JP2010265837A - ウォーターポンプ - Google Patents

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Norisuke Sogo
教介 十河
Takasuke Shikita
卓祐 敷田
Kunihiko Hayashi
邦彦 林
Toru Fujikawa
透 藤川
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Abstract

【課題】冷却水の温度の過上昇を抑制でき、小型化を図ることができるようなウォーターポンプを提供する。
【解決手段】ウォーターポンプ10は、コイル15の通電時に駆動側クラッチ部材24と従動側クラッチ部材33とを離間させることで、駆動側回転体20から従動側回転体30へ回転力を伝達しない一方、コイル15の非通電時に磁力により駆動側クラッチ部材24と従動側クラッチ部材33とを係合させることで、駆動側回転体20から従動側回転体30へ回転力を伝達するように構成されている。そして、コイル15の通電により発生する磁界によってマグネット23の磁力をキャンセル可能な磁力が、ウォーターポンプ10への冷却水流路を切り替えるサーモスタットの開弁温度T1近傍で、マグネット23の磁力と釣り合うように設定されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、駆動側回転体から従動側回転体への回転力の伝達をクラッチを介して行うウォーターポンプに関する。
水冷式エンジンには、冷却系に冷却水を循環させるためのウォーターポンプが備えられている。この種のウォーターポンプとして、駆動源であるエンジンの駆動力を受けるウォーターポンププーリを含む駆動側回転体と、ポンプ渦流室に配設されたポンプインペラを含む従動側回転体とをそれぞれ配設し、駆動側回転体から従動側回転体への回転力の伝達を、クラッチを介して行うようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。そして、クラッチの接続状態と切断状態を切り替えることで、駆動側回転体から従動側回転体への回転力の伝達/非伝達を切り替えて、ウォーターポンプの駆動状態と停止状態とを切り替えるようにしている。
クラッチの接続状態と切断状態を電気的(電磁的)に切り替える手段としては、例えば、特許文献2に記載されたようなものがある。具体的には、コイル通電時に駆動側クラッチ部材と従動側クラッチ部材とを離間させることでクラッチを切断状態とし、コイル非通電時に駆動側クラッチ部材と従動側クラッチ部材とを係合させることで、クラッチを接続状態としている。
特開平11−006433号公報 特表2008−520885号公報 特開2007−315265号公報
上述したような駆動側回転体から従動側回転体への回転力の伝達をクラッチを介して行うウォーターポンプにおいて、コイル非通電時に駆動側クラッチ部材と従動側クラッチ部材とを係合させる手段としては、例えば、永久磁石の磁力が用いられる。この場合、コイルの通電時、コイルの周囲に発生する磁界により永久磁石の磁力を打ち消すような磁力を発生させて、クラッチを切断状態とするようにしている。
ところで、永久磁石の磁力、および、コイルの通電により発生する磁界によって永久磁石の磁力をキャンセル可能な磁力(コイルの磁力)は、周囲の温度(冷却水の温度)に応じて変化する(例えば、図3参照)。そして、永久磁石の磁力とコイルの磁力とが、所定の温度で釣り合うことになる。
しかし、上述の釣り合いの温度が、ウォーターポンプへの冷却水流路を切り替えるサーモスタットの開弁温度(例えば、90℃付近)に比べて高すぎると(例えば、120℃付近)、次のような点が懸念される。冷却水の温度がサーモスタットの開弁温度近傍であるときに(例えば、80〜100℃)、コイルに通電すると、直ちにクラッチが切断状態となって、ウォーターポンプが停止状態になる。したがって、コイルの通電にともない、冷却水の温度が過上昇し、オーバーヒートが発生する危険性がある。また、コイルのサイズが大きくなり、コストアップや搭載性の悪化を招く可能性がある。
本発明は、そのような問題点を鑑みてなされたものであり、冷却水の温度の過上昇を抑制でき、小型化を図ることができるようなウォーターポンプを提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題を解決するための手段を以下のように構成している。すなわち、本発明は、ウォーターポンプであって、駆動源からの駆動力が伝達されて回転する駆動側回転体と、この駆動側回転体に設けられる駆動側クラッチ部材と、ポンプ渦流室に配設されたポンプインペラを有する従動側回転体と、この従動側回転体に設けられる従動側クラッチ部材とを備え、コイル通電時に駆動側クラッチ部材と従動側クラッチ部材とを離間させることで、駆動側回転体から従動側回転体へ回転力を伝達しない一方、コイル非通電時に永久磁石の磁力により駆動側クラッチ部材と従動側クラッチ部材とを係合させることで、駆動側回転体から従動側回転体へ回転力を伝達するように構成されている。そして、上記コイルの通電により発生する磁界によって上記永久磁石の磁力をキャンセル可能な磁力(コイルの磁力)が、当該ウォーターポンプへの冷却水流路を切り替えるサーモスタットの開弁温度近傍で、上記永久磁石の磁力と釣り合うように設定されていることを特徴としている。具体的には、コイルおよび永久磁石の諸元(コイルの巻数、永久磁石のサイズなど)を調整することによって、コイルの磁力と永久磁石の磁力とを釣り合わせることが可能である。
上記構成によれば、コイルの通電時に永久磁石の磁力とコイルの磁力とが釣り合う温度が、サーモスタットの開弁温度近傍に設定されるので、冷却水の温度がその設定温度(釣り合いの温度)以上になると、コイルに通電しても、ウォーターポンプが停止することはない。つまり、冷却水の温度が設定温度以上になると、ウォーターポンプが強制的に駆動されるので、冷却水の温度の過上昇を抑制することができ、オーバーヒートの発生を回避できる。しかも、コイルの磁力と永久磁石の磁力とがサーモスタットの開弁温度よりも高い温度で釣り合う場合に比べて、コイルの巻数が少なく抑えられるので、コイルのサイズを小型化することができ、コストダウンおよび搭載性の向上を図ることができる。
本発明において、上記駆動側クラッチ部材および従動側クラッチ部材の一方には、テーパ状の係合面を有する凸部が設けられ、上記駆動側クラッチ部材および従動側クラッチ部材の他方には、テーパ状の係合面を有する凹部が設けられ、上記凹部は、コイル非通電時に上記凸部を挟持するように分割されて構成されていることが好ましい。
ここでは、駆動側クラッチ部材および従動側クラッチ部材の具体的な構成を特定している。この構成によれば、駆動側クラッチ部材および従動側クラッチ部材が平面同士で接触する構成と比べて、接触面積が拡大され、摩擦力(係合力)が増大される。これにより、駆動側回転体から従動側回転体への回転力の伝達性能を向上させることができる。
本発明によれば、冷却水の温度が、ウォーターポンプへの冷却水流路を切り替えるサーモスタットの開弁温度以上になると、ウォーターポンプが強制的に駆動されるので、冷却水の温度の過上昇を抑制することができ、オーバーヒートの発生を回避できる。しかも、コイルの巻数が少なく抑えられるので、コイルのサイズを小型化することができ、コストダウンおよび搭載性の向上を図ることができる。
実施形態に係るウォーターポンプを示す断面図であって、ウォーターポンプの停止状態を示す図である。 実施形態に係るウォーターポンプを示す断面図であって、ウォーターポンプの駆動状態を示す図である。 永久磁石の磁力およびコイルの磁力の温度変化を示す図である。
本発明を具体化した実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
この実施形態では、自動車用エンジンに搭載され、エンジンからの駆動力を受けることで作動する車両用ウォーターポンプに本発明を適用した例について説明する。
まず、ウォーターポンプ10の全体的な構成について、図1を参照して説明する。なお、ウォーターポンプ10は、回転中心C1に対して略対称な構成となっているため、図1では、ウォーターポンプ10の上半分の構成だけを示している。
ウォーターポンプ10は、例えば、エンジン前面(縦置きエンジンの場合には車両前方側の面、横置きエンジンの場合には車両側方側の面)に配設される。なお、エンジンの冷却水循環経路において、ウォーターポンプ10の上流側には、ラジエータが設けられており、ラジエータとウォーターポンプ10との間には、サーモスタットが設けられている。
サーモスタットは、冷却水循環経路の水路を切り替えることによって冷却水の温度を調整するものであって、例えば、内部に封入されたワックスの熱膨張を利用し、内装されたバルブが冷却水温度に応じて開閉される機構を備えている。サーモスタットのバルブの開弁温度T1は、冷却水の許容上限温度(例えば、120℃)よりも低い温度に設定され、例えば、90℃に設定される。
そして、エンジンの冷間時(冷却水の温度が開弁温度T1未満の場合)、サーモスタットのバルブが閉鎖して、冷却水がラジエータからウォーターポンプ10に供給される水路を遮断し、ラジエータに冷却水を流さないことでエンジンの暖機運転の早期完了を図るようになっている。一方、エンジンの暖機完了後(冷却水の温度が開弁温度T1以上の場合)、サーモスタットのバルブが開放して、冷却水がラジエータからウォーターポンプ10に供給される水路を開放し、ラジエータに冷却水の一部を流すことでその冷却水が回収した熱をラジエータによって大気に放出するようにしている。
図1に示すように、ウォーターポンプ10は、ウォーターポンプハウジング11が、エンジン前面側に設けられたタイミングチェーンケース(ケース部材)12にボルト13によって一体的に取り付けられている。このウォーターポンプハウジング11には、コイル15がブラケット16を介して取り付けられている。コイル15は、図示しない配線を通じて通電を行うことにより、その周囲に磁界を発生する。そして、コイル15の周囲に発生した磁界によって、後述するマグネット23の磁力をキャンセルし得る磁力が発生する。
ウォーターポンプ10は、ウォーターポンププーリ21が設けられた駆動側回転体20と、ポンプインペラ(ロータ)31が設けられた従動側回転体30とを備えており、駆動側回転体20から従動側回転体30への回転力(トルク)の伝達がクラッチ機構部CL1を介して行われるように構成されている。駆動側回転体20および従動側回転体30は、それぞれウォーターポンプハウジング11に回転自在に支持されている。
駆動側回転体20は、ウォーターポンププーリ21と、駆動側ケーシング22と、マグネット23と、駆動側クラッチ部材24を備えており、これらが水平軸まわりに一体的に回転するように構成されている。駆動側回転体20は、その水平軸まわりに略回転対称な形状になっている。
ウォーターポンププーリ21のベルト巻き掛け部21aの外周面には、補機ベルト14が巻き掛けられている。補機ベルト14は、エンジンのクランクシャフトに取り付けられた図示しないクランクプーリの他、種々の補機類に備えられたプーリに掛け渡されている。このため、エンジンの駆動時には、エンジンのクランクシャフトの回転駆動力が、補機ベルト14を介して、各補機類に伝達されるとともに、ウォーターポンププーリ21にも伝達され、このウォーターポンププーリ21が水平軸まわりに回転するようになっている。
駆動側ケーシング22は、断面視で略「H」字状に形成されている。具体的には、駆動側ケーシング22は、軸方向(回転軸方向)に延びる略円筒状の内側筒部22aおよび外側筒部22bと、径方向に延び、内側筒部22aおよび外側筒部22bと接続するリング状の径方向部22cとが一体的に設けられている。内側筒部22aと外側筒部22bとは、所定の間隔をあけて配置されており、内側筒部22aと外側筒部22bとの間に径方向部22cが配置されている。
内側筒部22aは、ボールベアリング25を介して、ウォーターポンプハウジング11に回転自在に支持されている。外側筒部22bは、ウォーターポンププーリ21と一体的に設けられている。また、径方向部22cの内部には、リング状のマグネット(永久磁石)23が埋め込まれている。マグネット23としては、ネオジム磁石(Nd−Fe−B系磁石)が用いられる。
駆動側ケーシング22には、駆動側クラッチ部材24が保持されている。より詳細には、内側筒部22aと外側筒部22bと径方向部22cとによって囲まれた空間26内に、駆動側クラッチ部材24が、従動側クラッチ部材33との間で動力伝達可能な状態で収容されている。駆動側クラッチ部材24は、周方向に等間隔で複数(例えば8つ)設けられている。
駆動側クラッチ部材24は、径方向に2分割されたクラッチ板24a,24bがバネ24cにより連結された構成となっている。2つのクラッチ板24a,24bは、ともに、断面視で先端側(図1では左端側)が3角形に形成されている。そして、2つのクラッチ板24a,24bの先端側の互いに向き合う面24e,24fにより3角形の谷部(凹部)24dを形成するように、2つのクラッチ板24a,24bが配置されている。この谷部24dを形成する面24e,24fが、従動側クラッチ部材33と係合する係合面となっており、駆動側回転体20から従動側回転体30へ回転力を伝達する伝達面となっている。谷部24dの係合面24e,24fには、摩擦係数を高くする表面加工が施されている。
バネ24cの付勢力は、2つのクラッチ板24a,24bを互いに近付ける方向に作用している。クラッチ機構部CL1の切断状態では、バネ24cの付勢力によって2つのクラッチ板24a,24bが接しており、2つのクラッチ板24a,24bの係合面24e,24fにより形成される谷部24dの角度がαとなっている。
2つのクラッチ板24a,24bは、上記空間26内において、径方向に移動可能に設けられており、また、先端側が後端側(図1では右端側)よりも僅かだけ大きく開くように傾動可能に設けられている(図2参照)。そして、図2に示すように、クラッチ機構部CL1の接続状態では、クラッチ板24aが径方向外側に移動して外側筒部22bに接するとともに、クラッチ板24bが径方向内側に移動して内側筒部22aに接するようになっている。
駆動側ケーシング22の、内側筒部22aと外側筒部22bと径方向部22cとによって囲まれたもう一方の空間27内には、コイル15を支持するブラケット16が収容されている。つまり、マグネット23を挟んだ軸方向の両側の空間26,27に駆動側クラッチ部材24とコイル15とがそれぞれ配置されている。なお、駆動側ケーシング22は、ブラケット16とは非接触となっている。
従動側回転体30は、ポンプインペラ31と、軸部材32と、従動側クラッチ部材33と、支持板34とを備えており、これらが水平軸まわりに一体的に回転するように構成されている。従動側回転体30は、その水平軸まわりに略回転対称な形状になっている。
ポンプインペラ31は、タイミングチェーンケース12の表面に設けられた凹陥部12aにより形成されるポンプ渦流室12bに配設されている。このポンプインペラ31の回転により、ポンプ渦流室12b内の冷却水がエンジンの冷却水通路に送り出され、これにより冷却水の循環動作が行われるようになっている。
ポンプインペラ31は、軸部材32の一方の端部32aに一体的に取り付けられている。軸部材32は、ボールベアリング35を介して、ウォーターポンプハウジング11に回転自在に支持されている。また、ポンプインペラ31とボールベアリング35との間の領域であって、軸部材32の外周囲には、環状のメカニカルシール36が配設されており、このメカニカルシール36により軸部材32の外周囲からの冷却水の漏れを防止している。
軸部材32の他方の端部32bの外周囲には、フランジ部34aが設けられており、このフランジ部34aには、従動側クラッチ部材33を支持する支持板34が取り付けられている。支持板34は、皿バネとして構成されており、ウォーターポンプ10の軸方向への変位が可能となっている(図2参照)。
支持板34の外端部には、リング状の従動側クラッチ部材33が取り付けられている。従動側クラッチ部材33は、マグネット(永久磁石)により構成されており、上述したマグネット23との間に引力が作用するように配置されている。そして、マグネット23および従動側クラッチ部材33の磁力は、両者23,33間に作用する引力により支持板34のバネ力に抗して従動側クラッチ部材33を駆動側クラッチ部材24に係合させることが可能な値に設定されている。従動側クラッチ部材33を構成するマグネットとしては、ネオジム磁石が用いられる。
従動側クラッチ部材33は、断面視で先端側(図1では右端側)が3角形に形成されている。そして、従動側クラッチ部材33の先端側の山部(凸部)33aの角度がβに設定されている。この山部33aを形成する面33b、33cが、駆動側クラッチ部材24と係合する係合面となっており、駆動側回転体20から従動側回転体30へ回転力を伝達する伝達面となっている。山部33aの係合面33b,33cには、摩擦係数を高くする表面加工が施されている。
上述のように構成されたウォーターポンプ10において、クラッチ機構部CL1を介して駆動側回転体20から従動側回転体30への回転力の伝達が行われるようになっている。この実施形態では、クラッチ機構部CL1は、上記コイル15、マグネット23、駆動側クラッチ部材24、従動側クラッチ部材33等によって構成されている。
クラッチ機構部CL1が、図1に示す非伝達状態(切断状態)に切り替わると、駆動側回転体20から従動側回転体30への回転力の伝達が行われず、ウォーターポンプ10が停止状態に切り替わる。一方、クラッチ機構部CL1が、図2に示す伝達状態(接続状態)に切り替わると、駆動側回転体20から従動側回転体30への回転力の伝達が行われ、ウォーターポンプ10が駆動状態に切り替わる。
ここで、図2に示すように、駆動側クラッチ部材24の谷部24dが、コイル15の非通電時に従動側クラッチ部材33の山部33aを挟持するように分割されて構成されている。この場合、バネ24cの付勢力により、山部33aの係合面33b,33cが、谷部24dの係合面24e,24fで挟持されるようになっている。このため、駆動側クラッチ部材24および従動側クラッチ部材33が平面同士で接触する構成と比べて、接触面積が拡大され、摩擦力(係合力)が増大される。これにより、駆動側回転体20から従動側回転体30への回転力の伝達性能を向上させることができる。
また、従動側クラッチ部材33の山部33aの角度βが、駆動側クラッチ部材24の谷部24dの角度αよりも大きく設定されているので(β>α)、谷部24dの係合面24e,24fと、山部33aの係合面33b、33cとが係合する際、楔効果により山部33aが谷部24dにくい込むことで、摩擦力(係合力)がさらに増大される。これにより、駆動側回転体20から従動側回転体30へ回転力を効率的に伝達できるようになる。
この実施形態では、コイル15の通電により発生する磁界によってマグネット23の磁力をキャンセル可能なコイル15の磁力(単に、「コイルの磁力」とも言う)が、ウォーターポンプ10への冷却水流路を切り替えるサーモスタットの開弁温度T1で、マグネット23の磁力と釣り合うように設定されている。以下、この点について詳しく説明する。
図3に示すように、ウォーターポンプ10のコイル15の磁力は、実線L1で示すように変化する。冷却水の高温域(90〜120℃)では、冷却水の温度が高くなるほど、コイル15の磁力が小さくなる。ウォーターポンプ10のマグネット23の磁力は、実線L2で示すように変化する。冷却水の高温域では、冷却水の温度が高くなるほど、マグネット23の磁力が小さくなる。マグネット23の磁力の温度変化(実線L2の傾き)は、コイル15の磁力の温度変化(実線L1の傾き)に比べて緩やかになっている。
そして、図3に示すように、サーモスタットの開弁温度T1において、コイル15の磁力と、マグネット23の磁力とが等しくなっている。言い換えれば、サーモスタットの開弁温度T1で、コイル15の磁力とマグネット23の磁力とが釣り合うように、コイル15およびマグネット23の諸元(コイル15の巻数、マグネット23のサイズなど)が設定されている。なお、コイル15の磁力は、その巻数が大きいほど大きくなり、マグネット23の磁力は、そのサイズが大きいほど大きくなる。
次に、ウォーターポンプ10の動作について説明する。
まず、コイル15の通電時、コイル15の周囲には磁界が発生し、この磁界により、マグネット23の磁力を打ち消す(もしくは弱める)ような磁力(コイル15の磁力)が発生する。この際、冷却水の温度がサーモスタットの開弁温度T1未満である場合、図3に示すように、コイル15の磁力はマグネット23の磁力よりも大きくなるので、マグネット23の磁力が打ち消され、従動側クラッチ部材33がマグネット23側に引き寄せられなくなる。このため、図1に示すように、支持板34のバネ力により従動側クラッチ部材33が駆動側クラッチ部材24から離間され、駆動側クラッチ部材24の谷部24dの係合面24e,24fと、従動側クラッチ部材33の山部33aの係合面33b、33cとが非接触状態となり、摩擦力が作用しなくなる。これにより、駆動側クラッチ部材24と従動側クラッチ部材33との係合が解除される。つまり、クラッチ機構部CL1が切断状態(解放状態)となる。したがって、ウォーターポンププーリ21が回転しても、駆動側回転体20が空転し、その回転力が従動側回転体30へ伝達されなくなり、ウォーターポンプ10が停止状態になる。
一方、冷却水の温度がサーモスタットの開弁温度T1以上である場合、図3に示すように、コイル15の磁力はマグネット23の磁力以下になるので、マグネット23の磁力は打ち消されず、従動側クラッチ部材33が支持板34のバネ力に抗してマグネット23側に引き寄せられる。このため、図2に示すように、駆動側クラッチ部材24の谷部24dの係合面24e,24fと、従動側クラッチ部材33の山部33aの係合面33b、33cとが接触状態となり、摩擦力が作用するようになる。これにより、駆動側クラッチ部材24と従動側クラッチ部材33とが係合する。つまり、クラッチ機構部CL1が接続状態(係合状態)となる。そして、ウォーターポンププーリ21が回転すると、駆動側回転体20の回転力がクラッチ機構部CL1を介して従動側回転体30へ伝達されるようになり、ウォーターポンプ10が駆動状態になる。
これに対し、コイル15の非通電時、コイル15の周囲には磁界は発生しないので、マグネット23の磁力を打ち消す(もしくは弱める)ようなコイル15の磁力は発生しない。このため、図2に示すように、従動側クラッチ部材33が支持板34のバネ力に抗してマグネット23側に引き寄せられる。そして、駆動側クラッチ部材24の谷部24dの係合面24e,24fと、従動側クラッチ部材33の山部33aの係合面33b、33cとが接触状態となり、摩擦力が作用するようになる。これにより、駆動側クラッチ部材24と従動側クラッチ部材33とが係合する。つまり、クラッチ機構部CL1が接続状態(係合状態)となる。そして、ウォーターポンププーリ21が回転すると、駆動側回転体20の回転力がクラッチ機構部CL1を介して従動側回転体30へ伝達されるようになり、ウォーターポンプ10が駆動状態になる。
この実施形態によれば、コイル15の通電時にマグネット23の磁力とコイル15の磁力とが釣り合う温度がサーモスタットの開弁温度T1に設定され、冷却水の温度がその設定温度(釣り合いの温度)以上になると、コイル15の磁力がマグネット23の磁力以下になるので、コイル15に通電しても、ウォーターポンプ10が停止することはない。つまり、冷却水の温度が上記設定温度以上になると、ウォーターポンプ10が強制的に駆動されるので、冷却水の温度の過上昇を抑制することができ、オーバーヒートの発生を回避できる。しかも、コイル15の磁力とマグネット23の磁力とがサーモスタットの開弁温度T1よりも高い温度(例えば120℃)で釣り合う場合に比べて、コイル15の巻数が少なく抑えられるので、コイル15のサイズを小型化することができ、コストダウンおよび搭載性の向上を図ることができる。なお、異常発生時に冷却水の温度が上昇したとしても、冷却水の温度が上記設定温度以上になると、ウォーターポンプ10が強制的に駆動されるので、フェールセーフの観点からも有利になる。
−他の実施形態−
上記実施形態では、コイル15の通電時、サーモスタットの開弁温度T1(90℃)で、マグネット23の磁力とコイル15の磁力とが釣り合うこととしたが、サーモスタットの開弁温度T1の近傍の温度、例えば、80〜100℃で釣り合うようにしてもよい。なお、サーモスタットの開弁温度として挙げた90℃は一例であって、それ以外の温度を採用してもよい。
上記実施形態では、駆動側クラッチ部材24に谷部(凹部)24dが設けられ、従動側クラッチ部材33に山部(凸部)33aが設けられている例を挙げたが、これとは逆に、駆動側クラッチ部材24に山部(凸部)を設け、従動側クラッチ部材33に谷部(凹部)を設ける構成としてもよい。
上記実施形態では、駆動側クラッチ部材24の谷部24dおよび従動側クラッチ部材33の山部33aの断面形状が3角形である例を挙げたが、これらの断面形状は、テーパ状の係合面を有する凹部および凸部であれば、3角形以外の形状であってもよい。
上記実施形態では、従動側クラッチ部材33そのものがマグネットとなっている例を挙げたが、別体のマグネットを従動側クラッチ部材33と一体的に設ける構成としてもよい。
永久磁石(マグネット23および従動側クラッチ部材33)として挙げたネオジム磁石は一例であって、フェライト磁石、アルニコ磁石(Al−Ni−Co系磁石)、サマコバ磁石(Sm−Co系磁石)などを用いてもよい。
上記実施形態では、自動車用エンジンに搭載され、エンジンからの駆動力を受けることで作動する車両用ウォーターポンプに本発明を適用した場合について説明した。本発明はこれに限らず、自動車用以外の用途に使用されるウォーターポンプに対しても適用することができる。また、ウォーターポンプの駆動源としてもエンジン(内燃機関)に限定されるものではなく、電動機(電動モータ)から駆動力を受けるものであってもよい。
本発明は、駆動側回転体から従動側回転体への回転力の伝達をクラッチを介して行うウォーターポンプに利用できる。
10 ウォーターポンプ
12b ポンプ渦流室
15 コイル
20 駆動側回転体
23 マグネット
24 駆動側クラッチ部材
30 従動側回転体
31 ポンプインペラ
33 従動側クラッチ部材
CL1 クラッチ機構部
T1 サーモスタットの開弁温度

Claims (2)

  1. 駆動源からの駆動力が伝達されて回転する駆動側回転体と、この駆動側回転体に設けられる駆動側クラッチ部材と、ポンプ渦流室に配設されたポンプインペラを有する従動側回転体と、この従動側回転体に設けられる従動側クラッチ部材とを備え、
    コイル通電時に駆動側クラッチ部材と従動側クラッチ部材とを離間させることで、駆動側回転体から従動側回転体へ回転力を伝達しない一方、
    コイル非通電時に永久磁石の磁力により駆動側クラッチ部材と従動側クラッチ部材とを係合させることで、駆動側回転体から従動側回転体へ回転力を伝達するように構成されたウォーターポンプにおいて、
    上記コイルの通電により発生する磁界によって上記永久磁石の磁力をキャンセル可能な磁力が、当該ウォーターポンプへの冷却水流路を切り替えるサーモスタットの開弁温度近傍で、上記永久磁石の磁力と釣り合うように設定されていることを特徴とするウォーターポンプ。
  2. 請求項1に記載のウォーターポンプにおいて、
    上記駆動側クラッチ部材および従動側クラッチ部材の一方には、テーパ状の係合面を有する凸部が設けられ、
    上記駆動側クラッチ部材および従動側クラッチ部材の他方には、テーパ状の係合面を有する凹部が設けられ、上記凹部は、コイル非通電時に上記凸部を挟持するように分割されて構成されていることを特徴とするウォーターポンプ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101348859B1 (ko) * 2011-05-31 2014-01-07 한라비스테온공조 주식회사 워터펌프용 전자 클러치 및 그의 동작 제어방법
JP2014075894A (ja) * 2012-10-03 2014-04-24 Nsk Ltd 負作動型電磁ブレーキ装置とその制御方法及び制御装置、駆動装置
CN104895799A (zh) * 2015-06-18 2015-09-09 昆山隆中麦士格瑞汽车部件有限公司 一种可变流量电磁离合器冷却水泵

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