JP2010261815A - クロノグラフ機構及びこれを備えたクロノグラフ時計 - Google Patents

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Abstract

【課題】クロノグラフ指針が分秒二つからなる場合に確実にセルフアラインメント機能を有し得ること。
【解決手段】クロノグラフ時計のクロノグラフ機構2は、分ハートカム及び秒ハートカムと、リセットボタンの押圧に応じて回動される復針伝えレバー構造体20と、復針レバー回動軸51と同心の被動歯車52並びに復針レバー回動軸の両側に延び被動歯車の回動に応じて復針レバー回動軸のまわりで回動される一対の復針レバー部53,54であって先端部に分ハンマー55及び秒ハンマー56を備えたものを具備する復針レバー構造体50と、復針伝えレバー構造体の回動に応じて回動され被動歯車を回動させる駆動歯車61を備えた復針レバー作動機構60とを有し、復針レバー構造体50の復針レバー回動軸51はその回動中心軸線C51が揺動可能で、揺動回動軸51の揺動を許容する弾性的な復針レバー押さえ手段70が設けられている。
【選択図】図5

Description

本発明はクロノグラフ機構及び該機構を備えたクロノグラフ時計に係る。
クロノグラフ機構及び該機構を備えたクロノグラフ時計は周知であり(例えば、非特許文献1)、時分秒の表示を行うようにしたクロノグラフ時計101として、図7から図9に示した構造を有するものも、知られている(特許文献1)。
クロノグラフ時計101は、地板110、クロノグラフ地板111及びクロノグラフ受112を備え、香箱車の回転に伴う二番車及び三番車(いずれも図示せず)の回転に応じて、四番車121及び分車122が回転される。四番車121は四番かなで三番車の三番歯車(いずれも図示せず)に噛合し、四番車121と同心の分車122は分歯車122aで三番車の三番かな(図示せず)に噛合している。
四番車121の四番真121aに取付けられた秒伝え車129から秒クロノグラフ中間車135(図7)を介して秒クロノグラフ車130の秒クロノグラフ歯車131に回転が伝えられる。秒クロノグラフ車130は、クロノグラフ時計101の中心に位置する回転中心軸線PCに沿って秒クロノグラフ真132を備え、該秒クロノグラフ真132には、クロノグラフ秒針133及び秒ハートカム134が取付けられる。秒クロノグラフ中間車135には中心PCから3時側にズレた位置において秒車123が結合され、該秒車123の秒真123aには小さい秒表示領域で動く小秒針の形態の秒針123b(図9)が取付けられる。
分車122は、複数の一体的な同軸の歯車部(大歯車部)及びかな部(小歯車部)からなる第二日の裏車124(図7)を介して、第二分車125及び筒車126に連結され、第二分車125の筒状の真125aには分針125bが取付けられ、これと同心の筒車126の大径筒状真126aには時針126bが取付けられている。114はリュウズである。115は文字板116の日表示窓116aを介して日付115aが表示される日車である。
第二日の裏車124は、そのひとつの歯車部(図示せず)で分クロノグラフ中間車141aに連結され、該分クロノグラフ中間車141aは別の分クロノグラフ中間車141bを介して分クロノグラフ車140に連結されている。分クロノグラフ車140は、クロノグラフ時計101の回転中心PCに対して時計の9時の方向に位置する回転中心軸線PCMに沿って分クロノグラフ真142を備え、該分クロノグラフ真142にはクロノグラフ分針143(図9)及び分ハートカム144が取付けられている。分クロノグラフ車140は、分クロノグラフ中間車141bに噛合した分クロノグラフ歯車145と分クロノグラフ真142との間に分クロノグラフ車クラッチリング(図示せず)を備え、該クラッチリングが時分発停レバー153によって規正されると、分クロノグラフ歯車145が回転しても分クロノグラフ真142は回転しない。
時クロノグラフ車180はクロノグラフ時計101の回転中心PCに対して時計の6時の方向において中心軸線PC,PCM間の距離と同程度の距離だけ中心軸線PCから離れたところに位置する回転中心軸線PCHに沿って時クロノグラフ真182を備え、該時クロノグラフ真182にはクロノグラフ時針183及び時ハートカム184が取付けられている。時クロノグラフ車180は、時クロノグラフ中間車186の歯車部186a,186bを介して筒車126につながっている。時クロノグラフ車180は、時クロノグラフ中間車186の歯車部186bに噛合した時クロノグラフ歯車185と時クロノグラフ真182との間に時クロノグラフ車クラッチリング187を備え、該クラッチリング187が時分発停レバー153によって規正されると、時クロノグラフ歯車185が回転しても時クロノグラフ真182は回転しない。なお、180aは時クロノグラフ車180のクラッチばね、180bは時クロノグラフ車180のクラッチばね止め座、180cは時クロノグラフ車180のクラッチばね受け座、180dは時クロノグラフ車180のクラッチばね止め座ピンである。
クロノグラフ機構102は、上記クロノグラフ関連輪列103に加えて、クロノグラフ作動機構104を有する。クロノグラフ作動機構104は、クロノグラフの発停に係る機構(クロノグラフ発停機構)105及びリセット(帰零)に係る機構(クロノグラフリセット(帰零)機構)106を含む。
クロノグラフ発停機構105は、発停(スタート・ストップ)ボタン151,第一及び第二作動レバー152a,152b(夫々、作動レバーA及び作動レバーBともいう),時分発停レバー153,秒関連の第一及び第二の発停レバー154a,154b(夫々、発停レバーA及び発停レバーBともいう)を含む。第一及び第二作動レバー152a,152bに関連して作動レバーばね152cが設けられ、第二発停レバー154bに関連して発停レバーばね154cが設けられる。クロノグラフ作動機構104は作動カム108及び停止レバー109と協働して動作し、ラチェット歯及び駆動歯を備えた作動カム108の回転は作動カムジャンパ108aで躍制される。
クロノグラフ機構102が停止状態にある際にクロノグラフ発停機構105の発停ボタン151が押されると、クロノグラフ計時動作(表示動作を含む(以下同))の開始が指示される。発停ボタン151の押圧に応じて、第一及び第二作動レバー152a,152bが回動して作動カム108が一ステップ回転されてクロノグラフ計時動作を許容する。作動カム108の一ステップの回転に応じて、第一及び第二発停レバー154a,154bが回動されて、秒クロノグラフ中間車135の回転を許容し、秒伝え車129から秒クロノグラフ中間車135を介して秒クロノグラフ車130に回転が伝達されて、秒クロノグラフ車130の回転によるクロノグラフ秒の計時が行われる。
また、作動カム108の一ステップの回転に応じて時分発停レバー153が回動されて、分クロノグラフ車140の分クロノグラフ真142及び時クロノグラフ車180の時クロノグラフ真182の回転を許容し、クロノグラフ分及びクロノグラフ時の表示を行わせる。
一方、クロノグラフ機構102がクロノグラフ計時動作中にクロノグラフ発停機構105の発停ボタン(スタート・ストップボタン)151が押されると、クロノグラフ計時動作の停止が指示される。すなわち、発停ボタン151の押圧に応じて、第一及び第二作動レバー152a,152bが回動して作動カム108が更に一ステップだけ回転されてクロノグラフ計時動作を停止させる。すなわち、作動カム108の一ステップの回転に応じて、一方では、第一及び第二発停レバー154a,154bが回動されて秒クロノグラフ中間車135の回転が不能にされ、他方では、時分発停レバー153が回動されて、分クロノグラフ車140の分クロノグラフ真142及び時クロノグラフ車180の時クロノグラフ真182の回転が不能にされる。また、作動カム108の前記一ステップの回転に応じて、作動カム108が停止レバー109を作動させて、秒クロノグラフ真132の回転を規正する。
クロノグラフリセット機構106は、リセット(帰零)ボタン161と、該リセットボタン161のPP1方向の押圧に応じてPE1方向に回動される第一復針伝えレバー(「復針伝えレバーA」ともいう)162と、該第一復針伝えレバー162のPE1方向回動によりPG1方向に回動される第二復針伝えレバー(「復針伝えレバーB」ともいう)163と、該第二復針伝えレバー163のPG1方向回動により概ねPK1方向に変位される復針レバー164とを有する。171はクリックばねである。
なお、第一復針伝えレバー162はPE1方向回動の際に停止レバー109に係合して該停止レバー109による秒クロノグラフ車130の回動規正を解除する。回動軸C163のまわりでPG1,PG2方向に回動可能な第二復針伝えレバー163は、先端側腕部163bの先端部にU字状の復針レバー作動部163cを備え、Uの凹部163dでピンに係合される。
復針レバー164は、全体として鳥が飛んでいるような形状で、頭部側腕部164a,胴尾部側腕部164b,両羽根側腕部164c,164dを有する。復針レバー164の頭部側腕部164aには、案内溝部165aが形成され、復針レバーの胴尾部腕部164bには案内溝部165aと協働して復針レバー案内部を構成する案内穴部165bが形成されている。この案内溝部165a及び案内穴部165bは、クロノグラフ地板111に突設された第一及び第二の復針レバーガイドピン166a,166bに嵌合している。第一及び第二の復針レバーガイドピン166a,166bの外周と案内溝部165a及び案内穴部165bの内面との間には僅かながら隙間がある。復針レバー164は、概ね、案内溝部165a及び案内穴部165bの延在方向に沿って、PK1,PK2方向に移動可能である。案内溝部165a及び案内穴部165bの夫々の一端には、該溝部165a及び穴部165bの他の部分よりも若干大径の溝部分及び穴部分が形成されている。従って、第一及び第二の復針レバーガイドピン166a,166bが、該大径溝部分及び大径穴部分内に位置する場合には、復針レバー164の向きも多少変動可能である。
復針レバー164の左羽根側腕部164cには、被作動ピンないし復針レバー作動ピン165cが突設され、該復針レバー作動ピン165cは、第二復針伝えレバー163の復針レバー作動部163cのU字状凹部163dに嵌合され、第二復針伝えレバー163のPG1方向回動に応じて、力PF(図示せず)を受けて、PK1方向に変位される。復針レバー164は、また、胴尾側腕部164bの先端部に秒ハンマー部ないし秒ハートカム接触部167aを備えると共に、左羽根側腕部164cの先端部に分ハンマー部ないし分ハートカム接触部167bを備え、更に、右羽根側腕部164dの先端部に時ハンマー部ないし時ハートカム接触部167cを備える。
リセットボタン161のPP1方向の押圧に応じて、第二復針伝えレバー163がPG1方向に回動されると、復針レバー作動ピン165cで復針レバー作動部163cによる力PF(図示せず)を受け、案内溝165a及び案内穴165bでガイドピン166a及び166bに案内されてPK1方向に変位された復針レバー164は、秒ハートカム接触部167aで秒ハートカム134に当接ないし圧接すると共に分ハートカム接触部167bで分ハートカム144に当接ないし圧接し、時ハートカム接触部167cで時ハートカム184に当接ないし圧接する。この当接状態ないし圧接状態が達成される際には、ガイドピン166a及び166bが、丁度、案内溝165a及び案内穴165bの大径の溝部分及び大径の穴部分内に位置するので、復針レバー164の接触部167a,167b,167cが対応するハートカム134,144,184の最小径部に丁度当接ないし圧接する状態が実現される。このとき、第二復針伝えレバー163の復針レバー作動部163cが復針レバー作動ピン165cを介して復針レバー163を押す力PF(図示せず)は、丁度、秒ハートカム134が秒ハートカム接触部167aで復針レバー164を押す力PF1(図示せず)と、分ハートカム144が分ハートカム接触部167bで復針レバー164を押す力PF2(図示せず)と、時ハートカム184が時ハートカム接触部167cで復針レバー164を押す力PF3(図示せず)との合力と丁度釣り合い、且つ四つの力PF,PF1,PF2,PF3(いずれも図示せず)が復針レバー164に与えるトルクは、実際上釣り合うか、多少のアンバランスがあっても、案内溝165a及び案内穴165の大径の溝部分及び大径の穴部分の周壁がガイドピン166a及び166bを支える力に起因するトルクで相殺され、復針レバー164は静止状態に保たれ得る。この状態では、復針レバー164は、秒ハートカム接触部167a、分ハートカム接触部167b及び時ハートカム接触部167cで、秒ハートカム134、分ハートカム144及び時ハートカム184を介して、秒クロノグラフ車130、分クロノグラフ車140及び時クロノグラフ車180を帰零させる。すなわち、特許文献1のクロノグラフ時計101では、以上のようにして、復針レバー164自体の位置が自動的に位置調整(セルフアラインメント)され得るので、三つのハートカム134,144,184を確実に且つ同時に位置調整し得る。
しかしながら、この特許文献1で提案のクロノグラフ時計は、三つ(時,分,秒)のクロノグラフ指針を同時に帰零させるものであって、クロノグラフ指針が二つ(分,秒)である場合には、適用できない。すなわち、特許文献1で提案されているクロノグラフ時計では復針レバーが三つのハートカムから受ける力が、該復針レバーに加えられる力と釣合うので、該特許文献1で提案されているクロノグラフ時計の具体的な構造をそのままにして、例えば、時クロノグラフ真や時クロノグラフ指針を取り除くと、復針レバーが受ける力のバランスが取れなくなり、自己位置調整機能(セルフアラインメント機能)が働かなくなる。
特開2004−294277号公報
スイス時計大学編「時計学理論(The Theory of Horology)」英語版第2版,2003年4月,p232,233,236
本発明は前記した点に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、クロノグラフ指針が分秒二つだけからなる場合において、確実に自己位置調整機能(セルフアラインメント機能)を有し得るクロノグラフ機構及び該機構を備えたクロノグラフ時計を提供することにある。
本発明のクロノグラフ機構は、前記目的を達成すべく、分ハートカム及び秒ハートカムと、リセットボタンの押圧に応じて回動される復針伝えレバー構造体と、中心軸線のまわりで回動可能な復針レバー回動軸、該復針レバー回動軸と同心被動歯車並びに復針レバー回動軸の両側に延び被動歯車の回動に応じて復針レバー回動軸のまわりで回動される一対の復針レバー部であって先端部の側面に分及び秒ハートカムを叩いてクロノグラフ分針及びクロノグラフ秒針を帰零させる分ハンマー及び秒ハンマーを備えたものを具備する復針レバー構造体と、前記復針伝えレバー構造体の回動に応じて回動され被動歯車を回動させる駆動歯車を備えた復針レバー作動機構とを有するクロノグラフ機構であって、復針レバー構造体の復針レバー回動軸はその回動中心軸線が揺動可能な揺動回動軸からなり、リセットボタンの押圧に応じて復針伝えレバー構造体及び復針レバー作動機構を介して被動歯車が回動された際に、分ハンマー及び秒ハンマーのうちの一方のハンマーが対応する分ハートカム又は秒ハートカムに当接し他方のハンマーと対応する分ハートカム又は秒ハートカムとの間に小間隙が残る場合に、当接した前記一方ハンマーが対応するハートカムを押す力の反力と駆動歯車が噛合部において被動歯車に加える回動力との合力の作用下で前記揺動回動軸が揺動されて前記他方のハンマーと対応するハートカムとの間の前記小間隙がなくなるように、前記揺動回動軸の揺動を許容する弾性的な復針レバー押さえ手段を更に有する。
本発明のクロノグラフ機構では、特に、「復針レバー構造体の復針レバー回動軸はその回動中心軸線が揺動可能な揺動回動軸からなり」、且つ「揺動回動軸の揺動を許容する弾性的な復針レバー押さえ手段が設けられている」ので、「リセットボタンの押圧に応じて、復針伝えレバー構造体及び復針レバー作動機構を介して被動歯車が回動された際に、分ハンマー及び秒ハンマーのうちの一方のハンマーが対応する分ハートカム又は秒ハートカムに当接し他方のハンマーと対応する分ハートカム又は秒ハートカムとの間に小間隙が残る場合に、当接した前記一方ハンマーが対応するハートカムを押す力の反力と駆動歯車が噛合部において被動歯車に加える回動力との合力の作用下で前記揺動回動軸が揺動されて、前記他方のハンマーと対応するハートカムとの間の前記小間隙がなくなる」。
即ち、本発明のクロノグラフ機構では、「復針レバー構造体の復針レバー回動軸はその回動中心軸線が揺動可能な揺動回動軸からなり」、且つ「揺動回動軸の揺動を許容する弾性的な復針レバー押さえ手段が設けられている」ので、「当接した前記一方ハンマーが対応するハートカムを押す力の反力と駆動歯車が噛合部において被動歯車に加える回動力との合力が揺動回動軸を揺動させて前記他方のハンマーを対応するハートカムに圧接させて前記他方のハンマーに対応するハートカムのクロノグラフ車を自動的に帰零させる」セルフアラインメント(自己位置調整)機能が備わっていることになる。それ故、本発明のクロノグラフ機構では、製造公差を考慮してもハンマーの調整が実際上不要である。
ここで、「復針レバー押さえ手段」について、「弾性的」であるとは、復針レバー押さえ手段が、揺動回動軸を支えつつ該揺動回動軸の揺動を許容する程度に非剛性であることをいう。また、この「復針レバー押さえ手段」について、「弾性的」であるとは、復針レバー押さえ手段が、更に、帰零動作が完了した後強制帰零の解除(ハンマーのハートカムからの分離)が行われると、揺動回動軸を揺動状態から非揺動状態に戻す(弾性的に復元させる)働きをすることをいう。
また、「復針レバー回動軸」について、「揺動」とは、典型的には、該回動軸の中心軸線の向きが変るように、該回動軸の中心軸線が傾く(傾動する)ことをいう。但し、ここで、「揺動」は、傾動に限られず、中心軸線の向きが一定に保たれたまま該中心軸線の位置が例えば曲線状に平行移動(例えば、回動軸が両端のほぞ部で長穴に沿って移動)してもよい。更に、回動軸の中心軸線の位置が変りつつ且つ向きも変ってもよい。
本発明のクロノグラフ機構では、典型的には、前記弾性的な復針レバー押さえ手段が、揺動された前記揺動回動軸を非揺動位置に復帰させる作用をする。
その場合、強制的な帰零が解除されると、復針レバー構造体の復針レバー回動軸が、復針レバー押さえ手段の弾性力の作用下で、揺動位置から非揺動位置に戻る。
本発明のクロノグラフ機構では、典型的には、前記弾性的な復針レバー押さえ手段が、基端部で駆動歯車の回動軸に取付けられたフォーク状の揺動回動軸押さえからなり、フォークの腕部を構成する一対のアーム部が弾性を有する。
その場合、復針レバー回動軸の一端側のほぞ部を穴石の如き軸受で支持し他端側のほぞ部をフォーク状の揺動回動軸押さえで回動可能に且つ弾性的に支持することにより、復針レバー回動軸を傾動可能に支持して、セルフアラインメント可能にし得る。
本発明のクロノグラフ機構では、典型的には、前記揺動回動軸の揺動は該回動軸の回動中心軸線が受部材に対して傾動することからなる。
その場合、比較的簡単な構造でセルフアラインメント可能にし得る。受部材は、地板や受等からなる。但し、前述のように、前記揺動回動軸の揺動は、傾動の代わりに、中心軸線の向きが一定に保たれたまま該中心軸線の位置が例えば曲線状に平行移動(例えば、回動軸が両端のほぞ部で長穴に沿って移動)するものであってもよい。更に、回動軸の中心軸線の位置が変りつつ且つ向きも変るものであってもよい。
本発明のクロノグラフ機構では、典型的には、復針伝えレバー構造体が、リセットボタンの押圧に応じて回動される第一の復針伝えレバーと該第一の復針伝えレバーの回動に応じて回動される第二の復針伝えレバーとを有する。
その場合、リセット(帰零)ボタンの押圧に応じて、第一の復針伝えレバーが回動され、該第一の復針伝えレバーの回動に応じて第二の復針伝えレバーが回動されることにより、復針レバー作動機構の駆動歯車が回動され、該駆動歯車が被動歯車を回動させて、復針レバー構造体に帰零動作を行わせる。
本発明のクロノグラフ機構では、典型的には、第二の復針伝えレバーが扇形歯車を備え、復針レバー作動機構の駆動歯車が該扇形歯車に噛合している。
その場合、リセット(帰零)ボタンの押圧に伴う第一の復針伝えレバーの回動に応じて第二の復針伝えレバーの扇形歯車が回動されることにより、復針レバー作動機構の駆動歯車が回動され、該駆動歯車が被動歯車を回動させて、復針レバー構造体に帰零動作を行わせる。但し、駆動歯車が扇形歯車からなっていてもよい。
本発明のクロノグラフ機構では、典型的には、前記リセットボタンがクロノグラフ時計の4時の位置にあり、秒ハートカムが時計の中心にあって、分ハートカムが時計の8時から9時の間の位置にある。
その場合、従来の時分秒のクロノグラフ表示をするクロノグラフ時計から時クロノグラフ表示を取り除いたのと実際上同様な外観を有するので、その内部構造も最低限の変更で実現され得る。
本発明のクロノグラフ時計は、上述のようなクロノグラフ機構を備える。
従って、本発明のクロノグラフ時計では、クロノグラフ指針が分秒二つだけからなる場合において、確実に自己位置調整機能(セルフアラインメント機能)を有し得るので、ハンマーの調整が実際上不要である。
本発明の好ましい一実施例のクロノグラフ機構を備えた本発明の好ましい一実施例のクロノグラフ時計の平面説明図。 図1のクロノグラフ時計のクロノグラフ機構のうち復針伝え機構及び復針レバーと分ハートカム及び秒ハートカムとの関係を拡大して示した平面説明図(クロノグラフ分及びクロノグラフ秒の帰零動作が完了した状態で間隙が誇張して示されている)。 図1のクロノグラフ機構の一部についての断面説明図。 図1のクロノグラフ時計の概観の説明図。 図1のクロノグラフ機構のうち図2の復針伝え機構及び復針レバーと分ハートカム及び秒ハートカムとの動作状態を示したもので、(a)は帰零動作開始前の状態を示した説明図、(b)は帰零動作の途中の状態を示した説明図、(c)はセルフアラインメント動作が行われた状態を示した説明図。 図1のクロノグラフ機構のうち復針伝え機構及び復針レバーの動作状態を断面図で示したもので、(a)は帰零動作開始前の状態を示した断面説明図、(b)はセルフアラインメントを伴う帰零動作が行われた状態を示した断面説明図。 従来のクロノグラフ時計についての図1と同様な平面説明図。 従来のクロノグラフ時計についての断面説明図。 従来のクロノグラフ時計についての図4と同様な概観説明図。
本発明の好ましい一実施の形態を添付図面に示した好ましい実施例に基づいて説明する。
本発明の好ましい一実施例のクロノグラフ時計1は、図4の外観図に示したように、中心軸線Cのまわりで回転するクロノグラフ秒針31と、概ね8時の位置において中心軸線CMのまわりで回転するクロノグラフ分針41とを有する。クロノグラフ時計1は、また、通常の時刻表示を行う小秒針81と分針82と時針83とを有すると共に日表示84を有する。この例では、小秒針81は、3時の位置にある。なお、11はスタート・ストップ(発停)ボタン、21はリセット(帰零)ボタン、85はリュウズである。
クロノグラフ時計1のクロノグラフ機構2は、図4に加えて図1にその一部を平面図で示したように、スタート・ストップ(発停)動作に係るクロノグラフスタート・ストップ(発停)機構3とリセット(帰零)動作に係るクロノグラフリセット(帰零)機構ないしクロノグラフ帰零構造4とを有する。
概ね4時半の位置に回転中心C8がある作動カム8は、外周に偶数個のラチェット歯8aを備えると共に一側面8bにその半数の三角形の駆動歯8cを備える。作動カム8の回転位置は、ラチェット歯8aに対して躍制動作を行う作動カムジャンパ8jによって規定される。
クロノグラフ時計1のクロノグラフ計時が停止されている際に、クロノグラフ機構2のスタート・ストップボタン11がA1方向に押圧されると、第一作動レバー(通常は、作動レバーAと称する)12が想像線12iで示したように回動中心C12のまわりでB1方向に回動され、それに応じて第二作動レバー(通常は、作動レバーBと称する)13が想像線13iで示したように揺動され、先端の作動爪部14で作動カム8のラチェット歯8aに係合して作動カム8をラチェット歯8aの一歯分だけ回転中心C8のまわりでD1方向に回転させる。作動カム8の回転に応じて、該作動カム8の駆動歯8cによってクロノグラフ発停機構3の発停レバー48(図3)その他の関連部材(図示せず)が作動され、クロノグラフ計時が開始又は再開され、クロノグラフ時計1のクロノグラフ秒針31及びクロノグラフ分針41の運針が行われる。
一方、クロノグラフ計時が行われてクロノグラフ秒針31及びクロノグラフ分針41の運針が行われている際に、スタート・ストップボタン11が再度A1方向に押圧されると、第一作動レバー12が想像線12iで示したように回動中心C12のまわりでB1方向に回動され、第二作動レバー13が想像線13iで示したように揺動され、先端の作動爪部14で作動カム8のラチェット歯8aに係合して作動カム8をラチェット歯8aの一歯分だけ更にD1方向に回転させる。作動カム8の回転に応じて、該作動カム8の駆動歯8cによりクロノグラフ発停機構3の発停レバー48(図3)その他の関連部材(図示せず)が作動され、クロノグラフ計時が停止され、クロノグラフ時計1のクロノグラフ秒針31及びクロノグラフ分針41の運針が停止される。
以上のようなクロノグラフ発停機構3による発停動作自体は、例えば、特許文献1に記載され、且つ部分的にはこの明細書の先行技術の説明の欄で図7や図8として示したとおりであり、一般的には周知であるので、ここでは、関連機構の図示及び説明は省略する。
次に、クロノグラフ機構2のうちクロノグラフリセット(帰零)機構4について、しかも該クロノグラフリセット機構4のうち帰零指示に係る強制帰零機構5に限って、説明する。
図1からわかるとおり、クロノグラフ秒針31が取付けられた秒クロノグラフ真32には秒ハートカム33が取付けられ、クロノグラフ分針41が取付けられた分クロノグラフ真42には分ハートカム43が取付けられている。なお、34は秒クロノグラフ車、44は分クロノグラフ車である。
クロノグラフ帰零機構ないしクロノグラフ帰零構造4は、秒及び分ハートカム33,43に加えて、復針伝えレバー構造体20と、復針レバー構造体50と、復針レバー作動機構60と、弾性的な復針レバー押さえ手段70とを有する。
復針伝えレバー構造体20は、この例では、第一の復針伝えレバー22と第二の復針伝えレバー23とを含む。
第一の復針伝えレバー22(通常は、復針伝えレバーAと称する)は、ほぼ5時の位置にある中心軸線C22のまわりでE1,E2方向に回動可能で、リセットボタン21に対面する位置に基端側腕部22aを備える。第一の復針伝えレバー22は、リセットボタン21がP1方向に押圧されると、図1において実線で示した位置から想像線22iで示した位置にE1方向に回動される。
第二の復針伝えレバー23(入力側部分は、通常、復針伝えレバーBと称されるものと同様な構造を有する)は、ほぼ6時半の位置にある中心軸線C23のまわりでG1,G2方向に回動可能で、入力側腕部23a及び出力側腕部23cを有する。第二の復針伝えレバー23は、入力側腕部23aの長穴23bで第一の復針伝えレバー22の腕部22bのピン22cに係合している。ここで、ピン22cは、ほぼ6時の位置にある。第二の復針伝えレバー23は、リセットボタン21のP1方向押圧に応じて第一の復針伝えレバー22が実線位置からE1方向に回動されると、図1において実線で示した位置から想像線23iで示した位置にG1方向に回動される。第二の復針伝えレバー23は、出力側腕部23cの先端部に扇形歯車23dを備える。
復針レバー構造体50は、揺動回動軸としての傾動回動軸51と、被動歯車52と、一対の復針レバー部53,54とを有する。
傾動回動軸51は、揺動としての傾動が可能で且つ回動可能である。被動歯車52は、該傾動回動軸51と同心で該傾動回動軸51の回動中心軸線C51のまわりで回転される。被動歯車52は、復針レバー部53,54に固定されている限り、傾動回動軸51に固定されていても該回動軸51に対して相対回動可能であってもよい。回動中心軸線C51自体は、揺動可能である。復針レバー部53,54は、先端部53a,54aの側面53b,54bに分及び秒ハートカム43,33を叩いてクロノグラフ分針41及びクロノグラフ秒針31を帰零させる分ハンマー55及び秒ハンマー56を備える。
復針レバー作動機構60は、中心軸線C62のまわりで回動される回動軸62に取付けられた駆動歯車61を有する。駆動歯車61は、復針レバー構造体50の被動歯車52に噛合していると共に、復針伝えレバー構造体20の第二の復針伝えレバー23の扇形歯車23dに噛合している。
従って、リセットボタン21の押圧に応じて、第二の復針伝えレバー23がG1,G2方向に回動されると、復針レバー作動機構60の駆動歯車61がH1,H2方向に回動されて、被動歯車52及び復針レバー部53,54を含む復針レバー構造体50を傾動回動軸51のまわりで、J1,J2方向に回動させる。
復針レバー構造体50の揺動回動軸51は、一端のほぞ部51aで軸受ないし穴石9aを介してクロノグラフ地板9に回転自在に支持され、他端の大径ほぞ部51bにおいて、復針レバー押さえ70によって弾性的に支持される。
弾性的な復針レバー押さえ手段としての復針レバー押さえ70は、基端部71で駆動歯車61の回動軸62に取付けられたフォーク状体ないしフォーク72からなり、フォーク72の腕部を構成する一対のアーム部73,74が弾性を有し、該弾性腕部73,74の先端部75,76で軸受として揺動回動軸51の端部のほぞ部51bを抱え込むように回転自在に支持している。なお、先端部75,76は、ほぞ部51bの周面51cに対面する面に円弧状凹部75a,76aを有する。
次に、以上の如く構成されたクロノグラフ時計1のクロノグラフ機構2におけるクロノグラフリセット機構4の強制帰零機構5の操作及び動作について、図1〜図4に加えて図5の(a)〜(c)並びに図6の(a)及び(b)に基づいて、詳しく説明する。
スタート・ストップボタンの押圧により、クロノグラフ機構2の発停機構3が動作して、クロノグラフ計時を行ったり該クロノグラフ計時が停止されている場合には、リセットボタン21が非押圧状態であって、復針伝えレバー構造体20の第一の復針伝えレバー22がE2方向に回動された位置(図1の実線位置)を採り、第二の復針伝えレバー23がG2方向に回動された位置(図1の実線位置)を採る。従って、復針レバー作動機構60の駆動歯車61が、図5の(a)に示したように、H2方向に回動した非帰零作動位置を採り、復針レバー構造体50の被動歯車52及び復針レバー部53,54が、J2方向に回動した非帰零作動位置を採る。その結果、分ハンマー55及び秒ハンマー56は、対応する分ハートカム43及び秒ハートカム33から離れた位置にあって、分クロノグラフ真42及び秒クロノグラフ真32の回転を規制しない。
この状態では、図3や図6の(a)に示したように、復針レバー構造体50の傾動回動軸51は、クロノグラフ地板9の軸受9aと復針レバー押さえ70のフォーク状体72のアーム部73,74の先端部75,76の円弧状部75a,76aとによって実際上回転自在に支持され、クロノグラフ地板9に対して実際上垂直な非傾動中心軸線C51nの周りでJ2方向に回動される。すなわち、復針レバー押さえ70は、基端部71で回動軸62に取付けられたフォーク状体72がアーム部73,74の先端円弧状部75a,76aで傾動回動軸51の大径ほぞ部51bに係合されているので、回動軸62,51間の間隔が実際上一定に保たれるから、傾動回動軸51の中心軸線C51はクロノグラフ地板9に対して垂直な一定の状態C51n(非揺動位置としての非傾動位置Qn)に保たれ得る。
この状態(典型的には、停止状態)において、リセットボタン21がP1方向に押圧されると、復針伝えレバー構造体20の第一の復針伝えレバー22がE1方向に回動され、第二の復針伝えレバー23がG1方向に回動され、該第二の復針伝えレバー23の扇形歯車23dもG1方向に回動されるので、復針レバー作動機構60の駆動歯車61がH1方向に回動され、復針レバー構造体50の被動歯車52及び復針レバー部53,54が、J1方向に回動されて、分及び秒ハンマー55,56のうちのいずれか一方が先に対応するハートカム43,33に当る。
ここでは、図5の(b)に示したように、秒ハンマー56が先に対応する秒ハートカム33に当るとする。このように、秒ハンマー56が秒ハートカム33に当った状態では、図5の(b)に示したように、分ハンマー55と分ハートカム43との間には、間隙gmが残る。従って、秒ハートカム33のある秒クロノグラフ真32に取付けられたクロノグラフ秒針31が帰零されるけれども、分ハートカム43のある分クロノグラフ真42に取付けられたクロノグラフ分針41は、完全には帰零されない。
部品の製造公差を考慮すると、部品の単純な組付けを行うだけでは、一方のハンマーが対応するハートカムを叩いて帰零させても他方のハンマーと対応するハートカムとの間に間隙gmが残るような状態は、通常は、実際上避け難い。
なお、図5の(b)の状態においては、復針レバー構造体50の傾動回動軸51は、復針レバー押さえ70のフォーク状体72のアーム部73,74の先端円弧状部75a,76aに係合された状態に保たれ得るから、傾動回動軸51の回転中心軸線C51は、図6の(a)に示したように、クロノグラフ地板9に対して垂直な状態C51nに保たれる。
ところで、この図5の(b)の状態では、秒ハンマー56が秒ハートカム33に圧接されて該秒ハートカム33をその秒クロノグラフ真32の回動中心軸線Cに向かう方向に押していることから、秒ハンマー56は、該押圧力の反作用として力F1を秒ハートカム33から受ける。この力F1は、復針レバー構造体50の復針レバー部53,54の延在方向に対して直交する向きである。
また、この図5の(b)の状態では、復針レバー作動機構60の駆動歯車61に噛合した復針レバー構造体50の被動歯車52が噛合部においてJ1方向の回転駆動力を受ける際に、実際上接線方向に力F2を受ける。
その結果、図5の(b)のように、秒ハンマー56が秒ハートカム33を帰零させた状態(分ハンマー55と分ハートカム43との間には間隙gmが残っている状態(分ハートカム43が帰零位置を採る場合には間隙gmが残る状態))では、復針レバー構造体50には、全体として、力F1,F2のベクトル和である合力FAが働く。すなわち、図5の(b)に示したこの状態では、分ハンマー55には分ハートカム43からの力が働いていないので、復針レバー部53,54の延在方向に直交する方向に働く力は、秒ハートカム33が秒ハンマー56を押す力F1だけである(但し、歯車61,52の噛合に係る力は除く)。
この力FAの故に、傾動回動軸51は、図6の(b)に示したように、中心軸線C51が非傾動状態の線C51nから傾動状態の線C51sへとFA方向に傾いた揺動位置としての傾動位置Qs(図6の(b)では角度θだけ傾いている)を採り、このように傾いた傾動回動軸51の大径ほぞ部51bが復針レバー押さえ70のフォーク状体72のアーム部73,74の先端部75,76をFA方向に押す。
復針レバー押さえ70のフォーク状体72のアーム部73,74は弾性を有するので、傾動回動軸51の大径ほぞ部51bから力FAを受けるアーム部74が多少逃げるように撓み、傾動回動軸51の大径ほぞ部51bから力FAの方向に変位され、復針レバー部53及びその先端の一側部の分ハンマー55が分ハートカム43に圧接されて、分ハートカム43を帰零させる(図5の(c))。
すなわち、この場合、分ハンマー55と(帰零位置を採る)分ハートカム43との間に間隙gmが残る限り、力F1に起因するアンバランスな力FAが復針レバー構造体50の傾動回動軸51に働くので、該アンバランスな力FAに従って傾動回動軸51が変位されて、分ハートカム43の帰零が実際上自動的に行われる。即ち、復針レバー構造体50が、秒ハートカム33及び分ハートカム43に対して自動的に整列されるセルフアラインメント(自己位置調整ないし自己位置合わせ)が達成される。
なお、このようなセルフアラインメントによる帰零が行われた状態では、図2に拡大して示したように、復針レバー押さえ70のフォーク状体72の一方のアーム部74を弾性的に撓ませつつ傾動回動軸51がF1方向に変位していることから、傾動回動軸51の大径ほぞ部51bと他方のアーム部73の先端部75との間、より詳しくは傾動回動軸51の大径ほぞ部51bの周面51cと該先端部75の円弧状凹部75aとの間には、多少間隙gsが生じることになる。
ここで、フォーク状体72のアーム部74に生じた弾性変形力は、リセットボタン21の押圧を解除した状態でも元に戻らない程度には十分に小さい。
なお、以上においては、分ハンマー55と分ハートカム43との間の圧接が生じる前に秒ハンマー56と秒ハートカム33との間に圧接が生じて、分ハンマー55と分ハートカム43との間に当初は間隙gmが残る例について説明したけれども、その代わりに、逆であってもよい。即ち、秒ハンマー56と秒ハートカム33との間の圧接が生じる前に分ハンマー55と分ハートカム43との間に圧接が生じて、秒ハンマー56と秒ハートカム33との間に当初間隙gmが残る場合にも、同様に機能する。
以上の如く構成されたクロノグラフ帰零機構4の強制帰零機構5では、形状等を多少変更すれば分クロノグラフ車44の位置は概ね8時から9時の間で調整可能であることを考慮して図1と図7とを対比すればわかるように、時分秒の三つのクロノグラフ指針を強制帰零させる場合と比較して、概ね時クロノグラフ表示並びに時分秒の三つのクロノグラフ指針の帰零に係る第二の復針伝えレバー及び復針レバーが占有していた領域に、第二復針伝えレバー23、復針レバー作動機構60及び復針レバー押さえ70並びに復針レバー構造体50を配置するだけで実際上他の時計部品の形状や配置を設計し直すことなくして、時分秒の三つのクロノグラフ表示用のクロノグラフ時計を分秒の二つのクロノグラフ表示用のクロノグラフ時計に最低限のコストで変更することも可能である。
1 クロノグラフ時計
2 クロノグラフ機構
3 クロノグラフスタート・ストップ(発停)機構
4 クロノグラフリセット(帰零)機構(クロノグラフ帰零構造)
5 強制帰零機構
8 作動カム
8a ラチェット歯
8b 側面
8c 駆動歯
8j 作動カムジャンパ
9 クロノグラフ地板
9a 軸受
11 スタート・ストップ(発停)ボタン
12 第一作動レバー(作動レバーA)
12i 回動位置
13 第二作動レバー(作動レバーB)
13i 回動位置
14 作動爪部
20 復針伝えレバー構造体
21 リセット(帰零)ボタン
22 第一の復針伝えレバー(復針伝えレバーA)
22a 基端側腕部
22b 腕部
22c ピン
22i 回動位置
23 第二の復針伝えレバー(復針伝えレバーB)
23a 入力側腕部
23b 長穴
23c 出力側腕部
23d 扇形歯車
31 クロノグラフ秒針
32 秒クロノグラフ真
33 秒ハートカム
34 秒クロノグラフ車
41 クロノグラフ分針
42 分クロノグラフ真
43 分ハートカム
44 分クロノグラフ車
48 発停レバー
50 復針レバー構造体
51 傾動回動軸(揺動回動軸)
51a 小径ほぞ部
51b 大径ほぞ部
51c 周面
52 被動歯車
53,54 復針レバー
53a,54a 先端部
53b,54b 側面
55 分ハンマー
56 秒ハンマー
60 復針レバー作動機構
61 駆動歯車
62 回動軸
70 復針レバー押さえ(弾性的な復針レバー押さえ手段)
71 基端部
72 フォーク状体
73,74 アーム部
75,76 先端部
75a,76a 円弧状凹部
81 小秒針
82 分針
83 時針
85 リュウズ
A1 押圧方向
B1,D1,E1,E2,G1,G2,H1,H2,J1,J2 回動方向
C,CM,C8,C12,C22,C23,C51,C62 中心軸線
C51n 非傾動中心軸線
C51s 傾動中心軸線
gm,gs 間隙
Qn 非傾動位置(非揺動位置)
Qs 傾動位置(揺動位置)

Claims (8)

  1. 分ハートカム及び秒ハートカムと、
    リセットボタンの押圧に応じて回動される復針伝えレバー構造体と、
    中心軸線のまわりで回動可能な復針レバー回動軸、該復針レバー回動軸と同心の被動歯車並びに復針レバー回動軸の両側に延び被動歯車の回動に応じて復針レバー回動軸のまわりで回動される一対の復針レバー部であって先端部の側面に分及び秒ハートカムを叩いてクロノグラフ分針及びクロノグラフ秒針を帰零させる分ハンマー及び秒ハンマーを備えたものを具備する復針レバー構造体と、
    前記復針伝えレバー構造体の回動に応じて回動され被動歯車を回動させる駆動歯車を備えた復針レバー作動機構と
    を有するクロノグラフ機構であって、
    復針レバー構造体の復針レバー回動軸はその回動中心軸線が揺動可能な揺動回動軸からなり、
    リセットボタンの押圧に応じて復針伝えレバー構造体及び復針レバー作動機構を介して被動歯車が回動された際に、分ハンマー及び秒ハンマーのうちの一方のハンマーが対応する分ハートカム又は秒ハートカムに当接し他方のハンマーと対応する分ハートカム又は秒ハートカムとの間に小間隙が残る場合に、当接した前記一方ハンマーが対応するハートカムを押す力の反力と駆動歯車が噛合部において被動歯車に加える回動力との合力の作用下で前記揺動回動軸が揺動されて前記他方のハンマーと対応するハートカムとの間の前記小間隙がなくなるように、前記揺動回動軸の揺動を許容する弾性的な復針レバー押さえ手段を更に有する
    クロノグラフ機構。
  2. 前記弾性的な復針レバー押さえ手段が、揺動された前記揺動回動軸を非揺動位置に復帰させる作用をする請求項1に記載のクロノグラフ機構。
  3. 前記弾性的な復針レバー押さえ手段が、基端部で駆動歯車の回動軸に取付けられたフォーク状の揺動回動軸押さえからなり、フォークの腕部を構成する一対のアーム部が弾性を有する請求項1又は2に記載のクロノグラフ機構。
  4. 前記揺動回動軸の揺動は該回動軸の回動中心軸線が受部材に対して傾動することからなる請求項1から3までのいずれか一つの項に記載のクロノグラフ機構。
  5. 復針伝えレバー構造体が、リセットボタンの押圧に応じて回動される第一の復針伝えレバーと該第一の復針伝えレバーの回動に応じて回動される第二の復針伝えレバーとを有する請求項1から4までのいずれか一つの項に記載のクロノグラフ機構。
  6. 第二の復針伝えレバーが扇形歯車を備え、復針レバー作動機構の駆動歯車が該扇形歯車に噛合している請求項5に記載のクロノグラフ機構。
  7. 前記リセットボタンがクロノグラフ時計の4時の位置にあり、秒ハートカムが時計の中心にあって、分ハートカムが時計の8時から9時の間の位置にある請求項1から6までのいずれか一つの項に記載のクロノグラフ機構。
  8. 請求項1から7までのいずれか一つの項に記載のクロノグラフ機構を備えたクロノグラフ時計。
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