JP2010273303A - 異常検出装置、電子機器、および、プログラム - Google Patents

異常検出装置、電子機器、および、プログラム Download PDF

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直樹 永福
Yukitsugu Otani
幸嗣 大谷
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Abstract

【課題】より高精度の短絡検出を実現する。
【解決手段】ヒンジ部30を介して接続された操作側筐体10と表示側筐体20を有する移動体通信端末1において、表示側筐体20内のサブ基板200へは、ヒンジ部30の内部を通る基板間伝送部300を介して電力が供給される。このような電力路における電圧と電流を、電圧検出回路130および電流検出回路140が検出する。制御部110は、検出された電圧から基板間伝送部300での電圧低下を検出し、電圧低下量が閾値以上である場合、基板間伝送部300で短絡が発生していると判別する。電圧に基づく判別では短絡が検出されない場合、制御部110は、移動体通信端末1内の各デバイスについての許容電流値を記憶部150から取得し、検出された電流値が、サブ基板200上で稼働しているデバイスの許容電流量にマージンを加えた数値以上となる場合、基板間伝送部300で軽微な短絡が発生していると判別する。
【選択図】図3

Description

本発明は、異常検出装置、電子機器、および、プログラムに関し、特に、可動筐体を有する電子機器での短絡検出に好適な異常検出装置、電子機器、および、プログラムに関する。
携帯電話などの移動体通信端末では、ヒンジによって連結された開閉可能な2つの筐体をもつ、いわゆる折り畳み式が主流となっている。このような折り畳み式の筐体は、携帯性と操作性を両立できる形態として広く普及している。
しかしながら、開閉動作をヒンジによって実現しているため、構造上、ヒンジ部に間隙が生じることが避けられない。このため、ヒンジ部の間隙から微細な異物がヒンジ内部に混入してしまうことがある。
ここで、ヒンジ内部には、2つの筐体間で種々の信号を送受したり、動作電力を供給したりするためのケーブルが貫通している。このケーブルは、ヒンジによる開閉動作に追従できるよう、フレキシブルケーブル(いわゆる「フレキ」)や細線同軸ケーブルなどのような、可撓性に優れたケーブルが用いられている。
このようなヒンジ内部に異物が混入すると、開閉動作によって異物とケーブルが擦れ合い、ケーブルが損傷してしまうことがある。動作電力や各種電気信号を伝送しているケーブルが損傷することは、短絡(ショート)などの異常が生じる要因となる。
短絡の程度が軽微である段階では顕著な問題が発現しにくいため、異常であることが気づかれずに使用されてしまうことが多く、さらなる使用に伴う開閉動作によりケーブルの損傷が拡大してしまうことがある。ケーブルの損傷が拡大することで深刻な短絡が発生すると、ケーブルの焼損や発火などといった、重大な危険を伴う事故に発展するおそれがある。
したがって、ヒンジ部のような可動部に実装されているケーブルや回路においては、高精度の短絡検出(異常検出)が重要となる。従来、電子機器においては、電圧の検出による短絡検出(異常検出)が一般的な方法として広く用いられている(例えば、特許文献1)。
特開平7−281769号公報
移動体通信端末の高性能化・多機能化により、必要とする動作電力が異なる種々のデバイスが移動体通信端末内に搭載されている。そして、これらのデバイスは、常にすべてが動作しているのではなく、移動体通信端末の動作モードや省電力動作などにより、動作しているデバイスの組み合わせは変化する。また、同じデバイスであっても、ユーザの好みや使用環境によって、必要とする動作電力が異なる場合がある(例えば、ディスプレイの照度など)。
このような特性となる移動体通信端末においては、動作しているデバイスの組み合わせなどによって適正な電圧値が異なるため、電圧検出による短絡検出(異常検出)では判定を誤ってしまうおそれがある。また、短絡の程度が軽微である場合、電圧の変化として現れにくいため、電圧に基づく短絡検出では、初期段階の短絡を確実に検出することが困難である。
また、過電流時に電源を切断する自己復帰型のヒューズなども知られているが、ある程度以上の電流でないと動作しないため、移動体通信端末などのような、動作電流の比較的低い小型の電子機器には採用できないという問題がある。
本発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、電子機器における異常検出の精度を向上させることを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点にかかる異常検出装置は、
回路上の異常を検出するための異常検出装置であって、
前記回路上での電圧を検出する電圧検出手段と、
前記回路上での電流を検出する電流検出手段と、
前記電圧検出手段が検出した電圧に基づいて、前記回路における電圧低下を検出する電圧低下検出手段と、
前記電流検出手段が検出した電流値と、前記回路上の電力が供給される装置の動作設定毎に規定された設計電流値とを比較する電流比較手段と、
前記電圧低下検出手段が検出した電圧低下量、及び/又は、前記電流比較手段による比較結果に基づいて、前記回路上で異常が発生しているか否かを判別する異常判別手段と、
を備えることを特徴とする。
上記異常検出装置において、
前記電流比較手段は、前記回路上の電力が供給される装置のうち、稼働している装置についての設計電流値を取得し、少なくとも該取得した設計電流値に基づいた許容電流値と、前記電流検出手段が検出した電流値とを比較し、
前記異常判別手段は、前記電流検出手段が検出した電流値が、前記許容電流値以上となる場合、前記回路上で異常が発生していると判別することが望ましい。
上記異常検出装置において、
前記電流比較手段は、前記設計電流値にマージン値を加算して前記許容電流値を求めることが望ましい。
上記異常検出装置において、
前記電流検出手段は、電圧低下量に基づく前記異常判別手段の判別では異常が検出されない場合に、前記電流検出をおこなうことが望ましい。
上記異常検出装置は、
前記異常判別手段により前記回路に異常が発生していると判別された場合、当該回路への電力供給を制御する保護手段をさらに備えていることが望ましい。
上記異常検出装置において、
前記保護手段は、前記回路に、より低電力で動作する動作設定に基づく電力が供給されるよう制御することが望ましい。
上記異常検出装置において、
前記保護手段は、前記回路への電力供給を遮断することが望ましい。
上記異常検出装置は、
少なくとも前記電流比較手段が取得する設計電流値を記憶した記憶手段をさらに備えていることが望ましい。
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点にかかる電子機器は、
上記異常検出装置を備えた電子機器であることを特徴とする。
上記電子機器は、
少なくとも電源を有する第1の筐体と、
可動部位を介して前記第1の筐体に接続された第2の筐体を有し、
前記回路は、少なくとも前記可動部位内を通るよう配設され、前記電源からの電力を前記第2の筐体内に構成された装置に供給する電力路を含む、
ことを特徴とする。
上記電子機器において、
前記電圧検出手段は、前記可動部位内における前記電力路での電圧低下を検出できる位置で電圧を検出することが望ましい。
上記電子機器において、
前記電源はバッテリであり、
前記記憶手段は、前記バッテリの残量を求めるために用意された、前記設計電流値を含む情報を記憶していてもよく、この場合、
前記電流比較手段は、前記バッテリの残量を求めるために用意された情報から設計電流値を取得することができる。
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点にかかるプログラムは、
回路上の異常を検出するための異常検出装置を制御するコンピュータに、
前記回路上で検出された電圧に基づいて、前記回路における電圧低下を検出する機能と、
前記回路上で検出された電流値と、前記回路上の電力が供給される装置の動作設定毎に規定された設計電流値とを比較する機能と、
前記検出した電圧低下量、及び/又は、前記比較の結果に基づいて、前記回路上で異常が発生しているか否かを判別する機能と、
を実現させることを特徴とする。
本発明によれば、より精度の高い異常検出を実現することができる。
本発明の実施形態1にかかる移動体通信端末の例を示す図であり、(a)は、開状態時の主面の構成例を示し、(b)は、開状態時の背面の構成例を示す。 図1に示した移動体通信端末内の配線を説明するための図であり、(a)は、移動体通信端末の内部構成を模式的に示し、(b)は、(a)に示した基板間伝送部の構成を示す。 図1に示した移動体通信端末の構成を示すブロック図である。 図3に示した記憶部に格納されている「バッテリ残量判別用テーブル」の例を示す図である。 図3に示す制御部によって実現される機能を示す機能ブロック図である。 本発明の実施形態にかかる「ヒンジ内短絡検出処理」を説明するためのフローチャートである。 図6に示した処理において実行される「装置保護処理」を説明するためのフローチャートである。 図3に示した記憶部に格納されている「ヒンジ内短絡判別用テーブル」の例を示す図である。
本発明にかかる実施形態を、図面を参照して以下に説明する。
まず、本発明が適用される電子機器について説明する。本発明が適用される電子機器は、例えば、図1に示すような折り畳み式の移動体通信端末1である。つまり、移動体通信端末1は、キーパッド11のような操作系の構成を有する操作側筐体10(第1の筐体)と、メインディスプレイ22のような表示装置などの構成を有する表示側筐体20(第2の筐体)とが、1軸もしくは多軸構造のヒンジ部30によって連結された構成である。
ここで、図1は、このような折り畳み式の移動体通信端末1が開いた状態(以下、「開状態」とする)を示しており、図1(a)が、開状態の移動体通信端末1の主面(正面)を示し、図1(b)が、開状態の移動体通信端末1の背面を示している。
図1(a)に示すように、操作側筐体10の主面側には、キーパッド11の他に、例えば、通話時の送話音声を入力するためのマイクロフォン12などが構成されている。また、図1(b)に示すように、操作側筐体10の背面側には、例えば、スチル画像や動画像を撮像するためのカメラ14や、カメラ14による撮像時の照明となるカメラライト16などが構成されている。
一方、図1(a)に示すように、表示側筐体20の主面側には、液晶表示装置などで構成されたメインディスプレイ22の他に、例えば、通話時の受話音声を出力するための受話用スピーカ25や、音声コンテンツや動画コンテンツなどの再生時の音声出力をおこなうためのメインスピーカ26などが構成されている。また、図1(b)に示すように、表示側筐体20の背面側には、例えば、有機ELパネルなどで構成されたサブディスプレイ23などが構成されている。
以上のような構成の移動体通信端末1における主要な配線構成を、図2を参照して説明する。図2(a)は、移動体通信端末1内部における配線構成を示すため、図1(a)に示した移動体通信端末1の状態から、キーパッド11とメインディスプレイ22を除外した状態を示しており、この状態で視認できる部分を実線で示し、内部にあって視認できない部分を破線で示している。
図示するように、操作側筐体10の内部には、メイン基板100が構成されている。メイン基板100は、移動体通信端末1の電子処理動作をおこなうための回路やLSI、プロセッサ、メモリ、電源回路などといった電子部品や配線、および、操作側筐体10に構成されているデバイスなどが実装された基板であり、メイン基板100全体としての動作によって、例えば、無線通信や入出力動作、各部への電力供給、などといった、移動体通信端末1における電気的動作や電子的処理に必要な動作が実現される。
すなわち、メイン基板100には、移動体通信端末1全体を制御するための制御部(詳細後述)などが実装されている。また、移動体通信端末1の各部の動作電力を供給する電源となるバッテリ(詳細後述)なども操作側筐体10に構成されている。
一方、表示側筐体20の内部には、サブ基板200が構成されている。サブ基板200には、表示側筐体20に構成されているデバイスが実装される。上述したように、移動体通信端末1全体の制御をおこなう制御部やバッテリが、操作側筐体10に構成されているので、表示側筐体20に構成されているデバイスを制御するための信号伝送や電力供給をおこなうために、メイン基板100とサブ基板200とを電気的に接続する配線が必要となる。
このため、本実施形態では、図2(b)に示すような基板間伝送部300を移動体通信端末1内に構成することで(図2(a)内の破線部分)、メイン基板100とサブ基板200とを電気的に接続する。基板間伝送部300は、図2(b)に示すように、メイン基板コネクタ310、サブ基板コネクタ320、可撓ケーブル330、などから構成された内装用コネクタである。
メイン基板コネクタ310およびサブ基板コネクタ320は、それぞれ、メイン基板100およびサブ基板200に構成されているレセプタクルコネクタと嵌合するプラグコネクタであり、それぞれに可撓ケーブル330の各端が結線される。
可撓ケーブル330は、動作電力や電気信号を伝送するケーブルであり、1軸もしくは多軸構造のヒンジ部30内において、ヒンジ部30による開閉動作や回転動作に追従できるよう、可撓性に優れた性質のケーブルである。この場合、例えば、FPC(Flexible Print Circuit)のような、いわゆる「フレキ」と呼ばれるフレキシブルケーブルや、細線同軸ケーブルなどが可撓ケーブル330として用いられる。
このような基板間伝送部300によってメイン基板100とサブ基板200とが接続された移動体通信端末1の内部構成の例を、図3を参照して説明する。図3は、移動体通信端末1の内部構成の例を模式的に示したブロック図である。
まず、操作側筐体10内の構成を説明する。上述したように、操作側筐体10にメイン基板100が構成されている。メイン基板100には、例えば、図3に示すように、キーパッド11、マイクロフォン12、音声処理部13、カメラ14、画像処理部15、カメラライト16、制御部110、主要機能部120、電圧検出回路130、電流検出回路140、記憶部150、などのデバイスや回路が実装されている。なお、これらの構成は、メイン基板100と電気的に接続されていれば、メイン基板100上に直接的に配置されていなくてもよい。
また、操作側筐体10には、バッテリ160、電源制御部170、バッテリ残量検出部180、などが構成されている。ここでは、理解を容易にするため、電源制御部170およびバッテリ残量検出部180はメイン基板100に実装されていない構成とするが、これらについてはメイン基板100に実装された構成としてもよい。すなわち、図3に示した操作側筐体10内の各構成は、配置形態にかかわらず、すべてメイン基板100と電気的に接続されているものとする。
キーパッド11は、図1(a)に示すような、移動体通信端末1のユーザによって操作されるテンキーや各種ボタンなどから構成され、操作に応じた入力信号を生成して制御部110に入力する。
マイクロフォン12は、移動体通信端末1で音声通話をおこなう際に、ユーザの発話音声を電気信号に変換するマイクロフォンであり、発話音声を示すアナログ信号を音声処理部13に入力する。
音声処理部13は、例えば、音声コーデックなどから構成され、入力されたアナログ音声信号をデジタルデータに変換して制御部110に入力する他、制御部110から入力されたデジタル音声データをアナログ信号に変換して、受話用スピーカ25やメインスピーカ26に出力する。この場合のアナログ音声信号は、基板間伝送部300を介して受話用スピーカ25やメインスピーカ26に送出される。
カメラ14は、デジタルカメラモジュールであり、図1(a)に示すように、レンズなどの入光部が露出するよう操作側筐体10内に構成されている。カメラ14の撮像動作によって得られた画像を示す信号は、画像処理部15に出力される。
画像処理部15は、いわゆる画像処理エンジンと呼ばれる画像処理専用のプロセッサであり、カメラ14から入力された画像信号を処理する他、移動体通信端末1で取り扱われる種々の画像信号にかかる処理をおこなう。処理された画像を表示出力する場合、画像処理部15は、メインディスプレイ22などでの表示に必要となる信号変換(例えば、RGB信号への変換)などをおこなって、メインディスプレイ22などに出力する。この場合の画像信号は、基板間伝送部300を介してメインディスプレイ22やサブディスプレイ23に送出される。
カメラライト16は、例えば、白色LEDなどから構成され、図1(a)に示すように、発光面が露出するよう操作側筐体10に構成されることで、カメラ14での撮像時の照明として機能する。
制御部110は、例えば、CPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)などのプロセッサや、レジスタやRAM(Random Access Memory)などの記憶装置などから構成され、移動体通信端末1の各部を制御する。すなわち、表示側筐体20内の構成の制御もおこなうため、これらの制御信号については、基板間伝送部300を介して出力される。このような制御部110の動作は、記憶部150などに格納されているプログラムを実行することで実現される。
主要機能部120は、図3で具体的に示している構成の他に、移動体通信端末として一般的となっている機能や構成を包括的に示したものであり、基本機能である音声通話やデータ通信に必要な通信動作にかかる構成(アンテナ、RF送受信回路、変復調回路、など)が含まれる他、例えば、ワンセグメント放送などの放送受信にかかる構成(アンテナ、RF受信回路、チューナ回路、復調回路など)、GPS受信にかかる構成(アンテナ、RF受信回路など)、バイブレーション機能にかかる構成(振動モータなど)、各種無線通信にかかる構成(非接触ICカードモジュール、Bluetoothモジュール、無線LANモジュール、など)、が任意的に含まれているものとする。
電圧検出回路130は、移動体通信端末1内で各構成に供給されている動作電力にかかる電圧を検出(計測)する電圧検出回路であり、その構成は一般的な電圧検出回路と同様であるものとする。本実施形態では、電圧検出回路130による検出信号を制御部110に入力するため、電圧検出回路130には、例えば、ADC(Analog-Digital Converter:アナログ−デジタル変換器)が構成されているものとし、計測した電圧を示すデジタルデータを制御部110に出力する。
電流検出回路140は、移動体通信端末1内で各構成に供給されている動作電力にかかる電流を検出(計測)する電流検出回路であり、その構成は一般的な電流検出回路と同様であるものとする。本実施形態では、電流検出回路140による検出信号を制御部110に入力するため、電流検出回路140には、例えば、ADCが構成されているものとし、計測した電流を示すデジタルデータを制御部110に出力する。
記憶部150は、例えば、フラッシュメモリなどの書換可能な記憶装置などから構成され、制御部110が実行するプログラムの他、制御部110による処理で用いられるデータや演算式、制御部110による処理で生成されたデータなどを格納する。
バッテリ160は、例えば、リチウムイオン電池などの2次電池であり、移動体通信端末1の動作電力を供給する電源として用いられる。
電源制御部170は、例えば、レギュレータ、降圧用DC−DCコンバータ、昇圧用DC−DCコンバータ、などから構成され、バッテリ160から供給される電力を各構成に供給するとともに、供給先が必要とする電圧・電流となるよう制御する。
本実施形態では、図3に示すように、メイン基板100およびサブ基板200それぞれへの電力供給が、電源制御部170によって別系統となっているものとする。
バッテリ残量検出部180は、例えば、電圧検出回路などから構成され、バッテリ160の出力電圧を計測する。バッテリ残量検出部180によって計測されたバッテリ電圧に基づいて、制御部110がバッテリ残量を算出し、メインディスプレイ22へのアイコン表示などをおこなう。
ここで、移動体通信端末1には種々のデバイスが搭載されており、各デバイスが必要とする電力は同じではない。よって、そのとき動作しているデバイスとその動作設定によっては、同じバッテリ電圧であってもバッテリ残量が異なる場合がある。このため、制御部110は、バッテリ残量の算出の際には、図4に示すような「バッテリ残量判別用テーブル」を参照することで、バッテリ電圧に基づくバッテリ残量を補正する。
この「バッテリ残量判別用テーブル」は、記憶部150に格納されているものであり、図4に示すように、移動体通信端末1に構成されているデバイスそれぞれについての動作設定毎に、設計電流値と補正電圧値が記録されている。バッテリ残量を算出する際には、そのとき動作しているデバイスと動作設定に対応する補正電圧値の合計を、検出したバッテリ160の電圧から減じた電圧に基づいてバッテリ残量を算出する。このような方法によるバッテリ残量算出は、一般的におこなわれているものであり、移動体通信端末1においても、既知の該当技術を用いることで、バッテリ残量検出がおこなわれるものとする。
図3に戻り、表示側筐体20内の構成を説明する。上述したように、表示側筐体20内にはサブ基板200が構成されており、サブ基板200には、図3に示すように、メインディスプレイ22、サブディスプレイ23(これらを合わせて「表示部21」とする)や、受話用スピーカ25、メインスピーカ26(これらを合わせて「音声出力部24」とする)が実装されている。
メインディスプレイ22は、例えば、液晶表示装置などから構成され、移動体通信端末1の操作にかかる各種画面の表示や、種々の画像・映像などの表示に用いられる。また、サブディスプレイ23は、例えば、有機EL表示装置などから構成された、メインディスプレイ22よりも小型のディスプレイであり、時刻や日付などのような簡易情報の表示に用いられる。このような表示部21が表示する画像などを示す信号は、画像処理部15から出力され、基板間伝送部300を介して表示部21に入力される。同様に、表示部21を制御する制御信号は、制御部110から出力され、基板間伝送部300を介して表示部21に入力される。
受話用スピーカ25は、移動体通信端末1で音声通話をおこなっている際に受話音声を出力するスピーカであり、メインスピーカ26は、音楽や動画などのような音声を含むコンテンツの再生音声などを出力する、受話用スピーカ25よりも高出力のスピーカである。このような音声出力部24が出力する音声を示す信号は、音声処理部13から出力され、基板間伝送部300を介して音声出力部24に入力される。同様に、音声出力部24を制御する制御信号は、制御部110から出力され、基板間伝送部300を介して音声出力部24に入力される。
このように、サブ基板200に実装されている構成への制御信号は、基板間伝送部300を介してメイン基板100側から伝送される。同様に、サブ基板200に実装されている構成の動作電力も、電源制御部170から基板間伝送部300を介してサブ基板200に供給されている。
本実施形態の移動体通信端末1は、上述したように、ヒンジ部30による折り畳み式の筐体構造であるため、ヒンジ部30によって開閉動作や回転動作がおこなわれる。このため、ヒンジ部30には、構造上、回転部分などに間隙がある。このような間隙から微細な異物がヒンジ部30内に混入することがあり、ヒンジ部30の開閉動作によって可撓ケーブル330が異物で擦られると、可撓ケーブル330が損傷して短絡(ショート)することがある。短絡の程度が大きい場合、可撓ケーブル330の焼損などが生じるおそれもある。
このような重度の短絡を未然に防ぐため、本実施形態では、電圧検出回路130による電圧検出に加え、電流検出回路140による電流検出をおこなうことで、可撓ケーブル330に生じる短絡(異常)についてのより高精度な検出を図る。ここで、可撓ケーブル330に生じる短絡を検出するため、図3に示すように、電圧検出回路130は、サブ基板200への供給電力について、基板間伝送部300(可撓ケーブル330)における電圧低下(ドロップ)の検出をおこなうために、基板間伝送部300よりもサブ基板200側で電圧を計測する。
そして、制御部110が記憶部150に格納されているプログラムを実行することにより、基板間伝送部300(ヒンジ部30内)での短絡を検出するための機能が実現される。制御部110によって実現される機能を図5に示す。図5は、制御部110によって実現される機能を示した機能ブロック図である。
図示するように、制御部110は、異常検出処理部111、動作設定判別部112、電圧検出部113、電流検出部114、短絡判別部115、保護動作部116、などとして機能する。
異常検出処理部111は、本実施形態にかかる基板間伝送部300(可撓ケーブル330)での短絡を含め、移動体通信端末1で生じる種々の異常を検出するための動作を実行する。この場合において、異常検出処理部111は、各動作の実行タイミングを判別し、必要な機能にかかるプログラムを実行させることで、当該動作にかかる処理を実行する。
本実施形態では、基板間伝送部300(ヒンジ部30内)で発生する短絡(以下、「ヒンジ内短絡」とする)を検出するための異常検出動作をおこなうものとし、異常検出処理部111は、ヒンジ内短絡の検出に必要な動作の実行をおこなう。なお、ヒンジ内短絡の検出動作は、例えば、一定時間毎に間欠的に実行される他、移動体通信端末1において稼働しているデバイスが変更されたときなどに実行されるものとする。よって、異常検出処理部111は、キーパッド11からの入力信号や、主要機能部120からの動作信号などに基づいて、稼働デバイスが変更されたことを認識する。また、制御部110が備えるタイマ回路などの動作に基づいて、間欠実行にかかる時間間隔を計測する。
動作設定判別部112は、異常検出処理部111によってヒンジ内短絡の検出をおこなう場合に、そのとき稼働しているデバイスと、当該デバイスについての動作設定を判別する。この場合の動作設定は、例えば、図4に示したバッテリ残量判別用テーブルに示されているものとする。また、稼働しているデバイスは、例えば、OSなどの基本プログラムによるステータスモニタなどから判別する。
電圧検出部113は、電圧検出回路130を制御し、電圧検出動作を実行させることで、ヒンジ内短絡検出に必要な電圧検出をおこなう。
電流検出部114は、電流検出回路140を制御し、電流検出動作を実行させることで、ヒンジ内短絡検出に必要な電流検出をおこなう。
短絡判別部115は、検出された電圧や電流に基づいて、ヒンジ内短絡が発生しているか否かを判別する。ここで、電圧については、基板間伝送部300(可撓ケーブル330)を通った電力における電圧低下量(ドロップ量)と閾値とを比較することで、ヒンジ内短絡の発生有無を判別する。また、電流については、そのとき稼働している表示側筐体20内のデバイスとその動作設定から求められる許容電流量(詳細後述)と検出された電流値とを比較することで、ヒンジ内短絡の発生有無を判別する。
保護動作部116は、短絡判別部115により、ヒンジ内短絡が発生していると判別された場合に、当該ヒンジ内短絡に起因する損傷から移動体通信端末1を保護するための動作をおこなう。保護動作部116は、電源制御部170を制御することにより、電力量の低減や電力供給の停止などをおこなうことで、短絡による損傷を防止するための保護動作をおこなう。
以上のような構成の移動体通信端末1の動作を説明する。ここでは、ヒンジ内短絡を検出するために実行される「ヒンジ内短絡検出処理」を、図6に示すフローチャートを参照して説明する。この「ヒンジ内短絡検出処理」は、ヒンジ内短絡検出を実行すべきタイミングとなったことを契機に開始される。ここでは、例えば、移動体通信端末1の電源オン時、動作モードの変更時、間欠動作にかかる時間経過時、バッテリ残量の検出時、移動体通信端末1の電源オフ時、などを実行タイミングとして処理が開始される。なお、どのような実行タイミングを採用するかは任意であり、例えば、より低電力消費となるような組み合わせで実行されてもよい。
処理が開始されると、異常検出処理部111は、ヒンジ内短絡検出の開始を電圧検出部113に通知する。電圧検出部113は、この通知に応じて電圧検出回路130を制御し、基板間伝送部300(可撓ケーブル330)を通過した電力(サブ基板200への供給電力)の電圧を検出し(ステップS101)、短絡判別部115に通知する。
短絡判別部115は、予め定められているサブ基板200への供給電力についての規定電圧と、ステップS101で検出された電圧との差分を算出することで、可撓ケーブル330による電圧低下量(ドロップ量)を求め、求めたドロップ量と閾値を比較する(ステップS102)。短絡が発生していると、電圧低下が生じるため、短絡の発生を示すドロップ量を閾値とすることで、電圧のドロップ量に基づいて、短絡の発生有無を判別することができる。すなわち、算出したドロップ量が閾値以上であれば、基板間伝送部300(可撓ケーブル330)で短絡が発生していると判別される。
この場合(ステップS102:No)、短絡判別部115は、ヒンジ内短絡が発生していると検出し(ステップS111)、その旨を保護動作部116に通知する。この場合、保護動作部116は、短絡から移動体通信端末1を保護するための「装置保護処理」を実行する(ステップS200)。「装置保護処理」の詳細は後述する。
一方、電圧のドロップ量が閾値未満であり(ステップS102:Yes)、電圧からはヒンジ内短絡の発生を検出しない場合、短絡判別部115は、電流に基づく判別をおこなう旨を動作設定判別部112に通知する。短絡判別部115からの通知に応じて、動作設定判別部112は、移動体通信端末1で現在稼働しているデバイスと、その動作設定を特定する(ステップS103)。
動作設定判別部112は、特定した稼働デバイスのうち、サブ基板200側のデバイス、すなわち、表示側筐体20内のデバイスを特定し(ステップS104)、短絡判別部115に通知する。
短絡判別部115は、ステップS104で特定されたサブ基板200側のデバイスと、ステップS103で特定された当該デバイスの動作設定に基づいて、サブ基板200に供給される電力についての許容電流量を算出する(ステップS105)。ここでは、図4に示した「バッテリ残量判別用テーブル」と、図8に示すような「ヒンジ内短絡判別用テーブル」を参照することで許容電流量を算出する。
ここで、「ヒンジ内短絡判別用テーブル」は、表示側筐体20内に構成されているデバイスについて、それぞれの動作設定毎に、短絡判定のためのマージンとなる電流値が記録されており、本実施形態では、このようなテーブルが記憶部150に予め格納されているものとする。
短絡判別部115は、各デバイスについて設定されている設計電流値と、ヒンジ内短絡の検出のために各デバイスに設定されたマージン値との合計によって求められる電流値を「許容電流量」として算出する。
この場合、短絡判別部115はまず、表示側筐体20内に構成されているデバイス、すなわち、基板間伝送部300(可撓ケーブル330)を介して電力が供給されているデバイスのうち現在稼働しているものについて、その動作設定に対応する設計電流値を「バッテリ残量判別用テーブル」から取得する。
例えば、メインディスプレイ22が稼働しており、そのバックライトの照度が「大」となる動作設定となっている場合、図4の例であれば、「メインディスプレイ」が「オン」である場合の設計電流値「20mA」と、「バックライト」の「照度」が「大」である場合の設計電流値「90mA」との合計である「110mA」が、現在の稼働デバイスを駆動させるための電力の設計電流値となる。
設計電流値を算出すると、短絡判別部115は「ヒンジ内短絡判別用テーブル」を参照し、設計電流値の算出と同一の項目についての「短絡判定マージン値」を取得し、算出した設計電流値に加算する。上述した例の場合、図8の例であれば、「メインディスプレイ」が「オン」である場合のマージン値「15mA」と、「バックライト」の「照度」が「大」である場合のマージン値「30mA」を、設計電流値「110mA」に加算した「140mA」が「許容電流量」となる。
このようにして許容電流量を算出すると、短絡判別部115は、電流検出部114に電流検出を指示する。短絡判別部115からの指示に応じて、電流検出部114は電流検出回路140を制御し、サブ基板200に供給されている電力の電流を計測することで電流検出をおこなう(ステップS106)。電流検出部114は、計測された電流を示す電流値(以下、「検出電流値」とする)を短絡判別部115に通知する。
短絡判別部115は、ステップS106で検出された電流値と、ステップS105で算出した許容電流量とを比較し、サブ基板200に供給されている電力が、許容電流量以上の電流となっているか否かを判別する(ステップS107)。
ここで、電源制御部170は、各デバイスの動作に適した電力となるよう、デバイス毎に電圧制御をおこなう構成であるものとする。すなわち、電源制御170を構成するレギュレータやDC−DCコンバータ(降圧用・昇圧用)は、移動体通信端末1を構成しているデバイスに応じて複数含まれているものとする。この場合、電源制御部170は、制御部110からの指示に基づき、サブ基板200に供給する電力の電圧を制御していることになる。
この場合において、基板間伝送部300(可撓ケーブル330)に短絡が発生していると、サブ基板200に供給されている電力で計測される電流は上昇する。よって、表示側筐体20内のデバイスについての設計電流値にマージンを加えた許容電流量以上となる電流が検出された場合には、サブ基板200への電力路である基板間伝送部300(可撓ケーブル330)において短絡が発生している(すなわち、ヒンジ内短絡が発生している)と判別することができる。
このように、検出電流値が許容電流量以上となった場合(ステップS107:Yes)、短絡判別部115は、ヒンジ内短絡の検出回数をカウントする異常検出カウンタの値に+1加算し(ステップS108)、加算後のカウンタ値が3以上であるか否かを判別する(ステップS109)。一方、検出電流値が許容電流未満である場合(ステップS107:No)は、異常検出カウンタの値を「0」にリセットする(ステップS110)。
そして、異常検出カウンタのカウンタ値が3以上である場合(ステップS109:Yes)、短絡判別部115は、ヒンジ内短絡が発生していることを検出する(ステップS111)。
ここで、ヒンジ内短絡の程度が軽微な場合、電圧ドロップにほとんど影響しないため、電圧に基づく検出動作では、比較的程度の大きい短絡でないと検出できない場合が多い。よって、ここでは、検出された電圧ドロップ量が閾値以上となる場合は、即座にヒンジ内短絡が発生していると判別する(ステップS102:No、ステップS111)。
一方、電流に基づく検出動作では、短絡の程度が軽微である場合も電流値に反映される。また、電圧検出では短絡が検出されない場合に電流に基づく検出をおこなっているので、電圧検出では検出することのできない初期段階の短絡を検出することができる。しかしながら、正常な状態でも電流値には変位があるため、検出電流値が許容電流量以上となった場合でも短絡が発生していないこともある。
よって、3回連続で検出電流値が許容電流量以上となった場合に、ヒンジ内短絡が発生していると判別する(ステップS109:Yes、ステップS111)。一方、検出電流値が許容電流量未満となることがあれば、正常な状態である可能性が高いので、異常検出カウンタをリセットする(ステップS107:No、ステップS110)。
上記のような判別によって、ヒンジ内短絡が発生していることが検出されると、短絡判別部115は、その旨を保護動作部116に通知する。保護動作部116は、短絡判別部115からの通知に応じて、ヒンジ内短絡から移動体通信端末1を保護するための「装置保護処理」を実行する。この「装置保護処理」を、図7に示すフローチャートを参照して説明する。
処理が開始されると、保護動作部116はまず、本処理を開始する契機となったヒンジ内短絡の検出(異常検出)が、電流検出に基づくものであるか電圧検出に基づくものであるかを判別する(ステップS201)。
上述したように、電流に基づく短絡検出では、短絡の程度が軽微な初期段階の短絡が検出され、電圧に基づく短絡検出では、程度の大きい短絡が検出されるため、検出が電流に基づくものであるか電圧に基づくものであるかの違いによって、処理内容を異ならせる。
電流検出に基づいてヒンジ内短絡が検出された場合(ステップS201:Yes)、保護動作部116は、電源制御部170を制御し、サブ基板200上のデバイスを低電力で動作させるよう、サブ基板200への電力を制御させる(ステップS202)。
すなわち、基板間伝送部300(可撓ケーブル330)において短絡が発生しているが、程度が軽微であるため、直ちに電力供給を止める必要はないが、短絡の程度が拡大しないよう、基板間伝送部300(可撓ケーブル330)にかかる電力を低減させる措置をとる。この場合、保護動作部116は、サブ基板200に実装されているデバイスについて、最も低電流となる動作設定となるよう強制的に切り替え、その動作設定に基づく電流となる電力をサブ基板200に供給させる。
本実施形態の場合、表示部21が表示側筐体20に構成されているため、保護動作部116は、表示部21を用いて異常通知をおこなう(ステップS203)。ここでは、移動体通信端末1に異常が発生しているため、例えば、移動体通信端末1の点検・修理などをユーザに促すエラーメッセージなどを表示部21に表示する。
すなわち、軽微な短絡が検出された場合には、供給電力を低減させることで短絡の程度が拡大することを防止するとともに、ユーザへの通知によって、適切な措置がとられるよう促すことで、装置の破損や可撓ケーブル330の焼損などを未然に防止する。
一方、電圧検出に基づいてヒンジ内短絡が検出された場合(ステップS201:No)は、比較的程度の大きい短絡が発生しているため、表示側筐体20内のデバイスが破損したり、可撓ケーブル330が焼損したりする危険性が高い。この場合、保護動作部116は、電源制御部170を制御し、サブ基板200への電力供給を遮断させることで、装置の保護を図る(ステップS204)。
この場合、少なくとも、表示側筐体20に構成されているデバイスは動作しなくなるため、可撓ケーブル330が短絡することに起因する事故の発生が防止されるとともに、異常が発生していることをユーザが容易に認識することができる。
検出方法に応じた保護動作をおこなうと、「ヒンジ内短絡検出処理」(図6)のフローに戻り、そのまま処理を終了する。上述したように、「ヒンジ内短絡検出処理」は、所定の実行タイミングとなった場合に再度実行されることになる。
以上説明したように、本発明を上記実施形態の如く適用することにより、電子機器における異常検出をより高精度におこなうことができる。
つまり、電圧検出だけでなく、電流検出に基づいた短絡検出をおこなうので、電圧低下の発現しにくい軽微な短絡も検出することができる。この場合、そのときに稼働している装置(デバイス)の動作設定に基づく設計電流値と、検出された電流値とを比較することで短絡の有無を判別しているので、初期段階の短絡であっても正確に検出することができる。また、設計電流値にマージン値を加えて比較することで、誤検出を防止することができる。
このような電流検出に基づく判別を、電圧に基づく判別では短絡が検出されない場合におこなうことで、初期段階の短絡を効果的に検出することができる。
そして、電流に基づく判別で短絡が検出された場合は、短絡の程度が軽微であるため、対象となる装置を低電力動作させることで、短絡の拡大を防止するとともに、エラー表示などをおこなうことができる。
また、電圧に基づく判別で短絡が検出された場合は、短絡の程度が比較的大きいため、電力供給を遮断することで装置を保護する。
このような動作を、例えば、折り畳み式の移動体通信端末などのような筐体構造の装置に適用することで、ヒンジなどの可動部内の電力路で生じやすい短絡をより効果的に検出し、適切な保護動作をおこなうことができる。
この場合、例えば、電力路が可動部位を通過した位置などのような、可動部位における電力路で生じた電圧低下を検出できる位置で電圧検出をおこなうことで、短絡が生じやすい可動部位内で発生する短絡を効果的に検出することができる。
また、電流に基づく判別で用いられる設計電流値を記憶部に予め格納しておくことで、短絡検出を効率的におこなうことができる。この場合において、移動体通信端末などのようなバッテリで駆動する装置において一般的におこなわれているバッテリ残量検出の際に用いられる情報に設計電流値が含まれているので、このような既存の情報から設計電流値を取得することで、短絡判別用に設計電流値の情報を別途用意する必要がない。これにより、記憶領域を節約することができる他、ソフトリソースの共用による設計効率の向上を図ることができる。
上記実施形態は一例であり、本発明の適用範囲はこれに限られない。すなわち、種々の応用が可能であり、あらゆる実施の形態が本発明の範囲に含まれる。
例えば、上記実施形態では、電圧に基づく判別では短絡が検出されない場合に電流に基づく判別をおこなうようにしたが、これに限られず、実施順序や頻度などは任意である。例えば、初期段階の短絡を検出できる電流に基づく判別を高い頻度でおこない、電圧に基づく判別はこれよりも低い頻度で実施するようにしてもよい。また、電流に基づく判別で短絡が検出された場合に、短絡の程度を確定するために、電圧に基づく判別をおこなうようにしてもよい。
また、上記実施形態では、電流に基づく判別で短絡を誤検出しないよう、検出電流値が許容電流量以上となることが連続3回検出された場合に短絡が発生していると判別したが、これに限らず、短絡が発生していると判別する条件は任意である。例えば、連続3回ではなく、累積3回を判別条件としてもよい。この場合、「ヒンジ内短絡検出処理」(図6)におけるカウンタ値のリセット(ステップS110)を、カウンタ値が3以上となった後(ステップS109:Yes)におこなえばよい。また、回数は3回に限らず任意である。
また、上記実施形態では、検出された電流値が許容電流量以上となった場合に短絡が発生していると判別したが、検出電流値と許容電流量との差分を求め、差分に応じて短絡の程度を判別してもよい。この場合、「装置保護処理」(図7)において、判別された程度に応じて保護動作を異ならせてもよい。例えば、電流に基づいて短絡が検出された場合であっても、その程度が大きいと判別された場合には、電圧に基づいて検出された場合と同様に、電力供給を遮断する保護動作をおこなうようにしてもよい。
また、上記実施形態では、バッテリを電源とした場合を例示したが、電源は任意であり、例えば、商用電源を用いている場合や、ソーラーパネルなどのような非蓄電性の電源を用いている場合に本発明を適用してもよい。
上記実施形態では、電流に基づく判別では、設計電流値に基づく許容電流量と検出電流量とを比較するものとしたが、電圧に基づく判別においても、比較する閾値を、稼働しているデバイスの動作設定から求められる設計電圧に基づく値としてもよい。
また、上記実施形態で例示したデバイスの種類や、どのデバイスがどの筐体に構成されるかは一例であり、本発明を適用する装置によって任意とすることができる。この場合であっても、構成に応じて「ヒンジ内短絡判別用テーブル」(図8)と同様の情報、および、必要に応じて「バッテリ残量判別用テーブル」(図4)と同様の情報を用意すればよい。
例えば、上記実施形態では、本発明にかかる電子機器を移動体通信端末によって実現した場合を例示したが、移動体通信端末に限られず、種々の電子機器に本発明を適用することができる。
また、本発明にかかる構成を予め備えた電子機器だけでなく、既存の電子機器にプログラムを適用することで、本発明にかかる電子機器として機能させることができる。すなわち、上記実施形態で例示した制御部110が実行するプログラムと同様のプログラムを既存の電子機器に適用し、当該電子機器におけるコンピュータがプログラムを適用することで、上記制御部110と同様の機能が実現され、本発明にかかる電子機器として機能させることができる。
このようなプログラムの適用方法は任意であり、例えば、CD−ROMやメモリカードなどの記憶媒体に格納して適用できる他、例えば、インターネットなどの通信媒体を介して適用することもできる。
1…移動体通信端末、10…操作側筐体、11…キーパッド、12…マイクロフォン、13…音声処理部、14…カメラ、15…画像処理部、16…カメラライト、20…表示側筐体、21…表示部、22…メインディスプレイ、23…サブディスプレイ、24…音声出力部、25…受話用スピーカ、26…メインスピーカ、30…ヒンジ部、100…メイン基板、110…制御部、111…異常検出処理部、112…動作設定判別部、113…電圧検出部、114…電流検出部、115…短絡判別部、116…保護動作部、120…主要機能部、130…電圧検出回路、140…電流検出回路、150…記憶部、160…バッテリ、170…電源制御部、180…バッテリ残量検出部、200…サブ基板、300…基板間伝送部、310…メイン基板コネクタ、320…サブ基板コネクタ、330…可撓ケーブル

Claims (13)

  1. 回路上の異常を検出するための異常検出装置であって、
    前記回路上での電圧を検出する電圧検出手段と、
    前記回路上での電流を検出する電流検出手段と、
    前記電圧検出手段が検出した電圧に基づいて、前記回路における電圧低下を検出する電圧低下検出手段と、
    前記電流検出手段が検出した電流値と、前記回路上の電力が供給される装置の動作設定毎に規定された設計電流値とを比較する電流比較手段と、
    前記電圧低下検出手段が検出した電圧低下量、及び/又は、前記電流比較手段による比較結果に基づいて、前記回路上で異常が発生しているか否かを判別する異常判別手段と、
    を備えることを特徴とする異常検出装置。
  2. 前記電流比較手段は、前記回路上の電力が供給される装置のうち、稼働している装置についての設計電流値を取得し、少なくとも該取得した設計電流値に基づいた許容電流値と、前記電流検出手段が検出した電流値とを比較し、
    前記異常判別手段は、前記電流検出手段が検出した電流値が、前記許容電流値以上となる場合、前記回路上で異常が発生していると判別する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の異常検出装置。
  3. 前記電流比較手段は、前記設計電流値にマージン値を加算して前記許容電流値を求める、
    ことを特徴とする請求項2に記載の異常検出装置。
  4. 前記電流検出手段は、電圧低下量に基づく前記異常判別手段の判別では異常が検出されない場合に、前記電流検出をおこなう、
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の異常検出装置。
  5. 前記異常判別手段により前記回路に、異常が発生していると判別された場合、当該回路への電力供給を制御する保護手段をさらに備える、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の異常検出装置。
  6. 前記保護手段は、前記回路に、より低電力で動作する動作設定に基づく電力が供給されるよう制御する、
    ことを特徴とする請求項5に記載の異常検出装置。
  7. 前記保護手段は、前記回路への電力供給を遮断する、
    ことを特徴とする請求項5または6に記載の異常検出装置。
  8. 少なくとも前記電流比較手段が取得する設計電流値を記憶した記憶手段をさらに備える、
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の異常検出装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の異常検出装置を備えた電子機器。
  10. 少なくとも電源を有する第1の筐体と、
    可動部位を介して前記第1の筐体に接続された第2の筐体を有し、
    前記回路は、少なくとも前記可動部位内を通るよう配設され、前記電源からの電力を前記第2の筐体内に構成された装置に供給する電力路を含む、
    ことを特徴とする請求項9に記載の電子機器。
  11. 前記電圧検出手段は、前記可動部位内における前記電力路での電圧低下を検出できる位置で電圧を検出する、
    ことを特徴とする請求項10に記載の電子機器。
  12. 前記電源はバッテリであり、
    前記記憶手段は、前記バッテリの残量を求めるために用意された、前記設計電流値を含む情報を記憶し、
    前記電流比較手段は、前記バッテリの残量を求めるために用意された情報から設計電流値を取得する、
    ことを特徴とする請求項9乃至11のいずれか1項に記載の電子機器。
  13. 回路上の異常を検出するための異常検出装置を制御するコンピュータに、
    前記回路上で検出された電圧に基づいて、前記回路における電圧低下を検出する機能と、
    前記回路上で検出された電流値と、前記回路上の電力が供給される装置の動作設定毎に規定された設計電流値とを比較する機能と、
    前記検出した電圧低下量、及び/又は、前記比較の結果に基づいて、前記回路上で異常が発生しているか否かを判別する機能と、
    を実現させることを特徴とするプログラム。
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