JP2010264680A - 樹脂含浸装置及び高圧ガスタンク製造装置 - Google Patents

樹脂含浸装置及び高圧ガスタンク製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】繊維束を構成する単繊維の損傷を抑制しつつ、単繊維への樹脂の含浸率を向上させる。
【解決手段】複数の繊維からなる繊維束に樹脂を含浸させる樹脂含浸装置は、繊維束を拡げる拡幅ローラーと、拡幅ローラーの内部に樹脂を供給する樹脂供給部と、を備え、拡幅ローラーは、繊維束と接触する外部表面と、拡幅ローラーの内部に供給された樹脂を外部表面に供給する連通孔と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、繊維束に樹脂を含浸させる技術に関する。
非常に細かな単繊維からなる繊維束を、製品形状を形作るライナーに巻き付けて様々な製品が製造されている。例えば、繊維径が1〜5μm程度の単繊維(フィラメント)を数万本束ねたカーボン繊維を、樹脂製のライナーに巻きつけて高圧ガスタンクが製造されている。一般に、このような繊維束として、製品強度を高めることを目的として予めエポキシ樹脂等の樹脂が含浸された繊維束(トウプリプレグとも呼ぶ)が用いられる。このような樹脂を含んだ繊維束の製造方法として、樹脂槽内にニップルローラーを配置し、このニップルローラーを用いて繊維束を挟みこんで拡幅させつつ、樹脂を含浸させる方法が提案されている(特許文献1)。繊維束を拡幅させるのは、各単繊維への樹脂の含浸率の向上、及び巻き付け時の繊維滑りの抑制を目的とする。
特開2008−290309号公報
上述したニップルローラーで繊維束を挟み込んで拡幅しつつ樹脂を含浸させる技術では、ニップルローラーにおける加圧により、各単繊維を損傷させるおそれがあった。
本発明は、繊維束を構成する単繊維の損傷を抑制しつつ、単繊維への樹脂の含浸率を向上させることを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]複数の繊維からなる繊維束に樹脂を含浸させる樹脂含浸装置であって、前記繊維束を拡げる拡幅ローラーと、前記拡幅ローラーの内部に樹脂を供給する樹脂供給部と、を備え、前記拡幅ローラーは、前記繊維束と接触する外部表面と、前記拡幅ローラーの内部に供給された樹脂を前記外部表面に供給する連通孔と、を有する、樹脂含浸装置。
適用例1の樹脂含浸装置では、拡幅ローラーは、拡幅ローラーの内部に供給された樹脂を外部表面に供給する連通孔を備えているので、樹脂供給部から供給された樹脂を外部表面において繊維束に含浸させることができる。したがって、拡幅ローラーにおいて繊維束を拡幅させつつ樹脂を含浸させることができるので、各繊維への樹脂の含浸率を向上させることができる。また、ニップルローラーを用いずに繊維束を拡げるので、各繊維の損傷を抑制することができる。
[適用例2]適用例1に記載の樹脂含浸装置において、さらに、前記拡幅ローラーを加熱する加熱部を備える、樹脂含浸装置。
このような構成により、拡幅ローラーの内部から外部表面に供給する樹脂の粘度を低下させることができる。したがって、繊維への樹脂の含浸率を向上させることができる。
[適用例3]適用例1または適用例2に記載の樹脂含浸装置において、前記拡幅ローラーは、ポーラス金属により形成されている、樹脂含浸装置。
このような構成により、連通孔として、多数の微小な孔を拡幅ローラーに設けることができる。
[適用例4]適用例1ないし適用例3のいずれかに記載の樹脂含浸装置において、複数の前記拡幅ローラーを備え、前記複数の拡幅ローラーは、互いに前記繊維束の異なる部分が前記外部表面に接するように配置されている、樹脂含浸装置。
このような構成により、繊維束における互いに異なる複数の部分から樹脂を含浸させることができるので、樹脂を含まない繊維の数を抑制でき、樹脂の含浸率を高めることができる。
[適用例5]適用例1ないし適用例4のいずれかに記載の樹脂含浸装置を備える、高圧ガスタンク製造装置。
このような構成により、各繊維への樹脂の含浸率が高く、樹脂が均一に含浸された繊維束を用いて高圧ガスタンクを製造することができるので、高圧ガスタンクの表面における強度の偏りを抑制でき、高圧ガスタンク全体としての強度を向上させることができる。
本発明の一実施例としての樹脂含浸装置を適用したトウプリプレグ製造装置の概略構成を示す説明図である。 図1に示す拡幅ローラー10bの拡大図である。 図2におけるA−A断面を模式的に示す説明図である。 図2におけるB−B断面を模式的に示す説明図である。 第2の実施例の高圧ガスタンク製造装置の構成を示す説明図である。
A.第1の実施例:
図1は、本発明の一実施例としての樹脂含浸装置を適用したトウプリプレグ製造装置の概略構成を示す説明図である。トウプリプレグ製造装置500は、トウプリプレグ(予め樹脂が含浸された繊維束)を製造する。製造されたトウプリプレグは、フィラメントワインディング(FW)法による高圧ガスタンク等の製造において用いられる。
トウプリプレグ製造装置500は、2つの繊維ボビンB1,B10と、クリール装置C1と、6つのガイドローラーr1〜r6と、樹脂含浸部100と、5つの繊維引取りローラーR1〜R5と、ワインダーW1とを備えている。
繊維ボビンB1には、樹脂が含浸される前のカーボン繊維束f1が予め巻きつけられている。カーボン繊維束f1は、図1に示すように、繊維径が1μm程度の単繊維cfを多数(例えば、2万本)束ねて構成されている。このようなカーボン繊維束f1としては、例えば、レーヨン系カーボン繊維や、ポリアクリロニトリル(PAN)系カーボン繊維や、ピッチ系カーボン繊維を用いることができる。なお、カーボン繊維束f1の断面は略円状である。
クリール装置C1は、装着された繊維ボビンB1を回転させ、カーボン繊維束f1を繰り出す。クリール装置C1は、後述のワインダーW1と連動しており、ワインダーW1により巻き取ったカーボン繊維束f11(樹脂が含浸された後のカーボン繊維束)の量に応じてカーボン繊維束f1を繊維ボビンB1から繰り出す。
6つのガイドローラーr1〜r6は、それぞれ回転自在に配置されており、繊維ボビンB1から繰り出されたカーボン繊維束f1や、カーボン繊維束f11を搬送する。このとき、6つのガイドローラーr1〜r6は、それぞれカーボン繊維束f1,f11に所定の張力を加える。このようなガイドローラーr1〜r6としては、例えば、樹脂や金属により円筒状に形成された部材を採用することができる。
樹脂含浸部100は、カーボン繊維束f1に樹脂を含浸させるために用いられる。樹脂含浸部100は、2つの拡幅ローラー10a,10bと、2つの配管11a,11bと、樹脂供給装置12とを備えている。2つの拡幅ローラー10a,10bは、2つのガイドローラーr2,r3を挟んでカーボン繊維束f1の搬送路上に配置されている。拡幅ローラー10aを挟んで配置された2つのガイドローラーr1,r2は、カーボン繊維束f1を拡幅ローラー10aに押し付けるように働く。同様に、拡幅ローラー10bを挟んで配置された2つのガイドローラーr3,r4は、カーボン繊維束f1を拡幅ローラー10bに押し付けるように働く。配管11aは、拡幅ローラー10aと樹脂供給装置12とを接続する。同様に、配管11bは、拡幅ローラー10bと樹脂供給装置12とを接続する。樹脂供給装置12は、2つの配管11a,11bを介して、2つの拡幅ローラー10a,10bに樹脂を供給する。樹脂としては、例えば、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂を採用することができる。このとき、樹脂供給装置12は、樹脂を温めて粘度を低下させる。
図2は、図1に示す拡幅ローラー10bの拡大図である。拡幅ローラー10bは、押し付けられたカーボン繊維束f1の幅(搬送方向と垂直となる方向の長さ)を拡げると共に、カーボン繊維束f1に樹脂を含浸させる。拡幅ローラー10bは、内部が中空であり、円筒形の外観形状を有している。拡幅ローラー10bは、外殻部22と、蓋部21とを備える。外殻部22は、カーボン繊維束f1の搬送方向に回転自在に構成されている。外殻部22は、ポーラス金属(多孔質化された金属)で形成されており、微小な孔23が多数設けられている。各孔23の孔径としては、例えば、1mm程度とすることができる。蓋部21は、外殻部22の一方の端面に配置されている。蓋部21は、配管11bと接続され、配管11bを介して供給される樹脂を、外殻部22の内部空間AR1(後述)に送る。
拡幅ローラー10aの構成は、拡幅ローラー10bの構成と同じである。但し、拡幅ローラー10a及び拡幅ローラー10bは、互いにカーボン繊維束f1の異なる部分に接触する。具体的には、拡幅ローラー10aは、カーボン繊維束f1の表面のうち上半分の表面S2と接する。一方、拡幅ローラー10bは、カーボン繊維束f1の表面のうち下半分の表面S1と接する。樹脂含浸部100では、拡幅ローラー10aにおいてカーボン繊維束f1の下半分の表面S2から樹脂を含浸させ、拡幅ローラー10bにおいてカーボン繊維束f1の上半分の表面S1から樹脂を含浸させることにより、カーボン繊維束f1全体に樹脂を含浸させるように構成されている。
図1に示す5つのローラーR1〜R5は、ガイドローラーr4を介して搬送される樹脂が含浸された後のカーボン繊維束f11に対し、所定の張力を加えて送出する。ワインダーW1は、装着された繊維ボビンB10に、ガイドローラーr6を介して搬送されるカーボン繊維束f11を巻き取る。
前述の樹脂含浸部100は、請求項における樹脂含浸装置に相当する。また、2つの拡幅ローラー10a,10bは請求項における拡幅ローラーに、孔23は請求項における連通孔に、樹脂供給装置12は請求項における樹脂供給部に、それぞれ相当する。
図3は、図2におけるA−A断面を模式的に示す説明図である。図3の例では、カーボン繊維束f1が拡幅ローラー10b(外殻部22)の外部表面に接触して押し付けられており、拡幅ローラー10bとカーボン繊維束f1とが接触する領域AR2において、カーボン繊維束f1は拡幅されている。
外殻部22に設けられた孔23は、外殻部22の厚み方向に沿って延びて形成されており、拡幅ローラー10bの内部空間AR1と外殻部22の外部表面とを連通する。内部空間AR1に供給された樹脂は、各孔23から外殻部22の外部表面に向かって流れ、外部表面に供給される。したがって、外殻部22の外部表面には、図3に示すように内部空間AR1から供給された樹脂によって薄い樹脂層25が形成されている。したがって、カーボン繊維束f1の表面S2は、領域AR2において樹脂層25に浸される。なお、樹脂供給装置12では、樹脂層25の厚みが、例えば、カーボン繊維束f1よりも小さくなるように(例えば、カーボン繊維束f1の直径の1/5程度となるように)、拡幅ローラー10bに供給する樹脂の量が設定されている。
図4は、図2におけるB−B断面を模式的に示す説明図である。図4の例では、図3の領域AR2について拡大して示している。カーボン繊維束f1は、2つのガイドローラーr3,r4(図1)からの押し付け力を受けて、外殻部22に対して垂直に押し付けられている。このため、カーボン繊維束f1を構成する単繊維cfは、外殻部22の外部表面に沿って拡がるように移動し、カーボン繊維束f1の断面形状は扁平となる。カーボン繊維束f1の表面S1側の単繊維cfについては、拡幅ローラー10aにおいて既に樹脂が含浸されている。なお、カーボン繊維束f1の表面S1側の幅は、拡幅ローラー10aから拡幅ローラー10bまでの搬送区間における自然冷却に伴う樹脂の硬化(収縮)により、表面S2側に比べて小さくなっている。
扁平となったカーボン繊維束f1では、各単繊維cf間の距離が広がり樹脂が浸透し易くなっている。したがって、図4に示すように、カーボン繊維束f1の表面S2側では、外殻部22の外側表面に接する単繊維cfのみならず、より内側の単繊維cfにまで樹脂層25の樹脂が浸透している。以上では拡幅ローラー10bにおける樹脂の含浸について説明したが、拡幅ローラー10aについても同様である。
以上説明したように、第1の実施例のトウプリプレグ製造装置500では、樹脂含浸部100において、2つの拡幅ローラー10a,10bにカーボン繊維束f1を押し当てて幅を拡げると同時に樹脂を含浸させるので、各単繊維cfへの樹脂の含浸率を向上させることができ、カーボン繊維束f1全体に均一に樹脂を含浸させることができる。また、ニップルローラーを用いずに拡幅するので、拡幅に伴うカーボン繊維束f1の損傷を抑制できる。また、2つの拡幅ローラー10a,10bは、カーボン繊維束f1の互いに対向する部分が外殻部22の外部表面と接するように構成(配置)されている。したがって、カーボン繊維束f1に対して互いに対向する2つの方向から樹脂を含浸させることができ、樹脂を含まない単繊維cfの数を抑制できる。また、樹脂供給装置12から2つの拡幅ローラー10a,10bに供給する樹脂量を調整することにより、カーボン繊維束f1への樹脂の含浸に適切な量の樹脂を供給することができ、無駄となる樹脂の量を抑制できる。
B.第2の実施例:
図5は、第2の実施例の高圧ガスタンク製造装置の構成を示す説明図である。この高圧ガスタンク製造装置600は、第1の実施例の樹脂含浸部100により樹脂を含浸させた繊維束を用いて、FW法により高圧ガスタンクを製造する。なお、第1の実施例では、1本のカーボン繊維束f1から1本のトウプリプレグを製造していたのに対し、第2の実施例では、4本のカーボン繊維束から4本のトウプリプレグを製造し、得られた4本のトウプリプレグを用いて高圧ガスタンクを製造する。
高圧ガスタンク製造装置600は、前述の樹脂含浸部100の他、4つの繊維ボビンB1〜B4と、クリール装置C10と、12個のガイドローラーr1〜r8,r1a〜r1cと、繊維繰り出し部40と、ガイドシャフト42と、繊維巻付部50とを備えている。
4つの繊維ボビンB1〜B4は、第1の実施例の繊維ボビンB1と同じ構成を有する。すなわち、繊維ボビンB1には、樹脂が含浸される前のカーボン繊維束f1が予め巻きつけられている。同様に、繊維ボビンB2には樹脂が含浸される前のカーボン繊維束f2が、繊維ボビンB3には樹脂が含浸される前のカーボン繊維束f3が、繊維ボビンB4には樹脂が含浸される前のカーボン繊維束f4が、それぞれ予め巻きつけられている。クリール装置C10は、装着された4つの繊維ボビンB1〜B4を、それぞれ回転させ4本のカーボン繊維束f1〜f4を繰り出す。12個のガイドローラーr1〜r8,r1a〜r1cは、第1の実施例の6つのガイドローラーr1〜r6と同じ構成を有する。
繊維繰り出し部40は、樹脂含浸部100から搬送された樹脂が含浸された後の4本のカーボン繊維束f11〜f14を繰り出して、後述の繊維巻付部50に配置された樹脂ライナー200に巻き付ける。繊維繰り出し部40は、ガイドシャフト42に沿って往復動作し、樹脂ライナー200の全面にカーボン繊維束f11〜f14を巻き付ける。ガイドシャフト42は、樹脂ライナー200の中心軸CXと平行に配置されている。なお、カーボン繊維束f11〜f14巻付方法として、フープ巻きやヘリカル巻きを採用することができる。
繊維巻付部50は、基台51と、一対の支持板53,54と、回転駆動部52とを備えている。一対の支持板53,54は、所定の間隔を隔てて基台51に設置されており、樹脂ライナー200を回転自在に支持する。回転駆動部52は、支持板53の外側に配置されており、樹脂ライナー200の中心軸CXを中心として樹脂ライナー200を回転させる。なお、樹脂ライナー200は、ナイロン樹脂により形成され、中空構造を有している。
以上説明した第2の実施例の高圧ガスタンク製造装置600では、樹脂含浸部100を用いて樹脂を含浸させるので、樹脂の含浸率が高く樹脂が均一に含浸されたカーボン繊維束f11〜f14を用いてFW法を実行することができる。したがって、高圧ガスタンクの表面における強度の偏りを抑制でき、高圧ガスタンク全体としての強度を向上させることができる。
C.変形例:
なお、上記各実施例における構成要素の中の、独立クレームでクレームされた要素以外の要素は、付加的な要素であり、適宜省略可能である。また、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
C1.変形例1:
各実施例では、2つの拡幅ローラー10a,10bは、樹脂供給装置12から供給される樹脂をそのまま孔23を介してカーボン繊維束f1〜f4に供給していたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、2つの拡幅ローラー10a,10bの内部に電熱線を配置し、これら拡幅ローラー10a,10bの内部において樹脂を加熱してから孔23を介してカーボン繊維束f1〜f4に供給することもできる。このような構成により、配管11a,11bを通る間に冷却されて粘度が上昇した樹脂を、2つの拡幅ローラー10a,10bにおいて加熱することにより粘度を低下させることができる。したがって、カーボン繊維束f1〜f4に含浸させる樹脂の粘度を低下させることができるので、カーボン繊維束f1〜f4における樹脂の含浸率をより向上させることができる。この構成における電熱線は、請求項における加熱部に相当する。なお、2つの拡幅ローラー10a,10bにおける加熱後の樹脂の温度としては、例えば、50℃〜100℃の範囲の温度とすることができる。樹脂に硬化剤が含まれている場合には、50℃〜100℃の範囲で軟化が起こり、100℃以上となった場合に硬化が始まるからである。なお、樹脂の加熱目標温度は、使用する樹脂の種類に応じて適切な値に設定することが好ましい。
C2.変形例2:
各実施例において、2つの拡幅ローラー10a,10bは、カーボン繊維束f1〜f4の搬送方向に回転自在に配置されていたが、回転せずに固定して配置することもできる。また、各実施例において、2つの拡幅ローラー10a,10bを振動させる構成とすることもできる。具体的には、樹脂含浸部100において、2つの拡幅ローラー10a,10bを超音波振動させるアクチュエータを設けて、かかるアクチュエータにより2つの拡幅ローラー10a,10bを振動させることもできる。アクチュエータとしては、例えば、発振器から出力される高周波信号に応じて振動する振動子と、振動子の振動を増幅させる増幅機構と、増幅後の振動を2つの拡幅ローラー10a,10bに伝達する伝達機構とを備える構成を採用することができる。このような構成により、2つの拡幅ローラー10a,10bの振動により、単繊維cf同士の張り付きや、単繊維cfの拡幅ローラー10a,10bへの張り付きを抑えることができ、カーボン繊維束f1〜f4をより大きく拡幅することができる。したがって、カーボン繊維束f1〜f4における樹脂の含浸率を向上させることができる。
C3.変形例3:
各実施例では、外殻部22は、ポーラス金属で形成されていたが、これに代えて、多数の孔を設けた薄い金属板(ステンレス等の板)や金属メッシュによって形成することもできる。多数の孔を設けた薄い金属板により外殻部22を形成する場合において、孔の断面形状として円形とすることができる。また、孔の断面形状を外殻部22の幅方向に延びた長方形とし、孔をスリット状に配置することもできる。
C4.変形例4:
各実施例では、カーボン繊維束f1〜f4に含浸させる樹脂はエポキシ樹脂であったが、エポキシ樹脂に限らず任意の樹脂を採用することができる。例えば、フェノール樹脂や、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などを用いることができる。また、カーボン繊維に代えて、ガラス繊維やアラミド繊維等任意の繊維を採用することもできる。これらの構成においても、本発明を適用することにより、樹脂の損傷を抑制しつつ樹脂の含浸率を向上させることができる。
C5.変形例5:
各実施例では、樹脂含浸部100が供える拡幅ローラーの数は2つであったが、任意の数とすることができる。また、2つの拡幅ローラー10a,10bは、カーボン繊維束f1〜f4の互いに対向する部分(表面S1及び表面S2)と接触していたが、本発明はこれに限定されるものではない。具体的には、例えば、拡幅ローラー10aはカーボン繊維束f1〜f4の側面(表面S2と直交する面)側において接触し、拡幅ローラー10bは各実施例と同様にカーボン繊維束f1〜f4の表面S2において接触する構成とすることもできる。すなわち、一般には、複数の拡幅ローラーが互いに繊維束の異なる部分が外部表面と接するように配置されている構成を、本発明の樹脂含浸装置に採用することができる。
C6.変形例6:
各実施例では、樹脂含浸部100は、トウプリプレグ製造装置500又は高圧ガスタンク製造装置600の一部の機能部として構成されていたが、これに代えて、独立した装置(樹脂含浸装置)として構成することもできる。この場合において、本発明の樹脂含浸装置を、高圧タンク製造装置に限らず、繊維を巻きつける任意の装置に適用することもできる。例えば、車両や航空機等で用いられるプロペラシャフトやドアフレーム等に繊維を巻きつける装置に適用することもできる。
10a,10b…拡幅ローラー、11a,11b…配管、12…樹脂供給装置、21…蓋部、22…外殻部、23…孔、25…樹脂層、40…繊維繰り出し部、42…ガイドシャフト、50…繊維巻付部、51…基台、52…回転駆動部、53…支持板、100…樹脂含浸部、200…樹脂ライナー、500…トウプリプレグ製造装置、600…高圧ガスタンク製造装置、cf…単繊維、B1〜B4…繊維ボビン、C1,C10…クリール装置、r1〜r8,r1a〜r1c…ガイドローラー、R1〜R5…繊維引取りローラー、W1…ワインダー、f1〜f4…カーボン繊維束、S1,S2…表面、CX…中心軸、AR1…内部空間、AR2…領域

Claims (5)

  1. 複数の繊維からなる繊維束に樹脂を含浸させる樹脂含浸装置であって、
    前記繊維束を拡げる拡幅ローラーと、
    前記拡幅ローラーの内部に樹脂を供給する樹脂供給部と、
    を備え、
    前記拡幅ローラーは、
    前記繊維束と接触する外部表面と、
    前記拡幅ローラーの内部に供給された樹脂を前記外部表面に供給する連通孔と、
    を有する、樹脂含浸装置。
  2. 請求項1に記載の樹脂含浸装置において、さらに、
    前記拡幅ローラーを加熱する加熱部を備える、樹脂含浸装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の樹脂含浸装置において、
    前記拡幅ローラーは、ポーラス金属により形成されている、樹脂含浸装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の樹脂含浸装置において、
    複数の前記拡幅ローラーを備え、
    前記複数の拡幅ローラーは、互いに前記繊維束の異なる部分が前記外部表面に接するように配置されている、樹脂含浸装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の樹脂含浸装置を備える、高圧ガスタンク製造装置。
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