JP2010250789A - カメラ付き表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】被写体(人物)を画面裏側に設けた非可視光照明装置とカメラで安全にかつ精細に撮影する。当該カメラ画像を処理して被写体を検出し、インタラクティブ表示に利用する。特に、非装着手段によって、視点、視線を広い範囲で精度よく検出する。
【解決手段】自発光体を画素に用いた薄型画面、又は、反射型プロジェクタスクリーンを用いた薄型画面と、画面を介して被写体に向け非可視光を放出する照明装置と、被写体反射光を画面を介して捉えるための画面に接近して設けられたカメラと、カメラ画像を処理して被写体を検出する手段からなる。自発光体にはEL素子、LED、プラズマ放電素子を用いる。当該照明装置は、照明領域を直視した際に、網膜中心窩とその周辺を分散して照明する。被写体に向け近赤外光の幾何学的パターンを投影できる。当該照明による角膜反射像、瞳孔像等を処理して視点、視線を検出する。複数のカメラを輻輳させ広い範囲で検出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、表示画面の前の被写体(人物など)を画面裏側に設けた非可視光照明装置とカメラで撮影し、当該カメラ画像を処理して被写体を検出、又は、認識し、当該結果を出力するカメラ付き表示装置に関する。
バーチャルリアリティ(VR)システムでは、3次元空間モデルを2次元画面にリアルタイムで透視投影変換して運動視表示、両眼立体視表示を実現するが、この際、利用者の視点位置検出が必要である。インテリジェントなヒューマンインタフェースを実現するためには、利用者の視線の動き、顔の表情などをリアルタイムで検出できると便利である。テレビ会議などで、画面上の注視点、又は、注視対象を通信相手に送ることができれば、コラボレーション機能を高めることができる。香り表示、触覚表示などを組み合わせた五感情報表示装置では、鼻の位置、耳の位置、頬の位置などの検出結果に基づいて感覚(刺激)情報を表示する必要がある。
以上のように人の動きに伴って表示内容を変化させるインタラクティブ表示装置では、人体各部位の動き、又は、視点・視線の動きを検出する手段が不可欠である。従来、当該動き検出には、3次元磁気センサ、超音波センサ、赤外線センサなどを用いる方法が知られているが、できれば非装着な手段で検出できることが望ましい。このためには、表示画面の前に居る人をカメラで捉え画像処理する方法が有効である。
従来、画面の脇に設けた複数のカメラで人の特徴点を撮影し、ステレオ画像計測などによって各部位の位置、視点・視線などを検出する方法が実用化さているが、以下のような問題があった。
(1)大画面表示装置の周囲にカメラを配置した場合、利用者を正面で捉えることが難しく、斜め方向、又は、横方向から撮影することになるため、前記インタラクティブ表示に重要な身体部位、例えば、眼の周り、頬、鼻、耳などの特徴点を明るく、精細に撮影し、精度良く検出することは難しい。
(2)視線検出では、虹彩、瞳孔、角膜反射像などの特徴点を拡大して精細に撮影する必要がある。従来、近赤外照明装置、カメラなどを画面の脇に設置して視線検出装置を構成する例はあるが、画面が大きくなると眼を斜め方向から撮影することになるため、当該特徴点を精度よく撮影することが難しい。既存視線検出装置の仕様は、画面サイズ20インチ、視距離1m以内で、視線検出範囲は眼球回転角で高々左右各20度程度である。
(3)画面の脇に照明装置とカメラを設置して眼球特徴点を撮影する装置では、当該装置が大きいと目障りである。小さくせざるを得ないが、小さい照明装置を用いると、単位面積当たりの発光強度を高くする必要があり、長時間使用では眼への悪影響が問題になる。
(4)検出装置が表示装置から分離していると、使用の際に両者の座標系を調整するために、利用者に画面の中に表示された複数の点を注視してもらうなどの面倒なキャリブレーション作業が不可欠であった。
前記問題を解決するためには、カメラを画面の周囲ではなく画面の裏側に多数設置できることが望ましい。画面の裏側からカメラで人物を捉えることができれば、特徴点を安定に撮影できる可能性がある。また、表示装置から放出される可視光との干渉を避けるためには、非可視光照明を用いて撮影することが望ましい。
従来、近赤外光が通過する画面を用い、画面裏側から表側に向けて近赤外照明光を放出し、画面裏側に設けたカメラで被写体反射光を捉えるカメラ付き表示装置として以下の例が知られている。
特開平11−24839、特開2006−004330には、リアプロジェクション式のディスプレイで、スクリーンの裏面側に赤外線カメラを設け、被写体の動きに応じて画像をコントロールする構成が開示されている。
特開2007−298547には、液晶表示パネルの裏面に赤外線カメラを設置し、表示パネル前の被写体を撮影できるシステムが開示されている。
液晶パネルを用いるため、パネルの裏側には、拡散材を用いたバックライトが必要であり、バックライトとカメラは時分割で駆動される。
特表2007−514241、特表2007−514242には、液晶やフラットパネルタイプのディスプレイにおいて、裏面側に赤外線カメラを設けて、当該ディスプレイ前の被写体を撮影することができる内容が開示されている。
しかし、これら文献を含め、画面の中から利用者に近赤外光を照射して撮影する従来方式には解決すべき以下の問題がある。
(5)利用者は画面内の近赤外光照明を直視する場合が多いが、非可視光であるため、利用者には照明の強さが分からない。また、光量を調整する不随意の瞳孔反射も起きにくい。網膜中心窩付近は視細胞がむき出し状態であるため、強い照明を当てると網膜が日焼け状態になり、障害の危険がある。
大画面表示装置では、画面と利用者の距離が離れるため強い照明が必要であり、特に、眼球特徴点は小さく撮影し難いため、強い照明の必要性は高い。従って、眼への影響を考慮した照明装置を用いるべきであるが、あまり検討されていない。
(6)視点や視線検出では、虹彩、瞳孔、角膜反射像などの特徴点を正面から形状が歪まないように、明るく精細に、また、特徴が明確に反映されるように撮影することが必要であるが、当該特徴点は小さく、瞼や睫などで隠れ易いため難しい。
(7)上記文献の表示装置は、リアプロジェクタを用いる、又は、バックライトを必要とする液晶素子を用いるものであり表示部は厚い。つまり、画面の裏側に設けるカメラは、画面に密着して設置することはできず、画面から少し距離を置いて設置する必要がある。このため、画面を介して被写体を撮影する際に、画面の構造物が撮影画像に写り込み易くノイズの原因になる。ノイズが多ければ被写体の特徴点抽出処理は困難である。
リアプロジェクタを用いる表示装置では半透明スクリーンが用いられる、また、液晶パネルではバックライト部に拡散板等が用いられるため、被写体反射光はこれらの画面を通過する際に散乱などの影響を受け易すい。当該反射光を捉えた画像はノイズを含み易く、スクリーンから離れた場所で観賞する利用者の特徴を精細に撮影することは難しい。特に、視点や視線を検出できるように眼球特徴点を精細に撮影することはできない。従来、大画面表示装置の裏側に設けたカメラで、利用者の頭部の動きや大きな視線移動を許容して眼球特徴点を安定に撮影する技術、及び、視線検出技術は存在しない。
また、スクリーン後方の離れた場所に照明装置を設ける場合、照明光がスクリーンを通過する際、屈折率の違いからスクリーン裏面で光の反射が起こり、照明装置としてのエネルギー効率が悪い。
以上のように、従来の画面裏側に照明装置とカメラを設置する表示装置は、眼への照明光の影響を考慮しつつ、被写体特徴点、特に、眼球特徴点を精細に、かつ、特徴が反映されるように撮影する構成とはなっていない問題があった。
特開平11−24839 特開2006−004330 特開2007−298547 特表2007−514241 特表2007−514242
本発明は、表示画面の前の被写体(利用者など)を画面裏側に設けた非可視光照明装置とカメラで安全にかつ精細に撮影し、当該カメラ画像を処理して被写体を精度よく検出、又は、認識し、当該結果を出力する、又は、当該結果を利用してインタラクティブ表示できるようにすることである。具体的技術課題を以下に示す。
(1)表示画面の内部、又は、画面淵から被写体(利用者)を非可視光で照明し当該被写体を撮影する際、眼への生理的影響を少なくし、長時間安全に使用できるようにする。
(2)前記画面の映像品質に影響を与えずに、前記照明による被写体反射光が画面をできるだけ多く通過できるようにし、人物特徴点、特に眼球に関する特徴点を広い範囲で安定に(ロバストに)明るく精細に撮影できるようにする。これにより特徴点抽出を容易にする。
(3)前記特徴点を利用し、運動視表示などに必要な視点(眼の位置)、表示対象同定などに必要な視線を広い範囲で精度よく検出する。簡単なキャリブレーションで、利用者の大きな眼球回転を許容して視線を検出できるようにする。
(4)自発光体を画素に用いた大画面表示装置に、人物特徴、視点、視線などを検出できる機能を組み込めるようにする。また、照明装置のエネルギー効率を上げる。
<手段1>
本発明のカメラ付き表示装置は、図1〜図19に対応づけて説明すると、
可視光自発光体を画素(PX、PXC)に用いた薄型画面(10)、又は、反射型プロジェクタスクリーン(40)を用いた薄型画面(10)と、当該画面の内側、又は、裏側、又は、画面淵から被写体に向け非可視光(21)を放出する照明装置(LgIn)と、当該照明による被写体反射光(25〜28、29、35〜38の一部、又は、全て)を前記画面を介して捉えるためのカメラ(Cam)と、当該カメラ画像を処理することで被写体(人物)を検出する手段(3)を備え、カメラレンズ(Lens)は、当該画面構造物が撮像素子(CCD)に結像しないように前記画面に接近して設けられるカメラ付き表示装置において、
、前記照明装置(LgIn)は、当該照明領域を直視した際に、網膜上において中心窩とその周辺を分散して照明するように構成されることを特徴とする。
手段1において、近赤外光が画面の広い範囲を通過する薄型画面を用い、カメラレンズを画面に接近させることにより、即ち、レンズ焦点距離より十分内側に画面を設けることで、発光素子、駆動回路などの画面構造物のカメラ画像への写り込みをなくし、被写体を広い範囲で明るく撮影できる。
可視光自発光体としては、エレクトロルミネッセンス素子(例えば、図4〜図10のEL)、LED(例えば、図11、図12のLED)、プラズマ放電素子(図18のPLM)などが適用できる。また、反射型プロジェクタスクリーン(図15)の反射材(45、33、34)も発光体として機能する。
前記照明装置(LgIn)の特徴について詳細に説明する。
本発明では、通常視野内に近赤外照明装置を設けるため、観察者が当該照明装置を直視することがある。この場合、照明光は網膜中心窩に当たる。中心窩は視細胞が剥き出しであるため、強い光が当たると生理的に悪影響を与える。また、中心窩は光をよく吸収するため、この部分のみに照明を当てても再帰性反射光は弱く瞳孔を明るく撮影できない。
これを確認するため、図17に示すように、カメラレンズ光軸付近に点光源(60)を設け、観察者が当該点光源を視角(61)1度以下で臨む距離条件で、眼付近を撮影する実験を行った。その結果、観察者が点光源を直視した場合(図17のA)の瞳孔像(Img1のPu)は暗く、虹彩(Iris)とのコントラストは低かった。一方、視線(Gaze)を数度から数10度外した場合(図17のB)の瞳孔像(Img2のPu)は極めて明るく、虹彩とのコントラストは高く、Img2から瞳孔(Pu)を抽出する画像処理は容易であった。このように照明光が中心窩(Fv)にしか当たらない発光面の小さな照明装置を用いると、視線方向によって瞳孔像のコントラストにばらつきが生じる。
本発明手段1では、図17(C)に示すように、観察者が照明装置を直視する際、中心窩(Fv)とその周辺を分散して照明する装置(LgIn)を用いるため、網膜単位面積当たりの光強度を下げられることに加えて(同図の18−1と19−1を比較)、中心窩以外の網膜は近赤外光をよく反射するため、瞳孔を明るく撮影できる(Img3のPu)。
照明装置(LgIn)としては、中心窩が長時間許容できる光強度範囲で、視角1度以上、より望ましくは視角3度以上の網膜範囲が照明できるものがよい。画面内に照明装置を組み込むことができるため、発光面積の大きな照明装置が利用できる。被写体特徴点の撮影に必要な光量を確保しつつ、眼に負担の少ない撮影装置を実現できる。
更に、照明の強度分布は平坦である方が望ましい。眼への影響は、主に網膜上の局所的な熱エネルギーによって起きるため、照明装置は、被写体を検出する場合だけ短時間駆動する、又は、時分割駆動することができる。また、被写体までの距離計測に基づいて照明強度を変化させてもよい。これらによって、安全な撮影系になる。
手段1において、前記照明装置(LgIn)は、波長800nm以上の近赤外光、又は、350nm以下の紫外光を放出するエレクトロルミネッセンス素子(例えば、図1(B)、図5のEL−IR)、又は、小さな複数の発光体を密集させた構成体、又は、発光体と散乱材の組み合わせ(図1(G)、図11、図12のLED−IR、SC)等が利用できる。
前記照明装置から幾何学パターン光が照射されると(例えば、図1、図2のLgIn1、LgIn4)、後述のように、角膜反射像を効率よく撮影でき、瞳孔と角膜反射像を用いて視線を精度よく検出できる。
幾何学パターン光を照射する場合、網膜に投影される当該照明の領域は広く、照明を直視した場合、網膜中心窩とその周辺に広がることが多い(図2(B)の17、(G)の18)。そこで、瞳孔の撮影に必要な照明光量は、照明領域全体で分担する発想に基づき、照明領域の光強度を抑えることができる。
従来、利用者(被写体)が照明装置を頻繁に直視する環境で、当該被写体に非可視光を長時間照射し、視点や視線を検出する装置の例はない。本発明では、視点や視線検出手段を標準的なインタフェースツールとして表示装置に組み込む場合を想定しているため、上記発想が重要である。利用者が、画面内の照明光放出領域を直視した場合でも眼への負担が少ないため長時間使用できる。
<手段2>
本発明のカメラ付き表示装置は、例えば、図1〜図10、図13、図19に対応づけて説明すると、
可視光自発光体を画素(PX、PXC)に用いた薄型画面(10)と、当該画面の内側、又は、裏側、又は、画面淵から被写体に向け非可視光(21)を放出する照明装置(LgIn)と、当該照明による被写体反射光(25〜28、35〜38の一部、又は、全て)を前記画面を介して捉えるためのカメラ(Cam)と、当該カメラ画像を処理することで被写体(人物)を検出する手段(3)を備え、カメラレンズ(Lens)は、当該画面構造物が撮像素子(CCD)に結像しないように前記画面に接近して設けられるカメラ付き表示装置において、
前記可視光自発光体にはエレクトロルミネッセンス発光体(EL)が用いられ、当該発光体と駆動電極(A、K)には前記被写体反射光を通過せしめる材料が用いられ、前記画素(PX、PXC)、又は、画素間の裏側又は後方には、可視光を反射又は遮断し前記被写体反射光を通過せしめる部材が設けられることを特徴とする。
表示部にEL素子を用いることで、画面は極めて薄型に構成できる。カメラレンズ取り付け部は、1mm前後から数mmの厚さで構成でき、図1、図13に示すように、カメラは画面に極めて接近して設置できる。従って、被写体(P)に焦点を合わせて撮影する際、表示画面(10)の構造物は焦点から大きく外れるため、ノイズの少ない被写体画像を撮影でき、特徴点を効率よく抽出できる。
前記のように、近赤外照明光が画素内、及び、画素間を通過するように構成できるため、画面(10)からリング状パターンなど様々な幾何学的パターン光を精度よく放出できる。当該幾何学パターン照明を用いると、後述のように角膜反射像、又は、瞳孔の抽出が容易である。
前記駆動電極は、陽極(A)、陰極(K)ともに近赤外光を通過せしめる部材を用いることができる。前記可視光を反射又は遮断(吸収)し前記近赤外被写体反射光を通過せしめる部材は、図4、図5に示すように、表示部裏側全体に設けてもよい(Ref−BGR)。コールドミラーなどの材料が適用できる。この場合、被写体反射光(25〜28)は、可視光発光部とその間、つまり、表示部全体を効率よく通過する。明るい近赤外画像が得られる。
また、図6(A)に示すように、可視光発光部の裏側に選択的な波長の可視光を反射し、当該波長以外を通過せしめる部材(光学フィルタ;Ref−B、Ref−G、Ref−R)を設けてもよい。この場合、近赤外の被写体反射光(35〜37)は、前記EL素子内(EL−B、EL−G、EL−R)を通過する。また、可視光と非可視光の被写体反射光(38)は、前記EL素子間(PA)を通過する。カメラ(Cam2)は、35〜38を捉えて明るい近赤外画像(Mono−Img)を得ることができる。また、被写体反射光(38)を波長分離することによって、可視画像(Color−Img)を得ることもできる。当該可視画像は、表示用画像として利用できる。
また、図13に示すように、前記可視光を反射又は遮断し前記被写体反射光を通過せしめる部材(Ref−BGR)は、画面の後方としてカメラ内(Cam1)に設けてもよい。
<手段3>
本発明のカメラ付き表示装置は、図18、図19に対応づけて説明すると、
可視光自発光体を画素(PX、PXC)に用いた薄型画面(10)と、当該画面の内側、又は、裏側、又は、画面淵から被写体に向け非可視光(21)を放出する照明装置(LgIn)と、当該照明による被写体反射光(28)を前記画面を介して捉えるためのカメラ(Cam1)と、当該カメラ画像を処理することで被写体(人物)を検出する手段(3)を備え、カメラレンズ(Lens)は、当該画面構造物が撮像素子(CCD)に結像しないように前記画面に接近して設けられるカメラ付き表示装置において、
前記薄型画面(10)は、管状又は帯状の可視光自発光体(PLM、EL)を用いた表示基材(71〜73)を所定の間隔で並べて構成され、被写体反射光は少なくても当該表示基材間(62)を通過することを特徴とする。
前記可視光自発光体(PLM)を用いた表示基材(71)は、図18(B)に示すように、細い管内にプラズマ発光材を設け、管外に当該発光体に電圧を印加するための透明電極(A(ITO)、K(ITO))を縦横に設けることで構成できる。
図18(D)に示すように、管断面を扁平円などの丸み形状にすると、管を並べた際の間隔は、画面表側から裏側に向けて中間の一部が狭く裏側が広がるように構成できるため、画面に入射する被写体反射光(28)は方向自由度が大きい。従って、画面裏側にカメラ(Cam1)を接近して設けると、被写体を広い範囲で精度よく撮影できる。
複数の管を所定の間隔に並べる手段としては、光学歪みの少ない2枚の薄い透明板で当該管列を表側及び裏側から挟む、又は、管の間隔を光学歪みの少ない透明材で充填するなどが可能である。
前記可視光自発光体(PLM)を用いた表示基材(72)は、図18(E)に示すように、3色の自発光体(PLM(B)、PLM(G)、PLM(R))を一体化して構成してもよい。当該表示基材(72)の間(62)が被写体反射光(28)の通路になる。なお、PLMを非可視光で透明に構成すると、被写体反射光(25〜28)は、62に加えてPLM、又は、72を通過できる。より明るいカメラ画像が得られる。
前記可視光自発光体(EL)を用いた表示基材(73)は、図19(E)に示すように、帯状の薄い透明体(65、66)にエレクトロルミネッセンス発光体(EL)を列状に設け、当該各発光体に電圧を印加するための透明電極と駆動回路を設け、信号入力のためのリード線(67)を外部に取り出して構成してもよい。当該リード線に信号を入力すると、表示基材は帯状パターンを表示する。また、ELの代わりに、LEDを用いて帯状の表示基材を構成することもできる。
当該表示基材(73)を、図19(B)に示すように、所定間隔で列状に並べ、リード線(67)に駆動回路(64)を接続し、画素(PXC)を縦横に駆動すれば表示画面になる。当該表示基材の間(62)が被写体反射光(28)の通路になる。なお、ELとして非可視光で透明なものを使用すれば、被写体反射光(25〜28)は、62に加えて、EL内、又は、表示基材内(73)を通過する。より明るいカメラ画像が得られる。
手段3は、管状又は帯状の可視光自発光体(PLM、EL)を用いた表示基材(71〜73)を並べて画面にするので、極めて大きな画面を薄く構成でき、画面通過型の撮影法に適している。また、表示基材間には、穴(HL)、又は、隙間を設け、被写体反射光や気体を通過せしめるように構成できる。当該利用方法は後述する。
<手段4>
本発明のカメラ付き表示装置は、例えば、図11〜図13、図15、図18、図19に対応づけて説明すると、
可視光自発光体を画素(PX、PXC)に用いた薄型画面(10)、又は、反射型プロジェクタスクリーン(40)を用いた薄型画面(10)と、当該画面の内側、又は、裏側、又は、画面淵から被写体に向け非可視光(21)を放出する照明装置(LgIn)と、当該照明による被写体反射光(25〜28、29)を前記画面を介して捉えるためのカメラ(Cam)と、当該カメラ画像を処理することで被写体(人物)を検出する手段(3)を備え、カメラレンズ(Lens)は、当該画面構造物が撮像素子(CCD)に結像しないように前記画面に接近して設けられるカメラ付き表示装置において、
前記画素間、又は、可視光発光部間には非可視光の被写体反射光(図11(E)、図18(D)、図19(D)の28、図15(B)(D)(E)の29)が通過する部分が複数設けられ、当該光通過部は、画面表側から裏側に向けて一部が狭く裏側が広くなるように構成され(図11(E)の10−1、図12(D)のHL、図13(D)(E)、図15(B)(D)(E)、図18(D)、図19(D)の62)、画面裏側に設けられたカメラ(Cam1)は、当該複数の光通過部を通過する被写体反射光を捉えることを特徴とする。
手段4において、前記光通過部は、図11(E)、図19(A)に示すように、透明な薄型基板(BS)を用いる、又は、図12(D)に示すように、基板に穴(HL)をあける、又は、図18、図19に示すように、丸みのある表示基材(71、73)を用いるなどで実現できる。
画面(10)を薄くし、更に、光通過部を前記画面表側から裏側に向けて広げることによって、各光通過部の光通過率は20倍以下の差にできる。被写体反射光は画面の広い範囲を通過して撮影に寄与するため、画面は明るく精細である。図13(A)に示すように、画面(10)は、撮影レンズの最短焦点距離(Fc−Lim)より十分に内側にあるため、画面構造物(発光部を構成する部品など)には焦点が合わず、当該構造物は撮像に影響しない。従って、カメラ画像にノイズが少ない。また、波長分離しているため、外部光源の影響を受け難く安定している。従って、特徴点抽出処理は容易で、被写体検出精度は高い。
<手段5>
本発明のカメラ付き表示装置は、例えば、図1〜図3、図8、図9、図11〜13図、図15、図16、図18、図19に対応づけて説明すると、手段1から手段4の何れかにおいて、前記照明装置(LgIn)は、幾何学パターンを放出することを特徴とする。
手段5において、図9(B)のPXC2、図12のPXC2に示すように、画面の面方向に、可視光及び非可視光を発光し各々の波長光を別々に駆動制御できる表示兼照明素子を列状に設けることによって、映像表示中に当該画面内から近赤外幾何学パターンの形状、及び、照明強度を適応的に変化させて放出できる。前記表示兼照明素子の発光体には、EL素子、発光ダイオード(LED)などが利用できる。
前記例では、画素内に近赤外発光体が入っているため、映像と同程度の精度で様々な幾何学的パターンの照明光を放出できる。画面は、通常ある程度離れて観察されるため、個々の画素は像として知覚され、分離しているようには見えない。同様に、非可視光の照明領域も網膜上で分離することは少なく固まりとなる。従って、光強度は視細胞に障害を与えない程度に平坦であり眼への負担は少ない。
手段5において、非可視光の幾何学的パターン照明は角膜反射像や人物形状の検出に用いることができる。カメラレンズを囲むように大きな同心円状の面発光照明装置(LgIn)を用いることで、照明に必要な光強度を確保し、網膜への負担を軽減し、角膜反射像を安定に抽出できる。
前記幾何学パターンを放出する意義を、視点検出を例に説明する。図1(B)に示すように、眼球に向けてリング状パターンを投影すれば、図2(C)のように、リング状の角膜反射像(角膜の中にできる虚像;Pr)が瞳孔(Pu)の近く、又は、瞳孔を囲むように生じる。撮影画像(Img)の中で当該リング状パターン像は容易に見つけることができる。当該像の大きさは、利用者が画面に近づけば大きく、離れれば小さくなる。従って、撮影された当該リングの位置と大きさ(リングの直径など)から、角膜反射像の3次元位置を検出できる。
リング以外の幾何学パターンでも同様の効果があるのは当然である。矩形、多角形、格子などが利用できる。図2(E)(F)に示すように、画面を囲むように画面の淵に照明装置を設けると大きな角膜反射像が得られる。瞼によって当該角膜反射像が一部隠れても全体が隠れることは少ない。予め形状が既知なパターンであれば、部分的撮影であっても当該パターンの中心、又は、重心を特徴点として検出できる。このように、従来の照明装置を画面外側に設置する場合に比べて、角膜反射像を安定に抽出できる。
角膜反射像は眼球の光学焦点の近くに生じるため、当該像の位置を視点として近似できる。特に、利用者が画面を見ている場合の角膜反射像の位置は、視点として近似しても誤差は少ない。
手段5において、図16(B)に示すように、画面(10)を介して非可視のスリットパターン光を被写体(P)に向けて放出し、被写体反射光(25〜28)をスリット膜(SL2)を介してカメラ(Cam1)で捉えることにより、モアレ像を撮影できる。当該像を処理することで、被写体の3次元形状を検出できる。当該手段は、近赤外光を通過せしめるEL素子を表示画面(10(EL))に用いた場合、精細なスリットパターンを放出できるため適している。
<手段6>
本発明のカメラ付き表示装置は、図1(C)、図5、図6(B)、図8〜図10、図18、図19に対応づけて説明すると、手段1から手段4の何れかにおいて、
前記画面(10)の内部、又は、裏側には、近赤外EL発光体を用いた照明装置(LgIn(EL−IR))が設けられることを特徴とする。
前記近赤外EL発光体を用いた照明装置は、面発光が可能なため、網膜上において中心窩とその周辺を平坦に分散して照明できる。
例えば、図1(C)に示すように、カメラレンズを囲むように大きな同心円状の面発光照明装置(LgIn)を用いることで、照明に必要な光強度を確保しつつ、網膜への負担を軽減できる。また、当該照明装置を間欠駆動し、照明時と非照明時のカメラ画像を高速に差分処理することにより、弱い照明光でも角膜反射像、瞳孔などの特徴点を安定に抽出できる。
前記近赤外EL発光体を列状に並べ個別に制御することにより、任意の幾何学的パターンを発生できる。例えば、図8(B)において、眼の中にリング状の角膜反射像を作る際、画面の注視対象付近から当該パターンを発生するように制御できる。瞳孔の周りにリング状角膜反射像ができるため、視線検出精度の向上に有効である。また、人物と画面との距離に応じて、照明リング(LgIn1)の大きさを変化させることができる。仮に、リング状角膜反射像が小さいと、高解像度撮像手段が必要になるが、本発明では、リング状角膜反射像の大きさを適切に制御できるため、角膜反射像を効率よく撮影、抽出できる。
また、図8(B)において、カメラレンズ(Cam1(Lens))光軸付近から照明光を放出して瞳孔像を撮影する際、照明に非可視光EL素子(EL−IR)を用いると、小さな多数の発光体からなる面発光にできるため、眼への負担が少ない。また、発光部は極めて薄いため、被写体反射光は当該発光体間(10−1)を効率よく通過する。瞳孔は明るく精細に撮影できる。視点、視線の検出に有効である。
図8(A)、図9(A)に示すように、映像表示部と近赤外光照明装置を同じEL素子で一体的に構成できる。近赤外光はEL素子から放出され、屈折率の近い透明媒体を介して表示画面の表側から放出される。同じ製造プロセスが利用できるため、効率よく安価に製造できる。
<手段7>
本発明のカメラ付き表示装置は、例えば、図1、図2、図8、図10、図12、図17、図18、図19に対応づけて説明すると、手段1から手段6の何れかにおいて、
前記照明装置(LgIn)の光は、前記画面(10)を介して視角にして1度以上の網膜範囲を照明し、前記カメラ(Cam)は画面を介して角膜反射像(Pr)、又は、虹彩(Iris)、又は、瞳孔(Pu)を撮影し、当該カメラ画像の処理によって視点、又は、視線(Gaze)が検出されることを特徴とする。
手段7において、視点とは、3次元空間モデルを透視投影変換して運動視画像を生成する際の眼の位置などを意味する。また、視線とは、見ている方向を意味するが、当該方向が画面と交差する注視点を含むものとする。また、瞳孔像(Pu)は、網膜反射による再帰性反射光の像(瞳孔は明るく撮影される)、又は、虹彩反射による像(瞳孔は暗く撮影される)である。
手段1〜手段6で述べたように、本発明は、画面の中、又は、画面淵に眼の負担が少ない大きく平坦な光強度の発光面(パターン発光面を含む)を有する照明装置を設置できる。また、表示画面と照明装置を一体化して極めて薄型に製造できるため、被写体反射光は表示画面を効率良く通過する。
この特徴を利用し、利用者の正面から視角にして1度以上の大きな幾何学的パターンを照射することによって、角膜反射像を安定に撮影できる。例えば、図1(C)、図8(B)において、LgIn1はリング状のパターンで視角1度以上の網膜範囲を照明できる。また、より望ましくは視角3度以上の網膜範囲を照明できる。角膜反射像の3次元位置を画像処理手段により検出することにより、前記視点として利用できる。
次に、瞳孔像の撮影では、図8、図10、図12に示すように、画面裏側にカメラ(Cam1)を設置し、照明装置(LgIn2)を用いて、当該カメラ光軸付近の視角にして1度以上、より望ましくは3度以上の範囲から照明光を放出できるため、網膜からの再帰性反射光を捉えて瞳孔を明るく撮影できる。このため瞳孔像の抽出は容易である。なお、照明装置がカメラレンズの内側にあった方がカメラは再帰性反射光を捉え易いが、カメラレンズの外側でもレンズの近くであれば、再帰性反射光を捉えるのに支障はない。
以上は、瞳孔を明るく撮影する場合であるが、カメラ光軸から少し離れた場所から照明光を放出すると(例えば、図8(B)、図12(B)のLgIn2)、虹彩を明るく、瞳孔を暗く撮影できる。
また、図8(B)に示すように、照明装置LgIn1によるカメラ画像と照明装置LgIn2によるカメラ画像を時分割で撮影し差分処理することで、コントラストの高い瞳孔画像が得られる。
本発明では、画面裏側のカメラを用いるため、カメラ画像中の瞳孔は円形に近い。瞳孔中心位置を求める処理は、瞳孔を円としてモデル化できるため、容易で精度が高い。ステレオ画像計測などにより、当該瞳孔中心の3次元位置を検出することにより、前記視点として利用できる。
ここで、視点検出に関して従来法との違いを説明する。
従来の画面の外側にカメラを設ける瞳孔撮影では、背景技術で述べたように、照明装置、カメラは目障りなので小型なものを用いる必要があり、従って、単位面積当たりの照明は強くせざるを得ない。当該照明を直視すると眼への生理的悪影響が懸念される。また、照明装置が小型であると、角膜反射像は小さな輝点になるが、視野範囲の広いカメラ画像の中から形状特徴の少ない当該輝点を見つける処理は複雑になる。瞳孔の撮影においては、カメラの設置位置が利用者の視線方向から大きくずれるため、瞳孔像は楕円になりやすく、瞳孔中心位置を求める処理は複雑で精度は低下する。
次に、視線検出処理について説明する。視線は、眼球位置と眼球回転角から求めることができる。眼球位置は、正確には図2(D)の眼球(Eye)の回転中心(Cen)であるが、視線がカメラ設置位置近傍を向いている状況では、近似的に、瞳孔(Pu)、又は、角膜反射像(Pr)などの位置で置き換える、又は、当該特徴点の位置からCenの位置を推計できる。この理由は後述する。
また、眼球回転角は以下にように求めることができる。図2(A)において、カメラ(Cam1−2)の近傍に照明装置(LgIn1−2)を設けると、図2(C)のカメラ画像(Img)において、当該カメラ近傍を見ている人の角膜反射像(Pr)は、瞳孔(Pu)の近くに生じる。視線が当該カメラ近傍からずれるとPuとPrとの間の距離(del)は大きくなる。ここで、眼球回転角(θ)が小さい場合、θとdelの関係は(1)式〜(4)式に示すように線形で近似できる。従って、カメラ画像の中のdelを計測することでθが求まる。θは0〜20度の範囲で精度良く求まる。また、ある程度の誤差を許容すれば、眼球が更に大きく回転しても検出できる。
以上のようにして、眼球位置(Cen)が推定でき、眼球回転角(θ)が検出できるので、視線(Gaze)が検出でき、当該視線が画面(10)と交差する点を注視点として求めることができる。
本発明では、表示画面の中にカメラ、照明装置を組み込み、これらの位置関係を製造時に予め設定しておくことができる。
<手段8>
本発明のカメラ付き表示装置は、例えば、図3(A)〜(E)に対応づけて説明すると、手段1から手段7の何れかにおいて、
画面の裏側に設けられた複数の前記カメラは、各々の視野方向が所定観察領域に向けられ(各々のカメラが輻輳して設けられ)、当該カメラ画像の処理によって視点、又は、視線(Gaze)が検出されることを特徴とする。
手段8において、図3(A)〜(E)に示すように、各々のカメラは輻輳するように設置されているため、人が画面を見る際、視線は何れかのカメラの方を向き易い、カメラを直視しないまでも、その視線のずれは少ない。また、視覚対象をカメラ近傍に表示すれば、視線はカメラの近くに向けられる。
そこで、複数のカメラ画像の中で、視点近傍のカメラ画像を選択的に処理することによって視点が検出できる。また、視線方向近傍のカメラ画像を選択的に処理することによって視線が検出できる。当該処理により、従来の視線検出装置より、遥かに大きな眼球回転を許容して視線を精度良く検出できる。
前記視線方向近傍のカメラ画像を選択する方法として、各カメラ画像から虹彩、又は、瞳孔の真円率を計測し、真円に近い画像を選ぶ方法が適用できる。また、瞳孔中心(図2(C)のPuC)と角膜反射像の中心(PrC)の距離(del)が小さい、又は、PuCとPrCが所定の位置関係を満たすカメラ画像を選んでもよい。
前記所定の観察領域(56)を囲むように画面を構成するため、湾曲画面にする(図3(A)(B))、複数の平面状画面をつなぎあわせる(図3(C))、画面の裏側でカメラを輻輳する(図3(D))などが可能である。大きな眼球運動がある場合、即ち、横目状態の場合でも高い視線検出精度を実現できる。
手段8において、時系列の検出の中で、直前の検出結果を最新の検出結果に反映することもできる。つまり、直前の検出結果に基づいて対象者の視点、又は、視線近傍のカメラ画像を処理できる。このようなフィードバック処理によって、高精度な検出が可能である。
手段1から手段8の何れかにおいて、図13、図15(B)に示すように、画面裏側に大きなフレネルレンズをリレーレンズ(RLens)として画面に接するように設け、カメラレンズ系の一部にしてもよい。光通過部が大きくなるため、明るく精細なカメラ画像が得られる。Cam1には、自動焦点機能カメラを用いることができる。
手段1から手段8の何れかにおいて、前記被写体検出結果に基づいて以下のような感覚情報表示ができる。図3(A)において、a)両眼の位置を検出し、これらを視点として3次元オブジェクトを透視投影変換した映像をリアルタイム表示することで、運動視表示・両眼立体視表示を実現できる。b)映像中の香り関連オブジェクトを見ている人の鼻の位置を検出して、画面に設けた小さな穴より香りを当該鼻付近に向けて放出し嗅覚表示できる。c)頬を検出して温風、冷風などの気流を放出し皮膚触覚表示できる。d)手の動きを検出し、情報入力手段に利用できる。e)注視点の動きを検出し、当該情報を画面に重畳表示できる。f)注視点の動きから人の意図を推定し、関連情報を表示できる。
図16に示すように、人物検出、視線検出情報に基づいて、表示装置を見やすい方向に回転できる。人物までの位置を検出して、表示対象(テロップ等)の大きさを見やすく調整できる。音量を調整できる。
また、人物が画面前に居ない、又は、画面を見ていないことを検出して画面を非表示状態に制御できる。節電が可能である。
<手段1の効果>
本発明は、画面の内側、又は、裏側、又は、画面淵に非可視光照明装置(LgIn)を設け、当該照明による被写体反射光を画面裏側に接近して設けたカメラで捉えるため、視点、視線検出のための特徴点を明るく精細に撮影できる効果がある。また、この際、利用者は、当該照明領域を直視しやすいが、照明装置は、網膜上において中心窩とその周辺を分散して照明するように、つまり、中心窩に局所的な強い照明が当たらないように構成されるため、眼への生理的影響は少なく、長時間安全に使用できる効果がある。視点、視線検出を表示装置とのインタフェースに利用する際、重要な特徴である。
<手段2の効果>
本発明は、画面表示部にエレクトロルミネッセンス発光体(EL)を用い、画面を極めて薄く構成するため、前記照明による被写体反射光を効率よく通過せしめる効果がある。また、当該画面は、精細な幾何学パターンの形状を崩さずに、通過せしめる効果がある。当該画面の裏側に接近するようにカメラを設けるため、画面構造物が撮像素子(CCD)に結像せず、広い範囲で明るく精細な被写体画像が得られる。簡単な画像処理で、被写体特徴点、特に、眼球特徴点を安定に抽出できる。
<手段3の効果>
本発明は、画面表示部に管状又は帯状の自発光体表示基材を所定の間隔で並べたものを用い、画面を極めて薄くする構成するため、前記非可視光照明による被写体反射光を効率よく通過せしめる効果がある。また、画面の裏側に接近するようにカメラを設けるため、画面構造物は撮像素子(CCD)に結像せず、広い範囲で明るく精細な被写体画像が得られる。前記構成は、大画面表示装置に適しており、没入型インタラクティブ表示装置を実現できる。
<手段4の効果>
本発明は、画面の光通過部を、画面表側から裏側に向けて一部が狭く裏側が広くなるように構成するため、前記照明による被写体反射光を効率よく通過せしめる効果がある。また、当該画面の裏側に接近するようにカメラを設けるため、画面構造物が撮像素子(CCD)に結像せず、広い範囲で明るく精細な被写体画像が得られる。
きる。
<手段5の効果>
本発明は、画面内から被写体に向け幾何学パターンを照射し、当該被写体反射光を画面裏側に接近して設けたカメラで捉えるため、視点、視線検出のための特徴点、特に、角膜反射像を明るく精細に安定に撮影できる効果がある。また、モアレ法により人物形状を検出できる。
<手段6の効果>
本発明は、画面内部、又は、裏側に近赤外EL発光体を用いた照明装置(LgIn(EL−IR))を設けるため、面発光、又は、線発光による様々な幾何学的パターンを被写体に照射できる。当該照明を用いることによって、被写体の特徴を効率よく抽出できる効果がある。特に、図8に示すように、画面裏側に接近して設けたカメラレンズの光軸付近に照明装置(LgIn2)を配置して再帰性反射光を捉える撮影法では、EL照明装置が極めて薄いため撮影系の妨げにならず、精細な瞳孔像が撮影できる。
EL照明装置は、網膜上において中心窩とその周辺を平坦に分散して照明する特性に優れているため、眼への生理的影響は少なく、長時間安全に使用できる効果がある。
また、表示部と照明装置は一体化しやすく、照明光は屈折率の近い透明媒体の中を通過して画面表側から放出されるため、照明のエネルギー効率が良い。少ない電力で照明できる効果がある。
<手段7の効果>
利用者から見て視角1度以上の照明範囲を持つ照明装置を用い、中心窩に局所的な強い照明が当たらないように構成されるため、眼への生理的影響は少なく、長時間安全に使用できる。また、画面裏側に接近するようにカメラを設置し、当該カメラ近傍に照明装置を設置するため、特徴的形状を有する比較的大きな角膜反射像、虹彩、瞳孔を明るく精度よく安定に撮影できる効果がある。当該特徴点の3次元位置を実時間で検出することによって、運動視表示などの視点位置として利用できる。
また、前記カメラは、利用者を正面付近から撮影できるため、カメラ画像中の角膜反射像と瞳孔の相対的位置は眼球回転角に比例しやすい。従って、簡単な処理で、眼球回転角を求め、前記視点位置と合わせて用いることで視線を検出できる。更に、表示対象近くのカメラ画像を処理する、又は、カメラ設置位置近くに対象を表示することによって、検出精度を向上させることができる。
表示装置の外側にカメラを設置する従来の視線検出装置に比べて、検出処理が簡単で精度が高い特徴がある。また、表示装置、照明装置、カメラを一体化できるため、使用時のキャリブレーションは不要、又は、極めて容易である。
<手段8の効果>
画面裏側に接近するように複数のカメラを輻輳して設置し、視点近傍、又は、視線方向近傍にあるカメラ画像を選択的に処理するため、瞳孔は円形に撮影でき、瞳孔付近に発生する角膜反射像を撮影できる。従って、視点、視線を利用者の自由な動きと大きな眼球回転を許容して、精度良く検出できる効果がある。
従来技術では、近赤外照明の眼への負担やカメラの設置場所の制約から、1m以上離れたところからの視線検出は難しいかったが、本発明では、数mの視距離を許容して非装着な手段による視線検出が可能である。離れて観察することが多い大型表示装置では効果が大きい。
以上のように、本発明は、照明の眼への生理的影響が少なく、長時間安全に使用でき、被写体特徴点、特に、眼球特徴点を効率良く抽出できる。従って、被写体の位置、視点、視線などを精度良く検出できる。また、眼の位置を手掛かりとして、鼻、耳、頬などを容易に検出できる。更に、被写体の3次元構造の検出、人物の認識にも有効である。
前記検出結果を利用して、非装着な手段による運動視表示、両眼立体視表示、適切な嗅覚表示、触覚表示などの感覚情報表示が可能である。臨場感の高い表示装置を実現できる。視線検出では、従来難しかった非装着な手段による20インチを超える大画面上の注視点検出が可能である。カメラ台数を増やせば、画面サイズに制約はない。壁全体が表示装置のような場合でも視線、注視点を精度良く検出できる。このように、本発明は、特に大画面表示装置に有効である。
本発明の実施態様ついて具体的に説明する。
図1は、本発明のカメラ付き表示装置の構成と利用例である。同図(A)は、装置の断面図、(B)は、正面図である。10は、EL素子を用いた薄型の映像表示画面で、BS1、BS2は透明板、ELはEL素子の発光体、Ref−BGRは、可視波長光を反射、又は、遮断し、近赤外波長以上の非可視光を通過させる膜である。当該膜は、画面全面に設けてもカメラが設けられる部分のみに設けてもよい。PXはEL素子を用いた画素、PXCはPXを複数用いたカラー画素を示す。
BS2の裏側には、近赤外以上の波長光を捉えるカメラCam1−x(x=1〜6)と同心円状(ドーナッツ状)の照明装置LgIn1−xのユニット(同図(C))が6箇所に設けられている。更に、多く設けることもできる。前記映像表示用ELは、図10、図11で後述するように、他の発光素子、例えば、LEDに置き換えてもよい。本発明では、画面10は薄型で、1mm〜10mm程度の厚さで構成できる。
前記EL素子を用いた表示画面10は、近赤外波長以上の非可視照明光が画素内、画素間を効率よく通過するため、様々な幾何学的パターン光を放出できる。照明装置LgIn1−xは、波長800nm以上の近赤外光、又は、赤外光を発するEL素子、又は、LEDで構成できる。図1(B)、(C)のEL−IRは、近赤外発光EL素子である。当該照明装置による非可視光21は、画面10の裏側から表側に向けて画面を通過し、被写体である人物P−x(x=1、2)を照射する。
P−xで反射した光(25〜28、or、35〜35)は、画面10を通過し、カメラCam1−xの撮像素子に結像する。本発明では非可視反射光を人物検出に利用するため、画面に映像を表示中であっても、カメラを独立に任意のタイミングで駆動制御できる。
前記照明装置の特徴について述べる。本発明では、画面の内側から照明するため、人は照明装置を直視することがある。網膜中心窩付近は、視細胞が露出しているため、高いエネルギー密度の光を照射すると網膜は日焼け状態になり障害の危険がある。近赤外光、又は、赤外光は眼に反応しないため、縮瞳が起き難く危険である。
しかし、図1(A)(B)(C)に示したEL素子を用いた照明装置LgIn1−x(EL−IR)は、点光源ではなく、面光源なので光強度は平坦であり、従って、網膜に悪影響を与えることは少ない。視細胞に負担を与えない光強度を予め求めておき、当該光強度分布になるように平坦化すればよい。詳細は後に図2で説明する。
また、眼への影響は、主に網膜上の局所的な熱エネルギーによって起きるため、照明装置は、被写体を検出する場合だけ短時間駆動する、又は、時分割駆動することができる。また、被写体までの距離計測に基づいて照明強度を変化させることもできる。
図1(G)のLgInは、近赤外発光ダイオード(LED−IR)を多数同心円状に並べた面照明装置で、図1(C)の代替えとして利用できる。LED−IRの前には、同心円状の光散乱板材SCが設けられる。SCによって、光強度分布は平坦化され、安全な照明装置になる。SCには多重散乱材を用いてもよい。
撮影系の特徴について述べる。カメラが設置される部分の画面厚は、1mm以下〜数mm程度の薄さで製造できる。被写体反射光は、画素内、又は、画素間を通過するが、画面には、発光素子、駆動回路、光を前方に放出するための反射膜などの画面構造物が存在するため、画面表側から入射する被写体反射光(25〜28、or、35〜35)は当該構造物によって部分的に遮られることがある。そこで、本発明では、カメラレンズを画面の裏側に接近させている。Fc−Limは、カメラレンズの最短焦点距離であるが、この距離の1/3以下に入るように画面10を設ける。これによって、画面構造物は撮像素子に結像せず、被写体像のみを撮影できる。Fcは、被写体までの距離である。
本発明では、表示画面の広い範囲を被写体反射光が通過し、カメラ設置場所の制約が少ないため、径の大きなカメラレンズ、大きな撮像素子を用いることができる。従って、被写体像を明るく撮影できる。例えば、レンズ径は、数cmから10cmを超える大きさが可能である。また、1インチを超える撮像素子を用いてもよい。更に、非可視光照明装置を用いるため、外部照明によらずに常に安定して明るい画像が撮影できる。画面を見ている人物に正面から照明を当て反射光を捉えるため、人物検出に必要な特徴点を確実に撮影できる特徴がある。
特徴点検出処理の特徴について述べる。図1(B)のLgIn1−x(EL−IR)は、リング状パターンの面発光照明装置である。当該照明装置を用いることによって、眼の中にはリング状の角膜反射像が生成する。図1(D)(E)のImgは、カメラCam1−1、Cam−3の画像であるが、角膜反射像Pr1、Pr3は各々リング状である。画像処理では当該幾何学的特徴を利用することにより、Pr1、Pr3は背景から分離され容易に抽出される。
当該角膜反射像は、利用者がカメラに近づけば大きく、離れれば小さく撮影される。従って、カメラ画像において、当該角膜反射像の2次元位置と大きさ(リングの直径など)から、角膜反射像の3次元位置を検出できる。角膜反射像は眼球の光学焦点近くに生じるため、当該像の位置を視点として近似できる。特に、利用者が画面を見ている場合は、当該近似の誤差は少ない。
画面前の人物の動きに応じて、6個の照明装置を高速に切り替えて所定のカメラで当該角膜反射像を撮影してもよい。また、当該照明装置を間欠駆動し、照明時と非照明時のカメラ画像を高速に差分処理することにより、コントラストが高い角膜反射像が得られる。従って、弱い照明光を使用しても当該像を安定に抽出できる。
前記LgIn1−x(EL−IR)は、瞳孔を精細に撮影し、効率よく抽出するためにも有効であり、当該瞳孔の3次元位置を前記視点として利用してもよい。図8で詳細に述べる。
次に、眼の特徴点を抽出し、人物Pが注視する対象を推定する方法について述べる。図1(D)のImgは、カメラCam1−1の画像である。人物P−2の視線Gazeは当該カメラの方向にあるので、虹彩Iris、又は、瞳孔Pu1はImgの中央付近に撮影され、同心円状照明装置LgIn1−1の角膜反射像Pr1は瞳孔付近に重なって撮影される。Pu1とPr1の画像上での中心は、ほぼ同じである。一方、図1(E)のImgは、カメラCam1−3でP−2を撮影した画像である。ここで、Cam1−3の撮影範囲は、P−2を捉えるほど広いとする。当該画像では、瞳孔Pu2と照明装置LgIn1−3の角膜反射像Pr3の位置はずれている。
そこで、カメラCam1−xを順次切り替えて撮影し、瞳孔中心と照明装置の角膜反射像のズレが最も少ない方向を見ているとして概略の視線Gazeを求めることができる。この例では、カメラCam1−1の方向を見ている。また、複数のカメラ画像の特徴点情報を統計処理して、複数のカメラ間の視線方向を高い精度で推定することも可能である。
また、眼球位置をステレオ画像計測によって求め、虹彩Iris、又は、瞳孔Puの中心と角膜反射像Prの中心を特徴点として、両者の相対的な動きから眼球回転角を求め、視線を検出することもできる。詳細は後に図2で説明する。
制御系の特徴と応用について述べる。1はカメラCam1−xを駆動制御する装置、2は照明装置LgIn1−xを駆動制御する装置、3は情報処理装置で、照明のタイミング制御、カメラ画像の処理、映像の制御などを行う。前記のように、カメラ画像は明るく精細なので、特徴点は極めて効率よく抽出できる。ノイズ除去の後、被写体画像を予め蓄積されたパターン(テンプレート)と照合することにより、画面前の人物Pの顔、眼、頬、耳、手などを検出できる。当該検出結果に基づき、映像制御装置4によって映像を制御できる。
図1(A)(B)では、人物Pの視点位置検出を用いた運動視表示の方法を示している。複数のカメラCam1−xで、Pの虹彩、瞳孔などを撮影し、当該特徴点の対応付けを行い、三角測量法で当該特徴点の3次元位置を検出できる。当該特徴点をPの視点として、3次元オブジェクトをリアルタイムで透視投影変換し、当該映像を画面に表示すれば、Pの位置変換に伴ってオブジェクトの見え方が変わる運動視表示が実現できる。treeは3次元空間のバーチャルオブジェクト(木)である。人物が遠方に居る場合(P−1)、当該オブジェクト像は、tree1のように小さく表示され、人物が画面に近づくに従って(P−2)、tree2のように大きく表示できる。図1(A)の例では、利用者は画面の奥にtreeを知覚する。このようにして立体感のある映像表現が可能である。
また、人物の接近を検出して、香りを表示することが可能である。6−x(x=1〜4)は、空気砲式香り発生装置である。図1(F)に示すように、画面10の発光素子(又は、画素)PXの間に小さな空気穴HLを複数設け、当該複数の穴を囲むように空気砲の砲筒6−4を画面の裏側に密着して設ける。空気砲を動作すると、当該複数の穴から気流が放出されるが、穴が密集しているので気流は各々干渉し、あたかも1つの砲筒から放出されたかのような渦輪7を形成する。当該渦輪に香りを混入し、人物の鼻先まで数m飛行させることができる。
図1(A)では、人物P−2が画面に近づいたことを検出して、当該人物に最も近い香り発生装置6−2から、鼻先に香りの渦輪7を放出する様子を示している。人物の位置検出に基づく香り表示なので、少ない香料で適切に表示でき、極めて効率が良い。香りの切り替えにも有利である。また、頬を検出して冷気や暖かい空気を放出することもできる。映像に連動させることにより、高い臨場感を演出できる。
前記のように注視対象が推定できれば、当該対象に興味があるなどの仮説に基づき、様々なメニュー選択を自動表示できる。また、表示画面を見ていないと推定されれば、電源を切る、節電モードにするなどの制御が可能である。
図1(A)において、EL素子を用いた表示画面が近赤外光を効率良く通過させる特性を利用し、前記リング状照明装置LgIn1−xの代わりに、人物Pに向けてスリットパターン光を放出する照明装置(図には示してない)を用いてもよい。この場合、カメラの結像光学系にもスリットを設けることにより、被写体のモアレ縞を撮影できる。縞の間隔は奥行き距離に対応するため、被写体の3次元構造を検出できる。図16(B)で詳細に述べる。
図2は、図1で示した表示装置の視線検出方法を説明する図である。図2(A)は表示装置の断面図で、画面10の裏側には、2台の照明装置LgIn1−xとカメラCam1−x(x=1、2)からなるステレオ画像計測装置が設けられている。Ref−BGRは各カメラの前に設けられた可視光を反射し、近赤外光を通過する光学フィルタである。x、y、zは計測座標系であり、当該ステレオ画像計測装置によって、瞳孔、虹彩、角膜反射像などの特徴点の空間位置が検出できるものとする。
視線Gazeは、眼球位置V1と眼球回転角θから求めることができる。眼球位置V1は、正確には図2(D)の眼球Eyeの回転中心Cenであるが、視線がカメラの近傍を向いている状況では、近似的に、瞳孔Pu、又は、照明装置LgInによって作られる角膜反射像Prなどの位置で置き換える、又は、当該特徴点の位置からCenの位置を推計できる。この理由を以下に述べる。
図2(A)のように、カメラCam1−2の近傍の画面上に視覚対象Treeを表示し、利用者が当該対象を注視する場合、Cenは、瞳孔Pu、又は、角膜反射像Prの奥に位置する。θが小さいほど、つまり、視線Gazeがカメラの方向に近いほど、カメラとPu、Pr、Cenは直線的になる。従って、当該特徴点(Pu、又は、Pr)から眼球中心Cenまでの距離を予め求めておくことにより、Pu、Prの位置からCenの3次元位置が推計できる。なお、当該距離は、眼球の半径rに近いため、予め計測しておくことができる。具体的には、Cenのx、y軸座標値は、Puなどのx、y軸座標値を用い、Cenのz軸座標値は、Puのz軸座標値にrを加えた値を用いることができる。
Cenの位置を推計する他の方法として、顔の特徴点を用いてもよい。Cenは、顔(頭部骨格)の中にあって、固定点と考えられる。顔の3つ以上の特徴点の位置が画像計測などにより求まれば、頭部の3次元モデルを設定できるため、Cenを推計できる。ここで、顔の特徴点とは、目尻、目元、鼻頭など皮膚の動きの少ない点が望ましい。当該特徴点の位置は、図2(A)のように複数カメラによるステレオ画像計測、モアレ画像計測などで求めることができるが、顔上の3つの特徴点間の距離を予め計測しておくことにより、1台のカメラ画像の処理によっても検出できる。
当該顔上の3つの特徴点として、光学マーク付き眼鏡フレーム48を用いることができる。眼鏡フレームの少なくても3箇所に光学マーク49を設け、顔を当該光学マークからなる三角形でモデル化し、当該マーク間の距離を予め計測しておくと、1台のカメラの撮像面に映る三角形の形(歪)から三角形の重心と法線ベクトル、つまり、顔の傾きを求めることができる。Cenの位置は、当該重心から所定の固定位置にあるため、予めCenを求めておくことができる。
また、人物までの距離を超音波センサなどで計測し、1台のカメラの撮像面に映る眼の2次元位置からCenの3次元位置を推計することもできる。また、距離の検出に関して、照明光と被写体反射光の位相差を検出し、当該位相差から反射光の時間遅れを計測することで、特徴点の奥行き方向の距離を検出してもよい。
以上のようにして、眼球位置V1が推計できるので、次に眼球回転角θを求め方について述べる。図2(A)の破線41は、カメラCam1−2の視野範囲、図2(C)のImgは、撮影画像である。眼球Eyeが、Cam1−2の方向を向いていれば、瞳孔Puと角膜反射像Prは重なるが、同図では、Treeの方向を向いており、視線が少しずれているので、Puの中心PuCとPrの中心PrCは、距離delだけ離れている。
図2(D)は、眼球の光学モデルで、2つの球が中心をずらして重なった構造である。大きな方が眼球で半径をrとする。小さな方が角膜の曲率半径を持つ球で、Cenからarのところに中心がある。aは係数である。r、aは、予め計測して決めることができる、又は、視線検出を行う前のキャリブレーションで推定できる。
破線の円は、眼球EyeがCam1−2の方を向いた状態、実線の円は眼球が当該状態から左にθだけ回転した状態である。丸印は瞳孔Puの中心、四角印は角膜反射像Prの中心である。ktは、両者のズレを示し(1)式で近似できる。ktは、カメラで撮影される際、概ね、眼球までの距離(ベクトルV1の絶対値)に反比例し、カメラの倍率Ampに比例する。従って、カメラ画像上でのdelは(2)式で近似できる。
ここで、Ampはカメラ装置から出力され、V1の絶対値は、前記ステレオ画像計測装置などから出力される。従って、delはθの関数である。ゆえに、θは、(3)式に示すようにdelの関数gであり、図2(C)のImgからdelを求めれば、θが求まる。眼球中心Cenにおいて、眼球の単位方位ベクトルをU(θ)とすると、Gazeは(4)式で示される。bは、Cenからの距離を示す。Gazeが画面10と交差する点が注視点となる。
本発明では、画面の内部、又は、裏側にカメラを設置し、当該カメラ付近に視覚対象を表示できるため、上記のような近似によって、視線を簡単に求めることができる。なお、前記アルゴリズムでは、眼球の横方向の回転のみを説明したが、縦方向の回転についても検出できるのは当然である。
ここで、眼球回転角θの検出方法は、前記瞳孔像Puと角膜反射像Prの相対位置検出の他、虹彩(黒目)と角膜反射像の相対位置検出、眼の周りの顔皮膚(例えば、目元、目尻)に対するPu(又は、Pr)の相対位置検出、顔に設けたマーク(図2の49)とPu(又は、Pr)の相対位置検出によってもよい。また、瞳孔像Puの中心、角膜反射像Prの中心の代わりに、それぞれ瞳孔像の重心、角膜反射像の重心を利用してもよい。
例えば、カメラ画像Imgにおいて、瞳孔Puの位置は、正面を見ていれば目元15と目尻16の真中となり、左側を見ていれば図2(C)のように16の方にずれる。従って、瞳孔Puの位置を15と16の間の比として求めればθを推定できる。角膜反射像Prの位置を用いても同様にθを推定できる。
図2(A)では、単眼の視線を求めているが、両眼の視線を求めれば、その交差点付近の3次元注視対象を検出できる。
次に、視線検出精度について簡単に述べる。例えば、400万画素の撮像素子を用いると、横方向2000画素以上となるため、1台のカメラで、50cm程度の範囲を撮影する場合を想定すると、1画素当たり位置分解能は、0.25mmになる。ピクセル内、ピクセル間の輝度レベル処理を組み合わせると、更に、この1/2程度になる。この程度の分解能が得られると、瞳孔と角膜反射像を用いた視線検出アルゴリズムを適用したときの視線検出精度は、1度程度が可能である。
また、1000万画素の撮像素子を用いれば、横幅100cm程度の視野範囲で1度程度の視線検出精度が得られる。このカメラを画面の中に、横一列に所定間隔ごとに並べれば、極めて広い範囲で視線が検出できる。
本発明では、表示画面の中にカメラ、照明装置を組み込むため、これら座標系の関係を装置製造時に設定しておくことができる。従って、従来、視線検出で不可欠であった座標系のキャリブレーションは不要、又は、極めて容易である。
以上のアルゴリズムは、利用者の眼球が正面を向いている場合、又は、正面から20度以内で回転する場合に有効である。しかし、眼球が更に大きく回転する場合、つまり、横目で見る場合には、精度が低下することがある。この問題に対しては、図3に示す実施例のように利用者を囲むような画面を用いることで解決できる。
次に、照明装置と網膜上の光強度の関係について述べる。図2(A)において、17はリング状面発光照明装置LgIn1の網膜上での照明範囲、Fvは網膜中心窩を示している。図2(B)はFv付近の拡大図である。17−1は光強度分布で、横軸がリング横断方向、縦軸が光強度である。Fvは視野角で1度程度の範囲であり、視細胞がむき出し状態で密集しており、眼球光学系は主に当該範囲にピントを合わせる。本発明では、Fv付近に強い照明光が当たるのを避けるため、LgIn1の発光面を大きく、発光強度を平坦にしているのが特徴である。LgIn1を臨む視野角は数度から数十度であり、リング状の発光面全体からの光量で被写体特徴点の撮影に必要な光量を確保する。Fvへの近赤外光刺激が弱いため長時間、安全に使用できる。
図2(G)は、照明装置LgIn1に小さな複数の発光体を密集させた構成体を用いた場合の網膜上での照明範囲18と、光強度分布18−1を示す。発光体は離散的であっても密集している場合、標準的な視距離で観賞する利用者の網膜上の光強度は、視細胞に障害を与えない程度に平坦にできる。この場合も面発光と見なすことができる。
一方、従来の画面脇に設けられた視線検出装置では、大きな照明装置を用いることが難しい。小型照明や点光源照明(ランプやLEDなど)を用い、当該照明を直視する状況では、網膜上での照明範囲は図2(H)の19、光強度分布は19−1になる。Fvへの近赤外光刺激が強いため、眼への悪影響が問題になる。前記(B)(G)との差は明らかである。
図2(E)は、画面10の内側、又は、周囲に矩形の面発光からなる照明装置LgIn4を設けた表示装置の正面図である。図2(F)のImgは、画面裏側のカメラで撮影した画像である。照明装置が大きいため、大きな角膜反射像Prが得られる。同図のように、瞼によって当該角膜反射像が一部隠れても全体が隠れることは少ない。予め形状が既知なパターン照明であれば、当該パターンの中心、又は、重心を特徴点として検出するのは容易である。照明領域が映像表示部の周囲なので、当該照明装置を直視する頻度は少ない。また、直視しても面発光であって単位面積あたりの光強度は低いため、眼への悪影響は少ない。
図3は、人物を囲むように画面を設け、複数のカメラを人物がいる所定領域に向けるように(輻輳するように)したカメラ付き表示装置である。図3(A)は、湾曲型画面10を用いた例、図3(B)は、当該例の上面図である。
画面10は、発光ダイオード、EL素子などを用いて構成できるのは既に説明したとおりである。56は、10の曲率中心付近の所定観察領域で、利用者Pは当該領域に居るものとする。10の裏側には、図1(C)、又は、(G)に示したものと同様な照明付きカメラCam1−x(x=1〜4)が設けられている。カメラの前には、可視光を反射、又は、遮断し、近赤外を通過させる部材Ref−BGRが設けられている。画面の左右の端には、近赤外照明装置LgIn3−x(x=1、2)が設けられている。また、空気砲式香り発生装置6−x(x=1〜2)が設けられている。Cam1−xと6−xは、56に向けられている。
利用者Pは、両眼立体視用眼鏡48を装着することによって、表示対象Obj−Px(x=1〜3)を立体的に知覚できる。同図は、コンサートを視聴している様子である。100度以上の視野範囲を実現できる。また、前記カメラで利用者が領域56に居ることを検出し、6−xから出る複数の香りの渦輪7を56内で衝突させることによって、香り空間を作ることができる。視覚、聴覚、嗅覚表示によって、高臨場感が得られる。
次に、前記のような画面とカメラを用いることで、大きな眼球回転を許容して精度の高い視線検出が可能な理由を述べる。図3(B)において、21は近赤外照明光、25〜28は被写体反射光である。当該反射光は各カメラCam1−xで撮影される。ここで、利用者Pが画面正面を向き、横目(視線Gaze)でObj−P3を見ている場合を考える。
Pの正面にあるCam1−2、又は、Cam1−3の画像では、眼球は大きく回転しているため、図2を参照すると、瞳孔像は楕円にひずみ、瞳孔中心と角膜反射像の中心のズレdelは大きくなることが分かる。この画像を用いる場合、楕円の中心を求める処理は複雑であり、また、眼球回転角θが大きすぎると、θとdelの関係は線形ではなくなる。従って、高い視線検出精度を得ることは難しい。
しかし、Cam1−4は、眼球を正面から捉えるため、瞳孔像は円に近く、delも小さいため、比較的安価なカメラを用い、簡単なアルゴリズムで視線Gazeを精度よく検出できる。このように、本実施例では、眼球を正面付近で捉えたカメラ画像を選択的に処理することで、高い視線検出精度を実現できる。具体的には、400万画素程度の撮像素子を備えたカメラを用いれば、56は標準的な観察点から1m四方の範囲で、眼球回転角が左右40度程度で、1〜2度程度の視線検出精度が得られる。
複数のカメラ画像の中から、Cam1−4の画像を選択的に処理する方法としては、各カメラ画像においてdelを計算し、delが最も小さい画像を選択する。又は、次系列の視線検出において、直前の視線検出方向にあるカメラ画像を優先的に処理してもよい。
以上の効果をカメラが平行に設置された図3(F)と比較する。同図でも、眼球を正面で捉えるカメラはCam1−4であるが、視野範囲を広角にしないと眼球を捉えることはできない。しかし、カメラを広角視野にすると高解像度のレンズ系と撮像素子が必要になり、安価に実現することが難しい。
図3(C)は、3つの平面画面をつなぎ合わせて所定領域56を囲むように画面10を構成し、3台のカメラCam1−x(x=1〜3)の視野を56に向けた本発明表示装置の例である。
図3(D)は、平面画面10を用いるが、3台のカメラCam1−xの視野を56に向けた本発明の表示装置の例である。
図3(E)は、横方向、縦方向に湾曲した画面10に近赤外照明装置付きカメラCam1−xを5台設け、画面の淵に大きな円形の照明装置LgIn3を設けた本発明の表示装置の例である。影をなくして被写体を明るく精細に撮影できる。
図4は、図1の表示装置において、画面10に白色有機EL素子と色フィルタを用いた構成である。同図(A)は、画面の断面図である。ガラスなどの透明板BS1の上には、TFT(Thin Film Transistor)をスイッチング素子に用いた駆動回路DVが形成される。ISは絶縁膜である。その上には、色フィルタFil−B、Fil−G、Fil−Rが形成され、その上に陽極Aが形成され、Aの上に白色発光層EL−Wが形成され、その上に陰極Kが形成される。
白色に限らず本発明の発光層には、低分子積層型、単層の高分子分散型などが適用できる。発光現象としては、1重項励起状態からの蛍光、3重項励起状態からのりん光を用いることができる。低分子系発光層としては、アルミニウム錯体、アントラセン類、インジウム錯体などが適用できる。また、希土類金属錯体を用いてもよい。高分子系発光層としては、パイ共役系、ポリフェニレンビニレン類、ポリフルオレイン類、色素含有ポリマー系などが適用できる。
また、図4(A)には示していないが、発光層(EL−W)に低分子系を用いる場合、Aと発光層との間に正孔注入層、正孔輸送層を設け、発光層とKの間に電子輸送層、電子注入層を設けることができる。発光素子は、A、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子注入層、Kの順序で積み上げることが望ましい。
AとKは、ITO(Indium Tin Oxside)膜などを用いることにより透明電極にできる。Kの上には、可視波長光を反射、又は、遮断し、近赤外光を通過させる膜Ref−BGRが設けられ、その上にBS2が設けられる。BS2は外部から湿気などが入らないようにする透明な封止膜、又は、保護膜である。高分子膜と酸化物膜のペアを数層繰り返して成膜することで封止効果を高めることができる。酸化物膜としては、二酸化ケイ素(SiO2)などが利用できる。
PXは、可視光発光素子で、1色の画素(サブピクセル)を示す。PAは画素を分離する隔壁で透明にできる。画面10の厚さは、全体で1mm以下から厚くても数mmである。
同図では、Ref−BGRはKの直ぐ上に設けているが、発光層の裏側であれば、場所を問わない。つまり、BS2を多層で構成する際、その一部としてもよい。また、カメラレンズ系の中、又は、CCDの前に設けてもよい。
PWは電源である。AとKの間に電圧を加えると、EL−Wは白色に発光する。駆動回路DVによって、PXに加える電圧を個別に制御できる。前記白色光は前記色フィルタによって3色の光になる。11、12、13は、各々青色、緑色、赤色の光である。3色でカラー画素を構成する。また、同図には示していないが、青緑色のフィルタを追加し、4色(4つのPX)でカラー画素を構成してもよい。
図4の駆動回路はアクティブマトリックス方式であるが、陽極と陰極を縦、横に交差させ、その交点を順次選択して光らせるパッシブマトリックス方式の駆動回路を用いてもよい。特に、大画面を構成する場合には、画面領域を分割して各々をパッシブ駆動する方式が望ましい。
LgInは、表示画面10の内側に設けた照明装置で、近赤外光(非可視光)21を画面の裏側から表側に向けて放出し人物を照明する。EL素子、又は、LED素子で構成できる。LgOutは、表示画面10の外側に設けられた照明装置で、可視から近赤外までの光20を放出し人物を照明する。部屋の天井、壁等に設けた白熱灯(電球)等で、必要に応じて用いる。
25〜28は、被写体反射光で、25、26、27は、各々、青色、緑色、赤色の素子内を通過する光を示す。28は、隔壁PAを通過する光を示す。これらの光は、Ref−BGRによって可視波長域が遮断され、近赤外光のみが、カメラレンズCam1(Lens)を通過し、CCDに結像する。従って、被写体像に寄与する光は、LgIn、又は、LgOutから出る光の内、近赤外成分の光である。
画面10は、全面において近赤外光を通過させることができるが、画素構成物によって部分的に光が通過しない領域があってもよい。同図のように、カメラレンズCam1(Lens)をBS2に接近させることにより、当該構成物は、撮像素子CCDには結像しない。被写体反射光のみが結像する。
図4(A)の構造は、駆動回路DVが設けられた側、つまり、陽極側から光が放出されるボトムエミッション型であるが、駆動回路が形成された部分は発光しないため、実際に光るスペース(発光面積率)が20%〜40%程度に少ない場合がある。この問題を解決するためには、後に、図6(B)で説明するように、DVとは逆の方向、つまり、陰極側から光を放出させるトップエミッション型のEL素子を用いてもよい。
図4(B)において、EL−W1、EL−W2は、白色りん光有機EL素子の発光スペクトル例である。横軸は波長、縦軸は光強度の相対値を示す。材料によって差はあるが、波長400nm〜700nm程度の発光体を使用できる。Ref−BGRは、可視光を反射、又は、遮断し、人の可視限界波長(HV−Lim)を超える光を通過させる膜の特性例である。縦軸は光通過率の相対値を示す。HV−Limは個人差があるが、例えば、830nm以上にできる。900nmを超える波長では、殆どの人が光を知覚しない。余裕を見て、900nm以上としてもよい。LgInは、近赤外発光ダイオード(LED−IR)を用いた照明装置の発光波長特性、LgOutは、外部照明装置の発光波長特性である。縦軸は光強度の相対値を示す。
図4(C)において、Fil−B、Fil−G、Fil−Rは、各々、色フィルタの波長通過特性を示している。縦軸は光通過率の相対値を示す。同図において、Fil−Bは、450nm程度を中心にして、370nmから520nm程度の波長光と、800nm以上の波長光を通過させ、それ以外を遮断する。Fil−Gは、550nm程度を中心にして、470nmから650nm程度の波長光と、800nm以上の波長光を通過させ、それ以外を遮断する。Fil−Rは、590nm程度以上の波長光を通過させ、それ以下を遮断する。
白色光は当該フィルタによって、青色、緑色、赤色の光になる。図4(A)のEL素子からの光11、12、13の波長域は、図4(B)(C)において、各々のフィルタを通過する光(AK−B、AK−G、AK−R)に対応する。カメラCam1は、Ref−BGRによって、840nm以上の波長光に感度を持つ。
図4(D)は、図4(B)の波長HV−Limの前後を拡大したものである。白色EL素子は、可視域のみに発光することが望ましいが、素子によっては、EL−W2のように、近赤外波長域にある程度スペクトルを持つものもある。また、白色りん光有機EL素子では、発光色が電流密度により変化し、800nm前後の近赤外波長域の強度が相対的に高くなる場合がある。
このような場合であっても、本発明では、Ref−BGRを設けているため、当該波長域の光の多くは遮断され、カメラの感度領域に漏れる光Leakは極めて少ない。従って、被写体像に影響しない。以上のように、本発明では、EL材料を選択することにより、映像を表示する可視光を前方のみに放出し、被写体検出のための非可視反射光をカメラで捉えるように構成できる。
図5は、青色、緑色、赤色を発光する有機EL素子を用いたカメラ付き表示装置である。同図(A)は、装置の断面図である。図4と異なる点を説明する。EL−B、EL−G、EL−Rは、各々、図5(B)の発光波長特性を持つEL素子である。例えば、EL−Bは、465nm程度にピークを持ち、EL−Gは、525nm程度にピークを持ち、EL−Rは635nm程度にピークを持つ。縦軸は、発光強度の相対値を示す。EL素子自体が3原色の光を発するので、色フィルタは必要ない。
LgInは、画面10の裏側に重ねるようにして設けられた照明装置で、近赤外発光層EL−IRを持つ有機EL素子で構成される。EL−IRは、図5(B)のように、発光波長範囲が広い材料もあるが、可視光を反射、又は、遮断し、840nm以上の非可視光を通過させる部材(フィルタ)ReF−BGRをLgInの前に用いているため、人に知覚されない。
青色(B)、緑色(G)、赤色(R)、近赤外(IR)の発光層には、低分子系、高分子系、希土類系などのEL素材が適用できる。図5(B)のEL−Rは、低分子系EL素材の発光スペクトル例で、非可視波長域まで広がっている。しかし、Ref−BGRをEL−Rの裏側に設けているため、図5(C)に示すように、カメラ側に漏れる光Leakは少ない。撮像素子の被写体像に影響を与えることはない。
発光層に希土類を用いると、必要な波長スペクトルだけの光を出せるためカラー特性が良い。また、近赤外波長以上の非可視光をのみ放出する素材を選択すれば、照明装置の前の可視光遮断部材を省略できる。
図6は、青色、緑色、赤色を発光する有機EL素子の各々の裏面に当該波長光を反射、又は、遮断する部材Ref−x(x=B、G、R)を設けたカメラ付き表示装置である。図7(A)〜(D)は、図6で使用するEL素子の発光特性と、Ref−xの特性である。Cam2の破線はカメラの受光波長範囲を示す。
図6(A)の画面10は、ボトムエミッション型のEL素子を用いているが、図5(A)と異なる点を説明する。Ref−Bは、青色発光体EL−Bの上に設けられ、青色の光を選択的に反射、又は、遮断し、青色以上の波長光を通過させる部材(膜)である。図7(B)に光学特性を示す。縦軸は光通過率の相対値を示す。図6(A)の11は青色の光、11−1はRef−Bで反射する青色の光、35はEL−Bの内部を通過する青色以外の波長を持つ被写体反射光である。
Ref−Gは、緑色発光体EL−Gの上に設けられ、緑色の光を選択的に反射、又は、遮断し、緑色以上の波長光を通過させる部材(膜)である。図7(C)に光学特性を示す。縦軸は光通過率の相対値を示す。図6(A)の12は緑色の光、36はEL−Gの内部を通過する緑色以外の波長を持つ被写体反射光である。
Ref−Rは、赤色発光体EL−Rの上に設けられ、赤色の光を選択的に反射、又は、遮断し、赤色以上、又は、以下の波長光を通過させる部材(膜)である。図7(D)に光学特性を示す。図6(A)の13は赤色の光、37はEL−Rの内部を通過する赤色以外の波長を持つ被写体反射光である。
ここで、Ref−B、Ref−G、Ref−Rには、コールドミラー製法が利用でき、可視光を97%程度反射し、非可視光を97%程度通過させる特性を実現できる。
LgInは、図4と同様な近赤外発光ダイオードLED−IRを用いた照明装置であるが、図7(A)のように、波長スペクトルが可視域にもあるため、LgInのLED−IRの前には、可視光を遮断し、近赤外以上の非可視光を通過させる部材Ref−BGRを設けている。図6(A)の21はLgInの非可視照明光である。
以上のように、図6(A)において、3色の発光体EL−x(x=B、G、R)の光は前方に放出され、後方には放出されない。被写体反射光は、各画素内(PX)、及び、画素間を通過する。画素内(EL素子内)を通過する光35〜37は当該素子の発光波長以外の光である。画素間の隔壁PAなどを通過する光38は、可視光、及び、非可視光の広い波長範囲を持つ。
図6(A)のCam2は、単色、又は、カラー画像を撮影できるカメラである。被写体反射光は、画面10のほとんど全面を広い波長範囲で通過するため、明るい単色被写体画像(Mono−Img)を撮影できる。また、PAなどを通過する可視波長域の被写体反射光は、波長毎に複数のCCDを用い3色を分離すれば、カラー被写体画像(Color−Img)を撮影できる。
図6(B)の画面10は、トップエミッション型の有機EL素子を用いた実施例である。図6(A)と比較すると、透明基板BS1からBS2までの縦構造を上下逆にし、Ref−xを駆動回路DVの上に設けている。3色の発光体EL−xの上には、各々Ref−xを設けることができる。トップエミッション型の有機EL素子は、発光面が大きいため、明るい映像表示画面が構成できる。また、BS1にガラス基板を用いれば、その上に照明装置LgInとして近赤外有機EL素子(EL−IR)を形成しやすい。
前記Ref−xの代わりに、可視光、及び、非可視光を反射する部材、つまり、単なる反射材Refを設けてもよい。Refはアルミ膜などで構成できる。Refを用いる利点は、Ref−xに比べて製造し易いこと、反射特性のよい素材が適用できること、発光体から裏側(カメラ側)への光の漏れがないことなどである。しかし、被写体反射光は、素子間のみを通過し、素子内を通過しなくなるため、被写体像はやや暗くなる。
図6(B)では、EL−B、EL−Gの上に、各々、Ref−B、Ref−Gを設け、EL−Rの上に、Refを設けた場合を示している。EL−Rは、近赤外波長域にもスペクトルを持つ場合があるが、Refを用いることにより、カメラ側への光を完全に遮光できる。13−1は、EL−Rから出て上に向かいRefで反射し、前方に放出される光を示す。
当該構成では、画面10において、被写体反射光が通過する部分と、Refによって通過しない部分が存在するが、カメラレンズを画面裏側に接近させることによって、図1で説明したように被写体像への影響は小さい。
図8は、有機EL素子を用いた表示画面の裏側に近赤外有機EL素子アレイを照明装置として設けたカメラ付き表示装置である。図8(A)は、装置の断面図、図8(B)は、正面図である。表示画面10は、図4と同様な構成である。照明装置LgInと特徴点撮影法について詳細に説明する。
図8(B)において、EL−IRは、表示画面10の裏側に設けられたアレイ状の近赤外有機EL発光体である。EL−IRの発光を制御することで、様々なパターン照明光を放出できる。ONは発光状態、OFFは休止状態を示す。
LgIn1は、カメラレンズCam1(Lens)を同心円状に囲む照明装置である。同心円の大きさや形状は変えることができる。人物の各部位の特徴を撮影する、虹彩を瞳孔に対して明るく撮影する、幾何学的形状の角膜反射像を撮影する際に有効である。利用者の距離に応じて発光面の大きさ、例えば、円の大きさなどを制御できる。眼に負担が少なく、眼の特徴点を効率よく撮影できる照明条件を選択できる。
LgIn2は、カメラレンズ光軸付近から円形の光を放出する照明装置である。光線は、瞳孔から眼球に入り網膜で反射し再び瞳孔から出て光源の方向に向かう。眼球にはこのような再帰性反射の性質がある。従って、LgIn2を用いて眼の周りを撮影した画像では、瞳孔は輝いているように明るく撮影される。瞳孔像の抽出は容易である。ここで、当該瞳孔像の撮影では、口径の大きなレンズを用い、レンズの光軸近傍に小さな発光体を密集して設けることができる。
LgIn1とLgIn2の2種類の照明装置を用い、交互に切り替えて撮影すると、瞳孔が暗い画像と明るい画像が撮影される。そこで、2枚の画像を差分処理すると、瞳孔の輝度は極めて高くなり容易に抽出できる。再帰性反射マークを人物に貼って撮影する場合も同様に当該マークを極めて効率よく抽出できる。また、差分処理は、角膜反射像の抽出にも有効である。コントラストが大きくなるため、2値化処理などで背景から簡単に分離できる。このように、前記差分処理を用いると特徴点抽出処理は容易になるため、LgIn1とLgIn2の光強度は弱くでき、眼への影響は少ない。
前記EL−IRは小さな面発光体であるが密集して設ける。画面は標準視距離から観察すると、個々の発光体は網膜上で分離せず、大きな面発光、又は、線発光となる。図2(G)で説明したように、網膜上の光強度は視細胞に障害を与えない程度に平坦にできるため、眼への影響は少ない。
前記再帰性反射光の撮影において、レンズ光軸付近にLgIn2を設けると、被写体反射光は部分的にしか通過できない。10−1は、被写体反射光通過部である。このため撮影系への影響が懸念されるが、本発明では、照明装置が極めて薄型で、発光素子間に光通過量の歪みの少ない光通過部を設けることができる、つまり、被写体反射光は画面の広い範囲を通過してカメラレンズに捉えられる、カメラを表示画面10に近づけて設置できる、口径の大きなレンズを用いるなどにより、被写体反射光を十分に捉えることができるため、特徴点は精細に撮影できる。
図8(A)のLgIn1、LgIn2は、図8(B)のLgIn1、LgIn2を構成する近赤外EL素子1個の構造を示している。従って、図8(A)においても、実際は当該素子が列状に並んでいる。LgIn1において、A1(ITO)は透明な陽極、DV1はTFTなどによる駆動回路、EL−IRは近赤外有機EL発光体、K1(Met)は金属膜による陰極、BSNは不透明な板である。電源PW1によって、A1とK1の間に電圧を印加すると、近赤外光(非可視光)21が前方に放出される。EL−IRとしては、ポルフィリン類とフラーレン類の混合物から形成される二分子固体フィルム、又は、フタロシアニン系化合物などが利用できる。LgIn2も同様な構造である。
図8(A)から分かるように、LgIn1、LgIn2は、映像表示部の裏側に密着して設けられるため、EL−IRから出た光は、屈折率の近い透明媒体を介して表示画面の表側から放出されるためエネルギーのロスが少ない。照明装置として効率がよい。また、映像表示部と照明装置は、同じ製造プロセスが利用できる。
以上のように、瞳孔が安定に精度よく抽出できるため、当該瞳孔の空間位置をステレオ画像計測などの手法で求めれば、運動視表示などにおける視点として利用できる。
図9は、有機EL素子を用いた表示画面の内側に近赤外有機EL素子アレイを照明装置として設けたカメラ付き表示装置である。
図9(A)は、近赤外照明装置LgInを、図8(A)の場合と同様に、表示用可視EL素子列の上に重ねた構造である。画面10の中に、可視発光部EL−Wと近赤外発光部EL−IRが一緒に作られる。EL−IRの陰極Kは、EL−Wの陰極Kを兼ねている。EL−IRの上にRef−BGRを設け、その上に封止用の透明板BS2を設けている。電源PW2によって、陽極A−IRと陰極Kの間に電圧を印加すると、近赤外光(非可視光)21が前方に放出される。
図9(B)は、近赤外EL素子を、表示用可視EL素子の間に、つまり、横に並べるように設けた実施例である。同図において、BS1、BS2は透明基板、B、G、R、IRは各々、青色、緑色、赤色、近赤外の有機EL発光体、Aは陽極、Kは陰極、Ref−BGRは可視光を反射、又は、遮断し、非可視光を通過させる部材である。当該部材は単なる反射板Refでも良い。
PXCは、3色のサブピクセル(PX)からなるカラーピクセルである。PXC2は、PXCと近赤外発光体IRを一体にした表示兼照明素子である。複数のIRを集めて、近赤外照明装置LgInとしている。35、36、37は、各々、B、G、Rを通過する非可視被写体反射光、38はPXCの間を通過する可視及び非可視の被写体反射光である。単色被写体画像Mono−Img、又は、カラー被写体画像Color−Imgを撮影できる。
PXC2をアレイ状に設け制御することにより、幾何学的パターンの照明光を放出できる。角膜反射像の抽出に有効である。また、表示画面10は、表示素子と照明用素子が面方向に設けられるため、極めて薄型に製造できる。特徴点の精細な撮影に有効である。
図10は、有機EL素子を用いた表示画面の裏側に回転可能なカメラを設けた表示装置である。表示画面10の構成は、図4、又は、図8と同様である。図8と異なる点は、有機EL素子で構成された非可視光照明装置LgIn1、LgIn2をカメラ側に設け、カメラを回転可能にしている。
図10(A)において、LgIn1は、カメラレンズCam1(Lens)の回りに同心円状に設けられる。LgIn2は、カメラレンズ光軸付近に設けられる。Refは、LgIn2の光を前方にのみ放出するための反射板である。21−1、21−2は、各々、LgIn1とLgIn2からの照明光を示す。50は、照明光が透明基板BS2で反射しないように、屈折率を調整する光学連結機構である。液体、又は、ジェル状物質が適用できる。
図10(B)は、(A)において、カメラCam1が回転した様子を示す。このように、カメラは、表示画面10の前の人物を追跡しながら撮影できる。
図10(C)は、図10(A)のカメラ系において、照明装置LgInの前に指向性レンズ59を設け、利用者が居る所定場所を効率よく照明できるようにした構成例である。
図10(D)は、図8(B)のような小さなEL−IRをアレイ状に並べて照明装置とした例である。EL−IRの前に小さな指向性レンズ59をアレイ状に設けている。
図11は、LEDを画素とする光通過型の表示画面10の裏側に近赤外LEDを照明装置として設けたカメラ付き表示装置である。図11(A)は断面図、(B)は正面図である。
図11(A)において、BSは厚さ1mm〜3mm程度の透明な薄い板で、当該板の中に3色の発光ダイオードを用いてカラーピクセルPXCを構成する表示素子を並べて実装する。図11(C)は、当該表示素子の拡大図で、LED−B、LED−G、LED−Rは、各々、青色、緑色、赤色の発光ダイオードである。Refは凹面鏡を成す反射板で、LEDの裏側に設けられ、LEDの光を前方に反射する。SCは光散乱材で、PXCの前面全体が光るように作用する。14の破線は光放出分布で、利用者が居る正面方向が強くなるように設計できる。PXCの大きさは、1mm〜数mmで製造でき、BSには1mm〜数mm間隔で実装できる。図11(B)には、2mm径のPXCを2mm〜4mm間隔で実装する場合を示している。被写体反射光28は、PXCの間10−1を通過する。
図11(B)に示すように、カメラレンズCam1(Lens)は、複数の光通過部を囲むように、かつ、画面10に接近して設ける。画面構成物であるPXCはカメラの撮像素子CCDには結像しない。被写体像は特徴点抽出処理が可能な程度に明るく、かつ、精細に撮影される。
照明装置LgInは、画面10の裏側にカメラレンズを同心円状に囲むように設けられる。光散乱材SCを混入した同心円状の板材に近赤外発光ダイオードLED−IRを複数実装する。21は、LgInから放出される近赤外照明光である。当該光は、当該同心円状の板材から光強度が平坦になるように放出する。網膜上の視細胞に局所的な強い光が照射されないようにする。LgInの面において、最も明るい部分と暗い部分の差が10倍以下であることが望ましい。
図11(A)において、LgInの前(10とLgInの間)には、可視光を遮断し、非可視光のみを通過させる膜(フィルタRef−BGR)を設けてもよい。LgInの照明光は、被写体で反射し、PXCの間を通過しレンズを通過しCCDに結像する。カメラレンズの前のRef−BGRは、PXCの横から漏れた光が後ろに回り込んでノイズとならないように、可視光を遮断し、非可視光のみを通過させるためのフィルタである。なお、PXCから出る光が前方のみで、後ろに回りこまないように構成できれば、Ref−BGRは省略できる。
図11(D)は、図11(A)の画面10の外側まで示したものである。カメラCam1、及び、近赤外照明装置LgInを実装する部分を局所的に薄くし、その周りを厚さ10mm程度の筐体10Aで覆い、当該筐体の中に駆動制御回路を実装している。この構造によって、表示装置の力学的な強度を上げ、明るく精細なカメラ画像を得ることができる。特に、大画面表示装置において有効である。
図11(E)は、図11(A)において、PXC代わりに、画素の表側が広く、裏側が狭い構造の発光体PXC3を用いた実施例である。当該発光体を並べると、光通過部は、画面表側から裏側に向けて広くなるため、被写体反射光28は、広い範囲からカメラに均一に入射する。従って、明るく精細な画像が得られる。
図12は、可視光発光ダイオードと近赤外発光ダイオードを一体にした素子を画素に用いた表示画面10に複数の穴を開け、当該穴を介してカメラ視野を得るカメラ付き表示装置である。図12(A)は断面図、(B)は正面図である。(B)の一点鎖線での断面部が(A)に対応する。
図12(A)(B)において、BSNは、不透明な薄い板で、3色の発光ダイオード(LED−BGR)を用いたカラーピクセルPXC1と、3色の発光ダイオードに近赤外発光ダイオード(LED−IR)を加えたPXC2が実装されている。図12(C)は、PXC2の拡大図である。LEDの裏側には、凹面鏡反射板Refが設けられている。SCは光散乱材である。59は指向性レンズで、利用者が居る前方に指向性のある光が放出されるように作用する。14は光強度分布である。なお、図12(A)では、59は省略している。21は、LED−IRから放出される近赤外照明光である。
図12(B)において、画面10のPXC1、又は、PXC2の間には、複数の穴HLが設けられている。当該複数の穴を囲むように、10の裏側にカメラレンズCam1(Lens)が設けられている。当該穴を通過する被写体反射光28をRef−BGRを介してCCDに結像させることによって被写体像が得られる。PXC2は、1mm〜3mm程度の大きさで、カメラレンズの光軸付近とカメラレンズの周囲に各々多数設けられている。つまり、2種類の照明装置LgIn1、LgIn2が設けられている。以上のように、照明装置付き表示画面10は薄型で、精細な幾何学的パターンの照明光を放出できる。図8と同様な方法により、角膜反射像、瞳孔像の撮影に用いることができる。
図12(D)は、図12(B)の二点鎖線での断面を示し、かつ、PXC1、又は、PXC2の代替に、画素の表側が広く、裏側が狭い構造の発光体PXC3を用いた実施例である。当該発光体を用いると、同図のように、穴HL、つまり、光通過部は、画面表側から裏側に向けて広くなるため、被写体反射光28は、広い範囲からカメラレンズに均一に入射する。従って、明るく精細な画像が得られる。59は指向性レンズである。
図13は、EL素子やLEDを用いた薄型表示画面に照明装置とカメラを組み込んだ表示装置の効果を説明する図である。同図(A)は装置の断面図、(B)は正面図である。
10は、EL素子、又は、LEDを画素PXとする薄型表示画面である。PXCは、カラーを構成する可視光発光素子で、透明な薄い基板BSの上に設けられる。Rlensは、大きな口径のリレーレンズで、フレネルレンズなどが適用できる。当該レンズと光学的に接続するようにカメラレンズCam1(Lens)が設けられ、焦点位置に撮像素子CCDが設けられている。RlensとLensの間に可視光を反射、又は、遮断する部材Ref−BGRを設けている。なお、リレーレンズは省略してもよい。LgInは、画面裏側に設けた照明装置、21は非可視照明光である。画面のカメラ設置部、又は、照明装置設置部は、1mm〜3mm程度の厚さで構成できる。25〜28は、非可視被写体反射光である。
本発明では、被写体反射光が通過する薄い画面を用い、当該画面をカメラのレンズの焦点距離より十分に内側に設ける。Fc−Lmは、カメラレンズの最短焦点距離、当該距離の1/3以下の範囲に画面10を設ける。このようにレンズと画面を近づけることによって、画面に構造物があっても当該構造物はCCDに結像しない。従って、被写体のみを撮影できる。
OPは、画面10において被写体反射光が通過する面積割合、つまり、開口率である。OPは、5%以上、70%以下が望ましい。5%以下ではカメラ画像は暗く精細ではない、70%以上では画素領域が少なくなるため表示映像の品質が悪くなる。映像品質が劣化しない範囲で、被写体反射光が通過する領域を増やすことが重要である。
カメラで画面前の人物(被写体)を撮影する際、カメラ視野角は広い方が望ましい。図13(A)の画面10は、光通過部(白い領域)と画面構造物(ドッツ領域)が交互に並んだ状態を示している。EL素子、LEDなどの発光素子が透明基板BSに並んだ状態をモデル化している。同図において、Lmは、25〜28の中で、カメラレンズ光軸付近の光通過部の面積、Lsはカメラレンズ周辺の光通過部の面積である。Lm、Lsは、左右の実線の間を示す。図13(C)にLs部を拡大して示す。仮に、画面が薄ければ、LmとLsは同程度であるが、画面が厚くなるとLsはLmに対して小さくなることが分かる。
つまり、必要なカメラ視野角Viewと、カメラ画像の明るさを条件にすると、画面の薄さを決めることができる。そこで、本発明では、Rate(Ls/Lm)を定義し、0.05以上になるように画面の厚さを決める。Rateが0.05以下では、カメラ画像の中心部と周辺部で明るさが大きく異なり、特徴点抽出処理が困難になる。当該比は、通過部の面積の比の代わりに、被写体反射光の通過光量比でもよい。このように、カメラ視野の中心部と周辺部の明るさの差は、画面を薄型にする程小さくできる。表示画面にEL素子が望ましいのは、画面を薄く構成でき、被写体反射光が画面の広い範囲を通過してCCDに結像するためである。精細なカメラ画像が得られる。
図13(D)は、画面を薄くし光通過部を増やす構成例である。発光素子部(PX、or、PXC)の表側を大きく、裏側を小さくすることによって、又は、図12(D)に示したような穴HLを用いることによって、画面表側から裏側に向けて光通過部を広げることができる。各光通過部の被写体反射光の光量が20倍以上の差を生じることなくカメラレンズに入射するように構成される。同図の場合、Lsは光通過方向によって変化しない。つまり、Rate(Ls/Lm)は理想的には1.0になる。図13(E)は、光通過部の構造をレンズ中央部からレンズ周辺部にかけて変化させた例である。効果は図13(D)と同様で、被写体を均一な明るさで撮影できる。
図14は、LEDを画素とする薄型表示画面10にカメラCam1を回転可能に設け、当該カメラの回りに多数の近赤外LEDからなるリング状照明装置を設けたカメラ付き表示装置である。図14(A)は断面図、(B)は正面図である。(B)の2箇所の二点鎖線断面が(A)に対応する。
図14(A)において、不透明な薄い基板BSNに3色発光ダイオードを用いたカラーピクセルPXCが並べて実装され、PXCの間に穴HLが設けられ、当該穴にカメラレンズが挿入されている。51は、画面10の先端部に支点があるカメラレンズ回転機構である。穴は、先端部が細く、後ろになるほど大きくなっている。これにより、レンズLensは回転可能に実装できる。
レンズの回りの画面内には、PXCの間に近赤外発光ダイオードLED−IRが複数実装されている。図14(B)には、8個のLED−IRが実装されているが、実際には、数10個から数100個実装することができる。これらは同時に駆動され、リング状の一つの近赤外照明装置LgInになる。なお、PXC、LED−IRの構造は、図11、図12で説明したものと同様である。
1、2、3、4は、図1で説明したものと同じである。ただし、カメラは回転可能であるため、1と3によって、人物の特徴点を検出し、その動きを追跡するようにカメラを回転制御できる。また、レンズの焦点距離を調整し、像を拡大、縮小する制御もできる。
図14(C)は、図11で示した同心円状の照明装置LgInを画面10の裏側に設けた実施例である。21は照明光を示す。BSKは光散乱材が混入された透明な薄板で、画面10を構成する。照明光はBSKの中でも散乱するため、より光強度は平坦化される。また、同図では、カメラCam1が51を支点に回転した様子を示している。
このように、本実施例では、小さな穴にカメラレンズを入れて撮影するため、通常では画像が暗くなり、特徴点抽出が難しい場合があるが、カメラの回りの広い範囲に近赤外の面発光照明装置LgInを多く設け被写体を照明するため、被写体は明るく撮影され特徴点は容易に抽出できる。また、LgInの光強度分布は平坦で眼に負担を掛けない。長時間使用しても安全である。
図15(A)は、プロジェクタスクリーン40(画面10)を用いた本発明のカメラ付き映像表示装置である。40の裏側にカメラCam1と近赤外照明装置LgInを設けている。Projは、映像プロジェクタである。Projの前に設けられているRef−IRは、可視光を通過し、近赤外光を遮断するフィルタである。Pは利用者、48は、両眼立体視用の偏光眼鏡、又は、時分割眼鏡である。49は、近赤外光を再帰的に反射する光学マークで、眼鏡フレームに設けられている。同図では、片眼に3個、両眼で6個が設けられている。
図15(B)は、スクリーン40の断面である。偏光眼鏡を掛けて両眼立体視を実現する場合には、シルバースクリーンなどが利用できる。スクリーンの一部に、小さな穴46を多数設けている。当該穴は、画面表面から裏側に向けて穴の面積が広がる構造である。穴の開口率OPは、5%以上、70%以下が望ましい。スクリーンは薄く、図13に示したRate(Ls/Lm)は大きくできる。従って、明るく精細な画像が撮影できる。
当該穴の裏側に可視光を反射、又は、遮断し、近赤外の非可視光を通過させる部材(フィルタ)Ref−BGRを設け、その裏側にリレーレンズRLens、及び、カメラCam1を設け、当該カメラレンズの周りにリング状の近赤外照明装置LgInを設けている。近赤外照明光は21のように放出され、被写体反射光29がカメラに捉えられる。照明は、小さな複数の穴から放出されるが、標準視距離において面発光となるため、網膜への影響は少ない。
Projによって40に映像を投影すると、可視光30は、前記小さな穴の間45で31に示すように散乱反射する。つまり、45は発光部として作用する。また、穴に入った可視光は、Ref−BGRで反射するため、穴の中でも散乱する。この反射光の集合は利用者にとって映像として知覚される。
図15(C)に、プロジェクタの可視光特性(青B、緑G、赤R)、照明装置LgInの光特性を示す。共に、横軸は波長、縦軸は光強度である。Ref−BGRは前記フィルタの光通過特性である。縦軸は透過率を示す。HV−Limは、人の可視限界波長である。映像を表示する可視光と利用者を検出する近赤外光は波長分離できる。
図15(A)において、スクリーン40の裏側には9箇所にカメラが設けられている。これらのカメラで前記眼鏡に設けた光学マーク49の空間位置を検出できる。少なくとも3個のマークが検出できれば、顔の向きが検出できる。また、3個のマーク間の距離を予め計測しておけば、1台のカメラで当該眼鏡の空間位置と方向を検出できる。複数のカメラを用いれば、精度が向上するのは当然である。また、利用者の正面から撮影するので、特徴点が隠れて検出できないと言ったトラブルは少ない。
このように、マークの位置が検出できれば、視点を推定し透視投影変換手法で、運動視映像を生成し表示できる。また、カメラ画像から眼球特徴点を抽出し、眼球回転角を検出し、前記眼球位置と組み合わせることにより、利用者の注視点を検出できる。
6は、香り発生装置である。本発明では、利用者Pの位置が分かるため、Pの近くの香り発生装置6−x(x=1〜3)の何れかから香りを表示できる。運動視映像、及び、香り提示によって高い臨場感が得られる。
図15(D)は、スクリーンの他の構成例である。40−2は表示画面で、透明な薄い板BS3に光散乱部33と非散乱部39を設け、当該板の裏側にRef−BGRを設けている。光散乱部33は、プロジェクタの光を映像にして表示する作用がある。非散乱部39は、近赤外被写体反射光29を通過させる作用がある。光通過部は、同図から分かるように、画面表側から裏側に向けて広がるように構成できる。39はカメラレンズの前に多く設けられる。
図15(E)は、スクリーンの他の構成例である。40−3は表示画面で、透明な薄い板BS3に再帰性反射材34を設け、板の裏側にRef−BGRを設けている。プロジェクタの光30は、34で反射し31に示すようにプロジェクタの方向に向かう。従って、プロジェクタの近くで観察すると明るい映像を知覚できる。光通過部は、画面表側から裏側に向けて広がるように構成され。近赤外被写体反射光29は、34の間を通過し、Ref−BGRを通過し、カメラに捉えられる。
プロジェクタを用いた本発明は、スクリーンは特殊なものにする必要があるが、プロジェクタProjは既存のものが利用できるので、安価に実現できる。
図16は、人物検出結果に基づいて表示画面を制御するカメラ付き表示装置である。図16(A)は、図1、又は、図2に示した表示装置の下部に回転機構MTを設け、画面10の裏側に設けたカメラCam1−1、Cam1−2によって、人物Pの向きを検出し、当該向きと常に垂直になるように画面10を回転制御するシステムである。同図では、Pの向きは破線で示す画面10−Tとは角度Drずれているので、表示装置も同様な角度だけ回転させる。常に、見やすい画面方向になるため快適な表示装置になる。
図16(B)は、モアレ画像を用いて人物の3次元形状を検出するカメラ付き表示装置である。Projは、EL素子を用いた画面10の裏側からスリットパターン光を放出するプロジェクタ、SL1はスリット、21はスリット光である。Cam1はスリットSL2が結像系に設けられたカメラである。57は撮影範囲、25〜28は近赤外被写体反射光である。モアレ像は奥行き情報を含むため、人物の3次元位置、向きなどが検出できる。画面に映像を表示し、観察者に所定の方向を向くように指示し、又は、所定オブジェクトを注視させることによって顔の向きを制御し、その顔の3次元形状を検出すれば、認証などに利用できる。
図16(C)は、画面前の人物の位置を検出して、常に見やすいサイズの文字情報などを表示するシステムである。10は映像表示画面で、裏側に照明装置付きカメラCam1−x(x=1、2)を設けている。電子広告などへの応用において、画面10から遠くの人物P1には、大きな文字サイズでメッセージ(ABC)を表示し、近くの人物P2には、文字サイズを小さくして、多くの情報を表示できる。Dist1、Dist2は、ステレオ画像計測などによって得られる人物Pまでの距離である。
その他の応用について述べる。本発明では、カメラ画像を処理することで、画面前の人の在、不在を検出できるため、人が居ない場合には、画面を表示しないなどの制御ができる。また、人が居る場合でも当該人物の視線を検出することによって、画面を注視していないと判定されるときは、同様に画面を節電モードに切り替えることができる。
一般に、大画面の映像表示装置ほど消費電力は大きいが、注視領域は限定的である。つまり、画面全体の中で非注視領域は増えるため、この領域の電力を抑制できる。例えば、利用者を取り囲むように大きな表示画面を複数設置する没入型VR環境では、利用者が一つの画面に集中しているとき、他の画面の輝度を低下させ、又は表示を休止させることにより、大幅な省エネが実現できる。
図17(C)は、前記照明装置(LgIn)において、利用者が当該照明領域を直視した際に、網膜中心窩とその周辺を分散して照明するように構成される実施例と、図17(A)、(B)は、その作用を説明する実験例である。
図17(A)は、カメラレンズ(Lens)の光軸付近に点光源60を設けて、当該点光源に視線Gazeを合わせる人物の瞳孔Puを撮影する実験である。61は60を臨む視角で1度以下であり、網膜中心窩Fvの一部に対応する。19−1はFv付近の照明強度を示す。横軸が網膜面、縦軸が照明強度であり、鋭いピークを持つ。Img1は、カメラ画像である。Puは瞳孔、Irisは虹彩であるが、PuはIrisよるやや明るい程度で、両者のコントラストは大きくない。これは、近赤外光がFvに吸収され、反射量が少ないためと考えられる。
図17(B)は、17(A)と同様な環境で、視線Gazeを60から外した場合である。Img2は、眼球を回転し照明光が中心窩から外れるようにたときのカメラ画像である。Puは明るく輝いて撮影され(同図で黒い部分がカメラ画像では明るい)、Irisとの輝度差は大きく、瞳孔の抽出処理は容易であった。これは、網膜からの反射量が大きいためである。視線を1度以上ずらすと効果がある。
図17(C)は、カメラCamの前に点光源を集合し面状に発光するようにした照明装置LgInを設けた本発明の実施例である。CamとLgInは、EL素子を用いた画面10の裏側に設けられる。Camは、点光源の間を通過する被写体反射光を捉える。利用者が当該照明装置の中心付近を見た場合、照明光は中心窩だけではなく周辺に広がる。18−1は、Fv付近の照明強度分布である。図17(A)に比べて、全体の光エネルギーは同じでも網膜上に広がりを持つ。Img3は、このときのカメラ画像である。PuとIrisの輝度差は大きく、瞳孔像の抽出は容易である。このように、網膜中心窩が許容できる光強度でLgInを臨む視角(61)が1度以上の広い範囲から照明することによって、網膜への負担を軽減し、瞳孔像を安定に抽出できる。
図18は、管状プラズマ発光体PLMからなる表示基材71を所定の間隔で並べて構成した画面10を用いた本発明の実施例である。図18(A)は、カメラ付き表示装置の上面図、(B)は、正面図である。図1と比較して画面10の構成以外は同様である。異なる点のみ説明する。5は、6の香り発生装置、又は、気流発生装置を制御する気体制御装置である。
画面10の構成を説明する。図18(A)(B)では、PLM1本で表示基材71を構成している。PLMは、細い管内にプラズマ発光材を設け、管外に当該発光体に電圧を印加するための透明電極(A(ITO)、K(ITO))を縦横に設けることで構成される。同図のPLM1本は、縦方向において電圧が印加された部分が所定の色で発光し、画素PXとなる。PLM(B)、PLM(G)、PLM(R)はそれぞれ青、緑、赤に発光する管状プラズマ発光体である。これら3本を組にすると、カラー画素PXCを構成できる。
PLMは、太さ1mm程度、長さ数mで製造できるため、これを並べることで大画面を構成できる。複数のPLMは、図には示していない薄い透明板で両側から挟み接着することにより、所定間隔で保持される。ここで、当該透明板には、前記透明電極A、Kを印刷技術で設けることができる。また画面裏側には、可視光を反射、又は、遮断し、近赤外光を通過させる部材Ref−BGRが設けられる。
62は、PLMの間隔である。近赤外光照明装置LgIn1の光21は、被写体Pに照射され、被写体反射光28は、62を通過してカメラCam1に捉えられる。LgIn1には、図18(C)に示す形状の近赤外EL発光体EL−IRを用いることができる。
カメラレンズ(Lens)を画面10に接近して設けることで、画面構造物であるPLMは、画像に写り込むことはなく、被写体を撮影できる。また、PLMを近赤外で透明に構成することも可能であり、この場合は、更に明るい被写体画像が得られる。
PLMは、断面を図18(D)のように扁平円にすることができる。これにより、可視発光面は大きくなり明るい映像を表示できる。また、PLMの間隔62は、画面表側から裏側に向けて中央部が狭く裏側が広くなるため、被写体反射光28は、広い角度で62を通過できる。従って、カメラCam1は、広範囲を明るく撮影できる。更に、近赤外で透明なPLMを用いる場合、被写体反射光25〜27はPLMの平たい面を直進しやすいため、明るいカメラ画像が得られる。
PLMを所定間隔で保持する他の方法として、当該間隔に透明樹脂を充填してもよい。また、図18(E)に示すように、カラー画素PXCを構成する3本のPLMをまとめて表示基材72とし、72を単位として所定の間隔で並べ、当該間隔62を被写体反射光通過部にしてもよい。72を並べて両側から透明板で挟む、透明樹脂を充填するなどが可能である。
また、PLMを所定間隔で保持する前記部材に穴を設け、被写体反射光や気体が通過できるようにしてもよい。図18(B)の68で示す領域には、気体を通過させるための小さな穴HLが多数設けられている。この領域の画面裏側には、香り発生装置、又は、気流発生装置6を設けることができる。画面前の人物を検出して、当該人物に向けて香り7などを提示できる。
図19は、EL素子列からなる帯状の表示基材73を所定の間隔で並べて構成した画面10を用いた本発明の実施例である。図19(A)は、カメラ付き表示装置の上面図、(B)は、正面図である。図1、図18と比較して画面10の構成以外は同様である。
画面10の構成を説明する。図19(E)は、表示基材73の構成例である。帯状の薄い透明体65、66、例えばガラス板の中にカラー画素PXCを構成する3色のEL発光体(EL(B)、EL(G)、EL(R))を一組にして縦方向に並べるように設け、当該各発光体に電圧を印加するための透明電極と駆動回路を設け、信号入力のためのリード線67を外部に設けている。この構造には、図4〜図6などの技術が適用できる。73は、幅1mm〜数mm、厚さ1mm以下、長さ数mで製造できるため、これを並べることで大画面を構成できる。73一つずつの面積は小さいため、製造の歩留まりは高い。
図19(A)において、複数の73は、薄い透明板BS1、BS2で両側から挟まれ接着され、所定間隔62で保持される。64は、各画素を縦横方向に駆動する回路、又は、そのための電極である。64で各画素PXCの発光を制御することで、10は表示画面になる。画面裏側には、可視光を反射、又は、遮断し、近赤外光を通過させる部材Ref−BGRが設けられる。同図では、BS2に設けている。LgIn1の照明光21による被写体反射光28は、62を通過してカメラCam1に捉えられる。
図19(D)に示すように、73の断面を扁平円にすると、73同士の間隔62は、画面表側から裏側に向けて中央部が狭く裏側が広くなるため、被写体反射光28は、広い角度で62を通過できる。従って、カメラCam1は、広範囲を明るく撮影できる。更に、近赤外で透明な表示基材を用いる場合、被写体反射光25〜27は表示基材73の平たい面63を直進しやすいため、明るいカメラ画像が得られる。
図19(B)に示すように、BS1、BS2に穴HLを設け、被写体反射光や気体を通過させることもできる。
本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、実施段階において、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変更することが可能である。また、上記実施形態は、種々の段階の発明が含まれており、適宜な組み合わせにより実施してもよい。更に、上記各実施例の構成要素は、その目的を踏まえて適宜省略する、又は、周知慣用技術で補うことができる。
(1)バーチャルリアリティ、シミュレータ分野;本発明は、没入型VR表示装置に利用できる。3次元空間モデルを2次元大画面にリアルタイムで透視投影変換して運動視表示を実現する際に、当該画面内側に設けたカメラで視点位置を高精度に検出できる。非装着な手段で検出できるため、自然な運動視を実現できる(図1、図3)。光学マークを視点に代用する従来方法にも利用できる。航空管制や車の操縦シミュレータに利用すると、注視点の動きから、訓練の効果が評価できる。
(2)電子広告分野(デジタルサイネージ);通行人に情報を表示する電子広告装置に利用できる。画面内の設けたカメラで視線を検出することにより、表示対象(コンテンツ)への関心レベルを計測できるため、当該レベルに応じてコンテンツの内容を変化させることができる。インテリジェントで便利な表示装置、利用者の注意を誘導する表示装置となる。また、広告効果を計測し、より適切な販売促進戦略に利用できる。通行人が居ない場合、表示を休止するなど省エネモードで運用できる。
(3)五感情報表示装置、五感表示メディアルームの分野;部屋の壁に本発明のカメラ付き映像表示装置を設けることができる。利用者が注視している画面の表示対象や、利用者が当該対象に近づく様子が分かる。そこで、利用者の接近を検出して注視対象の近傍から香り、又は、皮膚を触覚刺激する風などを表示できる。高臨場感表示が可能である。また、画面に冷風、温風が放出できるエアコンを内蔵し、人の検出結果を利用して当該エアコンを制御できる。五感を刺激する快適な空間が生成できる。
(4)家庭用情報通信端末分野;薄型大画面テレビが普及している。当該テレビとして本発明を適用し、表示装置の下に回転機構を設け、利用者の位置に合わせて画面を回転できる(図16(A))。迫力のある映像を常に正面から見られる。また、画面を見ていないときには、表示装置の電源を切る、節電モードにするなどの制御ができる。利用者までの位置を検出して、表示対象の大きさを見やすく調整する、音声の大きさを適切に調整できる。このように、従来リモコンで操作していた機能を自動化できる。
(5)視線入力装置分野;パソコン表示装置において、視線を検出し、注視点にカーソルを表示できる。また、視線によるメニュー選択インタフェースが実現できる。
(6)監視用映像表示システム分野;監視用表示装置、又は、計器類表示装置として利用できる。監視対象(計器類)が予定した動きと異なる場合、当該計器類を監視者に注視させる必要があるが、本発明では、監視者がどこを見ているか検出できるため、実際に計器類を注視したか否によって、表示モードを変えることができる。製造プラント、原子炉などの運行監視、航空機の管制、飛行機の操縦、医師の手術支援などに利用できる。
(7)通信を利用した協調作業分野;通信装置の表示装置に適用すると、利用者Aの注視点検出情報を相手側Bに送信することによって、BはAの操作意図を推定できる。そこで、当該意図に合致したメニューに切り替えるなどにより、円滑な協調作業を支援できる。
(8)ヘッドマウントディスプレイ(HMD)分野;HMDに適用すると、画面の裏側のカメラで利用者の眼付近を撮影し、当該画像を処理して画面の注視点を検出し、表示映像を制御できる。画面の内側に注視点検出用のカメラを設けるので、検出精度が高く、また、画面の視野範囲を広くできる。HMDでは、狭いスペースに大きな表示画面を設けることが課題であるため、本発明は有効である。
(10)携帯端末のディスプレイ分野;本発明では、カメラを画面の内側に設けるため、小さな筐体でありながら、大きな表示画面にできる。
(11)遠隔医療分野;通信回線を利用して、医師が遠隔の患者を診察する際、患者の視線の動きを医師側でモニタすることによって、診察の手掛かりとして利用できる。特に、精神疾患では、医師が課した視覚課題に対して患者の眼球の動きに特徴が現れることがあるため、当該記録は有効である。また、医師の画像診断では、画像のどこを見て診断したのかを記録として残しておくことは、医療過誤の防止などに有効である。
本発明の実施例で、カメラ付き表示装置の構成と利用を示す。 図1において、視点、視線検出方法、及び、網膜上に照射される光強度を説明する図である。 本発明の他の実施例で、人物を囲むように表示画面を設け、画面裏側に複数のカメラを人物がいる所定観察領域に向けた構成である。 本発明の他の実施例で、EL素子を用いた表示画面の裏側に近赤外LEDを照明装置として設けたカメラ付き表示装置と部品の光学特性である。 本発明の他の実施例で、EL素子を用いた表示画面の裏側に近赤外EL素子を照明装置として設けた構成である。 本発明の他の実施例で、EL素子を用いた表示画面の裏側に近赤外LED、又は、EL素子を照明装置として設けた構成である。 図6の部品の光学特性である。 本発明の他の実施例で、EL素子を用いた表示画面の裏側に近赤外EL素子アレイを照明装置として設けた構成である。 本発明の他の実施例で、EL素子を用いた表示画面の裏側、又は、内部に近赤外EL素子を照明装置として設けた構成である。 本発明の他の実施例で、EL素子を用いた表示画面の裏側に近赤外EL素子を照明装置として設けた構成である。 本発明の他の実施例で、LEDを用いた表示画面の裏側に近赤外LEDを照明装置として設けた構成である。 本発明の他の実施例で、表示画面の面方向にLEDを用いた表示兼照明素子PXC2を列状に設けた構成である。 本発明の他の実施例で、薄型画面の裏側に照明装置を設けたカメラ付き表示装置と、被写体反射光通過部の構成である。 本発明の他の実施例で、EL素子を用いた表示画面の裏側に回転可能なカメラを設けた構成である。 本発明の他の実施例で、プロジェクタスクリーンの裏側にカメラと近赤外照明装置を設けた構成である。 本発明の他の実施例で、人物検出結果に基づいて表示画面を制御する構成である。 本発明の他の実施例で、網膜中心窩とその周辺に広く照明光が当たるようにする効果を説明している。 本発明の他の実施例で、管状プラズマ発光体からなる表示基材を所定間隔で並べた画面を用いる構成である。 本発明の他の実施例で、EL素子列からなる帯状の表示基材を所定間隔で並べた画面を用いる構成である。
1・・・・・・カメラ駆動制御装置
2・・・・・・照明駆動制御装置
3・・・・・・情報処理装置
4・・・・・・映像制御装置
5・・・・・・気体制御装置
6・・・・・・香り発生装置、又は、気流発生装置
7・・・・・・香り
10・・・・・映像表示画面
10−1・・・被写体反射光通過部
11・・・・・青色の光
11−1・・・Refで反射する青色の光
12・・・・・緑色の光
13・・・・・赤色の光
13−1・・・Refで反射する赤色の光
14・・・・・光放出強度分布
15・・・・・目元
16・・・・・目尻
17、18・・網膜上の照明範囲(面光源、又は、集合光源の場合)
19・・・・・網膜上の照明範囲(点光源の場合)
20・・・・・外部照明光(可視光、又は、非可視光)
21・・・・・画面内部、又は、裏側からの照明光(非可視光)
25・・・・・青色発光素子内を通過する非可視被写体反射光
26・・・・・緑色発光素子内を通過する非可視被写体反射光
27・・・・・赤色発光素子内を通過する非可視被写体反射光
28・・・・・隔壁、又は、発光素子間を通過する非可視の被写体反射光
29・・・・・被写体反射光
30・・・・・プロジェクタから放出される可視光
31・・・・・スクリーンで反射する可視光
33・・・・・光散乱部
34・・・・・再帰性反射材
35・・・・・青色発光素子内を通過する青色以外の被写体反射光
36・・・・・緑色発光素子内を通過する緑色以外の被写体反射光
37・・・・・赤色発光素子内を通過する赤色以外の被写体反射光
38・・・・・隔壁、又は、発光素子間を通過する可視、及び、非可視の被写体反射光
39・・・・・近赤外光通過部
40・・・・・スクリーン
41・・・・・撮影範囲
45・・・・・発光部
46・・・・・スクリーンに設けた小さな穴
48・・・・・眼鏡フレーム(両眼立体視用偏光眼鏡、又は、液晶シャッタ時分割眼鏡)
49・・・・・光学マーク(再帰性反射マーク)
50・・・・・光学連結機構
51・・・・・画面先端部にカメラレンズの回転支点を設けた機構
56・・・・・所定観察領域
57・・・・・3次元位置検出領域
59・・・・・レンズ
60・・・・・点光源
61・・・・・光源を臨む視角
62・・・・・表示基材間の光通過部
63・・・・・光通過部
64・・・・・駆動電極、駆動回路
65、66・・帯状透明体
67・・・・・リード線
68・・・・・画面に小さな穴を設けた領域
71・・・・・PLM1本からなる表示基材
72・・・・・PLM複数本からなる表示基材
73・・・・・EL素子列からなる表示基材
A・・・・・・陽極
AK−B・・・Fil−Bを通過する青色の光
AK−G・・・Fil−Gを通過する緑色の光
AK−R・・・Fil−Rを通過する赤色の光
BS、BS1、BS2、BS3・・透明な板、又は、膜(ガラス、樹脂など)
BSN・・・・不透明な板
BSK・・・・光散乱材入りの板
Cam1・・・カメラ(単色撮影)
Cam2・・・カメラ(カラー撮像)
CCD・・・・撮像素子
Cen・・・・眼球中心
Color−Img・・カラー画像
Del・・・・瞳孔中心と角膜反射像の中心の距離
Dist・・・画面と人物の距離
Dr・・・・・人物の向き
DV・・・・・駆動回路(TFT)
EL・・・・・エレクトロリミネッセンス、又は、EL発光体
EL−IR・・近赤外EL発光体、又は、当該光学特性
EL−B・・・青色EL発光体、又は、当該光学特性
EL−G・・・緑色EL発光体、又は、当該光学特性
EL−R・・・赤色EL発光体、又は、当該光学特性
EL−W・・・白色EL発光体、又は、当該光学特性
Eye・・・・眼球
Fil−B・・青色光、及び、近赤外光を通過させるフィルタ
Fil−G・・緑色光、及び、近赤外光を通過させるフィルタ
Fil−R・・赤色光、及び、近赤外光を通過させるフィルタ
Fc・・・・・被写体撮影距離範囲
Fc−Lim・カメラレンズの最短焦点距離
Fv・・・・・網膜中心窩
Gaze・・・視線
HL・・・・・画面に設けた穴
HV−Lim・可視限界波長
Img・・・・カメラ画像
Iris・・・虹彩
IS・・・・・絶縁体
kt・・・・・瞳孔中心と角膜反射像中心の距離
K・・・・・・陰極
Leak・・・光の漏れ
LED−B・・青色発光ダイオード
LED−G・・緑色発光ダイオード
LED−R・・赤色発光ダイオード
LED−BGR・・青、緑、赤色の複合発光ダイオード
LED−BGR、IR・・青、緑、赤色、近赤外の複合発光ダイオード
LED−IR・近赤外発光ダイオード
Lens・・・カメラレンズ
Lm・・・・・カメラレンズ光軸付近の光通過部
Ls・・・・・カメラレンズ周辺の光通過部
LgIn・・・表示画面の内側(裏側)に設けられた照明装置、又は、その光学特性
LgOut・・表示画面の外側に設けられた照明装置、又は、その光学特性
Mono−Img・・単色画像
MT・・・・・回転機構
OP・・・・・画面の開口率(光通過率)
P・・・・・・人物
PA・・・・・隔壁
PLM・・・・プラズマ発光体
Proj・・・プロジェクタ
Pr・・・・・角膜反射像
PrC・・・・角膜反射像の中心
Pu・・・・・瞳孔
PuC・・・・瞳孔の中心
PW・・・・・電源
PX・・・・・可視光発光素子、又は、B、G、Rの各画素(サブピクセル)
PXC、PXC1・・カラーを構成する可視光発光素子(カラーピクセル)
PXC2・・・可視光及び近赤外光を発光する表示兼照明素子
PXC3・・・カメラの広視野を実現するためのカラーピクセル構造
r・・・・・・眼球半径
Ref・・・・光反射部材(膜)
Ref−B・・青色光を選択的に反射、又は、遮断する部材(膜)
Ref−G・・緑色光を選択的に反射、又は、遮断する部材(膜)
Ref−R・・赤色光を選択的に反射、又は、遮断する部材(膜)
Ref−BGR・・可視光を反射、又は、遮断する部材(膜)
Ref−IR・・・近赤外光を遮断する部材(膜)
RLens・・リレーレンズ
SC・・・・・光散乱材
SL1、SL2・・スリット
tree・・・木のオブジェクト
View・・・カメラの視野範囲

Claims (8)

  1. 可視光自発光体を画素に用いた薄型画面(10)、又は、反射型プロジェクタスクリーンを用いた薄型画面(10)と、当該画面の内側、又は、裏側、又は、画面淵から被写体に向け非可視光を放出する照明装置(LgIn)と、当該照明による被写体反射光を前記画面を介して捉えるためのカメラ(Cam)と、当該カメラ画像を処理することで被写体(人物)を検出する手段(3)を備え、カメラレンズ(Lens)は、当該画面構造物が撮像素子に結像しないように前記画面に接近して設けられるカメラ付き表示装置において、
    、前記照明装置(LgIn)は、当該照明領域を直視した際に、網膜上において中心窩とその周辺を分散して照明するように構成されることを特徴とするカメラ付き表示装置。
  2. 可視光自発光体を画素に用いた薄型画面(10)と、当該画面の内側、又は、裏側、又は、画面淵から被写体に向け非可視光を放出する照明装置(LgIn)と、当該照明による被写体反射光を前記画面を介して捉えるためのカメラ(Cam)と、当該カメラ画像を処理することで被写体(人物)を検出する手段(3)を備え、カメラレンズ(Lens)は、当該画面構造物が撮像素子に結像しないように前記画面に接近して設けられるカメラ付き表示装置において、
    前記可視光自発光体にはエレクトロルミネッセンス発光体(EL)が用いられ、当該発光体と駆動電極には前記被写体反射光を通過せしめる材料が用いられ、前記画素、又は、画素間の裏側又は後方には、可視光を反射又は遮断し前記被写体反射光を通過せしめる部材が設けられることを特徴とするカメラ付き表示装置。
  3. 可視光自発光体を画素に用いた薄型画面(10)と、当該画面の内側、又は、裏側、又は、画面淵から被写体に向け非可視光を放出する照明装置(LgIn)と、当該照明による被写体反射光を前記画面を介して捉えるためのカメラ(Cam)と、当該カメラ画像を処理することで被写体(人物)を検出する手段(3)を備え、カメラレンズ(Lens)は、当該画面構造物が撮像素子に結像しないように前記画面に接近して設けられるカメラ付き表示装置において、
    前記薄型画面(10)は、管状又は帯状の可視光自発光体を用いた表示基材(71〜73)を所定の間隔で並べて構成され、被写体反射光は少なくても当該表示基材間を通過することを特徴とするカメラ付き表示装置。
  4. 可視光自発光体を画素に用いた薄型画面(10)、又は、反射型プロジェクタスクリーンを用いた薄型画面(10)と、当該画面の内側、又は、裏側、又は、画面淵から被写体に向け非可視光を放出する照明装置(LgIn)と、当該照明による被写体反射光を前記画面を介して捉えるためのカメラ(Cam)と、当該カメラ画像を処理することで被写体(人物)を検出する手段(3)を備え、カメラレンズ(Lens)は、当該画面構造物が撮像素子に結像しないように前記画面に接近して設けられるカメラ付き表示装置において、
    前記画素間、又は、可視光発光部間には非可視光の被写体反射光が通過する部分が複数設けられ、当該光通過部は、画面表側から裏側に向けて一部が狭く裏側が広くなるように構成され、画面裏側に設けられたカメラは、当該複数の光通過部を通過する被写体反射光を捉えることを特徴とするカメラ付き表示装置。
  5. 請求項1から請求項4の何れかにおいて、
    前記照明装置(LgIn)は、幾何学パターンを放出することを特徴とするカメラ付き表示装置。
  6. 請求項1から請求項4の何れかにおいて、
    前記画面(10)の内部、又は、裏側には、近赤外EL発光体を用いた照明装置(LgIn(EL−IR))が設けられることを特徴とするカメラ付き表示装置。
  7. 請求項1から請求項6の何れかにおいて、
    前記照明装置(LgIn)の光は、前記画面(10)を介して視角にして1度以上の網膜範囲を照明し、前記カメラは画面を介して角膜反射像(Pr)、又は、虹彩(Iris)、又は、瞳孔(Pu)を撮影し、当該カメラ画像の処理によって視点、又は、視線(Gaze)が検出されることを特徴とするカメラ付き表示装置。
  8. 請求項1から請求項7の何れかにおいて、
    画面の裏側に設けられた複数の前記カメラは、各々の視野方向が所定観察領域に向けられ(各々のカメラが輻輳して設けられ)、当該カメラ画像の処理によって視点、又は、視線(Gaze)が検出されることを特徴とするカメラ付き表示装置。

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