JP2010263632A - 方向性結合器および高周波回路モジュール - Google Patents

方向性結合器および高周波回路モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】単位面積あたりの結合度が高く、高い方向性を容易に実現でき、製造時の特性ばらつきが小さい方向性結合器およびそれを備えた高周波回路モジュールを実現する。
【解決手段】多層基板20の表面に主線路11を設け、裏面に接地面25を設け、主線路のすぐ下の内層に、主線路と並行する2本の線路12a、12cと、これらよりも接地面25に近い層に線路12bとを設ける。そして、線路12a、12cと線路12bとをビア13a、13bによって接続することで、一巻のループ形状であり、かつ、このループを垂直に貫くベクトルの主成分が接地面25に対して水平となるような副線路を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は方向性結合器および高周波回路モジュールに関し、特に無線通信装置内で送信信号電力を検出する用途に好適な方向性結合器およびそれを搭載した高周波回路モジュールに関する。
高周波回路モジュールの出力を確実かつ高精度に検出する方向性結合器の例が特許文献1に開示されている。同例では高周波回路モジュールの出力を検出する方向性結合器を主線路と副線路が誘電体を介して重なり合う構造とし、主線路の線路幅を副線路の線路幅よりも狭くし、主線路の両側縁を副線路の両側縁の内側に位置させることで、主線路の線路幅全域が確実に副線路に対面するようにしている。
また、方向性に優れ、挿入損失や反射特性の劣化などが少ない、小型、高性能の方向性結合器の例が特許文献2に開示されている。同例では、主線路及び副線路の少なくとも一部の領域を、その側部が互いに略平行になるように配設することにより、主線路と副線路を分布定数型結合させたサイドエッジ型の方向性結合器において、副線路の線路長を主線路の線路長よりも長くしている。また、主線路を略直線状の線路又は所定の位置で曲折した略直線状の線路からなり、かつ、スパイラル状に周回していない構造とし、副線路を所定の位置で曲折した略直線状の線路からなり、スパイラル状に周回している構造としている。
また、小型化した場合でも、主ラインおよび副ラインのライン・インピーダンスを低下させないですむ方向性結合器の例が特許文献3に開示されている。同例では、接地電極を備えた基板上の一つの層内に渦巻き状パターンからなる主ラインを形成し、更に絶縁膜を介して上層に位置する一つの層内に渦巻き状パターンからなる副ラインを形成している。
特開2002−43813号公報 特開2003−133817号公報 特開平11−284413号公報
例えば、携帯電話を代表とする無線通信装置では、送信信号電力を検出するために方向性結合器が用いられる。世界標準の通信方式であるGSM(Global System for Mobile Communications)方式に対応した携帯電話の送信系高周波回路ブロックの一例を図7に示す。この回路ブロックの動作概略は以下のようになる。
まず送信時には、高周波送信回路モジュール90の送信信号入力端子80から入力された送信信号は、電力増幅器IC30内の電力増幅器31により増幅され、出力整合回路40でインピーダンス変換されたのち、方向性結合器10を経由し、低域通過フィルタ50により不要な高調波を除去され、一極双投(以下「SPDT:Single Pole Double Throw」という)スイッチ60を介してアンテナ端子81に接続されたアンテナ70から放射される。
次に受信時には、アンテナ70で受信された受信信号は、アンテナ端子81、SPDTスイッチ60、受信信号出力端子83を経由して、高周波受信回路(図示せず)に送られる。SPDTスイッチ60は送受信のタイミングに合わせて、高周波送信回路モジュールが論理回路部(図示せず)から制御端子82を介して受け取る制御信号を元にスイッチ制御回路34が発生するスイッチ制御信号によって送信回路側と受信回路側とに接続が切り替えられる。
ここで、GSMに代表されるディジタル携帯電話システムでは、他端末との混信を避けるため、基地局から各携帯電話端末に、送信電力を必要最小限とするように指示する電力制御信号が送られる。携帯電話ではこの電力制御信号に基づいて送信電力を制御するため、方向性結合器10により送信信号電力の一部を取り出し、これを検波器33によって検波し、得られた検波電圧を参照しながらバイアス電圧制御回路32によって電力増幅器31のゲインを所望の送信電力が得られるように調整している。
一般に、方向性結合器は両端を持つ主線路と同じく両端を持つ副線路とからなる四端子回路であり、主線路の二端子間を通過する信号電力の一部を主線路と電磁結合した副線路によってその片側の端子から取り出す構成になっている。方向性結合器の性能指標は結合度と方向性とで表される。前者は主線路に入力する電力と副線路によって取り出される電力の比で定義され、後者は主線路上の進行波(もしくは反射波)が副線路上の二端子それぞれに現れる電力の比で定義される。結合度は高いほど大きな電力を副線路側に取り出せるが、主線路側の損失が増加するため必要十分な量に抑える必要がある。方向性は後で述べるような進行波だけを分離して検出したいと言った用途では、高ければ高いほど良い。
さて、近年ではデータ通信比率の増加や、アンテナ内蔵端末の増加に伴い、携帯電話にはアンテナの放射インピーダンスによらずに一定の送信電力を出力するという能力すなわち耐負荷変動性能の向上が要求されてきている。例えば、携帯電話をスチール机の上に置いたままデータ通信に用いるとか、ユーザーがアンテナ部を握ったまま通話するなどの状況下では、アンテナの放射インピーダンスが変化し、送信信号の一部がインピーダンス不整合によりアンテナで反射して電力増幅器側へと戻る反射波となる。この時、送信電力を検出する方向性結合器が電力増幅器からアンテナ側への進行波である送信信号とアンテナからの反射波とを分離できないと、例えばアンテナからの反射電力が増加した場合に、電力増幅器からの出力が増加しているものと判断して電力増幅器の出力を下げ、結果的にアンテナから放射される電力を必要以上に下げてしまい、基地局との通信ができなくなる。また、アンテナの放射インピーダンスによっては反射波の位相が進行波の位相と逆になるため、進行波と反射波が分離できないと、反射電力の増加に伴って検出される電力が減少し、電力増幅器の出力を必要以上に上げることになり、他端末に影響を与えることになる。このため、方向性結合器には進行波と反射波を分離して検出できる能力、すなわち高い方向性が必要とされる。
携帯電話用の方向性結合器には、さらに他の携帯電話向け部品同様に小型であることが要求される。方向性結合器が小型になるためには単位面積あたりの結合度が高い必要がある。また、電力増幅器の出力を無駄なくアンテナまで伝達させるために、低損失であることも要求される。この他にも、セラミック多層基板プロセスなどで方向性結合器を製造する場合には、各層の層間位置ずれなどで特性が大きく変化しないことなどが要求される。
以上のような要求に応えるために、例えば、特許文献1では層間ずれが生じても結合度を変化しにくくする構造が提案されており、特許文献2では方向性に優れ、挿入損失や反射特性の劣化などが少ない、小型の構造が提案されている。さらに、特許文献3では、主線路および副線路を接地電極で挟むサンドイッチ構造に比べて主線路および副線路のライン・インピーダンスを低下させないですみ、小型化が図れる構造が提案されている。
図10は、本発明の前提として検討した方向性結合器の構成例を示すものであり、(a)は斜視図、(b)は断面図、(c)は上面からの透視図である。図10の構成例は、特許文献1の特徴を反映したものとなっている。この方向性結合器は、主線路11と接地面25を含み、主線路11のすぐ下の内層に主線路と並行して、主線路より広い幅の副線路12が設けられている。この図10の構成例は、主線路と副線路が多層基板内で単純に積層された構造であることから、以降、このような構成例を積層型と呼ぶ。
図11は、本発明の前提として検討した方向性結合器の他の構成例を示すものであり、(a)は斜視図、(b)は断面図、(c)は上面からの透視図である。図11の構成例は、特許文献2または特許文献3の特徴を反映したものとなっている。この方向性結合器は、主線路11と接地面25を含み、主線路11のすぐ下の内層に、主線路と並行に重なり合う部分と、主線路の端部で主線路と垂直になる部分と、主線路から離れた位置で再度主線路と並行になる部分とを持つ逆J字型の線路12aが設けられている。線路12aのさらに下の内層には、主線路から離れた位置で主線路と並行になる部分と、主線路のもう一方の端部で主線路と垂直になる部分と、主線路と並行に重なり合う部分とを持つJ字型の線路12bが設けられている。線路12aと線路12bとはビア13により接続されて副線路が形成される。この図11の構成例は、副線路が主線路直下に信号の入出力端を有し、接地面と平行なループを持つスパイラル状の構造であることから、以降、このような構成例を横巻型と呼ぶ。
このような、積層型や横巻型の方向性結合器を用いることで、ある程度の結合度を得ることは可能である。しかしながら、携帯電話の小型化に伴って方向性結合器にも更なる小型化が要求されてきており、積層型や横巻型の構造では達成し得なかった単位面積あたりの結合度を実現しうる新たな構造が必要とされている。
そこで、本発明の目的は、方向性結合器の小型化や高周波回路モジュールの小型化を実現することにある。また、本発明の他の目的は、単位面積あたりの結合度をこれまで以上に高められ、高い方向性を容易に実現し、製造時の特性ばらつきも小さい方向性結合器を実現することである。本発明の前記ならびにそれ以外の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
本発明の方向性結合器は、主線路と副線路と接地面とから構成される方向性結合器において、前記主線路かつ/または前記副線路が少なくとも一巻以上のループを形成しており、前記ループが、該ループを垂直に貫くベクトルの主成分が前記接地面に対して水平になるように配置されることを特徴とする。前記ループを垂直に貫くベクトルの主成分が前記接地面に対して水平になるようにループを配置することにより、主線路かつ/または副線路から磁界を効率良く発生させることが可能になり、単位面積あたりの結合度が高まり、小型化が達成される。
ここで、前記ループの中で前記主線路かつ/または前記副線路が自線路内で同じ電流を流す向きで並走する回数の最も多い第一の区間が、それ以外の第二の区間よりも前記接地面から離れた位置に配置され、かつ、前記主線路と前記副線路の結合に寄与する部分が少なくとも前記第一の区間と同程度もしくはより一層前記接地面から離れた位置に配置されると、最も強く磁界を発生する箇所が前記接地面から最も離れることで、磁界の影響を最大限に広げることができ、かつ、結合に寄与する部分もまた接地面の影響を最も受け難い位置に配置されることから、単位面積あたりの結合度をより高めることができる。
さらに、前記主線路の結合に寄与する部分が前記副線路の結合に寄与する部分よりも前記接地面から離れた位置に前記副線路の結合に寄与する部分と重なるように配置されると、前記主線路の結合に寄与する部分から接地面側に向かって見た方向性結合器の投影面積が最小化されるとともに、前記主線路の結合に寄与する部分がある特性インピーダンスを持つために必要な幅を最大化できることから、通過損失を低減できる。またこの時、前記主線路の結合に寄与する部分全体の幅と前記副線路の結合に寄与する部分全体の幅とに差が設けられていると、前記主線路と前記副線路とが製造時に位置ずれを起こした際にも結合度の変化が抑えられる効果がある。
なお、ここまでに説明した本発明の方向性結合器において、前記主線路と前記副線路とは同一の多層基板の上もしくは内部に形成され、当該多層基板が搭載される親基板の上もしくは内部に前記接地面が配置されるような構成をとれば、前記多層基板側に接地面を形成する必要がなくなるため、前記多層基板の層数を減らすことにより方向性結合器をより低価格に実現できる。
さらに、ここまでに説明した本発明の方向性結合器を、接地面を含むモジュール基板の複数の配線層で形成し、このモジュール基板上に実装した電力増幅器の送信信号電力を検波するように構成すると、小型で高性能な高周波回路モジュールが実現可能となる。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すると、方向性結合器や高周波回路モジュールの小型化が実現できる。
本発明の実施例1に係る方向性結合器(縦巻型)の構造を説明するための図であり、(a)は斜視図、(b)は断面図、(c)は上面からの透視図である。 本発明の実施例1に係る方向性結合器(縦巻型)の効果を説明するための図であり、(a)は結合度の比較図、(b)は結合度変化量の比較図である。 本発明の実施例2に係る方向性結合器の方向性の調整法を説明するための図であり、(a)は主線路幅依存性、(b)は副線路間隔依存性の例である。 本発明の実施例3に係る方向性結合器(縦巻並走型)の構造を説明するための図であり、(a)は斜視図、(b)は断面図、(c)は上面からの透視図である。 本発明の実施例3に係る方向性結合器(縦巻並走型)の効果を説明するための図であり、(a)は結合度の比較図、(b)は結合度変化量の比較図である。 本発明の実施例4に係る方向性結合器の構造を説明するための斜視図である。 代表的な携帯電話の送信系高周波回路ブロック図である。 本発明の実施例5を説明するための高周波回路モジュールの図であり、(a)はレイアウト図、(b)は断面図である。 本発明の実施例6を説明するためのマルチバンド高周波回路モジュールのレイアウト図である。 本発明の前提として検討した方向性結合器(積層型)の構造を説明するための図であり、(a)は斜視図、(b)は断面図、(c)は上面からの透視図である。 本発明の前提として検討した別の方向性結合器(横巻型)の構造を説明するための図であり、(a)は斜視図、(b)は断面図、(c)は上面からの透視図である。
以下の実施例においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施例に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらは互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施例において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。
さらに、以下の実施例において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施例において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施例を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
図1に本発明の実施例1における方向性結合器の構造を示す。図1(a)は斜視図、(b)は断面図、(c)は上面からの透視図である。図1(b)から分かるように、方向性結合器は、4層の絶縁層21〜24からなる多層基板20によって形成される。本実施例1では、多層基板に比誘電率が7.8、tanδが0.002のガラスセラミック多層基板を用いた。各絶縁層の厚さはそれぞれ150μmである。多層基板20の裏面には接地面25が設けられている。接地面を含む配線導体の導電率は4×10S/mで、厚さは15μmである。主線路11は多層基板の接地面が設けられた裏面とは反対側の表面に設けられる。副線路は、主線路のすぐ下の内層に主線路と並行して設けられた2本の線路12a、12cと、これらよりも接地面に近い層に設けられた線路12bとがビア13a、13bとによって接続されることで形成されている。このときの接続の仕方は線路12aと12cとに流れる電流の向きが同一になるような接続の仕方であり、すなわち、これらの線路で構成される副線路は、主線路11のすぐ下の内層に信号の入出力端を有する一巻のループとなっている。
ここで図1(a)から分かるように、副線路のループは接地面25に対して垂直の向きにループを描いているため、副線路のループを垂直に貫くベクトルの主成分は、接地面25に対して水平となっている。本実施例1での主線路11の幅及び副線路12a、12b、12cの幅は全て100μmで、副線路12aと12cの間隔も100μmである。また、主線路の結合に寄与する線路長、すなわち図1に示した部分の線路長は2mmである。本実施例1の方向性結合器は、副線路が接地面に対して縦に巻かれているので、以降、縦巻型と呼ぶ。
次に、本実施例1による縦巻型の方向性結合器が、図10および図11に示した積層型および横巻型の方向性結合器と比較してどのような効果が得られるかを、図2により説明する。図2(a)は結合度の比較図であり、(b)は結合度変化量の比較図である。どちらのグラフも3次元電磁界解析により求められた結果である。なお、この比較のため、図1、図10および図11の各構成例は、それぞれ図1と同じ構造の多層基板を用いて同じ面積で実現するものとする。すなわち、図10および図11における主線路11の幅は100μmであり、図10における副線路12の幅は300μmである。また、図11における副線路12a,12bの幅は100μmであり、各副線路12a,12bにおける主線路と並行になる部分と主線路と並行に重なり合う部分の間隔は100μmである。
図2(a)によれば、同じ多層基板内に同じ面積で形成したにもかかわらず、縦巻型はその他に比べて3dB近く高い結合度が得られることが分かる。これは、縦巻型では副線路のループを垂直に貫く磁界ベクトルの主成分が接地面に対して水平となっていることにより、主線路が発生した磁界を副線路が効率的に受けることができるからである。図1(a)のような主線路と接地面の組み合わせによるマイクロストリップ線路構造では、例えば主線路に図1(a)の実線の矢印のような向きに電流を流した場合の電磁界分布は、接地面がない場合に接地面を挟んで主線路と対象の位置に実線の矢印とは逆方向の影像電流が流れている場合の電磁界分布と等しくなることが知られている。主線路により作られる磁界と影像電流により作られる磁界とは、主線路と影像電流が流れる位置の間では、接地面に水平な方向で強めあう関係になる。縦巻型では副線路のループが接地面に垂直なため、接地面に水平な磁界に対して最も感度が高い。従って、高い感度を持つ方向に強い磁界が存在する縦巻型の構成は、主線路と接地面とで構成されるマイクロストリップ線路構造に対して、最も効率的に磁界を受けることのできる構造であると言える。
さらに、図1の構成例では主線路のすぐ下の層で副線路を形成する線路部分12aと12cとが並走している。このため、副線路が形成するループは、約1.5巻換算になるため、さらに磁界感度が高められている。これに対して、積層型では主線路と副線路とは並走しているだけであるため、磁界感度を高めるためには線路長を伸ばす必要がある。また、横巻型では副線路のループが接地面に水平なため、接地面に垂直な磁界に対して最も感度が高くなるが、接地面がある場合には、主線路により作られる磁界と影像電流により作られる磁界とは、接地面に垂直な方向では弱めあう関係になるため、効率的に磁界を検出できない。
なお、横巻型の場合、接地面が存在しなければ、接地面が存在しない場合の縦巻型に近い特性を示すと考えられるが、現実的には接地面が存在しない構成はほとんど考えられない。一般に高周波回路では安定した性能を実現するために、基準電位となる接地面が設けられ、これに対してマイクロストリップ線路やストリップ線路などの伝送線路が設けられる。方向性結合器や周波数フィルタなどのチップ部品では部品内に接地面を持っていないものも存在するが、通常、これらを搭載する親基板の上もしくは内部には接地面が存在するため、装置を組み立てた状態ではなんらかの形で接地面が存在することになるからである。
また、図1の構造は、例えば、副線路内で同じ電流を流す向きで並走する回数の最も多い区間を第一の区間(線路12a,12cに該当)とし、それ以外を第二の区間(線路12bに該当)とすると、第一の区間の方が接地面から離れた位置に配置され、かつ、主線路と副線路の結合に寄与する部分も接地面から離れた位置に配置されるものとなっている。第一の区間の方を接地面から離れた位置に配置することで、磁界の影響を最大限に広げることができ、結合に寄与する部分(すなわち主線路と副線路が近接配置されて電磁結合している部分であり、図1では主線路11と線路12a,12cの部分に該当)を接地面から離れた位置に配置することで、接地面の影響を受け難くなる。したがって、例えば、図1において接地面25を主線路11の上側に配置したような構成などと比べると、単位面積あたりの結合度をより高めることができる。
次に、図2(b)によれば、同じ多層基板内に同じ面積で形成したにもかかわらず、縦巻型はその他に比べて、各層間の位置ずれが生じた場合に、最も結合度変化量が小さいことが分かる。縦巻型では主線路のすぐ下の層に存在する副線路を形成する線路部分12aと12cとを合わせた幅が主線路の幅よりも200μm広い。このため、主線路が線路部分12aか12cのどちらかにずれた場合、離れた方の線路部分との間の容量性結合は減少するが、近づいた方の線路部分との間の容量性結合は増加する。これにより主線路と副線路全体との間の容量性結合量は層間位置ずれが生じても変化が少なく抑えられるため、結果として結合度変化量も小さく抑えられる。
これに対して、積層型は主線路に比べて副線路の幅が200μm広いため、若干の層間位置ずれが生じても主線路が副線路の上から外れることはないので、縦巻型に次いで結合度変化量は小さい。しかし、横巻型では層間位置ずれがあると磁界結合量、容量性結合量ともに低下するために結合度が大きく低下し、さらには主線路が副線路のループの中心に近づくか遠ざかるかによって容量性結合量の変化に差が生じるために、位置ずれの向きによって結合度変化量に差が生じている。
以上のように、本実施例1の方向性結合器を用いると、積層型や横巻型の方向性結合器に比べて単位面積あたりの結合度を高くでき、小型化が実現可能となる。また、製造時に層間位置ずれが生じたとしても結合度変化量が小さいため、高信頼化や、製造歩留まりの向上に伴う低コスト化などが可能となる。
本実施例2の方向性結合器は、実施例1の方向性結合器を用いて更に方向性の調整を行ったものである。本実施例2の方向性結合器の構造は、前述した実施例1のものと基板層数、絶縁層、導体の厚さや材料、副線路の線路幅、主線路の結合に寄与する線路長は同じであり、主線路の線路幅や副線路を構成する線路の中で並走する部分の線路間隔などは、方向性を改善するためのパラメータとなっている。
図3(a)は結合度及び方向性の主線路幅依存性を示すグラフで、(b)は同じく副線路間隔依存性を示すグラフである。どちらのグラフも3次元電磁界解析により求められた結果である。図3(a)は副線路間隔が140μmの時の結果で、これによれば、主線路幅を260μmから200μmへと狭くするに伴い結合度はわずかずつ減少するが、方向性は向上していくことが分かる。本実施例2では、方向性の目標を25dBとしたので、主線路幅を200μmにすれば十分な余裕をもって目標を満足できることが分かる。次に図3(b)は主線路幅が200μmの時の結果で、これによれば、副線路間隔を100μmから180μmへと広くするに伴い、結合度はわずかずつ減少するが、方向性は副線路間隔が140μmの時にピークを持つことが分かる。
以上のように、本実施例2の方向性結合器を用いると、実施例1で述べた各種効果に加えて、更に、主線路の幅と副線路の間隔という二つのパラメータで方向性を調整することにより、高い耐負荷変動性能を実現するために必要な方向性を容易に得ることができる。
一般に方向性結合器の方向性は、主線路と副線路との間の磁界結合(誘導性結合)と電界結合(容量性結合)との間のバランスにより決定される。本実施例2の方向性結合器で磁界結合を増加させるには副線路のループ面積もしくは巻数を増加させれば良く、電界結合を増加させるには主線路と副線路との重なり幅を増やすか主線路と副線路との間の絶縁層21の厚さを薄くすれば良い。本実施例2ではこの中で比較的容易に調整のできる線路幅に着目したが、当然それ以外のパラメータでも方向性の調整は可能である。
本実施例3の方向性結合器は、実施例1等で述べたような縦巻型の構造を更に応用したものである。図4は、本発明の実施例3における方向性結合器の構造例を示すものであり、(a)は斜視図、(b)は断面図、(c)は上面からの透視図である。本実施例3の方向性結合器を構成する基板層数、絶縁層、導体の厚さや材料、主線路及び副線路の幅、主線路の結合に寄与する線路長などは実施例1のものと同じである。本実施例3と実施例1との違いは、本実施例3では、図4に示すように、副線路の線路部分12aが主線路11のすぐ下の層に主線路11と重なり合うように設けられ、副線路の線路部分12cが主線路11と並行して表層に設けられている点である。
線路部分12aと12cとは、接地面25に近い層に設けられた線路12bとビア13a、13bとを介して接続され、全体として接地面に対して垂直に近いループを持つ副線路が形成されている。言い換えれば、このループを垂直に貫くベクトルは、接地面に対する垂直方向よりも水平方向の方が主成分となっている。本実施例3の方向性結合器は、副線路が接地面に対して縦巻であると同時に、副線路の一部が表層で主線路と並走しているため、以降、縦巻並走型と呼ぶ。なお、主線路11と線路部分12cとの間の間隔は100μmなので、本実施例3の方向性結合器を表層から眺めた投影面積は、実施例1のものと同じである。
この縦巻並走型と実施例1で述べた縦巻型の3次元電磁界解析結果による特性比較を、図5に示す。図5(a)より、縦巻型に比べて縦巻並走型は結合度が高いことが分かる。これは、副線路の線路部分12cを表層に設けたことにより、副線路が構成するループの有効面積が広がったことによる。これに対し、図5(b)からは、縦巻型に比べて縦巻並走型は層間の位置ずれが生じた場合の結合度変化量が大きいことが分かる。ただし、縦巻並走型の結合度変化量は、図2(b)の結果と比較すると、積層型と同程度であることが分かる。これは、主線路11と副線路の線路部分12aとは同じ幅で重なり合っているために層間位置ずれに伴って容量性結合量が変化するが、主線路11と副線路の線路部分12cとは同じ層にあるために層間位置ずれの影響を受けないので、両者を平均するとそれほど大きな結合度変化量にならないためだと考えられる。
以上のように、本実施例3の方向性結合器を用いると、実施例1で述べた縦巻型の場合よりも更に単位面積あたりの結合度が高くなり、より小型化が実現可能となる。なお、本実施例3の方向性結合器は、その実使用上で実施例1の方向性結合器と対比すると、結合度変化量に対して余裕のあるシステムに用いられる場合や、層間位置ずれの小さい多層基板製造プロセスで方向性結合器を製造できる場合に適している。
本実施例4の方向性結合器は、実施例1等で述べたような縦巻型の構造を主線路と副線路に適用したものである。図6は、本発明の実施例4による方向性結合器において、その構成例を示す斜視図である。本実施例4の方向性結合器は、接地面(図示せず)に対面して並行に並んだ2本の線路12a、12cと、当該2本の線路より前記接地面から離れた位置に前記2本の線路と並行に配置された3本の線路11a、11c、11eと、前記2本の線路と前記接地面との間に配置された1本の線路12bと、前記1本の線路と前記接地面との間に配置された別の2本の線路11b、11dとを備えている。そして、前記2本の線路12a、12cと前記1本の線路12bとを、前記2本の線路上に流れる電流の向きが同一になるようにビア14a、14bにより接続することで副線路が形成されている。さらに、前記3本の線路11a、11c、11eと前記別の2本の線路11b、11dとを、前記3本の線路上に流れる電流の向きが同一になるようにビア13a、13b、13c、13dにより接続することで主線路が形成されている。
このような構成にすることで、主線路、副線路ともに接地面に対して垂直なループを持つ、すなわち、高い磁界結合効率を持つ構造が実現できる。本実施例4における方向性結合器の結合度は、主線路及び副線路の結合に寄与する部分の長さ(すなわち主線路や副線路におけるループの1巻分の大きさ)や、それぞれのループの巻数や、主線路と副線路の間隔などによって調整できる。なお、この際に、例えばループに垂直な線路部分(図6では、階段状の線路11b,11d,12bにおける段差の部分に該当)は、結合には寄与しないためループの1巻分の大きさには含まれない。また、ループの巻数には、例えば主線路が図1の場合と同様にループを形成しない、すなわち、巻数0の場合も含まれて良い。なお、本実施例4では主線路の長さを副線路の長さよりも長くしているが、これは整合回路などにおいて位相を調整するために長い線路が必要とされる場合などに、この部分に方向性結合器の主線路を兼用させることで、モジュール面積の有効活用を図ることを想定しているからである。
本実施例5の高周波回路モジュールは、実施例1等で述べた縦巻型の方向性結合器を、図7に示した送信系高周波回路ブロックの機能を有する高周波回路モジュールのモジュール基板(多層基板)内に形成したものである。図8は、本発明による実施例5の高周波回路モジュールにおいて、その構成例を示すものであり、(a)はレイアウト図、(b)は(a)のA−A’断面図である。図8(a),(b)において、方向性結合器10は、主線路11と、線路12a〜12cで構成される副線路とから構成され、多層基板20の配線層によって形成される。実施例1で説明した単位面積あたりの結合度の高さにより、方向性結合器10の占有面積は高周波回路モジュール90内のわずかな部分にとどまったため、高周波回路モジュール全体を小型に実現できた。
また、方向性結合器10の結合度はモジュール基板製造時の層間ずれに対して結合度変化量が小さいため、結合度変化量を見込んだ余分な結合度マージンを絞ることによって結合度をできる限り低く抑えることができた。これにより、主線路を通過する電力増幅器出力から余分な電力を奪わずに済んだため、高周波回路モジュール全体の送信電力効率を改善できた。
ここで、方向性結合器10における主線路11の両端は、それぞれ伝送線路41及びチップ容量42a〜42cで構成される出力整合回路と低域通過フィルタ50とに接続され、副線路の両端はそれぞれ電力増幅器IC30内の検波器と終端抵抗15とに接続される。方向性結合器10の方向性が十分に高ければ、主線路11上を出力整合回路から低域通過フィルタ50側に進行する信号電力の一部は、その大半が副線路の検波器側に現れ、終端抵抗15側にはほとんど現れない。また、アンテナ側で反射が起こった場合には、副線路に現れる反射波成分は大半が終端抵抗15側に現れて、検波器側にはほとんど現れない。そこで、例えば、実施例2で述べたような方法で方向性を調整することで、小型で十分な方向性を備えた方向性結合器を実現でき、小型で高性能な高周波回路モジュールを実現可能となった。
なお、ここでは、接地面25を備えた多層基板20の上または内部に方向性結合器10を形成する例を示したが、例えば、主線路11と線路12a〜12cで構成される副線路とを備えた1つの多層基板部品を作製し、これを子基板として親基板となる多層基板20上に実装するようなことも可能である。この場合でも、親基板となる多層基板20の接地面25に対して子基板内の副線路が縦巻構造となるため実施例1等と同様の効果が得られる。
本実施例6の高周波回路モジュールは、実施例1等で述べた縦巻型の方向性結合器を、図7に示した送信系高周波回路ブロックの2系統分に相当するマルチバンド高周波回路モジュールのモジュール基板内に2箇所形成したものである。図9は、本発明による実施例6の高周波回路モジュールにおいて、その構成例を示すレイアウト図である。マルチバンド高周波回路モジュール95には、2系統の周波数にそれぞれ対応した電力増幅器を内蔵したデュアルバンド電力増幅器IC35が搭載されており、それぞれの系統の電力増幅器からの出力は、それぞれの出力整合回路を通過して低域通過フィルタ50a、50bによって高調波を除去され、一極四投(Single Pole 4 Throw:SP4T)スイッチ65を経由してアンテナ端子(図示せず)まで導かれる。
SP4Tスイッチ65は、送信の2系統と受信の2系統それぞれとアンテナとの間の接続を切り替える役割を持つ。送信の2系統それぞれの出力整合回路と低域通過フィルタとの間にはそれぞれの周波数、必要な結合量に対応した方向性結合器10a、10bを設けた。このような構成にすることで、実施例5と同様な理由で、マルチバンド高周波回路モジュールを小型に実現し、かつ、高い送信電力効率を達成できた。さらに、方向性結合器10a、10bはそれぞれの周波数帯で高い方向性を持つよう、別々に最適化されているため、どちらの周波数帯においても高い耐負荷変動性能を達成できた。
以上、本発明者によってなされた発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、前述した実施例では、ライン状の主線路に対して縦巻型の副線路を備えた構成や、縦巻型の主線路に対して縦巻型の副線路を備えた構成などを示したが、場合によっては、縦巻型の主線路に対してライン状の副線路を備えるような構成も可能である。
本発明の方向性結合器および高周波回路モジュールは、携帯電話システムといった小型化が強く求められる無線通信システムに適用して特に有益な技術であり、これに限らず、例えば無線LANやRFID(Radio Frequency Identification)など、各種無線通信システム全般に対して広く適用可能である。
10,10a,10b…方向性結合器、11,11a,11b,11c,11d,11e…主線路、12,12a,12b,12c…副線路、13,13a,13b,13c,13d,14a,14b…ビア、15,15a,15b…終端抵抗、20…多層基板、21,22,23,24…絶縁層、25…接地面、30…電力増幅器IC、31…電力増幅器、32…バイアス電圧制御回路、33…検波器、34…スイッチ制御回路、35…デュアルバンド電力増幅器IC、40…出力整合回路、41…伝送線路、42a,42b,42c…チップ容量、50,50a,50b…低域通過フィルタ、60…SPDTスイッチ、65…SP4Tスイッチ、70…アンテナ、80…送信信号入力端子、81…アンテナ端子、82…制御端子、83…受信信号出力端子、90…高周波送信回路モジュール、95…マルチバンド高周波送信回路モジュール。

Claims (10)

  1. 主線路と副線路と接地面とを具備してなる方向性結合器であって、
    前記副線路のループの周回面が前記接地面に対して垂直であり、
    前記主線路かつ/または前記副線路が少なくとも一巻以上のループを形成しており、前記ループが、該ループを垂直に貫くベクトルの主成分が前記接地面に対して水平になるように配置されることを特徴とする方向性結合器。
  2. 請求項1記載の方向性結合器において、
    前記ループの中で前記主線路かつ/または前記副線路が自線路内で同じ電流を流す向きで並走する回数の最も多い第一の区間が、それ以外の第二の区間よりも前記接地面から離れた位置に配置され、かつ、前記主線路と前記副線路の結合に寄与する部分が前記第一の区間と同程度もしくはより一層前記接地面から離れた位置に配置されることを特徴とする方向性結合器。
  3. 請求項2記載の方向性結合器において、
    前記主線路の結合に寄与する部分が前記副線路の結合に寄与する部分よりも前記接地面から離れた位置に前記副線路の結合に寄与する部分と重なるように配置されることを特徴とする方向性結合器。
  4. 請求項3記載の方向性結合器において、
    前記主線路の結合に寄与する部分全体の幅と前記副線路の結合に寄与する部分全体の幅とに差が設けられていることを特徴とする方向性結合器。
  5. 請求項1記載の方向性結合器において、
    前記主線路と前記接地面との間に前記主線路と並行にn本の線路が設けられ(nは2以上の整数)、当該n本の線路と前記接地面との間にn−1本の線路が設けられ、前記n本の線路と前記n−1本の線路とが、前記n本の線路上に流れる電流の向きが同一になるように接続されることで前記副線路が形成されることを特徴とする方向性結合器。
  6. 請求項1記載の方向性結合器において、
    前記副線路と並行にm本の線路が設けられ(mは2以上の整数)、前記副線路と前記接地面との間にm−1本の線路が設けられ、前記m本の線路と前記接地面との距離は前記副線路と前記接地面との距離よりも大きく、前記m本の線路と前記m−1本の線路とが、前記m本の線路上に流れる電流の向きが同一になるように接続されることで前記主線路が形成されることを特徴とする方向性結合器。
  7. 請求項1記載の方向性結合器において、
    前記主線路と前記副線路とは同一の多層基板の上もしくは内部に形成され、当該多層基板が搭載される親基板の上もしくは内部に前記接地面が配置されることを特徴とする方向性結合器。
  8. 接地面と複数の配線層からなるモジュール基板と、
    前記モジュール基板上に実装され、入力された送信信号を増幅して送信信号電力を出力する電力増幅器と、
    前記モジュール基板の複数の配線層内に形成され、前記送信信号電力が入力される主線路および前記主線路と電磁結合する副線路を含む方向性結合器と、
    前記モジュール基板上に実装され、前記副線路から取り出した信号を検波し、この検波した信号の大きさに応じて前記電力増幅器のゲインを調整する制御部とを具備してなり、
    前記副線路のループの周回面が前記接地面に対して垂直であり、
    前記主線路かつ/または前記副線路が少なくとも一巻以上のループを形成しており、前記ループが、該ループを垂直に貫くベクトルの主成分が前記接地面に対して水平になるように配置されることを特徴とする高周波回路モジュール。
  9. 請求項8記載の高周波回路モジュールにおいて、
    前記主線路と前記接地面との間に前記主線路と並行にn本の線路が設けられ(nは2以上の整数)、当該n本の線路と前記接地面との間にn−1本の線路が設けられ、前記n本の線路と前記n−1本の線路とが、前記n本の線路上に流れる電流の向きが同一になるように接続されることで前記副線路が形成されることを特徴とする高周波回路モジュール。
  10. 請求項8記載の高周波回路モジュールにおいて、
    前記副線路と並行にm本の線路が設けられ(mは2以上の整数)、前記副線路と前記接地面との間にm−1本の線路が設けられ、前記m本の線路と前記接地面との距離は前記副線路と前記接地面との距離よりも大きく、前記m本の線路と前記m−1本の線路とが、前記m本の線路上に流れる電流の向きが同一になるように接続されることで前記主線路が形成されることを特徴とする高周波回路モジュール。
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