JP2010267517A - 誘導加熱装置 - Google Patents

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【課題】ブロッキングコンデンサを配置した誘導加熱装置において、複数が並列に配置されて利用されるブロッキングコンデンサに流れる異常な高電流を抑えることができる技術を提供する。
【解決手段】プッシュプルスイッチング回路103a〜103dの出力のそれぞれに個別にインダクタ105a〜105dを挿入し、その先に分割されたコンデンサ106a〜106dを接続し、誘導加熱コイル102に高周波電力を供給する。コンデンサ106a〜106dのそれぞれがリードインダクタンスと構成する等価直列共振回路が、インダクタ105a〜105dにより分離されるので、特定の経路への電流の集中や、コンデンサを含む閉回路内を循環する循環電流の発生を抑えることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、動作の安定性の高い誘導加熱装置に関する。
加熱処理を行う技術として誘導加熱が知られている(例えば、特許文献1を参照)。誘導加熱装置は、被加熱材料に誘導電流を生じさせるためのコイルに周期的に極性が反転する駆動電流(交番電流)を流す構造を備えている。このコイルに駆動電流を供給する駆動回路からの出力は、コンデンサを介してコイルに接続されている。このコンデンサは、コイルにDC電圧が加わらないようにするためのもので、ブロッキングコンデンサと呼ばれている。
大型の誘導加熱装置は、数百kW以上の電力をコイルに供給する必要がある。そのため、上述のブロッキングコンデンサは、電力容量を確保するために、並列に複数に分割された構造や複数のコンデンサを並列に接続したものが用いられる。この用途のコンデンサは、扱う電力容量の関係から概して大型である。
特開2003−129129号公報
上述した大型の誘導加熱装置では、上記並列配置されたブロッキングコンデンサの一部のコンデンサ素子に異常な大電流が流れる場合がある。この問題への対策としては、ブロッキングコンデンサの各端子への配線の長さや接続位置の設定を注意深く行い、更に一端組み立てた後の測定において、異常な大電流が見られるブロッキングコンデンサは、ユニット毎交換することで対応していた。
しかしながら上記の対策は、根本的に問題を解決するものではない。そこで本発明は、ブロッキングコンデンサを配置した誘導加熱装置において、複数が並列に配置されて利用されるブロッキングコンデンサに流れる異常な高電流を抑えることができる技術を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、誘導加熱コイルと、並列に接続された複数のコンデンサを介して前記誘導加熱コイルに電力を供給する駆動回路と、前記並列に接続された複数のコンデンサのそれぞれの入力側に個別に接続された複数のインダクタとを備えていることを特徴とする誘導加熱装置である。
高周波誘導加熱装置のブロッキングコンデンサに用いられるコンデンサは、電力容量を稼ぐために大型であり、その内部のリードインダクタンス(内部のリード線が持つインダクタンス)が無視できない。このため、コンデンサとその内部リードインダクタンスにより構成される直列共振回路を考慮する必要がある。
このようなコンデンサを複数並列にして用いる場合、等価的に上記の直列共振回路が複数並列に形成された状態となる。例えば、共振周波数が近い2つの直列共振回路を並列に接続した回路に、いずれかの共振周波数に一致する周波数の高周波電流を供給すると、この高周波電流は、周波数の一致した側の回路に優先的に流れる。これは、その回路の方が、この周波数の高周波電流に対するインピーダンスが低いからである。
また、同じ(あるいは近い)共振周波数の直列共振回路を並列に接続した場合、当該共振周波数の高周波電流が、この2つの直列共振回路を並列接続した閉回路内を一種の共振電流のように循環して流れる。この電流は負荷に供給される電流とは別の無駄な電流であり、その存在は、電力効率、素子への負担、発熱の観点から好ましくない。
実際には、各直列共振回路の結合や僅かな共振周波数の違いが影響して、上述した現象が複合的に発生する。これが、並列使用された大型のコンデンサに流れる異常な高電流の発生要因となる。
請求項1に記載の発明によれば、複数が並列配置された直列共振回路の入力のそれぞれに個別にインダクタが接続されるので、このインダクタのインダクタンスによって各直列共振回路が電気的に分離される。このため、上述した特定の経路に高周波電流が集中する現象の発生が抑えられる。また、複数の直列共振回路が並列接続されることで形成される閉回路の共振現象の発生が、インダクタの高インピーダンスにより防止され、循環する電流の発生が防止される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記複数のインダクタのそれぞれのインダクタンスは、前記複数のコンデンサのそれぞれが有するリードインダクタンスの50倍以上であることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、コンデンサのリードインダクタンスよりも遙かに大きなインダクタンスを有するインダクタが用いられることで、リードインダクタンスにより形成される直列共振回路の影響を抑える効果が有効に働く。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記駆動回路の出力には、前記複数のコンデンサの一つと、このコンデンサのリードインダクタンスとで構成される直列共振回路の共振周波数を有する高周波が含まれていることを特徴とする。
駆動回路の出力には、基本波、高調波、スプリアス(ノイズ成分等)といった多様な波形成分が含まれている。この波形成分の周波数が、コンデンサの容量とリードインダクタンスとで構成される直列共振回路の共振周波数と一致すると(あるいは近いと)、上述したメカニズムが働き、異常高電流の発生が促される。従って、請求項3に記載する発明で規定される条件において、インダクタを各コンデンサの入力部のそれぞれに挿入する本発明の構成の優位性が顕著になる。
請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記複数のコンデンサの一つと、このコンデンサのリードインダクタンスとで構成される直列共振回路の共振周波数は、前記駆動回路からの出力の中心周波数に対して、±20%以内の範囲にあることを特徴とする誘導加熱装置。
駆動回路からの出力は、綺麗な単一の周波数スペクトルではなく、設定された周波数を中心周波数として、その前後に裾のように広がりがある周波数スペクトルを有している。一般に、kWを超える出力を有する回路では、この広がりに含まれる周波数の高周波エネルギーは無視できない。したがって、コンデンサの容量とコンデンサのリードインダクタンスとで構成される直列共振回路の共振周波数が、上記広がりの範囲に存在すると、上述した異常な高電流の発生する可能性が増大する。この可能性は、当該複数のコンデンサの一つと、このコンデンサのリードインダクタンスとで構成される直列共振回路の共振周波数が、前記駆動回路からの出力の中心周波数に対して、±20%以内の範囲にある場合に顕著となる。よって、上記請求項4に記載する構成とすることで、上述した異常電流が発生する可能性を抑えることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明において、前記駆動回路は、複数のスイッチング回路を並列に備えた構成を有し、前記複数のスイッチング回路のそれぞれには、前記複数のインダクタのそれぞれが個別に接続されていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、複数並列に配置されたスイッチング回路の出力が個別にインダクタを介して、複数のコンデンサに接続される。このため、プッシュプルスイッチング回路等のスイッチング回路を複数並列に接続した構成において、各スイッチング回路の出力側がインダクタにより互いに分離される。この構成によれば、スイッチング回路毎のデバイスの特性や動作点のバラツキがあっても駆動回路の動作が安定する。
本発明によれば、ブロッキングコンデンサを配置した誘導加熱装置において、複数が並列に配置されて利用されるブロッキングコンデンサに流れる異常な高電流を抑えることができる技術が提供される。
実施形態の誘導加熱装置の回路図である。 実施形態の誘導加熱装置の終段に接続されたブロッキングコンデンサの周辺付近の等価回路図である。 比較例のブロッキングコンデンサの周辺付近の等価回路図である。 比較例の誘導加熱装置の回路図である。 計測を行った回路の回路図である。
(電気的な構成)
図1には、実施形態の誘導加熱装置100が示されている。誘導加熱装置100は、駆動回路の終段回路101と、この終段回路101から出力される駆動電流が供給される誘導加熱コイル102を備えている。
終段回路101は、直流を交流に変換するインバータ回路の出力部分であり、複数の上下対称スイッチング回路を並列配置(並列接続)したスイッチングユニット107と108を備えている。また、スイッチングユニット107と108は、バランススイッチング回路の構成に組み合わされた構成とされている。図1には、プッシュプルスイッチング回路103a〜103dを備えたスイッチングユニット107が示されている。プッシュプルスイッチング回路103a〜103dは、上下対称構造を有している。例えば、プッシュプルスイッチング回路103aは、上側回路および下側回路にそれぞれIGBT104aおよび104bを備えている。IGBT104aと104aは、逆位相で駆動され、2つのIGBTの中点(出力点)にこのプッシュプルスイッチング回路103aの出力が現れる。この構成は、他のプッシュプルスイッチング回路103a〜103dにおいても同じである。
スイッチングユニット107において、複数のプッシュプルスイッチング回路の出力のそれぞれには、個別にインダクタであるコイルとブロッキングコンデンサが直列に接続され、それらの直列回路の出力側がまとめられて誘導コイル102に接続されている。
すなわち、プッシュプルスイッチング回路103aの出力は、インダクタ105aおよびブロッキングコンデンサ106aを介して、誘導加熱コイル102の一方の端子に接続されている。同様に、プッシュプルスイッチング回路103bの出力は、インダクタ105bおよびブロッキングコンデンサ106bを介して、誘導加熱コイル102の一方の端子に接続されている。また、プッシュプルスイッチング回路103cの出力は、インダクタ105cおよびブロッキングコンデンサ106cを介して、誘導加熱コイル102の一方の端子に接続されている。また、プッシュプルスイッチング回路103dの出力は、インダクタ105dおよびブロッキングコンデンサ106dを介して、誘導加熱コイル102の一方の端子に接続されている。
ブロッキングコンデンサ106a〜106dは、入出力にそれぞれ4端子を備え、内部に4素子のコンデンサを集積化して備えたものをパッケージに収めたキャパシタアレイ構造を有している。各コンデンサの耐圧は725Vrmsであり、各端子間の電流容量は、25kHzで700Arms、50kHzで500Arms、100kHzで350Armsである。
スイッチングユニット107は、他方のスイッチングユニット108とバランススイッチング回路を構成している。スイッチングユニット108は、スイッチングユニット107と同様な構成を有し、誘導加熱コイル102の他方の端子に接続されている。スイッチングユニット107と108がバランススイッチング回路として動作して、誘導加熱コイル102への高周波電流の供給が行われる。
図1には、符号103a〜103dによって示されるプッシュプルスイッチング回路が4つ並列に配置されてスイッチングユニット107が構成されているが、その並列配置されるプッシュプルスイッチング回路の数は任意である。また、終段回路101の数も一つに限定されず、必要とされる出力に応じて、複数が更に並列に接続された構成を採用することもできる。
この例において、誘導加熱コイル102に供給される駆動電力の周波数をfとする。fは、例えば数百Hz〜100kHzが選択される。fは、加熱する材料の材質や寸法に応じて選択される。そして、ブロッキングコンデンサ106aの容量をC、引き出し端子間の内部配線が持つインダクタンスがLであるとする。この場合、インダクタ105aのインダクタンスLの値は、Lの50倍以上の値とすることが望ましい。
この例では、f=50kHz、L=約0.06μH(但し素子毎にバラツキ有り)、C=125μF、L=10μHとしている。なお、ブロッキングコンデンサ106aが有する内部のリードインダクタンスと容量Cとにより構成される直列共振回路の共振周波数は、約58.5kHzである。
(機能)
図2は、図1に示す終段回路101を構成するスイッチングユニット107の出力部分を示す等価回路図である。図3は、図2に対応する等価回路図であり、本発明の構成を採用しない比較例の等価回路図である。図4は、図3に示す構成を採用した誘導加熱装置の回路図である。図3および図4の比較例では、ブロッキングコンデンサの入力側へのインダクタの個別配置を行わず、接続配線をまとめ、その接続点にスイッチングユニット107’を構成する4つのプッシュプル回路の出力をまとめて接続した構成としている。
ブロッキングコンデンサは、高電力を扱えるように、大型で余裕のある構造とされ、そのため比較的大きな内部配線インダクタンスを有している。図3には、このブロッキングコンデンサの内部配線インダクタンスがLにより示されている。この内部配線インダクタンスLは、ブロッキングコンデンサの容量Cと直列共振回路を構成する。そして、図3に示すように複数のブロッキングコンデンサが並列に接続され、その入出力の配線が一つにまとめられている場合、図示するように、この直列共振回路が複数並列に接続された等価回路となる。
直列共振回路は、その共振周波数においてインピーダンスが著しく低下する性質を持っている。また、上記の直列共振回路の共振周波数は、各ブロッキングコンデンサの値のバラツキやリードインダクタンスの値のバラツキに起因したバラツキを有する。従って、図3に示す回路に入力される高周波電流に含まれる波形の周波数が、経路301〜304のいずれかの共振周波数に一致すると、特定の経路に大電流が流れる。これは、経路301〜304における高周波電流の偏りの要因となる。
この現象は、駆動回路から出力される高周波電流の基本周波数(およびその高調波の周波数)やその出力に含まれるスプリアス成分等が、経路301〜304の何れかの直列共振回路の周波数に一致あるいは近い値である場合に顕著となる。
本実施形態では、図2に示すようにブロッキングコンデンサ106a〜106dの入力側のそれぞれに、インダクタ105a〜105dが個別に配置されている。このため、経路201〜204の入力側にインダクタによる高インピーダンス素子が挿入された形となり、上述したメカニズムによる特定の経路に大電流が流れる不都合が防止される。
また、同じあるいは近い共振周波数を有する直列共振回路を複数並列に接続すると、複数の共振回路が互いに干渉し、一つの等価共振回路が形成される。この等価共振回路の共振周波数を有する高周波電流がこの回路に供給されると、この高周波電流が、回路内(直列共振回路を複数並列に接続した閉回路内)を共振電流として循環する。これも異常高電流の要因となる。
図2に示す構成によれば、複数の直列共振回路がインダクタ105a〜105dによって互いに分離され、相互の干渉が防止されるので、上記循環電流の発生が抑えられる。
また、図2に示す回路構成は、図3に示す回路構成と異なり、ブロッキングコンデンサの入力側をまとめず、個別にインダクタ105a〜105dを介してプッシュプルスイッチング回路の出力に接続している。このため、経路201〜204のアイソレーションが高められ、各経路間の干渉が抑えられる。この各経路間の干渉が抑えられることで、迷走電流の発生が防止され、出力動作を安定して得ることができる。
また、プッシュプルスイッチング回路103a〜103dのそれぞれの出力を個別にインダクタ105a〜105dを介して出力しているので、プッシュプルスイッチング回路間の干渉が防止され、その特性や動作点のバラツキの影響が抑えられる。このため、多数のプッシュプルIGBTスイッチング回路を並列接続した構造であっても、寄生発振や不安定な動作が生じ難く、安定した動作が得られる。
(実証試験)
図5は、計測を行った回路の回路図である。この計測では、上述した実施形態で用いた4素子が集積化されたブロッキングコンデンサ装置を用いた。このブロッキングコンデンサ装置の4つの素子の容量は、それぞれC=125μFであり、インダクタLのインダクタンスは、4.4μHとした。また、駆動回路からは58.5kHzの高周波を200kWで出力し、その電力は図示省略した水冷ダミーロードで消費させた。
ここで、駆動回路から供給する高周波の周波数を58.5kHzとしたのは以下の理由による。まず、電子的な測定により、ブロッキングコンデンサ装置が有する内部のリードインダクタンスとCとで形成される直列共振回路の共振周波数は、およそ58.5kHzであることが判明している。そこで、図3の等価回路を用いて説明した現象をより顕著に発生させるために、図5の駆動回路の出力の周波数を58.5kHzとした。なお、この測定で用いたブロッキングコンデンサの内部インダクタンスは、約0.06μHであるので、上述のようにLの値をその50倍以上の4.4μHとしている。
駆動回路から高周波電力の供給を行っている状態において、図5(A)の上側の回路と下側の回路とにおける計測点A、計測点B、計測点Cの電流値を計測した結果を下記表1に示す。
Figure 2010267517
表1において、電流比というのは、計測点Aにおける電流の値と計測点Bにおける電流の値との比(小さい方を分母としている)である。表1から明らかなように、図5(A)の回路では、計測点Aと計測点Bでは、流れる電流が上側の回路において比率にして1.88倍異なり、下側の回路において4.38倍異なる。また、2つのコンデンサを流れる電流の合計値に比較して、計測点Cを流れる電流の値が著しく小さい。
次に、図5(B)の上側の回路と下側の回路とにおける計測点D、計測点E、計測点Fの電流値を計測した結果を下記表2に示す。
Figure 2010267517
表2から明らかなように、図5(B)の回路では、計測点Dと計測点Eでは、流れる電流が上側および下側の回路においてほぼ同じである。つまり、図5(A)の場合に比較すると、その偏りが大きく抑えられている。また、上側と下側を流れる電流の合計値が、計測点Fを流れる電流の値とほぼ同じである。
(考察)
上記表1と表2の結果について考察した結果を説明する。上下に隣接する2つのコンデンサCを流れる電流の比率が、図5(A)の回路では大きく、図5(B)の回路で著しく低いのは、インダクタLの接続方法の違いに起因していると考えられる。
すなわち、図5(A)の回路では、2つのコンデンサCの入力側が接続され、そこに駆動回路からの出力がインダクタLを介して接続されている。このため、図2に関連して説明した直列共振回路が2つ並列に接続された等価回路となり、両直列共振回路の僅かな共振周波数の違いに起因して、2つの経路のインピーダンスに違いが生じ、それ故に計測点Aと計測点Bとにおける電流の値に大きな相違が生じたものと推察される。
また、図5(A)の回路では、各経路を流れる電流値の合計と、この2つの経路が合流した部分の電流値とが一致しない。これは、計測点Aと計測点Bを循環する電流があることを示している。この電流は、図5(A)中の矢印で示されるような、2つの直列共振回路が並列接続されることで構成される等価共振回路内を流れる共振電流の一種であると考えられる。
一方、図5(B)の回路では、計測点Dと計測点Eとにおける電流の値に大きな相違が生じていない。これは、2つのコンデンサCのそれぞれの入力側に、個別にインダクタLが接続され、上下に隣接する2つの直列共振回路が分離されるので、より低インピーダンスの経路に電流が集中する現象が抑えられているためであると考えられる。
また、計測点Dと計測点Eの電流値の合計が、計測点Fの電流値に精度良く一致している。これは、2つの直列共振回路がインダクタにより高周波的に分離されるので、計測点Dと計測点Eを循環する電流がほとんど発生しないためであると考えられる。
この循環する電流は、負荷に供給されない無駄な電流であり、エネルギーの利用効率を低下させる。事実、表1と表2を比較すると、同じ電力を駆動回路から供給しているにも係わらず、計測点Cにおける電流値は、計測点Fにおける電流値よりも小さい。この差は、上記の循環する電流に消費されていると考えられる。図5(B)に示す回路では、この循環する電流をほぼ無くすことができるので、エネルギーの利用効率の点で有利となる。
本発明は、誘導加熱装置に利用することができる。
100…誘導加熱装置、101…終段回路、102…誘導加熱コイル、103a〜103d…プッシュプルスイッチング回路、104a…IGBT、104b…IGBT、105a〜105d…インダクタ、106a〜106d…ブロッキングコンデンサ、107…スイッチングユニット、108…スイッチングユニット。

Claims (5)

  1. 誘導加熱コイルと、
    並列に接続された複数のコンデンサを介して前記誘導加熱コイルに電力を供給する駆動回路と、
    前記並列に接続された複数のコンデンサのそれぞれの入力側に個別に接続された複数のインダクタと
    を備えていることを特徴とする誘導加熱装置。
  2. 前記複数のインダクタのそれぞれのインダクタンスは、前記複数のコンデンサのそれぞれが有するリードインダクタンスの50倍以上であることを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱装置。
  3. 前記駆動回路の出力には、前記複数のコンデンサの一つと、このコンデンサのリードインダクタンスとで構成される直列共振回路の共振周波数を有する高周波が含まれていることを特徴とする請求項1または2に記載の誘導加熱装置。
  4. 前記複数のコンデンサの一つと、このコンデンサのリードインダクタンスとで構成される直列共振回路の共振周波数は、前記駆動回路からの出力の中心周波数に対して、±20%以内の範囲にあることを特徴とする請求項1または2に記載の誘導加熱装置。
  5. 前記駆動回路は、複数のスイッチング回路を並列に備えた構成を有し、
    前記複数のスイッチング回路のそれぞれには、前記複数のインダクタのそれぞれが個別に接続されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の誘導加熱装置。
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