JP2010261007A - ポリマー安定剤及びポリマー組成物の製造方法 - Google Patents

ポリマー安定剤及びポリマー組成物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】粉立ちの発生が抑制されたポリマー安定剤を提供する。
【解決手段】式(1)
Figure 2010261007

(式中、R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基等を表し、R3は水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表す。Xは、単結合、硫黄原子、酸素原子、炭素数1〜8のアルキリデン基等を表す。)で示され、示差走査熱量測定(DSC)による吸熱ピークが15〜25℃であり、25℃でのシクロヘキサンに対する溶解速度が5mg/sec以上である非晶性化合物を含有することを特徴とするポリマー安定剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリマー安定剤及びポリマー組成物の製造方法等に関する。
ポリマー安定剤は、熱可塑性ポリマー(例えば、ポリブタジエン等)等のポリマーに熱、光及び酸素などに対する安定性を付与するものであり、ポリマーに含有させて用いられる。該ポリマー安定剤の有効成分として、下記式で示される化合物が知られており、当該化合物は粉末状の結晶として得られることも知られている(例えば、特許文献1参照)。
Figure 2010261007
上記化合物を有効成分として含有するポリマー安定剤は、炭化水素溶媒に溶解された後、溶解物としてポリマーに配合されることにより、ポリマー組成物が製造されている。
特開平10−273494号公報
上記化合物を有効成分として含有するポリマー安定剤は微粉末であることから、ポリマー組成物を製造するために使用される「当該ポリマー安定剤と炭化水素溶媒とからなる溶解物」を調製する工程等の「当該ポリマー安定剤を取り扱う際」に、粉立ちが生じることがあり、粉立ちの発生が抑制されたポリマー安定剤が求められている。
このような状況下、本発明者らは鋭意検討した結果、本発明に至った。
即ち、本発明は、
1. 式(1)
Figure 2010261007
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数5〜8のシクロアルキル基を表し、R3 は水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表す。Xは、単結合、硫黄原子、酸素原子、炭素数1〜8のアルキリデン基又は炭素数5〜8のシクロアルキリデン基を表す。)
で示され、示差走査熱量測定(DSC)による吸熱ピークが15〜25℃であり、下記の試験系において25℃でのシクロヘキサンに対する溶解速度が5mg/sec以上である非晶性化合物(以下、本非晶性化合物と記すこともある。)を含有することを特徴とするポリマー安定剤(以下、本発明ポリマー安定剤と記すこともある。)

<溶解速度に係る試験系>
25℃で、50gのシクロヘキサン入り容器(容量:100ml、外径:55mm、高さ:70mm)に3gの被験物質を入れ、38mm径ファン型攪拌翼を100rpmの回転数で回転させ、前記被験物質が溶解するまでの時間を測定する。;
2. CuKαスペクトルを用いたX線回折測定において図2記載のX線回折パターンで示される原子配列状態であることを特徴とする前項1記載のポリマー安定剤;
3. 式(1)において、R及びRがt−ペンチル基であり、Rが水素原子であり、Xがエチリデン基であることを特徴とする前項1又は2記載のポリマー安定剤;
4. 式(1)において、Rがt−ブチル基であり、Rがメチル基であり、Rが水素原子であり、Xがメチレン基であることを特徴とする前項1又は2記載のポリマー安定剤;
5. 形状が粒状であることを特徴とする前項1〜5のいずれか記載のポリマー安定剤;
6. 前項1〜5のいずれかの前項に記載されるポリマー安定剤を炭化水素溶媒に溶解する第1工程と、第1工程で得られた溶解物をポリマーに配合する第2工程とを含むことを特徴とするポリマー組成物(以下、本ポリマー組成物と記すこともある。)の製造方法;
7. ポリマーが熱可塑性ポリマーであることを特徴とする前項6記載のポリマー組成物の製造方法;
等を提供するものである。
本発明ポリマー安定剤は、粉立ちが無く、ポリマー安定剤として優れたものである。
図1は、DSCを用いた示差走査熱量測定における本非晶性化合物の吸熱ピークを示す図である。当該ピークは相転移におけるブロードなピークであることから、非晶性の原子配列状態であることを示す図である。
図2は、CuKαスペクトルを用いたX線回折測定における本非晶性化合物のX線回折パターンを示す図である。当該パターンがブロードなピークを含むことから、非晶性の原子配列状態であることが確認できる。
図3は、DSCを用いた示差走査熱量測定における結晶性化合物の吸熱ピークを示す図である。当該ピークは融点における一点のシャープなピークであることから、結晶性の原子配列状態であることを示す図である。
図4は、CuKαスペクトルを用いたX線回折測定における結晶性化合物のX線回折パターンを示す図である。当該パターンが各結晶格子面でシャープな回折ピークを含むことから、結晶性の原子配列状態であることを示す図である。
本発明は、式(1)
Figure 2010261007
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数5〜8のシクロアルキル基を表し、R3 は水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表す。Xは、単結合、硫黄原子、酸素原子、炭素数1〜8のアルキリデン基又は炭素数5〜8のシクロアルキリデン基を表す。)
で示され、示差走査熱量測定(DSC)による吸熱ピークが15〜25℃であり、下記の試験系において25℃でのシクロヘキサンに対する溶解速度が5mg/sec以上である非晶性化合物(即ち、本非晶性化合物)を含有することを特徴とするポリマー安定剤(即ち、本発明ポリマー安定剤)

<溶解速度に係る試験系>
25℃で、50gのシクロヘキサン入り容器(容量:100ml、外径:55mm、高さ:70mm)に3gの被験物質を入れ、38mm径ファン型攪拌翼を100rpmの回転数で回転させ、前記被験物質が溶解するまでの時間を測定する。
を含む。
式(1)中、R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数5〜8のシクロアルキル基を表す。ここで、アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、i−ペンチル基、t−ペンチル基、2−エチルヘキシル基等等を挙げることができる。またシクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、3−メチルシクロペンチル、4−メチルシクロペンチル基、3−メチルシクロヘキシル基等を挙げることができる。中でも、例えば、メチル基、t−ブチル基又はt−ペンチル基等が好ましく挙げられる。
3は水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表す。R3のアルキル基としては、例えば、R1で例示されたアルキル基等を挙げることができる。中でも、水素原子又はメチル基が好ましく挙げられる。
Xは、単結合、硫黄原子、酸素原子、炭素数1〜8のアルキリデン基又は炭素数5〜8のシクロアルキリデン基を表す。
ここで、アルキリデン基としては、例えば、メチレン基、エチリデン基、プロピリデン基、ブチリデン基等を挙げることができる。またシクロアルキリデン基としては、例えば、シクロペンチリデン基、シクロヘキシリデン基等を挙げることができる。中でも、メチレン基、エチリデン基、又はブチリデン基が好ましく挙げられる。
具体的な本非晶性化合物としては、例えば、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニル アクリレート、2,4−ジ−t−ブチル−6−〔1−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)エチル〕フェニル アクリレート、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニル アクリレート、2−t−ブチル−6−〔1−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)エチル〕−4−メチルフェニル アクリレート、2−t−ブチル−6−〔1−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピル〕−4−メチルフェニル アクリレート、2−t−ブチル−6−〔1−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−プロピルフェニル)エチル〕−4−プロピルフェニル アクリレート、2−t−ブチル−6−〔1−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−イソプロピルフェニル)エチル〕−4−イソプロピルフェニル アクリレート等を挙げることができる。
具体的な好ましい本非晶性化合物としては、例えば、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニル アクリレート、即ち、式(1)において、R及びRがt−ペンチル基であり、Rが水素原子であり、Xがエチリデン基である物質や、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニル アクリレート、即ち、式(1)において、Rがt−ブチル基であり、Rがメチル基であり、Rが水素原子であり、Xがメチレン基である物質等を挙げることができる。
本非晶性化合物では、示差走査熱量測定(DSC)による吸熱ピークが15〜25℃である。また本非晶性化合物では、25℃で、50gのシクロヘキサン入り容器(容量:100ml、外径:55mm、高さ:70mm)に3gの被験物質を入れ、38mm径ファン型攪拌翼を100rpmの回転数で回転させ、前記被験物質が溶解するまでの時間を測定する「溶解速度に係る試験系」において、5mg/sec以上、好ましくは5mg/sec以上9mg/sec以下の溶解速度である。
本非晶性化合物としては、例えば、CuKαスペクトルを用いたX線回折測定において図2記載のX線回折パターンで示される原子配列状態である物質等を挙げることができる。
図2は、縦軸をピーク強度、横軸を回折線の角度2θとしてX線回折測定した結果であり、好ましい本非晶性化合物としては、例えば、ピークトップの2θが10〜12°及び16〜19°に存在する2つのブロードなピークを有する回折パターンを持つ非晶性化合物等を挙げることができる。より好ましくは、ピークトップの2θが、例えば、10〜11°及び16〜18°に存在する2つのブロードなピークを有する回折パターンを持つ非晶性化合物等が挙げられる。
本非晶性化合物の形状は、例えば、粒状、板状等を挙げることができ、粒状であることが好ましい。粒状の具体例としては、ペレット状、顆粒状、タブレット状、略球状、略半球状、フレーク状等が挙げられ、略球状又は略半球状が好ましい。また、粒状の本非晶性化合物の1粒当りの重量は、1mg以上の本非晶性化合物であることが好ましく、より好ましくは、例えば、1mg〜約25mg等を挙げることができる。粒状の本非晶性化合物の1粒当りの粒径としては、例えば、約1mm〜約6mm等を挙げることができる。中でも、約2mm〜約5mmが好ましく挙げられる。また、その高さとしては、例えば、約1mm〜約4mm等を挙げることができる。中でも、約1mm〜約3mmが好ましく挙げられる。また、粒状の本非晶性化合物の硬度は、例えば、約10N〜約30N等を挙げることができる。
尚、本非晶性化合物の形状が板状である場合には、必要により、粉砕してフレーク状とすることもできる。
本非晶性化合物の製造方法としては、例えば、式(1)
Figure 2010261007
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数5〜8のシクロアルキル基を表し、R3 は水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表す。Xは、単結合、硫黄原子、酸素原子、炭素数1〜8のアルキリデン基又は炭素数5〜8のシクロアルキリデン基を表す。)
で示され、融点が70℃〜220℃、好ましくは、100〜140℃であり、1粒当りの重量が1mg未満の微粉末である結晶物質を融点以上の温度に加熱して融解する第1工程と、第1工程で得られた融解物を冷却及び固化する第2工程とを含むことを特徴とする製造方法を挙げることができる。
本非晶性化合物の製造方法における第1工程では、前記結晶物質を融点以上の温度に加熱して融解すればよいが、「融点以上の温度」としては、例えば、約90℃〜約250℃、好ましくは、約120℃〜約160℃等を挙げることができる。
本非晶性化合物の製造方法における第2工程では、第1工程で得られた融解物を冷却及び固化すればよいが、「冷却」の温度及び時間としては、例えば、約50℃以下約10秒間以上等を挙げることができる。中でも、約0℃〜約50℃約10秒間以上約2分間以下が好ましく、更に約0℃〜約40℃約20秒間〜約2分間がより好ましく挙げられる。
第1工程で得られた融解物を冷却及び固化する第2工程としては、例えば、第1工程で得られた融解物を冷却された熱交換板(例えば、ステンレス等の金属からなるシート等)に噴霧又は滴下する方法、例えば、第1工程で得られた融解物を冷却された水又は貧溶媒中へ滴下する方法、例えば、第1工程で得られた融解物を冷却されたベルト上へ連続的に押し出す方法等により成し遂げることができる。
融解物を滴下する方法としては、例えば、滴下管から滴下する方法、具体的には例えば、融解物をロールドロップ式造粒機、ロートフォーム式造粒機等に充填したのちに滴下する方法等を挙げることができる。
ここで、ロールドロップ式造粒機とは、通常、突起を有する回転ドラムを有しており、溶融物は当該突起の先端部に掻き取られ、当該回転ドラムが回転して得られる遠心力及び/又は重力の作用にて熱交換板上に当該溶解物が滴下する機構を有する造粒機である。また、 ロートフォーム式造粒機とは、通常、円筒部を有しており、当該円筒部は孔を有し、当該円筒部の内部に溶融物を受け入れる構造を有しており、当該孔から熱交換板上に該溶解物が滴下する機構を有する造粒機である。特に、ロートフォーム式造粒機による滴下が好ましい。
尚、本非晶性化合物の1粒当りの重量を所望の値に制御するには、融解物を滴下管から滴下する方法では、滴下管の口径や、融解物の粘度等を調整することにより、融解物の滴下管から滴下量を制御すればよい。具体的には例えば、ロールドロップ式造粒機の場合には、突起の先端部に掻き取る融解物の量を制御すればよく、またロートフォーム式造粒機の場合には、孔の大きさや、融解物の粘度等を調整することにより、融解物の滴下管から滴下量を制御すればよい。
「冷却された熱交換板」としては、例えば、約0℃〜約50℃にされた熱交換板を挙げることができる。具体的には例えば、水等で所定温度にされたステンレス製のベルト、冷風等で所定温度にされたステンレス製のベルト、水等で所定温度にされたステンレス板、冷風等で所定温度にされたステンレス板等が挙げられる。尚、融解物が滴下される熱交換板の面は、平滑であることがよい。
本発明ポリマー安定剤における本非晶性化合物の含有量としては、例えば、本発明ポリマー安定剤の全重量に対して、約1重量%以上、好ましくは約75重量%以上、より好ましくは約85重量%以上、更により好ましくは約95重量%以上を挙げることができる。勿論、本発明ポリマー安定剤が本非晶性化合物からなるもの(即ち、本発明ポリマー安定剤の全重量に対して、100重量%の場合)であってもよい。
本発明ポリマー安定剤は、本発明の効果を阻害しない範囲で、各種の添加剤を含有していてもよい。このような添加剤としては、例えば、n−オクタデシル−3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート(融点50〜55℃)、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(融点69℃(凝固点))、2,2−チオ−ジエチレン−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](融点63℃以上)、トリ−エチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](融点76〜79℃)、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカン(融点110〜130℃)、テトラキス{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオン酸}ペンタエリスリチル エステル(融点:110〜130℃)、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニル アクリレート(融点:130℃以上)、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニル アクリレート(融点:119℃)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン(融点240〜245℃)、トリス(3,5−ジ−t−ブチル4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート(融点218〜223℃)、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H、3H、5H)−トリオン(融点159〜162℃)、2,2’−メチレンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)(融点128℃以上)、4,4’−ブチリデンビス (6−t−ブチル−3−メチルフェノール)(融点209℃以上)、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)(融点160℃以上)等のフェノール系酸化防止剤、
例えば、3,3’−チオジプロピオン酸 ジ−n−ドデシル エステル(融点40〜42℃)、3,3’−チオジプロピオン酸 ジ−n−テトラデシル エステル(融点49〜54℃)、3,3’−チオジプロピオン酸 ジ−n−オクタデシル エステル(融点65〜67℃)、テトラキス(3−ドデシルチオプロピオン酸)ペンタエリスリチル エステル(融点約46℃)等の硫黄系酸化防止剤、
例えば、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト(融点183〜187℃)、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール ジホスファイト(融点160〜180℃)、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール ジホスファイト(融点237〜238℃)、ビス(2,4−ジ−クミルフェニル)ペンタエリスリトール ジホスファイト(融点221〜230℃)、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン ジホスフォナイト(融点75〜90℃)、ビス−[2,4−ジ−t−ブチル,(6−メチル)フェニル]エチル ホスファイト(融点89〜92℃)等のリン系酸化防止剤、
例えば、セバシン酸 ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)エステル(融点81〜86℃)、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル メタクリレート(融点58℃)、ポリ[{6−(1,1,3,3、−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}−1,6−ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}](融点100〜135℃)等のヒンダードアミン系酸化防止剤、
例えば、2−ヒドロキシ−4−n−オクチロキシ ベンゾフェノン(融点45℃以上)、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−t−ペンチル フェノール(融点77℃以上)、2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル−]−5−(オクチロキシ)フェノール(融点87〜89℃)、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール(融点127℃)、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(融点137℃)、2,4−ジ−t−ブチルフェニル 3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート(融点192℃)等の紫外線吸収剤、
例えば、α−ナフタレンスルホン酸のNa塩、α−ナフタレンスルホン酸のMg塩、α−ナフタレンスルホン酸のCa塩、α−ナフタレンスルホン酸のAl塩、8−アミノナフタレンスルホン酸のNa塩、ベンゼンスルホン酸のNa塩、ベンゼンスルホン酸のMg塩、ベンゼンスルホン酸のCa塩、ベンゼンスルホン酸のAl塩、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸のCa塩、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸のMg塩、m−キシレンスルホン酸のCa塩、m−キシレンスルホン酸のMg塩、安息香酸(融点122℃)、p−イソプロピル安息香酸、o−t−ブチル安息香酸、p−t−ブチル安息香酸、モノフェニル酢酸(融点77℃)、ジフェニル酢酸、ジフェニル酢酸のLi塩、ジフェニル酢酸のNa塩、ジフェニル酢酸のMg塩、ジフェニル酢酸のCa塩、ジフェニル酢酸のBa塩、ジフェニル酢酸のAl塩、フェニルジメチル酢酸、フェニルジメチル酢酸のLi塩、フェニルジメチル酢酸のNa塩、フェニルジメチル酢酸のMg塩、フェニルジメチル酢酸のCa塩、フェニルジメチル酢酸のBa塩、フタル酸のMg塩、琥珀酸(融点185℃)、琥珀酸のLi塩、琥珀酸のNa塩、琥珀酸のMg塩、琥珀酸のCa塩、琥珀酸のBa塩、グルタール酸(融点95〜99℃)、グルタール酸のLi塩、グルタール酸のNa塩、グルタール酸のMg塩、グルタール酸のCa塩、グルタール酸のBa塩、アジピン酸(融点151〜153℃)、スベリン酸、スベリン酸のLi塩、スベリン酸のNa塩、スベリン酸のMg塩、スベリン酸のCa塩、スベリン酸のBa塩、セバシン酸、セバシン酸のLi塩、セバシン酸のNa塩、セバシン酸のMg塩、セバシン酸のCa塩、セバシン酸のAl塩、ジフェニルホスフィン酸(融点193〜196℃)、ジフェニルホスフィン酸のLi塩、ジフェニルホスフィン酸のNa塩、ジフェニルホスフィン酸のK塩、ジフェニルホスフィン酸のCa塩、ジフェニルホスフィン酸のMg塩、ジフェニルホスフィン酸のAl塩、4,4’−ジクロロジフェニルホスフィン酸のLi塩、4,4’−ジメチルジフェニルホスフィン酸のNa塩、ジナフチルホスフィン酸、ジナフチルホスフィン酸のLi塩、ジナフチルホスフィン酸のNa塩、ジナフチルホスフィン酸のMg塩、ジナフチルホスフィン酸のCa塩、ジナフチルホスフィン酸のAl塩等の核剤、
例えば、カルシウムステアレート、ハイドロタルサイトのような脂肪酸金属塩等を含む金属石鹸、
例えば、アルミニウムシリケート、合成シリカ、天然シリカ、ゼオライト、カオリンや珪藻土等の無機又は有機アンチブロッキング剤、
例えば、カーボンブラック、酸化チタン、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、ペリレン又はペリニン系顔料、キノフタロン系顔料、ジケトピロロ−ピロール系顔料、ジオキサジン系顔料、ジスアゾ縮合系顔料やベンズイミダゾロン系顔料等の顔料、
例えば、デカブロモビフェニル、三酸化アンチモン、リン系難燃剤、水酸化アルミニウム等の難燃剤、
例えば、4級アンモニウム塩型のカチオン界面活性剤、ベタイン型の両性界面活性剤、リン酸アルキル型のアニオン界面活性剤、第1級アミン塩、第2級アミン塩、第3級アミン塩、第4級アミン塩やピリジン誘導体等のカチオン界面活性剤、硫酸化油、石鹸、硫酸化エステル油、硫酸化アミド油、オレフィンの硫酸化エステル塩類、脂肪アルコール硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩、脂肪酸エチルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、琥珀酸エステルスルホン酸塩や燐酸エステル塩等のアニオン界面活性剤、多価アルコールの部分的脂肪酸エステル、脂肪アルコールのエチレンオキサイド付加物、脂肪酸のエチレンオキサイド付加物、脂肪アミノ又は脂肪酸アミドのエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールのエチレンオキサイド付加物、多価アルコールの部分的脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付加物やポリエチレングリコール等のノニオン界面活性剤、カルボン酸誘導体やイミダゾリン誘導体等の両性界面活性剤等の帯電防止剤、
滑剤、充填剤、可塑剤、加工助剤、発泡剤、乳化剤、光沢剤、結着剤等も本発明ポリマー安定剤に含有されていてもよい。
本発明ポリマー安定剤における各種の添加剤の含有量としては、例えば、本発明ポリマー安定剤の全重量に対して、約25重量%以下、好ましくは約15重量%以下、より好ましくは約5重量%以下を挙げることができる。
本発明ポリマー安定剤の形状は、例えば、粒状、板状等を挙げることができ、粒状であることが好ましい。粒状の具体例としては、ペレット状、顆粒状、タブレット状、略球状、略半球状、フレーク状等が挙げられ、略球状又は略半球状が好ましい。また、粒状の本非晶性化合物の1粒当りの重量は、1mg以上の本非晶性化合物であることが好ましく、より好ましくは、例えば、1mg〜約25mg等を挙げることができる。粒状の本非晶性化合物の1粒当りの粒径としては、例えば、約1mm〜約6mm等を挙げることができる。中でも、約2mm〜約5mmが好ましく挙げられる。また、その高さとしては、例えば、約1mm〜約4mm等を挙げることができる。中でも、約1mm〜約3mmが好ましく挙げられる。また、粒状の本非晶性化合物の硬度は、例えば、約10N〜約30N等を挙げることができる。
尚、本発明ポリマー安定剤の形状が板状である場合には、必要により、粉砕してフレーク状とすることもできる。
本ポリマー組成物の製造方法としては、例えば、
(1)本発明ポリマー安定剤を炭化水素溶媒に溶解する第1工程と、第1工程で得られた溶解物をポリマーに配合する第2工程とを含むことを特徴とする製造方法、
(2)本発明ポリマー安定剤と、ポリマーとを溶融混練する工程を含むことを特徴とする製造方法、
等を挙げることができる。
上記の製造方法(1)での第1工程において用いられる炭化水素溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロペンタン、シクロヘキサン等の炭化水素溶媒を挙げることができる。
第1工程における本発明ポリマー安定剤と炭化水素溶媒との混合割合としては、本発明ポリマー安定剤が炭化水素溶媒に溶解するのであれば特に限定されることはなく、例えば、本発明ポリマー安定剤と炭化水素溶媒との合計量に対して本発明ポリマー安定剤が10〜90重量%含有する場合などが挙げられる。
混合方法についても特に限定されるものではなく、例えば、窒素雰囲気下の容器に貯蔵された炭化水素溶媒に本発明ポリマー安定剤を加えて約−10〜70℃程度で攪拌して混合する方法、例えば、窒素雰囲気下の容器に貯蔵された本発明ポリマー安定剤に炭化水素溶媒を加えて約−10〜70℃程度で攪拌して混合する方法等を挙げることができる。
上記の製造方法(1)での第2工程及び上記の製造方法(1)での工程において、本発明ポリマー安定剤とポリマーとの配合割合としては、例えば、ポリマー100重量部に対して2重量部以下となる本発明ポリマー安定剤を配合するような割合等を挙げることができる。好ましくは、0.01重量部以上2重量部以下、さらに好ましくは0.01重量部以上1重量部以下等の配合割合等が挙げられる。
本ポリマー組成物の製造方法では、ポリマーが熱可塑性ポリマーであることが好ましい。
ここで、熱可塑性ポリマーとしては、市販されている樹脂であれば特に限定されないが、例えば、エチレン−プロピレン共重合体等のポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂(高密度ポリエチレン(HD−PE)、低密度ポリエチレン(LD−PE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等)、メチルペンテンポリマー、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン類(ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン)等のポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、特殊アクリルゴム−アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−塩素化ポリエチレン−スチレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体等)、塩素化ポリエチレン、ポリクロロプレン、塩素化ゴム、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、メタクリル樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体、フッ素樹脂、ポリアセタール、グラフト化ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル樹脂(たとえばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、芳香族ポリエステル樹脂、ジアリルフタレートプリポリマー、シリコーン樹脂、1,2−ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン/アクリロニトリル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体等が挙げられ、特に、成形加工性の良さから、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン類が好ましい。
ここで、ポリプロピレン系樹脂とは、プロピレンに由来する構造単位を含有するポリオレフィンを意味し、具体的には、結晶性プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体、プロピレン単独重合体成分又は主にプロピレンからなる共重合体成分と、プロピレンとエチレン及び/又はα−オレフィンの共重合体成分からなるポリプロピレン系ブロック共重合体等が挙げられる。
本発明において熱可塑性ポリマーとしてポリプロピレン系樹脂を用いる場合、ポリプロピレン系樹脂としては1種類で使用してもよく、2種以上をブレンドして使用してもよい。
α−オレフィンとしては、例えば、炭素原子数4〜12のα−オレフィンであり、たとえば1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン等が挙げられ、さらに好ましくは1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンである。
プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体としては、たとえば、プロピレン−1−ブテンランダム共重合体、プロピレン−1−ヘキセンランダム共重合体、プロピレン−1−オクテンランダム共重合体等が挙げられる。
プロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体としては、たとえば、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−エチレン−1−オクテン共重合体等が挙げられる。
プロピレン単独重合体成分又は主にプロピレンからなる共重合体成分と、プロピレンとエチレン及び/又はα−オレフィンの共重合体成分からなるポリプロピレン系ブロック共重合体における主にプロピレンからなる共重合体成分としては、たとえば、プロピレン−エチレン共重合体成分、プロピレン−1−ブテン共重合体成分、プロピレン−1−ヘキセン共重合体成分等が挙げられ、プロピレンとエチレン及び/又はα−オレフィンの共重合体成分としては、たとえば、プロピレン−エチレン共重合体成分、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体成分、プロピレン−エチレン−1−ヘキセン共重合体成分、プロピレン−エチレン−1−オクテン共重合体成分、プロピレン−1−ブテン共重合体成分、プロピレン−1−ヘキセン共重合体成分、プロピレン−1−オクテン共重合体成分等が挙げられる。尚、プロピレンとエチレン及び/又はα−オレフィンの共重合体成分におけるエチレン及び/又は炭素原子数4〜12のα−オレフィンの含有量は、例えば、0.01〜20重量%である。
また、プロピレン単独重合体成分又は主にプロピレンからなる共重合体成分と、プロピレンとエチレン及び/又はα−オレフィンの共重合体成分からなるポリプロピレン系ブロック共重合体としては、たとえば、プロピレン−エチレンブロック共重合体、(プロピレン)−(プロピレン−エチレン)ブロック共重合体、(プロピレン)−(プロピレン−エチレン−1−ブテン)ブロック共重合体、(プロピレン)−(プロピレン−エチレン−1−ヘキセン)ブロック共重合体、(プロピレン)−(プロピレン−1−ブテン)ブロック共重合体、(プロピレン)−(プロピレン−1−ヘキセン)ブロック共重合体、(プロピレン−エチレン)−(プロピレン−エチレン−1−ブテン)ブロック共重合体、(プロピレン−エチレン)−(プロピレン−エチレン−1−ヘキセン)ブロック共重合体、(プロピレン−エチレン)−(プロピレン−1−ブテン)ブロック共重合体、(プロピレン−エチレン)−(プロピレン−1−ヘキセン)ブロック共重合体、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−エチレン)ブロック共重合体、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−エチレン−1−ブテン)ブロック共重合体、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−エチレン−1−ヘキセン)ブロック共重合体、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−1−ブテン)ブロック共重合体、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−1−ヘキセン)ブロック共重合体等が挙げられる。
また本発明において熱可塑性ポリマーとしてポリプロピレン系樹脂を用いる場合、好ましくは、結晶性プロピレン単独重合体、プロピレン単独重合体成分又は主にプロピレンからなる共重合体成分と、プロピレンとエチレン及び/又は炭素原子数4〜12のα−オレフィンの共重合体成分からなるポリプロピレン系ブロック共重合体である。さらに好ましくは、プロピレン単独重合体成分又は主にプロピレンからなる共重合体成分と、プロピレンとエチレン及び/又は炭素原子数4〜12のα−オレフィンの共重合体成分からなるポリプロピレン系ブロック共重合体である。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳しく説明する。
式(1)で示され、融点が100℃〜140℃であり、1粒当りの重量が1mg未満の微粉末である結晶物質としては、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニル アクリレート(融点115℃、住友化学株式会社製)(以下、化合物(1)と記すこともある。)及び2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニル アクリレート(融点130℃、住友化学株式会社製)(以下、化合物(2)と記すことがある。)を用いた。
(実施例1)
化合物(1)を、145℃に加熱した溶融タンクの中に投入して融解した。次いで、得られた融解物を30℃の冷却水で冷却されたステンレス板上に滴下した後、当該ステンレス板上で25秒間冷却及び固化することにより、略半球状の非晶性化合物を得た。尚、得られた非晶性化合物のサイズは、粒径(幅):3.4mm、高さ:2.2mmであり、その重量は8.62mg/個、その硬度は24.79Nであった。
次いで、得られた非晶性化合物を下記のDSC分析、XRD分析及び溶解速度測定等に供した。
(DSC分析)
島津製作所製、示差走査熱量測定器DSC−60Aを用いて、得られた非晶性化合物をアルミニウムセルの中に密閉した。当該アルミニウムセルを前記示差走査熱量測定器が具備するサンプルホルダーの中に挿入した後、当該サンプルホルダーを窒素雰囲気下10℃/分の速度で150℃まで加熱しながら吸熱ピークを観察した。
その結果、図1に示すように、得られた非晶性化合物の吸熱ピークは23.7℃であった。
(XRD分析)
得られた非晶性化合物を粉砕した。次いで、得られた粉砕物を、リガク社製、RINT2000縦型ゴニオメータが具備するサンプルホルダーに挿入した後、CuKαスペクトルを用いてX線回折測定におけるX線回折パターンを測定した。得られたX線回折パターンを図2に示した。
その結果、図2に示すように、当該パターンがブロードなピークを含むことから、非結晶な原子配列状態であることが確認できた。
(粒状非晶性化合物の一粒当たりの重量測定)
メトラー・トレド社製精密天秤を用いて、得られた非晶性化合物の一粒当たりの重量を測定した。尚、測定は20回繰り返し実施され、その平均値を「粒状非晶性化合物の一粒当たりの重量」とした。
(粒状非晶性化合物の硬度測定)
SHIMPO社製デジタルフォースゲージFGP−5を用いて、得られた非晶性化合物の硬度を下記のように測定した。尚、測定は20回繰り返し実施され、その平均値を「粒状非晶性化合物の硬度」とした。
得られた非晶性化合物を測定器が具備する試料台を載せた。当該測定器に付帯するプローブの先端を試料台上の非晶性化合物の位置まで下ろすことにより、当該非晶性化合物に圧力を与えた。前記非晶性化合物が圧砕した時の圧砕圧力計の目盛を読み取り、これを「粒状非晶性化合物の硬度」とした。
(粒状非晶性化合物の粒径(幅)及び高さ測定)
ノギスを用いて、得られた非晶性化合物の粒径(幅)及び高さを測定した。尚、測定は10回繰り返し実施され、その平均値を「粒状非晶性化合物の粒径(幅)」及び「粒状非晶性化合物の高さ」とした。
(溶解速度測定)
25℃で、50gのシクロヘキサン入り容器(容量:100ml、外径:55mm、高さ:70mm)に3gの被験物質を入れ、38mm径ファン型攪拌翼を100rpmの回転数で回転させ、前記被験物質が溶解するまでの時間を測定した。その結果を「mg/sec」単位で示される溶解速度として表1に示した。
(実施例2)
実施例1で使用された「化合物(1)」の代わりに、「化合物(1)と化合物(2)とを99.5:0.5の重量割合で混合してなる混合物」を用いる以外は実施例1と同様な方法に準じて、半球状固体の非晶性化合物を得た。尚、得られた非晶性化合物のサイズは、粒径(幅):3.1mm、高さ:1.8mmであり、その重量は9.65mg/個、その硬度は23.77Nであった。
次いで、得られた非晶性化合物を上記のDSC分析、XRD分析及び溶解速度測定等に供した。
(実施例3)
実施例1で使用された「化合物(1)」の代わりに、「化合物(1)と化合物(2)とを95:5の重量割合で混合してなる混合物」を用いる以外は実施例1と同様な方法に準じて、半球状固体の非晶性化合物を得た。尚、得られた非晶性化合物のサイズは、粒径(幅):2.7mm、高さ:1.7mmであり、その重量は9.99mg/個、その硬度は23.19Nであった。
次いで、得られた非晶性化合物を上記のDSC分析、XRD分析及び溶解速度測定等に供した。
(比較例1)
化合物(1)を、「得られた非晶性化合物」の代りに「化合物(1)」をそのままの状態で供する以外は上記方法と同様な方法に準じたDSC分析、XRD分析及び溶解速度測定等に供した。
その結果を、図3(DSC分析)及び図4(XRD分析)並びに表1(重量、硬度、粒径(幅)及び高さ、溶解速度)に示した。
Figure 2010261007
(実施例4〜6)
全重量に対して、実施例1〜3でそれぞれ得られた非晶性化合物(略半球状の非晶性化合物)の含有量が100重量%となるポリマー安定剤を準備した。当該ポリマー安定剤をペンタン、ヘキサン、シクロペンタン、シクロヘキサンの4種の炭化水素溶媒の各溶媒100重量部に対し、該ポリマー安定剤10重量部を温度25℃下で攪拌し、溶解した。当該作業において、前記ポリマー安定剤から発生する粉立ちの状態を観察したが、いずれの炭化水素溶媒を使用した際にも粉立ちの発生が認められなかった。次いで、熱可塑性ポリマーであるスチレン・ブタジエン共重合体100重量部に対し、非晶性化合物が0.5重量部となるように得られた溶解物を加え、脱溶媒することにより、ポリマー組成物を製造した。
(比較例2)
比較例1で使用された供試物質に基づくポリマー安定剤を用いて実施例4と同様にポリマー組成物を製造した。当該ポリマー安定剤をペンタン、ヘキサン、シクロペンタン、シクロヘキサンの4種の炭化水素溶媒に該ポリマー安定剤10重量部を各溶媒100重量部に対し、温度25℃下で攪拌し、溶解する作業において、前記ポリマー安定剤から発生する粉立ちの状態を観察したが、いずれの炭化水素溶媒を使用した際にも粉立ちの発生を認めた。
Figure 2010261007
(実施例7)
1,3−ブタジエンの重合を、窒素雰囲気下、シクロヘキサン中でn−ブチルリチウムを触媒として60〜65℃で行う。尚、重合停止剤としてイソプロピルアルコールを用いる。
また、実施例4で準備されたポリマー安定剤をシクロヘキサンに該ポリマー安定剤20重量部を各溶媒100重量部に対し、温度25℃下で攪拌し、溶解する。
次いで、得られた重合物100重量部に対し、得られた溶解物中のポリマー安定剤1重量部となるように、得られた溶解物を配合した後、当該混合物を窒素雰囲気下、シクロヘキサンを190〜200℃でフラシュ蒸発により除去することにより、ポリブタジエンゴム組成物を得る。
(実施例8)
実施例4で準備されたポリマー安定剤(粒状)0.5重量部と、熱可塑性ポリマーとしてスチレン−ブタジエン共重合体(MI(200℃、荷重5.0kg):12g/10分、BASF社製)100重量部とをドライブレンドした後、当該混合物を30mm径の単軸押出し機(田辺プラスチック社製、VS30−28型押し出し機)を用いて200℃、スクリュー回転数100rpmで混練することにより、前記ポリマー安定剤がスチレン−ブタジエン共重合体に均一分散されたスチレン−ブタジエン共重合体組成物のペレットを得た。
本発明ポリマー安定剤は、粉立ちが無く、ポリマー安定剤として優れたものである。

Claims (7)

  1. 式(1)
    Figure 2010261007
    (式中、R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数5〜8のシクロアルキル基を表し、R3は水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表す。Xは、単結合、硫黄原子、酸素原子、炭素数1〜8のアルキリデン基又は炭素数5〜8のシクロアルキリデン基を表す。)
    で示され、示差走査熱量測定(DSC)による吸熱ピークが15〜25℃であり、下記の試験系において25℃でのシクロヘキサンに対する溶解速度が5mg/sec以上である非晶性化合物を含有することを特徴とするポリマー安定剤。

    <溶解速度に係る試験系>
    25℃で、50gのシクロヘキサン入り容器(容量:100ml、外径:55mm、高さ:70mm)に3gの被験物質を入れ、38mm径ファン型攪拌翼を100rpmの回転数で回転させ、前記被験物質が溶解するまでの時間を測定する。
  2. CuKαスペクトルを用いたX線回折測定において下図のX線回折パターンで示される原子配列状態であることを特徴とする請求項1記載のポリマー安定剤。
    Figure 2010261007
  3. 式(1)において、R及びRがt−ペンチル基であり、Rが水素原子であり、Xがエチリデン基であることを特徴とする請求項1又は2記載のポリマー安定剤。
  4. 式(1)において、Rがt−ブチル基であり、Rがメチル基であり、Rが水素原子であり、Xがメチレン基であることを特徴とする請求項1又は2記載のポリマー安定剤。
  5. 形状が粒状であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載のポリマー安定剤。
  6. 請求項1〜5のいずれかの請求項に記載されるポリマー安定剤を炭化水素溶媒に溶解する第1工程と、第1工程で得られた溶解物をポリマーに配合する第2工程とを含むことを特徴とするポリマー組成物の製造方法。
  7. ポリマーが熱可塑性ポリマーであることを特徴とする請求項6記載のポリマー組成物の製造方法。
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