特に制限はなく、例えば、−100℃〜200℃(例えば、−50℃〜150℃)程度の範囲から選択でき、0〜100℃、好ましくは10〜70℃、さらに好ましくは20〜50℃程度であってもよい。反応は0〜50℃程度が好ましく、室温(例えば、15〜25℃)程度であっても進行できる。反応は、加圧下で行ってもよいが、通常、常圧で行われる。また、反応は不活性ガス雰囲気中で行ってもよく空気中で行ってもよい。本発明では、多量体の副生を抑制しつつ環状アルデヒドを高い選択率及び収率で得ることができる。すなわち、本発明では、前記方法により、環状アルデヒドの多量化を有効に抑制又は防止でき、環状アルデヒドを効率よく製造できる。なお、環状アルデヒドの生成はガスクロマトグラフィなどの種々の分析手段により検出でき、多量体の副生はNMRによりアセタールに対応するピークの生成で検出できる。
このような反応により、前記式(3)で表される環状アルデヒドが効率よく生成する。反応終了後、反応混合物から目的化合物を分離することにより環状アルデヒドを高い選択率及び収率で得ることができる。目的化合物の分離は、慣用の単離精製方法、例えば、蒸留、乾固、析出、晶析、再結晶、抽出、クロマトグラフィ及びこれらの分離方法を組み合わせた方法などを利用して行うことができる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
ジエン、α,β−不飽和アルデヒドの消費及び環状アルデヒドの生成はガスクロマトグラフィ(GC)分析にて確認した。多量体の確認は核磁気共鳴スペクトル(NMR)(BRUKER AM500、500MHz)分析を行いアセタールに特徴的なピークの有無で判定した。
[GC分析条件]
機器:GC−2010((株)島津製作所製)
カラム:DB−5,0.32×60m,1.0μm(J&W)
キャリアガス:ヘリウム
圧力:102.2kPa
スプリット比:50
カラム流量:1.55ml/分
インジェクション温度:250℃
カラム温度:昇温プログラム70℃で3分維持→昇温速度5℃/分→100℃→昇温速度20℃/分→300℃
検出器温度:320℃
流速:1.55ml/分
注入量:1μl
実施例1
2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン(5.93g,0.0722mol)とZnCl2(0.295g,0.00217mol,3mol%)とを混合し、混合物にアクロレイン(4.05g,0.0722mol)を温度20〜30℃の範囲で滴下した。滴下終了後、均一反応系を室温で撹拌し反応した。生成物である3,4−ジメチル−3−シクロへキセンカルバルデヒド(3,4−ジメチル−1,2,5,6−テトラヒドロベンズアルデヒド)が、反応1時間で収率80%、選択率100%、反応3時間で収率92%、選択率100%、反応23時間で収率100%、選択率100%で生成した。その後、反応開始から45.5時間まで継続したが、選択率は100%と低下しなかった。また、NMR分析からアセタールのピークが検出されず、多量化が認められなかった。なお、アクロレインの使用量は、純度100%に換算した値である(以下の実施例及び比較例でも同じ)。
機器:GC−2010((株)島津製作所製)
カラム:DB−5,0.32×60m,1.0μm(J&W)
キャリアガス:ヘリウム
圧力:102.2kPa
スプリット比:50
カラム流量:1.55ml/分
インジェクション温度:250℃
カラム温度:昇温プログラム70℃で3分維持→昇温速度5℃/分→100℃→昇温速度20℃/分→300℃
検出器温度:320℃
流速:1.55ml/分
注入量:1μl
実施例1
2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン(5.93g,0.0722mol)とZnCl2(0.295g,0.00217mol,3mol%)とを混合し、混合物にアクロレイン(4.05g,0.0722mol)を温度20〜30℃の範囲で滴下した。滴下終了後、均一反応系を室温で撹拌し反応した。生成物である3,4−ジメチル−3−シクロへキセンカルバルデヒド(3,4−ジメチル−1,2,5,6−テトラヒドロベンズアルデヒド)が、反応1時間で収率80%、選択率100%、反応3時間で収率92%、選択率100%、反応23時間で収率100%、選択率100%で生成した。その後、反応開始から45.5時間まで継続したが、選択率は100%と低下しなかった。また、NMR分析からアセタールのピークが検出されず、多量化が認められなかった。なお、アクロレインの使用量は、純度100%に換算した値である(以下の実施例及び比較例でも同じ)。
実施例2
2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン(5.93g,0.0722mol)とSnCl2・2H2O(0.489g,0.00217mol,3mol%)とを混合し、混合物にアクロレイン(4.05g,0.0722mol)を温度20〜30℃の範囲で滴下した。滴下終了後、均一反応系を室温で撹拌し反応した。生成物である3,4−ジメチル−3−シクロへキセンカルバルデヒドが、反応3時間で収率37%、選択率100%、反応5時間で収率64%、選択率100%、反応28時間で収率92%、選択率99%で生成した。また、NMR分析からアセタールのピークが検出されず、多量化が認められなかった。
2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン(5.93g,0.0722mol)とSnCl2・2H2O(0.489g,0.00217mol,3mol%)とを混合し、混合物にアクロレイン(4.05g,0.0722mol)を温度20〜30℃の範囲で滴下した。滴下終了後、均一反応系を室温で撹拌し反応した。生成物である3,4−ジメチル−3−シクロへキセンカルバルデヒドが、反応3時間で収率37%、選択率100%、反応5時間で収率64%、選択率100%、反応28時間で収率92%、選択率99%で生成した。また、NMR分析からアセタールのピークが検出されず、多量化が認められなかった。
実施例3
アクロレイン(48.4g、0.864mol)とZnCl2(3.58g,0.0263mol,3mol%)とをオートクレーブに仕込み、ドライアイスで冷却下、ブタジエン(47.3g、0.876mol)を仕込んだ。圧力を4MPaにして30℃で反応し、5時間後に生成物であるテトラヒドロベンズアルデヒド(1,2,5,6−テトラヒドロベンズアルデヒド)が収率76%、選択率93%で得られた。
アクロレイン(48.4g、0.864mol)とZnCl2(3.58g,0.0263mol,3mol%)とをオートクレーブに仕込み、ドライアイスで冷却下、ブタジエン(47.3g、0.876mol)を仕込んだ。圧力を4MPaにして30℃で反応し、5時間後に生成物であるテトラヒドロベンズアルデヒド(1,2,5,6−テトラヒドロベンズアルデヒド)が収率76%、選択率93%で得られた。
実施例4
アクロレイン(49.5g、0.885mol)とZnCl2(1.22g,0.00894mol,1mol%)とをオートクレーブに仕込み、ドライアイスで冷却下、ブタジエン(48.6g、0.900mol)を仕込んだ。圧力を4MPaにして80℃で反応し、5時間後に生成物であるテトラヒドロベンズアルデヒドが収率86%、選択率92%で得られた。
アクロレイン(49.5g、0.885mol)とZnCl2(1.22g,0.00894mol,1mol%)とをオートクレーブに仕込み、ドライアイスで冷却下、ブタジエン(48.6g、0.900mol)を仕込んだ。圧力を4MPaにして80℃で反応し、5時間後に生成物であるテトラヒドロベンズアルデヒドが収率86%、選択率92%で得られた。
実施例5
2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン(3.29g,0.0401mol)とSnCl4・5H2O(0.14g,0.0004mol,1mol%)とジクロロメタン10mlとを混合し、混合物にアクロレイン(2.49g,0.0445mol)を温度20〜30℃の範囲で滴下した。滴下終了後、均一反応系を室温で撹拌し反応した。生成物である3,4−ジメチル−3−シクロへキセンカルバルデヒドが、反応1時間で収率75%、選択率100%、反応3時間で収率86%、選択率91%で生成した。
2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン(3.29g,0.0401mol)とSnCl4・5H2O(0.14g,0.0004mol,1mol%)とジクロロメタン10mlとを混合し、混合物にアクロレイン(2.49g,0.0445mol)を温度20〜30℃の範囲で滴下した。滴下終了後、均一反応系を室温で撹拌し反応した。生成物である3,4−ジメチル−3−シクロへキセンカルバルデヒドが、反応1時間で収率75%、選択率100%、反応3時間で収率86%、選択率91%で生成した。
実施例6
ジクロロメタン10mlに代えてトルエン10mlを用いる以外、実施例5と同様にして反応させたところ、生成物である3,4−ジメチル−3−シクロへキセンカルバルデヒドが、反応1時間で収率48%、選択率83%、反応3時間で収率73%、選択率93%、反応5時間で収率86%、選択率98%、反応7時間で収率87%、選択率96%、反応24時間で収率75%、選択率77%で生成した。
ジクロロメタン10mlに代えてトルエン10mlを用いる以外、実施例5と同様にして反応させたところ、生成物である3,4−ジメチル−3−シクロへキセンカルバルデヒドが、反応1時間で収率48%、選択率83%、反応3時間で収率73%、選択率93%、反応5時間で収率86%、選択率98%、反応7時間で収率87%、選択率96%、反応24時間で収率75%、選択率77%で生成した。
実施例7
ジクロロメタン10mlに代えてアセトニトリル10mlを用いる以外、実施例5と同様にして反応させたところ、生成物である3,4−ジメチル−3−シクロへキセンカルバルデヒドが、反応1時間で収率75%、選択率94%、反応3時間で収率92%、選択率100%、反応5時間で収率92%、選択率98%、反応7時間で収率91%、選択率95%で生成した。
ジクロロメタン10mlに代えてアセトニトリル10mlを用いる以外、実施例5と同様にして反応させたところ、生成物である3,4−ジメチル−3−シクロへキセンカルバルデヒドが、反応1時間で収率75%、選択率94%、反応3時間で収率92%、選択率100%、反応5時間で収率92%、選択率98%、反応7時間で収率91%、選択率95%で生成した。
実施例8
ジクロロメタン10mlに代えてアセトン10mlを用いる以外、実施例5と同様にして反応させたところ、生成物である3,4−ジメチル−3−シクロへキセンカルバルデヒドが、反応1時間で収率24%、選択率68%、反応3時間で収率45%、選択率80%、反応5時間で収率61%、選択率90%、反応7時間で収率71%、選択率94%、反応23時間で収率83%、選択率90%で生成した。
ジクロロメタン10mlに代えてアセトン10mlを用いる以外、実施例5と同様にして反応させたところ、生成物である3,4−ジメチル−3−シクロへキセンカルバルデヒドが、反応1時間で収率24%、選択率68%、反応3時間で収率45%、選択率80%、反応5時間で収率61%、選択率90%、反応7時間で収率71%、選択率94%、反応23時間で収率83%、選択率90%で生成した。
比較例1
ZnCl2(シグマアルドリッチ社製、0.334g、0.00245mol、20mol%)と塩化コリン(シグマアルドリッチ社製、0.171g、0.00123mol、10mol%)を混合して120℃で25分加熱し、イオン性液体を調製した。その後、室温まで冷却し、アクロレイン(0.748g,0.0120mol)を添加し、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン(0.986g,0.0120mol)を温度20〜30℃の範囲で滴下した。滴下終了後、室温で1時間反応した。反応液は固化してしまい、NMRで分析したところ、アセタールに特徴的なピークを検出した(13C−NMR:104ppm、1H−NMR:4.6ppm)。
ZnCl2(シグマアルドリッチ社製、0.334g、0.00245mol、20mol%)と塩化コリン(シグマアルドリッチ社製、0.171g、0.00123mol、10mol%)を混合して120℃で25分加熱し、イオン性液体を調製した。その後、室温まで冷却し、アクロレイン(0.748g,0.0120mol)を添加し、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン(0.986g,0.0120mol)を温度20〜30℃の範囲で滴下した。滴下終了後、室温で1時間反応した。反応液は固化してしまい、NMRで分析したところ、アセタールに特徴的なピークを検出した(13C−NMR:104ppm、1H−NMR:4.6ppm)。
比較例2
スケールを変えて比較例1を再現実験した。すなわち、ZnCl2(シグマアルドリッチ社製、1.34g、0.0098mol、20mol%)と塩化コリン(シグマアルドリッチ社製、0.68g、0.0049mol、10mol%)を混合して120℃で25分加熱し、イオン性液体を調製した。その後、室温まで冷却し、アクロレイン(2.99g,0.048mol)を添加し、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン(3.94g,0.048mol)を温度20〜30℃の範囲で滴下した。滴下終了後、室温で1時間反応した。反応液は固化してしまい、NMRで分析したところ、アセタールに特徴的なピークを検出した(13C−NMR:104ppm、1H−NMR:4.6ppm)。
スケールを変えて比較例1を再現実験した。すなわち、ZnCl2(シグマアルドリッチ社製、1.34g、0.0098mol、20mol%)と塩化コリン(シグマアルドリッチ社製、0.68g、0.0049mol、10mol%)を混合して120℃で25分加熱し、イオン性液体を調製した。その後、室温まで冷却し、アクロレイン(2.99g,0.048mol)を添加し、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン(3.94g,0.048mol)を温度20〜30℃の範囲で滴下した。滴下終了後、室温で1時間反応した。反応液は固化してしまい、NMRで分析したところ、アセタールに特徴的なピークを検出した(13C−NMR:104ppm、1H−NMR:4.6ppm)。
本発明の方法では、環状アルデヒドを極めて高い選択率及び収率で得ることができ、この環状アルデヒドは、ファインケミカル中間体、半導体材料の中間体などとして有用である。
Claims (7)
- ハロゲン化亜鉛及びハロゲン化錫から選択された少なくとも一種のルイス酸触媒の存在下、下記式(1)
で表されるジエンと下記式(2)
で表される不飽和アルデヒドとを反応させ、下記式(3)
で表される環状アルデヒドを製造する方法であって、ルイス酸触媒の使用量が、ジエンおよび不飽和アルデヒドのうち少ないモル数の成分1モルに対して0.1モル以下である環状アルデヒドの製造方法。 - 均一反応系で、直鎖状又は分岐鎖状C4−8ジエンとα,β−不飽和アルデヒドとを反応させる請求項1記載の製造方法。
- ジエンが直鎖状又は分岐鎖状C4−6ジエンであり、不飽和アルデヒドがアクロレイン、メタクロレイン又はクロトンアルデヒドである請求項1又は2記載の製造方法。
- ルイス酸触媒が、塩化コリンを含まず、ハロゲン化亜鉛及びハロゲン化錫(II)から選択された少なくとも一種である請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
- ハロゲン化錫(IV)と、炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、ケトン類、およびニトリル類から選択された少なくとも一種の溶媒との共存下、ジエンと不飽和アルデヒドとを反応させる請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
- ルイス酸触媒の使用量が、ジエンおよび不飽和アルデヒドのうち少ないモル数の成分1モルに対して0.005〜0.05モルである請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
- ハロゲン化亜鉛及びハロゲン化錫から選択された少なくとも一種のルイス酸触媒の存在下、請求項1記載のジエンと不飽和アルデヒドとを反応させ、環状アルデヒドの多量化を抑制する方法であって、ルイス酸触媒を、ジエンおよび不飽和アルデヒドのうち少ないモル数の成分1モルに対して0.1モル以下の割合で用い、環状アルデヒドの多量化を抑制する方法。
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JP2009128741A JP2010275226A (ja) | 2009-05-28 | 2009-05-28 | 環状アルデヒドの製造方法 |
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CN103449991A (zh) * | 2012-05-30 | 2013-12-18 | 国际香料和香精公司 | 4(或3),6-二甲基-3-环己烯-1-羧醛混合物及其制备方法 |
-
2009
- 2009-05-28 JP JP2009128741A patent/JP2010275226A/ja active Pending
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