JP2010266535A - 情報表示用パネルの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】粒子群の充填の際に使用するマスクの長期使用を可能として、生産性を向上させた情報表示用パネルの製造方法を提案する。
【解決手段】電気的に駆動可能な粒子群として構成した表示媒体を、少なくとも一方が透明な2枚の基板を対向配置した基板間の隔壁で囲んで形成したセル内に配置し、表示媒体を電気的に駆動させて情報を表示する情報表示用パネルの製造方法であって、前記基板上の前記セル内に粒子を充填する際に、前記セルの開口に対応した開口部を有するマスクを前記隔壁上に接触して載置するマスク載置ステップと、前記マスク上に置いた粒子群を、前記マスクに押し当てた粒子移動部材で移動させて、前記マスクの開口部を介して前記基板上のセル内に充填する粒子群充填ステップとを含む。
【選択図】図4

Description

本発明は、表示媒体とした粒子群を駆動させて情報を画像として表示する情報表示用パネルの製造方法に関する。より詳細には、情報表示用パネルのセル内に表示媒体とする粒子群を充填する技術に関する。
情報表示装置として液晶表示装置(LCD)が広く普及している。しかし、一般に液晶表示装置は電力消費量が大きく、視野角が狭いなどの欠点があることが知られていた。そこで、液晶表示装置に代わるものとして、少なくとも一方が透明な2枚の基板(例えばガラス基板)間に隔壁によって仕切られた複数のセルを形成し、このセル内に帯電性粒子を含んだ粒子群として構成した表示媒体を封入して、あるいは、マイクロカプセルを形成し、このマイクロカプセル内に帯電性粒子を含んだ粒子群として構成した表示媒体を封入して、この表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルについて提案がある。
そして、例えば特許文献1には、上記のような情報表示用パネルを製造する際に実行する粒子充填工程で、パネル基板に形成した隔壁上にスクリーンを配置して、このスクリーンの上に載せた粒子群をスキージ(板状部材)でスクリーン上を移動させながらスクリーンに設けた開口部から落下させて、この開口部に対応したパネル基板上のセル内に粒子群を配置する方法を開示している。
特開2007−148381号公報
上記特許文献1は、これより従前において広く知られていた印刷技術のひとつであるスクリーン印刷法を、粒子群の充填に応用したものである。一般にこのスクリーン印刷法では液状であるインクをスクリーンに設けた微細な孔を介して紙や布などに刷りつけて印刷するものである。しかし、特許文献1で開示しているのは液体でなく、微細な粒子(すなわち、表示媒体用粒子)の粒子群をスクリーンの開口部から落下させてパネル基板に設けたセル(小部屋)内に充填するという点で新規であり特徴的な技術を開示しているものである。
ところで、一般に言うスクリーン印刷では、印刷される被印刷体(紙や布など)の表面からスクリーンが数十μm〜数mmの距離をもって、つまり離間させて配置されている。これはスキージ(板状部材)を移動させたときに、インクが被印刷体に転写され、その直後にスクリーンから離れるようにするためである。
特許文献1では、乾燥した粒子群をセルに充填する際に、スクリーン印刷法の場合を踏襲して、スクリーンを基板上に形成した隔壁の上面(頭頂部)から離して上方に配置して、スクリーン上に置いた粒子群を、スキージで押しながら移動させたときにスクリーンが撓んで隔壁の上面に接するようにして粒子群をセル内に充填することを開示している。そして、特許文献1の実施例には、隔壁の上面から3mm離してスクリーンを配置することが示されている。この様子は、特許文献1の図4、図5に開示されているところである。
しかしながら、情報表示用パネルの表示媒体とする粒子群を乾燥した状態で充填する際に上記のようにスクリーンを用いた場合には、次のような不都合が発生する場合があった。
まず、パネル基板に形成した隔壁上にスクリーンを隔壁とは離して配置して、このスクリーンの上に載せた粒子群をスキージでスクリーン上を移動させながらスクリーンの開口部から落下させて、パネル基板上のセルに粒子群を配置する方法では、スキージで押された粒子の一部がスクリーンの裏側の隔壁上面と触れる部分にまで回りこみ、それがパネル基板に形成されている隔壁上に付着してしまう不都合が発生する場合があった。隔壁上に粒子が付着したままでもう一方のパネル基板を貼り合せてしまうとパネル基板間距離が均一でない情報表示用パネルとなってしまい、表示性能に不具合を引き起こすので、隔壁上に付着した粒子を取り除く必要があり、余分な工程となって生産性が悪くなり製造コストが上昇するという間題があった。
また、パネル基板に形成した隔壁上にスクリーンを隔壁とは離して配置して、このスクリーンの上に載せた粒子群をスキージでスクリーン上を移動きせながらスクリーンの開口部から落下させて、パネル基板上のセルに粒子群を配置する方法では、スキージをスクリーンに押し付けながら移動させる動作過程でスクリーンに対して撓みと戻りの変形が繰り返して加わるごとになリ、スクリーンが破損し易く、スクリーンの寿命が短くなってしまうために短期間で交換しなければならず生産性が悪く製遣コストが上昇するという問題もあった。
よって、本発明の目的は、情報表示用パネルの表示媒体とする粒子群を、基板に形成されたセル内に充填する際に、マスク機能を有しない従来のスクリーンに替えて、マスク機能を有するマスクを用いるようにすると共に、隔壁の上に付着した粒子を除去する必要をなくして、また、マスクの長期使用を可能にして生産性を向上させた情報表示用パネルの製遣方法を提案することにある。
粒子群をセルに充填する際のマスク機能とは、粒子群を充填したくないセル開口を塞いで当該セル内には粒子群が充填されないようにする機能である。スクリーン印刷におけるスクリーンにはこのマスク機能はなく、非開口部となる繊維の裏側にもインクが回り込むことによって開口部を通ったインクとともに被印刷体への印刷を可能としている。また、特許文献1におけるスクリーンでは、前述したスクリーン印刷におけるスクリーンのほかに前記マスク機能を有するスクリーンを示しているが、そのマスク機能を十分に発揮できていないという問題があった。
上記目的は、電気的に駆動可能な粒子群として構成した表示媒体を、少なくとも一方が透明な2枚の基板を対向配置した基板間の隔壁で囲んで形成したセル内に配置し、表示媒体を電気的に駆動させて情報を表示する情報表示用パネルの製造方法であって、
前記基板上の前記セル内に粒子を充填する際に、前記セルの開口に対応した開口部を有するマスクを前記隔壁上に接触して載置するマスク載置ステップと、
前記マスク上に置いた粒子群を、前記マスクに押し当てた粒子移動部材で移動させて、前記マスクの開口部を介して前記基板上のセル内に充填する粒子群充填ステップとを含む、ことを特徴とする情報表示用パネルの製造方法により達成できる。
また、前記マスクは、薄板状のマスク本体を均一に張った状態にするための枠体と、該枠体と前記マスク本体との間に介在して張力を発生させる張力付与部材とを備えて構成されていると共に、前記枠体が、基板上の前記セルを形成する隔壁の最外周よりも外側となるように大きくされていることで、前記マスクはマスク本体が隔壁の上面に接触配置すればよい。
前記マスクの開口部を、前記基板上のセル開口と同じ大きさで、同じ形状に形成しておき、前記マスクの開口部を前記セル開口に一致させて配置すればよい。
前記マスクの開口部を、前記基板上のセル開口よりも小さく形成したマスクを用いるのが好ましい。
前記マスクの開口部を、円形または楕円形またはレーストラック形のいずれかの形状で前記基板上のセル開口よりも小さくして配置するのが好ましい。
上記いずれかに記載した情報表示用パネルの製造方法によって製造された情報表示用パネルであれば、生産性を向上させ、製造コストを抑制できる。
本発明によると、マスク機能を有するマスクを隔壁の上面(頂上)に接触させた状態としてから粒子移動部材を移動させるのでその変形が抑制される。これによりマスクを変形させるように作用する外力を抑えることができるのでその長寿命化を図ることができるとともに、マスクの開口部から回り込んだ粒子が隔壁上に付着することも抑制できるので粒子除去作業を行う必要がなくなる。これにより生産性を向上させて製造コストの低減化を図ることができる。
(a)、(b)は本発明の製造方法で製造するのが好適な情報表示用パネルの基本的構成および原理を説明するために示した図である。 (a)、(b)は本発明の製造方法で製造するのが好適な情報表示用パネルの他の基本的構成および原理を説明するために示した図である。 本発明の製造方法で好適に採用できるマスクおよび隔壁が形成されたパネル基板を模式的に示した側面構成図である。 (a)、(b)は、本発明に係る情報表示用パネルの製造方法の実施例1を説明するための図である。 実施例1の製造方法で採用している板状のマスクの好ましい形状について示した図で、(a)はパネル基板上のセル開口の様子を示した平面図、(b)はセル開口に対応させて開口部を形成したマスクを示している図である。 (a)〜(c)はそれぞれマスクの開口部形状と隔壁が形成するセル形状との関係の一例を説明するために示した図である。 (a)〜(c)は本発明に係る情報表示用パネルの製造方法の実施例2を説明するための図である。 (a)〜(c)は本発明に係る情報表示用パネルの製造方法の実施例3を説明するための図である。 (a)〜(e)はそれぞれマスクの開口部形状と隔壁が形成するセル形状との関係の他の一例を説明するために示した図である。 マスクの形態例を示した図である。 マスクの他の形態例を示した図である。
まず、本発明の対象となる電気的に駆動可能な粒子を含んだ粒子群を表示媒体として駆動させる情報表示用パネルの一例として、帯電粒子移動方式の情報表示用パネルの基本的な構成について説明する。
前記帯電粒子移動方式の情報表示用パネルは、対向する2枚の基板間の空間に封入した帯電性粒子を含む粒子群で構成した表示媒体に電界が付与される。付与された電界方向に沿って、表示媒体が電界による力やクーロン力などによって引き寄せられ、表示媒体が電界方向の変化によって移動することにより、画像等の情報表示がなされる。従って、表示媒体が、均一に移動し、かつ、繰り返し表示情報を書き換える時、或いは表示情報を継続して表示する時の安定性を維持できるように、情報表示用パネルを設計する必要がある。ここで、表示媒体を構成する粒子にかかる力は、電界による力、粒子同士のクーロン力により引き付けあう力、電極や基板との電気鏡像力、分子間力、液架橋力、重力などが考えられる。
以下、本発明の製造方法で製造するのが好適な帯電粒子移動方式の情報表示用パネルの一例を図1(a)、(b)、図2(a)、(b)に基づき説明する。
図1(a)、(b)に示す例では、少なくとも光学的反射率と帯電性とを有する粒子を含む粒子群であって、互いに光学的反射率および帯電特性の異なる少なくとも2種類の表示媒体(ここでは負帯電性白色粒子3Waを含んだ粒子群として構成した白色表示媒体3Wと正帯電性黒色粒子3Baを含んだ粒子群として構成した黒色表示媒体3Bを示す)を基板間に封入し、隔壁4で形成された各セル7において、基板1に設けた電極5(ライン電極)と基板2に設けた電極6(ライン電極)とが対向直交交差して形成する画素電極対の間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させる。そして、図1(a)に示すように白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色表示を、あるいは、図1(b)に示すように黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色表示を、白黒のドットマトリックス表示している。なお、図1(a)、(b)において、手前にある隔壁は省略している。
なお、ここでは画素電極対で構成する画素と、隔壁で囲んで形成するセルとを1対1に対応させているが、画素とセルとは1対1に対応させなくてもよいし、画素の位置とセルの位置とを対応させなくてもよい。
本実施例では、観察側の基板2に設けた隔壁4で囲まれたセル内に表示媒体とする粒子群を充填配置し、隔壁4と背面側の基板1との間に接着剤9を配置してもう一方の基板1とを貼り合わせて接合した構造としている。
図2(a)、(b)に示す例では、少なくとも光学的反射率と帯電性とを有する粒子を含む粒子群であって、互いに光学的反射率および帯電特性が異なる少なくとも2種類の表示媒体(ここでは負帯電性白色粒子3Waを含んだ粒子群として構成した白色表示媒体3Wと正帯電性黒色粒子3Baを含んだ粒子群として構成した黒色表示媒体3Bを示す)を基板間に封入し、隔壁4で形成された各セル7において、基板1に設けた電極5(TFT付き画素電極)と基板2に設けた電極6(共通電極)とで形成する電極対の間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させる。そして、図2(a)に示すように白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色表示を、あるいは、図2(b)に示すように黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色表示を、白黒のドットマトリックス表示している。なお、図2(a)、(b)において、手前にある隔壁は省略している。
なお、ここでは画素電極対で構成する画素と、隔壁で囲んで形成するセルとを1対1に対応させているが、画素とセルとは1対1に対応させなくてもよいし、画素の位置とセルの位置とを対応させなくてもよい。
本実施例では、観察側の基板2に設けた隔壁4で囲まれたセル内に表示媒体とする粒子群を充填配置し、一部の隔壁4と背面側の基板1との間に接着剤9を配置してもう一方の基板1とを貼り合わせて接合した構造としている。
なお、上記基板1、2としては、ガラス基板、樹脂シート基板、樹脂フィルム基板等の基板を用いることができる。表示面側(観察側)とする基板2は、透明基板とする。この基板2の情報表示画面領域に、所定の電圧および極性(正・負)を有する電圧を印加するための電極(図1などで説明した、共通電極またはライン電極5)を配設する場合には透明電極とする。図1及び図2に示した情報表示用パネルを構成する基板1の情報表示画面領域の表面には、マトリックス状電極対を構成するように薄膜トランジスタ(TFT)付き画素電極もしくはライン電極が形成されている。この対向電極対に電圧を印加したときに、表示媒体(粒子群)に電界が付与され、表示媒体が移動して所望の表示を行う前述の構造が実現できる。
本発明に係る製造方法は、図1、2で示す構造の情報表示用パネルなどに好適に適用できるものである。そして、本発明の情報表示用パネルの製造方法における特徴は、粒子群(表示媒体)をセル内に充填するにあたり、先ず、隔壁上にマスクを密着した状態に配置するステップ(マスク載置ステップ)、そしてマスク上に載せた表示媒体とする粒子群を、粒子移動部材をマスクと接触させた状態で移動させて、粒子群を移動させることでマスクの開口部を介して粒子群をセル内に充填するステップ(粒子群充填ステップ)とを含むという点にある。
前述したように、スクリーンが隔壁上から離れて配置されていた従来の場合は、スキージの移動で繰り返しの変形を受けるのでその寿命が短くなっていたが、本発明の製造方法ではスクリーンに替えてマスクを用い、そのマスクを隔壁上に接触させた状態としてからスキージではない粒子移動部材を移動させるのでその変形が抑制される。よって、製品の長寿命化を図ることができ、これにより生産性を向上させて製造コストの低減化を図ることができる。
また、本発明の製造方法ではマスクを隔壁上に接触させた状態としてから粒子移動部材を移動させるので、マスクの開口部からマスクの裏側に回り込もうとする粒子があっても、この回り込もうとする粒子が隔壁上に付着することがないので、これまでに必要であった隔壁上に付着した粒子を除去する必要がなくなり、これにより生産性を向上させて製造コストを低減できる。
以下、更に図を参照して、本発明に係る情報表示用パネルの製造方法を詳細に説明する。
図3は、本発明の製造方法で好適に採用できるマスクMSを粒子群を充填するパネル基板と共に模式的に示した側面構成図である。なお、この図3は、マスクMSとパネル基板1(ここでは、パネル基板1の例として電極を配置しない例を示している)に配置した隔壁4である、基板間ギャップ確保用の隔壁4−1とセル形成用の隔壁4−2とが確認できるように示してある。
マスクMSは、マスク部MPと開口部MHとからなるマスク本体MBと、その外周に配備した枠体MF及び、マスク本体MBと枠体MFとの間に介在して張力を発生させる張力付与部材MTにより構成されている。マスク本体MBは薄い板状で100μm以下の厚さを有すものが好ましい。このマスク本体MBに、表示媒体とする粒子群を通過させるサイズの開口として開口部MHが形成されている。このようなマスク本体MBを均一に張った状態として、粒子群の充填の際に供する必要がある。そのための構造として、上記枠体MFと張力付与部材MTが配備されている。
枠体MFは、マスク本体MBの周縁部より少し大きく金属等の硬質材で細く環状に形成した骨格構造である。この枠体MFとマスク本体MBとの間に、弾性のある張力付与部材を介在させることにより、マスク本体MB全体に均一の張力を付与している。なお、張力付与部材として、弾性を備えたシート材、スプリングやワイヤなどを用いることができる。
特に図3で示すように、枠体MFが基板1の前記隔壁の最外周に位置する隔壁4−1よりも外側となるように大き目に設計してあるので、図3で示す位置からマスクMSを下げれば、均一に張られたマスク本体MBのマスク部MPを各隔壁4の上面に密着させることができる。
なお、図10、図11は、上記マスクMSとして好適に採用できるマスク構成例を示した平面図である。
マスク本体MBの周囲全体に張力付与部材MTを配置する形態(図10参照)や、マスク本体MBの周囲に対して張力付与部材MTを部分的(図11参照)に均等に配置する形態を採用できる。
マスク本体MBは、材料にステンレス鋼(SUS)、アルミニウム、鉄、銅等の金属を用いたメタルマスクや汎用プラスチックを用いた樹脂製マスクおよびメタルと樹脂とを組み合わせた積層マスクなどを用いることができる。メタルマスクの一部に絶縁部材を設けて部分的に絶縁性部分を有する導電性メタルマスクとしたり、樹脂製マスクの一部に導電性部材を設けて部分的に導電部分を有する樹脂製マスクとしたりすることができる。マスクの厚さは薄い方が好ましく強度的に優れているメタルマスクとするのが好ましい。
また、マスクの開口は、隔壁で囲まれた開口部がマスクの開口部に露出しなけばよく、その形状はどのような形状であってもよい。マスク目詰まりが起き難い角丸付き四角形、角丸付き六角形、楕円形、円形、レーストラック形などが好ましく用いられる。さらに、その形状はセル開口形状に合わせるか円形状、楕円形状、レーストラック形状のいずれかにするのが好ましい。
粒子移動部材は、マスク(マスク本体)上をマスクと接触しながら移動させることができるもので、進行方向に対して略直角な方向を長手方向とする板状、棒状、筒状の形態が用いられる。粒子移動部材は、その長手方向を、例えば、進行方向に対して直角な方向としたままマスクと接触しながら移動させるが、進行方向に対して直角以外の角度方向としたまま移動させてもよいし、その角度を変えながら移動させるようにしてもよい。マスク上に載せた乾燥した粒子群を移動させるのに適した構成を用いればよい。また、マスクの上を移動させる回数は、1回もしくは数回繰り返すことで行うことができる。粒子移動部材の移動方向を一定方向にして繰り返したり、移動方向を交互に切り替えて往復させて繰り返したりすることができる。
粒子移動部材のマスクと接触する部分に配置する材料としては、ウレタンゴム、シリコーンゴム等の各種合成ゴム材料や天然ゴム材料のほか、ポリエステル樹脂、ナイロン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂等の各種樹脂材料が用いられる。また、粒子移動部材のマスクと接触する部分は、マスクと接触した時に変形できる程度の弾性体となっていることが好ましく、前記弾性材料の弾性率を調整して配置したり、スポンジ状や刷毛状に加工して弾性率を調整して配置したりすればよい。
張力付与部材MTとしては、プラスチック、ゴム、金属等の弾性材をシート状にしたシート状弾性体やメッシュ状にしたメッシュ状弾性体、前記材料をコイル状にしたスプリングや板状にしたスプリングなどのスプリング状弾性体を挙がられる。
枠体MFは、マスクより大きな開口を有し、マスクに張力を付与しつつ保持する張力付与部材MTを複数有したり、メッシュ状の張力付与部材を有したりするものである。枠体MFは、反ったり歪んだりしにくい、言い換えれば剛性の高い材料で構成する。ステンレス鋼、鉄、アルミニウム、アルミニウム合金、黄銅などの金属材料および、ポリイミド(PI)、ポリエチルエーテルケトン(PEEK)、ポリプロピレン(PP)等のプラスチック材料を中空構造に構成したものや中空としない無垢構造(中実構造)に構成したもの、ガラス繊維補強したエポキシ樹脂などが好適に用いられる。
なお、以下で説明するマスクMSは、この図3で説明したと同様の構成を備えておりマスク本体MBが隔壁上に接して載置されるものであるが、説明の簡単のため枠体MFおよび張力付与部材MT部分についての図示および説明を省略し、発明の特徴部分を中心に説明する。
(実施例1)
図4(a)、(b)は、本発明に係る情報表示用パネルの製造方法の実施例1を説明するための図である。なお、この図4でも図3と同様にパネル基板1を簡素化し隔壁4だけを示している。また、前述したように、マスクMSはマスク本体MBの一部だけを図示している。(a)は、マスクMSを下げて隔壁4上にマスク部MPが接触するように載置するマスク載置ステップを示している。このステップにより、マスク本体MBのマスク部MPを隔壁4の上面に密着させることができる。
その後、図4(b)に示すように、マスク本体MB上に表示媒体(とする粒子群)を置いて粒子移動部材PMを前記マスク本体MBに押し当てながら移動させて、マスクの開口部MHから粒子群を落下させてパネル基板上のセル7内に充填することができる。
ここでは、マスク本体のマスク部を隔壁の上面に密着させてから、マスク本体の上に載せる順番としたが、マスク本体の上に粒子群を載せておき、粒子群が載ったマスク本体のマスク部を隔壁の上面に密着させるようにしてもよい。一度、マスク本体の上に載せた粒子群を、複数のパネル基板に対する粒子群充填ステップとして用いるようにすることもできる。マスク本体の上に載せた粒子群の量が少なくなった時点で、同じ粒子群を追加してマスク本体上に載せて、マスク載置ステップと、粒子群充填ステップとを繰り返し行うようにしてもよい。この点については、以下で繰り返し説明しないが、他の実施例についても同様でとする。
マスク本体MBとしては、材料にステンレス鋼(SUS304等)、アルミニウム、鉄、銅等の金属を用いたメタルマスクや、汎用プラスチックを用いた樹脂製マスクおよびメタルと樹脂とを組み合わせた積層マスクなどを用いることができる。導電性メタルマスク表面の一部に絶縁部材を設けて部分的に非導電性部分を有するメタルマスクとしたり、樹脂製マスクの表面に導電部材を設けて少なくとも表面を導電性にした樹脂製マスクとしてもよい。樹脂板および繊維補強した樹脂板や繊維補強した樹脂板の表面に金属コーティングした板状部材などを好適に採用できる。マスク本体MBの開口部は、隔壁で囲まれたセル開口と同じ大きさか、セル開口よりも小さくして隔壁がマスクの開口部に露出しなければよく、その形状はどのような形状であってもよい。マスクの開口部の目詰まりを抑制できる角丸付き四角形、角丸付き六角形、楕円形、円形などとするのが好ましい。特には、マスク本体の開口部の形状をセル開口の形状に合わせ、セル開口よりも小さ目にしたり円形状にしてセル開口よりも小さ目にしたりするのが好ましい。
また粒子移動部材PMとしては、ウレタンゴム、天然ゴムのほか各種合成ゴムなどのゴム材や、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ナイロン樹脂、ポリアミド樹脂などの各種樹脂材や、各種ゴム材や各種樹脂材を被覆した金属板や、発泡ウレタン材、発泡ゴム材等の各種発泡体材などを長尺の板状や棒状の部材とすることによって好適に採用することができる。
本実施例で、再度、マスク本体MB、粒子移動部材PMについて具体的に例示したが、ここで例示した材料と前述した材料例とを合わせて、いずれを採用してもよい。
図4に示す例において、本発明では、表示媒体とする粒子群3をセル7内に充填するにあたり、隔壁4の上面にマスク本体MBのマスク部MPを接触した状態に配置し、その後にマスク本体MB上に粒子群3を載せて粒子移動部材PMをマスク本体MBと接触させた状態で一端から他端まで移動させることで、粒子群3をマスク本体MBの開口部MHを介してセル7内に充填する。
その際に、マスク本体MB上に載せた粒子群3を粒子移動部材PMでマスク本体MBに押し付けながら横に移動させ、粒子群3を移動させるがマスク本体MBのマスク部MPが隔壁4上に接触しているため、従来のスクリーンを隔壁と離した状態でスキージを移動させ始める場合に発生していた、スクリーンの裏側の隔壁と接する部分にスクリーンの開口部から粒子が回り込むことがなくなリ、粒子が隔壁上に付着することを防止できる。これによって、これまで必要であった隔壁上に付着した粒子を除去する粒子除去工程を不要にでき、生産性を向上させて製造コストを低減できる。また、マスク本体MBに撓みと戻りの繰り返し変形が加わることを防止できるので、マスク本体MBが無理な外力を受けて繰り返し変形することがないので、破損し難くなり長期使用が可能となる。これによりマスクの交換頻度を低減して生産性を向上させると共に、製造コストの低減を図ることができる。
更に、図5は、図4で説明した実施例1の製造方法で採用している板状のマスクMSの好ましい形状を説明するための示した図であり、(a)はパネル基板上に配置される隔壁4により形成される複数セル7のセル開口7HLの様子を示した平面図であり、(b)はセル開口7HLに対応させてマスクの開口部MHを形成したマスクMS(マスク本体MB)を示している。
ここでは、マスクの開口部MHが、セル開口7HLと同じ大きさとなるようにマスク本体MBが形成されている。よって、隔壁4の幅4THとマスクMSの幅MTHが同じ長さとなって、マスク本体MBのマスク部MPが隔壁4上に丁度載る形態となる。このようなマスクMS(マスク本体MB)を採用して、粒子群の充填をすればマスクMSを隔壁4上で確実に密着させた状態で充填を行うことができるので、マスク裏側の隔壁と接する部分にマスクの開口部から粒子が回り込むことがなくなリ、粒子が隔壁の上面に付着することを防止できる。よつて、隔壁上に付着した粒子を除去する粒子除去工程を不要にでき生産性を向上させて製造コストを低減できる。さらに、マスクMSに無理な外力が作用するのを防止できる。よって、マスク(マスク本体MB)の破損原因を確実に除いて使用の長期化を更に促進できる。
上記実施例1に関連して、図6(a)〜(c)はそれぞれマスクの開口部形状と隔壁で形成してセル形状との関係の一例を説明するために示した図である。図6(a)に示す例では、マスク本体MBの開口部MHの形状が六角形:ハニカム配置であり、隔壁4で形成したセル7の形状が六角形:ハニカム配置の例を示す。図6(b)に示す例では、マスク本体MBの開口部MHの形状が四角形:格子状配置の例であり、隔壁4で形成したセル7の形状が四角形:格子状配置の例を示す。図6(c)に示す例では、マスク本体MBの開口部MHの形状が四角形:ハニカム配置であり、隔壁4で形成したセル7の形状が四角形:ハニカム配置の例を示す。
なお、マスク本体MBの開口部MHを、上記実施例1の場合のように隔壁で囲まれたセル開口部と同じ形状で同じ大きさとしたり、後述のように隔壁で囲まれたセル開口よりも小さい開口部MHとしたりして、隔壁の上面がマスクの開口部に露出しないようにマスクを配置して粒子充填工程を行う。
(実施例2)
次に説明する実施例2は、使用するマスクの開口部が粒子を充填するセル開口よりも小さく形成されている点が、実施例1の場合と異なるものである。
図7(a)〜(c)は、本発明に係る情報表示用パネルの製造方法の実施例2を説明するための図である。図7(a)はパネル基板上に配置される隔壁4により形成される複数セル7のセル開口7HLの様子を示した平面図であり、(b)はセル開口7HLに対応させて開口部MHを形成したマスク本体MBを示している。また、図7(c)は、マスク本体MB上に表示媒体(粒子群)3を置いて、粒子移動部材PMを前記マスク本体MBに押し当てながら移動させて粒子群3をマスク本体MBの開口部MHを介してセル7内に充填する様子を示した図である。
図7で示す実施例2の場合も、マスク本体MB上に載せた粒子群3を粒子移動部材PMでマスク本体MBに押し付けながら横に移動させ、粒子群3を移動させるがマスク本体MBのマスク部MPが隔壁4上に接触しているため、マスク裏側の隔壁と接する部分にマスクの開口部から粒子が回り込むことがなくなリ、粒子が隔壁上に付着することを防止できる。これは実施例1に示した、セル開口と同じ形状で同じ大きさの開口部MHを有するマスク本体MBと同様に得られる効果であるが、実施例2では、セルを形成している隔壁の上面が接しているマスク部の位置と、マスク本体MBの開口部の縁との距離が離れているので、マスク本体のマスク部裏側に回り込んだ粒子があったとしてもそれが隔壁上に付着することを確実に防ぐことができる。よつて、隔壁上に付着した粒子を除去する粒子除去エ程を不要にでき生産性を向上きせて製造コストを低減できる。さらに、マスク本体MBに撓みと戻りの繰り返し変形が加わることを防止できるので、マスク本体MBが無理な外力を受けて繰り返し変形することがないので破損し難くなり、長期での使用が可能となる。これによりマスクの交換頻度を低減し生産性を向上させると共に、製造コストを低減することができる。
そして、この実施例2の場合は、セル開口7HLよりマスク本体MBの開口部MHを相対的に小さくしたことにより、実施例1と比較して粒子を通過させないマスク部MPの幅MTHが大きくなり構造体としての強度が向上する。すなわち、マスク本体MBの開口部MH間の配置間隔となるマスク部MPが広い構造となり、構造体としてのマスクの強度が向上する。これにより、粒子移動部材で繰り返し擦られても破損し難い、耐久性が高い構造となる。よって、マスクMSの寿命を更に長期化できるので、交換頻度を減らして生産性の向上を図ることができる。
(実施例3)
次に説明する実施例3は、マスクの開口部がセル開口よりも小さく形成された実施例2に関連し、マスク本体MBの開口部の形状を更に円形とした場合である。
図8(a)〜(c)は、本発明に係る情報表示用パネルの製造方法の実施例3を説明するための図である。図8(a)はパネル基板上に配置される隔壁4により形成される複数セル7のセル開口7HLの様子を示した平面図であり、(b)はセル開口7HLに対応させて開口部MHを形成したマスク本体MBを示している。また、図8(c)は、マスクMS上に表示媒体(粒子群)3を置いて、粒子移動部材PMを前記マスク本体MBに押し当てながら移動させて粒子群3をマスク本体MBの開孔部MHを介してセル7内に充填する様子を示した図である。
図8で示す実施例3の場合も、マスク本体MB上に載せた粒子群3を粒子移動部材PMでマスク本体MBに押し付けながら横に移動させ、粒子群3を移動させるがマスク本体MBのマスク部MPが隔壁4上に接触しているため、マスク裏側の隔壁と接する部分にマスクの開口部から粒子が回り込むことがなくなリ、粒子が隔壁の上に付着することを防止できる。これは案施例1に示した、セル開口と同じ形状で同じ大きさの開口部MHを有するマスク本体MBと同様に得られる効果であるが、実施例3では、セルを形成している隔壁の上面が接しているマスク部の位置と、マスク本体MBの開口部の縁との距離が離れているので、マスク本体のマスク部裏側に回り込んだ粒子があったとしてもそれが隔壁上に付着することを確実に防ぐことができる点で実施例2と同様の効果が得られる。
よって、隔壁上に付着した粒子を除去する粒手除去工程を不要にでき生産性を向上させて製造コストを低減できる。さらに、マスク本体MBに撓みと戻りの繰り返し変形が加わることを防止できるので、マスク本体MBが無理な外力を受けて繰り返し変形することがないので破損し難くなり、長期での使用が可能となる。これによりマスクの交換頻度を低減し生産性を向上させると共に、製造コストを低減することができる。
そして、この実施例3の場合は、セル開口7HLよりマスクMSの開口部MHを相対的に小さくし、さらに開口部MHの形状を円形としてある。このように開口形状を円形にしておけば一箇所に応力が集中するのを抑制できるので、マスク本体MBを更に強度を向上させた構造体にできる。この効果は、楕円形やレーストラック形などの丸味のある開口形状に対しても得られる。よって、マスクMSの寿命を更に長期化できるので、交換頻度を減らして生産性の向上を図ることができる。
上記実施例2、3に関連して、図9(a)〜(e)はそれぞれマスク本体MBの開口部形状と隔壁4で形成したセル形状との関係の一例を説明するために示した図である。図9(a)に示す例では、マスク本体MBの開口部MHの形状が円形:ハニカム配置であり、隔壁4で形成したセル7の形状が六角形:ハニカム配置を示す。図9(b)に示す例では、マスク本体MBの開口部MHの形状が六角形:ハニカム配置であり、隔壁4で形成したセル7の形状が六角形:ハニカム配置を示す。図9(c)に示す例では、マスク本体MBの開口部MHの形状が角丸付き四角形:格子状配置であり、隔壁4で形成したセル7の形状が角丸付き四角形:格子状配置の例を示す。図9(d)に示す例では、マスク本体MBの開口部MHの形状が円形:ハニカム配置であり、隔壁4で形成したセル7の形状が円形:ハニカム配置の例を示す。図9(e)に示す例では、マスク本体MBの開口部MHの形状が円形:ハニカム配置であり、隔壁4で形成したセル7の形状が階段状八角形を示す。
以下、本発明の製造方法の対象となる情報表示用パネルに関して説明する。
本発明の製造方法による情報表示用パネルにおいて表示媒体を構成する粒子群は、平均粒子径d(0.5)が、1〜20μmの範囲であリ、一種類の粒子で構成したり、複数種類の粒子を組み合わせて構成したりする。平均粒子径d(0.5)がこの範囲より大きいと表示上の鮮明さに欠け、この範囲より小さいと粒子同士の凝集カが大きくなり過ぎるために表示媒体としての移動に支障をきたすようになる。
さらに、表示媒体を構成する粒子(粒子群)の粒子径分布に聞して、下記式に示される粒子径分布Spanを5未満、好ましは3未溝とする。
Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
(但し、d(0.5)は粒子の50%がこれより大きく、50%がこれより小さいという粒子径をμmで示した数値、d(0.1)は、これ以下の粒子の比率が10%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粒子が90%である粒子径をμmで表した数値である。)
Spanを5以下の範囲に収めることにより、表示媒体を構成する粒子のサイズが揃い表示媒体としての均一な移動が可能となる。
さらにまた、表示媒体として複数の粒子群を使用する場合には、使用した粒子群の内、最大の平均粒子径d(0.5)を示す粒子群の平均粒子径d(0.5)に対する、最小の平均粒子径d(0.5)を示す粒子群の平均粒子径d(0.5)の比を10以下とする。たとえ粒子径分布Spanを小さくしたとしても、複数の粒子群は表示媒体として互いに反
対方向に動くので、互いの粒子群を構成している粒子サイズが近い方が表示媒体として容易に移動できるようになるので好適であり、それがこの範囲となる。
なお、上記の粒子径分布および粒子径は、レーザー回折/散乱法などから求めることができる。測定対象となる粒子にレーザー光を照射すると空間的に回折/散乱光の光強度分布バターンが生じ、この光強度パターンは粒子径と対応関係があることから、粒子径および粒子径分布が測定できる。
ここで、粒子径および粒子径分布は、体積基準分布から得られたものである。具体的には、Mastersizer2000(Malvern Instruments Ltd.)測定機を用いて、窒素気流中に粒子群を投入し、付属の解析ソフト(Mie理論を用いた体積基準分布を基本としたソフト)にて、平均粒子径および粒子径分布の測定を行うことができる。
さらに、粒子群を表示媒体として、気体中空間で駆動きせる方式とする場合には、パネル基板間の表示媒体を取り巻く空隙部分の気体の管理が重要であり、表示安定性向上に寄与する。具体的には、空隙部分の気体の湿度についで、25℃における相対湿度を60%RH以下、好ましくは50%RH以下とするごとが重要である。
この空隙部分とは、図1(a)、(b)、図2(a)、(b)おいて、対向する基板1、基板2に挟まれる部分から、電極5、6、表示媒体(3B,3W)の占有部分、隔壁4の占有部分、パネル基板間のシール部分を除いた、いわゆる表示媒体が接する気体部分を指すものとする。
空隙部分の気体は、先に述べた湿度領域であれば、その種類は間わないが、乾燥空気、乾燥窯素、乾燥アルゴン、乾燥ヘリウム、乾燥ニ酸化炭素、乾燥メタンなどが好適である。この気体は、その湿度が保持されるようにパネル基板間に封入することが必要であり、例えば、表示媒体の充填、パネルの組み立てなどを所定湿度環境下にて行い、さらに、外からの湿度侵入を防ぐシール剤、シール方法を施すことが肝要である。
本発明の対象とする情報表示用パネルの基板と基板との間隔は、表示媒体が駆動できて、表示コントラストを維持できれぱよいが、通常2〜500μm、好ましくは5〜200μmに、表示媒体とする粒子群を構成する粒子の大きさや充填量に合わせて調整される。
表示媒体とする粒子群に帯電性粒子を用いる場合は、基板と基板との間隔は10〜100μm、好ましくは10〜50μmの範囲で調整される。さらに、基板間の気体中空間における表示媒体の体積占有率は5〜70%が好ましく、さらに好ましくは5〜60%である。70%を超える糧合には嚢示媒体としての粒子の移動に支障をきたし、5%未演の場合にはコントラストが不明確となり易い。
以下で更に、本発明の製造方法の対象となる情報表示用パネルを構成する各部材の材料等について説明する。
基板間ギャップ確保用隔壁部分4−1およびセル形成用隔壁部分4−2で形成する隔壁4の形成は、ドライフィルムレジストやレジスト材を用いたフォトリソ法が好適に用いられる。一例として、アルフォNIT2(ニチゴーモートン社製)やPDF300(新日鐵化学社製)をドライフィルムレジストとして使用することができる。
そして、基板間空間をセルに仕切るための隔壁(セル形成用隔壁4−2)の配置は格子状、ハニカム状、網目状などにすることができる。セルの横断面形状は、四角形、三角形、六角形、階段型八角形、階段型六角形等の多角形や、円形、楕円形、レーストラック形等いずれでも良いし、複数の形状を組み合わせてもよい。情報表示画面領域において表示領域を大きくできる点からは四角形、階段型八角形や六角形が好ましく、表示媒体を構成する粒子を移動しやすくできる点からは曲線を有する形状が好ましい。前記二つの点から角丸付きの四角形や角丸付きの六角形、角丸付きの階段型八角形が好ましく用いられる。
表示媒体を電気的に駆動させるための電極をパネル基板に設ける場合に、対向して配置する電極を構成する導電膜材料に関して、観察側基板の情報表示領域に導電膜は透明とする必要があり、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、アンチモン錫酸化物(ATO)、導電性酸化錫、導電性酸化亜鉛等の透明導電金属酸化物類、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン等の透明導電性高分子類が用いられる。
背面側基板や、観察側基板の情報表示画面領域外に設ける導電膜としては、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、アンチモン錫酸化物(ATO)、導電性酸化錫、導電性酸化亜鉛等の導電金属酸化物類、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性高分子類や、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、クロム等の金属や、これらの金属を主成分とする合金が挙げられる。背面側基板や、観察側基板の情報表示画面領域外に設ける導電膜は透明であってもよいし、透明でなくてもよい。
導電膜で構成する電極の形成方法としては、上記例示の材料をスパッタリング法、真空蒸着法、CVD(化学蒸着)法、塗布法等で薄膜状に形成する方法や金属箔(例えば圧延銅箔)をラミネートする方法、導電剤を溶媒や合成樹脂バインダーに混合して塗布したりする方法が用いられる。パターン形成可能で導電性である上記材料を好適に用いることもできる。なお、観察側基板の情報表示画面領域に設ける導電膜の厚さは、導電性が確保でき光透過性に支障がなければよく、0.01〜10μmが好ましく、0.05〜5μmがより好ましい。また、背面側基板や観察側基板の情報表示画面領域外に設ける導電膜の厚さは、導電性が確保できればよく、0.01〜10μmの範囲で、電気抵抗を鑑みて設計される。
透明導電性材料として好適なITOなどの金属酸化物材料は、金属材料に比べて可とう性が小さいため透明導電材中での断線防止のため、金属細線と併用することが好ましい。観察側基板の情報表示画面領域にITOなどの金属酸化物材料でライン状の導電膜を形成する場合には、特に、この金属細線との併用が断線防止の点で好ましい。この金属細線の幅は、1μm〜10μmとすれば表示視認性の妨げにならないので好ましい。背面側電極は光透過性を考慮する必要がないので電気抵抗が小さく、可とう性にも優れた前記金属材料が好適に用いられる。また、背面側電極厚みは電気抵抗および生産性、コストの観点から、0.01〜10μmに設計される。
本発明の製造方法の対象となる情報表示用パネルは、ノートパソコン、電子手帳、PDA(Personal Digital Assistants)と呼ばれる携帯型情報機器、携帯電話、ハンディターミナル等のモバイル機器の表示部、電子書籍、電子新聞等の電子ペーパー、看板、ポスター、黒板(ホワイトボード)等の掲示板、電子卓上計算機、家電製品、自動車用品等の表示部、ポイントカード、ICカード等のカード表示部、電子広告、情報ボード、電子POP(Point Of Presence, Point Of Purchase advertising)、電子値札、電子棚札、電子楽譜、RF−ID機器の表示部のほか、POS端末、カーナビゲーション装置、時計など様々な電子機器の表示部に好適に用いられるほか、外部書換え手段に接続して表示書換えを行う情報表示用パネル(リライタブルペーパー)や外部電界形成手段を用いて表示書換えを行う情報表示用パネル(リライタブルペーパー)としても好適に用いられる。
本発明の製造方法の対象となる情報表示用パネルに用いる表示媒体は、帯電性粒子を含んだ粒子群、導電性粒子を含んだ粒子群、半導体性粒子を含んだ粒子群など、電気的に駆動可能な粒子を含んだ粒子群である。本発明の製造方法の対象となる情報表示用パネルの駆動方式については、パネル自体にスイッチング素子を用いない単純マトリックス駆動方式やスタティック駆動方式、また、薄膜トランジスタ(TFT)で代表される三端子スイッチング素子あるいは薄膜ダイオード(TFD)で代表される二端子スイッチング素子を用いたアクティブマトリックス駆動方式や、外部電界形成手段を用いた駆動方式など種々のタイプの駆動方式が適用できる。
1、2 基板
3W、3B 表示媒体(粒子群)
4(4−1、4−2) 隔壁
7 セル
7HL セル開口
MS マスク
MB マスク本体
MP マスク部
MH 開口部
MF 枠体
MT 張力付与部材
PM 粒子移動部材

Claims (6)

  1. 電気的に駆動可能な粒子群として構成した表示媒体を、少なくとも一方が透明な2枚の基板を対向配置した基板間の隔壁で囲んで形成したセル内に配置し、表示媒体を電気的に駆動させて情報を表示する情報表示用パネルの製造方法であって、
    前記基板上の前記セル内に粒子を充填する際に、前記セルの開口に対応した開口部を有するマスクを前記隔壁上に接触して載置するマスク載置ステップと、
    前記マスク上に置いた粒子群を、前記マスクに押し当てた粒子移動部材で移動させて、前記マスクの開口部を介して前記基板上のセル内に充填する粒子群充填ステップとを含む、ことを特徴とする情報表示用パネルの製造方法。
  2. 前記マスクは、薄板状のマスク本体を均一に張った状態にするための枠体と、該枠体と前記マスク本体との間に介在して張力を発生させる張力付与部材とを備えて構成されていると共に、
    前記枠体が、基板上の前記セルを形成する隔壁の最外周よりも外側となるように大きくされていることで、前記マスクはマスク本体が隔壁の上面に接触配置される、ことを特徴とする請求項1に記載の情報表示用パネルの製造方法。
  3. 前記マスクの開口部を、前記基板上のセル開口と同じ大きさで、同じ形状に形成しておき、前記マスクの開口部を前記セル開口に一致させて配置する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報表示用パネルの製造方法。
  4. 前記マスクの開口部を、前記基板上のセル開口よりも小さく形成したマスクを用いる、ことを特徴とする請求項3に記載の情報表示用パネルの製造方法。
  5. 前記マスクの開口部を、円形または楕円形またはレーストラック形のいずれかの形状で前記基板上のセル開口よりも小さくして配置した、ことを特徴とする請求項4に記載の情報表示用パネルの製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載した情報表示用パネルの製造方法によって製造されたことを特徴とする情報表示用パネル。
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