JP2010257796A - 放電灯点灯回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】DC期間において電力低減機能が働くと放電灯が立ち消えする可能性がある。
【解決手段】放電灯点灯回路100において、駆動電圧生成回路12は、放電灯4に交流の駆動電圧VLを供給する。制御回路10は、所定の駆動シーケンスにしたがって駆動電圧生成回路12における駆動電圧VLの生成を制御する。駆動シーケンスは、電源投入、ブレークダウン、DC期間、ランナップ、定常点灯をこの順に含む。DC期間における駆動電圧VLの開始周期T2は、ランナップおよび定常点灯期間における駆動電圧VLの点灯周期T1よりも長い。制御回路10は、放電灯4に供給される駆動電力を小さくする制御を、DC期間においてはマスクする。
【選択図】図1

Description

本発明は、放電灯を交流駆動する放電灯点灯回路に関する。
近年、前照灯などの車両用灯具として、従来のフィラメントを有するハロゲンランプに代えて、メタルハライドランプ(以下、放電灯と称する)が利用されている。放電灯は、ハロゲンランプに比べて発光効率、長寿命が得られる反面、駆動電圧として数十〜数百Vが必要であるため、12Vもしくは24Vの車載バッテリでは直接駆動することができず、放電灯点灯回路(バラストとも称される)が必要となる。
放電灯を点灯する方式は、直流駆動と交流駆動に分類されるが、直流駆動すると放電のアークが非対称となり、発光プロファイルが不均一となるため、車両用灯具としての利用には適さず、車両用灯具では交流駆動するのが一般的である。放電灯を10kHz以上の高周波で交流駆動すると、放電管内の気流と点灯周波数が共振する現象(音響共鳴などと呼ばれる)が発生し、放電アークが不安定になるという問題が発生する。そこで現在では、直流駆動と高周波交流駆動の双方のデメリットを解消するために、10kHz以下の低周波で駆動する方式(低周波駆動方式と呼ばれる)が主流となっている。
放電灯点灯回路は、バッテリ電圧を昇圧するDC/DCコンバータと、DC/DCコンバータの出力電圧を交流変換するHブリッジ回路などのスイッチング回路と、スタータ回路、およびこれらの回路ブロックを制御する制御回路とを備えている(たとえば特許文献1参照)。
特開平11−329777号公報
放電灯の点灯の安定性について本発明者は以下の課題を認識した。
放電灯が点灯した直後は、放電灯の電極の温度が低い場合が多い。電極の温度が低いままで極性を切り替えると、電極からの電子放出性が低いために放電灯が消灯してしまう(以降、立ち消えと称す)可能性がある。そこで放電灯点灯回路では、点灯直後のある期間においては、それ以降の期間よりも極性切替の周期を長くすることが考えられる。これにより、電極の加熱時間が増加するので電子放出性が上昇し、初回の極性の切り替わりの際に放電灯が立ち消えする可能性が低減されうる。
放電灯点灯回路には、安全性を保つ観点等から放電灯に投入する電力を小さくする機能が備わっている。この電力低減機能が作用する条件を満たした状態で放電灯を点灯した場合、点灯直後であっても放電灯に投入する電力が低減されうる。すると、初回の極性の切り替わりの際に放電灯が立ち消えする可能性が上昇しうる。
最近は放電灯点灯回路の小型化に伴って、極性の切り替わりを補助していたスタータ回路のインダクタンスも低下する傾向にある。このような状況においては、上述の課題はより顕著となりうる。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、放電灯の立ち消えの可能性を低減する放電灯点灯回路の提供にある。
本発明のある態様は、放電灯点灯回路に関する。この放電灯点灯回路は、駆動対象の放電灯に交流の駆動電圧を供給する駆動電圧生成回路と、所定の駆動シーケンスにしたがって駆動電圧生成回路における駆動電圧の生成を制御する制御回路と、を備える。駆動シーケンスは、交流の駆動電圧の周期が所定の長周期となる第1期間と、交流の駆動電圧の周期が長周期よりも短い短周期となる第2期間とを有する。駆動シーケンスでは、第1期間が第2期間よりも先に現れる。制御回路は、放電灯に供給される駆動電力を小さくする制御を、第1期間においてはマスクする。
制御を「マスクする」こととは、その制御を機能しないようにすることであってもよい。また、その制御による作用を打ち消すことであってもよい。
この態様によると、第1期間においては放電灯に供給される駆動電力を小さくする制御がマスクされるので、放電灯が立ち消えする可能性が低減される。
本発明によれば、放電灯の立ち消えの可能性を低減できる。
実施の形態に係る放電灯点灯回路およびそれに接続される部材の構成を示す回路図である。 図2(a)〜(d)は、各パラメータとDC期間の駆動電力との関係を模式的に示すグラフである。 図1の制御回路の構成を示す回路図である。 コールド状態で電源スイッチをオンした場合の図1の放電灯点灯回路の動作状態を示すタイムチャートである。 図5(a)、(b)は、図1の放電灯点灯回路のDC期間後の動作状態を示すタイムチャートである。 ランナップ期間における駆動電圧と駆動電力との関係を模式的に示すグラフである。 図7(a)、(b)は、消灯時間制御をマスクしない場合とする場合とのそれぞれについて、再点灯の際のランプ電流の時間変化を示すチャートである。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面において説明上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
本明細書において、「部材Aが、部材Bと接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合のほか、部材Aと部材Bが、電気的な接続状態に影響を及ぼさない他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、電気的な接続状態に影響を及ぼさない他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
実施の形態に係る放電灯点灯回路は、バッテリ電圧、放電灯点灯回路の温度T、放電灯が消灯されている時間(以降、消灯時間TOFFと称す)、放電灯に印加される駆動電圧、等のパラメータの値に応じて放電灯に投入する駆動電力を小さくする制御を行う。但し放電灯の点灯直後の所定の期間内は、そのような制御を働かなくしてその期間における放電灯の立ち消えの可能性を低減する。
図1は、実施の形態に係る放電灯点灯回路100およびそれに接続される部材の構成を示す回路図である。放電灯点灯回路100は、車載用のメタルハライドランプである放電灯4を駆動する。放電灯点灯回路100および放電灯4は、車両用灯具に搭載される。放電灯点灯回路100は、車載バッテリ(以下、単にバッテリと称する)6、電源スイッチ8と接続される。
バッテリ6は、12V(もしくは24V)の直流のバッテリ電圧(電源電圧)Vbatを発生する。電源スイッチ8は放電灯4の点灯のオン、オフを制御するために設けられたリレースイッチであり、バッテリ6と直列に設けられる。電源スイッチ8がオンとなると、バッテリ6からバッテリ電圧Vbatが放電灯点灯回路100に供給される。
放電灯点灯回路100は、平滑化されたバッテリ電圧Vbatを昇圧し、交流変換して放電灯4へと供給する。以下、放電灯点灯回路100の詳細な構成を説明する。
放電灯点灯回路100は、DC/DCコンバータCONV、制御回路10、スタータ回路20、Hブリッジ回路30、入力キャパシタCin、電流検出抵抗Rd、を備える。
入力キャパシタCinは、バッテリ6と並列に設けられ、バッテリ電圧Vbatを平滑化する。より具体的には、入力キャパシタCinはトランス14の近傍に設けられており、DC/DCコンバータCONVのスイッチング動作に対する電圧平滑化の機能を果たす。バッテリ電圧Vbatは、制御回路10のバッテリ電圧端子P3に印加される。
DC/DCコンバータCONVおよびHブリッジ回路30は、放電灯4に対する駆動電圧VLを供給する駆動電圧生成回路12を形成する。駆動電圧生成回路12は、ランナップおよび定常点灯期間において、放電灯4の両端間に点灯周波数f1の交流の駆動電圧VLを供給する。点灯周波数f1は10kHz以下、さらには250Hz〜750Hz程度に設定されることが好ましく、本実施の形態では312.5Hzに設定される。点灯周波数f1の逆数を点灯周期T1(=1/f1=3.2ms)という。
DC/DCコンバータCONVは、バッテリ電圧Vbatを昇圧する。DC/DCコンバータCONVは、非絶縁型のスイッチングレギュレータであり、トランス14、第1ダイオードD1、出力キャパシタCo、第1スイッチング素子M1、を含む。
トランス14の1次コイルL1の一端と、2次コイルL2の一端とは、第1スイッチング素子M1のドレインと共通に接続されている。トランス14の1次コイルL1と第1スイッチング素子M1は、入力キャパシタCinと並列に、DC/DCコンバータCONVの入力端子Pinと接地端子(GND)との間に直列に設けられている。たとえば第1スイッチング素子M1はNチャンネルMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)で構成される。第1トランス14の2次コイルL2の他端は第1ダイオードD1のアノードと接続される。出力キャパシタCoは第1ダイオードD1のカソードと接地端子間に設けられる。
第1スイッチング素子M1の制御端子(ゲート)には、点灯周波数f1より高いPWM(Pulse Width Modulation)周波数f2の制御パルス信号Spが印加される。たとえばPWM周波数f2は400kHzである。第1スイッチング素子M1は、制御パルス信号Spがハイレベルのときオン、ローレベルのときオフする。制御回路10は、放電灯4の電気的状態にもとづいてフィードバックによって制御パルス信号Spのハイレベルとローレベルのデューティ比を調節する。
昇圧された直流のコンバータ出力電圧Voは、後段のHブリッジ回路30に供給される。また、コンバータ出力電圧Voは、制御回路10の出力電圧端子P4に印加される。
Hブリッジ回路30は、接地端子とコンバータ出力電圧Voとの間に直列に置かれた第1ハイサイドトランジスタMH1および第1ローサイドトランジスタML1と、同じく接地端子とコンバータ出力電圧Voとの間に直列に置かれた第2ハイサイドトランジスタMH2および第2ローサイドトランジスタML2と、を含み、放電灯4に交流の駆動電圧VLを供給する。
第1ハイサイドトランジスタMH1、第2ハイサイドトランジスタMH2、第1ローサイドトランジスタML1、第2ローサイドトランジスタML2は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)である。
制御回路10は、第1ハイサイドトランジスタMH1、第2ローサイドトランジスタML2のペアをオンする第1状態φ1と、第2ハイサイドトランジスタMH2、第1ローサイドトランジスタML1のペアをオンする第2状態φ2と、を交互に繰り返すことにより放電灯4に交流の駆動電圧VLを供給する。
第1ハイサイドトランジスタMH1と第1ローサイドトランジスタML1との第1接続ノードN1の第1出力電圧Vo1は、スタータ回路20を介して放電灯4の一端P1に印加される。第2ハイサイドトランジスタMH2と第2ローサイドトランジスタML2との第2接続ノードN2の第2出力電圧Vo2は、放電灯4の他端P2に印加される。
ブレークダウンの後、第1状態φ1においては、放電灯4の一端P1に第1出力電圧Vo1(≒Vo)が、他端P2に接地電圧(0V)が印加され、その結果、放電灯4には、駆動電圧VL(≒Vo1)が第1極性にて印加される。第2状態φ2においては、放電灯4の他端P2に第2出力電圧Vo2(≒Vo)が、一端P1に接地電圧が印加され、その結果、放電灯4には、駆動電圧VL(≒Vo2)が第1極性と反対の第2極性にて印加される。
電流検出抵抗Rdは、放電灯4に流れるランプ電流ILの経路上に設けられる。図1の回路では電流検出抵抗Rdは、DC/DCコンバータCONVとHブリッジ回路30とを接続する接地配線上に設けられる。第1状態φ1においては、放電灯4に第1極性(図1中の右向き)にランプ電流ILが流れ、第2状態φ2においては、第2極性(図1中の左向き)にランプ電流ILが流れる。電流検出抵抗Rdには、第1状態φ1、第2状態φ2のそれぞれにおいて、ランプ電流ILに比例した電圧降下Vdが発生する。電圧降下Vdは、制御回路10の駆動電流端子P5に印加される。
スタータ回路20は、放電灯4をブレークダウンさせるために設けられる。スタータ回路20は、放電灯4を起動する際に高電圧パルス(たとえば20kV)を生成して放電灯4の一端P1に印加する。その結果、放電灯4がブレークダウンし、放電が開始する。
制御回路10は、放電灯点灯回路100全体を制御する機能IC(Integrated Circuit)を含み、所定の駆動シーケンスにしたがって駆動電圧生成回路12における駆動電圧VLの生成を制御する。制御回路10は、以下の駆動シーケンスを1から5の順番に実行することにより放電灯4を点灯させ、その光出力を安定化させる。
1. 電源投入
2. ブレークダウン
3. DC期間
4. ランナップ
5. 定常点灯
ランナップ期間および定常点灯期間においては、交流の駆動電圧VLの周期は点灯周期T1(3.2ms)とされる。DC期間においては、交流の駆動電圧VLの周期は点灯周期T1よりも長い開始周期T2とされる。開始周期T2は20msに固定される。開始周期T2は固定されるので、開始周期T2を可変とする構成と比べて回路規模を削減できる。
駆動シーケンスのさらなる詳細は後述する。
制御回路10は、放電灯4に供給する駆動電力PL(=VL×IL)を小さくする制御として、少なくとも以下の4つの制御を行う。
イ.消灯時間制御
制御回路10は、消灯時間TOFFが短いほど、次に放電灯4が点灯される際に放電灯4に供給される駆動電力PLを小さくする。
ロ.温度制御
制御回路10は、放電灯点灯回路100の温度Tが高いほど、放電灯4に供給される駆動電力PLを小さくする。
ハ.バッテリ電圧制御
制御回路10は、DC/DCコンバータCONVに供給されるバッテリ電圧Vbatが低いほど、放電灯4に供給される駆動電力PLを小さくする。
二.駆動電圧制御
制御回路10は、駆動電圧VLが高いほど、放電灯4に供給される駆動電力PLを小さくする。
制御回路10は、DC期間においてはこれら4つの電力低減制御のうちの少なくともひとつをマスクする。制御回路10では、ユーザによる設定により、もしくは制御回路10内部からの指令により、マスクされる電力低減制御が選択される。
図2(a)〜(d)は、各パラメータとDC期間の駆動電力PLとの関係を模式的に示すグラフである。図2(a)は、DC期間において放電灯4に投入される駆動電力PLの、消灯時間TOFFによる変化を示すグラフである。ライン102は消灯時間制御がマスクされた場合の変化の様子を示し、ライン104は消灯時間制御がマスクされない場合の変化の様子を示す。図2(b)は、DC期間において放電灯4に投入される駆動電力PLの、温度Tによる変化を示すグラフである。ライン106は温度制御がマスクされた場合の変化の様子を示し、ライン108は温度制御がマスクされない場合の変化の様子を示す。図2(c)は、DC期間において放電灯4に投入される駆動電力PLの、バッテリ電圧Vbatによる変化を示すグラフである。ライン110はバッテリ電圧制御がマスクされた場合の変化の様子を示し、ライン112はバッテリ電圧制御がマスクされない場合の変化の様子を示す。図2(d)は、DC期間において放電灯4に投入される駆動電力PLの、駆動電圧VLによる変化を示すグラフである。ライン114は駆動電圧制御がマスクされた場合の変化の様子を示し、ライン116は駆動電圧制御がマスクされない場合の変化の様子を示す。これらのグラフから分かる通り、マスクされた電力低減制御では、DC期間においては放電灯4に投入される駆動電力PLはパラメータによらない値となる。
図3は、制御回路10の構成を示す回路図である。制御回路10は図3に示される部材以外にも放電灯点灯回路100の各機能を実現するための他の部材を含むが、説明を明瞭とするため、それらの部材は図3では省略される。
制御回路10は、バッテリ電圧監視回路40、出力電圧監視回路42、消灯時間監視回路44、温度監視回路46、電流ソース回路48、電力制御回路50、PWM駆動回路52、マスク回路54、極性制御回路56、を含む。
バッテリ電圧監視回路40は、バッテリ電圧端子P3からバッテリ電圧Vbatを受け、制御回路10内部で生成される基準電圧Vrefを基準とした第1変換電圧V1を生成する。第1変換電圧V1は、バッテリ電圧Vbatが低くなるほど高くなる電圧である。
バッテリ電圧監視回路40は、第1抵抗R1、第2抵抗R2、第3抵抗R3、第4抵抗R4、第1誤差増幅器EA1、第2スイッチング素子M2、を含む。
第4抵抗R4の一端には基準電圧Vrefが印加され、他端はpnp型バイポーラトランジスタである第2スイッチング素子M2のエミッタと接続される。第1誤差増幅器EA1の反転入力端子には、第4抵抗R4の他端の電圧が入力される。第1誤差増幅器EA1の非反転入力端子には、バッテリ電圧Vbatを第2抵抗R2と第3抵抗R3とで分圧した電圧が入力される。第1誤差増幅器EA1の出力端子は第2スイッチング素子M2のゲートに接続される。第2スイッチング素子M2のコレクタは第1抵抗R1の一端と接続され、第1抵抗R1の他端は接地される。第1誤差増幅器EA1の入力端子間の電圧を等しくするように第2スイッチング素子M2にはバッテリ変換電流Ibatが流れる。第2スイッチング素子M2のコレクタと第1抵抗R1の一端との第3接続ノードN3には、バッテリ変換電流Ibatが第1抵抗R1に流れることにより生じる電圧降下が第1変換電圧V1として現れる。バッテリ変換電流Ibatはバッテリ電圧Vbatが低いほど大きくなるので、第1変換電圧V1はバッテリ電圧Vbatが低いほど高くなる。
出力電圧監視回路42は、出力電圧端子P4からコンバータ出力電圧Voを受け、基準電圧Vrefを基準とした第2変換電圧V2を生成する。第2変換電圧V2は、コンバータ出力電圧Voが高くなるほど高くなる電圧である。
出力電圧監視回路42は、第5抵抗R5、第6抵抗R6、第7抵抗R7、第8抵抗R8、第9抵抗R9、第10抵抗R10、第11抵抗R11、第2誤差増幅器EA2、第3誤差増幅器EA3、第2ダイオードD2、第3ダイオードD3、を含む。
第5抵抗R5および第6抵抗R6は、出力電圧端子P4と接地端子との間にこの順に直列に設けられる。第9抵抗R9、第10抵抗R10、第11抵抗R11は、基準電圧Vrefを与える端子と接地端子との間にこの順に直列に設けられる。第10抵抗R10の第9抵抗R9側の一端の電圧VP1が、第2誤差増幅器EA2の非反転入力端子に印加される。第10抵抗R10の他端の電圧VP2が、第3誤差増幅器EA3の非反転入力端子に印加される。第2誤差増幅器EA2の出力端子は第2ダイオードD2のカソードと接続される。第2ダイオードD2のアノードは、第7抵抗R7の一端および第2誤差増幅器EA2の反転入力端子と接続される。第3誤差増幅器EA3の出力端子は第3ダイオードD3のカソードと接続される。第3ダイオードD3のアノードは、第8抵抗R8の一端および第3誤差増幅器EA3の反転入力端子と接続される。
第5抵抗R5と第6抵抗R6との間の第4接続ノードN4には、第7抵抗R7の他端と第8抵抗R8の他端とが接続される。この第4接続ノードN4に生じる第2変換電圧V2は、コンバータ出力電圧Voが上昇すると共に上昇する。第2変換電圧V2が第10抵抗R10の他端の電圧VP2よりも低い間は、第2変換電圧V2はコンバータ出力電圧Voを第5抵抗R5および第6抵抗R6で分圧した電圧となる。第2変換電圧V2が電圧VP2よりも高くなると、第8抵抗R8を通して第4接続ノードN4から第3誤差増幅器EA3へ電流がシンクされる。したがってコンバータ出力電圧Voの上昇分に対する第2変換電圧V2の上昇分の割合(傾き)は小さくなる。第2変換電圧V2が電圧VP1よりも高くなると、さらに、第7抵抗R7を通して第4接続ノードN4から第2誤差増幅器EA2へ電流がシンクされる、したがってしたがってコンバータ出力電圧Voの上昇分に対する第2変換電圧V2の上昇分の割合(傾き)はさらに小さくなる。
消灯時間監視回路44は、電源スイッチ8がオンされると充電され始め、電源スイッチ8がオフされると放電され始めるタイマキャパシタCを備える。消灯時間監視回路44は、タイマキャパシタCの端子間電圧を第3変換電圧V3として出力する。
消灯時間監視回路44は、第4誤差増幅器EA4、第4ダイオードD4、タイマキャパシタC、第12抵抗R12、第13抵抗R13、第14抵抗R14、第15抵抗R15、を含む。
基準電圧Vrefを第14抵抗R14と第15抵抗R15とで分圧した電圧が第4誤差増幅器EA4の非反転入力端子に印加される。第4誤差増幅器EA4の出力端子は第4ダイオードD4のアノードと接続される。第4ダイオードD4のカソードは第4誤差増幅器EA4の反転入力端子に接続される。第4ダイオードD4のカソードはまた、第12抵抗R12の一端および第13抵抗R13の一端と接続される。第13抵抗R13の他端は接地される。第12抵抗R12の他端はタイマキャパシタCの一端と接続される。タイマキャパシタCの他端は接地される。第12抵抗R12の他端とタイマキャパシタCの一端との第5接続ノードN5に生じる電圧(タイマキャパシタCの端子間電圧)が第3変換電圧V3として出力される。
消灯時間監視回路44では、充電時は第4ダイオードD4のカソード側の電圧と第12抵抗R12とで充電の時定数が決まる。放電時は第12抵抗R12および第13抵抗R13の直列合成抵抗で放電の時定数が決まる。特に本実施の形態では、電源スイッチ8がオンされてからタイマキャパシタCが満充電される(第3変換電圧V3が一定になったと見なすことができる)までの時間はおよそ80sに設定される。タイマキャパシタCが満充電された状態をホット状態と呼ぶ。満充電の状態で電源スイッチ8がオフされてからタイマキャパシタCが十分に放電される(第3変換電圧V3がゼロに十分近づいたと見なすことができる)までの時間はおよそ30sに設定される。タイマキャパシタCが十分に放電された状態をコールド状態と呼ぶ。第3変換電圧V3はホット状態に近いほど高くなる。特に第3変換電圧V3は、ホット状態において電源スイッチ8がオフされてからの時間が短いほど高くなる。
温度監視回路46は、ダイオードの温度特性を利用して、放電灯点灯回路100の温度Tが高くなるほど高くなる第4変換電圧V4を生成する。
温度監視回路46は、第5誤差増幅器EA5、第3スイッチング素子M3、温度センサD、第16抵抗R16、第17抵抗R17、第18抵抗R18、第19抵抗R19、を含む。
基準電圧Vrefを第16抵抗R16と第17抵抗R17とで分圧した電圧が第5誤差増幅器EA5の非反転入力端子に印加される。第5誤差増幅器EA5の出力端子は、pnp型バイポーラトランジスタである第3スイッチング素子M3のベースに接続される。温度センサDは、直列に接続された3つのダイオードを含む。温度センサDのアノード側には基準電圧Vrefが印加される。温度センサDのカソード側は、第18抵抗R18の一端および第3スイッチング素子M3のエミッタおよび第5誤差増幅器EA5の反転入力端子と接続される。第18抵抗R18の他端は接地される。第3スイッチング素子M3のコレクタは第19抵抗R19の一端と接続され、第19抵抗R19の他端は接地される。
第5誤差増幅器EA5の入力端子間の電圧を等しくするように第3スイッチング素子M3には温度変換電流Iが流れる。第3スイッチング素子M3のコレクタと第19抵抗R19の一端との第6接続ノードN6には、温度変換電流Iが第19抵抗R19に流れることにより生じる電圧降下が第4変換電圧V4として現れる。温度センサDでは、そのカソード側の電圧が、基準電圧Vrefを第16抵抗R16と第17抵抗R17とで分圧した電圧に保たれるので、温度Tが高くなると温度センサDに流れるべき電流も上昇する。したがって、温度変換電流Iは温度Tが高くなると大きくなる。その結果、第4変換電圧V4は、温度Tが高くなるほど高くなる。
なおここでは、放電灯点灯回路100は一様と見なせる温度分布を有し、したがって温度センサDで計測される温度は放電灯点灯回路100の温度Tと見なせる場合を考える。しかしながら、放電灯点灯回路に温度勾配がある場合にも本実施の形態の技術思想を適用できることは、当業者には理解される。
電流ソース回路48は、第1変換電圧V1、第2変換電圧V2、第3変換電圧V3、第4変換電圧V4、を受け、電力制御回路50にソース電流Isを供給する。電流ソース回路48は、第1変換電圧V1、第2変換電圧V2、第3変換電圧V3および第4変換電圧V4のそれぞれが高いほど、ソース電流Isを大きくする。
電流ソース回路48は、第1ソース量調節回路58、第2ソース量調節回路60、第3ソース量調節回路62、第4ソース量調節回路64、ソース電流生成回路66、第20抵抗R20、を含む。
第20抵抗R20の一端には制御回路10内部で生成された固定電圧Vccが印加される。第20抵抗R20の他端は第10誤差増幅器EA10の非反転入力端子と接続される。第20抵抗R20の他端と第10誤差増幅器EA10の非反転入力端子との接続ノードを第7接続ノードN7と称す。
ソース電流生成回路66は、第20抵抗R20に流れる電流I5が大きいほど大きくなるソース電流Isを生成する。ソース電流生成回路66は、第10誤差増幅器EA10、第8スイッチング素子M8、第25抵抗R25、を含む。第10誤差増幅器EA10の出力端子は、pnp型バイポーラトランジスタであるM8のベースと接続される。第25抵抗R25の一端には固定電圧Vccが印加される。第25抵抗R25の他端は、第8スイッチング素子M8のエミッタおよび第10誤差増幅器EA10の反転入力端子と接続される。第8スイッチング素子M8のコレクタからソース電流Isが電力制御回路50に供給される。第10誤差増幅器EA10の非反転入力端子に印加される電圧は(Vcc−R20・I5)であるので、第20抵抗R20に流れる電流I5が大きいほど、ソース電流Isも大きくなる。
第1ソース量調節回路58は、第1変換電圧V1が高いほど多くの電流I1を第7接続ノードN7から引き込む。第1ソース量調節回路58は、第6誤差増幅器EA6、第4スイッチング素子M4、第21抵抗R21、を含む。第6誤差増幅器EA6の非反転入力端子には第1変換電圧V1が印加される。第6誤差増幅器EA6の出力端子は、npn型バイポーラトランジスタである第4スイッチング素子M4のベースと接続される。第4スイッチング素子M4のコレクタは、第7接続ノードN7と接続される。第4スイッチング素子M4のエミッタは、第21抵抗R21の一端および第6誤差増幅器EA6の反転入力端子と接続される。
第1ソース量調節回路58では、第6誤差増幅器EA6の入力端子間の電圧を等しくするように第4スイッチング素子M4に電流I1が流れる。したがって、第1変換電圧V1が高いほど第4スイッチング素子M4に流れる電流I1も大きくなる。
第6誤差増幅器EA6の出力端子は、後述するマスク回路54の第9スイッチング素子M9を介して接地可能とされる。第6誤差増幅器EA6の出力端子が接地されると、第1変換電圧V1の値にかかわらず第4スイッチング素子M4に電流I1は流れない。
第2ソース量調節回路60、第3ソース量調節回路62、第4ソース量調節回路64はそれぞれ第1ソース量調節回路58と同様の回路トポロジーを有している。すなわち、第7誤差増幅器EA7、第8誤差増幅器EA8、第9誤差増幅器EA9はそれぞれ第6誤差増幅器EA6と、第5スイッチング素子M5、第6スイッチング素子M6、第7スイッチング素子M7はそれぞれ第4スイッチング素子M4と、第22抵抗R22、第23抵抗R23、第24抵抗R24はそれぞれ第21抵抗R21と、対応している。
第2ソース量調節回路60は、第2変換電圧V2が高いほど多くの電流I2を第7接続ノードN7から引き込む。第7誤差増幅器EA7の出力端子は、後述するマスク回路54の第10スイッチング素子M10を介して接地可能とされる。
第3ソース量調節回路62は、第3変換電圧V3が高いほど多くの電流I3を第7接続ノードN7から引き込む。第8誤差増幅器EA8の出力端子は、後述するマスク回路54の第11スイッチング素子M11を介して接地可能とされる。
第4ソース量調節回路64は、第4変換電圧V4が高いほど多くの電流I4を第7接続ノードN7から引き込む。第9誤差増幅器EA9の出力端子は、後述するマスク回路54の第12スイッチング素子M12を介して接地可能とされる。
第20抵抗R20に流れる電流I5は、I5=I1+I2+I3+I4となる。
電力制御回路50は、電流検出抵抗Rdにおける電圧降下Vdに基づき放電灯4に供給される駆動電力PLを制御する。この制御また、電力制御回路50は、電流ソース回路48から供給されるソース電流Isが大きいほど、放電灯4に供給される駆動電力PLを小さくする。
電力制御回路50は、第1電圧源68、第2電圧源70、第11誤差増幅器EA11、第26抵抗R26、可変抵抗RV、を含む。
第26抵抗R26の一端には、駆動電流端子P5から電圧降下Vdが印加される。第26抵抗R26の他端は可変抵抗RVの一端と接続される。可変抵抗RVの他端には、第1電圧源68から第1基準電圧Vr1が印加される。第26抵抗R26の他端と可変抵抗RVの一端との第8接続ノードN8には、電流ソース回路48からソース電流Isが供給される。第8接続ノードN8の制御電圧Vconは第11誤差増幅器EA11の反転入力端子に印加される。第11誤差増幅器EA11の非反転入力端子には、第2電圧源70から第2基準電圧Vr2が印加される。
第11誤差増幅器EA11は、その入力端子間の電圧の差に応じた誤差電圧Verrを出力する。可変抵抗RVは、放電灯点灯回路100の製造時のばらつきを補償するために設けられる。
なお、第8接続ノードN8の制御電圧Vconが高くなると誤差電圧Verrは低くなる。ソース電流Isが大きくなると制御電圧Vconは高くなるので、ソース電流Isが大きくなると誤差電圧Verrは低くなる。
PWM駆動回路52は、誤差電圧Verrを受け、誤差電圧Verrをゼロなどの一定値に近づけるように、つまり第11誤差増幅器EA11の入力端子間の電圧を近づけるように制御パルス信号Spのデューティ比を制御する。PWM駆動回路52は、そのような機能を実現するように、公知のPWM駆動技術を用いて構成される。例えば、PWMコンパレータの非反転入力端子に誤差電圧Verrが印加され、反転入力端子にPWM周波数f2の鋸波状の電圧が印加されるPWMコンパレータを備え、そのPWMコンパレータの出力を制御パルス信号Spとしてもよい。この場合、誤差電圧Verrが低くなると、DC/DCコンバータCONVの出力電力が小さくなるように制御パルス信号Spのデューティ比が変化する。
極性制御回路56は、駆動シーケンスにしたがって第1状態φ1と第2状態φ2との切り替えを制御する。極性制御回路56は、電源投入からブレークダウンまでは第1ハイサイドトランジスタMH1、第2ハイサイドトランジスタMH2、第1ローサイドトランジスタML1、第2ローサイドトランジスタML2を全てオフ状態とする。この状態をリセット状態と呼ぶ。極性制御回路56は、DC期間においては、第1状態φ1と第2状態φ2とを交互に開始周期T2で1周期分だけ繰り返す。つまりDC期間においては、第1状態φ1および第2状態φ2のそれぞれが一度だけ現れる。極性制御回路56は、ランナップ期間および定常点灯期間においては、第1状態φ1と第2状態φ2とを交互に点灯周期T1で繰り返す。
極性制御回路56は、DC期間の間アサートされる(例えば、ハイレベルとなる)DC期間信号SDCを生成してマスク回路54に出力する。
マスク回路54は、DC期間の間、第1ソース量調節回路58、第2ソース量調節回路60、第3ソース量調節回路62、第4ソース量調節回路64のうちの少なくともひとつを無効化する。無効化すべきソース量調節回路は、予めユーザにより設定されるか、制御回路10内部において放電灯点灯回路100の状態に基づき決定される。
マスク回路54は、第9スイッチング素子M9、第10スイッチング素子M10、第11スイッチング素子M11、第12スイッチング素子M12、第1スイッチSW1、第2スイッチSW2、第3スイッチSW3、第4スイッチSW4、スイッチ設定回路72、を含む。
npn型バイポーラトランジスタである第9スイッチング素子M9のコレクタは、第6誤差増幅器EA6の出力端子と接続される。第9スイッチング素子M9のエミッタは接地される。第9スイッチング素子M9のベースには、第1スイッチSW1を介してDC期間信号SDCが入力される。第10スイッチング素子M10、第11スイッチング素子M11、第12スイッチング素子M12のそれぞれは第9スイッチング素子M9と、第2スイッチSW2、第3スイッチSW3、第4スイッチSW4のそれぞれは第1スイッチSW1と、対応している。違いは、第10スイッチング素子M10のコレクタは第7誤差増幅器EA7の出力端子と接続されること、第11スイッチング素子M11のコレクタは第8誤差増幅器EA8の出力端子と接続されること、第12スイッチング素子M12のコレクタは第9誤差増幅器EA9の出力端子と接続されること、である。第9スイッチング素子M9、第10スイッチング素子M10、第11スイッチング素子M11、第12スイッチング素子M12のそれぞれをオンすることが、そのそれぞれに対応する電力軽減制御をマスクすることに対応する。
スイッチ設定回路72は、第1スイッチSW1、第2スイッチSW2、第3スイッチSW3および第4スイッチSW4のオンオフを制御する。スイッチ設定回路72は、ユーザ設定モードと、内部設定モードと、常時オンモードと、を有する。ユーザ設定モードでは、スイッチ設定回路72は、第1スイッチSW1、第2スイッチSW2、第3スイッチSW3および第4スイッチSW4のうちユーザによってオンするように設定されたスイッチをオンする。内部設定モードでは、スイッチ設定回路72は、放電灯点灯回路100の状態に基づいて、第1スイッチSW1、第2スイッチSW2、第3スイッチSW3および第4スイッチSW4のなかからオンすべきスイッチを決定する。常時オンモードでは、スイッチ設定回路72は、電源スイッチ8がオンされた後、第1スイッチSW1、第2スイッチSW2、第3スイッチSW3および第4スイッチSW4を常時オンとする。
第1スイッチSW1がオンとされる場合、DC期間中はDC期間信号SDCがハイレベルとなるので、第9スイッチング素子M9がオンされる。すると第1ソース量調節回路58の第6誤差増幅器EA6の出力端子は接地される。したがって、第1変換電圧V1の値にかかわらず第4スイッチング素子M4には電流I1は流れなくなる。第2スイッチSW2がオンとされる場合、第3スイッチSW3がオンとされる場合、第4スイッチSW4がオンとされる場合、についても同様である。
以上が放電灯点灯回路100の構成である。続いてその動作を、駆動シーケンスに従って説明する。図4は、コールド状態で電源スイッチ8をオンした場合の放電灯点灯回路100の動作状態を示すタイムチャートである。図4の縦軸および横軸は、理解を容易とするために適宜拡大、縮小したものであり、また示される各波形も、理解の容易のために簡略化されている。
1. 電源投入
時刻t1においてユーザが電源スイッチ8をオンすると、放電灯点灯回路100が起動する。制御回路10はDC/DCコンバータCONVを起動すると共にHブリッジ回路30をリセット状態に置く。放電灯点灯回路100はバッテリ電圧Vbatを所定の高電圧(400V)に昇圧して安定化する。
2. ブレークダウン
時刻t2において、スタータ回路20は、DC/DCコンバータCONVにより生成された400Vのコンバータ出力電圧Voを受け、20kV以上の高電圧パルスを発生する。その結果、放電灯4の駆動電圧VLは15kV程度まで上昇してブレークダウンし、グロー放電が始まる。
3. DC期間
ブレークダウンの後、制御回路10はまず第1状態φ1においてランプ電流ILを第1極性の向きにおよそ10msの間流す制御を行う。次に制御回路10は、第2状態φ2に切り替え、ランプ電流ILを第2極性の向きにおよそ10msの間流す制御を行う。このDC期間においてグロー放電からアーク放電へと移行させる。
DC期間が終了してアーク放電が安定すると、制御回路10は、Hブリッジ回路30を制御して、点灯周期T1にて交互に第1状態φ1と第2状態φ2とを繰り返す。
図5(a)、(b)は、放電灯点灯回路100のDC期間後の動作状態を示すタイムチャートである。図5(a)、(b)の縦軸および横軸は、理解を容易とするために適宜拡大、縮小したものであり、また示される各波形も、理解の容易のために簡略化されている。図5(a)、(b)はそれぞれ、ランナップ過程および定常点灯時の波形を示している。
4. ランナップ
アーク放電の成長にともない、放電灯4の光出力が上昇していく。光出力の立ち上がりは規格で定められており、規格にマッチした光出力(電力)が得られるように、制御回路10は、コンバータ出力電圧Vo、ランプ電流ILを監視し、フィードバックによって、第1スイッチング素子M1のオン・オフのデューティ比を調節する。放電灯点灯回路100は、ランナップ期間において放電灯4の光出力を急速に上昇させるため、一時的に定格電力より高い過電力を供給し、その後、駆動電圧VLを45V、ランプ電流ILを0.8Aに安定化して定格電力(35W)に近づけていく(図5(a))。
ランナップ期間においては放電灯4の内部が活性化されるにつれて放電灯4のインピーダンスが増加する。これによりコンバータ出力電圧Vo(≒駆動電圧VL)が上昇する。コンバータ出力電圧Voが高くなると、出力電圧監視回路42は第2変換電圧V2を高くする。第2変換電圧V2が高くなると、電流ソース回路48がソースするソース電流Isも増える。すると誤差電圧Verrが低下し放電灯4に供給される駆動電力PLが抑えられる。
図6は、ランナップ期間における駆動電圧VLと駆動電力PLとの関係を模式的に示すグラフである。駆動電圧VLがある電圧範囲、例えば27〜35Vの範囲にある場合は、駆動電圧VLが高いほど駆動電力PLを小さくする。駆動電圧VLが35Vを越えると駆動電力PLをおよそ35Wに保つ。
5. 定常点灯
図5に戻る。ランナップ過程を経て、放電灯4の光出力が安定化すると、放電灯4に供給される電力が定格値35Wに安定化される(図5(b))。なお、図5(a)、(b)に示される駆動電圧VLおよびランプ電流ILの波形は、見やすさのために簡略化したものであり、実際には250Hz〜750Hzの周波数を有している。
一旦ホット状態に達した後に電源スイッチ8がオフされ、1s後に再び電源スイッチ8がオンされる場合を考える。この再点灯の際は、タイマキャパシタCは十分に放電されていないので、第3変換電圧V3は比較的高い。図7(a)、(b)は、消灯時間制御をマスクしない場合とする場合とのそれぞれについて、再点灯の際のランプ電流ILの時間変化を示すチャートである。図7(a)、(b)で網かけされた領域の面積はIt積の大きさを表す。
It積とは、放電灯4に流れるランプ電流ILの値と、そのランプ電流ILが流れている時間との積である。It積は、電子放出性などの放電灯4内部の活性度を測る指標として用いられる。
図7(a)は、消灯時間制御がマスクされない場合のランプ電流ILの時間変化を示す。第3変換電圧V3が高いので、DC期間およびランナップ期間の両方において放電灯4に供給される駆動電力PLが抑制される。したがってDC期間におけるランプ電流ILは比較的小さく、It積も小さい。
図7(b)は、消灯時間制御がDC期間においてマスクされた場合のランプ電流ILの時間変化を示す。DC期間においては、消灯時間制御がマスクされているので、駆動電力PLは抑制されず比較的大きい。したがってランプ電流ILも大きく、It積も大きい。これにより、DC期間において放電灯4の内部はより活性化され、極性の切り替わりにおいて消灯する可能性が低減される。
以上が実施の形態に係る放電灯点灯回路100の動作である。この放電灯点灯回路100は、従来の放電灯点灯回路に比べて以下の利点を有する。
(1)実施の形態に係る放電灯点灯回路100によると、消灯時間制御、温度制御、バッテリ電圧制御、駆動電圧制御のうちの少なくともひとつの制御をDC期間においてマスクする。したがって、上述の4つの電力低減制御をいずれもマスクしない構成と比べて、DC期間において放電灯4に供給される電力が増加する。その結果、DC期間におけるIt積が増加し、DC期間における放電灯4の立ち消えの可能性が低減される。
本発明者は以下の検討を行った。
本実施の形態によらずにDC期間における放電灯4の立ち消えの可能性を低減する方法としては、DC期間の周期を即応的に定める制御方式、つまりDC期間におけるIt積が一定となるようにランプ電流ILと時間とを演算してDC期間の周期を定める制御方式が考えられる。しかしながらこの場合はIt積の演算を行う必要があるため、DC期間の周期を定める演算回路部分が大規模になりコストアップにつながりかねない。これに比べて実施の形態に係る放電灯点灯回路100は、そのような演算回路を必要とせずに立ち消えの可能性を低減している。したがって、実施の形態に係る放電灯点灯回路100はDC期間の周期を即応的に定める制御方式と比べてコストの面で有利である。
(2)また、ユーザ設定モードでは、ユーザはマスクすべき制御を設定出来る。したがって、自由度の高い制御が可能となる。また、内部設定モードでは、放電灯点灯回路100の状態に基づいたマスクの設定が可能となる。また、常時オンモードでは、上述の4つの電力低減制御の全てがDC期間においてマスクされるので、DC期間における立ち消えの可能性がより低減される。
(3)また、実施の形態に係る放電灯点灯回路100では、製品の安全性を高める等の目的から、消灯時間制御、温度制御、バッテリ電圧制御、駆動電圧制御を行う必要がある。しかしながら、このような電力低減制御は常に行われていなければならない訳ではない。特に放電灯4の点灯直後に放電灯4に供給する駆動電力PLを小さくすると、放電灯4が立ち消えする可能性があることに本発明者は気がついた。そこでこの課題に鑑み、本発明者はDC期間においてはこれらの電力低減制御をマスクすることが好適であることを見出した。
(4)実施の形態に係る放電灯点灯回路100および放電灯4は車両用灯具に搭載される。この場合、屋内用の照明などに用いられる場合と比べて、放電灯4が短い周期でオンオフされる機会が多い。かかる状況においては、放電灯4の消灯後タイマキャパシタCが十分放電しきらないうちに再度点灯される、いわゆるホットリスタートが行われる場合が多い。実施の形態に係る放電灯点灯回路100は、ホットリスタートが行われる状況でも消灯時間制御をマスクしてDC期間における立ち消えの可能性を低減できるのでより好適である。
以上、実施の形態をもとに本発明を説明した。これらの実施の形態は例示であり、各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
実施の形態では、放電灯点灯回路100は、DC/DCコンバータCONVによって供給されるコンバータ出力電圧VoをHブリッジ回路30によって交流変換して放電灯4に印加するいわゆるシングルコンバータ型の放電灯点灯回路である場合について説明したが、これに限られない。例えば、放電灯点灯回路は、第1DC/DCコンバータと第2DC/DCコンバータとを備えるいわゆるダブルコンバータ型の放電灯点灯回路であってもよい。この場合、第1状態φ1においては第1DC/DCコンバータがアクティブに設定され、第2状態φ2においては第2DC/DCコンバータがアクティブに設定される。この場合も、実施の形態で説明した効果と同様の効果を得ることができる。
実施の形態に係る放電灯点灯回路の制御回路またはその一部にマイコンを用いてもよい。
実施の形態では、車両用の放電灯を駆動する放電灯点灯回路を例に説明したが、本発明の用途はこれに限定されず、放電灯に供給される電力を小さくする機能を有する放電灯点灯回路に広く適用できる。
実施の形態で説明した回路において、信号のハイレベル、ローレベルの論理値の設定は一例であって、インバータなどによって適宜反転させることにより自由に変更することが可能である。
実施の形態では、Hブリッジ回路30の4つのトランジスタはIGBTである場合について説明したが、これに限られない。これらのトランジスタは、すべてNチャンネルMOSFETであってもよいし、あるいは、バイポーラトランジスタであってもよい。
実施の形態にもとづき、特定の語句を用いて本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が可能である。
4 放電灯、 6 車載バッテリ、 8 電源スイッチ、 10 制御回路、 20 スタータ回路、 30 Hブリッジ回路、 40 バッテリ電圧監視回路、 42 出力電圧監視回路、 44 消灯時間監視回路、 46 温度監視回路、 48 電流ソース回路、 50 電力制御回路、 52 PWM駆動回路、 54 マスク回路、 56 極性制御回路、 100 放電灯点灯回路、 CONV DC/DCコンバータ、 IL ランプ電流、 PL 駆動電力、 T 温度、 VL 駆動電圧。

Claims (5)

  1. 駆動対象の放電灯に交流の駆動電圧を供給する駆動電圧生成回路と、
    所定の駆動シーケンスにしたがって前記駆動電圧生成回路における駆動電圧の生成を制御する制御回路と、を備え、
    前記駆動シーケンスは、前記交流の駆動電圧の周期が所定の長周期となる第1期間と、前記交流の駆動電圧の周期が前記長周期よりも短い短周期となる第2期間とを有し、
    前記駆動シーケンスでは、前記第1期間が前記第2期間よりも先に現れ、
    前記制御回路は、前記放電灯に供給される駆動電力を小さくする制御を、前記第1期間においてはマスクすることを特徴とする放電灯点灯回路。
  2. 前記制御回路において、前記放電灯に供給される駆動電力を小さくする制御とは、前記放電灯が消灯されている時間が短いほど、次に前記放電灯が点灯される際に前記放電灯に供給される駆動電力を小さくする制御であることを特徴とする請求項1に記載の放電灯点灯回路。
  3. 前記制御回路において、前記放電灯に供給される駆動電力を小さくする制御とは、当該放電灯点灯回路の温度が高いほど、前記放電灯に供給される駆動電力を小さくする制御であることを特徴とする請求項1に記載の放電灯点灯回路。
  4. 前記制御回路において、前記放電灯に供給される駆動電力を小さくする制御とは、前記駆動電圧生成回路に供給される電源電圧が低いほど、前記放電灯に供給される駆動電力を小さくする制御であることを特徴とする請求項1に記載の放電灯点灯回路。
  5. 前記制御回路において、前記放電灯に供給される駆動電力を小さくする制御とは、前記駆動電圧が高いほど、前記放電灯に供給される駆動電力を小さくする制御であることを特徴とする請求項1に記載の放電灯点灯回路。
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