JP2010264572A - 被加工物固定用クランプ部材 - Google Patents

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Abstract


【課題】被加工物のクランプ作業を遅滞させることなく、被加工物の表面に損傷が生じるのを防止する。
【解決手段】本発明に係る被加工物固定用クランプ部材1は、棒状鋼材の中央近傍にてその材軸方向に延びる挿通孔2が形成されたクランプ本体3と、該クランプ本体の先細端部にそれぞれ被覆された軟質ポリ塩化ビニルからなる被膜4,4とで構成してある。被膜4は、クランプ本体3の各端部をPVCゾルに浸漬して該端部の周囲に所望厚さのPVCゾルを付着させ、次いで固化処理を行ってから、余分な部分を適宜切除して形成すればよい。本実施形態では、被膜4は、クランプ本体3の先細端部を取り囲むように、その周面に被覆してある。
【選択図】 図1

Description

本発明は、工作機械のテーブルや該テーブルに設置されたベースに被加工物を固定するための被加工物固定用クランプ部材に関する。
NCフライス盤あるいはマシニングセンタといった工作機械においては、該工作機械に備えられた機械テーブルにベースを設置するとともに、ワークと呼ばれる被加工物を固定治具を用いて該ベース上に固定し、しかる後、工作機械の主軸に取り付けられた切削工具を回転させることで、ワークを切削加工する。
かかる固定治具は、被加工物をベースに位置決めする機能や、該ベースに被加工物を着脱自在に固定する機能を有しており、被加工物の形状や大きさあるいは固定方法の違いに応じて、種々多用なものが用いられている。
これらのうち、ベース上に載置された被加工物を上から押さえ込む固定治具としては、単体使用を前提としたものと、複数の部材を汎用的に適宜組み合わせて用いることを前提としたものとに大別され、単体使用を前提とした前者の固定治具は、クランプユニット、スナップクランプ、ワンタッチクランプ等の名称で市販されている。
一方、複数部材の組み合わせを前提とした後者の固定治具は、被加工物との当接面が形成されたクランプバーあるいはクランプストラップと呼ばれるクランプ部材を用いて被加工物を固定するようになっており、クランプ作業を行う際は、まず、クランプ部材をその当接面が被加工物に当接されるように配置するとともに、基端がベースに螺合あるいは係合されたボルトをクランプ部材に形成された挿通孔に挿通し、かかる状態で該ボルトの先端にナットを螺合して締め付けることにより、被加工物をベースに固定する。
このような固定治具は、反力部材を用いる場合と用いない場合とにさらに分類され、反力部材を用いる場合には、クランプ部材を、その一端に形成された当接面がベースに載置された被加工物の表面に当接されるように、かつ反対側端部が被加工物の近傍にてベースに立設されたサポートあるいはジャッキと称される反力部材に連結あるいは当接されるように配置する。
かかる使用形態においては、ナットによる締付けに伴って反力部材から反力をもらうことにより、ボルトに締付け力を発生させるとともに該締付け力をクランプ部材の先端を介して被加工物に押付け力として作用させる。
一方、反力部材を用いない場合には、クランプ部材を、その両端に形成された当接面が、ベース上に離間配置された2つの被加工物の表面にそれぞれ当接されるように跨いで配置する。
かかる使用形態においては、ナットによる締付け力をボルトに発生させるとともに、該締付け力を2つの被加工物にそれぞれ押付け力として作用させる。
特開2001−87966公報
いずれの使用形態にしろ、クランプ部材の当接面から被加工物の表面に押付け力が作用し、かかる押付け力によって、被加工物をベースに仮固定するようになっているため、被加工物を切削加工の開始から終了までベース上の所定位置に保持しておくためには、必要十分な締付け力をボルトに導入するとともに、その締付け力を押付け力として被加工物に確実に作用させる必要がある。
しかしながら、締付け力が適正な値であっても、クランプ部材と被加工物との配置状況や当接状況あるいは被加工物の表面硬度如何によっては、被加工物の表面に傷が付くことが懸念される。特に、被加工物がアルミニウムである場合、締付けトルクを適正値に設定したとしても、その表面に傷が付いてしまうという問題を生じていた。
かかる問題を回避するため、加工現場では、被加工物とクランプ部材との間にシート材を挟む等の対策が適宜講じられているが、かかる対策は、被加工物のクランプ作業を遅滞させ、ひいては切削加工プロセスの全体効率を低下させる原因ともなる。
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、被加工物のクランプ作業を遅滞させることなく、被加工物の表面に損傷が生じるのを防止することが可能な被加工物固定用クランプ部材を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る被加工物固定用クランプ部材は請求項1に記載したように、工作機械のテーブル又は該テーブルに取り付けられたベースに被加工物を固定する被加工物固定用クランプ部材であって、前記テーブル又はベースに立設されたボルトを挿通するための挿通孔が中央近傍に形成されたクランプ本体と、該クランプ本体の端部に被覆された軟質ポリ塩化ビニルからなる被膜とからなり、該被膜を、その表面が前記被加工物との当接面となるように前記端部に設けてなるものである。
また、本発明に係る被加工物固定用クランプ部材は、前記クランプ本体を、前記挿通孔が中央近傍に材軸方向に沿って形成され、前記被膜を設ける端部が両端に位置する棒状鋼材で構成したものである。
また、本発明に係る被加工物固定用クランプ部材は、前記クランプ本体を、前記挿通孔が中央近傍に材軸方向に沿って形成され、前記被膜を設ける端部が一端に位置し、他端に反力部材の頂部が連結又は当接される棒状鋼材で構成したものである。
また、本発明に係る被加工物固定用クランプ部材は、前記クランプ本体を、前記挿通孔が中央近傍に材軸方向に沿って形成され、前記被膜を設ける端部が一端に位置し、他端に反力部材のテーパ面に設けられた凹凸に噛合される凹凸が形成された棒状鋼材で構成したものである。
また、本発明に係る被加工物固定用クランプ部材は、前記クランプ本体をU字状鋼材で構成し、該U字状鋼材のスリットを前記挿通孔とするとともに解放側端部を前記被膜が被覆される端部とし、前記U字状鋼材の閉鎖側端部を反力部材の頂部が連結又は当接されるように構成したものである。
本発明に係る被加工物固定用クランプ部材を用いてクランプ作業を行うには、従来と同様、工作機械のテーブル又は該テーブルに取り付けられたベースに被加工物を載置するとともに、該被加工物の近傍にてボルトをテーブル又はベースに立設し、次いで、該ボルトをクランプ本体の中央近傍に形成された挿通孔に挿通するとともに、クランプ本体の端部を被加工物に載せ、かかる状態でボルトの先端にナットを螺合して締め付けるが、本発明に係る被加工物固定用クランプ部材においては、クランプ本体の端部に軟質ポリ塩化ビニルからなる被膜を被覆してあるとともに、その表面が被加工物との当接面となるように、該被膜を端部に設けてある。
そのため、ナットによるボルトの締付け力は、クランプ本体の端部から軟質ポリ塩化ビニルからなる被膜を介して被加工物の表面に押付け力として作用することとなり、かくして押付け力に起因して被加工物表面に傷が生じるのを未然に防止することができる。
クランプ本体の端部に軟質ポリ塩化ビニルからなる被膜を設ける方法は任意であるが、例えばディッピング成形で行うことができる。
本発明は、工作機械のテーブル又はそれに取り付けられたベースに立設されたボルトを挿通孔に挿通し、該テーブル又はベースに載置された被加工物の表面に端部を当接した状態でボルトに螺合されたナットを締め付けることにより、被加工物をテーブル又はベースに押し付けて固定することができる限り、あらゆるクランプ本体に適用することが可能であって、反力部材との併用は任意であるとともに、クランプバー、ストラップ等の呼び名に左右されるものでもない。
具体的には、下記従来品、
(a)棒状鋼材の中央近傍に材軸方向に沿った挿通孔が形成され該棒状鋼材の両端に被加工物への当接面が形成されてなるクランプ本体
(b)棒状鋼材の中央近傍に材軸方向に沿った挿通孔が形成され該棒状鋼材の一端に被加工物への当接面が形成され、他端に反力部材の頂部が連結ないしは当接されるように構成されたクランプ本体
(c)棒状鋼材の中央近傍に材軸方向に沿った挿通孔が形成され該棒状鋼材の一端に被加工物への当接面が形成され、他端に反力部材のテーパ面に設けられた凹凸に噛合される凹凸が形成されてなるクランプ本体
(d)U字状鋼材に形成されたスリットを挿通孔とし、該U字状鋼材の解放側端部に被加工物への当接面が形成され、閉鎖側端部に反力部材の頂部が連結ないしは当接されるように構成されたクランプ本体
は全て、本発明のクランプ本体として採用することができる。
被加工物における当接箇所は、被膜の表面が当接し得る状況であってかつ該被膜を介してクランプ本体からの押付け力が作用し得る状況である限り、断面形状が平面であるか湾曲面であるかは任意である。
クランプ本体は、被加工物の形状や干渉状況その他加工時の諸条件に適合するように、その端部に所定の構成が加えられることがあるが、該端部を介して被加工物に押付け力を作用させるものである限り、すべての構成に本発明を適用することが可能である。
例えば、側面に凹部が形成された被加工物に適用可能なクランプ本体として、一方の端部を、該凹部に挿入可能な円筒状又はピン状凸部としたクランプ本体が市販されており、かかるクランプ本体を用いる場合には、上述した円筒状又はピン状凸部を覆うように軟質ポリ塩化ビニルからなる被膜を設ければよい。
このようにすれば、円筒状又はピン状凸部に被覆された軟質ポリ塩化ビニル被膜が被加工物の側面に形成された凹部の内面に当接することとなる。
また、被加工物に形成された肩部を当接面とすることができるよう、材端に段差を設けることで端部が鈎状に形成されてなるクランプ本体が市販されているが、かかるクランプ本体を用いる場合においても、鈎状端部に軟質ポリ塩化ビニルからなる被膜を被覆すればよい。
また、狭隘なスペースでの設置が可能となるよう、端部を本体とは別体とするとともに該端部を本体に対して鉛直軸線廻りに回動自在に構成されてなるクランプ本体が市販されているが、かかるクランプ本体を用いる場合においても、該端部を軟質ポリ塩化ビニルからなる被膜で覆うようにすればよい。
一方、被加工物との当接面が滑り面となる必要がある場合は例外的に本発明の適用対象外とする。
例えば、固定治具のうち、クランプ本体がその中央近傍でボルトの頂部近傍に昇降自在かつ揺動自在に連結されるとともに、該クランプ本体の一端がテーブルあるいはベースに当接され、他端が被加工物に当接されるものについては、固定作業の際、被加工物の当接面と平行な方向に沿った滑りが許容される必要があるところ、本発明に係る軟質ポリ塩化ビニルからなる被膜を設けると、その滑りが許容されないため、適切なクランプ作業を行うことが難しくなるためである。
第1実施形態に係る被加工物固定用クランプ部材の図であり、(a)は側面図、(b)はA−A線方向から見た矢視図、(c)は取付け状態を示した側面図。 第2実施形態に係る被加工物固定用クランプ部材の図であり、(a)は側面図、(b)はB−B線方向から見た矢視図、(c)は取付け状態を示した側面図。 第3実施形態に係る被加工物固定用クランプ部材の図であり、(a)は側面図、(b)はC−C線方向から見た矢視図、(c)は取付け状態を示した側面図。 第4実施形態に係る被加工物固定用クランプ部材の図であり、(a)は側面図、(b)はD−D線方向から見た矢視図、(c)は取付け状態を示した側面図。
以下、本発明に係る被加工物固定用クランプ部材の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。なお、従来技術と実質的に同一の部品等については同一の符号を付してその説明を省略する。
(第1実施形態)
図1(a)及び(b)は、本実施形態に係る被加工物固定用クランプ部材を示した側面図及び平面図である。これらの図でわかるように、本実施形態に係る被加工物固定用クランプ部材1は、棒状鋼材の中央近傍にてその材軸方向に延びる挿通孔2が形成されたクランプ本体3と、該クランプ本体の先細端部にそれぞれ被覆された軟質ポリ塩化ビニルからなる被膜4,4とで構成してある。
被膜4は、クランプ本体3の各端部をPVCゾルに浸漬して該端部の周囲に所望厚さのPVCゾルを付着させ、次いで固化処理を行ってから、余分な部分を適宜切除して形成すればよい。本実施形態では、被膜4は、クランプ本体3の先細端部を取り囲むように、その周面に被覆してある。なお、クランプ本体3は、上述した従来品の(a)に該当する。
図1(c)は、工作機械のテーブルに取り付けられたベース12の上に離間配置された被加工物11,11を、被加工物固定用クランプ部材1を用いてそれぞれベース12に固定した様子を示した側面図である。
同図でわかるように、被加工物固定用クランプ部材1を用いて被加工物11,11をベース12に固定するには、まず、被加工物11,11をベース12に載置するとともに、ベース12に形成された逆T字状溝13にボルト14の基端を嵌め込むことで、該ボルトをベース12に立設する。
ボルト14は、被加工物11,11の中間位置近傍に立設するのがよい。
次に、ボルト14がクランプ本体3に形成された挿通孔2に挿通されるようにかつクランプ本体3の両端に被覆された被膜4,4が被加工物11,11の表面に当接されるように、クランプ本体3を配置する。
次に、ボルト14の先端にナット15を螺合して締め付ける。
このようにすると、被膜4のうち、被加工物11と対面する部分が当接面となって被加工物11に当接し、ナット15によるボルト14の締付け力は、かかる被膜部分を介してクランプ本体3の先細端部から被加工物11に作用する。
以上説明したように、本実施形態に係る被加工物固定用クランプ部材1によれば、クランプ本体3の端部に軟質ポリ塩化ビニルからなる被膜4,4を被覆するとともに、それらの表面が被加工物11,11との当接面となるように、該被膜をクランプ本体3の端部に被覆するようにしたので、ナット15によるボルト14の締付け力は、クランプ本体3の端部から被膜4,4を介して被加工物11,11の表面に押付け力として作用することとなり、かくして押付け力に起因して被加工物11,11の表面に傷が生じるのを未然に防止することが可能となる。
本実施形態では、クランプ本体3の先細端部を取り囲むように、その周面を被膜4で被覆するようにしたが、本発明の被膜は、その表面が被加工物との当接面となるように配置されれば足りるものであり、上述の構成に代えて例えば、クランプ本体3の裏面のみに被膜を設けるようにしてもかまわない。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と実質的に同一の部品等については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図2(a)及び(b)は、本実施形態に係る被加工物固定用クランプ部材を示した側面図及び平面図である。これらの図でわかるように、本実施形態に係る被加工物固定用クランプ部材21は、棒状鋼材の中央近傍にてその材軸方向に延びる挿通孔2が形成されたクランプ本体3aと、該クランプ本体の端部のうち、先細に形成された一方の端部に被覆された軟質ポリ塩化ビニルからなる被膜4とで構成してある。被膜4は、クランプ本体3aの一方の先細端部を取り囲むように、その周面に被覆してある。なお、クランプ本体3aは、上述した従来品の(c)に該当する。
本実施形態に係る被加工物固定用クランプ部材21は、テーパ面に凹凸が形成されたステップブロックと呼ばれる三角形状の反力部材23との併用が前提であって、該凹凸と噛合する凹凸22が形成されたテーパ面をクランプ本体3aの他方端部に設けてあり、反力部材23に形成された凹凸とクランプ本体3aに形成された凹凸22が噛合するように該クランプ本体を配置することにより、反力部材23から反力を受けることができるようになっている。
図2(c)は、被加工物固定用クランプ部材21を用いて被加工物11を固定した様子を示した側面図である。同図でわかるように、被加工物11を被加工物固定用クランプ部材21を用いてベース12に固定するには、まず、ベース12に被加工物11を載置するとともに、該ベースに形成された逆T字状溝13にボルト14の基端を嵌め込むことで、該ボルトをベース12に立設する。
次に、ボルト14をクランプ本体3aに形成された挿通孔2に挿通するとともに、クランプ本体3aの一方の端部に設けられた被膜4が被加工物11の表面に当接されるようにかつ他方の端部に形成された凹凸22が反力部材23に形成された凹凸と噛合するようにクランプ本体3aを配置する。
次に、ボルト14の先端にナット15を螺合して締め付ける。
このようにすると、被膜4のうち、被加工物11に対面するクランプ本体3aの裏面箇所が当接面となって該被膜部分が被加工物11と当接し、ナット15によるボルト14の締付け力は、かかる被膜部分を介してクランプ本体3aの先細端部から被加工物11に作用する。
以上説明したように、本実施形態に係る被加工物固定用クランプ部材21によれば、クランプ本体3aの一方の端部に軟質ポリ塩化ビニルからなる被膜4を被覆するとともに、その表面が被加工物11との当接面となるように、該被膜をクランプ本体3aの端部に設けるようにしたので、ナット15によるボルト14の締付け力は、クランプ本体3aの一方の端部から被膜4を介して被加工物11の表面に押付け力として作用することとなり、かくして押付け力に起因して被加工物11の表面に傷が生じるのを未然に防止することが可能となる。
本実施形態では、クランプ本体3aの先細端部を取り囲むように、その周面を被膜4で被覆するようにしたが、本発明の被膜は、その表面が被加工物との当接面となるように配置されれば足りるものであり、上述の構成に代えて例えば、クランプ本体3aの裏面のみに被膜を設けるようにしてもかまわない。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。なお、上述の実施形態と実質的に同一の部品等については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図3(a)及び(b)は、本実施形態に係る被加工物固定用クランプ部材を示した側面図及び平面図である。これらの図でわかるように、本実施形態に係る被加工物固定用クランプ部材31は、棒状鋼材の中央近傍にてその材軸方向に延びる挿通孔2が形成されたクランプ本体3bと、該クランプ本体の端部のうち、円筒状ないしはピン状に形成された一方の端部に被覆された軟質ポリ塩化ビニルからなる被膜4とで構成してある。被膜4は、クランプ本体3bの一方の円筒状端部を取り囲むように、その周面に被覆してある。なお、クランプ本体3bは、上述した従来品の(b)に該当する。
本実施形態に係る被加工物固定用クランプ部材31は、反力部材としてのサポート33との併用が前提であって、ベース12に立設されたサポート33の頭部をクランプ本体3bの他方の端部に設けられたボルト孔32に螺着することにより、サポート33から反力を受けることができるようになっている。
図3(c)は、被加工物固定用クランプ部材31を用いて被加工物11を固定した様子を示した側面図である。同図でわかるように、被加工物11を被加工物固定用クランプ部材31を用いてベース12に固定するには、まず、ベース12に被加工物11を載置するとともに、該ベースに形成された逆T字状溝13にボルト14の基端を嵌め込むことで、該ボルトをベース12に立設する。
次に、ボルト14をクランプ本体3bに形成された挿通孔2に挿通するとともに、クランプ本体3bの一方の端部に設けられた被膜4が被加工物11の側方に設けられたボックス状凹部の内面34に当接されるようにクランプ本体3bを配置する。また、他方の端部に設けられたボルト孔32にベース12から立設されたサポート33の頭部を螺着しておく。
次に、ボルト14の先端にナット15を螺合して締め付ける。
このようにすると、被膜4のうち、被加工物11の内面34に対向する部分が当接面となって該内面と当接し、ナット15によるボルト14の締付け力は、かかる被膜部分を介してクランプ本体3bの円筒状端部から被加工物11の内面34に作用する。
以上説明したように、本実施形態に係る被加工物固定用クランプ部材31によれば、クランプ本体3bの一方の端部に軟質ポリ塩化ビニルからなる被膜4を被覆するとともに、その表面が被加工物11との当接面となるように、該被膜をクランプ本体3bの円筒状端部に設けるようにしたので、ナット15によるボルト14の締付け力は、クランプ本体3bの一方の端部から被膜4を介して被加工物11の表面に押付け力として作用することとなり、かくして押付け力に起因して被加工物11の表面に傷が生じるのを未然に防止することが可能となる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。なお、上述の実施形態と実質的に同一の部品等については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図4(a)及び(b)は、本実施形態に係る被加工物固定用クランプ部材を示した側面図及び平面図である。これらの図でわかるように、本実施形態に係る被加工物固定用クランプ部材41は、U字状鋼材に形成されたスリット43を挿通孔とするクランプ本体3cと、該クランプ本体の端部のうち、一方の端部であるU字状鋼材の2つの解放側端部にそれぞれ被覆された軟質ポリ塩化ビニルからなる被膜4,4とで構成してある。被膜4は、クランプ本体3cの各解放側端部を取り囲むように被覆してある。なお、クランプ本体3cは、上述した従来品の(d)に該当する。
本実施形態に係る被加工物固定用クランプ部材41は、反力部材としてのサポート42との併用が前提であって、ベース12に載置されたサポート42の頭部にクランプ本体3cの他方の端部である閉鎖側端部を載せることにより、サポート42から反力を受けることができるようになっている。
図4(c)は、被加工物固定用クランプ部材41を用いて被加工物11を固定した様子を示した側面図である。同図でわかるように、被加工物11を被加工物固定用クランプ部材41を用いてベース12に固定するには、まず、ベース12に被加工物11を載置するとともに、該ベースに形成された逆T字状溝13にボルト14の基端を嵌め込むことで、該ボルトをベース12に立設する。
次に、ボルト14をクランプ本体3cのスリット43に挿通するとともに、クランプ本体3cの解放側端部に設けられた被膜4,4が被加工物11に当接されるようにクランプ本体3cを配置する。また、他方の端部である閉鎖側端部をベース12に載置されたサポート42の頂部に載せておく。
次に、ボルト14の先端にナット15を螺合して締め付ける。
このようにすると、被膜4,4のうち、被加工物11に対向する部分が当接面となって被加工物11と当接し、ナット15によるボルト14の締付け力は、かかる被膜部分を介してクランプ本体3cの解放側端部から被加工物11に作用する。
以上説明したように、本実施形態に係る被加工物固定用クランプ部材41によれば、クランプ本体3cの解放側端部に軟質ポリ塩化ビニルからなる被膜4,4を被覆するとともに、それらの表面が被加工物11との当接面となるように、該被膜をクランプ本体3cの解放側端部に設けるようにしたので、ナット15によるボルト14の締付け力は、クランプ本体3cの一方の端部から被膜4,4を介して被加工物11の表面に押付け力として作用することとなり、かくして押付け力に起因して被加工物11の表面に傷が生じるのを未然に防止することが可能となる。
本実施形態では、クランプ本体3cの2つの解放側端部をそれぞれ取り囲むように被膜4,4で被覆するようにしたが、本発明の被膜は、その表面が被加工物との当接面となるように配置されれば足りるものであり、上述の構成に代えて例えば、クランプ本体3cの裏面のみに被膜を設けるようにしてもかまわない。
1 被加工物固定用クランプ部材
2 挿通孔
3,3a,3b,3c クランプ本体
4 被膜
11 被加工物
12 ベース
14 ボルト

Claims (5)

  1. 工作機械のテーブル又は該テーブルに取り付けられたベースに被加工物を固定する被加工物固定用クランプ部材であって、前記テーブル又はベースに立設されたボルトを挿通するための挿通孔が中央近傍に形成されたクランプ本体と、該クランプ本体の端部に被覆された軟質ポリ塩化ビニルからなる被膜とからなり、該被膜を、その表面が前記被加工物との当接面となるように前記端部に設けてなることを特徴とする被加工物固定用クランプ部材。
  2. 前記クランプ本体を、前記挿通孔が中央近傍に材軸方向に沿って形成され、前記被膜を設ける端部が両端に位置する棒状鋼材で構成した請求項1記載の被加工物固定用クランプ部材。
  3. 前記クランプ本体を、前記挿通孔が中央近傍に材軸方向に沿って形成され、前記被膜を設ける端部が一端に位置し、他端に反力部材の頂部が連結又は当接される棒状鋼材で構成した請求項1記載の被加工物固定用クランプ部材。
  4. 前記クランプ本体を、前記挿通孔が中央近傍に材軸方向に沿って形成され、前記被膜を設ける端部が一端に位置し、他端に反力部材のテーパ面に設けられた凹凸に噛合される凹凸が形成された棒状鋼材で構成した請求項1記載の被加工物固定用クランプ部材。
  5. 前記クランプ本体をU字状鋼材で構成し、該U字状鋼材のスリットを前記挿通孔とするとともに解放側端部を前記被膜が被覆される端部とし、前記U字状鋼材の閉鎖側端部を反力部材の頂部が連結又は当接されるように構成した請求項1記載の被加工物固定用クランプ部材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012139811A (ja) * 2010-04-19 2012-07-26 House Bm Co Ltd 機械固定治具
CN109277603A (zh) * 2018-11-29 2019-01-29 保定天威电气设备结构有限公司 一种提高铝屏蔽加工精度的装置及方法

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