本発明による車載装置を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明による車載装置を有する車載システムの概略構成を示す図である。車載システム1は、車載装置100に装着可能である、車載装置の機能を拡張するための第1の拡張モジュール及び第2の拡張モジュールとしてのモジュール200及び300、車載装置100に接続された、表示部制御用の表示部マイコン11を含み液晶ディスプレイ及び操作部として機能するタッチパネル等から構成される表示部10、車両(図示せず)の周囲(例えば、ドライバーの死角となりやすい後方)を撮影して表示部10に表示するためのCCD撮像素子等から構成されるカメラ20、車両に備えられたエンジン始動用のキーシリンダと電気的に一体に構成されているアクセサリスイッチ(ACCスイッチ)30、バッテリ40、車両のフロント及び/又はリアガラスに配置されるデジタルテレビ(DTV)用のアンテナ50、AM/FM用のアンテナ60及びWiMAX用のアンテナ70、車両の各部に配置された複数又は単数のスピーカ80、及びCD/DVD再生用デッキ90等から構成されている。
車載装置100は、メインマイコン等から構成される制御部101、RAM102、ROM103、電源用マイコン104、車載装置100内の各要素及び各モジュールへ電力を供給し、過電流及び/又は過電圧保護を行うレギュレータ105、各モジュール等との間の信号のやり取りを制御する分配回路110、映像信号及び/又は音声信号の処理を行うデジタル信号処理部(DSP)120、AM/FM放送を受信するためのチューナモジュール121、スピーカ70への音声信号を増幅するためのアンプ122、1セグ用のDTV用のチューナモジュール123、WiMAX送受信モジュール124、モジュールと接続するための第1スロット130及び第2スロット140等から構成されている。
モジュール200は、エンコーダ付データ記録モジュールであり、図1に示す車載システム1の状態では、第1スロット130とコネクタ201とが接続されるようにして、車載装置100に装着されている。モジュール200は、コネクタ201、AM/FM用のアンテナ60によって受信したAM/FM放送のデータ、WiMAX用のアンテナ70によって送受信されたWiMAXのデータ又はCD/DVDデッキ80によって再生されたCD/DVDのデータを符号化するエンコーダ202、エンコーダ202により符号化されたAM/FM放送のデータWiMAXのデータ又はCD/DVDのデータが制御部101によって記録される第1の記録部としてのHDD203、HDD203に記録されたデータを復号化して車載装置100に出力するデコーダ204、HDD203に記録されたデータが制御部101によって転送されるUSBメモリが挿入されるUSBスロット205、HDD203に記録されたデータが制御部101によって転送されるSDカードが挿入されるSDスロット206、及びモジュールID(MID)を記録した第1MID出力回路207等から構成される。
第1MID出力回路207には、モジュール200がデコーダ付データ記録モジュールであることを示すID(例えば、011)と、モジュール200が前述した記録系のモジュールであることを示すID(例えば、X)とを組み合わせたID(例えば、”011−X”)が記録される。
また、制御部101では、分配回路110及び第1スロット130を介して、第1MID出力回路207からのMIDを受信する。このように、車載装置100が本来有していない機能が、第1モジュール200の装着によって追加される(機能が拡張される)。
モジュール200’は、データ記録モジュールであり、図1に示す車載システム1の状態では、第2スロット140とコネクタ201’とが接続されるようにして、車載装置100に装着されている。モジュール200’は、コネクタ201’、 AM/FM用のアンテナ60によって受信したAM/FM放送のデータ、WiMAX用のアンテナ70によって送受信されたWiMAXのデータ又はCD/DVDデッキ80によって再生されたCD/DVDのデータが符号化されることなく制御部101によって記録されるとともに記録されたデータを制御部101の制御により車載装置100に出力する第2の記録部としてのHDD202’、USBスロット203’、SDスロット204’、及びモジュールID(MID)を記録した第2MID出力回路205’等から構成される。
第2MID出力回路205’には、モジュール200’がデータ記録モジュールであることを示すID(例えば、001)と、モジュール200’が前述した記録系のモジュールであることを示すID(例えば、X)とを組み合わせたID(例えば、”001−X”)が記録される。
また、制御部101では、分配回路110及び第2スロット140を介して、第2MID出力回路205’からのMIDを受信する。このように、車載装置100が本来有していない機能が、第2モジュール200’の装着によって追加される(機能が拡張される)。
車載装置100は、表示部10、カメラ20、及びCD/DVD再生デッキ90のいずれか一つ又は複数の一体的に構成されてもよい。また、図1において、車載装置100に内蔵されているAM/FM用チューナモジュール121、1セグ用のDTV用チューナモジュール123及びWiMAX送受信モジュール124は、車載装置100の外部に、例えば、CD/DVD再生デッキ80と同様に別体として構成されてもよい。また、モジュール200,200’に内蔵されているUSBスロット204,203’及び/又はSDスロット205,204’も、車載装置100の外部に、例えば、CD/DVD再生デッキ80と同様に別体として構成されてもよい。
制御部101は、第1スロット130及び第2スロット140にモジュール200,200’がそれぞれ装着された場合、モジュールがデコーダを有するか否か、モジュール200,200’が有する機能(例えば、AM/FM放送受信機能)等の種別に関する情報、HDD203,202’の空き容量、データを記録するための空き容量を確保するためにHDD203,202’のデータの移動又は削除が可能であるか否か等のHDD203,202’の容量とHDD203,202’に記録されたデータに関する情報、及びモジュール200,200’がどのようなデータを記録中であるか等のモジュール200,200’の使用状況についての情報をモジュール200,200’から読み取り、これらの情報をRAM102に格納する。
図2は、他のモジュールの概略構成を示す図である。
図2Aは、モジュール300を示し、モジュール300は、エンコーダ付データ記録及びAM/FM放送受信モジュールである。モジュール300は、コネクタ301、エンコーダ302、HDD303、デコーダ304、第1スロット130又は第2スロット140への接続時に制御部101によってHDD303のデータが転送されるUSBメモリが挿入されるUSBスロット305、第1スロット130又は第2スロット140への接続時に制御部101によってHDD303のデータが転送されるSDカードが挿入されるSDスロット306、及びモジュールID(MID)を記録した第3MID出力回路307、AM/FM放送を受信するためのチューナモジュール308等から構成される。
第3MID出力回路306には、モジュール300がデコーダ付データ記録及びAM/FM放送受信モジュールであることを示すID(例えば、111)と、モジュール300が前述した放送及び記録系のモジュールであることを示すID(例えば、Y)とを組み合わせたID(例えば、”111−Y”)が記録される。
モジュール300を利用すれば、AM/FM用のアンテナ60によって受信した信号が分配回路10及び第1スロット130又は第2スロット140を通じてモジュール300に送信され、AM/FM放送の受信を、本モジュールを介して行うことができる。また、図1において、制御部101では、分配回路110及び第1スロット130又は第2スロット140を介して、第3MID出力回路306からのMIDを受信する。このように、車載装置100が本来有していない機能が、モジュール300の装着によって追加される(機能が拡張される)。なお、AM/FM用のアンテナ60をモジュール400に内蔵することもできる。
図2Bは、モジュール400を示し、モジュール400は、エンコーダ付データ記録及びDTV受信モジュールである。モジュール400は、コネクタ401、エンコーダ402、HDD403、デコーダ404、USBスロット405、SDスロット406、及びモジュールID(MID)を記録した第4MID出力回路407、DTVを受信するためのチューナモジュール408等から構成される。
第4MID出力回路407には、モジュール400がデコーダ付データ記録及びDTV受信モジュールであることを示すID(例えば、211)と、モジュール400が前述した放送及び記録系のモジュールであることを示すID(例えば、Y)とを組み合わせたID(例えば、”211−Y”)が記録される。
モジュール400を利用すれば、DTV用のアンテナ50によって受信した信号が分配回路10及び第1スロット130又は第2スロット140を通じてモジュール400に送信され、DTVの受信を、本モジュールを介して行うことができる。また、図1において、制御部101では、分配回路110及び第1スロット130又は第2スロット140を介して、第4MID出力回路406からのMIDを受信する。このように、車載装置100が本来有していない機能が、モジュール400の装着によって追加される(機能が拡張される)。なお、DTV用のアンテナ50をモジュール400に内蔵することもできる。
図2Cは、モジュール500を示し、モジュール500は、エンコーダ付データ記録及びWiMAX送受信モジュールである。モジュール500は、コネクタ501、エンコーダ502、HDD503、デコーダ504、USBスロット505、SDスロット506、及びモジュールID(MID)を記録した第5MID出力回路507、WiMAX送受信モジュール508等から構成される。
第5MID出力回路508には、デコーダ付データ記録及びWiMAX送受信モジュールであることを示すID(例えば、311)と、モジュール400が前述した通信及び記録系のモジュールであることを示すID(例えば、Z)とを組み合わせたID(例えば、”311−Z”)が記録される。
モジュール500を利用すれば、WiMAX用のアンテナ70によって送受信した信号が分配回路10及び第1スロット130又は第2スロット140を通じてモジュール500に送信され、WiMax規格の無線通信を、本モジュールを介して行うことができる。また、図1において、制御部101では、分配回路110及び第1スロット130又は第2スロット140を介して、第5MID出力回路507からのMIDを受信する。このように、車載装置100が本来有していない機能が、モジュール500の装着によって追加される(機能が拡張される)。なお、WiMAX用のアンテナ70をモジュール500に内蔵することもできる。
車載装置100に装着可能なモジュールとして、例えば、Bluetooth(登録商標)用のモジュール、DCM用のモジュール等を利用することも可能である。さらに、モジュール400をより高性能化して、フルセグ(12セグ)のデジタルテレビ放送と1セグのデジタルテレビ放送とを放送状態に応じて切り替えて表示することができるデジタルテレビ用モジュール、米国における地上はデジタル音声放送であるIBOC(In Band on Channel)方式のハイブリッドHD(High Definition)ラジオ放送搬送波を受信するためのIBOC用モジュール等を利用することも可能である。
図3は、車載装置の処理フローの第1例を示す図である。図3に示す処理フローは、第1スロット130及び第2スロット140に装着されたHDD付のモジュールがデコーダを有するか否かの種別に応じてデータの記録が可能なモジュールの個数を判断するための処理フローであり、主に制御部101がROM103に予め記憶されたプログラムに従って車載システム1内の各モジュール及び/又は要素を協働して実行される。図3に示す処理フローは、DTV又はAM/FM放送のデータ、WiMAXのデータ、CD/DVDから再生されたデータ又はSDカード若しくはUSBメモリから読み出されたデータの記録を表示部10の操作によって開始したときに実行される。また、図3に示す処理フローが開始される時点で、これから車載システム1に装着されるモジュールを除いて、車載装置100を含む車載システム1の各モジュール又は要素には、電源が供給され、動作が可能な状態になっているものとする。
先ず、ステップS1において、制御部101は、第1スロット130及び第2スロット140に装着されたモジュールの両方がエンコーダを有するか否か判断する。第1スロット130及び第2スロット140に装着されたモジュールの両方がエンコーダを有する場合、ステップS2において、制御部101は、記録するデータの符号化が必要であるか否か、すなわち、記録するデータが符号化されているか否か判断する。記録するデータの符号化が必要である場合、ステップS3において、制御部101は、第1スロット130及び第2スロット140に装着されたモジュールの両方にデータの記録が可能であると判断し、処理フローを終了する。それに対し、記録するデータの符号化が必要でない場合、ステップS4において、第1スロット130及び第2スロット140に装着されたモジュールのいずれも記録ができないと判断し、処理フローを終了する。
ステップS1で第1スロット130及び第2スロット140に装着されたモジュールの両方がエンコーダを有しないと判断された場合、ステップS5において、制御部101は、第1スロット130及び第2スロット140に装着されたモジュールの一方がエンコーダを有するか否か判断する。第1スロット130及び第2スロット140に装着されたモジュールの一方がエンコーダを有する場合、ステップS6において、制御部101は、第1スロット130及び第2スロット140に装着されたモジュールの一方にデータの記録が可能であると判断し、処理フローを終了する。それに対し、第1スロット130及び第2スロット140に装着されたモジュールの一方がエンコーダを有しない、すなわち、第1スロット130及び第2スロット140に装着されたモジュールの両方がエンコーダを有しない場合、ステップS7において、制御部101は、記録するデータの符号化が必要であるか否か判断する。記録するデータの符号化が必要でない場合、ステップS8において、制御部101は、第1スロット130及び第2スロット140に装着されたモジュールの両方にデータの記録が可能であると判断し、処理フローを終了する。それに対し、記録するデータの符号化が必要である場合、ステップS9において、第1スロット130及び第2スロット140に装着されたモジュールのいずれも記録ができないと判断し、処理フローを終了する。
この処理フローによれば、モジュールがエンコーダを有するか否かにの種別に応じて、DTV又はAM/FM放送のデータ、WiMAXのデータ、CD/DVDから再生されたデータ又はSDカード若しくはUSBメモリから読み出されたデータを記録できるモジュールの個数を判断することができ、後に説明する処理フローを通じて、DTV又はAM/FM放送のデータ、WiMAXのデータ、CD/DVDから再生されたデータ又はSDカード若しくはUSBメモリから読み出されたデータを適切なHDDに記録することができる。
図4は、車載装置の処理フローの第2例を示す図である。図4に示す処理フローは、第1スロット130及び第2スロット140に装着されたモジュールが使用中であるか否かを判断するための処理フローであり、主に制御部101がROM103に予め記憶されたプログラムに従って車載システム1内の各モジュール及び/又は要素を協働して実行される。図4に示す処理フローは、図3の処理フローのステップS3及びS8で第1スロット130及び第2スロット140に装着されたモジュールの両方にデータの記録が可能であると判断されたときに実行される。また、図4に示す処理フローが開始される時点で、これから車載システム1に装着されるモジュールを除いて、車載装置100を含む車載システム1の各モジュール又は要素には、電源が供給され、動作が可能な状態になっているものとする。
先ず、ステップS11において、制御部101は、第1スロット130に装着されたモジュールが使用中であるか否か判断する。第1スロット130に装着されたモジュールが使用中でないと判断された場合、ステップS12において、制御部101は、第2スロット140に装着されたモジュールが使用中であるか否か判断する。第2スロット140に装着されたモジュールが使用中でないと判断された場合、ステップS13において、制御部130は、第1スロット130及び第2スロット140に装着されたモジュールの両方が未使用であると判断し、この処理フローを終了し、それに対し、第2スロット140に装着されたモジュールが使用中であると判断された場合、ステップS14において、制御部130は、第1スロット130及び第2スロット140に装着されたモジュールの一方が未使用で他方が使用中であると判断し、この処理フローを終了する。
ステップS11で第1スロット130に装着されたモジュールが使用中であると判断された場合、ステップS15において、制御部101は、第2スロット140に装着されたモジュールが使用中であるか否か判断する。第2スロット140に装着されたモジュールが使用中でないと判断された場合、ステップS14に進み、それに対し、第2スロット140に装着されたモジュールが使用中であると判断された場合、ステップS16において、制御部130は、第1スロット130及び第2スロット140に装着されたモジュールの両方が使用中であると判断し、この処理フローを終了する。
この処理フローによれば、第1スロット130及び第2スロット140に装着されたモジュールが使用中であるか否かを判断することができ、後に説明する処理フローを通じて、DTV又はAM/FM放送のデータ、WiMAXのデータ、CD/DVDから再生されたデータ又はSDカード若しくはUSBメモリから読み出されたデータを適切なHDDに記録することができる。
図5は、車載装置の処理フローの第3例を示す図である。図5に示す処理フローは、第1スロット130及び第2スロット140に装着されたモジュールが有する記録機能以外の機能(例えば、モジュール300のようにAM/FM放送を受信する機能、モジュール400のようにDTVを受信する機能、モジュール500のようにWiMAXデータを送受信する機能)に基づく種別及びモジュールのHDDの空き容量に応じてデータの記録を行う処理フローであり、主に制御部101がROM103に予め記憶されたプログラムに従って車載システム1内の各モジュール及び/又は要素を協働して実行される。図5に示す処理フローは、図4の処理フローのステップS13で第1スロット130及び第2スロット140に装着されたモジュールの両方が未使用であると判断されたときに実行される。また、図5に示す処理フローが開始される時点で、これから車載システム1に装着されるモジュールを除いて、車載装置100を含む車載システム1の各モジュール又は要素には、電源が供給され、動作が可能な状態になっているものとする。
先ず、ステップS21において、制御部101は、第1スロット130及び第2スロット140に装着されたモジュールの機能及び空き容量を判断し、データを記録するか否かの判断を行うモジュールの選択順位を決定する。モジュールの選択順位は、次のようにして決定される。
(1)第1スロット130及び第2スロット140に装着されたモジュールの両方が記録機能以外の機能を有する場合、記録機能以外の機能の数の少ない方のモジュールが最初に選択され、記録機能以外の機能の数の多い方のモジュールが次に選択される。
(2)第1スロット130及び第2スロット140に装着されたモジュールの記録機能以外の機能の数が同一であり又は第1スロット130及び第2スロット140に装着されたモジュールの両方が記録機能以外の機能を有しない場合、空き容量の多い方のモジュールが最初に選択され、空き容量の少ない方のモジュールが次に選択される。
(3)第1スロット130及び第2スロット140に装着されたモジュールの記録機能以外の機能の数が同一であり又は第1スロット130及び第2スロット140に装着されたモジュールの両方が記録機能以外の機能を有さず、かつ、第1スロット130及び第2スロット140に装着されたモジュールの空き容量が同一である場合、予め選択されたスロット(例えば、第1スロット130)に装着されたモジュールが最初に選択され、予め選択されなかったスロット(例えば、第2スロット140)が次に選択される。
次に、ステップS22において、最初に選択されたモジュールについて、制御部101は、モジュールのHDDの空き容量が記録するデータのデータサイズ以上であるか否か判断する。モジュールのHDDの空き容量が記録するデータのデータサイズ以上である場合、ステップS23において、制御部101は、モジュールのHDDにデータを記録し、この処理フローを終了する。それに対し、モジュールのHDDの空き容量が記録するデータのデータサイズ未満である場合、ステップS24において、制御部101は、データを記録するための容量を確保するためにモジュールのHDDに記録したデータを他のモジュールのHDDに移動することができるか否か判断する。
データを記録するための容量を確保するためにモジュールのHDDに記録したデータを他のモジュールのHDDに移動することができる場合、ステップS25において、制御部101は、自動的に又は表示部10の操作に従って、モジュールのHDDに記録したデータを他のモジュールのHDDに移動し、ステップS23に進む。それに対し、モジュールのHDDに記録したデータを他のモジュールのHDDに移動することができない場合、ステップS26において、制御部101は、データを記録するための容量を確保するためにモジュールのHDDに記録したデータを削除することができるか否か判断する。
データを記録するための容量を確保するためにモジュールのHDDに記録したデータを削除することができる場合、ステップS27において、制御部101は、自動的に又は表示部10の操作に従って、モジュールのHDDに記録したデータを削除し、ステップS23に進む。それに対し、モジュールのHDDに記録したデータを削除することができない場合、ステップS28において、次に選択されたモジュールについて、制御部101は、モジュールのHDDの空き容量が記録するデータのデータサイズ以上であるか否か判断する。モジュールのHDDの空き容量が記録するデータのデータサイズ以上である場合、ステップS23に進み、それに対し、モジュールのHDDの空き容量が記録するデータのデータサイズ未満である場合、ステップS29において、制御部101は、データを記録するための容量を確保するためにモジュールのHDDに記録したデータを他のモジュールのHDDに移動することができるか否か判断する。
データを記録するための容量を確保するためにモジュールのHDDに記録したデータを他のモジュールのHDDに移動することができる場合、ステップS30において、制御部101は、自動的に又は表示部10の操作に従って、モジュールのHDDに記録したデータを他のモジュールのHDDに移動し、ステップS23に進む。それに対し、モジュールのHDDに記録したデータを他のモジュールのHDDに移動することができない場合、ステップS31において、制御部101は、データを記録するための容量を確保するためにモジュールのHDDに記録したデータを削除することができるか否か判断する。
データを記録するための容量を確保するためにモジュールのHDDに記録したデータを削除することができる場合、ステップS32において、制御部101は、自動的に又は表示部10の操作に従って、モジュールのHDDに記録したデータを削除し、ステップS23に進む。それに対し、モジュールのHDDに記録したデータを削除することができない場合、この処理フローを終了する。
この処理フローによれば、第1スロット130及び第2スロット140に装着されたモジュールが有する記録機能以外の機能に基づく種別及びモジュールのHDDの空き容量に応じてデータの記録を行うことができる。その結果、DTV又はAM/FM放送のデータ、WiMAXのデータ、CD/DVDから再生されたデータ又はSDカード若しくはUSBメモリから読み出されたデータを適切なHDDに記録することができる。
図6は、車載装置の処理フローの第4例を示す図である。図6に示す処理フローは、モジュールの使用状況及びモジュールのHDDの空き容量に応じてデータの記録を行う処理フローであり、主に制御部101がROM103に予め記憶されたプログラムに従って車載システム1内の各モジュール及び/又は要素を協働して実行される。図6に示す処理フローは、図4の処理フローのステップS14で第1スロット130及び第2スロット140に装着されたモジュールの一方が未使用で他方が使用中あると判断され、AM/FM放送又はDTVの受信状態が良好であるときに実行される。また、図6に示す処理フローが開始される時点で、これから車載システム1に装着されるモジュールを除いて、車載装置100を含む車載システム1の各モジュール又は要素には、電源が供給され、動作が可能な状態になっているものとする。
先ず、ステップS41において、制御部101は、未使用であるモジュールのHDDの空き容量が記録するデータのデータサイズ以上であるか否か判断する。モジュールのHDDの空き容量が記録するデータのデータサイズ以上である場合、ステップS42において、制御部101は、モジュールのHDDにデータを記録し、この処理フローを終了する。それに対し、モジュールのHDDの空き容量が記録するデータのデータサイズ未満である場合、ステップS43において、制御部101は、データを記録するための容量を確保するためにモジュールのHDDに記録したデータを削除することができるか否か判断する。
データを記録するための容量を確保するためにモジュールのHDDに記録したデータを削除することができる場合、ステップS44において、制御部101は、自動的に又は表示部10の操作に従って、モジュールのHDDに記録したデータを削除し、ステップS42に進む。それに対し、データを記録するための容量を確保するためにモジュールのHDDに記録したデータを削除することができない場合、ステップS45において、制御部101は、表示部10の操作によってAM/FM放送又はDTVのデータの記録が開始され、かつ、使用中のモジュールがAM/FM放送又はDTVのデータ以外のデータ(例えば、WiMAXのデータ、CD/DVDから再生されたデータ又はSDカード若しくはUSBメモリから読み出されたデータ)の記録を行っているか否か判断する。
表示部10の操作によってAM/FM放送又はDTVのデータの記録が開始されず、又は、使用中のモジュールがAM/FM放送又はDTVのデータ以外のデータの記録を行っていない場合、この処理フローを終了する。それに対し、表示部10の操作によってAM/FM放送又はDTVのデータの記録が開始され、かつ、使用中のモジュールがAM/FM放送又はDTVのデータ以外のデータの記録を行っている場合、ステップS46において、制御部101は、使用中のモジュールのHDDの空き容量が記録するデータのデータサイズ以上であるか否か判断する。モジュールのHDDの空き容量が記録するデータのデータサイズ以上である場合、ステップS42に進み、それに対し、モジュールのHDDの空き容量が記録するデータのデータサイズ未満である場合、ステップS47において、制御部101は、データを記録するための容量を確保するためにモジュールのHDDに記録したデータを削除することができるか否か判断する。
データを記録するための容量を確保するためにモジュールのHDDに記録したデータを削除することができる場合、ステップS48において、制御部101は、自動的に又は表示部10の操作に従って、モジュールのHDDに記録したデータを削除し、ステップS42に進む。それに対し、データを記録するための容量を確保するためにモジュールのHDDに記録したデータを削除することができない場合、この処理フローを終了する。
この処理フローによれば、AM/FM放送やDTVのデータのようなリアルタイム性を有する放送系のデータの記録を、一方のモジュールが放送系のデータ以外のデータを記録中であったとしても放送系のデータ以外のデータの記録を中断した後に行うことができる。その結果、DTV又はAM/FM放送のデータを適切なHDDに記録することができる。
図7は、車載装置の処理フローの第5例を示す図である。図7に示す処理フローは、モジュールの使用状況及びモジュールのHDDの空き容量に応じてデータの記録を行う処理フローであり、主に制御部101がROM103に予め記憶されたプログラムに従って車載システム1内の各モジュール及び/又は要素を協働して実行される。図7に示す処理フローは、図4の処理フローのステップS16で第1スロット130及び第2スロット140に装着されたモジュールの両方が使用中あると判断され、AM/FM放送又はDTVの受信状態が良好であるときに実行される。また、図7に示す処理フローが開始される時点で、これから車載システム1に装着されるモジュールを除いて、車載装置100を含む車載システム1の各モジュール又は要素には、電源が供給され、動作が可能な状態になっているものとする。
先ず、ステップS51において、制御部101は、第1スロット130及び第2スロット140に装着されたモジュールの空き容量を判断し、データを記録するか否かの判断を行うモジュールの選択順位を決定する。モジュールの選択順位は、空き容量の多い方のモジュールが最初に選択され、空き容量の少ない方のモジュールが次に選択されるが、第1スロット130及び第2スロット140に装着されたモジュールの空き容量が同一である場合、予め選択されたスロット(例えば、第1スロット130)に装着されたモジュールが最初に選択され、予め選択されなかったスロット(例えば、第2スロット140)が次に選択される。次に、ステップS52において、制御部101は、表示部10の操作によってAM/FM放送又はDTVのデータの記録が開始され、かつ、最初に選択されたモジュールがAM/FM放送又はDTVのデータ以外のデータの記録を行っているか否か判断する。
表示部10の操作によってAM/FM放送又はDTVのデータの記録が開始され、かつ、最初に選択されたモジュールがAM/FM放送又はDTVのデータ以外のデータの記録を行っている場合、ステップS53において、制御部101は、使用中のモジュールのHDDの空き容量が記録するデータのデータサイズ以上であるか否か判断する。モジュールのHDDの空き容量が記録するデータのデータサイズ以上である場合、ステップS54において、制御部101は、モジュールのHDDにデータを記録し、この処理フローを終了する。それに対し、モジュールのHDDの空き容量が記録するデータのデータサイズ未満である場合、ステップS55において、制御部101は、データを記録するための容量を確保するためにモジュールのHDDに記録したデータを削除することができるか否か判断する。
データを記録するための容量を確保するためにモジュールのHDDに記録したデータを削除することができる場合、ステップS56において、制御部101は、自動的に又は表示部10の操作に従って、モジュールのHDDに記録したデータを削除し、ステップS54に進む。それに対し、データを記録するための容量を確保するためにモジュールのHDDに記録したデータを削除することができない場合、ステップS57において、制御部101は、表示部10の操作によってAM/FM放送又はDTVのデータの記録が開始され、かつ、次に選択されたモジュールがAM/FM放送又はDTVのデータ以外のデータの記録を行っているか否か判断する。
表示部10の操作によってAM/FM放送又はDTVのデータの記録が開始され、かつ、次に選択されたモジュールがAM/FM放送又はDTVのデータ以外のデータの記録を行っている場合、ステップS58において、制御部101は、使用中のモジュールのHDDの空き容量が記録するデータのデータサイズ以上であるか否か判断する。モジュールのHDDの空き容量が記録するデータのデータサイズ以上である場合、ステップS54に進み、それに対し、モジュールのHDDの空き容量が記録するデータのデータサイズ未満である場合、ステップS59において、制御部101は、データを記録するための容量を確保するためにモジュールのHDDに記録したデータを削除することができるか否か判断する。
データを記録するための容量を確保するためにモジュールのHDDに記録したデータを削除することができる場合、ステップS60において、制御部101は、自動的に又は表示部10の操作に従って、モジュールのHDDに記録したデータを削除し、ステップS54に進む。それに対し、データを記録するための容量を確保するためにモジュールのHDDに記録したデータを削除することができない場合、この処理フローを終了する。
なお、ステップS52で表示部10の操作によってAM/FM放送又はDTVのデータの記録が開始されず、又は、最初に選択されたモジュールがAM/FM放送又はDTVのデータ以外のデータの記録を行っていないと判断された場合、ステップS57に進み、ステップS57で表示部10の操作によってAM/FM放送又はDTVのデータの記録が開始されず、又は、次に選択されたモジュールがAM/FM放送又はDTVのデータ以外のデータの記録を行っていないと判断された場合、この処理フローを終了する。
この処理フローによれば、AM/FM放送やDTVのデータのようなリアルタイム性を有する放送系のデータの記録を、両方のモジュールが放送系のデータ以外のデータを記録中であったとしても放送系のデータ以外のデータの記録を中断した後に行うことができる。その結果、DTV又はAM/FM放送のデータを適切なHDDに記録することができる。
図8は、車載装置の処理フローの第6例を示す図である。図8に示す処理フローは、モジュールの使用状況及びモジュールのHDDの空き容量に応じてデータの記録を行う処理フローであり、主に制御部101がROM103に予め記憶されたプログラムに従って車載システム1内の各モジュール及び/又は要素を協働して実行される。図8に示す処理フローは、図3の処理フローのステップS6で第1スロット130及び第2スロット140に装着されたモジュールの一方にデータの記録が可能であると判断されたときに実行される。また、図8に示す処理フローが開始される時点で、これから車載システム1に装着されるモジュールを除いて、車載装置100を含む車載システム1の各モジュール又は要素には、電源が供給され、動作が可能な状態になっているものとする。
先ず、ステップS61において、制御部101は、第1スロット130又は第2スロット140に装着されたモジュールが使用中であるか否か判断する。第1スロット130又は第2スロット140に装着されたモジュールが使用中であると判断された場合、ステップS62において、制御部101は、表示部10の操作によってAM/FM放送又はDTVのデータの記録が開始され、かつ、モジュールがAM/FM放送又はDTVのデータ以外のデータの記録を行っているか否か判断する。
表示部10の操作によってAM/FM放送又はDTVのデータの記録が開始されず、又は、モジュールがAM/FM放送又はDTVのデータ以外のデータの記録を行っていないと判断された場合、この処理フローを終了する。それに対し、表示部10の操作によってAM/FM放送又はDTVのデータの記録が開始され、かつ、モジュールがAM/FM放送又はDTVのデータ以外のデータの記録を行っている場合、ステップS63において、制御部101は、使用中のモジュールのHDDの空き容量が記録するデータのデータサイズ以上であるか否か判断する。モジュールのHDDの空き容量が記録するデータのデータサイズ以上である場合、ステップS64において、制御部101は、モジュールのHDDにデータを記録し、この処理フローを終了する。それに対し、モジュールのHDDの空き容量が記録するデータのデータサイズ未満である場合、ステップS65において、制御部101は、データを記録するための容量を確保するためにモジュールのHDDに記録したデータを削除することができるか否か判断する。
データを記録するための容量を確保するためにモジュールのHDDに記録したデータを削除することができる場合、ステップS66において、制御部101は、自動的に又は表示部10の操作に従って、モジュールのHDDに記録したデータを削除し、ステップS64に進む。それに対し、データを記録するための容量を確保するためにモジュールのHDDに記録したデータを削除することができない場合、この処理フローを終了する。なお、ステップS61で第1スロット130又は第2スロット140に装着されたモジュールが使用中でないと判断された場合、ステップS64に進む。
この処理フローによれば、第1スロット130又は第2スロット140に装着されたモジュールのHDDの空き容量に応じてデータの記録を行うことができる。その結果、DTV又はAM/FM放送のデータ、WiMAXのデータ、CD/DVDから再生されたデータ又はSDカード若しくはUSBメモリから読み出されたデータを適切なHDDに記録することができる。また、AM/FM放送やDTVのデータのようなリアルタイム性を有する放送系のデータの記録を、両方のモジュールが放送系のデータ以外のデータを記録中であったとしても放送系のデータ以外のデータの記録を中断した後に行うことができる。その結果、DTV又はAM/FM放送のデータを適切なHDDに記録することができる。
図9は、車載装置の処理フローの第7例を示す図である。図9に示す処理フローは、AM/FM放送やDTVのデータのようなリアルタイム性を有する放送系のデータの記録を放送の受信状態に応じて行う処理フローであり、主に制御部101がROM103に予め記憶されたプログラムに従って車載システム1内の各モジュール及び/又は要素を協働して実行される。図9に示す処理フローは、AM/FM放送又はDTVのデータのHDDへの記録中に実行される。また、図9に示す処理フローが開始される時点で、これから車載システム1に装着されるモジュールを除いて、車載装置100を含む車載システム1の各モジュール又は要素には、電源が供給され、動作が可能な状態になっているものとする。
先ず、ステップS71において、制御部101は、AM/FM放送又はDTVの受信状態が良好であるか否か判断する。AM/FM放送又はDTVの受信状態が良好である場合、ステップS72において、制御部101は、AM/FM放送又はDTVのデータのHDDへの記録を継続し、この処理フローを終了する。それに対し、AM/FM放送又はDTVの受信状態が良好でない場合、ステップS73において、制御部101は、AM/FM放送又はDTVのデータのHDDへの記録を中断する。次に、ステップS74において、制御部101は、AM/FM放送又はDTVの受信状態が回復したか否か判断する。AM/FM放送又はDTVの受信状態が回復した場合、ステップS75において、制御部101は、AM/FM放送又はDTVのデータのHDDへの記録を再開し、この処理フローを終了する。それに対し、AM/FM放送又はDTVの受信状態が回復しない場合、この処理フローを終了する。
この処理フローによれば、AM/FM放送やDTVのデータのようなリアルタイム性を有する放送系のデータの記録を、AM/FM放送又はDTVの受信状態に応じて継続し、中断し、又は再開することができる。その結果、DTV又はAM/FM放送のデータを適切なHDDに記録することができる。
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、幾多の変更及び変形が可能である。例えば、車載装置100に装着可能なモジュールの数は1以上であればよい。また、モジュールの物理的な大きさは、任意であって、用途や設計に応じて、様々な大きさ及び形状にすることができる。