JP2010274877A - 折りたたみパネル - Google Patents

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Abstract

【課題】
従来の折りたたみパネルは上方に180度折り曲げることのみを目的とし、下方への折り曲げを想定しないものであった。また、無理やり下方に折り曲げたとしても従来の方法では、パネルの厚みに邪魔されて180度折り曲げることはできないという欠点があった。即ち解決しようとする課題は、従来の折りたたみパネルは、上方、下方共には180度折り曲げることができないという点である。
【解決手段】
折りたたみパネルに第1のパネルと、第2のパネルと、第1のパネルと第2のパネルの中間に位置しほぼ長方形の中間部と、第1のパネルの上端と中間部とを繋ぐ第1のヒンジ部と、第2のパネルの下端と中間部とを繋ぐ第2のヒンジ部とを有し、第1のヒンジ部と第2のヒンジ部とが中間部のほぼ長方形の同一対角線上に位置して、折り縮みさせた状態で第1のパネルと、中間部と、第2のパネルがほぼ均一なパネル厚みで整列させることにより前記課題を解決した。
【選択図】図3

Description

本発明は、自動車の内装用パネル、特に、自動車のデッキボード、リヤーパーセルシェルフ、カーゴフロアボックス等の蓋体として使用される折りたたみパネルに関する。
折りたたみパネルに関する従来技術としては特許文献1に開示されているようなものがある。
しかし、特許文献1に開示されている折りたたみパネルは特許文献1内の図7に示されるように、上方に180度折り曲げることのみを目的とし、下方への折り曲げを想定しないものであった。また、無理やり下方に折り曲げたとしても特許文献1に開示されているような方法では、パネルの厚みに邪魔されて180度折り曲げることはできないという欠点があった。
特開2007−168253号公報
解決しようとする課題は、従来の折りたたみパネルが、上方、下方共には180度折り曲げることができないという点である。本発明は上記の点を解決するためになされた。
上記目的を果たすため本発明は、折りたたみパネルであって、第1のパネルと、第2のパネルと、第1のパネルと第2のパネルの中間に位置し(図1の矢印Aの方向から見て)ほぼ長方形の中間部と、(図1の矢印Aの方向から見て)第1のパネルの上端と中間部とを繋ぐ第1のヒンジ部と、(図1の矢印Aの方向から見て)第2のパネルの下端と中間部とを繋ぐ第2のヒンジ部とを有し、第1のヒンジ部と第2のヒンジ部とが(図1の矢印Aの方向から見て)中間部のほぼ長方形の同一対角線上に位置して、(図4に示すように)折り縮みさせた状態で第1のパネルと、中間部と、第2のパネルがほぼ均一なパネル厚みで整列することを最も主要な特徴とする。
また、該折りたたみパネルが熱可塑性樹脂のブロー成形によって一体に形成されたことを第2の主要な特徴とする。
また、該折りたたみパネルの片面または両面に表皮が貼着されていることを第3の主要な特徴とする。
本発明によれば、折りたたみパネルが第1のパネルと、第2のパネルと、第1のパネルと第2のパネルとに挟まれた中間部と、第1のパネルと中間部とを繋ぐ第1のヒンジ部と、第2のパネルと中間部とを繋ぐ第2のヒンジ部とを有し、第1のヒンジ部と第2のヒンジ部とが、ほぼ長方形の形状を有する中間部の同一対角線上に位置することで、上方への180度の折りたたみと、下方への180度の折りたたみにまったく同等の形態を折りたたみパネルに持たせることができるという利点がある。
本発明に係る折りたたみパネルの折り縮み前の斜視図 折り縮み前の折りたたみパネルを図1のA方向から見た部分矢視図 折り縮み中の折りたたみパネルを図1のA方向から見た部分矢視図 折り縮み後の折りたたみパネルを図1のA方向から見た部分矢視図 本発明に係る折りたたみパネルの折り縮み後の斜視図 上方に折りたたんだパネルを図1のA方向から見た部分矢視図 本発明に係る折りたたみパネルを上方に折りたたんだ斜視図 下方に折りたたんだパネルを図1のA方向から見た部分矢視図 本発明に係る折りたたみパネルを下方に折りたたんだ斜視図
上方、下方共に180度折り曲げることができる折りたたみパネルを実現させるという目的を、第1のパネルと、第2のパネルと、第1のパネルと第2のパネルの中間に位置し(図1の矢印Aの方向から見て)ほぼ長方形の中間部と、(図1の矢印Aの方向から見て)第1のパネルの上端と中間部とを繋ぐ第1のヒンジ部と、(図1の矢印Aの方向から見て)第2のパネルの下端と中間部とを繋ぐ第2のヒンジ部とを有し、第1のヒンジ部と第2のヒンジ部とが(図1の矢印Aの方向から見て)中間部のほぼ長方形の同一対角線上に位置して、(図4に示すように)折り縮みさせた状態で第1のパネルと、中間部と、第2のパネルがほぼ均一なパネル厚みで整列させることによって、ブロー成形という安価な工法を用いて、経済性を損なわずに実現した。
本発明の構成を発明の実施の形態に基づいて説明すると次の通りである。図1,図5,図7,図9は、本発明の1実施例を示す折りたたみパネル1の斜視図である。図2,図3,図4,図6,図8は図1のA方向から見た該折りたたみパネル1の部分矢視図である。
図1において該折りたたみパネル1は熱可塑性樹脂のブロー成形によって形成され、第1のパネル11と、第2のパネル21と、該第1のパネル11と該第2のパネル21の中間に位置し(図1の矢印Aの方向から見て、即ち図2において)ほぼ長方形の中間部30と、(図1の矢印Aの方向から見て、即ち図2において)該第1のパネル11の上端と該中間部30とを繋ぐ第1のヒンジ部13と、(図1の矢印Aの方向から見て、即ち図2において)該第2のパネル21の下端と該中間部30とを繋ぐ第2のヒンジ部23とを有し、該第1のヒンジ部13と該第2のヒンジ部23とが(図1の矢印Aの方向から見て、即ち図2において)該中間部30のほぼ長方形の形状を有する該中間部30の2本ある対角線の内1本の、即ち同一の対角線上に位置して、(図4に示すように)折り縮みさせた状態で該第1のパネル11と、該中間部30と、該第2のパネル21とがほぼ均一なパネル厚みで整列するように一体として形成されている。
尚、上記「上端」、「下端」の語の示すものは相対的なものであり、該折りたたみパネル1を天地さかさまにひっくり返したような場合には当然「上端」が「下端」に、「下端」が「上端」にと入れ替わることは言うまでもない。即ち、「上端」が該折りたたみパネル1の一方の面の端を意味し、「下端」が該折りたたみパネル1の他方の面の端を意味するが、表現上分かりやすくするため「上端」、「下端」の語を用いたものである。
次に該折りたたみパネル1の製造方法を説明する。該折りたたみパネル1用の分割金型(図示せず)内に半溶融状態にあるポリプロピレン等の熱可塑性樹脂のパリソン(図示せず)を垂下させ該分割金型を型締めする。
尚、該パリソンに適用される熱可塑性樹脂としてはポリプロピレンに限らず、ポリエチレンや他のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、シンジオタクチックポリスチレン、ポリスチレン、ゴム改質ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、変性ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート等、ブロー成形が可能な樹脂であれば何でも良い。また、該熱可塑性樹脂にガラス繊維、炭素繊維、ボロン繊維、硫酸カルシウム粉末、炭酸カルシウム粉末等を混錬させた複合材であってもよい。
その後該パリソン内に圧縮空気を吹き込んでブローアップし、該折りたたみパネル1のブロー成形を完了させる。
図2は図1のA方向から見た部分矢視図である。図2において、該第1のヒンジ部13及び該第2のヒンジ部23はブロー成形の金型によって圧縮、形成されたいわゆるインテグラルヒンジとなっている。
図3は図2と同じく図1のA方向から見た部分矢視図である。図中矢印の方向に該第1のヒンジ部13と該第2のヒンジ部23をともに折り曲げて該折りたたみパネル1を折り縮める途中の状態を表す。
図4は図2と同じく図1のA方向から見た部分矢視図である。図4中の矢印の方向に該第1のヒンジ部13と該第2のヒンジ部23を充分に折り曲げて該折りたたみパネル1を折り縮み完了させた状態を表す。
図4に示すように、折り縮み完了させた状態で該折りたたみパネル1の該第1のパネル11と、該中間部30と、該第2のパネル21の3者は全体的にほぼ均一なパネル厚みで整列している。
図4で示した折り縮み完了させた状態の該折りたたみパネル1の斜視図を図5に示す。
図4の状態から、該第1のヒンジ部13を回転中心として該第2のパネル21と該中間部30を上方に180度折りたたんだ状態を図6に示す。
図6も図1のA方向から見た部分矢視図である。図6の状態の該折りたたみパネル1の全体の斜視図を図7に示す。
逆に、図4の状態から該第2のヒンジ部23を回転中心として、該第2のパネル21を下方に180度折りたたんだ状態を図8に示す。
図8も図1のA方向から見た部分矢視図である。図8の状態の該折りたたみパネル1の全体の斜視図を図9に示す。
図6と図8、及び図7と図9を見比べれば明らかなように該折りたたみパネル1を折りたたんだ形態は上方、下方への折りたたみ方向に関わらずまったく同一の形態となっている。従って、表裏の差異がまったくない均整な美を有する折りたたみパネルを簡単に得ることができる。また、該折りたたみパネル1の表面(片面または両面)に装飾用の表皮を貼付けても同様に均整な美を簡単に得ることができる。
尚、該表皮に適用される原料繊維としてはポリエステル、アクリル、ビニロン、ポリアミド、レーヨン、アセテート、綿、麻、絹、羊毛等の化学繊維、天然繊維等、繊維であれば何でも良く、形態としては織布、不織布、編み物等、布状のものであれば何でも良い。また、天然皮革や合成皮革であってももちろん良い。
以上実施例に述べたように本発明によれば、折りたたみパネルが
第1のパネルと、第2のパネルと、第1のパネルと第2のパネルの中間に位置し(図1の矢印Aの方向から見て)ほぼ長方形の中間部と、(図1の矢印Aの方向から見て)第1のパネルの上端と中間部とを繋ぐ第1のヒンジ部と、(図1の矢印Aの方向から見て)第2のパネルの下端と中間部とを繋ぐ第2のヒンジ部とを有し、第1のヒンジ部と第2のヒンジ部とが(図1の矢印Aの方向から見て)中間部のほぼ長方形の同一対角線上に位置して、(図4に示すように)折り縮みさせた状態で第1のパネルと、中間部と、第2のパネルがほぼ均一なパネル厚みで整列して
いることで、上方への180度の折りたたみと、下方への180度の折りたたみにまったく同等の形態を持つことができるという効果がある。
尚、上記のように上方への180度の折りたたみと、下方への180度の折りたたみにまったく同等の形態を持つためには、該中間部の形状が平行四辺形であることが必要十分条件なので、上記ほぼ長方形の形状というのは長方形に近い多少ひしゃげた平行四辺形の形状も含むものとする。
また、該折りたたみパネルを熱可塑性樹脂のブロー成形によって一体に形成することにより、安価に該折りたたみパネルを製造することができるという効果もある。
尚、上記実施例では該折りたたみパネルは熱可塑性樹脂のブロー成形によって形成されるとしたが、これに限るものではなく、インジェクション成形やコンプレッション成形、熱プレス成形等、他の成形法で形成したものを積層したり、あるいは組合わせたりして形成してもよい。また成形材料も熱可塑性樹脂に限らず、熱硬化性樹脂や金属、ゴム材料等、ヒンジを形成することができさえすれば何でもよい。
また、上記実施例ではインテグラルヒンジを例として説明したが、これに限るものではなくヒンジ(蝶番)であれば何でもよい。
本発明は、自動車の内装用パネル、特に、自動車のデッキボード、リヤーパーセルシェルフ、カーゴフロアボックス等の蓋体として使用される折りたたみパネルに利用可能である。
1 折りたたみパネル
11 第1のパネル
13 第1のヒンジ部
21 第2のパネル
23 第2のヒンジ部
30 中間部

Claims (3)

  1. 折りたたみパネルであって、第1のパネルと、第2のパネルと、第1のパネルと第2のパネルの中間に位置しほぼ長方形の中間部と、第1のパネルの上端と中間部とを繋ぐ第1のヒンジ部と、第2のパネルの下端と中間部とを繋ぐ第2のヒンジ部とを有し、第1のヒンジ部と第2のヒンジ部とが中間部のほぼ長方形の同一対角線上に位置して、折り縮みさせた状態で第1のパネルと、中間部と、第2のパネルがほぼ均一なパネル厚みで整列することを特徴とする折りたたみパネル
  2. 請求項1における折りたたみパネルが熱可塑性樹脂のブロー成形によって一体に形成されたことを特徴とする請求項1記載の折りたたみパネル
  3. 請求項1または請求項2における折りたたみパネルの片面または両面に表皮が貼着されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の折りたたみパネル
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