JP2010271279A - 計測装置及び計測方法 - Google Patents

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幸利 大谷
Masanosuke Tanaka
政之介 田中
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Abstract

【課題】 誤差要因である複屈折成分を分離し、測定対象の旋光度を高精度に計測することが可能な計測装置及び計測方法を提供すること。
【解決手段】 位相子22及び検光子24が所与の回転比で回転する変調部20で試料30を透過した光を変調させることによって得られる変調光の光強度情報に基づき試料30を透過した光のストークスパラメータを算出する。試料30を旋光度と複屈折位相差とを有するものとみなし、測定対象30の旋光度と複屈折位相差とを反映したストークスパラメータの理論式と、偏光子16及び試料30のいずれか一方を回転させて算出したストークスパラメータとに基づいて、試料30の旋光度及び複屈折位相差を算出する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、測定対象の旋光度及び複屈折位相差を計測する計測装置及び計測方法に関する。
従来から、回転可能に構成された位相子と検光子を含む変調部で測定対象からの出射光を変調させることによって得られる変調光の光強度情報に基づいて測定対象からの出射光の偏光状態を計測する計測装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような計測装置では、計測された偏光状態(ストークスパラメータ)から測定対象の旋光度を計測することができる。
ここで、測定対象として液体を用いる場合には、液体をガラス管などの観測管に入れて測定を行う。ところが、液体を封入する際のガラス管の締め付けによって発生するひずみの影響により、光源からの光がガラス管を通過する際に複屈折成分が生じ、この複屈折成分により旋光度の測定値に誤差が生じる。
また、旋光計の校正用標準物質である水晶板は、光軸方向と垂直な面を切り出し面として加工されるが、実際には光軸に垂直に切り出すことは困難であり、少なからず光軸誤差がある。この水晶板の光軸誤差は複屈折を引き起こし、旋光度の測定の誤差として表れる。
WO2007/099791号公報
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、誤差要因である複屈折成分を分離し、測定対象の旋光度を高精度に計測することが可能な計測装置及び計測方法を提供することにある。
(1)本発明は、測定対象の旋光度及び複屈折位相差を計測する計測装置において、
光源から出射された光の所定の偏光成分を透過させる第1の偏光子と、
前記第1の偏光子を介して前記測定対象を透過した光を変調させる変調部と、
前記変調部で前記測定対象を透過した光を変調させることによって得られる変調光の光強度情報を取得する光強度情報取得部と、
前記変調光の光強度情報に基づき前記測定対象を透過した光の偏光特性要素を算出する偏光特性要素算出処理を行い、算出された前記偏光特性要素に基づき前記測定対象の旋光度及び複屈折位相差を算出する処理を行う演算処理部とを含み、
前記演算処理部は、
前記測定対象を旋光度と複屈折位相差とを有するものとみなし、前記測定対象の旋光度と複屈折位相差とを反映した前記偏光特性要素の理論式と、前記第1の偏光子及び前記測定対象のいずれか一方を回転させて算出した前記偏光特性要素とに基づいて、前記測定対象の旋光度及び複屈折位相差を算出する。
本発明によれば、誤差要因である複屈折成分を分離し、測定対象の旋光度を高精度に計測することができる。
(2)また、本発明において、
前記変調光を分光する分光部と、前記分光部で分光された前記変調光を受光する受光部とを更に含み、
前記光強度情報取得部は、
前記受光部で受光された前記変調光の光強度情報を取得するようにしてもよい。
本発明によれば、複数の波長帯における変調光の光強度を同時に取得することができ、測定対象の各波長での旋光度を計測することができる。
(3)また、本発明において、
前記変調部は、
回転可能に構成された位相子及び第2の偏光子を含み、前記測定対象を透過した光が、前記位相子を透過し、その後、前記第2の偏光子を透過するように構成されてなり、
前記光強度情報取得部は、
前記位相子及び前記第2の偏光子が所与の回転比で回転する前記変調部で前記測定対象を透過した光を変調させることによって得られる変調光の光強度情報を取得するようにしてもよい。
(4)また、本発明において、
前記光強度情報取得部は、
前記位相子及び前記第2の偏光子が1対3の回転比で回転する前記変調部で前記測定対象を透過した光を変調させることによって得られる変調光の光強度情報を取得するようにしてもよい。
(5)また、本発明において、
前記演算処理部は、
前記偏光特性要素算出処理に先だって、所定の偏光状態を示すサンプル光を前記変調部で変調させることによって得られる変調光の光強度情報に基づいて前記位相子の複屈折位相差を算出する処理を行い、
算出された前記位相子の複屈折位相差に基づいて前記偏光特性要素算出処理を行うようにしてもよい。
本発明によれば、位相子の有する複屈折位相差のキャリブレーションを行うことができる。
(6)また、本発明において、
前記演算処理部は、前記測定対象を透過した光のストークスパラメータを算出するようにしてもよい。
(7)本発明は、測定対象の旋光度及び複屈折位相差を計測する計測方法において、
変調部で第1の偏光子を介して前記測定対象を透過した光を変調させることによって得られる変調光の光強度情報を取得する光強度情報取得手順と、
前記変調光の光強度情報に基づき前記測定対象を透過した光の偏光特性要素を算出する偏光特性要素算出処理を行い、算出された前記偏光特性要素に基づき前記測定対象の旋光度及び複屈折位相差を算出する処理を行う演算処理手順とを含み、
前記演算処理手順では、
前記測定対象を旋光度と複屈折位相差とを有するものとみなし、前記測定対象の旋光度と複屈折位相差とを反映した前記偏光特性要素の理論式と、前記第1の偏光子及び前記測定対象のいずれか一方を回転させて算出した前記偏光特性要素とに基づいて、前記測定対象の旋光度及び複屈折位相差を算出する。
本発明によれば、誤差要因である複屈折成分を分離し、測定対象の旋光度を高精度に計測することができる。
本実施形態の計測装置の構成の一例を示す図。 試料のミュラー行列について説明するための図。 旋光度の測定手順について説明するためのフローチャート図。 本実施形態の計測装置による測定結果を示す図。
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.装置の構成
図1は、本実施形態の計測装置の構成の一例を示す図である。本実施形態の計測装置1は、光学活性物質である試料30(測定対象)の旋光度及び複屈折位相差を光学的に計測する装置として構成されている。計測装置1は、光学系10と、光強度情報取得部40と、演算処理部70とを含む。光強度情報取得部40は、変調部20で試料30を透過した光を変調させることによって得られる変調光の光強度情報を取得する。演算処理部70は、変調光の光強度情報に基づき試料30を透過した光の偏光特性要素を算出し、算出された偏光特性要素に基づき試料30の旋光度及び複屈折位相差を算出する処理を行う。以下、計測装置1の装置構成について説明する。
1−1.光学系
光学系10は、光源12と受光部14を含む。また光学系10は、光源10と受光部14とを結ぶ光路L上に設けられた、偏光子16(第1の偏光子)、位相子22(リターダ、波長板)、検光子24(第2の偏光子)を含む。位相子22及び検光子24は、試料30から出射された光(試料30を透過した光)を変調させる光学素子である。位相子22と検光子24とは、変調部20を構成する。以下、光学系10の各要素について説明する。
光源12は、光を発生し、出射する装置である。本実施形態では、光源12として、所与の波長帯域成分を含む光を出射する装置を利用してもよい。例えば、光源12としてハロゲンランプなどの白色光源を利用してもよい。また光源12は、所与の波長の光(単色光)を出射する光源であってもよい。例えば、光源12として、レーザやSLDなどを利用してもよい。また光源12は、出射する光の波長を変更することが可能な構成をなしていてもよい。
偏光子16は、光源12から出射された光を直線偏光とする入射側の偏光子である。すなわち偏光子16は、光源12から出射された光の所定の偏光成分(透過軸の方向に偏光面を有する直線偏光)を透過させる。また、偏光子16は、回転可能に構成されてなる。すなわち、偏光子16を回転させることにより、その透過軸の方位を変更することができるように構成されている。また、偏光子16を回転可能に構成することに代えて、試料30を回転可能に構成するようにしてもよい。
位相子22は、透過する光の波長によってその複屈折位相差の大きさが異なる光学素子である。従って、位相子22を透過した光は、その波長によって偏光状態が変化することになる。また、位相子22は、回転可能に構成されてなる。すなわち、位相子22を回転させることにより、その主軸方位を変更することができるように構成されている。
検光子24は、位相子22を透過した光を直線偏光とする出射側の偏光子である。また、検光子24は、回転可能に構成されてなる。すなわち、検光子24を回転させることにより、その透過軸の方位を変更することができるように構成されている。
受光部14は、試料30を透過した光を変調部20で変調させることによって得られる光(変調光)を受光する。受光部14として、例えば、CCDを利用してもよい。また、試料30を透過した光及び変調光が、所与の波長帯域成分を含む光(例えば、白色光)である場合、受光部14は、分光器(分光部)と複数の受光素子を含むようにしてもよい。この場合には、分光器は、変調光を波長毎に分光し、分光器で分光された各波長の変調光は、複数の受光素子の各受光素子によって受光される。分光器として、例えば、プリズムや回折格子を利用することができる。
1−2.光強度情報取得部40
光強度情報取得部40は、位相子22及び検光子24が所与の回転比で回転する変調部20で試料30を透過した光を変調させることによって得られる光(変調光)の光強度情報を取得する。すなわち、光強度情報取得部40は、受光部14に入射する光の光強度情報を取得する。例えば、位相子22の主軸方位φと、検光子24の透過軸方位φを、それぞれφ=Φ、φ=3Φと設定し、Φを0°から360°まで連続的に変化させたときの複数の変調光の光強度情報を取得するようにしてもよい。
1−3.駆動・検出部
計測装置1は、第1、第2及び第3の駆動・検出部52、54、56を含む。駆動・検出部のうち、駆動部は、光学素子の方位(主軸方位、透過軸方位)を可変設定するアクチュエータであり、検出部は、光学素子の方位を検出するセンサである。第1の駆動・検出部52は、位相子22を回転駆動させ、位相子22の主軸方位φを検出する。また、第2の駆動・検出部54は、検光子24を回転駆動させ、検光子24の透過軸方位φを検出する。また、第3の駆動・検出部56は、偏光子16を回転駆動させ、偏光子16の透過軸方位φを検出する。
1−4.制御装置60
計測装置1は、計測装置1の動作を制御する制御装置60を含む。制御装置60は、演算処理部70、制御信号生成部80、記憶部90を含む。
演算処理部70は、試料30を透過した光のストークスパラメータと、位相子22及び検光子24の方位(回転角)とを反映した前記変調光の光強度の理論式と、光強度情報取得部40によって取得された変調光の光強度情報とに基づいて、試料30を透過した光のストークスパラメータ(偏光状態を示すパラメータ、偏光特性要素)を算出する。
また、演算処理部70は、試料30の旋光度及び複屈折位相差と、偏光子16又は試料30の方位(回転角)とを反映した前記ストークスパラメータの理論式と、偏光子16又は試料30を回転させたときに算出された複数の前記ストークスパラメータとに基づいて、試料30の旋光度を算出する。また、試料30の旋光度とともに試料30の複屈折位相差を算出するようにしてもよい。
制御信号生成部80は、第1、第2及び第3の駆動・検出部52、54、56からの検出信号に基づいて制御信号を生成し、第1、第2及び第3の駆動・検出部52、54、56の動作を制御する。
記憶部90は、種々のデータを一時記憶する機能を有し、例えば、変調光の光強度情報を、位相子22、検光子24の各方位φ、φに対応付けて記憶し、算出されたストークスパラメータを、偏光子16の方位φに対応付けて記憶するようにしてもよい。
2.旋光度計測原理
次に、本実施形態の計測装置が採用する、旋光度計測原理を説明する。
2−1.試料30から出射された光のストークスパラメータの算出原理
試料30から出射された光(試料30を透過した光)のストークスパラメータ(偏光特性要素の一例)をSとすると、試料30から出射された光を変調部20で変調させることによって得られる変調光のストークスパラメータSOUTは、
Figure 2010271279
と表すことができる。
なお、Iは、試料30から出射された光の光強度である。また、Rは、位相子22のミュラー行列であり、Aは、検光子24のミュラー行列である。また、δ(λ)は、位相子22の複屈折位相差である。なお、位相子22の複屈折位相差は波長依存性を有するため、波長λの関数となる。また、Φは、位相子22、検光子24の方位(回転角度)である。なお、式(1)は、位相子22と検光子24を1:3の回転比で回転させる場合の理論式であり、位相子22の主軸方位(回転角度)と検光子24の透過軸方位(回転角度)を、それぞれΦ、3Φとしている。
ここで、変調光の光強度IΦは、変調光のストークスパラメータのS0OUTであるから、式(1)より、
Figure 2010271279
となる。
ここで、変調光の光強度IΦのフーリエ係数、すなわち光強度IΦのバイアス成分a(λ)及び、光強度IΦのcos2Φ、cos6Φ、sin2Φ、sin4Φ、sin6Φにおける振幅成分a(λ)、a(λ)、b(λ)、b(λ)、b(λ)は、式(2)より、
Figure 2010271279
と表すことができる。
そして、式(3b)〜式(3d)、式(3f)より、位相子22の複屈折位相差δ(λ)は、
Figure 2010271279
と表すことができる。
さらに、式(3a)〜式(3f)より、試料30から出射された光のストークスパラメータSの各成分S(λ)、S(λ)、S(λ)、S(λ)は、それぞれ、
Figure 2010271279
と表すことができる。
ここで、式(3a)〜式(3f)の各左辺が示すフーリエ係数は、位相子22及び検光子24が1:3の回転比で回転する変調部20で試料30から出射された光を変調させることによって得られる変調光の光強度情報に基づいて、変調光の光強度IΦの周期的変化をフーリエ解析することにより算出することができる。そして、算出したフーリエ係数を、式(4)に代入することで、位相子22の複屈折位相差δ(λ)を算出することができる。また、算出したフーリエ係数及び算出した複屈折位相差δ(λ)を、式(5a)〜式(5b)に代入することで、試料30から出射された光のストークスパラメータSの各成分を算出することができる。
なお、ストークスパラメータSの各成分の算出に先立って、所与の偏光状態を示すサンプル光を変調部20で変調させることによって得られる変調光の光強度情報と式(4)とに基づいて、位相子22の各波長に対する複屈折位相差δ(λ)をキャリブレーションデータとして算出して記憶部90に記憶しておき、以降、記憶部90に記憶された複屈折位相差δ(λ)を利用してストークスパラメータSの各成分を算出するようにしてもよい。なお、試料30を設置しない状態で複屈折位相差δ(λ)を算出するようにしてもよい。この場合には、偏光子16から出射される直線偏光がサンプル光となる。
2−2a.試料30の旋光度の算出原理(試料30回転方式)
次に、試料30を回転可能に構成する場合における、試料30の旋光度の算出原理について説明する。
偏光子16に入射する光のストークスパラメータをSINとすると、試料30から出射された光のストークスパラメータSは、
Figure 2010271279
と表すことができる。
なお、Pは、透過軸方位が0°である偏光子16のミュラー行列である。また、X(θ,Δ,φ)は、試料30のミュラー行列である。また、θ、Δは、それぞれ試料30の旋光度、複屈折位相差である。また、φは、試料30の主軸方位(回転角度)である。
このように本実施形態では、光学活性物質である試料30を、旋光度と複屈折位相差とを有するものとみなし、試料30の旋光度θ、複屈折位相差Δ及び主軸方位φ(回転角度)を反映したストークスパラメータSの理論式を定めている。
具体的には、図2に示すように、試料30を、旋光度θを有する旋光子と、複屈折位相差Δを有する位相子とが1枚ずつ張り合わされたモデルにより近似し、試料30のミュラー行列X(θ,Δ,φ)を定めている。なお、試料30を、旋光子と位相子とを交互にそれぞれ複数枚張り合わせたモデルにより近似するようにしてもよいし、試料30を、旋光度と複屈折位相差が同時に発生するモデルにより近似するようにしてもよい。
なお、式(6)より、試料30から出射された光のストークスパラメータSは、
Figure 2010271279
となる。
ここで、ストークスパラメータSのS成分のバイアス成分a(S)、S成分のバイアス成分a(S)及び、S成分のsin2φにおける振幅成分bは、式(7)より、
Figure 2010271279
と表すことができる。
そして、式(8a)、式(8b)より、試料30の旋光度θは、
Figure 2010271279
と表すことができる。
ここで、式(8a)、式(8b)の各左辺が示すフーリエ係数a(S)、a(S)は、試料30を回転させつつ式(5b)及び式(5c)に基づき算出したストークスパラメータSのS、S成分の周期的変化をフーリエ解析することにより算出することができる。そして、算出したフーリエ係数a(S)、a(S)を、式(9)に代入することで、試料30の旋光度θを算出することができる。
また、式(8c)より、試料30の複屈折位相差Δは、
Figure 2010271279
と表すことができる。
ここで、式(8c)の左辺が示すフーリエ係数bは、試料30を回転させつつ式(5d)に基づき算出したストークスパラメータSのS成分の周期的変化をフーリエ解析することにより算出することができる。そして、算出したフーリエ係数bを式(10)に代入することで、試料30の複屈折位相差Δを算出することができる。
2−2b.試料30の旋光度の算出原理(偏光子16回転方式)
次に、偏光子16を回転可能に構成する場合における、試料30の旋光度の算出原理について説明する。
偏光子16に入射する光のストークスパラメータをSINとすると、試料30から出射された光のストークスパラメータSは、
Figure 2010271279
と表すことができる。
なお、P(φ)は、偏光子16のミュラー行列である。また、X(θ,Δ,ψ)は、試料30のミュラー行列である。また、θ、Δ、ψは、それぞれ試料30の旋光度、複屈折位相差、主軸方位である。また、φは、偏光子16の主軸方位(回転角度)である。2−2a項同様に、光学活性物質である試料30を、旋光度と複屈折位相差とを有するものとみなし、試料30の旋光度θ、複屈折位相差Δ、及び主軸方位ψと、偏光子16の主軸方位φ(回転角度)とを反映したストークスパラメータSの理論式を定めている。
2−2a項同様に、試料30を、旋光度θを有する旋光子と、複屈折位相差Δ及び主軸方位ψを有する位相子とが1枚ずつ張り合わされたモデルにより近似し、試料30のミュラー行列X(θ,Δ,ψ)を定めている。なお、試料30を、旋光子と位相子とを交互にそれぞれ複数枚張り合わせたモデルにより近似するようにしてもよいし、試料30を、旋光度と複屈折位相差が同時に発生するモデルにより近似するようにしてもよい。
なお、式(11)より、試料30から出射された光のストークスパラメータSは、
Figure 2010271279
となる。
ここで、ストークスパラメータSのS成分のcos2φにおける振幅成分a(S1)、sin2φにおける振幅成分b(S1)、S成分のcos2φにおける振幅成分a(S)、sin2φにおける振幅成分b(S)及び、S成分のcos2φにおける振幅成分a(S)、sin2φにおける振幅成分b(S)は、式(12)より、
Figure 2010271279
と表すことができる。
そして、式(13a)、式(13b)、式(13c)、式(13d)より、試料30の旋光度θは、
Figure 2010271279
と表すことができる。
ここで、式(13a)〜式(13d)の各左辺が示すフーリエ係数a(S)、b(S)、a(S) 、b(S)は、位相子16を回転させつつ式(5b)及び式(5c)に基づき算出したストークスパラメータSのS、S成分の周期的変化をフーリエ解析することにより算出することができる。そして、算出したフーリエ係数a(S)、b(S)、a(S) 、b(S)を、式(14)に代入することで、試料30の旋光度θを算出することができる。
また、式(13e)、式(13f)より、試料30の主軸方位ψは、
Figure 2010271279
と表すことができ、式(13f)および式(15)より、試料30の複屈折位相差Δは、
Figure 2010271279
と表すことができる。
ここで、式(13e)、式(13f)の左辺が示すフーリエ係数a(S) 、b(S)は、位相子16を回転させつつ式(5d)に基づき算出したストークスパラメータSのS成分の周期的変化をフーリエ解析することにより算出することができる。そして、算出したフーリエ係数a(S) 、b(S)を式(15)に代入することで、試料30の主軸方位ψを算出することができ、また算出したフーリエ係数b(S)と算出した主軸方位ψを式(16)に代入することで、試料30の複屈折位相差Δを算出することができる。
このように、本実施形態によれば、試料30から出射された光のストークスパラメータSのS、S成分から試料30の旋光度θを計測することができ、S成分から試料30の複屈折位相差Δを算出することができる。すなわち、本実施形態によれば、試料30の旋光度θと、計測の誤差要因である複屈折位相差Δを分離して計測することができ、試料30の旋光度θを高精度に計測することができる。
2−3.水晶の光軸誤差の算出
試料30として一軸性結晶である水晶板を計測する場合には、算出した複屈折位相差Δから、旋光度の計測誤差要因となる水晶板の光軸誤差(光軸からのズレ)を導出することができる。水晶板の複屈折位相差は、その方向における常光と異常光との差によって表される。水晶板の常光の主屈折率をω、異常光の主屈折率をεとすると、水晶板の光軸とのなす角度α(光軸誤差)での常光no、異常光neは、次式により表される。
Figure 2010271279
また、波長をλ、水晶板の厚みをdとすると、水晶板の複屈折率Δは、次式により表される。
Figure 2010271279
そして、式(17a)、式(17b)、式(18)と、式(10)もしくは式(16)に基づき算出した複屈折位相差Δから、水晶板の光軸誤差αを算出することができる。
3.計測手順
次に、本実施形態の計測装置による旋光度の計測手順について、図3のフローチャートを用いて説明する。
まず、偏光子16の透過軸方位φを設定する(ステップS10)。例えば、透過軸方位φをφとして、φ=0°に設定する。なお、偏光子16を回転可能に構成することに代えて、試料30を回転可能に構成する場合には、試料30の主軸方位を設定する。
次に、位相子22の主軸方位φ及び検光子24の透過軸方位φを設定する(ステップS12)。例えば、主軸方位φと透過軸方位φをそれぞれΦ、3Φとして、Φ=0°に設定する。
この状態で、光源12から光を出射し、光学素子及び試料30によって変調された変調光を受光部14で受光する。そして、光強度情報取得部40で、受光部14が受光した変調光の光強度情報を取得する(ステップS14)。
次に、位相子22の主軸方位φ(=Φ)が360°に達したか否かを判断し(ステップS16)、達していない場合には、ステップS12の手順に進む。そして、主軸方位φ及び透過軸方位φをそれぞれ所定角度だけ変化させる。例えば、主軸方位φと透過軸方位φをそれぞれΦ、3Φとして、Φ=6°に設定する。以降、Φが360°に達するまでステップS12、S14の手順を繰り返し、複数の光強度情報を取得する。
ステップS16において、Φが360°に達したと判断された場合には、取得された複数の光強度情報に基づいて、変調光の光強度IΦのフーリエ係数a(λ)、a(λ)、a(λ)、b(λ)、b(λ)、b(λ)の各値を算出する(ステップS18)。
次に、式(4)及び式(5b)〜式(5d)に基づいて、位相子22の複屈折位相差δ(λ)と、ストークスパラメータSの各成分S(λ)、S(λ)、S(λ)を算出する(ステップS20)。
次に、偏光子16の透過軸方位φ(=φ)が360°に達したか否かを判断し(ステップS22)、達していない場合には、ステップS10の手順に進む。そして、透過軸方位φを所定角度だけ変化させる。例えば、透過軸方位φをφとして、φ=6°に設定する。以降、φが360°に達するまでステップS10〜S20の手順を繰り返し、ストークスパラメータSの各成分を複数回取得する。
ステップS22において、φが360°に達したと判断された場合には、複数回取得されたストークスパラメータSの各成分に基づいて、ストークスパラメータSのS、S、S成分のフーリエ係数a(S)、b(S)、a(S) 、b(S)、a(S) 、b(S)を算出する(ステップ24)。なお、試料30を回転可能に構成する場合には、フーリエ係数a(S)、a(S)、bを算出する。
次に、式(14)〜式(16)に基づいて、試料30の旋光度θと複屈折位相差Δを算出する(ステップS26)。なお、試料30を回転可能に構成する場合には、式(9)、式(10)に基づいて、試料30の旋光度θと複屈折位相差Δを算出する。
4.計測結果
図4に、本実施形態の計測装置の計測結果を示す。
図4(A)は、各波長における旋光度(旋光分散)を計測した結果であり、図4(B)は、各波長における複屈折位相差(複屈折分散)を計測した結果である。ここでは、厚さ1.55mmの水晶板(水晶板A)と、厚さ0.79mmの水晶板(水晶板B)の二種類の試料について計測を行った。図4(A)、図4(B)において、黒塗り点は、水晶板Aについての計測値を示し、白抜き点は、水晶板Bについての計測値を示す。また、実線は、水晶板Aについての理論値を示し、点線は、水晶板Bについての理論値を示す。
図4(A)、図4(B)を見ると、水晶板A、水晶板Bともに、波長550nm〜900nmの範囲において、旋光度及び複屈折位相差の計測値は理論値と概ね等しい。従って、本実施形態の計測装置により、試料の旋光度及び複屈折位相差を高精度に計測できることがわかる。
なお、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
例えば、本実施形態では、変調部20が回転可能に構成された位相子22及び検光子24とを含む場合について説明したが、試料30から出射された光のストークスパラメータを計測できるのであれば、変調部20をどのように構成してもよい。
12 光源、14 受光部、16 偏光子、20 変調部、22 位相子、24 検光子、30 試料、40 光強度情報取得部、52 第1の駆動・検出部、54 第2の駆動・検出部、56 第3の駆動・検出部、60 制御装置、70 演算処理部、80 制御信号生成部、90 記憶部

Claims (7)

  1. 測定対象の旋光度及び複屈折位相差を計測する計測装置において、
    光源から出射された光の所定の偏光成分を透過させる第1の偏光子と、
    前記第1の偏光子を介して前記測定対象を透過した光を変調させる変調部と、
    前記変調部で前記測定対象を透過した光を変調させることによって得られる変調光の光強度情報を取得する光強度情報取得部と、
    前記変調光の光強度情報に基づき前記測定対象を透過した光の偏光特性要素を算出する偏光特性要素算出処理を行い、算出された前記偏光特性要素に基づき前記測定対象の旋光度及び複屈折位相差を算出する処理を行う演算処理部とを含み、
    前記演算処理部は、
    前記測定対象を旋光度と複屈折位相差とを有するものとみなし、前記測定対象の旋光度と複屈折位相差とを反映した前記偏光特性要素の理論式と、前記第1の偏光子及び前記測定対象のいずれか一方を回転させて算出した前記偏光特性要素とに基づいて、前記測定対象の旋光度及び複屈折位相差を算出する計測装置。
  2. 請求項1に記載の計測装置において、
    前記変調光を分光する分光部と、前記分光部で分光された前記変調光を受光する受光部とを更に含み、
    前記光強度情報取得部は、
    前記受光部で受光された前記変調光の光強度情報を取得する計測装置。
  3. 請求項1又は2に記載の計測装置において、
    前記変調部は、
    回転可能に構成された位相子及び第2の偏光子を含み、前記測定対象を透過した光が、前記位相子を透過し、その後、前記第2の偏光子を透過するように構成されてなり、
    前記光強度情報取得部は、
    前記位相子及び前記第2の偏光子が所与の回転比で回転する前記変調部で前記測定対象を透過した光を変調させることによって得られる変調光の光強度情報を取得する計測装置。
  4. 請求項3に記載の計測装置において、
    前記光強度情報取得部は、
    前記位相子及び前記第2の偏光子が1対3の回転比で回転する前記変調部で前記測定対象を透過した光を変調させることによって得られる変調光の光強度情報を取得する計測装置。
  5. 請求項3又は4に記載の計測装置において、
    前記演算処理部は、
    前記偏光特性要素算出処理に先だって、所定の偏光状態を示すサンプル光を前記変調部で変調させることによって得られる変調光の光強度情報に基づいて前記位相子の複屈折位相差を算出する処理を行い、
    算出された前記位相子の複屈折位相差に基づいて前記偏光特性要素算出処理を行う計測装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の計測装置において、
    前記演算処理部は、前記測定対象を透過した光のストークスパラメータを算出する計測装置。
  7. 測定対象の旋光度及び複屈折位相差を計測する計測方法において、
    変調部で第1の偏光子を介して前記測定対象を透過した光を変調させることによって得られる変調光の光強度情報を取得する光強度情報取得手順と、
    前記変調光の光強度情報に基づき前記測定対象を透過した光の偏光特性要素を算出する偏光特性要素算出処理を行い、算出された前記偏光特性要素に基づき前記測定対象の旋光度及び複屈折位相差を算出する処理を行う演算処理手順とを含み、
    前記演算処理手順では、
    前記測定対象を旋光度と複屈折位相差とを有するものとみなし、前記測定対象の旋光度と複屈折位相差とを反映した前記偏光特性要素の理論式と、前記第1の偏光子及び前記測定対象のいずれか一方を回転させて算出した前記偏光特性要素とに基づいて、前記測定対象の旋光度及び複屈折位相差を算出する計測方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014522986A (ja) * 2011-07-18 2014-09-08 ブイユーブイ・アナリティクス・インコーポレイテッド 真空紫外(vuv)またはより短波長の円偏光二色性分光のための方法および装置
CN104535192A (zh) * 2015-01-09 2015-04-22 北京理工大学 基于旋转波片法的斯托克斯偏振仪误差标定和补偿方法

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