JP2010268436A - 圧電デバイス及び圧電デバイスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 透明ベースの外部端子側から切断可能である電気回路素子の接続電極の配線の一部を形成した圧電デバイスを提供する。
【解決手段】圧電デバイス(100)は、励振電極が形成された圧電振動片(21)と圧電振動片を囲む外枠部(22)とを有する水晶フレーム(20)と、圧電振動片を発振させる電気回路素子(IC)と、一方の面に形成され電気回路素子と接続される接続電極と、一方の面とは反対面に形成された外部端子とを有し外枠部の一方の面に接合する透明ベース(30)と、外枠部の他方の面に接合するリッド(10)と、を備える。
【選択図】図1
【解決手段】圧電デバイス(100)は、励振電極が形成された圧電振動片(21)と圧電振動片を囲む外枠部(22)とを有する水晶フレーム(20)と、圧電振動片を発振させる電気回路素子(IC)と、一方の面に形成され電気回路素子と接続される接続電極と、一方の面とは反対面に形成された外部端子とを有し外枠部の一方の面に接合する透明ベース(30)と、外枠部の他方の面に接合するリッド(10)と、を備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、圧電デバイスに係り、特に周波数調整回路または温度補償回路を備えた圧電
デバイスに関する。
デバイスに関する。
水晶振動子などの圧電振動子を用いた圧電デバイスは、通信機器や映像装置、計測機器などの多くの電子機器に使用されている。これらの電子機器は、高性能化とともに小型化され、搭載する圧電デバイスも高性能化と小型化が強く要求されている。これらの圧電デバイスはその製造工程の途中で周波数の変動が発生するため、圧電デバイスを封止した後に、発振周波数を測定し、発振周波数が所定の発振周波数となるように周波数の調整を行っている。例えば特許文献1においては、パッケージの中に圧電デバイスと発振回路基板を封止し、発振回路基板の底部に形成した透孔からリアクタンスパターンまたはインダクタンスパターンまたはキャパシタンスパターンをレーザでトリミング加工することで、周波数調整をしていた。また、特許文献2においては、特許文献2ではパッケージ外にコンデンサアレイ及び温度補償回路を配置し、トリミング窓に露出するコンデンサアレイの配線パターンをレーザでトリミング加工することでコンデンサアレイの静電容量を調整して高精度な温度補償型の圧電デバイスを提供していた。
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載の圧電デバイスはベースに透孔及び窓を形成する必要があるため、その製造方法が複雑になる。また特許文献2における圧電デバイスは、パッケージの外にコンデンサアレイを配置しており、またパッケージの上からレーザでトリミング加工するしかない。
本発明は、透明ベースの外部端子側から切断可能である電気回路素子の接続電極の配線の一部を形成することにより、周波数調整や温度補償を行うことができる圧電デバイスを提供するものである。
第1の観点の圧電デバイスは、励振電極が形成された圧電振動片と、圧電振動片を囲む外枠部とを有する水晶フレームと、圧電振動片を発振させる電気回路素子と、一方の面に形成され電気回路素子と接続される接続電極と、一方の面とは反対面に形成された外部端子とを有し外枠部の一方の面に接合する透明ベースと、外枠部の他方の面に接合するリッドと、を備える。
この構成により、圧電デバイス内に電気回路素子を封止した状態であっても、圧電デバイスが透明ベースであるためベースの底面から処理を行うことができる。
この構成により、圧電デバイス内に電気回路素子を封止した状態であっても、圧電デバイスが透明ベースであるためベースの底面から処理を行うことができる。
第2の観点の圧電デバイスは、電気回路素子と接続される接続電極の配線の一部がレーザにより外部端子側から切断可能である。
このため、封止した状態の圧電デバイスに対して周波数調整又は温度補償などを施すことができる。
このため、封止した状態の圧電デバイスに対して周波数調整又は温度補償などを施すことができる。
第3の観点の圧電デバイスは、電気回路素子は圧電振動片に電気的に接続した複数のコンデンサ素子からなる櫛型形状のコンデンサと櫛型形状のコンデンサに電気的に接続した電気素子とを備えている。
この櫛型形状のコンデンサは透明ベースに形成された溝部を有する。
また、櫛型形状のコンデンサは透明ベースに形成された誘電体を有する。
この櫛型形状のコンデンサは透明ベースに形成された溝部を有する。
また、櫛型形状のコンデンサは透明ベースに形成された誘電体を有する。
第4の観点の圧電デバイスの製造方法は、圧電振動片を発振させる電気回路素子を水晶ベースの一部に接続する工程と、圧電振動片を有する水晶フレームを中央にして、リッドと電気回路素子を水晶フレーム側に配置した透明ベースとを接合し封止する接合・封止工程と、接合・封止した後電気回路素子と接続される接続電極の配線の一部を水晶ベースの外側からレーザにより切断する切断工程と、を備える。
圧電デバイス内に電気回路素子を封止した状態であっても、透明ベースの底面から周波数調整又は温度補償などを施すことができる。
圧電デバイス内に電気回路素子を封止した状態であっても、透明ベースの底面から周波数調整又は温度補償などを施すことができる。
第5の観点の圧電デバイスの製造方法は、圧電振動片は一対の振動腕と該振動腕の先端に形成された錘部とを有する音叉型圧電振動片であり、錘部をレーザで昇華させた後に、切断工程は接続電極の配線の一部を切断する。
錘部をレーザで昇華させることで周波数を粗調整し、接続電極の配線の一部を切断することで周波数を微調整することができる。
錘部をレーザで昇華させることで周波数を粗調整し、接続電極の配線の一部を切断することで周波数を微調整することができる。
第6の観点の圧電デバイスの製造方法において、電気回路素子は複数のコンデンサ素子からなる櫛型形状のコンデンサを有しており、切断工程は複数のコンデンサ素子の少なくとも一部のコンデンサ素子の配線をレーザにより切断する。
本発明の圧電デバイスによれば、より小型で高精度な圧電デバイスを提供することができるため、電子機器の高性能化と小型化とを奏し得る。
以下は本発明の実施の形態について添付図面を用いて説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、本実施形態では主として音叉型圧電振動片を有する圧電振動フレーム20について説明するが、ATカット振動子においても同様である。
≪第1実施形態≫
<圧電デバイス100の全体構成>
図1は第1実施形態に係る圧電デバイス100の斜視図である。図1は表面実装(SMD)タイプの圧電デバイス100を表面側(リッド10側)から見た分解斜視図である。本実施形態の圧電デバイス100はリッド10と、圧電振動フレーム20と、ベース30とが透明材料で形成されている。透明材料は、例えば水晶材料を用いて、リッド10と、圧電振動フレーム20と、ベース30とが形成される。また、本実施形態では水晶材料を用いた圧電デバイス100について説明するが、リッド10及びベース30はガラス材料が用いられてもよい。ガラス材料を使用する際にはリッド10及びベース30と圧電振動フレーム20とが陽極接合で接合される。なお、ベース30には駆動IC、第1櫛型コンデンサCC1、第2櫛型コンデンサCC2及び図示しない配線で構成された周波数調節回路部が形成されている。その詳細は後述する。
<圧電デバイス100の全体構成>
図1は第1実施形態に係る圧電デバイス100の斜視図である。図1は表面実装(SMD)タイプの圧電デバイス100を表面側(リッド10側)から見た分解斜視図である。本実施形態の圧電デバイス100はリッド10と、圧電振動フレーム20と、ベース30とが透明材料で形成されている。透明材料は、例えば水晶材料を用いて、リッド10と、圧電振動フレーム20と、ベース30とが形成される。また、本実施形態では水晶材料を用いた圧電デバイス100について説明するが、リッド10及びベース30はガラス材料が用いられてもよい。ガラス材料を使用する際にはリッド10及びベース30と圧電振動フレーム20とが陽極接合で接合される。なお、ベース30には駆動IC、第1櫛型コンデンサCC1、第2櫛型コンデンサCC2及び図示しない配線で構成された周波数調節回路部が形成されている。その詳細は後述する。
ここで、リッド10及びベース30の材料として、水晶材料が使われるのには、以下の理由がある。工業材料の硬さを表わす指標の一つにヌープ硬度がある。ヌープ硬度は数値が高ければ硬く、低ければ柔らかい。リッド及びベースに使用される代表的なガラスであるホウケイ酸ガラスは、ヌープ硬度が590kg/mm2である。また、水晶のヌープ硬度は710〜790kg/mm2である。そのため圧電デバイス100では、リッド10及びベース30にガラスの代わりに水晶を使用する方が圧電デバイスの硬度を高くすることができる。また、圧電デバイスを所定の硬度にする場合には、リッド及びベースに使われるガラスの厚みを厚くする必要があるが、水晶であれば厚みが薄くてもよい。つまり、同じ硬度の圧電デバイスであればリッド及びベースに水晶を使用すると、小型化・低背化が可能となる。
また、圧電デバイスの作製時、または圧電デバイスのプリント基板への取り付け時には圧電デバイスに熱が加えられる。その時に、リッド10及びベース30に水晶材料とは異なる種類の材料を使用する場合、圧電デバイス内には熱膨張係数の差による応力が加わる。熱膨張係数の差が大きいと、この応力も大きくなり、特にフレーム部22を備える圧電振動フレーム20では強度の弱いフレーム部22の角等が破損することがある。そのため、リッド10及びベース30と圧電振動フレーム20との熱膨張係数の差を小さくすることが望まれる。リッド10及びベース30に水晶を使用することは、ガラスを使用した場合に比べて圧電振動フレーム20との熱膨張係数の差を小さくし、圧電デバイス100内の応力を小さくすることができるため好ましい。さらに、上記の通り、ガラスを使用した場合に比べて圧電デバイスの小型化・低背化が可能となるため好ましい。
図1に示された圧電振動フレーム20は音叉型圧電振動片21とフレーム部22とが一体に形成されている。圧電デバイス100はリッド10とベース30との外周部で圧電振動フレーム20のフレーム部22を挟んで真空封止又は不活性ガス封止されるため、音叉型圧電振動片21の周波数変動が抑えられる。
水晶材料で形成する圧電デバイス100は、シロキサン(Si−O−Si)結合で接合されるリッド10と、圧電振動フレーム20と、ベース30とから構成される。シロキサン結合は、結合面を清浄な状態にしてその面同士を貼り合わせ、その後約200°C前後のアニールと加圧を行う結合方法である。
ベース30の上に圧電振動フレーム20を載置して、ベース30の枠部32と圧電振動フレーム20のフレーム部22とがシロキサン結合され、音叉型圧電振動片21は周波数の粗調整が行われる。周波数調整後、圧電振動フレーム20のフレーム部22にリッド10を載置して、不活性ガス又は真空中でシロキサン結合させることよって圧電デバイス100が完成する。圧電デバイス100はその後、音叉型圧電振動片21の周波数の微調整を行われる。
<リッド10の構成>
図2(a)はリッド10を内面側(ベース30側)から見た図であり、図2(b)は(a)のA−A断面図である。図2に示すようにリッド10はベース30側(図1参照)に凹み部11を有していて、枠部12と天板部13とが一体に形成されている。凹み部11はフォトレジスト・エッチング技術を用い、エッチングにより形成される。枠部12はリッド10の外縁部に沿って取り囲むように形成されている。エッチングはドライエッチングまたはウエットエッチングのいずれでもよく、不図示の水晶ウエハは所定厚までエッチングされる。
図2(a)はリッド10を内面側(ベース30側)から見た図であり、図2(b)は(a)のA−A断面図である。図2に示すようにリッド10はベース30側(図1参照)に凹み部11を有していて、枠部12と天板部13とが一体に形成されている。凹み部11はフォトレジスト・エッチング技術を用い、エッチングにより形成される。枠部12はリッド10の外縁部に沿って取り囲むように形成されている。エッチングはドライエッチングまたはウエットエッチングのいずれでもよく、不図示の水晶ウエハは所定厚までエッチングされる。
<圧電振動フレーム20の構成>
図3は圧電振動フレーム20の構成を示す平面図である。圧電振動フレーム20は、フレーム部22と音叉型圧電振動片21とが同じ厚さで一体に形成されている水晶基板である。圧電振動フレーム20は図3に示すように音叉型圧電振動片21とフレーム部22と支持腕25とから構成されている。音叉型圧電振動片21は基部23及び振動腕24で構成され、振動腕24には第1溝部27が形成されている。支持腕25は音叉型圧電振動片21の基部23からY軸方向に伸びている。音叉型圧電振動片21は支持腕25の端部でX軸方向に伸びる接続部26とで接続されている。
図3は圧電振動フレーム20の構成を示す平面図である。圧電振動フレーム20は、フレーム部22と音叉型圧電振動片21とが同じ厚さで一体に形成されている水晶基板である。圧電振動フレーム20は図3に示すように音叉型圧電振動片21とフレーム部22と支持腕25とから構成されている。音叉型圧電振動片21は基部23及び振動腕24で構成され、振動腕24には第1溝部27が形成されている。支持腕25は音叉型圧電振動片21の基部23からY軸方向に伸びている。音叉型圧電振動片21は支持腕25の端部でX軸方向に伸びる接続部26とで接続されている。
圧電振動フレーム20は、たとえば32.768kHzで信号を発信し、圧電振動フレーム20のX方向の長さは0.7mmから2mmで設計され、Y軸方向の長さは1.5mmから4mmで設計される極めて小型の振動片となっている。
一対の振動腕24は基部23の中央部からY軸方向に伸びており、振動腕24の表裏両面には第1溝部27が形成されている。例えば、一本の振動腕24の表面には1箇所の第1溝部27が形成されており、振動腕24の裏面側にも同様に1箇所の第1溝部27が形成されている。つまり、一対の振動腕24には4箇所の第1溝部27が形成されている。第1溝部27の断面は、略H型に形成され音叉型圧電振動片21のCI値を低滅させる効果がある。
振動腕24の先端付近では幅広に形成されており、ハンマー型の形状をしている。また、振動腕24のハンマー型の部分では金属膜も形成して錘の役目をさせている。錘は振動腕24に電圧をかけた際に振動しやすくさせ、また安定した振動をするために形成されている。
一対の支持腕25は基部23のX軸方向の端部から振動腕24の先端を超えない長さでY軸方向に伸びている。一対の支持腕25は振動腕24の振動を圧電デバイス100の外部へ振動漏れとして伝えづらくさせ、またパッケージ外部の温度変化、または衝撃の影響を受けづらくさせる効果を持つ。
接続部26は支持腕25の先端部でX軸方向に伸びて、フレーム部22と接続している。接続部26は幅広に形成しておくことで、周波数調整の際に幅狭にすることで周波数を調整することもできる。
圧電振動フレーム20はフォトレジスト・エッチング技術を用い、フレーム部22と支持腕25と音叉型圧電振動片21との外形、及び第1溝部27を形成する。次に外形と溝部とを形成した圧電振動フレーム20は、錘金属膜40及び電極41,43をフォトレジスト・エッチング技術で形成する。電極は真空蒸着装置でクロム(Cr)又はニッケル(Ni)による下地層を形成し、さらに銀(Ag)又は金(Au)の電極層を形成し、フォトレジスト・エッチング加工により形成される。
圧電振動フレーム20は、フレーム部22と基部23と支持腕25と接続部26との表面に基部電極41が形成され、裏面にも同様に基部電極41が形成されている。基部電極41はフレーム部22の内壁に電極を配線することで、表面と裏面との導通を確保している。また、基部電極41はフレーム部22の長軸の中央付近で、ベース30の内壁に形成する接続端子(不図示)と接続することで、駆動ICから制御された電圧が供給される。
一対の振動腕24は、表面、裏面及び側面に励振電極43が形成されている。それぞれの励振電極43は基部電極41につながっている。圧電振動フレーム20は基部電極41に電圧をかけることで、励振電極43に囲まれた振動腕24を振動させる。
電極の形成と同時に振動腕24のハンマー型の部分にも錘金属膜40が形成される。錘金属膜40は錘の役目と、圧電振動フレーム20の周波数調整工程の際に錘金属膜40を除去させて軽くすることで周波数調整を行うことができる。
本実施形態の振動腕24の先端付近は急激に幅広になるハンマー型の形状をしているが、徐々に幅広になる扇形の形状でもよい。先端付近が扇形の形状の振動腕24も振動で互いに衝突しない大きさで形成される。
<ベース30の構成>
図4(a)はベース30の底面側(実装基板側)であり、図4(b)は(a)のB−B断面図である。ベース30もリッド10と同様に凹み部31を有していて、枠部32と底板部33とが一体に形成されている。凹み部31はリッド10側(図1参照)にフォトレジスト・エッチング技術を用い、エッチング加工により形成される。
図4(a)はベース30の底面側(実装基板側)であり、図4(b)は(a)のB−B断面図である。ベース30もリッド10と同様に凹み部31を有していて、枠部32と底板部33とが一体に形成されている。凹み部31はリッド10側(図1参照)にフォトレジスト・エッチング技術を用い、エッチング加工により形成される。
底板部33には第2溝部34が複数形成されている。第2溝部34は図4(b)に示すように第2溝部34同士が上下で対向するように配置され、並列に並べることで櫛型の形状とし、電極を形成することで櫛型の形状にしたコンデンサ(以下は「櫛型コンデンサCC」とする)を形成している。また、底板部33の枠部32の内壁にも電極が形成され、圧電振動フレーム20の基部電極41に接続する。
ベース30には櫛型コンデンサCC(第1櫛型コンデンサCC1及び第2櫛型コンデンサCC2)が形成され、また、4箇所のスルーホール55が形成されている。これらの第2溝部34及びスルーホール55も、フォトレジスト・エッチング技術を用い、エッチング加工により形成される。
底板部33の外部電極及び両面の接続端子は、櫛型コンデンサCCの電極の形成と同時にフォトレジスト・エッチング技術で形成する。またスルーホールにも電極が形成され外部電極と接続され、電圧の供給と周波数信号の取り出しが行われる。例えば、外部電極はスタンバイ端子(ST)、電源端子(Vcc)、出力端子(Vout)及びアース端子(GND)が形成されている。
図1及び図4に示されるように、底板部33の上部側(リッド10側)には駆動ICが搭載される。また、駆動ICは底板部33の接続端子に接続される。底板部33の接続端子への接続方法はフリップチップボンディング、ワイヤーボンディング及び導電性接着剤を用いて接続する。
底板部33の底部側には水晶薄板37などの透明薄板が貼られる。底部側の接続端子は酸化及びリークの可能性がある。このため、外部電極を除く領域には水晶薄板37を外部電極の高さを越えない範囲で接着させる。水晶薄板37はシロキサン結合などの接合方法で接合してもよい。水晶薄板37は透明なため、圧電デバイス100の真空封止後にレーザなどで圧電デバイス100の静電容量C1を変化させ、周波数の調整を行うことができる。
図5はベース30に形成する周波数調整が可能な発振回路を示している。図5に示されたように、周波数調節回路部は、抵抗R、CMOSインバータV及び音叉型圧電振動片21が並列され、これらに第1櫛型コンデンサCC1及び第2櫛型コンデンサCC2が直列されて構成される。第1櫛型コンデンサCC1及び第2櫛型コンデンサCC2の静電容量Cが調節されることで、圧電デバイス100の発振周波数が調整される。第1櫛型コンデンサCC1及び第2櫛型コンデンサCC2の静電容量Cの調節に対しては後述する。
また、駆動ICは例えばインバータ回路などの発振させるために必要となる回路が形成してあり、圧電振動フレーム20の内壁に設けた基部電極41に電気的に接続され、音叉型圧電振動片21の振動腕24を励振する。
図6は第1櫛型コンデンサCC1が形成されたベース30の部分斜視図である。ここで、電気回路はベース30の壁部にも形成されており、スルーホール55(図4参照)を通じて外部電極のアース端子(GND)などに導通している。この状態で、ベース30の底面側から第1櫛型コンデンサCC1のコンデンサ電極基部36をレーザLLにより切断する。これにより第1櫛型コンデンサCC1の静電容量C1が変化する。
図7(a)は図4に示した第2櫛型コンデンサCC2を拡大したC−C断面図である。図6(b)は(a)の一対の第2溝部34を拡大した図であり、図7(c)は(a)の第2溝部34の下面図である。なお、第1櫛型コンデンサCC1も同様な構成であるため、代表して第2櫛型コンデンサCC2で説明する。
図7(b)で示すように第2櫛型コンデンサCC2の1個のコンデンサは第2溝部34の底部幅W1で対向し、間隔dで離れている。図7(c)で示すように第2溝部34の底部面積S1は長さ方向(X方向)の溝部長L1と底部幅W1とで形成される破線で示す領域である。
一対の第2溝部34にコンデンサ電極35を形成した1個のコンデンサの静電容量C1は間隔(極板間距離)d1、間隔d1の電極で挟まれた誘電体、底部面積S1との関係で求まり、(数式01)を用いる。なおε0は真空の誘電率、ε(SiO2)は水晶の比誘電率である。
・・・(数式01)
本実施例で形成する1個のコンデンサの静電容量C1は約0.01pF程度であり、これらを5個から20個程度を並列に接続することで、1つの第2櫛型コンデンサCC2を構成している。
図7(c)で示すように並列に接続したコンデンサ電極35のコンデンサ電極基部36をレーザにより切断することで静電容量C1を変更する。切断するコンデンサ電極基部36はベース30の底部側の片側を切断するのが望ましい。
以上のような構成により、高精度な圧電デバイス100が形成される。しかし実際の製造においては、1枚の水晶ウエハに数百から数千のリッド10と、1枚の水晶ウエハに数百から数千の圧電振動フレーム20と、1枚の水晶ウエハに数百から数千のベース30とを用意する。ベース30は水晶ウエハ単位で櫛型コンデンサCCの形成、駆動ICの設置を行い、圧電振動フレーム20の水晶ウエハと結合させ、さらにリッド10の水晶ウエハと結合することで、一度に数百から数千の圧電デバイス100を製造する。
<周波数調整方法>
図8は封止した後の周波数調整方法のフローチャートである。圧電デバイス100は櫛型コンデンサCCの静電容量C1を変化させることで周波数調節回路部の微調整を行っている。以下は代表して周波数調節回路部の周波数調節方法について説明する。
図8は封止した後の周波数調整方法のフローチャートである。圧電デバイス100は櫛型コンデンサCCの静電容量C1を変化させることで周波数調節回路部の微調整を行っている。以下は代表して周波数調節回路部の周波数調節方法について説明する。
圧電デバイス100の周波数調整方法は、錘金属層40の一部を蒸散させて粗調整を行い、その後櫛型コンデンサCCの容量を微調整することで高精度に調整することができる。
図3で示された圧電振動フレーム20の発振周波数は所望の周波数より低めに設計しておく。周波数の粗調整の工程では、発振周波数を上昇させるために振動腕24の先端の錘金属膜40にレーザ光を照射して、錘金属層40の一部を蒸散・昇華させ、質量削減方式により発振周波数が所望の周波数より僅かに高くなるようにする。レーザによる質量削減方式の周波数調整は微調整が難しいため、その後圧電デバイス100の周波数の微調整を行う。
図3で示された圧電振動フレーム20の発振周波数は所望の周波数より低めに設計しておく。周波数の粗調整の工程では、発振周波数を上昇させるために振動腕24の先端の錘金属膜40にレーザ光を照射して、錘金属層40の一部を蒸散・昇華させ、質量削減方式により発振周波数が所望の周波数より僅かに高くなるようにする。レーザによる質量削減方式の周波数調整は微調整が難しいため、その後圧電デバイス100の周波数の微調整を行う。
ステップS61では、真空封止した圧電デバイス100の外部電極に周波数測定器(不図示)のプローブを接触させて、発振周波数の測定が行われる。
ステップS62では、周波数測定器は発振周波数の測定値が所望の周波数の誤差が2ppm以下に入っているか否かを判断する。測定された発振周波数が誤差範囲にない場合はステップS63に移る。測定された発振周波数が誤差範囲に入っている場合は、ステップS67に進み完成品として周波数調整を終了する。
ステップS63では、測定された発振周波数が低いかを判断する。測定された発振周波数が低い場合はステップS64に移り、高い場合はステップS66へ移る。
ステップS64では、発振周波数を微調整するだけの櫛型コンデンサCC(図6参照)の残りがあるかを判断する。ステップS63を経ることにより、対象となる圧電デバイス100は所望の発振周波数より若干高い圧電デバイス100が選ばれる。周波数調整用の櫛型コンデンサCCがある場合はステップS65に移り、櫛型コンデンサCCがない場合はステップ66に移る。
ステップS65では、周波数調整が可能な櫛型コンデンサCCが残存するため、所望の周波数になるようコンデンサ電極基部36を必要な本数だけ切断する。本実施形態の発振周波数の微調整は櫛形コンデンサCCを切断することで圧電デバイス100の振動周波数を下げる効果がある。櫛形コンデンサCCの切断はレーザなどを用いて圧電デバイス100の外部から切断する。
ステップS66の工程に移った圧電デバイス100は周波数調整が不可能であり、不良品として取り扱い、周波数処理を終了する。
本実施形態の圧電デバイス100の櫛型コンデンサCCは水晶薄板37で覆われているため、圧電デバイス100が真空封止された後においても、レーザによって容易に櫛型コンデンサCCの静電容量C1を変更することが可能である。このため、本発明の圧電デバイス100は真空封止した後においても、周波数調整を高精度に行うことができる。したがって、高精度な圧電デバイス100を提供することができる。また、ベース30の形成時に櫛型コンデンサCCを同時に形成するため、従来の製造装置を利用することができ、しかも、形成した櫛型コンデンサCCはベース30の底板部33を利用するため、厚み、搭載面積の増加がない。
《第2実施形態》
<圧電デバイス100の全体構成>
次に、第2実施形態の圧電デバイス100について図面を参照しながら説明する。なお、第1実施形態で説明したものと同じ構成要素については同符号を付し説明する。
図9は第2実施形態に係る圧電デバイス100の斜視図である。図9は表面実装(SMD)タイプの圧電デバイス100を表面側(リッド10側)から見た分解斜視図である。本実施形態の圧電デバイス100もリッド10と、圧電振動フレーム20と、ベース30とが透明材料で形成されている。なお、ベース30には図9に示されたように駆動IC、四つの櫛型コンデンサCC、二つのサーミスタTH及び図示しない配線より構成された周波数調節回路部及び温度補償回路部が形成されている。その他の構成は第1実施形態で説明された構成と同じなので、以下は主に櫛型コンデンサCC、サーミスタTH及び温度補償回路部について説明する。
<圧電デバイス100の全体構成>
次に、第2実施形態の圧電デバイス100について図面を参照しながら説明する。なお、第1実施形態で説明したものと同じ構成要素については同符号を付し説明する。
図9は第2実施形態に係る圧電デバイス100の斜視図である。図9は表面実装(SMD)タイプの圧電デバイス100を表面側(リッド10側)から見た分解斜視図である。本実施形態の圧電デバイス100もリッド10と、圧電振動フレーム20と、ベース30とが透明材料で形成されている。なお、ベース30には図9に示されたように駆動IC、四つの櫛型コンデンサCC、二つのサーミスタTH及び図示しない配線より構成された周波数調節回路部及び温度補償回路部が形成されている。その他の構成は第1実施形態で説明された構成と同じなので、以下は主に櫛型コンデンサCC、サーミスタTH及び温度補償回路部について説明する。
<ベース30の構成>
図10(a)はベース30の底面側(実装基板側)であり、図10(b)は(a)のB−B断面図である。ベース30は凹み部31を有し、枠部32と底板部33とが一体に形成されている。
図10(a)はベース30の底面側(実装基板側)であり、図10(b)は(a)のB−B断面図である。ベース30は凹み部31を有し、枠部32と底板部33とが一体に形成されている。
ベース30には櫛型コンデンサCC(第1櫛型コンデンサCC1、第2櫛型コンデンサCC2、第3櫛型コンデンサCC3及び第4櫛型コンデンサCC4)が形成され、また、4箇所のスルーホール55が形成されている。これらの第2溝部34及びスルーホール55もエッチング加工により形成される。
図9及び図10に示されるように、底板部33の上部側(リッド10側)には駆動IC、第1サーミスタTH1及び第2サーミスタTH2が搭載される。駆動IC、第1サーミスタTH1及び第2サーミスタTH2は底板部33の接続端子に接続する。
底板部33の底部側にも水晶薄板37などの透明薄板が貼られる。水晶薄板37は透明なため、圧電デバイス100の真空封止後にレーザなどで圧電デバイス100の静電容量C1を変化させ、周波数の調整及び温度補償回路部の調整を行うことができる。
図11はベース30に形成する温度補償回路を有する発振回路の回路図を示している。底板部33の接続端子は図11に示すような配線を形成し、駆動IC、櫛型コンデンサCC及びサーミスタTHを用いて周波数調節回路部、温度補償回路部を形成している。
駆動ICは、例えばインバータ回路などの発振回路が形成してあり、圧電振動フレーム20の内壁に設けた基部電極41に電気的に接続され、音叉型圧電振動片21の振動腕24を励振する。温度補償回路部は、第1櫛型コンデンサCC1、第2櫛型コンデンサCC2及び第3櫛型コンデンサCC3と、第1サーミスタTH1及び第2サーミスタTH2と、から構成される。また周波数調節回路部には第4櫛型コンデンサCC4で構成されている。
温度補償回路部は、低温補償回路部と高温補償回路部とから構成される。低温補償回路部は第1櫛型コンデンサCC1と第1サーミスタTH1とを直列接続し、これらと第2櫛型コンデンサCC2とを並列に接続した回路である。高温補償回路部は第3櫛型コンデンサCC3と第2サーミスタTH2とを並列に接続した回路である。
圧電振動フレーム20の基部電極41は、端子T1と端子T2とに接続される。圧電振動フレーム20は、外部電極を介して給電されるとともに、クロック信号を出力する。また、圧電振動フレーム20は、外部電極の一部が実装基板に接続される。また、櫛型コンデンサCCの端子T3、T4も、前記した外部電極を介して実装基板に接続される。
温度補償回路部の低温補償回路部は、第1櫛型コンデンサCC1及び第2櫛型コンデンサCC2の静電容量C1を調整することで精度を上げることができる。また、温度補償回路部の高温補償回路部は、第3櫛型コンデンサCC3の静電容量C1を調整することで精度を上げることができる。
図12は電極を形成した第3櫛型コンデンサCC3の上部に第2サーミスタTH2を設置する斜視図である。なお、図12は説明しやすいように圧電デバイス100のリッド10などは描かれておらず、ベース30の一部がカットされて描かれている。
第2サーミスタTH2の一方の端子は、第3櫛型コンデンサCC3のコンデンサ電極35に例えばフリップチップボンディングにより接続される。第2サーミスタTH2の他方の端子は回路38に接続されている。回路38はベース30の壁部にも形成されており、スルーホール55(図10参照)を通じて外部電極のアース端子(GND)などに導通している。第2サーミスタTH2がコンデンサ電極35に固定された状態で、ベース30の底面側から第3櫛型コンデンサCC3のコンデンサ電極基部36をレーザLLにより切断する。これにより第2櫛型コンデンサCC3の静電容量C1が変更される。
以上のような構成により、高精度な圧電デバイス100が形成される。しかし実際の製造においては、1枚の水晶ウエハに数百から数千のリッド10と、1枚の水晶ウエハに数百から数千の圧電振動フレーム20と、1枚の水晶ウエハに数百から数千のベース30とを用意する。ベース30は水晶ウエハ単位で櫛型コンデンサCCの形成、駆動IC、第1サーミスタTH1及び第2サーミスタTH2の設置を行い、圧電振動フレーム20の水晶ウエハと結合させ、さらにリッド10の水晶ウエハと結合することで、一度に数百から数千の圧電デバイス100を製造する。
<周波数調整方法及び温度補償方法>
本実施形態の周波数調整方法は図8に示されたフローチャートと基本的に同じである。また、温度補償回路部においては、同様に真空封止後にコンデンサ電極基部36を所定数切断することで所望の容量値に調節することができる。このため、本実施形態では周波数調整方法及び温度補償方法に対して説明を省略する。
本実施形態の周波数調整方法は図8に示されたフローチャートと基本的に同じである。また、温度補償回路部においては、同様に真空封止後にコンデンサ電極基部36を所定数切断することで所望の容量値に調節することができる。このため、本実施形態では周波数調整方法及び温度補償方法に対して説明を省略する。
《第3実施形態》
第1実施形態及び第2実施形態では、ベース30の底板部33の表面(圧電振動フレーム20側)と底面(実装基板側)との両面に第2溝部34を形成して、櫛型コンデンサCCを形成していた。第3実施形態のベース70は底板部73の表面のみに、第3溝部74を形成して櫛型コンデンサCCを形成する方法を示す。その他の構成は第1実施形態又は第2実施形態と同様なため説明を省き、以下にベース70の説明をする。なお第1実施形態又は第2実施形態と同じ構成については同じ符号を使用する。
第1実施形態及び第2実施形態では、ベース30の底板部33の表面(圧電振動フレーム20側)と底面(実装基板側)との両面に第2溝部34を形成して、櫛型コンデンサCCを形成していた。第3実施形態のベース70は底板部73の表面のみに、第3溝部74を形成して櫛型コンデンサCCを形成する方法を示す。その他の構成は第1実施形態又は第2実施形態と同様なため説明を省き、以下にベース70の説明をする。なお第1実施形態又は第2実施形態と同じ構成については同じ符号を使用する。
ベース70は第1実施形態又は第2実施形態と同様に透明材料の水晶材料で形成され、凹み部を有し、枠部72と底板部73とが一体に形成されている。図13(a)はベース70の底板部73の表面に第3溝部74を形成した図である。図13(b)はベース70の底板部73の裏面を示した図である。
図13(a)の斜線で示す領域で示すように、連続するS字形状の第3溝部74を形成し、裏面を貫通しないように形成する。第3溝部74の外周及び第3溝部74の内壁には、コンデンサ電極75を形成し、第3溝部74にアルミナなどの誘電体を形成する。こうすることで、第3溝部74はアルミナを誘電体とする複数のコンデンサ(櫛型コンデンサCC)を形成することができる。つまり、底板部73には第1櫛型コンデンサCCa、第2櫛型コンデンサCCb、第3櫛型コンデンサCCc及び第4櫛型コンデンサCCdを形成することができる。また、図13(b)に示すように、ベース70の裏面には外部電極のスタンバイ端子(ST)、電源端子(Vcc)、出力端子(OUT)及びアース端子(GND)を形成し、接続端子及び第3溝部74は形成しない。
図14は第2櫛型コンデンサCCbの拡大図を示した図である。図14(a)は第2櫛型コンデンサCCbの上面図であり、図14(b)は(a)のC−C断面図である。図14(b)で示されるように、第3溝部74の領域の外周及び第3溝部74の内壁には、コンデンサ電極75を形成し、第3溝部74の底部にはコンデンサ電極75を形成しない。また、コンデンサ電極75を形成した後の第3溝部74にはアルミナなどの誘電体が形成されている。第3溝部74の静電容量C2はコンデンサ電極75の形成と誘電体により、(数式02)から求まる。ただし、(数式02)のε(Al2O3)はアルミナの比誘電率とし、第3溝部74の面積S2は櫛歯部長L2と溝部高H2とで求まり、誘電体を挟んで間隔d2で離れている。
・・・(数式02)
第3実施形態の圧電デバイスは底板部33の裏面に接続端子及び櫛型コンデンサCCを形成しないため、第1実施形態又は第2実施形態で使用した水晶薄板37を形成する必要がない。このため工程を減らして圧電デバイスを提供することができる。しかしながら、ベース70は透明材料で形成されているため、第1実施形態又は第2実施形態と同様に圧電デバイスの封止後においても、圧電デバイスの下面側からレーザなどでコンデンサ電極基部76を切断することで、櫛型コンデンサCCの静電容量C2を調節可能である。
なお、第3実施形態では第3溝部74を形成したが、溝部を形成することなくベース30の底板部33の表面にアルミナなどの誘電体が形成されてもよい。この場合にはコンデンサ電極75の厚みが高さとなる。
《第4実施形態》
図15は圧電デバイス300の斜視図である。第1実施形態ないし第3実施形態では圧電デバイスの底部に櫛型コンデンサCCを形成した場合を示したが、小型なコンデンサアレイ60を設置しても同様に静電容量Cの調整を行うことができる。第4実施形態の圧電デバイス300は小型なコンデンサアレイ60を集積化したコンデンサアレイチップ65を用いている。なお、第1実施形態又は第2実施形態と同じ構成については同じ符号を使用する。圧電デバイス300のベース30にはコンデンサアレイチップ65、駆動IC、第1サーミスタTH1及び第2サーミスタTH2が搭載され、ベース30に形成した接続端子(不図示)に接続されている。その他の構成は第1実施形態又は第2実施形態と同様なため、説明を省く。
図15は圧電デバイス300の斜視図である。第1実施形態ないし第3実施形態では圧電デバイスの底部に櫛型コンデンサCCを形成した場合を示したが、小型なコンデンサアレイ60を設置しても同様に静電容量Cの調整を行うことができる。第4実施形態の圧電デバイス300は小型なコンデンサアレイ60を集積化したコンデンサアレイチップ65を用いている。なお、第1実施形態又は第2実施形態と同じ構成については同じ符号を使用する。圧電デバイス300のベース30にはコンデンサアレイチップ65、駆動IC、第1サーミスタTH1及び第2サーミスタTH2が搭載され、ベース30に形成した接続端子(不図示)に接続されている。その他の構成は第1実施形態又は第2実施形態と同様なため、説明を省く。
コンデンサアレイチップ65は例えば、図16(a)に示すような、コンデンサアレイ60aからコンデンサアレイ60dまでの4個のコンデンサアレイ60を搭載するコンデンサアレイチップ65を用いる。コンデンサアレイ60にはそれぞれトリミング窓61が形成されている。なお図16(a)はコンデンサアレイチップ65の下面図である。
図16(b)はトリミング窓61の拡大図である。トリミング窓61にはコンデンサ配線62が露出しており、このコンデンサ配線をレーザなどで切断加工することでコンデンサアレイ60の静電容量Cを変化させることができる。
圧電デバイス300はベース30にトリミング窓61が底面側(実装基板側)になるよう接続端子に接続する。接続端子への接続方法はフリップチップボンディング、ワイヤーボンディングなどの手法で接続する。ベース30に第1実施形態又は第2実施形態で示した回路図で配線する。その他も第1実施形態又は第2実施形態と同様に形成することで圧電デバイス300となる。
圧電デバイス300はトリミング窓が下向きで配置しているため、透明材料で形成したベースから可視することができ、真空封止後においてもレーザなどで温度補償回路の容量値を所望の値に容易に調整することができ、また周波数調整も高精度に行う事ができるため、高精度な圧電デバイス300を提供することができる。
なお、上記実施形態では圧電デバイス100又は圧電デバイス300は真空封止が施されているが、不活性ガスによる封止であってもよい。
10 … リッド
11、31 … 凹み部
12、32 … 枠部
13 … 天板部
20 … 圧電振動フレーム
21 … 音叉型圧電振動片
22 … フレーム部
23 … 基部、 24 … 振動腕、 25 … 支持腕、 26 … 接続部
27 … 第1溝部
30、70 … ベース
33、73 … 底板部
34 … 第2溝部
35、75 … コンデンサ電極
36、76 … コンデンサ電極基部
40 … 錘金属膜、 41 … 基部電極、 43 … 励振電極
55 … スルーホール
60 … コンデンサアレイ
61 … トリミング窓
62 … コンデンサ配線、 65 … コンデンサアレイチップ
74 … 第3溝部
100、300 圧電デバイス
110 リッド
120 音叉型圧電振動片
130 ケース、 131 ベース部
132 壁部、 133 台座部
C … 静電容量
CC … 櫛型コンデンサ
H2 … 溝部高
L1 … 溝部長、 L2 … 櫛歯部長、 W1 … 底部幅
Q … 圧電振動子
R … 抵抗
S1 … 底部面積、 S2 … 面積
T … 端子
TH … サーミスタ
V … CMOSインバータ
11、31 … 凹み部
12、32 … 枠部
13 … 天板部
20 … 圧電振動フレーム
21 … 音叉型圧電振動片
22 … フレーム部
23 … 基部、 24 … 振動腕、 25 … 支持腕、 26 … 接続部
27 … 第1溝部
30、70 … ベース
33、73 … 底板部
34 … 第2溝部
35、75 … コンデンサ電極
36、76 … コンデンサ電極基部
40 … 錘金属膜、 41 … 基部電極、 43 … 励振電極
55 … スルーホール
60 … コンデンサアレイ
61 … トリミング窓
62 … コンデンサ配線、 65 … コンデンサアレイチップ
74 … 第3溝部
100、300 圧電デバイス
110 リッド
120 音叉型圧電振動片
130 ケース、 131 ベース部
132 壁部、 133 台座部
C … 静電容量
CC … 櫛型コンデンサ
H2 … 溝部高
L1 … 溝部長、 L2 … 櫛歯部長、 W1 … 底部幅
Q … 圧電振動子
R … 抵抗
S1 … 底部面積、 S2 … 面積
T … 端子
TH … サーミスタ
V … CMOSインバータ
Claims (8)
- 励振電極が形成された圧電振動片と、前記圧電振動片を囲む外枠部とを有する水晶フレームと、
前記圧電振動片を発振させる電気回路素子と、
一方の面に形成され前記電気回路素子と接続される接続電極と、前記一方の面とは反対面に形成された外部端子とを有し、前記外枠部の一方の面に接合する透明ベースと、
前記外枠部の他方の面に接合するリッドと、
を備えることを特徴とする圧電デバイス。 - 前記電気回路素子と接続される接続電極の配線の一部が、レーザにより前記外部端子側から切断可能であることを特徴とする請求項1に記載の圧電デバイス。
- 前記電気回路素子は前記圧電振動片に電気的に接続した複数のコンデンサ素子からなる櫛型形状のコンデンサと前記櫛型形状のコンデンサに電気的に接続した電気素子とを備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の圧電デバイス。
- 前記櫛型形状のコンデンサは、前記透明ベースに形成された溝部を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の圧電デバイス。
- 前記櫛型形状のコンデンサは、前記透明ベースに形成された誘電体を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の圧電デバイス。
- 圧電振動片を発振させる電気回路素子を水晶ベースの一部に接続する工程と、
前記圧電振動片を有する水晶フレームを中央にして、リッドと前記電気回路素子を水晶フレーム側に配置した透明ベースとを接合し封止する接合・封止工程と、
接合・封止した後、前記電気回路素子と接続される接続電極の配線の一部を前記水晶ベースの外側からレーザにより切断する切断工程と、
を備えることを特徴とする圧電デバイスの製造方法。 - 前記圧電振動片は一対の振動腕と該振動腕の先端に形成された錘部とを有する音叉型圧電振動片であり、前記錘部をレーザで昇華させた後に、前記切断工程は前記接続電極の配線の一部を切断することを特徴とする請求項6に圧電デバイスの製造方法。
- 前記電気回路素子は、複数のコンデンサ素子からなる櫛型形状のコンデンサを有しており、前記切断工程は前記複数のコンデンサ素子の少なくとも一部のコンデンサ素子の配線を前記レーザにより切断することを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の圧電デバイスの製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010069437A JP2010268436A (ja) | 2009-04-13 | 2010-03-25 | 圧電デバイス及び圧電デバイスの製造方法 |
Applications Claiming Priority (2)
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Publications (1)
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2010
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