JP2010267626A - 感温ペレット型温度ヒューズ - Google Patents

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Abstract

【課題】動作温度でのスイッチングを迅速かつ正確にするよう応答速度を速める感温ペレット型温度ヒュ−ズを提供する。
【解決手段】感温ペレット10と、感温ペレットを収容する金属製外囲器12と、外囲器の一端側に固着され第1電極15を先端部に形成する第1リード部材14と、外囲器の他端側に固定され第2電極を外囲器内壁面に形成する第2リ−ド部材16と、感温ペレットを押圧するよう可動導電体20およびスプリング体24、26を含むスイッチング機能部材とを具備し、感温ペレットの軟化・溶融により所定の動作温度で第1電極および第2電極間の電気回路をスイッチングする温度ヒューズにおいて、前記感温ペレットが熱可塑性樹脂からなり、かつ前記感温ペレットに形成した気泡、窪み、中空等の空洞部分による軽量化を施したことを特徴とする感温ペレット型温度ヒューズ。
【選択図】図1

Description

本発明は熱可塑性樹脂を感温材に使用した感温ペレット型温度ヒューズに関し、特に、感温材の熱可塑性樹脂が所定の動作温度で速やかにスイッチング動作させるように改良した感温ペレット型温度ヒューズに関する。
温度ヒューズは、感温材により大きく2つに分類され、非導電性の感温物質を使用する感温ペレット型温度ヒュ−ズと導電性の低融点合金を使用する可溶合金型温度ヒュ−ズとがある。いずれも周囲温度が上昇する時に所定の温度で作動して機器や装置の電流遮断あるいは通電路の導通を形成して装置・機器類を保護する、いわゆる非復帰型温度スイッチである。このうち感温ペレット型温度ヒューズではペレット材料に特許文献1に示すような純粋な化学薬品(有機化合物と同義として用いる)として4−メチルウンベリフェロンを使用したものがある。また、特許文献2および特許文献3に示すように、いずれも既知の2種もしくはそれ以上の有機化合物を混合して新たな融点を有する混合物を使用している。一方、特許文献4が示すように、感温ペレットに熱可塑性樹脂を使用して広範囲に亘る動作温度を任意に設定することのできる感温ペレット型温度ヒューズも提案されている。
特許第1702939号明細書 特開2002−163966号公報 特許第2551754号公報 特開2003−317589号公報
ところで、熱可塑性樹脂の感温ペレットを使用した感温ペレット型温度ヒューズは、化学薬品を使用した感温ペレット型温度ヒューズに比べて、ペレットの軟化、変形、昇華、潮解性など環境条件の影響を受け難く、製造上の処理工程や製品後の保管条件などでメリットが多く実用化に有利であることが分っている、しかし、ペレットの軟化または溶融する際の動作温度でスイッチング応答速度が長くなる傾向があり、これを改良することが課題として挙げられている。感温ペレット型温度ヒューズにとっては、設定された動作温度で確実かつ速やかに作動することが望まれており、そのための改良方法を感温ペレットの熱可塑性樹脂材の選択、スプリング材のばね押圧力あるいは可動接点部材のスライド性などに求められていた。また、感温ペレットは熱的に十分に安定であるとはいいがたく環境によって影響を受け、製造過程の取り扱いにおいて割れや欠けが発生するといった不具合が生じ易く、そうした欠点への対応に加えて、軟化・溶融に伴う動作温度での作動特性である即応答性が要請される傾向にある。特に、融点での純粋な化学物質の動作温度設定と比べて軟化・溶融による熱可塑性樹脂とスプリングのばね圧とを組み合わせて設定する動作温度設定では作動時にタイムラグ等が生じ易いことから動作温度での応答速度の向上が求められている。
したがって、本発明の目的は、上記欠点を解消するために提案されたものであり、軟化・溶融する熱可塑性樹脂を使用する感温ペレットの所定動作温度での応答特性に着目し、これを迅速かつ正確に反応するように応答速度を速める新規かつ改良された感温ペレット型温度ヒュ−ズを提供することにある。すなわち、従来の純粋な化学物質を使用した感温ペレットのもつ応答速度と遜色ない作動特性を備えた熱可塑性樹脂を使用した感温ペレット型温度ヒューズを提供するものである。以下、本発明のその他の目的を挙げると、動作温度の融点近傍での昇華を抑止し、高温度で使用可能な熱的に安定した感温ペレット型温度ヒューズを提供すること、水やアルコールへの潮解を抑え、強度的強化を図り、割れ欠けの不具合を減らした感温ペレット型温度ヒューズを提供すること、および高温下での耐電圧性と共に応答速度性を向上した感温ペレット型温度ヒューズを提供することである。
本発明の別の目的は、幅広い温度帯をカバーすることのできる熱可塑性樹脂を感温材として使用することから熱的に安定して量産化に適合する感温ペレットの製造方法を開示し、それにより安価で実用化に有利な感温ペレット型温度ヒューズを提供することにある。
本発明によれば、結晶性を有する熱可塑性樹脂の感温ペレットと、この感温ペレットを収容する金属製外囲器と、外囲器の一端側に固着され第1電極を先端部に形成する第1リード部材と、外囲器の他端側に固定され第2電極を外囲器内壁面に形成する第2リ−ド部材と、感温ペレットを押圧するよう可動導電体およびスプリング体を含むスイッチング機能部材とを具備し、感温ペレットの軟化・溶融により所定の動作温度で前記第1電極および前記第2電極間の電気回路をスイッチングする温度ヒューズにおいて、動作温度におけるスイッチング応答速度を速める作動促進手段を感温ペレットに付与したことを特徴とする感温ペレット型温度ヒューズが提供される。ここで、前記作動促進手段は感温ペレットに形成した気泡、窪み、中空等の空洞部分による軽量化、あるいは感温ペレットを異種の熱可塑性樹脂材を使用した多層化または混在化による。また、感温ペレットに形成した空洞部分である軽量化の場合、ペレット単位重量を小さくする度合いとして、空洞部分を有しないペレット重量/空洞部分を有するペレット重量の百分率で表わす空洞率が25vol%以下とすることが好ましい。さらに、多層化または混在化による場合、異種の熱可塑性樹脂材は動作温度を決定する第1樹脂材およびこの第1樹脂材より低い融点を有する第2樹脂材を含むこと要件とすることを開示する。換言すると、金属製外囲器内に収容した熱可塑性樹脂の軟化・溶融により所定の動作温度で第1電極および第2電極間の回路を遮断する温度ヒューズにおいて、前記感温ペレットが熱可塑性樹脂からなり、かつ前記感温ペレットに形成した気泡、窪み、中空等の空洞部分による軽量化を施したことを特徴とする感温ペレット型温度ヒューズを提供する。たとえば、軽量化に依存する場合には、熱可塑性樹脂ペレットの空洞率25%以内の範囲で気泡または中空空洞部を形成した感温ペレット型温度ヒューズを提供する。
本発明の別の観点において、結晶性を有する熱可塑性樹脂の感温ペレットに付与する動作温度におけるスイッチング応答速度を速める作動促進手段は、感温ペレットを製造するための線引きによる線材加工工程とこの線材を所定長に切断するペレット加工工程とを含む感温ペレットの製造過程において、軽量化のための空洞部分形成、多層化のための異種樹脂材ラミネート線引き、あるいは混在化のための異種樹脂材混合が行なわれ、線材線引き処理工程で感温ペレットに作動促進手段が付与され、それにより量産化に対して製造作業面での効率化に役立つ。さらに、本発明に係る感温ペレットの作動促進手段は感温ペレットの空洞部分形成による軽量化と共に異種樹脂材の多層化および/または混合化を併存させることも容易であり、それにより感温ペレットの強度的向上、耐湿による潮解や高温による昇華に対する対策の実施を可能にする。さらにまた、混在化では第1樹脂材に対する前記第2樹脂材の体積占有率が30%以内であることが好ましく、たとえば、第2樹脂材が着色添加剤として使用し混合することも可能である。
また、上述する作動促進手段が感温ペレットの軽量化、多層化および混合化であり、軽量化の空洞率や、多層化および混合化の第1樹脂材に対する第2樹脂材の体積占有率が特定範囲になるよう形成する感温ペレット型温度ヒューズを提供する。ここで、使用する樹脂材にはエチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレンなどのオレフィンあるいはジオレフィンなどの重合体または共重合体の総称であるポリオレフィンを推奨する。いわゆる、オレフィン樹脂とかオレフィンの重合体とも呼ばれるもので、分子中に二重結合を2個以上持つ脂肪族不飽和炭化水素の総称である。一般名としてのポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)が含まれ、軟化・溶融する際の流動性に関わるメルトフローレイト(MFR)との組み合せも有効である。なお、感温材のベース材料に各種の添加剤、強化材および充填材を混合したり、主材料の選択以外に樹脂材の重合、共重合、可塑化あるいはブレンドにしたり、樹脂の合成・精製する際の触媒を変えたりして物理的・電気的諸特性を改善し、さらにペレット強度の強化で割れ欠けによる不具合を軽減させることができる。
本発明によれば、熱可塑性樹脂の感温ペレットは空洞部分の形成による単位重量の軽量化、あるいは異種樹脂材の多層化または混合化でスイッチング応答速度を速める作動促進手段が付与されるので動作温度での反応遅れの欠点は解消され、製品のばらつきが小さく、高い信頼性の感温ペレット型温度ヒューズを安価に提供できる。一方、従来使用の感温材では、融点が同じでも硬い材料と軟らかい材料の違いがあり、ゆっくり温度を上げる場合に動作温度のばらつきが大きくなり、また、急激に温度を上げると応答時間に差が出るという欠点があったが、本発明による作動促進手段の付与により動作温度のばらつきや応答時間差の影響をなくして常に安定して即応性が発揮できる。特に、感温材に結晶度20%以上のポリオレフィンを用いることでペレット成形加工の容易さやペレット強度の改善と共に高湿度や有害ガスの雰囲気中に置かれても、温度ヒューズの経時変化に伴う安定化が図られ、腐食や絶縁度の劣化を防ぐ。したがって、保管中はもとより使用中でも電気的特性を含めた性能低下を防止し、経年変化も抑止され常に所定の動作温度で正確に作動して安定性と信頼性の向上に役立つなどの実用的効果が大きい。さらに、ペレット製造は量産化に有利な溶融状態の熱可塑性樹脂材を押出し成形することで線材化しこれを切断して行なうことで、作業性や取り扱いが容易になり、製造コストの低減化と共に安価で動作温度の応答速度を速めた感温ペレット型温度ヒューズを提供できる。
本発明は感温ペレットに作動促進手段を付与することで所定の動作温度でのスイッチング応答速度を速めた感温ペレット型温度ヒューズの提供であるが、動作温度は使用する樹脂材の熱変形温度と、スプリング体の押圧力とにより設定され調整される。ここで、熱可塑性樹脂の軟化または溶融する際の表示目安として、JIS K 7121の規定に基づく補外融解開始温度(Tim)と補外融解終了温度(Tem)が利用され、JIS K 7210の規定に基づく流れ特性のメルトマスフローレイト(MFR)が利用される。こうしたJIS規格の用語を参考にして設定した動作温度は、ばらつきが小さく、高精度で迅速に作動するなど特性改善にも寄与する。
本発明の実施形態は、第1リード部材を絶縁ブッシングの介在で金属ケース外囲器の一端に封着材を用いて取付け、この金属ケース外囲器の他端に第2リード部材をかしめにより固定し、金属ケース外囲器内にスプリング体、可動導電体および動作温度での作動促進手段を付与した感温ペレットを含むスイッチング機能部材を収容し、感温ペレットを押圧するスプリング体の圧縮または引張ばね力と加熱加温による感温ペレットの熱変形とによる可動導電体の移動で第1および第2リード部材の形成する電気回路を遮断または導通状態にスイッチングする感温ペレット型温度ヒューズである。ここで、感温ペレットは熱可塑性樹脂から選ばれたポリオレフィンの使用が好ましく、その補外融解開始温度(Tim)と融解ピーク温度(Tpm)の間で動作温度を設定し、作動促進手段にはペレットの空洞部分形成による軽量化および異種樹脂材の多層化や混合化による感温ペレットを使用する。熱可塑性樹脂としては、結晶度20%以上のポリオレフィンが好ましく、これを溶融状態にして押し出し成形工程で所定寸法の直径を有するロッド線材にし所定長さで切断してペレット化する。この場合、線材はパイプ状にすれば中央に中空部分のあるペレットとなり、その単位重量を軽量化できる。
本発明の着眼点は感温ペレットの軽量化、あるいは異種樹脂材の使用による多層化または混在化が所定の動作温度での応答速度を速める作動促進手段となることを見出したことによる。具体的な軽量化方法は、熱可塑性樹脂を感温材に使用して中央中空のパイプ状線材や樹脂材中に気泡等の空洞部分を有する線材を切断加工した感温ペレットである。また、感温ペレットの周辺に窪み部分を形成して単位ペレットの軽量化が図られる。ペレット単位重量を小さくする度合いとして、空洞部分を有しないペレット重量/空洞部分を有するペレット重量の百分率で表わす空洞率を求め、その値が25%以下とすることが好ましいことが実験的に判明した。このような空洞部分の形成により生ずる空洞率とそれによる動作温度の変化および応答速度の関係は各種空洞率の試料を試作して試験測定してその結果を出している。この場合の応答速度は、空洞率の異なる試料を高温オイルバスに浸漬し、所定の押圧力を加えた際に所定量の変形にいたる所要時間を測定したものである。また、動作温度は空洞率がある程度大きくなると所定の押圧力で軟化・溶融温度に拘わらず変形するため、動作温度としての設定に問題が残る。なお、感温ペレット型温度ヒューズは、動作温度で感温ペレットが熱変形して第1および第2電極間を遮断または導通状態にスイッチングするのであるが、所望する動作温度の調整は、通常、選定した熱可塑性樹脂材の融点、補外融解開始温度(Tim)と補外融解終了温度(Tem)から任意に決められるほかスプリングによる押圧力で行なわれる。通常、低分子化合物では融解ピーク温度(Tpm)と補外融解終了温度(Tem)の差は小さければ小さいほど温度ヒューズとして適した感温ペレット材料とされてきたが、動作温度設定は、補外融解開始温度(Tim)と融解ピーク温度(Tpm)にある程度の幅(温度差5℃以上)を持たせ、感温ペレットに加わる押圧荷重値を任意に設定する。
次に、本発明が使用した樹脂材のポリエチレン(PE)を例にとって感温ペレットに形成した空洞部分による単位ペレットあたりの軽量化について説明する。空洞部分は感温ペレットの気泡、窪みまたは中央中空部分として形成されるが、空洞率は空洞部分のない場合が0%となり、温度ヒューズに使用する最適範囲があることが実験的に判明した。また、空洞部分を有する感温ペレットは、その製造に際して、先ず、熱可塑性樹脂を溶融状態にして押出し成形でロッド状線材に形成し、この線材を所定長の寸法で切断して得ることが作業性から有利であることが判明した。一方、異種の樹脂材を多層化したり混在化したりしても動作温度での応答速度が速められることが判明した。この場合、異種の樹脂材は互いに融点の異なり、所望する動作温度の樹脂材を第1樹脂材とする場合、別の第2樹脂材は第1樹脂材より低い融点を有することが要件であることが判明した。たとえば、PEはその密度によって以下のように分類され、密度に応じて融点が明確に分れ、これらを異種樹脂材として使用できる。
低密度ポリエチレン(LDPE):密度0.910〜0.935 融点105〜110℃
高密度ポリエチレン(HDPE):密度0.941〜0.965 融点130〜135℃
また、PEとしては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、超高分子量ポリエチレン(超高分子量PE)や超低密度ポリエチレン(VLDPE)、そして共重合体としてエチレン・アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン・エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン・メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン・メタクリル酸グリシジル共重合体(GMA)やエチレン・メチルアクリレート・無水マレイン酸共重合体等が含まれている。さらにまた、添加剤、強化材および充填材の3つに分類される樹脂用副資材があり、これらの利用により動作温度の調整ができることは勿論である。
図1および図2は本発明に係る感温ペレット型温度ヒューズでそれぞれ常温の平常時Aと加温の異常時Bにおける温度ヒューズの部分断面図を示す。本発明に係る感温ペレットは後述するように各種方法で作動促進手段を付与することができる。この実施例では説明の都合上、ポリオレフィンである高密度ポリエチレンHDPE(融点135℃)と低密度ポリエチレンLDPE(融点110℃)の2種の樹脂材を混合して使用した混在化による作動促進手段を付与した感温ペレット10で示す。実施例に示す感温型温度ヒューズは、HDPEの第1樹脂材に対しLDPEの第2樹脂材を15vol%混合した熱可塑性樹脂の感温ペレット10を円筒形金属ケース外囲器12にスイッチング機能部材の一つの部品として収容して構成される。金属ケース外囲器12はその一端開口側に第1リード部材14が固着され、他端開口側に第2リード部材16がかしめ固定される。第1リード部材14は絶縁ブッシング17を貫通して金属ケース外囲器12と絶縁され内部に伸び、その先端部に第1電極15が形成される。第1リード部材14の外部導出部には保護用絶縁碍管18が配置され外囲器開口を封着する封止樹脂19により固着される。一方、第2リード部材16は金属ケース外囲器12と直接かしめにより密着固定され、外囲器自体の内面が第2電極として形成される。金属ケース外囲器12に収容されるスイッチング機能部材には、前述する感温ペレット10、中央接点部と星形周辺接点部を有する可動導電体20、および強圧縮ばね24と弱圧縮ばね26を含むスプリング体がある。ここで、強弱圧縮ばねのスプリング体は、常温時は図1に示すように、強圧縮ばね24が弱圧縮ばね26の弾性力に抗して可動導電体20を第1電極15に押圧接触させている。特に、強圧縮ばね24はその両側に押圧板28および29を介在して感温ペレット10および可動接点体20の間に配置され、組立の容易化と共にばね動作の安定化が図られる。加温に伴う異常時は、図2に示すように、軟化または溶融した感温ペレット11が変形して、弱圧縮ばね26の押圧力が作用して可動導電体20を移動させる。このとき強圧縮ばね24はそのストローク範囲からばねが解放され、弱圧縮ばね26のストローク範囲内で押圧力が可動導電体20を押して外囲器内面の第2電極上を摺動する。この可動導電体の移動は可動導電体20と第1電極15とが離反して電気回路をOFF状態にスイッチングする。なお、図示される実施例は常時ON−異常時OFFの感温ペレット型温度ヒューズを構成しているが、スプリング体の配置構成により常時OFF−異常時ONとした逆動作の感温ペッレット型温度ヒューズとすることも可能である。
上述の実施例は作動促進手段が感温ペレットに使用する熱可塑性樹脂として異種樹脂材の使用による混在化方法である。使用した熱可塑性樹脂はいずれも結晶性ポリオレフィンであり、異種樹脂材としては動作温度を決定する軟化・溶融する第1樹脂材に対しこの第1樹脂材の有する融点より低い融点の樹脂を第2樹脂材として用い、両者の融点が温度差で20℃以上あることが好ましい。一方、作動促進手段が感温ペレットの多層化または混在化による方法では、第1樹脂材に対する第2樹脂材の体積占有率、すなわち、第2樹脂材体積/第1樹脂材体積の百分率で30%以下にすることが好ましいことが後述する実験で判明した。したがって、実施例の感温ペレット10は結晶化度が20%以上である融点135℃のHDPEに対して融点110℃のLDPEを15vol%混合した樹脂材で線材化し所定長に切断して加工処理されたものである。このような異種樹脂材を使用した感温ペレットについて、異種樹脂材の体積占有率の効果を確認するため、予め体積占有率を異にする9種類の感温ペレットを実験用試料として試作し、これらの応答速度と動作温度が試験測定された。この測定結果は異種の樹脂材と応答速度および動作温度の測定値表および第2樹脂材(vol%)vs応答速度(秒)の関連グラフとして図4に示される。この表およびグラフが示すように、混在化は第1樹脂材に対する第2樹脂材の体積占有率が30%以内で混合されることが望ましく、たとえば、第2樹脂材がペレット識別用着色添加剤の樹脂材として体積占有率2%程度で使用しても応答速度を速める効果は期待できる。
図5(a)ないし(g)は感温ペレットに付与する作動促進手段の変形例を示しており、いずれも本発明の対象となる感温ペレットの斜視図である。図示する7種類の変形例はそれぞれにスイッチング応答速度を速める効果を奏する感温ペレットである。図5(a)は感温ペレットが異種の樹脂材を混合してペレット化したもので、実施例1に示す第1樹脂材と第2樹脂材を混合して使用した感温ペレット10である。すなわち、作動促進手段が混在化方法によるものであり、外囲器の内径に略等しい直径の樹脂混在円柱体100として構成される。次に、図5(b)ないし図5(e)の4種類の変形例はペレットのいずれかの部分に空洞を有し、その単位重量を軽減化している。図5(b)は感温ペレットに気泡101が軽量円柱体102に含まれて空洞部分を形成している。図5(c)は中央に中空窪み103が軽量円柱体104に含まれ、図5(d)は中央に貫通孔105を有する軽量円柱体106であり、さらに図5(e)は外周の一部に窪み107を有する軽量円柱体108で感温ペレットを構成する。一方、図5(f)および図5(g)は作動促進手段が多層化方法によるもので、前者は直径方向の内側に第1樹脂材109を、外側に第2樹脂材110を配置して構成され、後者は厚みの長さ方向に第1樹脂材111と第2樹脂材112が積層して構成される。
次に、作動促進手段が軽量化方法による空洞部分の形成に関する感温ペレットについて詳述する。この軽量化方法はペレット単位重量を軽量化するために空洞部分を形成することでスイッチング時の応答速度を速めるが、その場合の指標として軽量化の割合を空洞率(vol%)を用いる。図6および図7には空洞と応答速度、動作温度の関係を試作実験と測定とにより求め、測定表およびグラフで示した。この実験はそれぞれ空洞率の異なる感温ペレットの試料を試作し、それぞれをオイルバスに浸して昇温した際の熱変形を生ずる動作温度と所定量の変形に要する時間を応答速度として測定したもので、図4のグラフと同様な測定を実施した。感温ペレットは空洞率の異なる8種類の試料が用意され、これに比較用で空洞部分のない(空洞率0vol%)の試料と合わせて試験測定した。図6に示される測定結果から、空洞部分の形成は応答速度を速めるのに有効であり、特に、15%〜25%の空洞率の範囲内で応答速度が顕著に速められかつ動作温度が安定していることが判明した。
一方、作動促進手段が感温ペレットに使用する熱可塑性樹脂の多層化または混合化による異種の樹脂材の使用については、軟化・溶融する第1樹脂材の選定で動作温度が設定されるが、この第1樹脂材の融点より低い温度の融点を有する第2樹脂材との組み合わせにより熱可塑性樹脂が選定される。図5(f)および図5(g)に示すように、感温ペレットの多層化はペレット直径方向の配置とペレット長さ方向の積層とが利用される。また、感温ペレットの多層化および混在化は、第1樹脂材に対する第2樹脂材の体積占有率で30%以下にすることが好ましいことが図3および図4で判明した。したがって、感温材には結晶化度20%以上のオレフィンが選ばれ、第1樹脂材に融点135℃のHDPEを選定した場合第2樹脂材は融点110℃のLDPEまたは融点115℃のLLDPEを選定して使用することができる。また、融点170℃のホモPPに対してPPブロック共重合体やランダムPP等の同じPP系から第1および第2樹脂材を選択することもできる。試作した感温ペレットが直径方向に多層化した場合、図3および図4に示す混在化による感温ペレット10での試験測定と同様な結果であった。したがって、多層化でも第2樹脂材が35%以上になると急激に動作温度が低下することから、応答速度を速めるための有効範囲は、好ましくは30vol%以内であると考えられる。
作動促進手段の感温ペレットへの付与は、溶融状態の熱可塑性樹脂を押出し成形により線引き加工する際のペレット製造過程において、軽量化の空洞部分形成、多層化の異種樹脂材のラミネート線引き、あるいは混在化の異種樹脂材の混合により感温ペレットに付与されることが望ましく、それにより製造作業の能率化に寄与する。また、作動促進手段は感温ペレットの空洞部分と共に異種樹脂材の多層化または混合化の両者を併合することも有効であり、感温ペレットの所定の動作温度でのスイッチング応答速度を速めることができる。
本発明に係る実施例である感温ペレット型温度ヒューズの動作前の要部断面図である。 同じく図1における感温ペレット型温度ヒューズの動作後の要部断面図である。 感温ペレットに異種樹脂材を使用した場合の体積占有率vs応答速度の特性図である。 同じく感温ペレットに異種樹脂材を使用した場合の体積占有率vs応答速度の特性を示したグラフである。 本発明の温度ヒューズに使用される感温ペレットの変形例を示す斜視図である。 感温ペレットに空洞を形成する場合の空洞率vs応答速度を示す特性図である。 同じく感温ペレットに空洞を形成する場合の空洞率vs応答速度を示す特性を示したグラフである。
10…感温ペレット、 12…外囲器、 14…第1リード部材、 15…第1電極、
16…第2リード部材、 17…絶縁ブッシング、 18…碍管、 19…封止樹脂、
20…可動導電体、 24…強圧縮ばね、 26…弱圧縮ばね、 28、29…押圧板
100…混在円柱体、 101…気泡、 102、104、106、108…軽量円柱体、
103…中空窪み、 105…中空孔、 107…外周窪み、
109…第1樹脂材(多層円柱体)、 110…第2樹脂材、
111…第1樹脂材(多層円柱体)、 112…第2樹脂材。

Claims (3)

  1. 感温ペレットと、前記感温ペレットを収容する金属製外囲器と、前記外囲器の一端側に固着され第1電極を先端部に形成した第1リード部材と、前記外囲器の他端側に固定され第2電極を外囲器内壁面に形成した第2リード部材と、前記感温ペレットを押圧する可動導電体およびスプリング体を含むスイッチング機能部材とを具備し、前記感温ペレットの軟化・溶融により所定の動作温度で前記第1電極および前記第2電極間の電気回路をスイッチングする温度ヒューズにおいて、前記感温ペレットが熱可塑性樹脂からなり、かつ前記感温ペレットに形成した気泡、窪み、中空等の空洞部分による軽量化を施したことを特徴とする請求項1に記載の感温ペレット型温度ヒューズ。
  2. 前記軽量化がペレット単位重量を小さくする空洞部分の空洞率を25vol%以下としたことを特徴とする請求項1に記載の感温ペレット型温度ヒューズ。
  3. 前記感温ペレットは、溶融状態の熱可塑性樹脂材を押し出し成形する線材加工において、軽量化の気泡・空洞形成により形成することを特徴とする請求項1に記載の感温ペレット型温度ヒューズ。
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